JP4886740B2 - 経路計算装置、経路計算方法、経路設定システム、および経路計算プログラム - Google Patents
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"NGNが提供する新しいコミュニケーションとそれを支える技術"、[online]、2007年4月、NTT技術ジャーナル、[平成20年6月24日検索]、インターネット<URL:http://www.ntt.co.jp/journal/0704/index.html>
したがって、本発明の課題は、このような問題を解決するために、品質に係る演算量を低減し、演算により算出された品質の値が所定の品質の値を満たすことを確認することによって、信号の品質を保証したパスの経路を決定する技術を提供することを目的とする。
まず、第1実施形態に係る経路計算装置を含む経路設定システムの構成を、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る経路計算装置を含む経路設定システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、経路設定システム1は、光網15内に配置されている通信装置2(2a,2b,2c,2d)と経路計算装置10とを含んで構成される。
経路計算装置10は、例えば、通信装置2aから通信装置2dへパスを設定するように要求を受け付けると、経路計算を行って、各通信装置2b,2cを経由するパスを決定したとする。経路計算装置10は、その決定結果を、パス設定指示情報として、始点ノードとなる通信装置2aに出力する。
図2に示すように、経路計算装置10は、処理部20、記憶部30、入出力部40、および通信部50によって構成される。
処理部20は、制約条件作成部21、経路計算部22、およびパス設定部23を含む。
制約条件作成部21は、多数の品質劣化要因を少数の制約条件に絞りこみ、光パスの経路を伝達される信号の品質劣化の度合いをその制約条件別の品質尺度の値(制約条件の値)として定量化する。例えば、少数の制約条件に絞り込む方法として、因子分析または多次元尺度構成法によって、品質劣化要因によって引き起こされる品質劣化に対して相関の強い品質劣化要因を集約する。そして、制約条件の値は、パスを決定するための判断基準の一つとなる。
図3に示すように、例えば、品質劣化要因として、偏波モード分散、伝送損失、遅延等があるとする。それらの品質劣化要因によって引き起こされる品質劣化に対する相関の強いものを、因子分析または多次元尺度構成法によって集約する。そして、集約された集合を制約条件として、その制約条件と品質劣化要因とを関連付けた情報を制約条件テーブル313とする。次に、制約条件に関連付けられた品質劣化要因の物理量を、その制約条件における品質劣化の度合いを示す品質尺度の値に変換するための変換テーブルまたは変換式を含む変換情報314によって、品質尺度の値に変換し(例えば単位はdB等)、制約条件の値を算出する。
記憶部30は、網特性情報31、リソース情報32、パス情報33、候補経路情報34、および品質レベル情報35を記憶している。また、記憶部30は、処理部20が機能するためのアプリケーションプログラムも記憶している。
次に、品質特性情報311と品質値情報312とについて、図5を用いて説明する。図5(a)は、リンクごとの品質特性情報の一例を示す図であり、(b)は、制約条件における品質尺度の値の情報の一例を示す図である。
なお、品質劣化要因の物理量が同じであっても、信号速度や変調方式(不図示)が異なると、品質尺度の値は異なる。そのため、品質値情報312は、信号速度や変調方式(不図示)も変数として作成される。
リンクコストは、ノードが信号をリンクに送出するときのコスト(負担)である。代表的なリンクコストには、IGP(Interior Gateway Protocol)コストやTE(Traffic Engineering)メトリックがある。
残余帯域は、リンクの信号帯域から、そのリンクをパスの経路として使用するために割り当てられた使用要求帯域を減算して算出される。この算出は、経路計算部22によって行われる。
ノードIDおよびノードIF_IDは、例えば、IPアドレス等が用いられる。
候補経路情報34は、候補経路ID、経由リンクIDリスト、リンクコスト、制約条件A、制約条件B、およびパスの経路として決定したことを示すフラグを関連付けて記憶している。
経由リンクIDリストは、パスの経路を形成するリンクを表したものであって、経路計算部22によって、ノードIDとそのノード同士がどのように接続されているかを示すトポロジ情報(不図示)を参照して作成される。
なお、候補経路情報34は、必ずしも必須ではなく、経路計算の必要が生じた都度、経路計算部22によって算出されてもよい。
図8に示すように、例えば、ユーザから要求されているパスの経路の品質レベルが「高品質」であった場合、制約条件Aについては0〜5未満、かつ制約条件Bについては0〜6未満である。また、「やや高品質」であった場合、制約条件Aについては5以上〜10未満、かつ制約条件Bについては6以上〜12未満と設定されている。
そして、パス設定部23によって、候補経路情報34(図7参照)のフラグ欄のフラグ識別記号が参照されて、そのフラグ識別記号が付された候補経路IDに対応するパスの経路が光網15に設定される。
まず、経路計算装置10は、入出力部40を介して、パス確立要求を受け付ける(ステップS81)。
パス確立要求は、パスの端点となるノードID、パスに対する使用要求帯域、および品質レベルを含む情報である。そして、パス確立要求は、網運営者によって入力される。
ただし、記憶部30に記憶されている網特性情報31およびリソース情報32は、ステップS81の時点または周期的に、最新の情報に書き換えられているものとする。
制約条件は、経路計算装置10の初期設定時に作成されても、網特性情報31の更新時に作成されても、周期的に作成されても構わない。なお、制約条件の算出の詳細については、後記する。
そして、経路計算部22は、リンクの組み合わせに対して、リソース情報32を参照して、経路に対応するリンクコストを算出し、候補経路情報34(図7参照)に記憶する。
決定されたパスの経路には、決定されたことを示すフラグ識別情報が付される。これは、パス設定部23が、候補経路情報34を参照したときに、どの経路が設定すべきものかを識別できるようにするためである。
まず、経路計算装置10の制約条件作成部21(図2参照)は、品質劣化要因に係る情報(物理量)を取得する(ステップS91)。これらの品質劣化要因の物理量は、通信装置2(2a〜2d)に備えた計測器、または、リンクの中間に設置された計測器(不図示)によって計測され、経路計算装置10に取得される。そして、制約条件作成部21は、取得した品質劣化要因に係る特性情報を品質特性情報311(図5(a)参照)に記憶する。品質劣化要因としては、波長分散値、偏波モード分散値、ASEノイズ、伝送損失等の物理現象に係る要因以外に、使用波長帯、信号速度、遅延等がある。
そして、制約条件作成部21は、リンクIDごとに、そのリンクの制約条件における品質尺度の値を算出する(ステップS93)。この算出結果は、制約条件Aや制約条件Bとして、品質値情報312(図5(b)参照)に記憶される。例えば、図5(b)では、制約条件Aにおいて、リンクID=3では、信号速度が10Gbpsのときには、品質尺度の値が2である。また、この算出結果は、リソース情報32(図6参照)にも記憶される。
第2実施形態における経路計算装置10を含む経路設定システム1aは、各通信装置3が、経路計算装置10(図2参照)の機能を備えている場合である。この第2実施形態における経路設定システム1aの構成について、図12を用いて説明する。図12は、第2実施形態における経路設定システムの構成を示す図である。
図12に示すように、第2実施形態における経路設定システム1aでは、通信装置3(3a〜3d)が経路計算装置10を備え、通信装置3間で相互に通信可能に接続されている。そして、経路計算装置10は、第1実施形態において説明した処理と同様の処理を実行する。
そして、図13に示すように、以下の手順によって、パスの経路が設定される。
まず、パスの経路の始点ノードとして指定された通信装置3aに備えられた経路計算装置10が、制約条件の値を算出する(ステップS101)。次に、通信装置3aは、経路計算を行う(ステップS102)。そして、通信装置3aは、パスの候補経路を抽出し、そのパスの候補経路の中からパスの経路を一つ選択する(ステップS103)。次に、通信装置3aは、パスの経路を形成する他の通信装置3(3b〜3d)に、そのパスの経路の制約条件の値を送信する(ステップS104)。
なお、独自に算出したパスの経路の制約条件の値が、受信したパスの経路の制約条件の値と食い違うということは、算出に用いた品質劣化要因の物理量が異なっていることに起因する。すなわち、他の通信装置3(3b〜3d)が、最新の情報に基づいて制約条件の値を算出していることになる。
そして、他の通信装置3(3b〜3d)は、パス設定指示情報を受信したか否かを判定する(ステップS111)。パス設定指示情報を受信している場合(ステップS111でYes)、他の通信装置3(3b〜3d)は、パスの設定を行う(ステップS112)。もし、パス設定指示情報を受信していない場合(ステップS111でNo)、他の通信装置3(3b〜3d)は、待機状態となる。
また、第1実施形態では、制約条件Aと制約条件Bとを例示したが、制約条件の数はこの2つに限られることはなく、3以上であっても構わない。
1a 経路設定システム
10 経路計算装置
2 通信装置
3 通信装置
15 光網
20 処理部
21 制約条件作成部
22 経路計算部
23 パス設定部
30 記憶部
31 網特性情報
311 品質特性情報
312 品質値情報
313 制約条件テーブル
314 変換情報
32 リソース情報
33 パス情報
34 候補経路情報
35 品質レベル情報
Claims (6)
- 光網に配置されている複数の通信装置間を接続するリンクによって形成されるパスの経路を計算するとき、前記リンクを伝達される信号の品質を劣化させる複数の品質劣化要因を前記パスの経路計算時の制約条件として用いる経路計算装置であって、
前記複数の品質劣化要因を少数の前記制約条件に集約する制約条件テーブルと、前記制約条件に含まれる前記複数の品質劣化要因の物理量を前記制約条件における品質劣化の度合いを示す品質尺度の値に変換するための変換情報と、前記リンクごとに、当該リンクのリンクコスト、残余帯域および前記制約条件における品質尺度の値を示したリソース情報とを記憶する記憶部と、
前記リンクごとの前記複数の品質劣化要因の物理量を取得し、前記制約条件テーブルおよび前記変換情報を参照して、前記複数の品質劣化要因を少数の制約条件に絞り込み、前記各リンクの前記制約条件における品質尺度の値を計算し、その計算結果からさらに、前記リンクを接続して形成されるパスの経路に対する制約条件の値を算出する制約条件作成部と、
前記リンクごとに前記残余帯域の大きさが前記信号を伝達するのに必要な帯域である使用要求帯域以上か否かを判定し、
前記残余帯域の大きさが前記使用要求帯域以上であるリンクによって形成されるパスの候補経路に対して、前記リソース情報を参照して、そのリンクに対応する前記リンクコストと前記制約条件における品質尺度の値とを取得し、前記パスの候補経路に対応するリンクコストおよび前記パスの候補経路に対応する制約条件の値を算出し、その前記パスの候補経路に対応する制約条件の値が前記パスの候補経路を伝達される信号に対して要求される要求品質に対応する値を満たす範囲で、前記パスの経路に対応するリンクコストの最も小さい該パスの候補経路を前記パスの経路として決定し、決定前の前記残余帯域から前記使用要求帯域を減算した値を新たな前記残余帯域として前記リソース情報を更新する経路計算部と、
を備えることを特徴とする経路計算装置。 - 前記制約条件作成部は、前記複数の品質劣化要因を、因子分析または多次元尺度構成法によって、前記品質劣化要因によって引き起こされる品質劣化に対して相関の強いもの同士を集約して、少数の制約条件に絞り込むこと、
を特徴とする請求項1に記載の経路計算装置。 - 前記リンクの品質劣化要因は、前記光網における波長分散値、偏波モード分散、使用波長帯、伝送損失、ASEノイズ、およびノード挿入損失のうち少なくともいずれかであること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の経路計算装置。 - 光網に配置されている複数の通信装置間を接続するリンクによって形成されるパスの経路を計算するとき、前記リンクを伝達される信号の品質を劣化させる複数の品質劣化要因を前記パスの経路計算時の制約条件として用いる経路計算装置において用いられる経路計算方法であって、
前記経路計算装置が、
前記複数の品質劣化要因を少数の前記制約条件に集約する制約条件テーブルと、前記制約条件に含まれる前記複数の品質劣化要因の物理量を前記制約条件における品質劣化の度合いを示す品質尺度の値に変換するための変換情報と、前記リンクごとに、当該リンクのリンクコスト、残余帯域および前記制約条件における品質尺度の値を示したリソース情報とを記憶する記憶部と、制約条件作成部と、経路計算部とを有し、
前記リンクごとの前記複数の品質劣化要因の物理量を取得し、前記制約条件テーブルおよび前記変換情報を参照して、前記複数の品質劣化要因を少数の制約条件に絞り込み、前記各リンクの前記制約条件における品質尺度の値を計算し、その計算結果からさらに、前記リンクを接続して形成されるパスの経路に対する制約条件の値を算出する制約条件作成ステップを実行し、
前記経路計算部は、前記リンクごとに前記残余帯域の大きさが前記信号を伝達するのに必要な帯域である使用要求帯域以上か否かを判定し、前記残余帯域の大きさが前記使用要求帯域以上であるリンクによって形成されるパスの候補経路に対して、前記リソース情報を参照して、そのリンクに対応する前記リンクコストと前記制約条件における品質尺度の値とを取得し、前記パスの候補経路に対応するリンクコストおよび前記パスの候補経路に対応する制約条件の値を算出し、その前記パスの候補経路に対応する制約条件の値が前記パスの候補経路を伝達される信号に対して要求される要求品質に対応する値を満たす範囲で、前記パスの経路に対応するリンクコストの最も小さい該パスの候補経路を前記パスの経路として決定し、決定前の前記残余帯域から前記使用要求帯域を減算した値を新たな前記残余帯域として前記リソース情報を更新する経路計算ステップを実行すること、
を特徴とする経路計算方法。 - 光網に配置されている複数の通信装置間を接続するリンクによって形成されるパスの経路を設定する経路設定システムであって、
前記通信装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の経路計算装置を備え、
(1)前記パスの経路の始点ノードとなる通信装置に備えられた前記経路計算装置が、前記パスの候補経路の中から決定した前記パスの経路のノードとなる他の前記通信装置に、そのパスの経路の制約条件の値を送信し、
(2)前記他の通信装置は、独自に前記パスの経路に対応する制約条件の値を算出し、前記独自に算出した前記パスの経路に対応する制約条件の値が受信した前記パスの経路に対応する制約条件の値を満たしていない場合に、前記始点ノードとなる通信装置に、設定不可を通知する通知情報を送信し、
(3)前記通知情報を受信した前記始点ノードとなる通信装置に備えられた前記経路計算装置が、次の前記パスの候補経路を選択し、
前記(1),(2),(3)を繰り返して、前記始点ノードとなる通信装置が前記通知情報を受け取らなくなったとき、前記パスの経路を設定すること、
を特徴とする経路設定システム。 - コンピュータを請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の経路計算装置を構成する各部として、コンピュータを機能させるための経路計算プログラム。
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