JP4886420B2 - 中継接続ユニット - Google Patents

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本発明は車載用の中継接続ユニットに関し、詳しくは、複数の通信線路を用いて送受信されるメッセージの中継を高速に無駄なく行う中継接続ユニットに関するものである。
近年、自動車に多数の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)が搭載されており、その数は増加する傾向にある。各ECUは通信線路を介して互いに接続されることにより車載LANを構築し、ECU間でメッセージを送受信できるようにしている。さらに、各通信線路を介して送受信されるメッセージの量を削減するために、複数の通信線路を中継接続ユニットによって接続し、一本の通信線路(車載LANの単一セグメント)に接続されるECUの数を削減することが行われている。
図12は非特許文献1の「CAN入門」に示されている従来の一般的な中継接続ユニット90の構成を示す図である。図示のように、中継接続ユニット90は、ワイヤハーネスからなる通信線路91A,91Bにそれぞれ接続された車載LAN通信手段からなるポート92A,92Bと、該ポート92A,92Bに接続されたCPU(演算処理部)93と、少なくとも中継するべきメッセージの識別情報と中継先ポートの関係を示す中継情報を記録してなるメモリ94とを備えている。
CPU93はポート92A,92Bを介して受信したメッセージを全て受け取った後に、このメッセージに付された識別情報を前記メモリ94に記録された前記中継情報に含まれる識別情報と順次比較し、他のポート92B,92Aに中継送信するべきメッセージであるかどうかを判別する。CPU93が該メッセージを中継送信するべきであると判別した場合には、このメッセージをポート92B,92Aに中継送信している。
CAN入門 発行:2003年10月1日 発行者:ルネサステクノロジ インターネット(URL:http://www.renesas.com/jpn/products/mpumcu/specific/can_lin_mcu/candoc/rjj99z0001_entry_0400.pdf)
前記非特許文献1に開示された中継接続ユニット90のように、メッセージの中継に関する前記一連の処理をCPU93がソフトウエアによって実行する場合には、CPU93に高い処理能力が求められるという問題が生じる。つまり、CPU93によって判別を行うメッセージ量が増大すればするほど、メッセージが受信ノードに到着するまでの時間が遅延するという問題が生じる。とりわけ、近年においては車載LANがさらに複雑になる傾向があるため、3以上の数の通信線路を中継する中継接続ユニットが必要となってきており、前記CPU93に取り込まれるメッセージ数が多くなることは避けられないので、それだけ中継にかかる遅延時間が長くなるという問題が生じる。
また、CPU93が受信メッセージを一端受け取った後に、その識別情報を用いて中継先ポート92A,92Bを判別し、中継が必要な場合には中継送信を開始するので、少なくとも1つのメッセージを送信するのに必要な時間は中継送信が遅れることは避けられなかった。
そこで、中継にかかる遅延時間をできるだけ短くするために、CPU93が受信中のメッセージを必要とするポートに中継送信する処理を並行して行うことが望ましい。しかしながら、処理が集中するCPU93を用いた中継では、並行処理によって中継送信のために必要な時間を短くすることは極めて難しい。
さらに、前記中継接続ユニット90によって受信するメッセージの中には送信元のECUの誤動作によってエラーが含まれているメッセージがある。また、通信線路91A,91B上で混入したノイズなどの影響によって正確でないものも含まれる。
このため、従来の中継接続ユニット90において、エラーを含むメッセージを中継した場合には、中継先の通信線路における通信負荷を無駄に引き上げる問題が生じる。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、メッセージの中継を可能な限り高速に行うことができると共に、エラーが含まれる無駄なメッセージの中継をできるだけ少なくする中継接続ユニットを提供することを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、
メッセージの送受信を行う車載LAN通信手段からなる複数のポートと、
前記ポートを介して受信する受信メッセージを受信した部分から順次記憶するバッファと、
中継する必要があるメッセージの識別情報と中継先ポートの関係を記録してなる中継情報記録手段と、
前記ポートを介して受信するメッセージのビットエラーを検出すると共に各ポート毎および各識別情報毎のビットエラー発生率を求める受信エラー監視手段と、
前記受信エラー監視手段によって求められた各ポート毎および各識別情報毎のビットエラー発生率を記録してなるエラー率記録手段と、
前記受信メッセージの識別情報を受信した時点で前記中継情報記録手段に記録された識別情報と比較して該識別情報に対応する中継先ポートを判別し、かつ、前記エラー率記録手段に記録された受信ポート毎および識別情報毎のビットエラー発生率によって受信メッセージの中継送信を開始する中継開始時点を定め、該中継開始時点までの間に前記受信エラー監視手段がビットエラーを検出しなかった場合に前記バッファ内に記憶されるメッセージを中継送信させる中継処理手段と、
を備えることを特徴とする中継接続ユニットを提供している。
前記中継処理手段は、前記中継開始時点までの間に前記受信エラー監視手段がビットエラーを検出した場合にメッセージの中継送信を中止する機能を備えることが好ましい。
また、前記中継処理手段は、中継送信中のメッセージにビットエラーが発生した場合に中継送信を中止する機能を備えることが好ましい。
このように、ビットエラーが発生した場合には、中継送信を中止することにより、中継先となる通信線路に無駄なメッセージを流す時間を必要最小限に抑えることができる。
本発明の中継接続ユニットでは、受信エラー監視手段がメッセージの受信ポート毎および各識別情報毎にビットエラー発生率(ビットエラー率)を求め、各ポート毎および各識別情報毎のビットエラー率をエラー率記録手段に記録する。
通常、データ通信を行う場合には、連続して所定の数以上、同じ信号が送信されないようにするための冗長項(冗長ビット)が追加されたり、パリティチェックなどの情報を定期的に混在させている。よって、前記受信エラー監視手段はこれらの冗長項を確認することにより受信メッセージにエラーが発生したことをほぼリアルタイムに検出できる。
前記中継処理手段は、前記ビットエラー率によって、受信ポート毎および識別情報毎にバッファ内のメッセージの中継送信を開始する中継開始時点を定めている。
例えば、中継処理手段は、ビットエラー発生率と遅延時間(例えば遅延するビット数)の関係を予めテーブル化した中継遅延時間設定情報を用いて、前記中継遅延ビット数のメッセージを受信する時点を中継開始時点としている。
前記中継開始時点になるまでの間に受信メッセージにビットエラーが発生した場合には、前記したように、メッセージの中継送信を中止し、メッセージを受信するポートの状況に合わせて、最適な遅延時間が経過した後に、受信中のメッセージの中継処理を開始している。
前記遅延時間とは、受信メッセージの識別情報をポートが受信して中継送信が可能となる最短の時点から中継開始が可能な時点までの遅延時間を指す。
また、前記最適な遅延時間は、中継開始時点からメッセージが正確に受信完了されたことを確認するまでの間に、ビットエラーが発生して、中継接続ユニットがエラーメッセージを中継送信する確率Y(エラー発生率)を許容できる程度に低い確率、例えば9×10−8以下とすることができるように中継開始時点を遅らせる時間である。このエラー発生率Yは、ビットエラー率が10−Xであるときに、式(1)で表すことができる。
Y=N×10−X … 式(1)
(但し、N:中継開始時点において受信完了していない残りのビット数)
通常、各ポートに接続される通信線路(CANバスのような有線の通信線みならず無線も含む)の環境によってはノイズなどの影響によって所定の確率でビットエラーが発生することは避けられない。
しかしながら、本発明では、前記受信エラー監視手段が各ポート毎に現状のビットエラー率を、例えば、ビットエラーが発生する時間的な間隔を逆数にして、所定の定数を乗算することにより、あるいは過去数回または過去の所定時間内に生じたビットエラーの回数を用いて求め、求めたビットエラー率を用いて前記式(1)より各ポート毎の中継開始時点を定めている。
このように、本発明では、中継処理手段が受信ポート毎にビットエラー率を求めて中継開始時点を定めることにより、可能な限り早い中継開始時点から、受信中のメッセージを並列処理によって中継送信することができる。また、中継開始時点から中継開始されたメッセージがエラーメッセージとなる確率は極めて小さくなるように、中継開始時点を調節することで、これが中継先の通信線路における通信負荷率を大きく悪化させる原因とならない。
メッセージの各識別情報毎のビットエラー率も、受信エラー監視手段が、ポート毎のビットエラー率と同様に求め、識別情報毎のビットエラー率をエラー率記録手段に記録する。中継処理手段は、このビットエラー率によって、各識別情報毎にバッファ内のメッセージの中継送信を開始する中継開始時点を定めている。
前記ポートはCANのような種々の車載LANの規格に準拠するメッセージの送受信を行うものであり、前記バッファは送受信するメッセージをビット単位で読み書きできるように構成されたメモリであり、フリップフロップのようなビット記憶素子を集めたものであることが好ましい。
同様に、前記中継情報記録手段は高速に読み出し可能に構成されたメモリであり、前記バッファ内の識別情報を記憶した部分と高速にアクセスできるバスを有することが好ましい。さらに、中継処理手段はバッファおよび中継情報記録手段と高速にアクセスできるように構成された論理回路であることが好ましく、バッファ内の識別情報と中継情報記録手段に記録された識別情報を比較するコンパレータのような論理回路を有することが好ましい。
前記構成の中継接続ユニットによるメッセージの中継処理は、前記バッファから中継先の各ポートに順次メッセージの転送を行うだけで可能であるから、受信中のメッセージを中継送信する並行処理を容易に行うことができる。
なお、エラーが所定の確率以上であるときには、メッセージの受信を完了し、メッセージの正確さを確認した後に前記バッファ内のメッセージを中継送信させことが好ましい。
本発明では、前記バッファ内の記憶領域を複数のスロット領域に分けて管理するバッファ管理手段と、
前記各ポートが送信可能な状態であるときにバッファ管理手段を用いて前記送信可能なポートに対応するメッセージを中継送信させる送信管理手段とを備えていることが好ましい。
前記バッファ管理手段は、
前記各ポートから前記バッファに記憶させるメッセージを受信するときに、空きの生じている前記スロット領域を検索して、該スロット領域が使用中であることを示す情報を記憶した後に、該スロット領域に受信中のメッセージを逐一記憶し、また、該メッセージの識別情報を記憶し終えた時点で前記中継処理手段が定める該メッセージの中継先ポートと中継開始時点とを記憶する。
また、前記送信管理手段からメッセージの中継送信の要求を受けるときに、使用中の前記各スロット領域を順次たどって、送信可能な状態である中継先ポートに出力させるべきメッセージを記憶してなるスロット領域を検索し、該スロット領域に記憶されたメッセージを前記中継先ポートに中継送信した後に、該スロット領域内の該中継先ポートの情報を削除する。
さらに、前記スロット領域に記憶された中継先ポートが無くなった時点で該スロット領域が空きスロットであることを記憶して該スロット領域を開放するものであることが好ましい。
前記構成により、ポートを介して受信メッセージが入力されると、バッファ管理手段がバッファ内の空きスロット領域を確保し、この空きスロット領域にメッセージが記憶される。
また、識別情報を受信した時点で前記中継処理手段が該識別情報を前記中継情報記録手段に記憶される識別情報と比較して中継先ポートと中継開始時点が定められるので、これらの中継先ポートと中継開始時点を前記スロット領域に記憶する。
なお、前記中継先ポートが設定されない場合は、このメッセージの受信を中断し、バッファ管理手段が該スロット領域が空きスロットであること記憶して該スロット領域を開放する。
次いで、ポートが送信可能な状態であるときに前記スロット領域内に記憶された出力先の情報を用いて送信可能なポートに対応するメッセージを選択して、該ポートに出力する。つまり、識別情報を受信した時点で受信中のメッセージを中継することが可能である。
なお、前記スロット領域が使用中または空きであることを示す情報は、使用中の各スロット領域に次のスロット領域の位置を示す情報を記憶することにより、使用中の各スロット領域を順次連鎖させてチェーン構造に連結して管理するための情報であることが好ましい。これによって各ポートが共有する多数のスロット領域を統合して管理することが可能である。なお、フラグ情報を用いて各スロット領域の使用状況を確認できるようにすることも可能である。
本発明の中継接続ユニットは、ポート毎および識別情報毎にビットエラーを監視し、ビットエラー発生率が高いポートから受信したメッセージおよびビットエラー発生率が高い識別情報のメッセージについては、このメッセージの中継開始を、中継送信可能な最速の時点より遅らせるように、中継開始時点を定めるので、ビットエラー発生率が低いメッセージについては受信中のメッセージを並行処理によって可能な限り高速に中継送信することができる。一方、ビットエラー発生率が高いメッセージについて、受信中のメッセージを並行処理によって中継送信する場合にも、そのビットエラー発生率に合わせて適宜の遅れ時間をもたせた中継開始時点から中継送信を開始するので、ビットエラーの発生によって無駄にエラーメッセージを中継送信してしまう事態の発生を減らすことができる。
また、本発明では、エラーメッセージの処理を含むメッセージの中継処理を、動作プログラムなどのソフトウェアで制御するのではなく、簡便なハードウェアで実現できるポート、バッファ、中継情報記録手段を用いて行っている。したがって、ソフトウェアで動作するCPUにより中継処理を行う従来の場合と比較して、ハードウェアで処理を実行する中継処理手段では各ポート毎に分散する各電子回路によってビット情報の入出力処理を並行してパイプライン処理することが可能であるから、ポート数の増加による処理の遅延がほとんど発生しない。また、メッセージの増加による処理の遅延が従来よりも発生しにくいので、自動車の多機能化によるノードの増加に対応することが可能となる。
以下、本発明の中継接続ユニット1の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図10は本発明の第1実施形態を説明する図であり、図1は第1実施形態に係る中継接続ユニット1を用いた車載LANの構成を示し、図2は中継接続ユニット1の内部を概念的に示すブロック図、図3は中継接続ユニット1の内部構成を示すブロック図、図4はバッファ内のスロット領域の管理方法の一例を示す図、図5は中継情報の一例を示す図、図6,7はエラー率情報の一例を示す図、図8はビットエラー発生率(以下、ビットエラー率という)と遅延ビット数の関係を示す図、図9,10は中継接続ユニット1を用いた中継の例を示す図である。
図1に示すように、本発明の中継接続ユニット1に通信線路3(3A、3B…)を介してECU2(2A、2B…)を接続している。
ECU2は、例えばCANの規格に準拠するメッセージma,mb…の入出力手段2aを備え、通信線路3はCANの規格に準拠するツイストペアケーブルである。各通信線路3A,3B…はいれも500kpsの通信速度でメッセージを送受信するものである。
なお、各通信線路3はCANを始めとする種々の規格に準拠する車載LANを構成するものであってもよい。また、各通信線路3毎に異なる規格に準拠する車載LANを構成するものであってもよい。
各通信線路3(3A、3B、3C、3D)には、それぞれ一群のECU2(2A,2B…、2C,2D…、2E,2F…、2G,2H…)が接続続され、それぞれ車載LANのセグメントSa、Sb、Sc、Sd(以下、これらを単にセグメントSa〜Sdとよぶ)を構成している。
中継接続ユニット1は複数のセグメントSa〜Sd間においてメッセージm(すなわち、前記メッセージma,mb…の任意のもの)を中継することにより、互いに通信可能に構成された車載LAN網4を形成している。
なお、各セグメントSa〜Sdにはそれぞれ単一のECU2が接続されて、より確実な通信を行うようにしてもよいことはいうまでもない。
図2に示すように、中継接続ユニット1は、複数の通信線路3(3A〜3D)にそれぞれ接続されてメッセージmの送受信を行うポート10(10a〜10d)と、これらポート10に接続されてメッセージmの中継処理を行う中継処理部11と、この中継処理部11を制御して中継処理を管理するCPU12と、このCPU12の動作プログラムおよび中継処理部11の設定値が記録された記録手段13とを備えている。
なお、本実施形態は前記ポート10の数を4として、中継接続ユニット1の構成を説明するが、ポート数を限定されない。
ポート10a〜10dはそれぞれ通信線路3A〜3Dを用いて形成される各セグメントSa〜Sdにおける車載LANの通信プロトコルに合わせたメッセージmの送受信を可能とする車載LAN通信手段であり、それぞれが独立して動作可能に構成されている。しかしながら、ポート10a〜10dは物理的に1つの車載LAN通信手段内に設けられたものでもよい。
前記中継処理部11はメッセージmを中継するための論理回路が記録されたFPGA(Field Programmable Gate Array)などのメモリ混載ロジックICからなり、必要な情報を書き込むことにより形成される複数の機能ブロック(IP:Intellectual Property)を備え、複数のメッセージmの中継を並列処理するものである。
前記中継処理部11は、受信途中であるメッセージmを、その識別情報まで受信し中継先ポートが判別できた時点以降において中継先ポートに中継送信できるように構成されている。また、前記メッセージmの中継送信を開始する中継開始時点は、メッセージmの識別情報およびメッセージmを受信したポートに合わせて調整することができるように構成している。
なお、以下の説明において受信途中であるメッセージmを並列処理によって中継先ポートへ中継送信開始することをカット&スルー方式の中継といい、メッセージmを受信完了した時点以降においてこのメッセージmを中継先ポートへ中継送信開始することをストア&フォアード方式の中継という。さらに、前記カット&スルー方式の中継を行う場合に前記中継開始時点までに受信完了していなければならないメッセージmのビット数を遅延ビット数という。
本実施形態ではFPGAを用いて中継処理部11を形成することにより、その汎用性を高めているが、中継処理部11を特定用途向けIC(ASIC:Appliaction Specific Integrated Circuit)などのカスタムICを用いて形成し、前記機能ブロックを固定的に形成してもよい。さらに、前記ポート10、中継処理部11、CPU12、ROM13を1つのIC内に形成してもよい。
前記CPU12は、例えば中継接続ユニット1の起動時(またはリセット時)に前記メモリ混載ロジックICに前記機能ブロックを形成するためのデータを書き込むことによって、このメモリ混載ロジックICをハードウェアによる適切な中継処理を行う中継処理部11として機能させるものである。また、CPU12はポート10による通信状況を監視したり中継処理部11による中継を管理する。さらに、CPU12は前記中継処理部11と連動することによりメッセージmの中継を一部実施するものであってもよい。
前記記録手段13は不揮発性を有するROMであり、このROM13には、前記起動時等にCPU12によって読み出されて前記中継処理部11内に書き込まれる、ハードウェア記述言語などで記述された機能ブロックを表すデータが、前記中継処理部11の設定値として記録されている。
ROM13には、CPU12にポート10による通信状況や中継処理部11の管理を行わせるための管理プログラムP1,P2を記録している。しかしながら、前記機能ブロックの形成を製造時に固定的に行う場合には、ROM13はメモリ混載ロジックICを前記中継処理部11として機能させるためのデータを記録する必要はない。
上述のように構成された中継接続ユニット1は、前記CPU12が各メッセージmの受信ポート毎および識別情報毎に前記メッセージmの遅延ビット数(中継開始時点)を定め、各ポート10a〜10dに接続される3A,3B…の状態に合わせた適切な中継処理開始時点からメッセージmの中継を行うことができるように構成している。
本実施形態における初期状態では、前記カット&スルー方式の中継により中継速度を高速にすることを優先させるように、ビットエラー率に合わせて前記遅延ビット数を最適に調整する。
ここでいう、遅延ビット数を最適とするカット&スルー方式の中継を行う中継開始時点とは、カット&スルー方式の中継送信を開始してから、そのメッセージmの受信を完了するまでの間にビットエラーが発生し、中継送信を開始したメッセージmがエラーとなる確率(以下、エラー発生率という)を所定値(例えば、10−9)以下にすることができる時点を示している。
図3に、中継接続ユニット1の構成を詳細に示す。
中継処理部11は、前記ポート10を介して受信するメッセージmをビット単位で逐一記憶するバッファ20と、該バッファ20内の記憶領域を複数のスロット領域SLに分けて管理するバッファ管理手段21と、中継する必要があるメッセージmの識別情報と中継先ポートの関係を中継情報Ta(後述する)として記録してなる中継情報記録手段22と、前記バッファ20に蓄積されたメッセージmの中継処理を行わせる中継処理手段23と、各ポート10a〜10d毎および識別情報毎のビットエラー率をエラー率情報Tb,Tc(後述する)として記録してなるエラー率記録手段24とを備える。
前記CPU12は前記中継処理部11の初期設定を行うプログラムP0と、各ポート10a〜10dの状態から各ポート10a〜10dを介して受信するメッセージmのビットエラーEa〜Edを検出すると共に各ポート10a〜10d毎および各識別情報ID毎のビットエラー率Ech,Eidを求める受信エラー監視プログラムP1と、ポート10a〜10dが送信可能な状態であるときに前記バッファ管理手段21を用いて送信可能なメッセージmを中継送信させる送信管理手段を実現する送信管理プログラムP2とを実行するものである。
なお、これらのプログラムP1,P2はCPU12によって読み出し可能なROM13に記録されているものであるが、CPU12によって実行されることにより、受信エラー監視手段および送信管理手段として機能するものである。また、これらの手段P1,P2はCPU12によって実行されるソフトウェアのみならず、ハードウェアの機能ブロックによって構成されていてもよく、この場合には、受信エラー監視手段および送信管理手段を中継処理部11を構成するメモリ混載ロジックIC内に形成することも可能である。したがって、以下の説明においては、それぞれ受信エラー監視手段P1および送信管理手段P2と表現する。
前記バッファ20は送受信するメッセージmをビット単位で読み書きできるように構成されたメモリであり、フリップフロップのようなメモリセル(ビット記憶素子)を集合させてなり、少なくとも前記ポート10の数の任意のビット情報を同時に読み書き可能に構成された機能ブロックである。しかしながら、前記ポート10の数に合わせた数のアドレスバスを備えたRAMが形成されたものであっても、時分割処理によって擬似的に複数アドレスバスを備えるように形成されたRAM、および、これらの組み合わせによって必要数のアドレスバスを備えるRAMの何れであってもよい。
前記バッファ管理手段21は、前記各ポート10からメッセージmを受信するときに、空きの生じている前記スロット領域SLを検索して受信バッファとして用い、受信中のメッセージmを逐一記録する一方、使用中のスロット領域SLを中継先ポート10に出力させるべきメッセージmの送信バッファとしても用い、各ポート10a〜10dが求める速度でスロット領域SL内のビット情報を出力するものである。また、受信メッセージmを識別情報まで受信して該当するスロット領域SLに記録した時点で前記中継処理手段23に識別情報受信完了信号r1を出力し、中継処理手段23から入力するメッセージの中継先ポート10と中継開始時点とからなる中継チャンネル情報Chを該スロット領域SLに記録するものである。
加えて、前記バッファ管理手段21は、空きスロット領域SLに受信メッセージmを記憶するときに、該スロット領域SLについてこれが使用中であることを示す情報を記憶し、メッセージmの中継送信後に中継が完了した中継先ポートの情報を削除し、中継先ポートが無くなったメッセージmのスロット領域については、これを空きスロットであるとして解放するものである。
前記中継情報記録手段22は高速に読み出し可能に構成されたメモリであり、前記バッファ21内の識別情報を記憶した部分と高速にアクセスできるバスを有する。
図4は前記バッファ管理手段21によるスロット領域SLの管理状態を示す図である。図4に示すように、各スロット領域SL1,SL2…には、メッセージm、中継チャンネル情報Chに加えて前のスロット領域の位置情報Bs、次のスロット領域の位置情報Nsが記録されることにより、使用中のスロット領域SL(図4の例ではSL9→SLA→SL2→…→SLx)が連鎖的につながるように管理されている。また、未使用である空きスロット領域SL(図4の例ではSL1→SL3→SL4→…)についても同様に連鎖的につながるように管理されている。そして、これらのスロット領域SLを管理するスロット領域SL0には使用中のスロット領域SLの先頭の位置Tsと、末尾の位置Lsと、空きスロット領域SLの先頭の位置Fsなどが記録されている。
図5は中継情報記録手段22に記録される中継情報Taの一例を示す図である。図5に示すように、中継情報Taには各メッセージmの識別情報IDに関連づけて、各中継先ポート10a〜10dへの中継指示Cha〜Chdが記録された中継チャンネル情報Chが記録されている。また、各中継指示Cha〜Chdには中継開始時点を示す情報が含まれている。
例えば、図5において、識別情報IDが「0001」のメッセージmは中継先ポート10a,10c,10dに「中継」が指示され、識別情報IDが「0002」のメッセージmは中継先ポート10a,10b,10cに「中継」が指示されている。また、前記ポート10cには、何れも「受信完了後中継」が設定されており、このポート10cに対しては常にストア&フォド方式の中継送信を行うことが設定されている。一方、中継先ポート10a,10dに対しては最速中継すなわちカット&スルー方式の中継を行うことが設定されている。さらに、識別情報IDが「0003」のメッセージmはポート10cだけを中継先とするように設定され、識別情報IDが「0007」のメッセージmはポート10b,10cだけを中継先とするように設定されている。
本実施例に示すように、中継情報Taとして中継対象となるメッセージmの識別情報IDだけを記録する(図5の例では識別情報IDが「0004」〜「0006」は記録していない)ことにより、中継情報記録手段22の容量を削減することができるが、前記中継情報記録手段22に全ての識別情報IDの中継チャンネル情報Chを記録するようにしてもよい。この場合識別情報IDを直接メモリアドレスとして中継チャンネル情報Chを読み取ることが可能である。
前記中継処理手段23はバッファ20および中継情報記録手段23と高速にアクセスできるように構成された論理回路の機能ブロックであり、バッファ管理手段21から識別情報受信完了信号r1を受けるときに、バッファ20内のメッセージmの識別情報と中継情報記録手段22内の中継情報Tに記録された識別情報を比較するコンパレータのような論理回路を有する。これによって、中継処理手段23は中継情報Tに記録された識別情報IDの中から受信したメッセージmの識別情報を高速に検索して、これが中継対象であるかどうかを判断できるように構成されている。また、中継処理手段23は前記中継情報Taとエラー率情報Tb,Tcを用いて、中継先ポート10および各ポート10a〜10dにおける中継開始時点を定めるように構成されている。さらに、中継処理手段23は受信中のメッセージmにビットエラーEa〜Edが発生した場合には、このメッセージの中継処理を直ちに中止させてバッファ20内を削除させるものである。
前記エラー率記録手段24はビットエラーが発生したメッセージmを受信した受信ポートおよび識別情報IDと、ビットエラー率の関係を記録し、中継処理手段23によって読み出し可能に構成されたメモリである。
図6、図7はエラー率記録手段24に記録される前記エラー率情報Tb,Tcの一例を示す図である。
図6に示すように、エラー率情報Tbには各メッセージmの識別情報IDに関連づけて、ビットエラー率Eidが記録されている。つまり、前記受信エラー監視手段P1によって監視されたビットエラーEa〜Edが各識別情報ID毎にまとめて記録されている。図6において、識別情報IDが「0001」および「0002」のメッセージmについては、ビットエラー率Eidは、10−9以下である。一方、識別情報IDが「0003」のメッセージmについては、ビットエラー率Eidは10−8であり、識別情報IDが「0007」のメッセージmについては、ビットエラー率Eidは10−7である。
図7に示すように、エラー率情報Tcには各メッセージmの受信ポートChに関連づけて、ビットエラー率Echが記録されている。つまり、前記受信エラー監視手段P1によって監視されたビットエラーEa〜Edが各受信ポート10a〜10d毎にまとめて記録されている。図7において、受信ポート10a,10c,10dを介して受信するメッセージmについては、ビットエラー率Echは、10−9以下である。一方、ポート10bを介して受信するメッセージmについては、ビットエラー率Echは10−8である。
前記受信エラー監視手段P1は、前記各ポート10a〜10dにおいて受信するメッセージmに挿入されるパリティビットなどの冗長項を用いて、受信エラーが発生した場合にはこれを即時に検出してビットエラーEa〜Edを出力すると共に、ビットエラー率Eid,Echを識別情報ID毎および受信ポート10a〜10d毎に求めて出力するものである。
なお、前記エラー率情報Tb,Tcに記録されるビットエラー率Eid,Echは前記ビットエラーEa〜Edが発生する時間間隔を逆数にして所定の係数を乗算することにより受信エラー監視手段P1によって求めたものであり、過去にさかのぼって所定回数の平均値を求めて記録することが好ましい。なお、ビットエラーが発生していない受信ポートや識別情報のビットエラー率は最低の値(本例の場合、10−9)にする。しかしながら、ビットエラー率Eid,EchはビットエラーEa〜Edの発生頻度を所定時間内で平均して求めたものであってもよい。
図8は前記ビットエラー率Echと遅延ビット数Db(中継開始時点)との対応関係を示し、さらに、中継開始時点を遅延させた場合に、このメッセージmの受信エラー発生によって中継送信を中止する事態が発生するエラー発生率Erの関係を示すものである。なお、図8に示す例では、簡略化のためにメッセージmの長さを100ビットとし、定常状態では10ビット目を受信した時点でカット&スルー方式の中継送信が開始されるとしている。つまり、そのときのビットエラー率Eid,Echが10−9であれば、遅延ビット数が0のカットスルーを行った場合、受信メッセージmの残りビット数Nは90となり、このメッセージmのエラー発生率Erは前記式(1)に代入して式(2)のように求めることができる。
N×10−X=90×10−9=9×10−8 … 式(2)
したがって、前記遅延ビット数Dbは、中継時にビットエラー率Eid,Echの受信メッセージmを受信しながら中継送信した場合に、このメッセージmのエラー発生率が、前記式(2)に示す値(9×10−8)以下になるように、残りビット数Nを調整することができる数である。なお、エラー発生率が一定値にならないのは、量子誤差によるものである。また、前記遅延ビット数Dbは受信メッセージmのビットエラーを検出可能な最小ビット数に合わせて丸めた数であってもよい。
次に、前記構成からなる中継接続ユニット1の動作を図9,10を用いて説明する。
図9,10に示す例では、時点t0においてポート10bを介してデータD1を含むメッセージmを受信開始した例を示している。
ポート10bは通信線路3Bからメッセージmを受信すると、前記バッファ管理手段21は前記空きスロット領域SLの中から1つを確保してこれを使用中として登録する。つまり、図4に示す使用中スロット領域SLの連鎖に加えるように、前記前のスロット領域の位置情報Bs、次のスロット領域の位置情報Nsを記憶し、前記スロット領域SL0中の各情報Ts,Ls,Fsを必要に応じて調整する。
次いで、受信メッセージmの識別情報ID(図9,10の例の場合は「0001」)を受信完了した時点t1において、バッファ管理手段21は識別情報受信完了信号r1を中継処理手段23に出力し、中継処理手段23は該スロット領域SL内の識別情報IDと図5に示す中継情報T内から検索し、その中継チャンネル情報Chを取得する。
また、前記エラー率情報Tb,Tcを参照し、受信ポート10bおよび識別情報IDに対応するビットエラー率Ech,Eidのうち悪い方を用いて遅延ビット数Dbを求める。この場合、識別情報IDのビットエラー率は10−9以下であるが、受信ポート10bのビットエラー率は10−8であるから、遅延ビット数Dbは34ビットである。
したがって、中継処理手段23はこの時点t1から遅延時間Δt1の間待機して、さらに34ビット分の受信メッセージmをビットエラー無く受信できることを確認してから、前記中継チャンネル情報Chをバッファ管理手段21に出力する。つまり、前記遅延時間Δt1が経過した中継開始時点t2において、バッファ管理手段21は該スロット領域SL内の中継チャンネル情報Chを記録することができる。
一方、前記送信管理手段P2はポート10a〜10dの状態を監視し、これらが送信可能な状態であるときに送信要求信号Rsa〜Rsdを出力するものであるから、中継管理手段23が「最速中継」を設定している中継先ポート10a,10dについては、スロット領域SL内に前記中継チャンネル情報Chが記録されるとすぐに送信が開始される。
このように、中継先ポート10a,10dへの中継は可能な限り早い中継開始時点t2から行われ、受信中のメッセージmが並列処理によって順次中継先ポート10a,10dに中継送信される(カット&スルー方式)。
なお、中継先ポート10cについては中継管理手段23が「受信完了後中継」を設定しているので、中継先ポート10cへの中継は前記メッセージmを最後まで受信し、このメッセージmの末尾に受信する誤り検出符号CRCによる誤り検出を行った時点t3に、正しく受信されたメッセージのみを中継する。つまり、中継先ポート10cへの中継はメッセージmが正しく受信できたことを確認できた後の中継開始時点t2から行われる(ストア&フォアード方式)。
更に、図10に拡大して示すように、ポート10bを介して受信するメッセージmがノイズNm等の影響によって正しく受信できなくなり、このメッセージmに含まれるデータD1が不正確なデータD1!になった場合を考える。このとき、中継処理手段23が前記遅延時間Δt1が経過するまでの間にノイズNmが生じているので、中継処理手段23は前記バッファ管理手段21に中継チャンネル情報Chを出力することなく、メッセージmの中継を中止する。つまり、不正確なデータD1!を含むメッセージmが無駄に中継送信されることがないので、各ポート10a,10c,10dに接続される通信線路3A,3C,3Dにおける通信負荷率が無闇に引き上げることを防止できる。
このように、前記中継開始時点t2を遅延させる遅延ビット数Dbがメッセージmを受信した受信ポート10bのビットエラー率に合わせて調整されるので、各通信線路3A,3B…における通信環境に合わせて適宜調整される。
同様に、図9に示す時点t4において、ポート10dから受信したメッセージmは、その識別情報ID(本例の場合は「0002」)を受信完了した時点t5において、中継処理手段23は中継チャンネル情報Chを取得し、前記エラー率情報Tb,Tcを参照する。ここでは、受信ポート10dおよび識別情報IDに対応するビットエラー率Ech,Eidは何れも10−9以下であるから、遅延の必要はなく、前記中継チャンネル情報Chをバッファ管理手段21に出力して、この時点t5を中継開始時点とすることができる。
なお、中継先ポート10cについては中継管理手段23が「受信完了後中継」を設定しているので、中継先ポート10cへの中継は前記メッセージmを最後まで受信し、このメッセージmの末尾に受信する誤り検出符号CRCによる誤り検出を行った時点t6に、正しく受信されたメッセージのみを中継する。即ち、中継先ポート10cへの中継はメッセージmが正しく受信できたことを確認できた後の中継開始時点t5から行われる(ストア&フォアード方式)。
さらに、図9に示す時点t7において、ポート10dから受信したメッセージmは、その識別情報ID(本例の場合は「0007」)を受信完了した時点t8において、中継処理手段23は中継チャンネル情報Chを取得し、前記エラー率情報Tb,Tcを参照する。ここで、受信ポート10dのビットエラー率Echは10−9以下であるが、該メッセージmの識別情報IDに対応するビットエラー率は10−7であるから、このメッセージmはカット&スルー方式で中継できるものではなく、ストア&フォアード方式の中継を行う必要がある。
したがって、識別情報IDが「0007」のメッセージmについては中継管理手段23が受信メッセージmの全てをビットエラー無く受信できたことを確認し、CRCチェックなどを行ってから、前記中継チャンネル情報Chをバッファ管理手段21に出力する。つまり、前記遅延時間Δt2が経過した中継開始時点t9において、バッファ管理手段21は該スロット領域SL内の中継チャンネル情報Chを記録し、中継送信を開始することができる。
このように、前記遅延ビット数Dbはメッセージmの識別情報ID毎のビットエラー率に合わせて調整されるので、メッセージmを送信するECUの動作状況に合わせて適宜調整される。
前記のように、本実施形態では、メッセージmの受信ポート10a〜10d毎および識別情報ID毎のビットエラー率の両方に対応して、遅延ビット数Dbを調整することにより、該メッセージmの中継開始時点t2,t5,t9の調整を最適に行っている。
なお、メッセージmの受信ポート10a〜10d毎または識別情報ID毎のビットエラー率の何れか一方に対応させて中継開始時点t2,t5,t9の調整を行ってもよい。
また、前記中継開始時点t2,t5,t9を遅らせる時間間隔Δt1,Δt2はいずれも、その時点におけるビットエラー率Ech,Eidに応じて調整されることにより、中継開始時点から中継送信を開始したメッセージmのエラー発生率を所定の値(本例の場合は9×10−9)以下に低く抑えることが可能であるが、本発明はこの点に限定されるものではない。
図11は図8の変形例を示す。
前記ビットエラー率Echと遅延ビット数Db(中継開始時点)との対応関係を示し、さらに、中継開始時点を遅延させた場合に、このメッセージmの受信エラー発生によって中継送信を中止する事態が発生するエラー発生率Erの関係を示すものである。前記遅延ビット数Dbは、ビットエラー率が1桁上がる毎に遅延ビット数を20ビット多くするように設定しており、これによってビットエラー率の変動が激しい場合に、対応することができる。
このように構成された中継接続ユニット1を用いることにより、ビットエラーの発生率に合わせてエラー発生率が高いメッセージmについては、中継開始時点を遅らせることにより、不正確なデータを含む無駄なメッセージmを中継送信することを防止できる。よって、各通信線路3を用いてメッセージmを送受信する他のECU2の待ち時間を長くしてしまうといった事態を防止できる。
なお、前記バッファ20は受信バッファと送信バッファを共通化しているので、中継接続ユニット1に設けたポート10の数が多くなってもバッファ20の大きさが比例的に大きくなることを防止でき、かつ、受信途中のメッセージmを並列処理によって中継送信することを無駄なく行うことができる。また、前記バッファ管理手段21を構成する機能ブロックが各スロット領域SLを連鎖的に接続するようにして使用中のスロット領域SLと空きスロット領域を管理しているので、ハードウェアの機能ブロックによって高速に各スロット領域SLを適切に管理することができる。
本発明の中継接続ユニットを用いた車載LANの構成図である。 第1実施形態に係る中継接続ユニットの構成図である。 前記中継接続ユニットの構成を示すブロック図である。 前記中継接続ユニット内のバッファの管理を説明する図である。 中継情報の一例を示す図である。 識別情報とビットエラー発生率の関係を示す図である。 受信ポートとビットエラー発生率の関係を示す図である。 ビットエラー発生率と遅延ビット数の関係を示す図である。 前記中継接続ユニットを用いた通信の例を説明する図である。 前記通信の例における詳細を示す図である。 第1実施形態の変形例である前記中継接続ユニットに係るビットエラー発生率と遅延ビット数の関係を示す図である。 従来の中継接続ユニットの構成を示す図である。
符号の説明
1 中継接続ユニット
10(10a,10b…) ポート
20 バッファ
21 バッファ管理手段
22 中継情報記録手段
23 中継処理手段
24 エラー率記録手段
P1 受信エラー監視手段
P2 送信管理手段
ID 識別情報
T,T’ 中継情報
t2,t5,t9 中継開始時点
SL(SL1,SL2…) スロット領域

Claims (5)

  1. メッセージの送受信を行う車載LAN通信手段からなる複数のポートと、
    前記ポートを介して受信する受信メッセージを受信した部分から順次記憶するバッファと、
    中継する必要があるメッセージの識別情報と中継先ポートの関係を記録してなる中継情報記録手段と、
    前記ポートを介して受信するメッセージのビットエラーを検出すると共に各ポート毎および各識別情報毎のビットエラー発生率を求める受信エラー監視手段と、
    前記受信エラー監視手段によって求められた各ポート毎および各識別情報毎のビットエラー発生率を記録してなるエラー率記録手段と、
    前記受信メッセージの識別情報を受信した時点で前記中継情報記録手段に記録された識別情報と比較して該識別情報に対応する中継先ポートを判別し、かつ、前記エラー率記録手段に記録された受信ポート毎および識別情報毎のビットエラー発生率によって受信メッセージの中継送信を開始する中継開始時点を定め、該中継開始時点までの間に前記受信エラー監視手段がビットエラーを検出しなかった場合に前記バッファ内に記憶されるメッセージを中継送信させる中継処理手段と、
    を備えることを特徴とする中継接続ユニット。
  2. 前記中継処理手段は、前記中継開始時点までの間に前記受信エラー監視手段がビットエラーを検出した場合にメッセージの中継送信を一旦中止すると共にメッセージがエラーなく受信された後に中継を開始するものである請求項1に記載の中継接続ユニット。
  3. 前記中継処理手段は、中継送信中のメッセージにビットエラーが発生した場合に中継送信を中止するものである請求項1または請求項2に記載の中継接続ユニット。
  4. 前記バッファ内の記憶領域を複数のスロット領域に分けて管理するバッファ管理手段と、
    前記各ポートが送信可能な状態であるときに前記バッファ管理手段を用いて前記送信可能なポートに対応するメッセージを中継送信させる送信管理手段とを備えている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の中継接続ユニット。
  5. 前記各ポートは車載の電子制御ユニットとそれぞれ通信線路を介して接続されるものであり、前記各ポートは中継時にカット&スルー方式の中継を行うか、ストア&フォアード方式の中継を行うかを設定している請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の中継接続ユニット。
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