JP4883256B2 - 表面疎水化用組成物、表面疎水化方法、半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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〔式中、R1,R2は水素原子、アルキル基、ビニル基、アリル基またはフェニル基を示す(ただし、R1,R2のうち水素原子は1個または0個である)。〕
本発明の記載のポリシランにおいて、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000以下、好ましくは300〜10,000である。
基板の上方に配置された絶縁層を含む半導体装置であって、
前記絶縁層には凹部が設けられ、
前記凹部の内壁には疎水性膜が形成され、
前記疎水性膜は、前記表面疎水化用組成物を前記凹部の内壁に接触させて得られた。
基板の上方に配置された配線構造体を含む半導体装置であって、
前記配線構造体は、
第1の凹部に設けられたビア層と、
前記ビア層の上に配置され、かつ第2の凹部に設けられた配線層と
を含み、
前記第1の凹部は、前記基板の上方に配置された第1の絶縁層に設けられ、
前記第2の凹部は、前記第1の絶縁層の上方に配置された第2の絶縁層に設けられ、
前記第1の凹部の内壁には疎水性膜が形成され、
前記疎水性膜は、前記表面疎水化用組成物を前記第1の凹部の内壁に接触させて得られた。
基板の上方に配置された配線構造体を含む半導体装置であって、
前記配線構造体は、
第1の凹部に設けられたビア層と、
前記ビア層の上に配置され、かつ第2の凹部に設けられた配線層と
を含み、
前記第1の凹部は、前記基板の上方に配置された第1の絶縁層に設けられ、
前記第2の凹部は、前記第1の絶縁層の上方に配置された第2の絶縁層に設けられ、
前記第1の凹部の内壁には第1の疎水性膜が形成され、
前記第2の凹部の内壁には第2の疎水性膜が形成され、
前記第1の疎水性膜は、前記表面疎水化用組成物を前記第1の凹部の内壁に接触させて得られ、
前記第2の疎水性膜は、前記表面疎水化用組成物を前記第2の凹部の内壁に接触させて得られた。
1−1.表面疎水化用組成物
1−1−1.(A)化合物
(A)下記一般式(1)で表される化合物の群から選ばれた少なくとも1種のポリシランと、(B)有機溶媒を含むものである。
〔式中、R1,R2は水素原子、アルキル基、ビニル基、アリル基またはフェニル基を示す(ただし、R1,R2のうち水素原子は1個または0個である)。〕
本発明の記載のポリシランにおいて、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000以下、好ましくは300〜10,000である。
(B)溶媒は、下記に例示するものを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。より具体的には、(B)溶媒は、プロトン性溶媒および非プロトン性溶媒が挙げられる。プロトン性溶媒としては、アルコール系溶媒が挙げられる。非プロトン性溶媒としては、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒または後述するその他の非プロトン性溶媒が挙げられる。
1−2.表面疎水化用組成物の使用方法
本発明の表面疎水化用組成物は、層の表面に接触させて使用することができる。このような層としては、例えばケイ素原子を主構成元素とする層が挙げられる。ケイ素原子を主構成要素とする層は、半導体装置や液晶表示装置、有機EL装置などの電子デバイスに広く用いられている。また、ケイ素原子を主構成元素とする層は電子産業のみならず、例えば、自動車産業、光学産業、バイオ産業等の分野で使用されている。
次に、本発明の表面疎水化方法を適用した本実施の形態の半導体装置の一態様について説明する。図6は、配線構造体100を模式的に示す断面図である。この配線構造体100は半導体装置の配線層およびビア層として機能する。
次に、本発明の表面疎水化方法を適用した本実施の形態の半導体装置の一態様について説明する。図12は、第2の半導体装置に含まれる配線構造体200を模式的に示す断面図である。この配線構造体200は半導体装置の配線層およびビア層として機能する。なお、図12に示す半導体装置は、上述の第1の半導体装置(図6参照)と比較して、有機系絶縁層である第2の絶縁層220のかわりに無機系の第2の絶縁層320が設けられている点、および第1の絶縁層120と第2の絶縁層320との間にキャップ層44が設けられている点が異なる。
本発明の特徴を説明するにあたり、層の表面の改質に関する公知の技術と比較しながら説明する。層の表面を改質する技術は、例えば、上述した特許文献1〜4および非特許文献1,2に開示されている。
次に、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、以下の記載は、本発明の態様を概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載により本発明は限定されるものではない。また、実施例中における各評価は、次のようにして測定された。
2−1−1.ブランケットフィルム評価
シリコン基板(図15の8インチシリコンウエハ310)上に膜厚100〜500[nm]で成膜した後焼成された絶縁膜(膜1;図15の絶縁層420)に対して、エッチングガスとしてNH3ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を行ない、絶縁膜の表面にダメージを与えて膜2(図16参照)を作製した。次いで、後述する方法により得られた実験例1〜3および比較例1,2の組成物をそれぞれ膜2上にスピンコートした後、ホットプレートにて加熱処理を行ない、疎水性膜424を有する絶縁膜(膜3;図17参照)を作製した。
B: 脱離水分量がRIE処理後の絶縁膜(膜2)の30%以上
また、誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメータを用いて、10kHzにおける容量値から算出した。
SOG法により130[nm]の絶縁層(ポーラスSiOCH)をシリコンウエハ(基板)上に成膜して、銅シングルダマシン構造のパターンウエハ(図15参照)を作成した。図18において、配線層190は銅配線層、絶縁層520はケイ素原子,酸素原子,炭素原子を構成元素として含む層、基板310はシリコンウエハをそれぞれ示す。また、図18において、凹部170は、2−1−1.で行なった方法と同様に、エッチング(RIE)によるパターニングにより形成した後、アッシングにより使用したレジストを除去した。得られたパターンウエハについて、後述する方法により得られた実験例1〜3および比較例1,2の組成物を塗布した。図19に、組成物の塗布後のパターンウエハに形成された銅シングルダマシン構造の配線構造体を模式的に示す断面図を示す。また、組成物が塗布される前のパターンウエハと、組成物が塗布された後のパターンウエハとのリーク電流特性を測定した。
B: 2mV/cmにおける電流値がRIE処理後の絶縁膜以上
2−2.実験例および比較例
実験例1
メチルフェニルポリシラン3g(化合物(2)下図参照、ポリスチレン換算重量平均分子量5,000)を酢酸ブチル27gに溶解させて、10重量%の組成物を作成した。この組成物をスピンコート法にて、エッチング処理を施した後のブランケットフィルム評価用の絶縁膜と、エッチング処理およびアッシング処理を施した後のパターンウエハ評価用の絶縁膜上にキャストした。次に、これらの絶縁膜を窒素雰囲気下で300℃にて3分間加熱処理した。上記工程により得られた実験例1の絶縁膜の評価結果を表1に示す。
比較例1
HMDS4.5g(沸点126℃)をトルエン25.5g(沸点111℃)に溶解し、HMDSの濃度が15wt%の組成物を作成した。この組成物をスピンコート法にて、エッチング処理を施した後のブランケットフィルム評価用の絶縁膜と、エッチング処理およびアッシング処理を施した後のパターンウエハ評価用の絶縁膜上にキャストした。次に、これらの絶縁膜をホットプレート上にて80℃で4分間、続いて窒素雰囲気下で250℃にて2分間加熱処理した。上記工程により得られた比較例1の膜の評価結果を表1に示す。
比較例2
ジメチルクロロシラン6g(沸点36℃)をトルエン24g(沸点111℃)に溶解し、ジメチルクロロシランの濃度が20wt%の組成物を作成した。この組成物をスピンコート法にて、エッチング処理を施した後のブランケットフィルム評価用の絶縁膜と、エッチング処理およびアッシング処理を施した後のパターンウエハ評価用の絶縁膜上にキャストした。次に、これらの絶縁膜をホットプレート上にて50℃で5分間、続いて窒素雰囲気下で200℃にて2分間加熱処理した。上記工程により得られた比較例2の膜の評価結果を表1に示す。
表1において、「dk」=(組成物塗布前の比誘電率)−(組成物塗布後の比誘電率)を示す。
20,420,520 絶縁層
22,70,170 凹部
22a,72a,74a,170a 凹部の内壁
24,124,424,524 疎水性膜
26,90 導電層
40 ストッパ層
42,44 キャップ層
72 凹部(第1の凹部)
74 凹部(第2の凹部)
80 バリア層
82 拡散防止層
84 ストッパ層
90a 導電性材料
92 ビア層
94 配線層
100,200 配線構造体
120 絶縁層(第1の絶縁層)
124 疎水性膜(第1の疎水性膜)
190 配線層
220,320 絶縁層(第2の絶縁層)
224 疎水性膜(第2の疎水性膜)
R1,R10,R11 レジスト層
Claims (12)
- 請求項1において、
前記ポリシランの少なくとも1種は、ポリスチレン換算重量平均分子量が300〜10,000である、表面疎水化用組成物。 - 請求項1または2において、
前記表面はエッチングおよび/またはアッシングにより得られる、表面疎水化用組成物。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の表面疎水化用組成物を前記絶縁膜の表面に接触させた状態で、前記絶縁膜を加熱する工程を含む、表面疎水化方法。
- 請求項4において、
前記加熱する工程は、
第1の温度で前記絶縁膜を加熱する工程と、
前記第1の温度よりも高い第2の温度で前記絶縁膜を加熱する工程と、
を含む、表面疎水化方法。 - 請求項4において、
前記加熱する工程は、
第1の温度で前記絶縁膜を加熱する工程と、
前記第1の温度よりも高い第2の温度で前記絶縁膜を加熱する工程と、
前記第2の温度よりも高い第3の温度で前記絶縁膜を加熱する工程と、
を含む、表面疎水化方法。 - 請求項4ないし6のいずれかに記載の表面疎水化方法によって得られた疎水性膜を含む、半導体装置。
- 請求項4ないし6のいずれかに記載の表面疎水化方法によって、疎水性膜を形成する工程を含む、半導体装置の製造方法。
- 基板の上方に配置された絶縁層を含む半導体装置であって、
前記絶縁層には凹部が設けられ、
前記凹部の内壁には疎水性膜が形成され、
前記疎水性膜は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表面疎水化用組成物を前記凹部の内壁に接触させて得られた、半導体装置。 - 基板の上方に配置された配線構造体を含む半導体装置であって、
前記配線構造体は、
第1の凹部に設けられたビア層と、
前記ビア層の上に配置され、かつ第2の凹部に設けられた配線層と、
を含み、
前記第1の凹部は、前記基板の上方に配置された第1の絶縁層に設けられ、
前記第2の凹部は、前記第1の絶縁層の上方に配置された第2の絶縁層に設けられ、
前記第1の凹部の内壁には疎水性膜が形成され、
前記疎水性膜は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表面疎水化用組成物を前記第1の凹部の内壁に接触させて得られた、半導体装置。 - 基板の上方に配置された配線構造体を含む半導体装置であって、
前記配線構造体は、
第1の凹部に設けられたビア層と、
前記ビア層の上に配置され、かつ第2の凹部に設けられた配線層と、
を含み、
前記第1の凹部は、前記基板の上方に配置された第1の絶縁層に設けられ、
前記第2の凹部は、前記第1の絶縁層の上方に配置された第2の絶縁層に設けられ、
前記第1の凹部の内壁には第1の疎水性膜が形成され、
前記第2の凹部の内壁には第2の疎水性膜が形成され、
前記第1の疎水性膜は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表面疎水化用組成物を前記第1の凹部の内壁に接触させて得られ、
前記第2の疎水性膜は、請求項1ないし3のいずれかに記載の表面疎水化用組成物を前記第2の凹部の内壁に接触させて得られた、半導体装置。 - 請求項10または11において、
前記ビア層および前記配線層は一体化して形成されている、半導体装置。
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