JP4883928B2 - アミド類組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、アミド類組成物に関する。詳しくは、凝集剤、増粘剤、石油回収剤、製紙工業における紙力増強剤、抄紙用増粘剤等多くの用途を有する重合体原料として有用なアクリルアミド等のアミド類を重合に影響を及ぼさないように安定化させたアミド類組成物に関する。
アクリルアミド等のアミド類は、極めて重合しやすい物質であり、いずれの製法の各工程においても、あるいは、結晶や、水溶液状製品を貯蔵・保管する場合にも重合が進み、品質の劣化やアミド類の収率低下、あるいは、装置、配管内の液の流れを阻害したり、熱伝導を不良にする等の問題を生ずる。
通常、重合抑制剤を添加することによりこれらの問題の解決が図られてきた。例えば、鉄や銅等の重合抑制剤が知られていたが、これらの金属は、添加量が少ないとアミド類の安定性に寄与せず、安定性を向上させる程度の量を含むとアミド類を重合する際に重合体の分子量が上がらず、過剰に添加すると触媒として作用して貯蔵・保管時にアミド類の重合を促進してしまうという問題があった。
これらの金属を含む重合抑制剤の抱える問題を解決するために様々な種類の重合抑制剤が開発されている。例えば、アクリルアミドにチオ尿素、ロダンアンモン、ニトロベンゾール、o−トリジン、フェノチアジン及びニトロソR塩からなる群に属する化合物を共存させて重合を抑制する方法が知られている(特許文献1参照)。
また、炭素数2以上の水溶性モノカルボン酸塩を20〜5000ppm添加するアクリルアミド水溶液の安定化法(特許文献2参照)、含硫黄化合物及び弱酸の塩を含有させるアミド類の安定化方法(特許文献3参照)等が知られている。
特公昭39―10109号公報 特許第2548051号公報 特開2003−206268号公報
しかしながら、これらの重合抑制剤を使用する方法では、いまだ重合抑制効果が不充分である。即ち、添加量が少ないとアミド類の保存時に重合してしまい、一方、添加量が多いとアミド類を重合させて製品を造る際、重合に支障があり、良好な重合体が得られなかった。詳しく述べれば、添加量が多いと安定化に寄与するものの重合すべき際に、所望とする高い分子量を有する重合体が得られ難くなり、重合速度も低下し、更には着色し易い等の問題も包含していた。
そこで、本発明は、従来の技術よりも保存安定性が優れるとともに、重合体の物性も良好なアミド類を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、従来使用すべきでないと考えられていた金属であっても、特定の化合物と併用することにより、アミド類を長期に亘り安定化できるのみならず、良好なる重合性を阻害しないことを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、チオ尿素、フェノチアジン及びチオ酢酸から選ばれる少なくとも1つの水溶性の含硫黄有機化合物及び、弗化マンガン、臭化マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン及びリン酸マンガンから選ばれる少なくとも1つの水溶性のマンガン化合物又は硫酸銅を含有することを特徴とするアクリルアミド組成物に存する。
重合抑制剤として含硫黄有機化合物と水溶性金属化合物とを併用使用した場合、特に少量の添加域で両者の相乗効果によりアミド類の分解や重合を抑えることができ、アミド類の安定化効果を発揮することができる。又、本発明のアミド類組成物は、長期に亘って安定的に保存することができるとともに、本アミド類を製造原料として用いた場合、不純物の混入を最小限に抑えることができる。例えば、40℃で3ヶ月間保存した後も得られる重合体の水溶液粘度が高く、不溶解分が少ない良好な重合体が得られる。
本発明におけるアミド類組成物は、アミド類、含硫黄有機化合物及び水溶性金属化合物を含有する組成物である。好ましくは更に水を含有するアミド類組成物である。
[アミド類]
本発明における上記アミド類とは、アミド基を有する化合物をいう。このアミド類としては、不飽和アミド類が好ましく、不飽和脂肪族アミド類がより好ましい。また、このアミド類の炭素数としては、3〜20が好ましい。このようなアミド類の例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、クロトンアミド、プロピオニルアミド等をあげることができる。
上記のアミド類は、硫酸水和法、アセトンシアンヒドリン法、銅触媒法、酵素法等の方法により対応するニトリル類を水和することにより工業的に製造することができるが、中でも銅触媒法、酵素法が好ましい。
上記銅触媒法とは、ニトリル類を金属銅、還元銅、ラネー銅等の銅触媒の存在下に直接水和してアミド類を製造する方法であり、例えば、特公昭52―33092号公報、特公昭55―11657号公報等に記載の方法をあげることができる。
上記酵素法とは、ニトリルを水和して対応するアミドを生成する能力を有する微生物由来の酵素(ニトリルヒドラターゼ)あるいは、酵素を含む微生物、あるいは、それらの処理物の作用によりニトリルを水和して対応するアミド類を製造する方法であり、例えば特開平11―89575号公報等に記載の方法をあげることができる。
上記酵素法の場合は、触媒由来の金属イオン等の不純物が少なく反応が、常温、常圧で行われるため、硫酸水和法、銅触媒法に比べて反応副生物の量も少ない。従って、アミド類の重合体を製造する場合に、重合への影響が少ないので特に好ましい。
このようにして製造されたアミド類は、水溶液の状態で取得することもできるし、晶析、乾燥等の操作により、結晶として取得することもできる。
[含硫黄有機化合物]
本発明で用いられる含硫黄有機化合物とは、分子内に硫黄を有する有機化合物をいい、例えばチオ尿素、フェノチアジン、チオ酢酸等の水溶性化合物が好ましく挙げられる。この中でも、チオ尿素がより好ましい。アミド類組成物中における上記含硫黄有機化合物の含有量は、アミド類に対し、通常0.1ppm以上、好ましくは0.5ppm以上、より好ましくは1ppm以上であり、通常500ppm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下である。含有量が少ないと安定性効果が低下する傾向があり、含有量が多いとアミド類を重合する際の重合性に影響を及ぼす傾向がある。よって、範囲として例示すると、アミド類に対する重量比で、通常0.1〜500ppm、好ましくは0.5〜200ppm、より好ましくは1〜100ppmである。
[水溶性金属化合物]
本発明で用いられる水溶性金属化合物としては、遷移金属を含有する水溶性化合物が好ましい。遷移金属としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの周期表第4周期の遷移金属元素、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデンなどの第5周期の遷移金属元素が挙げられるが、上記第4周期の遷移金属元素が好ましく、中でもマンガンおよび銅が好ましく、マンガンが更に好ましい。
水溶性金属化合物を構成する対アニオンとしては、無機または有機の塩、ならびに錯体のいずれを形成するものであってもよいが、無機酸または有機酸の塩を形成するものが好ましく、特に無機酸の塩を形成するものが好ましい。これらは異なる化合物を2種以上併用することもできる。
遷移金属としてマンガンを選択した場合について述べると、弗化マンガン、臭化マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、リン酸マンガン等の無機の塩や、ギ酸マンガン、酢酸マンガン、蓚酸マンガン、安息香酸マンガン、アクリル酸マンガン等の有機の塩があげられる。これらの中でも無機の塩が好ましく、更に好ましくは強酸との塩が好ましく、中でも硫酸マンガンが好ましい。これらは2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明におけるアミド類組成物中の水溶性金属化合物の含有量は、アミド類に対し、金属原子の重量比として、通常0.001ppm以上、好ましくは0.01ppm以上、より好ましくは0.1ppm以上であって、通常500ppm以下、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下である。よって、範囲として例示すると、アミド類に対する重量比で、通常0.001〜500ppm、好ましくは0.01〜100ppm、より好ましくは0.1〜50ppmである。
また、水溶性金属化合物として周期表第4周期の遷移金属を用いた場合には安定化効果が高いため、45ppm以下が好ましく、40ppm以下がより好ましく、35ppm以下が更に好ましく、30ppm以下が特に好ましい。中でも、マンガン化合物を用いた場合には、40ppm以下が好ましく、30ppm以下がより好ましく、20ppm以下が更に好ましく、15ppm以下が特に好ましい。
水溶性金属化合物の含有量が少ないと、保存安定性が確保されず、一方、含有量が多いと、重合する際に所望の分子量に達しない場合があり、また重合性(重合速度)に悪い影響を及ぼす傾向がある。よって、水溶性金属化合物の金属種並びに含硫黄化合物の種類を考慮のうえ、その含有量(添加使用量)を上記の範囲から選択することが好ましい。また、含硫黄有機化合物と水溶性金属化合物との量比は、水溶性金属化合物の金属原子に対する含硫黄有機化合物の重量比が通常1/1000以上、好ましくは1/100以上、より好ましくは1/25以上であって、通常100000以下、好ましくは10000以下、より好ましくは1000以下である。
[アミド類組成物]
本発明のアミド類組成物は、上記のアミド類、含硫黄有機化合物及び水溶性金属化合物を混合することにより得られる。上記アミド類は、水溶液や結晶の状態で保存される場合が多いので、上記の含硫黄有機化合物や水溶性金属化合物を、上記アミド類の水溶液又は上記アミド類結晶に添加することにより、本発明のアミド類組成物を得ることができ、もって、上記アミド類を安定化させることができる。
上記の含硫黄有機化合物や水溶性金属化合物を添加する方法としては、アミド類を製造するための原料に添加する方法、アミド類を製造する任意の段階で添加する方法、製造直後のアミド類含有水溶液に添加する方法などがあげられる。
上記アミド類組成物の水溶液は、水媒体中でニトリルを接触水和又は酵素を含む微生物の作用で水和することにより、そのままで得られ、また、上記アミド類組成物の結晶物は、上記の方法で得られたアミド類組成物の水溶液から、晶析することにより得られる。晶析物を精製するために更にアルコール溶液から再結晶してもよい。
また、上記の含硫黄有機化合物や水溶性金属化合物を含有するアミド類組成物の結晶物を得る方法としては、上記以外に、アミド類含有水溶液からアミド結晶を取り出すために行う晶析工程で、スラリーから分離されたアミド類の湿潤結晶に対して、上記の含硫黄有機化合物や水溶性金属化合物そのもの又はこれらの水溶液を添加、噴霧等する方法等もあげられる。
本発明にかかるアミド類組成物は、上記のように水溶液又は結晶状態で得られるが、このアミド類組成物を結晶として得る場合、含有される水の量は、特に限定されるものではないが、アミド類に対し、2重量%以下が好ましく、1重量%以下がより好ましい。
また、本発明にかかるアミド類組成物を水溶液として得る場合、この水溶液中のアミド類の含有量は、特に限定されるものではないが、5〜80重量%が好ましく、特に好ましくは10〜60重量%の範囲である。
かくして得られたアミド類組成物は、他の重合抑制剤を用いた場合と異なり、製造直後の重合性を見ても、添加剤の影響が無く、40℃で3ヶ月間保存した場合でも安定性が優れ、重合体の物性評価を行っても水溶液粘度は製造直後と殆ど変化がなく、不溶解分の少ない重合体を得ることが出来る。
以下の実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[アミド類および添加剤]
(1)アミド類:ダイヤニトリックス社製、酵素法アクリルアミド50重量%水溶液を用いた。
(2)チオ尿素:和光純薬社製、試薬特級品を用いた。
(3)硫酸マンガン:和光純薬社製、試薬特級品を用いた。
(4)硫酸銅:和光純薬社製、試薬特級品を用いた。
[評価]
(1)保存安定性
50重量%アクリルアミド水溶液2000gに夫々の添加剤の10重量%水溶液を所定量加えて撹拌し、均一に溶解して調製したアミド類組成物の内800mlを、容量1Lのステンレス製密閉容器に入れ、気相を窒素で置換し、25℃又は40℃の恒温槽に3ヶ月間保持した後、内容物を容量1Lのビーカーに移し、移送時の流動状態を観察した。なお、残りのアミド類組成物は、添加直後の重合性評価に供した。評価基準は下記の通り。
◎:良好(増粘傾向なし。試料調整時と同等)
○:やや増粘傾向あり
△:増粘性大
×:著しく増粘、又は固化(流動性なし)
(2)添加直後の重合性
調整直後のアミド類組成物500gを脱塩水497.3gで希釈して7℃に冷却した。十分冷却した後、1リットル用の密閉断熱系の重合槽に仕込み、窒素ガスを吹き込み水溶液中の溶存酸素を除去したのち、触媒として2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(和光純薬社製、試薬特級)の5重量%水溶液2.5ml及び酸性亜硫酸ナトリウム(和光純薬社製、試薬特級)1重量%水溶液0.25mlを添加して重合開始温度8℃で重合を行った。以後、重合槽内の温度上昇を観察した。添加直後の重合性の評価として、重合開始時と重合開始から重合槽内中の温度が60℃に到達するまでの時間(θ60)を測定して、相対評価した。評価基準は下記の通り。
◎:重合性良好(添加剤なしのブランク並、θ60 =44〜49秒)
○:重合速度やや遅い(θ60 =50〜55秒)
△:重合速度が著しく遅い(θ60 =56〜80秒超える)
×:重合せず
(3)重合体物性
添加直後の評価と同様の方法で重合を行なった。重合終了後の重合体は、ゲル状物であり、一部を鋏で2〜3mm程度に細粒化し、更に、この粒状物を含水率10重量%以下まで100℃の乾燥機で乾燥した後、冷却して粉砕機にて粉砕した。更に篩いを使用して1mm以下の粉末とした。次にこの重合体粉末を用いて、アクリルアミド重合体の濃度が1重量%となるように、4重量%の食塩水溶液で希釈し、3時間撹拌して溶解させた。25℃の恒温水槽中にて水溶液粘度をブルックフィルード粘度計(ローター回転数6rpm、ローターNo2)を用いて測定した。単位は(mPa・秒)である。
調整直後のアミド類組成物、および40℃で3ヶ月間保存した後のアミド類組成物について、それぞれ評価を行った。分子量のファクターである重合物の水溶液粘度が高く、40℃3ヶ月後も安定しているものが望ましい。なお、表中「−」は、添加直後の重合物性が劣っており、或いは、40℃で3ヶ月間保存後において、アミド類組成物の一部または全部がゲル状に重合しており、それぞれ評価には適さないので省略したことを表す。
(4)重合体の水不溶解分
重合体物性の評価に使用した粒径1mm以下の重合体粉末を使用した。容量1Lのガラス製ビーカーに脱塩水500mlを採り、重合体粉末1gを投入して室温にて3時間緩速攪拌し、溶解させた。重合体を0.2重量%含有する水溶液が得られ、該水溶液を目開き0.18mmのステンレス製金網にて濾過し、残った水性ゲルの重量を測定し、予め測定したウエットの金網の重量を差し引き、重合体の水不溶解分とした。ゲルの重量が少ない方が溶解性に優れることを示す。また、表中「−」は、40℃で3ヶ月間保存後において、アミド類組成物の一部または全部がゲル状に重合しており、評価には適さないので省略したことを表す。
<実施例1、2> (併用使用の効果)
試験の結果をまとめて[表1]に示した。
実施例1は、含硫黄有機化合物としてチオ尿素を15ppm、及び水溶性金属化合物として硫酸マンガンをマンガンとして0.5ppm併用した場合、実施例2はチオ尿素15ppmと、硫酸マンガンに代えて、硫酸銅を銅として25ppm併用した場合について、それぞれアミド類組成物の試験を示す。[表1]に示したように、チオ尿素とマンガン、又はチオ尿素と銅を併用使用した場合はアミド類の保存安定性がよく、添加剤の重合に与える影響が無く初期重合性に優れ、40℃で3ヶ月間保存した場合でも得られた重合体の水溶液粘度が安定していることが分かる。又、不溶解分も1.0g以下であった。
<比較例1〜4>
試験の結果をまとめて[表1]に示した。
比較例1はチオ尿素15ppmを単独添加した場合、比較例2は硫酸マンガンをマンガンとして0.5ppm単独添加した場合、比較例3は硫酸銅を銅として25ppm単独添加した場合、並びに比較例4は添加剤なしのブランク試験をそれぞれ示す。[表1]に示したように、チオ尿素、硫酸マンガン又は硫酸銅をそれぞれ単独で使用した場合は、無添加と比べればやや良いが、保存安定性が悪く、40℃で3ヶ月間保持すると重合してしまった。
<比較例5〜7>
試験の結果をまとめて[表1]に示した。
比較例5はチオ尿素500ppmを単独添加した場合、比較例6は硫酸マンガンをマンガンとして50ppm単独添加した場合、比較例7は硫酸銅を銅として300ppm単独添加した場合、それぞれの試験結果を示す。[表1]に示したように、チオ尿素、硫酸マンガン又は硫酸銅の添加量を増加した場合、保存安定性の効果は見られるが、初期重合性に劣り有効な安定化処方にならないことが判る。
<実施例1、3〜6> (含硫黄有機化合物の添加量の影響)
試験の結果をまとめて[表2]に示した。
実施例3〜6は実施例1と同様に、硫酸マンガンの添加量をマンガンとして0.5ppmに固定し、含硫黄有機化合物であるチオ尿素の添加量を1〜300ppmの範囲で変化させたものである。[表2]に示したように、実施例1、3〜6は40℃で3ヶ月間保存した場合でも得られた重合体の不溶解分が1.5g以下で良好であった。更に特筆すべき現象として、含硫黄有機化合物の添加量が100ppm以下である実施例1、3および4においては、比較例4の無添加と比べ、添加直後のアミド組成物から得られる重合体の水溶液粘度が高くなった事実が挙げられる。つまり、この限られた範囲内で添加剤を併用すると、重合時の重合活性向上効果が認められる。
<参考例1> (含硫黄有機化合物の添加量の影響)
試験の結果を[表2]に示した。
参考例1は硫酸マンガンの添加量をマンガンとして0.5ppmに、チオ尿素の添加量を600ppmに増量した場合の試験結果を示す。多少重合性が悪くなり、得られる重合体の水溶液粘度が低かった。チオ尿素を使用する場合、その添加量の上限は実用的に500ppm程度に制限されることが認められる。
<実施例1、7〜9> (水溶性金属化合物の添加量の影響)
試験の結果をまとめて[表3]に示した。
実施例7〜9は実施例1と同様にチオ尿素の添加量を15ppmとして、水溶性金属化合物である硫酸マンガンの添加量を、金属として0.1〜20ppmの範囲で変化させたものである。実施例1、7〜8は40℃で3ヶ月間保存した場合でも得られた重合体の不溶解分が1.0g以下で良好であった。
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Claims (5)

  1. チオ尿素、フェノチアジン及びチオ酢酸から選ばれる少なくとも1つの水溶性の含硫黄有機化合物及び、弗化マンガン、臭化マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン及びリン酸マンガンから選ばれる少なくとも1つの水溶性のマンガン化合物又は硫酸銅を含有することを特徴とするアクリルアミド組成物。
  2. 水溶性の含硫黄有機化合物がチオ尿素であることを特徴とする請求項1に記載のアクリルアミド組成物。
  3. 水溶性の含硫黄有機化合物の含有量が、アクリルアミドに対して、重量比で0.1〜500ppmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクリルアミド組成物。
  4. 水溶性のマンガン化合物又は硫酸銅の含有量が、アクリルアミドに対して、金属原子の重量比で0.001〜500ppmであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のアクリルアミド組成物。
  5. 水を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクリルアミド組成物。
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