JP4880286B2 - カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は生体の血管内に挿入して用いるカテーテルに関し、特に左右冠状動脈に適用可能なカテーテルに関する。
カテーテルは、手首、上腕や大腿部等から経皮的に血管内に挿入され、造影剤等の薬剤を血管内に投与したり、血管の狭窄部位を拡張したり、異物を切除したりする等の治療に広く用いられている。
生体の血管は部位によって様々な太さ、形状を有しながら互いに接続している。そのため、従来は、カテーテルの先端を配置する部位に応じて、異なる形状のカテーテルが用意されており、術者が適宜選択して使用している。カテーテルの代表的な形状としては、例えば冠状動脈のジャドキンス型、アンプラッツ型や、心室用のピックテール型などがある。さらに、血管形状や血管の接続位置の個人差に対応するため、同じ形状でサイズが異なるカテーテルが用意されており、実際には適応する血管の種類に応じた形状と、個々の患者に対して適したサイズに基づき、使用するカテーテルが決定される。
これらのカテーテルは、カテーテルの先端を所望の血管部位に導き、かつ安定した配置を行なうことができるよう、ある特定の部位(血管)での使用に適したな形状に形成されている。これにより、意図した部位への適用は容易に行える反面、他の部位への適用については考慮されておらず、複数部位への共通利用は困難である。
そのため、複数の部位にカテーテルを適用して診断や治療を行なう場合には、例えば右冠状動脈と左冠状動脈のように、適用部位がすぐ近くに存在する場合であっても、適用部位毎にカテーテルを交換する必要があった。カテーテルは1m程度の長さがある反面、外径は1〜2mm程度と非常に細く、かつガイドワイヤーや薬剤等を通すために中空構造である。従って、交換は面倒である上、患者の負担も増す。
交換の手間と患者負担軽減を目的として、複数の部位での使用を考慮した形状のカテーテル(汎用形状カテーテル)も提案されている。例えば特許文献1では、左右冠状動脈共用のカテーテルが提案されている。
特開平7ー308384号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の汎用形状カテーテルは、通常使用されている特定部位向けのカテーテルとは全く異なる形状を有する。そのため、所望の血管内、例えば左右の冠状動脈内に先端を挿入させるためのガイドワイヤー操作も、従来一般的に用いられている特定部位向けのカテーテルとは大きく異なり、新たに習得する必要がある。結果として、術者の負担が増し、かつ使用できる様になるまで時間がかかるという問題があった。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みなされたものであり、従前の特定部位向けカテーテルと大きく異ならない操作により、左右の冠状動脈の両方に対応可能なカテーテルを提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、冠状動脈に先端を挿入して用いるカテーテルであって、カテーテルの近位端部から、カテーテルの先端から所定の範囲を構成する先端部分の近位端までを構成する直線状の第1の部分と、第1の部分に接続され、先端部分の近位端から、カテーテルの先端近傍までを形成する曲線状の第2の部分と、第2の部分に接続され、先端を含む先端近傍部分を形成する第3の部分とを有し、第2の部分が、全体として同一方向に湾曲していると共に、曲率半径の異なる複数の部分を含み、第3の部分が、第2の部分の遠位端に接続され、第2の部分とは逆方向に湾曲する返し部分と、当返し部分の遠位端からカテーテルの先端までを形成する直線部分とを有し、第2の部分が、第1の部分の遠位端に接続され、第1の曲率半径を有する近位部分と、近位部分よりも先端側に位置し、第2の部分で最も小さな第2の曲率半径を有する中間部分と、中間部分よりも先端側に位置し、中間部分よりも大きな第3の曲率半径を有する遠位部分とを含み、
また、本発明の別の要旨は、カテーテルの先端第1の部分との距離が0〜10mmである形状を有することにより、左冠状動脈並びに右冠状動脈の両方に適用可能であることを特徴とするカテーテルに存する。
このような構成により、本発明のカテーテルによれば、従前の特定部位向けカテーテルと大きく異ならない操作により、左右の冠状動脈の両方に対応可能なカテーテルを実現できる。
以下、図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る左右冠状動脈用カテーテル(Universal Diagnostic Catheter with Variable Curve)の例を示す図であり、図1(a)はカテーテルの特徴的な構成である先端部分の形状を、図1(b)はカテーテル先端近傍の形状の詳細をそれぞれ示す。
図1に示す形状は、ガイドワイヤーを挿入していない、未使用時における単体での形状である。本実施形態の左右冠状動脈用カテーテルは、第1から第5の部分P1〜P5からなる。ガイドワイヤーや薬剤の挿入部等が設けられたコネクタ(図示せず)に近位端を接続され、カテーテルの先端から所定の範囲を構成する先端部分の近位端までを構成する第1の部分P1は、直線形状を有する。
第1の部分P1の遠位端に接続される第2〜第4の部分P2〜P4は、全体として同一方向(第1の部分P1に近づく方向)に湾曲した形状を有する。第2〜第4の部分は曲率半径が異なり、全体として略楕円形状を形成している。曲率半径は第3の部分P3が最も小さく、第2の部分P2、第4の部分P4は第3の部分より大きな曲率半径を有する。本実施形態では、第2の部分P2と第4の部分P4の曲率半径を等しくしている。
なお、第2の部分P2、第3の部分P3、第4の部分P4は、それぞれ曲率半径が一定であることを要しない。各部分の中で曲率半径が変化していても良い。この場合、各部分の曲率半径は、最も小さな曲率半径又は平均曲率半径で表す。また、第2の部分P2〜第4の部分P4において曲率半径の変化がする領域(例えば第2の部分と第3の部分の遷移部分や第3の部分と第4の部分の遷移部分)では、連続的に曲率半径が変化するように構成される。
第2〜第4の部分P2〜P4に直線部分や曲率半径が急激に変化する部分が含まれないことは本実施形態のカテーテルが有する特徴の1つである。このような形状により、例えば造影剤等を噴射した際の反力に屈しない強力なバックアップ効果が得られ、カテーテル先端が冠状動脈口から外れることを防止できる。特に、外径が3〜4Fr(1〜4/3mm)といった、細いカテーテルでは、肉厚が薄く、剛性が低くなりがちである。第2〜第4の部分P2〜P4に直線部分や曲率半径の急変する部分がないことで、反力が集中する場所が存在せず、第2〜第4の部分P2〜P4全体で反力に抗することが可能であるため、本実施形態のカテーテルは、細いカテーテルに特に有効な形状である。
カテーテルの先端を含む先端近傍部分を形成する第5の部分P5は、第4の部分P4の遠位端に接続され、第2〜第4の部分P2〜P4とは逆方向に湾曲した部分(返し部分)P51と、部分P51の遠位端からカテーテルの先端までを形成する直線形状の部分P52とから構成される。返し部分P51を有すること、カテーテルの先端を形成する部分P52が直線形状を有することも、本実施形態のカテーテルが有する特徴の1つである。また、カテーテルの先端は、第1の部分P1の近傍に位置する。
具体例として、全長1000mm、外径1mm、内径0.8mmのカテーテルにおいて、図中の各寸法の好ましい範囲は以下の通りである。
d1=13〜28mm、d2=19〜40mm、d3=21〜46mm、d4=5.4〜12mm、d5=4.3〜10mm、d6=0〜10mm、
直線部分P52の長さ=1.6〜4.0mm、返し部分P51の長さ=1.4〜10.4mm、P2〜P5の長さ合計55〜130mm。
第2の部分P2の曲率半径R2=14〜32mm、第3の部分P3の曲率半径R3=7.7〜18mm、第4の部分P4の曲率半径R4=14〜32mm、第5の部分P5(内側)の曲率半径R51=3.7〜8mm、第5の部分P5(外側)の曲率半径R52=5〜11mm。
このうち、d2の具体的な値は、患者の上行大動脈の直径(個体差によりばらつきはあるが、約19〜40mm)に収まるように決定する。他の値は、d2の値の大小に対応して適宜定めることができる。
本実施形態のカテーテルは、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等の樹脂から形成することが可能である。剛性を調整する必要があれば、樹脂を混合して用いることもできる。また、細線を多層構造の中間層に編み込んだ形態もある。なお、本実施形態のカテーテルは形状に特徴を有しており、材質及び製造方法については従前使用されている材料、製造方法を用いることができる。
本実施形態のカテーテルは、例えば四肢から動脈に挿入して用いる。まず、ガイドワイヤーを末端部のコネクタからカテーテル内に挿入し、ガイドワイヤーにカテーテル内部を貫通させる。そして、X線撮影によりマーカーの先端部位置を確認しながら、まずガイドワイヤーの先端を血管内で押し進め、所望の位置近くまで移動させる。
次に、ガイドワイヤーを固定した状態で、カテーテルをガイドワイヤーに沿って血管内に挿入していく。なお、ガイドワイヤーとカテーテルとを同時に血管内へ挿入しても良いが、ガイドワイヤーの先端よりもカテーテル先端が先行しないようにすることが好ましい。
図6は、ガイドワイヤーの先端位置と、本実施形態のカテーテルの外形との関係を示す図である。図中、ガイドワイヤーの先端位置を矢印で示す。ガイドワイヤー先端が押し込まれるに連れ、図6(a)〜(d)に示すようにカテーテルの第2〜第5の部分が変形する。この変形を利用しながら、カテーテル先端を所望の冠状動脈口に挿入させることができる。以下、具体的な操作について説明する。
図2は、本実施形態のカテーテルを左冠状動脈用カテーテルとして適用する際の形状変化を説明する図である。なお、図2〜図4は、本実施形態のカテーテルを大腿動脈から挿入した場合の例を示している。上腕動脈を経由して上行大動脈に挿入される場合では、カテーテルと大動脈内壁との接触部位が若干異なることになる(さらに、右の上腕か左の上腕かでも異なる)。この場合には、カテーテルが上部の血管から進入する。
図2(a)は、ガイドワイヤーを挿入せず、また血管内にも挿入しない状態の先端部分形状を示しており、図1の状態に相当する。この状態でガイドワイヤーを挿入し、ガイドワイヤーを貫通させた状態の形状(体内へは挿入されていない)が図2(b)である。
図2(c)は、左冠状動脈へアプローチしている状態の形状である。アプローチ中は、ガイドワイヤーを前後に移動させながら、カテーテルの部分P2〜P5の形状及び先端の位置を調整する。そして、図2(c)に示すように、カテーテル先端が左冠状動脈口、バルサルバ洞上部付近に位置する状態になったら、ガイドワイヤーを抜き去る。
ガイドワイヤーが抜き去られると、ガイドワイヤーの剛性によって変形させられていたカテーテルの部分P2〜P5が、図1又は図2(a)に示した本来の形状に復元しようとする。具体的には、部分P2〜P5が形成する略楕円形状が拡げられた状態から、閉じた状態へ戻ろうとする。その結果、カテーテルの先端近傍部分、特に部分P2〜P4と逆に曲がった部分(返し部分)P51が、左冠状動脈口に押しつけられて安定する(図2(d))。
造影剤の噴射を行なう場合、噴射力の反作用として、噴射方向と逆向きの力がカテーテル先端に加わる。しかし、本実施形態のカテーテルは、部分P2より近位部付近(または、P1の遠位部)で上行大動脈内壁と接している。
また、前述の通り、カテーテル先端部の大半を形成する部分P2〜P4に直線的な構成を有さず、かつ部分P2〜P4を拡げようとする力に反発する形状を有している。そして、この部分P2〜P4には、図2(a)に示す形状に戻ろうとする復元力(先端P52が部分P1に近づく方向の力)が働いている。その結果、図2(d)の状態で造影剤等を投入した際にカテーテル先端に加わる、先端を部分P1から離そうとする方向の力に部分P2〜P4全体で対抗することができる。また、部分P2より近位部付近(または、P1の遠位部)で上行大動脈内壁と接することにより、さらに位置安定性が高まる。
部分P2〜P4に直線的な部分が含まれると、その部分は復元力(バックアップ力)を持たないため、反作用による応力に対抗する機能を持たない。また、直線的な部分の両端に応力が集中するため、本実施形態のように、同一方向に湾曲し、曲率半径が異なる部位を含む形状を有する構成に対し、破損等のリスクが大きくなることも好ましくない。応力の集中という点では、曲率半径が大きく変化する部位が存在する場合でも同様の問題がある。
また、先端を構成する部分P52は直線形状となっているため、冠状動脈の軸方向(薬剤噴射方向)と並行となり、薬剤が確実に冠状動脈の奥まで到達する。
図3(a)〜(d)は、従来標準的に用いられている左冠状動脈用カテーテルについて、図2(a)〜(d)と対応する状態での形状例を示す図である。
図3(a)に示すように、従来の左冠状動脈用カテーテルは、先端部分に直線的な構成30を有している。図3(b)に示すように、ガイドワイヤーを挿入した状態での形状は部分P5の形状を除き本実施形態のカテーテルと類似している。しかし、アプローチにおいて、直線部分30はガイドワイヤーの先端位置に依らず直線形状を維持する(図3(c))。
ガイドワイヤーを除去し、カテーテル先端が左冠状動脈に入り込んだ状態とすることができても、例えば薬剤噴射の反作用による応力が働くと、直線部分30の手前側端部31を支点として点線に示すように移動してしまい、先端が左冠状動脈から外れてしまう。これは、直線部分30に本実施形態のカテーテルの部分P2〜P4が有するような復元力が存在しないこと、また、直線部分30の形状が、反作用による応力に対抗しうる形状となっていないことによる。
さらに、従来の左冠状動脈用カテーテルでは、患者の個人差に合わせるため、直線部分30の長さや図3(a)の32に示す(d2に対応する)大きさが異なる様々な種類のカテーテルを用意しておく必要があった。しかし、本実施形態のカテーテルでは、ガイドワイヤーを操作して部分P2〜P4を変形させることで、従来構成の直線部分30に相当する部分の長さを任意に調整することができる。すなわち、ガイドワイヤー先端をカテーテル先端近くまで挿入すれば、ガイドワイヤーの剛性によりカテーテル先端部分までが拡げられ、直線的な形状部分が長くなる。一方、先端を引っ込めるようにすれば、復元力により直線的な形状部分が短くなる。そのため、本実施形態のカテーテルは、1種類の形状で様々な患者に対応することが可能となる。
加えて、本実施形態のカテーテルは、ガイドワイヤーの挿入度合いを調整することによって、使用時の形状が従来の左冠状動脈用カテーテルと類似になるため、カテーテルの操作も従来の左冠状動脈用カテーテルと大きな違いがない。そのため、従来の左冠状動脈用カテーテルに習熟した操作者であれば、短時間で使用することが可能である。
図4は、本実施形態のカテーテルを右冠状動脈用カテーテルとして適用する際の形状変化を説明する図である。本実施形態のカテーテルは、左右いずれの冠状動脈にも適用可能であるため、図4(a)及び図4(b)は、図2(a)及び図2(b)と同一である。
アプローチ中の形状を示す図4(c)においても、図2(c)とほぼ類似の形状を有している。しかし、右冠状動脈の入り口は左冠状動脈よりもバルサルバ洞に近い(深い)位置に存在するため、左冠状動脈に適用する場合よりも、ガイドワイヤーをより深く押し込み、部分P2〜P4が延びた(開いた)状態に変形させる。また、カテーテルを反転させやすくするためにも部分P2〜P4を延びた(開いた)状態に変形させる。
そして、カテーテルを回転させることで、カテーテル先端の向きを180度反転させると、先端が右冠状動脈に入る。そして、ガイドワイヤーを引き抜く(図4(d))。右冠状動脈に適用した場合も、ガイドワイヤーを抜き去った後は図4(a)の形状に戻ろうとする力(図中ほぼ上方へ向かう力)が部分P2〜P4に働くため、先端の、部分P2〜P4と逆向きに曲がった部分(返し部分)P51が冠状動脈口に引っかかり、安定する。
図5(a)〜(d)は、従来標準的に用いられている右冠状動脈用カテーテルについて、図4(a)〜(d)と対応する状態での形状例を示す図である。
図5(a)に示すように、従来の左冠状動脈用カテーテルは、先端部分に曲率半径の大きい直線的な構成50を有している。図3(b)に示すように、ガイドワイヤーを挿入した状態での形状は部分P5の形状を除き本実施形態のカテーテルと類似している。しかし、アプローチにおいて、直線部分50はガイドワイヤーの先端位置に依らず直線形状を維持する(図5(c))。従来の右冠状動脈用カテーテルも、本実施形態のカテーテルと同様、図5(c)の状態からカテーテルを回転させて先端を180度反転させた後、ガイドワイヤーを引き抜くと、先端が右冠状動脈に入り込む(図5(d))。
ガイドワイヤーを除去し、カテーテル先端が右冠状動脈に入り込んだ状態とすることができても、例えば薬剤噴射の反作用による応力が働くと、直線部分50の手前側端部51を支点として点線に示すように移動してしまい、先端が右冠状動脈から外れてしまう。これは、直線部分50に本実施形態のカテーテルの部分P2〜P4が有するような復元力が存在しないこと、また、直線部分50の形状が、反作用による応力に対抗しうる形状となっていないことによる。
さらに、従来の右冠状動脈用カテーテルでは、患者の個人差に合わせるため、直線部分50の長さが異なる様々な種類のカテーテルを用意しておく必要があった。しかし、本実施形態のカテーテルでは、ガイドワイヤーを操作して部分P2〜P4を変形させることで、従来構成の直線部分50に相当する部分の長さを任意に調整することができる。すなわち、ガイドワイヤー先端がカテーテル先端近くまで挿入すれば、ガイドワイヤーの剛性によりカテーテル先端部分までが延ばされ、直線的な形状部分が長くなる。一方、先端を引っ込めるようにすれば、復元力により直線的な形状部分が短くなる。そのため、本実施形態のカテーテルは、1種類の形状で様々な患者に対応することが可能となる。
加えて、本実施形態のカテーテルは、使用時の形状がガイドワイヤーの挿入度合いを調整することによって従来の右冠状動脈用カテーテルと類似であるため、カテーテルの操作も従来の右冠状動脈用カテーテルと大きな違いがない。そのため、従来の右冠状動脈用カテーテルに習熟した操作者であれば、短時間で使用することが可能である。
以上説明したように、本実施形態のカテーテルによれば、左右両方の冠状動脈に対して共通に利用可能である上、アプローチ中の形状が従来のカテーテルと類似しているので、特段の習熟を必要とせずに使用が可能である。
また、カテーテルの末端から続く直線部分と、カテーテル先端近傍部分を接続する部分を、全体として同一方向に湾曲した曲線形状であり、曲率半径の異なる複数の部分を含む形状とすることにより、この部分をガイドワイヤーの操作により連続的に変形させることができる。そのため、先端の位置を柔軟に調節することができ、従来はサイズの異なるカテーテルに交換が必要な場合であっても、交換不要で対応できる。さらに、カテーテル先端から薬剤を噴射した場合に、反作用による応力が加わっても、先端が冠状動脈口から抜けずに安定した状態を維持することができる。
また、先端を直線的に形成したので、カテーテル先端が冠状動脈の長さ方向における中心軸と平行した状態に維持され、先端から噴射される薬剤等が冠状動脈の奥へ適切に導入されやすくなる。
本発明の実施形態に係る左右冠状動脈用カテーテルの例を示す図である。 本実施形態のカテーテルを左冠状動脈用カテーテルとして適用する際の形状変化を説明する図である。 従来標準的に用いられている左冠状動脈用カテーテルについて、図2(a)〜(d)と対応する状態での形状例を示す図である。 本実施形態のカテーテルを右冠状動脈用カテーテルとして適用する際の形状変化を説明する図である。 従来標準的に用いられている右冠状動脈用カテーテルについて、図4(a)〜(d)と対応する状態での形状例を示す図である。 ガイドワイヤーの先端位置と、本実施形態のカテーテルの外形との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 冠状動脈に先端を挿入して用いるカテーテルであって、
    カテーテルの近位端部から、カテーテルの先端から所定の範囲を構成する先端部分の近位端までを構成する直線状の第1の部分と、
    前記第1の部分に接続され、前記先端部分の近位端から、カテーテルの先端近傍までを形成する曲線状の第2の部分と、
    前記第2の部分に接続され、前記先端を含む先端近傍部分を形成する第3の部分とを有し、
    前記第2の部分が、全体として同一方向に湾曲していると共に、曲率半径の異なる複数の部分を含み、
    前記第3の部分が、前記第2の部分の遠位端に接続され、前記第2の部分とは逆方向に湾曲する返し部分と、当該返し部分の遠位端からカテーテルの先端までを形成する直線部分とを有し、
    前記第2の部分が、前記第1の部分の遠位端に接続され、第1の曲率半径を有する近位部分と、前記近位部分よりも先端側に位置し、前記第2の部分で最も小さな第2の曲率半径を有する中間部分と、前記中間部分よりも先端側に位置し、前記中間部分よりも大きな第3の曲率半径を有する遠位部分とを含み、
    前記カテーテルの先端前記第1の部分との距離が0〜10mmである形状を有することにより、左冠状動脈並びに右冠状動脈の両方に適用可能であることを特徴とするカテーテル。
  2. 前記第1の曲率半径及び前記第3の曲率半径が14〜32mmであり、前記第2の曲率半径が7.7〜18mmであることを特徴とする請求項1記載のカテーテル。
  3. 前記第3の曲率半径が、前記第1の曲率半径と等しいことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のカテーテル。
  4. 前記近位部分と前記中間部分、前記中間部分と前記遠位部分とが、徐々に曲率半径が変化する遷移部分により接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカテーテル。
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