JP4881238B2 - 偏光付加映像表示装置 - Google Patents

偏光付加映像表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4881238B2
JP4881238B2 JP2007172487A JP2007172487A JP4881238B2 JP 4881238 B2 JP4881238 B2 JP 4881238B2 JP 2007172487 A JP2007172487 A JP 2007172487A JP 2007172487 A JP2007172487 A JP 2007172487A JP 4881238 B2 JP4881238 B2 JP 4881238B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarization
video
light
image
display means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007172487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009009050A (ja
Inventor
淳 久我
賢一 青島
賢司 町田
信彦 船橋
悟 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Broadcasting Corp filed Critical Japan Broadcasting Corp
Priority to JP2007172487A priority Critical patent/JP4881238B2/ja
Publication of JP2009009050A publication Critical patent/JP2009009050A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4881238B2 publication Critical patent/JP4881238B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Description

本発明は、映像を提示する技術に係り、特に、付加映像が付加された映像を提示する偏光付加映像表示装置及び偏光付加映像生成方法に関する。
従来、難聴者用に、通常の映像に文字情報(字幕)を多重して表示することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また、文字情報を含む映像において、難視者用の大きな文字サイズの文字情報を多重して表示することが行われている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
特開2004−207821号公報(段落番号0002〜0003) 特開平4−310189号公報(段落番号0003〜0008) 実開昭57−45691号公報(第3頁第16行〜第8頁第11行)
しかしながら、テレビジョン受像機のような表示装置では、ひとつの表示装置の画面の映像を複数の視聴者で視聴することが多い。そのため、例えば、健常者と難聴者とが同一の画面を見るときには、もともと文字情報のない映像に難聴者用の文字情報を多重すると、健常者には映像が見づらくなるという問題があった。同様に、例えば、健常者と難視者とが同一の画面を見るときに、映像に難視者用の大きな文字サイズの文字情報を多重すると、健常者には映像が見づらくなるという問題があった。
本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、複数の視聴者が同一の表示装置の画面の映像を視聴する際にも、ある視聴者に対しては映像に文字情報等の付加情報を付加して提示し、他の視聴者に対しては付加情報が付加されていない映像を提示することができる偏光付加映像表示装置及び偏光付加映像生成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1に記載の偏光付加映像表示装置は、入力された映像を表示して、一の視聴者に前記映像を視認させ、他の視聴者に外部の偏光フィルタを介して当該映像上において黒く視認される付加映像が付加された付加映像付き映像を視認させる偏光付加映像表示装置であって、前記入力された映像を所定の方向に偏光した光として照射する映像表示手段と、入射する光の偏光方向を変調させる複数の光変調手段を有し、前記映像表示手段から入射する光の偏光方向を変調させて前記一の視聴者及び前記他の視聴者が見る前記映像を表示する偏光表示手段と、外部から入力された前記付加映像の映像信号に基づいて、前記複数の光変調手段が変調する光の偏光方向を制御する変調駆動手段とを備え、前記光変調手段は、前記変調駆動手段により、前記映像表示手段から入射する光の偏光方向を、前記外部の偏光フィルタを透過する透過方向と前記外部の偏光フィルタを透過しない遮断方向とに変調可能に構成されており、前記変調駆動手段は、前記付加映像に対応する部分の前記光変調手段の変調を前記遮断方向となるように制御し、かつ、前記付加映像に対応しない部分の前記光変調手段の変調を前記透過方向となるように制御することを特徴とする。
かかる構成によれば、偏光付加映像表示装置は、映像表示手段に表示された映像からの光のうち、付加映像の黒の画素に対応する光変調手段から出射する光を、偏光フィルタによって遮断される偏光方向の光とし、それ以外の光を偏光フィルタによって透過される偏光方向の光とする。これによって偏光付加映像表示装置は、偏光フィルタを介さないときには、映像表示手段に表示された映像を提示でき、偏光フィルタを介したときには、映像表示手段に表示された映像に付加映像が付加された映像を提示できる。
また、請求項2に記載の偏光付加映像表示装置は、請求項1に記載の偏光付加映像表示装置において、前記光変調手段が、スピン注入により磁化方向が反転するスピン注入磁化反転素子である構成とした。
かかる構成によれば、偏光付加映像表示装置は、スピン注入磁化反転素子の磁化方向をスピン注入によって反転させて、付加映像の黒の画素に対応する光変調手段とそれ以外の光変調手段とで、スピン注入磁化反転素子の磁化方向を異なる方向にすることができる。そして、このスピン注入磁化反転素子に映像表示手段からの光が入射すると、光変調手段は、ファラデー効果によってスピン注入磁化反転素子の磁化方向に応じた角度だけ、入射光の偏光方向を回転させる。これによって偏光付加映像表示装置は、スピン注入磁化反転素子によって、映像表示手段からの光の偏光方向を回転させることで、偏光フィルタを介さないときには、映像表示手段に表示された映像を提示でき、偏光フィルタを介したときには、映像表示手段に表示された映像に付加映像が付加された映像を提示できる。
本発明に係る偏光付加映像表示装置及び偏光付加映像生成方法では、以下のような優れた効果を奏する。請求項1及び請求項3に記載の発明によれば、偏光フィルタを介して視聴する視聴者に対しては映像に付加情報を付加して提示し、偏光フィルタを介さずに視聴する視聴者に対しては付加情報が付加されていない映像を提示することができる。
請求項2に記載の発明によれば、応答速度が速く、高精細化も容易なスピン注入磁化反転素子によって映像表示手段からの光の偏光方向を回転させて、偏光フィルタを介して視聴する視聴者に対しては映像に付加情報を付加して提示し、偏光フィルタを介さずに視聴する視聴者に対しては付加情報が付加されていない映像を提示することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[偏光付加映像表示装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明における偏光付加映像表示装置1の概要について説明する。図1は、本発明における偏光付加映像表示装置の概要を模式的に示した模式図である。
偏光付加映像表示装置1は、外部からの映像に、偏光フィルタ5を通してのみ見られる付加映像を付加した映像(偏光付加映像)を表示するものである。偏光付加映像表示装置1は、映像表示手段2と、偏光表示手段3と、変調駆動手段4とから構成される。
ここで、外部から入力される映像は、例えば、テレビ番組等の映像や、DVD等に記憶された映像等の様々な映像を適用することができる。また、付加映像は、偏光フィルタ5を介した場合のみ映像上に黒で付加される映像であって、例えば、文字情報の映像であってもよいし、図形等の静止画像や動画像の映像であってもよい。
なお、偏光フィルタ5は、所定の偏光方向の光のみを透過するフィルタであり、偏光付加映像表示装置1と、付加映像を付加した映像を視聴する視聴者7との間に介在する。そして、偏光付加映像表示装置1から偏光フィルタ5に入射した光のうち、所定の偏光方向の光のみが当該偏光フィルタ5を透過し、視聴者7によって観察される。この偏光フィルタ5は、視聴者7によって観察される光をフィルタリングできれば、その形態は特に限定されず、例えば、図1に示すような矩形の偏光板であってもよいし、また、左右のレンズで同じ偏光方向の光を透過する偏光メガネ(図示せず)であってもよい。
映像表示手段2は、外部から入力された映像を表示するもので、液晶ディスプレイのような一般的な表示手段である。ここでは、映像表示手段2は、所定の偏光方向の光を出射することとした。この映像表示手段2は、例えば、液晶ディスプレイによって構成されることとしてもよいし、例えばプラズマディスプレイのように、偏光していない光を出射する表示手段の前面に、所定の偏光方向の光のみを透過する偏光フィルタ(図示せず)を設けたものとしてもよい。
偏光表示手段3は、映像表示手段2から入射した光の偏光方向を回転させるものである。ここで、偏光表示手段3は、複数の光変調手段3a、3a、…を有する。この光変調手段3a、3a、…は、後記する変調駆動手段4によって駆動され、付加映像の黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…から出射する光の偏光方向が偏光フィルタ5によって遮断される向きになり、その他の画素に対応する光変調手段3a、3a、…からの光の偏光方向が偏光フィルタ5によって透過される向きになるように、映像表示手段2から入力された光の偏光方向を回転させる。
ここでは、映像表示手段2から入射した光が、所定の偏光方向に偏光しており、偏光表示手段3は、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…とその他の光変調手段3a、3a、…とで異なる偏光方向になるように、映像表示手段2からの光の偏光方向を回転させることとした。
変調駆動手段4は、外部から入力された付加映像に基づいて、各々の光変調手段3a、3a…を駆動するものである。この変調駆動手段4は、光変調手段3a、3a、…と外部から入力される付加映像の画素とを対応させて、当該付加映像の黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…では、入射光の偏光方向を偏光フィルタ5によって遮断される向きに回転させ、その他の画素に対応する光変調手段3a、3a、…では、入射光の偏光方向を偏光フィルタ5によって透過される向きに回転させるように、光変調手段3a、3a、…を駆動する。
これによって、この偏光付加映像表示装置1によって表示された映像は、偏光フィルタ5を介さずに視聴する視聴者6には、映像表示手段2に表示された、付加映像の付加されていない映像8となるが、偏光フィルタ5を介して視聴する視聴者7には、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…からの光が偏光フィルタ5によって遮断されて、その部分の領域Dが黒くなるため、映像表示手段2に表示された映像に付加映像の付加された映像9となる。
なお、図1では、ハート、稲妻及び太陽が表示された映像8が、映像表示手段2に表示される映像として偏光付加映像表示装置1に入力され、更に、映像9の領域Dに示されるような「NHK」という黒い文字の映像が、付加映像として偏光付加映像表示装置1に入力された場合を示している。そして、ここでは、映像表示手段2から出射した光が偏光表示手段3に入射し、付加映像の「NHK」の文字に対応する光変調手段3a、3a、…によって、偏光フィルタ5によって遮断される偏光方向の光に変調され、他の光変調手段3a、3a、…によって、偏光フィルタ5によって透過される偏光方向の光に変調されることで、偏光付加映像表示装置1に表示された映像を、偏光フィルタ5を介さずに視聴する視聴者6は、ハート、稲妻及び太陽のみが表示された映像8を視聴することができる。一方、偏光フィルタ5を介して視聴する視聴者7は、偏光フィルタ5によって遮断されて、付加映像の「NHK」の文字に対応する光変調手段3a、3a、…から出射した光を見ることができないためにその領域Dが黒く見え、ハート、稲妻及び太陽が表示された映像に、付加映像である「NHK」の黒い文字が付加された映像9を視聴する。
以下、図2を参照して、映像表示手段2と、偏光表示手段3とについて詳細に説明する。図2は、本発明における偏光付加映像表示装置の映像表示手段及び偏光表示手段の断面を模式的に示した側面断面図である。なお、ここでは映像表示手段2が5つの画素2aを有し、偏光表示手段3が各々の画素2aに対応する5つの光変調手段3a、3a、…を有する例を模式的に示した。しかし、映像表示手段2の画素2aの数や、偏光表示手段3の光変調手段3aの数はこれに限定されず、また、画素2aと光変調手段3aとは対応しないこととしてもよい。更に、図2では、映像表示手段2及び偏光表示手段3から出射する光の偏光軸A0及び偏光軸A1、A2の向きを模式的に矢印で示した。また、ここでは、光変調手段3a、3a、…が、スピン注入により磁化方向が反転するスピン注入磁化反転素子であることとし、偏光表示手段3の磁化方向固定層32及び磁化方向可変層34の磁化方向を、模式的に白抜きの矢印で示した。
映像表示手段2は、複数の画素2a、2a、…を備える。この画素2aからの光は、所定の偏光方向(偏光軸A0)に偏光している。そして、この画素2aから出射した光は、それぞれ対応する光変調手段3aに入射する。
偏光表示手段3は、変調駆動手段4(図1参照)によって付加映像の映像信号に基づいて、外部の図示しない電源から電圧が印加され、光変調手段3a、3a、…に対してスピン注入されてそれぞれ磁化方向を反転することで、付加映像の黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…と、それ以外の光変調手段3a、3a、…とで、入射する光の偏光方向を異なる向きに回転させる光変調器である。ここで、光変調手段3aは、その磁化方向に応じて、ファラデー効果あるいはカー効果によって入射した光の偏光方向を回転(ファラデー回転)させる。
偏光表示手段3は、電極31と、磁化方向固定層32と、非磁性層33と、磁化方向可変層34と、電極35とが順に積層された構造を有している。なお、この偏光表示手段3は、図示しない基板上に構成(積層)されることとしてもよい。この基板としては、例えば、シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、サファイア、プラスチック、あるいは、ガラスなどの透明な絶縁体を用いることができる。
電極31、35は、図示しない電源と電気的に接続される、透明な電子伝導体又は半導体からなる層である。この電極31、電極35は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide;インジウムドープ酸化スズ)、IZO(Indium Zinc Oxide;酸化インジウム・酸化亜鉛)、酸化亜鉛(ZnO)、Nbドープ酸化チタン(NbTiO)や酸化スズ(SnO)等によって形成することができる。電極31及び電極35は、磁化方向固定層32、非磁性層33、及び、磁化方向可変層34を挟んで対向し、それぞれ所定の幅で磁化方向固定層32及び磁化方向可変層34の面方向に延伸して複数形成される。そして、平面視(磁化方向固定層32、非磁性層33及び磁化方向可変層34の厚さ方向に見る)において、電極31と電極35とは互いに直交し、格子状に形成されている。ここでは、電極31は、磁化方向固定層32に隣接して形成され、電極35は、磁化方向可変層34に隣接して形成される。
磁化方向固定層32は、所定の磁化方向に磁化された層であり、スピン分極率の高い材料から構成されることが好ましい。例えば、磁化方向固定層32を構成する材料としては、金属系ハーフメタルとして、CoMnAl、CoMnSi、CoCr0.6Fe0.4Al、CoFeB、CoFe、NiMnSbなどが大きなスピン分極率を有する材料として挙げられる。また、酸化物系ハーフメタルとしては、La0.7Sr0.3Mn0.3、SrFe(W0.4Mo0.6)O、SrFeReO、SrFeReO、CrO、Feなどを用いることも可能である。ここでは、磁化方向固定層32の磁化方向は、(−)方向(図2において上方向)とした。なお、この磁化方向固定層32は、磁化方向が変化しにくく、伝導電子のスピン方向をこの磁化方向に揃える効果を持つ。
非磁性層33は、磁化方向固定層32と磁化方向可変層34とを分離する層であり、非磁性体、例えば、CuやAlから構成されることとしてもよいし、Al、MgO、AlN、SiOなどの絶縁層に、Al、Cuなどの金属ピラーを設けた構造としてもよい。この非磁性層33は、磁化方向固定層32と磁化方向可変層34との間に形成される。なお、この非磁性層33を、例えば、Al、MgO、AlN、SiOのような絶縁体材料によって構成することも可能である。このような偏光表示手段3を、トンネル磁気抵抗効果素子(TMR : Tunneling Magneto Resistive)という場合もある。
磁化方向可変層34は、電極31及び電極35間に印加する電圧を変えることで、磁化方向が制御される層である。この磁化方向可変層34は、例えば、CoFe、NiFe、Fe、Ni、Co、Pyなどから構成することが可能である。また、AlやSiOなどの絶縁体中にCo等の微粒子を分散させたグラニュラー薄膜構造としてもよい。ここでは、磁化方向可変層34の磁化方向は、初期状態では(+)方向(図2において下方向)とした。
そして、ある電極31及びある電極35間に所定の電圧を印加すると、磁化方向可変層34における、この2つの電極31、35において挟まれる領域、つまり、平面視においてこれらの電極31と電極35とが重なる領域において、スピン注入によって磁化方向が制御される。ここでは、偏光表示手段3において、各々の電極31と各々の電極35とによって独立に電圧を印加できる領域、つまり、平面視でこれらの電極31と電極35とが重なる領域を光変調手段3aとした。そして、光変調手段3aに含まれる電極31、35に、変調駆動手段4(図1参照)によって外部の電源から印加する電圧を制御することで、任意の光変調手段3aの磁化方向可変層34の磁化方向を制御することができる。
ここで、図3を参照(適宜図2参照)して、印加される電圧による磁化方向可変層34の磁化方向の制御について説明する。図3は、電極間に印加した電圧と、磁化方向可変層の磁化方向との関係を示すグラフである。ここでは、横軸を電圧、縦軸を磁化とする。また、電極31を正極、電極35を負極とする印加電圧の方向を(+)、電極31を負極、電極35を正極とする印加電圧の方向を(−)とする。
ここで、電極31及び電極35間の印加電圧が+V以上のとき(図3のc1)、磁化方向可変層34の磁化は(+)方向となる。そして、図3に示すように、電圧と磁化との関係はヒステリシスループを描くため、+V以上の電圧を印加した後に電圧を0としても、磁化は(+)方向に保持される。一方、電極31及び電極35間の印加電圧が−V以下のとき(図3のc2)、磁化方向可変層34の磁化は(−)方向となる。この状態で電圧を0としても、磁化は(−)方向に保持される。
図2に戻って説明を続ける。映像表示手段2の各々の画素2aからの光が、対応する光変調手段3aに入射すると、この光は、ファラデー効果によって偏光方向が回転する。この偏光方向の回転角度は、磁化方向に依存するため、磁化方向可変層34の磁化方向が反転されていない光変調手段3aと、磁化方向可変層34の磁化方向が反転された光変調手段3aとでは、入射した光の偏光方向を異なる方向に回転させる。
図2の例では、上から2つ目の光変調手段3aの電極31及び電極35間に負(−)の電圧が印加され、磁化方向可変層34の磁化方向は、磁化方向固定層32と同じ方向である。そして、映像表示手段2の上から2つ目の画素2aからの、偏光した偏光軸A0の光が当該光変調手段3aに入射すると、(−)方向に磁化された磁化方向固定層32と磁化方向可変層34とを透過して、ファラデー効果によって偏光方向が角度θだけ回転した偏光軸A1の光となって出射する。一方、上から4つ目の光変調手段3aの電極31及び電極35間に正(+)の電圧が印加され、磁化方向可変層34の磁化方向は、磁化方向固定層32と逆方向である。そして、映像表示手段2の上から4つ目の画素2aからの、偏光した偏光軸A0の光が当該光変調手段3aに入射すると、(−)方向に磁化された磁化方向固定層32と(+)方向に磁化された磁化方向可変層34とを透過して、ファラデー効果によって、負(−)の電圧が印加されている場合とは逆方向に偏光方向が角度θだけ回転した偏光軸A2の光となって出射する。
そして、偏光フィルタ5(図1参照)が偏光軸A1の光を透過する場合には、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…には正(+)の電圧を印加し、それ以外の光変調手段3a、3a、…に負(−)の電圧を印加することとする。一方、偏光フィルタ5が偏光軸A2の光を透過する場合には、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…に負(−)の電圧を印加し、それ以外の光変調手段3a、3a、…には正(+)の電圧を印加する。そうすることで、偏光付加映像表示装置1から出力される映像は、偏光フィルタ5を介さないと映像表示手段2から出力された映像となり、偏光フィルタ5を介すると、映像表示手段2から出力された映像のうち、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…からの光が偏光フィルタ5によって遮断されて、当該映像に付加映像が付加された映像となる。これによって、偏光付加映像表示装置1は、偏光フィルタ5を介して視聴する視聴者に対しては映像に付加情報を付加して提示し、偏光フィルタ5を介さずに視聴する視聴者に対しては付加情報が付加されていない映像を提示することができる。
この場合、電極31、35による電圧の印加は、磁化方向固定層32、非磁性層33及び磁化方向可変層34に対して行われるが、実質的には磁化方向可変層34の電圧印加による磁化方向の変化により、入射光の変調が行われる。そして、この偏光表示手段3では、磁化方向可変層34における磁化方向の反転による光の偏光方向の回転を利用しているため動作速度が速く、10〜50ns程度となる。
この光変調手段3a、3a、…の磁化反転は、電極31及び電極35の平面視における交点(重複)領域内で起こるので、その磁化反転領域(画素領域)の大きさは、実質的に電極31、35の大きさに依存することとなる。すなわち、現状の半導体の微細加工技術を用いて上記の構造(電極31、35)を形成すれば、少なくともサブミクロン以下のサイズでの高精細な光変調を行うことが可能になる。
(偏光表示手段の製造方法)
次に、図4を参照して、偏光表示手段3の製造方法の一例について説明する。ここで、映像表示手段2は、液晶ディスプレイ等の一般的な表示手段であるので、製造方法の説明は省略する。図4は、偏光表示手段の製造方法を説明するための説明図、(a)は、偏光表示手段の断面図、(b)は、偏光表示手段の平面図である。なお、図4(a)は、図4(b)におけるA−A断面図であり、図2に示した偏光表示手段3を90度左に回転し、更に基板30上に形成される場合を示した。
図4(a)に示すように、まず、基板30上に、電極31を形成する。この電極31は、ITOなどの材料をスパッタ法などで基板30上に堆積し、リソグラフィ法などで所望のサイズに加工することで形成することができる。また、基板30にSiやMgOを用い、電極31にZnOを用いる場合には、電極31をエピタキシャル成長させても良い。
次に、基板30及び電極31上に、磁化方向固定層32を形成する。ここで、この磁化方向固定層32を、スピン偏極率の高い複数の組成の層の積層構造としてもよいし、また、磁化方向固定層32の磁化方向を固定するために、スピン固着層を追加して積層構造としてもよい。ここでは、磁化方向固定層32の厚さを数〜数十nmで電極31上に堆積する。堆積方法としては、電子線エピタキシ法(MBE法;Molecular Beam Epitaxy)やスパッタ法などがある。
更に、磁化方向固定層32上に、非磁性層33を堆積する。この非磁性層33は、例えば、MBE法や、スパッタ法などで堆積する。また、この非磁性層33の厚さは、偏極スピン電子がトンネルできる厚さ(2〜3nm)とされることが好ましい。
続いて、非磁性層33の上に、磁化方向可変層34を堆積する。この磁化方向可変層34の厚さは、数nm以下程度とし、例えば、MBE法やスパッタ法などにより堆積することができる。
次に、磁化方向可変層34の上に、電極35を堆積する。この堆積方法は、電極31と同様に行うことができる。そして、図4(b)に示すように、この電極31と電極35とは、平面視した場合に互いに直交する方向に延伸した構造(格子状)となっている。
そして、個々の光変調手段3a、3a、…(図2参照)の電気的あるいは磁気的な分離は、例えば、以下の方法により行うことが可能である。第1の方法としては、磁化方向可変層34をリソグラフィなどによるメサエッチングで画素加工する方法がある。この場合、磁化方向可変層34に、素子分離のための格子状の溝が形成されることとなる。また、第2の方法としては、磁化方向可変層34に、例えば、窒素などのイオンを局所的に注入することにより、部分的に絶縁する方法がある。
このような磁気的又は電気的な分離構造が形成された場合であっても、従来の液晶や電気泳動素子又はMEMS(Micro Electro Mechanical System;微小電気機械システム)などを用いた光変調器に比べて更に微細な構造を形成することが容易であり、高精細な光変調を行うことができる。
なお、前記の偏光表示手段3は、電圧の印加に応じて入力された光を偏光させる偏光方向を変えることができる構成として、少なくとも電極31、35及び磁化方向可変層34を備えていればよい。また、偏光軸A1の向きと偏光軸A2との向きとは交差していればよく、直交していることがより好ましい。更には、本発明の偏光付加映像表示装置1の偏光表示手段3は、付加映像の黒の画素に対応する領域のみを、他の領域とは偏光方向の異なる光に偏光できればよく、例えば、入力された光のうち、電圧の印加されていない領域のみにおいて偏光方向を回転させる液晶パネル(図示せず)であってもよい。
[偏光付加映像表示装置の動作]
次に、図5を参照(適宜図1及び図2参照)して、本発明における偏光付加映像表示装置1及び偏光フィルタ5によって、映像に付加映像を付加する動作について説明する。図5は、本発明における偏光付加映像表示装置及び偏光フィルタによって、映像に付加映像を付加する動作を示したフローチャートである。なお、ここでは、偏光フィルタ5が、映像表示手段2から出射した光の偏光方向に対して角度θの偏光方向の光を透過する場合の動作について説明する。
偏光付加映像表示装置1は、映像表示手段2に外部から入力された映像を表示する。そして、映像表示手段2から偏光表示手段3に、当該映像の光が出射する(ステップS11;映像表示ステップ)。ここでは、映像表示手段2からは、所定の偏光方向に偏光した光が出射することとした。
続いて、偏光付加映像表示装置1は、偏光表示手段3によって、映像表示手段2から入力された光の偏光方向を回転させる(ステップS12;光変調ステップ)。ここで、変調駆動手段4によって、外部から入力された付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…には負(−)の電圧が印加され、それ以外の光変調手段3a、3a、…には正(+)の電圧が印加される。そのため、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…の磁化方向可変層34の磁化方向は反転され、映像表示手段2から入力された光の偏光方向をファラデー効果によって角度θだけ回転させて出射する。一方、それ以外の光変調手段3a、3a、…の磁化方向可変層34の磁化方向は反転されておらず、映像表示手段2から入力された光の偏光方向を角度θだけ回転させて出射する。なお、この偏光表示手段3から出射した光は、偏光方向が回転されているものの、映像表示手段2から入力された光を遮断することなく出射するため、そのまま視聴する視聴者6には、映像表示手段2に表示された映像と同じ映像が提示される。
そして、偏光フィルタ5は、偏光表示手段3から偏光フィルタ5に入射した光を光学的にフィルタリングする(ステップS13)。つまり、偏光フィルタ5は、偏光表示手段3から偏光フィルタ5に入射した光のうち、映像表示手段2から出射した光の偏光方向に対して角度θの偏光方向の光を遮断し、角度θの偏光方向の光を透過する。これによって、付加映像における黒の画素に対応する光変調手段3a、3a、…から出射した光のみが偏光フィルタ5によって遮断され、偏光フィルタ5を介して視聴する視聴者7には、映像表示手段2に表示された映像に付加映像が付加された映像が提示される。
本発明における偏光付加映像表示装置の概要を模式的に示した模式図である。 本発明における偏光付加映像表示装置の映像表示手段及び偏光表示手段の断面を模式的に示した側面断面図である。 本発明における偏光付加映像表示装置の電極間に印加した電圧と、磁化方向可変層の磁化方向との関係を示すグラフである。 本発明における偏光付加映像表示装置の偏光表示手段の製造方法を説明するための説明図、(a)は、偏光表示手段の断面図、(b)は、偏光表示手段の平面図である。 本発明における偏光付加映像表示装置及び偏光フィルタによって、映像に付加映像を付加する動作を示したフローチャートである。
符号の説明
1 偏光付加映像表示装置
2 映像表示手段
3 偏光表示手段
3a 光変調手段
30 基板
31 電極
32 磁化方向固定層
33 非磁性層
34 磁化方向可変層
35 電極
4 変調駆動手段
5 偏光フィルタ

Claims (2)

  1. 入力された映像を表示して、一の視聴者に前記映像を視認させ、他の視聴者に外部の偏光フィルタを介して当該映像上において黒く視認される付加映像が付加された付加映像付き映像を視認させる偏光付加映像表示装置であって、
    前記入力された映像を所定の方向に偏光した光として照射する映像表示手段と、
    入射する光の偏光方向を変調させる複数の光変調手段を有し、前記映像表示手段から入射する光の偏光方向を変調させて前記一の視聴者及び前記他の視聴者が見る前記映像を表示する偏光表示手段と、
    外部から入力された前記付加映像の映像信号に基づいて、前記複数の光変調手段が変調する光の偏光方向を制御する変調駆動手段とを備え、
    前記光変調手段は、前記変調駆動手段により、前記映像表示手段から入射する光の偏光方向を、前記外部の偏光フィルタを透過する透過方向と前記外部の偏光フィルタを透過しない遮断方向とに変調可能に構成されており、
    前記変調駆動手段は、前記付加映像に対応する部分の前記光変調手段の変調を前記遮断方向となるように制御し、かつ、前記付加映像に対応しない部分の前記光変調手段の変調を前記透過方向となるように制御することを特徴とする偏光付加映像表示装置。
  2. 前記光変調手段が、スピン注入により磁化方向が反転するスピン注入磁化反転素子であることを特徴とする請求項1に記載の偏光付加映像表示装置。
JP2007172487A 2007-06-29 2007-06-29 偏光付加映像表示装置 Expired - Fee Related JP4881238B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007172487A JP4881238B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 偏光付加映像表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007172487A JP4881238B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 偏光付加映像表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009009050A JP2009009050A (ja) 2009-01-15
JP4881238B2 true JP4881238B2 (ja) 2012-02-22

Family

ID=40324153

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007172487A Expired - Fee Related JP4881238B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 偏光付加映像表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4881238B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2473936C2 (ru) * 2009-04-02 2013-01-27 Аслан Хаджимуратович Абдуев Экран и оптический коммутатор
JP2010271512A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Tdk Corp スピン注入型の空間光変調素子
KR101956770B1 (ko) * 2012-11-06 2019-06-24 아이디 퀀티크 에스.에이. 화면 보호 방법과 그를 위한 진폭 인코더, 편광 인코더 및 편광 디코더

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003107406A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Akihiro Fujimura 画像表示システム
JP3982685B2 (ja) * 2002-02-21 2007-09-26 独立行政法人科学技術振興機構 空間光変調器
JP3853722B2 (ja) * 2002-10-07 2006-12-06 株式会社半導体エネルギー研究所 表示装置
JP2005286455A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Hitachi Ltd 映像表示システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009009050A (ja) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9176349B2 (en) Gradient refractive index liquid crystal optical apparatus and image display apparatus
US20110170026A1 (en) Multi-functional liquid crystal parallax barrier device
TWI231379B (en) Optical shifter and optical display system
KR102112979B1 (ko) 액정표시장치 및 그 제조방법
JP5317083B2 (ja) 電子映像機器
TW546528B (en) Liquid crystal display device
TW201019018A (en) Stereoscopic display device
JP2009053391A (ja) 表示素子
WO2013117109A1 (zh) 阵列基板和双视场显示装置及其制造方法
US20120229442A1 (en) Display and method of driving the same, as well as barrier device and method of producing the same
TW201243817A (en) Image display device and method for driving the same
JP2012042821A5 (ja)
JP4881238B2 (ja) 偏光付加映像表示装置
JP2008064825A (ja) 多素子空間光変調器およびこれを備えた映像表示装置
KR20160010184A (ko) 편광필름 및 이를 포함하는 평판표시장치
JP2009098480A (ja) 表示素子
TW201245826A (en) Display device and liquid crystal element
TWI397719B (zh) 立體顯示裝置及立體畫面顯示方法
US20120229429A1 (en) Display and method of driving the same, as well as barrier device and method of producing the same
WO2020215707A1 (zh) 显示面板和电子设备
KR101333681B1 (ko) 편광의 위상지연 특성을 조절할 수 있는 고분자 분산형 액정 필름
JP2009053392A (ja) 表示素子
JP2007310177A (ja) 空間光変調器
US8885113B2 (en) Display device, barrier device, and method of manufacturing barrier device
JP6017165B2 (ja) 空間光変調器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091016

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141209

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees