JP4879921B2 - 大気中降下物の連続捕集装置 - Google Patents
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デポジットゲージには、測定の時間分解能が低いために短時間での大気中煤塵量測定値の
第1発明は、上方に向けた開口を有すると共に、下端が気流路と接続されている、ろうと状の乾性沈着物採取口と、上方に向けた開口を有する湿性沈着物採取口と、降雨を検出する降雨検出器と、前記降雨検出器の検出値に応じて、前記乾性沈着物採取口と前記湿性沈着物採取口のいずれか一方を閉止する煤塵採取口蓋と、前記降雨検出器の検出値に基づいて、降雨時には乾性沈着物採取口を閉鎖して湿性沈着物採取口を開放し、降雨時以外には湿性沈着物採取口を閉鎖して乾性沈着物採取口を開放する煤塵採取口蓋開閉機構と、前記乾性沈着物を捕集する乾性沈着物捕集装置と、前記湿性沈着物を捕集する湿性沈着物捕集装置と、を備え、前記乾性沈着物捕集装置は、前記乾性沈着物採取口内に存在する大気中粒子を大気と共に前記乾性沈着物採取口の下端から前記気流路を通して吸引するためのブロワ又は圧縮機と、前記乾性沈着物採取口の後段に設けられ、前記乾性沈着物採取口から吸引された前記大気中粒子を粗大粒子と微小粒子とに分ける1つまたは2つ以上の分級器と、前記分級器の後段に設けられた、前記分級器の微小粒子側出口を一度も通過することのない粗大粒子用気流路と、前記粗大粒子用気流路の途中に設けられた、粗大粒子用の乾性沈着物捕集器と、前記分級器の後段に設けられた、1つまたは2つ以上の前記微小粒子側出口に接続する微小粒子用気流路と、前記微小粒子用気流路の途中に設けられた、微小粒子用の乾性沈着物捕集器と、前記乾性沈着物捕集器を定期的に交換する乾性沈着物捕集器交換装置と、前記粗大粒子用気流路と前記微小粒子用気流路が合流して形成され、前記吸引された大気と同一流量の大気を前記乾性沈着物採取口内に導入するための循環気流路と、前記乾性沈着物捕集器の後段の前記粗大粒子用気流路または前記循環気流路上に設けられた、流量制御装置と、前記乾性沈着物捕集器の後段の前記粗大粒子用気流路または前記循環気流路上に設けられた、ブロワ又は圧縮機と、から構成され、前記湿性沈着物捕集装置は、前記湿性沈着物採取口の下方に前記湿性沈着物採取口を通過した粒子を捕集する湿性沈着物捕集容器を備えた湿性沈着物捕集装置を備えることを特徴とする、大気中降下物の連続捕集装置である。
第2発明は、前記乾性沈着物捕集器がテープ状の捕集フィルタであり、前記テープ状の捕集フィルタ上の粒子捕集場所を一定時間毎に更新する捕集フィルタ送り装置と、前記テープ状の捕集フィルタ上に捕集された粗大な乾性沈着物と微小な乾性沈着物の質量をそれぞれ連続的に計測するβ線吸収式質量計測器と、前記計測値を連続的に記録する演算および記録装置と、を更に備えることを特徴とする第1発明に記載の大気中降下物の連続捕集装置である。
第3発明は、前記乾性沈着物捕集器に捕集された大気中粒子の質量を連続的に計測する振動素子式マイクロ天秤型質量計測器と、前記計測値を連続的に記録する演算および記録装置と、を更に備えることを特徴とする第1発明に記載の大気中降下物の連続捕集装置である。
第4発明は、所定時刻からの積算雨量を検出する手段と、2つ以上の前記湿性沈着物捕集器と、前記積算雨量に基づいて前記湿性沈着物捕集器を交換する湿性沈着物捕集器交換装置と、を備えることを特徴とする第1から第3発明のいずれか1つに記載の大気中降下物の連続捕集装置である。
第5発明は、前記湿性沈着物捕集器に捕集された湿性沈着物のうち、捕集した雨水である大気中物質水溶液のpHを連続的に計測するpH計測器と、前記計測値を連続的に記録する演算および記録装置と、を備えることを特徴とする第1から第4発明のいずれか1つに記載の大気中降下物の連続捕集装置である。
第6発明は、前記乾性沈着物捕集用の分級器が1台、または、2台以上設けられ、全ての前記乾性沈着物捕集器の後段、かつ、前記循環気流路中に除塵用の除塵フィルタを設け、前記乾性沈着物用の分級器のうち少なくとも1台の微小粒子側出口から、前記除塵フィルタの前段、かつ、全ての前記乾性沈着物捕集器の後段である循環気流路の位置まで、前記微小粒子を含む吸引された大気の一部を流通させるバイパス気流路を備えることを特徴とする第1〜第5発明のいずれか1つに記載の大気中降下物の連続捕集装置である。
(装置構成)
図9を用いて第1発明における一実施形態の装置構成を説明する。まず、乾性沈着物捕集装置について説明する。大気に対して、上方に開放した円錐ろうと状の乾性沈着物採取口1を通じて大気中流れとともに降下煤塵が捕集装置内に進入する。装置内には、気流路2、主循環気流路11、粗大粒子用分岐気流路12、並びに、微小粒子用分岐気流路13からなる循環気流路が設置され、主循環気流路11の途中に配置されたブロワまたは圧縮機6によって、乾性沈着物採取口1下端からブロワまたは圧縮機6方向に循環気流が形成・維持される。乾性沈着物採取口1の入口付近には、主循環気流路11が合流し、乾性沈着物採取口1内に循環流を排気するので乾性沈着物採取口1と外気間での流量は、平均的に零となり、乾性沈着物採取口1入口では実質的に外気を吸引しない。粒子の自由落下、または、乾性沈着物採取口1内下端からの吸気によって乾性沈着物採取口1に進入した粒子の一部は、気流路2に進入する。気流路2内の煤塵粒子は、気流によって分級器8に流入する。分級器8の内部で煤塵は分級され、大気中で自由落下しうる粗大粒子(即ち、降下煤塵)を主として含む気流と、それ以外の微小粒子のみを含む気流に分流されて、それぞれ、粗大粒子用分岐気流路12及び微小粒子用分岐気流路13に分かれて分級器8から流出する。粗大粒子用分岐気流路12は、粗大粒子用の乾性沈着物捕集部45に進入する。気流中の粗大粒子は、粗大粒子用の乾性沈着物捕集部45中の捕集フィルタ5上に捕集される。図9の装置では、捕集フィルタ5が乾性沈着物捕集器である。大気は乾性降下粗大粒子捕集器を通過して後段の粗大粒子用分岐気流路12へ流出する。乾性沈着物捕集部45の捕集フィルタ5に捕集された粗大な乾性沈着物は、乾性沈着物捕集器交換装置49によって定期的に交換される。分級器8の特性を安定化させるため、捕集フィルタ5を通過した大気は、流量制御装置9によって、作業中、常に一定流量になるように調整されている。同様の構造と手順により、微小粒子用分岐気流路12気流中の微小粒子は、微小粒子用の乾性沈着物捕集部46に捕集される。流量制御装置9の下流で、微小粒子用分岐気流路12と粗大粒子用分岐気流路12は合流して主循環気流路11に接続する。粗大粒子用の乾性沈着物捕集部45および微小粒子用の乾性沈着物捕集部46には市販のフィルタを用いることができる。また、従来技術の連続式SPM計に用いられる技術を適用して市販の薄膜テープ状のフィルタを乾性沈着物捕集器として用い、この薄膜テープ状のフィルタを一定期間ごとに巻き取りフィルタをロール状に回収する市販の乾性沈着物捕集器交換装置49でもよい。循環気流路21から乾性沈着物採取口1内に吐出される大気は含有粒子の点で清浄でなければならないので、上流の捕集フィルタ5で除去できなかった大気中粒子を除去するために、主循環気流路11中に除塵フィルタ10を設置してもよい。循環流の乾性沈着物採取口1への吐出は、従来の連続煤塵計測装置でのものと同様に、乾性沈着物採取口1入口直下で全周均一に乾性沈着物採取口1下端方向に乾性沈着物採取口1内面に沿ってなされるようにすることが望ましい。以上の装置構成をまとめると、乾性沈着物捕集装置は、乾性沈着物採取口1、気流路2、分級器8、粗大粒子用分岐気流路12、微小粒子用分岐気流路13、捕集フィルタ5を内蔵した粗大粒子用乾性沈着物捕集部45および微小粒子用乾性沈着物捕集部46、流量制御装置9、除塵フィルタ10、並びに、主循環気流路11を専用部品として含む。
第1発明の装置に関わる装置の設定・制御、捕集物の分析、並びに、測定値の記録・保存は、演算および記録装置34によって自動的に、または、この演算装置を外部から操作して、実施できる。演算および記録装置34は、データ入出力機構、データ保存機構、計時機能、並びに、データ演算機能を備えた装置であればどのようなものであってもよい。例えば、市販のパソコンやPLCを用いることができる。演算および記録装置34は、図示しない信号線によって、乾性沈着物捕集器交換装置49、流量制御装置9、ブロワまたは圧縮機6、感雨器29、並びに、煤塵採取口蓋開閉装置32等と接続され、所定の計測制御を実施する。演算および記録装置は、1台の装置で全ての機能を実施してもよいし、機能別に複数の演算および記録装置を設けて、機能を分担させてもよい。また、これらの分析作業及び演算作業の全部または一部を手作業で行ってもよい。また、演算および記録装置34は、必ずしも計測装置の筐体26内に設ける必要はなく、遠隔地に設置してもよい。この場合、入力線及び出力線を筐体26内から引き出して筐体26外の演算および記録装置34に接続する等して、データ通信を行えばよい。
乾性沈着物捕集器として、フィルタ方式以外でも、市販のスクラバー等の湿式粒子捕集器や市販の静電集塵機を用いることができる。しかし、装置が簡易、かつ、粒子の捕集効率の高い、フィルタ方式であることが望ましい。フィルタ方式としては、市販のローボリュームサンプラ用のグラスファイバ製捕集フィルタを用いることができる。また、フッ素樹脂製などの市販のメンブランフィルタを用いることもできる。
乾性沈着物捕集器交換装置49には、一般的な機構のものを用いることができる。例えば、フィルタを予めカートリッジ状に加工しておき、前記カートリッジ状のフィルタを予め装置内に複数充填しておく。捕集中のフィルタカートリッジは、上下から気流路2によって挟み込まれてフィルタとして機能する。一定時間ごとに、フィルタカートリッジの気流路2による挟み込みを開放して粒子捕集済みのフィルタカートリッジを水平方向への押出機構等を用いて気流路2から取り外し、その代わりに未使用のフィルタカートリッジを気流路2中に移動させた後、再びこのフィルタカートリッジを気流路2で挟み込むことにより、前記乾性沈着物捕集器の交換を実現できる。
捕集された不溶解成分粒子は、捕集された粒子は、同一時間区分に捕集されたものごとに、従来技術の方法により、質量や化学成分を測定される。測定方法は、例えば、電子天秤を用いた質量測定を用いることができ、また、一般的な化学分析手法や蛍光X線法、または、ICP−MASS法による成分分析等を行うことができる。湿性沈着物は、捕集水をろ過することにより得られたろ過残留物を湿性沈着物中の不溶解成分とみなすことができ、この際のろ液は、湿性沈着物中の溶解成分のみを含むとみなすことができる。また、乾性沈着物捕集器によって捕集された粒子のうち、不溶解成分のみを抽出するためには、捕集した粒子を一旦、蒸留水などと混和し、この混和物をろ過することによって、ろ過残留物として乾性降下不溶解成分粒子のみを抽出することができる。またろ液は、乾性沈着物溶解成分粒子とみなすことができる。質量については、捕集時間と、数値解析等の手法で求めた前述の等価採取口面積とで除することによって、煤塵降下速度に換算する。また、微小粒子の場合、連続式SPM計等と同様に、捕集された煤塵量を乾性沈着物採取口1下端で吸引した大気流量で除して大気中の粒子濃度に換算する。
降下煤塵捕集量は、仮想吸着面面積に比例し、仮想吸着面面積は乾性沈着物採取口1入口断面積以上にはなりえないので、煤塵粒子捕集量を増大させて粒子質量測定のSN比を向上させる観点から、乾性沈着物採取口1の面積は、大きいことが有利である。少なくとも、公的な長期降下煤塵捕集器であり、かつ、本質的にデポジットゲージと同一原理の測定器である米国式ダストジャーの直径10mm以上であることが望ましく、より望ましくは、長期間の降下煤塵捕集を前提とした、デポジットゲージでの乾性沈着物採取口1直径300mm(英国規格)以上とすることができる。また、降下乾性沈着物採取口1が極端に大きい場合、乾性沈着物採取口1への煤塵付着の悪影響の回避が困難になるので、乾性沈着物採取口1直径は、直径1000mm以下にできる。但し、前述の様に、単に乾性沈着物採取口1入口面積を拡大しただけでは煤塵捕集量を増大させることはできず、循環(吸引)流量の増大による仮想吸着面の上昇と組み合わせて適用されるべきである。
湿性沈着物採取口30の形状は、乾性沈着物と同様に、上方に向けた開口を備えたろうと状とすることができる。また、乾性沈着物採取口とは異なり、常に、採取口に雨水が流れ込んで採取口側壁を洗浄するので、ろうと状以外の形状、例えば、円筒状の形状とすることもできる。湿性沈着物採取口30内面の材質に関しては、酸性雨に侵されず、かつ、吸湿性の少ない材料でなければならない。ステンレス鋼製、クロムめっきや亜鉛めっき等のめっき鋼製、アルミニウム製、アルミニウム合金製、マグネシム合金製、チタン合金製、ソーダガラス、または、表面のフッ素樹脂コーティングを採用することができる。
湿性沈着物の捕集器の形状は、湿性沈着物採取口30から流入した雨水を一定時間以上保持することができればどのようなものであってもよい。例えば、ビーカー状、試験管状、または、フラスコ状の形状とすることができる。捕集した雨水をオフラインで分析する場合には、一般に、捕集した雨水を捕集後に長時間保存しておく必要がある。このために、捕集器の入口を小さな断面積として、雨水の蒸発を抑制することができる。また、同様の目的で、装置内に市販の冷房器を設けて捕集器を常時冷却して雨水の蒸発を抑制することができる。一方、捕集した雨水の分析を装置内で捕集直後に実施する場合には、捕集した雨水を長時間捕集器内に保持する必要は必ずしもない。この場合、捕集器は、分析に必要な分量の雨水を一時的に保持すればよく、分析の終了した雨水を直ちに系外排出するころができる、このような捕集器として、捕集器の底に小径の孔を設けて捕集器内には一定量以上の雨水が貯留されないようにすることができる。このような捕集器は小型でよいので、装置全体も小型化できる利点がある。捕集器内面の材質は、前記湿性沈着物採取口30内面に用いることのできる材料と同様のものを用いることができる。
図9の分級器8における分級境界について述べる。大気中で自由落下しうる大きさの粒子は、比重1の粒子に換算して直径4μm〜7μm以上である。従って、この範囲に分級境界を設定することが降下煤塵を選択的に捕集する上で望ましい。また、分級された残りの微小粒子は、健康影響が大きいといわれる、SPMとPM2.5の中間的な大きさ定義の粒子である。従って、この分級された微小粒子は、これら健康影響に関する指標と密接な関係が存在することが期待され、大気質評価の重要な指標になりうるので、微小粒子を捕集して質量測定することには大きな意義がある。尚、既存の装置、例えば連続式SPM計や連続式PM2.5計との共用性を重視して、粗大粒子が直径10μm以上、または、PM2.5の上限直径以上(法的規準は存在しないが、概ね、直径3μmに相当する場合が多い)となるように分級境界を設定することも原理的には可能である。但し、この場合には捕集された粗大粒子が降下煤塵の直径範囲(4μm〜7μm以上)とは一致しなくなるので、測定精度をかなり犠牲にしなければならず、用途が限られる。
乾性沈着物捕集器の分級器8には、一般的な湿式・乾式いずれの捕集器も適用することができる。但し、処理能力が高く、装置が小型化でき、メンテナンス性にも優れる、慣性式分級器8、または、遠心式分級器8を用いることが望ましい。慣性式分級器8としては、ルーバー分級器8やカスケード型を含むインパクタ分級器8を用いることができる。第1発明の用途として、より望ましくは、分級後の粒子をそれぞれ異なる気流路2にそのまま分離できるため装置構造を簡略化できる、バーチャルインパクタ型分級器8、または、サイクロン式分級器8を用いることができる。
除塵フィルタ10は測定に用いられるわけではないので、余裕をもった大きな容量のものを用いることができ、定期的に除塵フィルタ10の交換さえ行えば、目詰まり等による作業の停止を招くことはない。フィルタ材質としては、一般的なグラスファイバ製のものや、市販のセラミックフィルタ等を用いることができる。また、フィルタを直列多段に結合して、除塵能力の向上を図ってもよい。
これらの装置は、従来技術のものをそのまま流用することができる。尚、流量制御装置9とは、例えば、体積型流量計等の流量測定装置(または、流量を算出可能な流速測定装置や圧力測定装置)、バタフライ弁等の流量調整弁とそのアクチュエータ、並びに、制御演算装置等から構成され、気流路2内の気流が、常時、所定の流量となるように流量調整弁の開度を調整するものを使用することができる。
煤塵の付着を抑制することが望ましいので、内面をステンレス鋼製、クロムめっきや亜鉛めっき等のめっき鋼製、アルミニウム製、アルミニウム合金製、マグネシム合金製、チタン合金製、または、フッ素樹脂コーティングした管を使用することができる。
(装置構成)
一実施形態である図10を用いて第2発明を説明する。第2発明は、図9の乾性沈着物捕集器の具体的形態として、粗大粒子用粗大粒子用分岐気流路12に、粗大粒子用の乾性沈着物捕集部45として捕集フィルタ5を用いる粗大粒子用β線吸収式質量計測器20を、また、微小粒子用分岐気流路13に、微小粒子用の乾性沈着物捕集部45として捕集フィルタ5を用いる微小粒子用β線吸収式質量計測器21を設けたものである。粗大粒子を含む気流は、粗大粒子用β線吸収式質量計測器20に流入する。煤塵粒子はこの測定器内の捕集フィルタ5上に捕集され、大気は捕集フィルタ5を通過してこの測定器から流出する。捕集フィルタ5に捕集された全煤塵粒子は、粒子捕集中に粗大粒子用β線吸収式質量計測器20によって連続的に質量測定がなされる。この粒子質量測定値を、試料捕集時間、並びに、数値流体解析や実測によって求めた乾性沈着物採取口1内速度分布を用いて推定した仮想吸着面積で除することにより、降下煤塵の煤塵降下速度を算出できる。捕集フィルタ5は巻取りテープ式になっており、乾性沈着物捕集器交換装置14によって一定時間ごとにテープを巻き取ることによって、新しいフィルタ部位と自動的に交換される。同様の構造と手順により、微小粒子用分岐気流路12気流中の微小粒子は、微小粒子用β線吸収式質量計測器21に進入して、その質量推移が連続的に計測される。微小粒子の場合、降下煤塵速度は定義が困難なので、連続式SPM計等と同様に、捕集された煤塵量を乾性沈着物採取口1下端で吸引した大気流量で除して大気中の粒子濃度に換算する。流量制御装置9の下流で、微小粒子用分岐気流路12と粗大粒子用分岐気流路12は合流して主循環器流路11に接続する。
β線式質量計測機は、市販のものを使用することができ、±10μg程度の精度で微量物の質量を計測することができる。
β線吸収式及び同種の原理による質量測定器の場合、テープ状の捕集フィルタ5を用いる。捕集フィルタ5の交換には、テープ状の連続式捕集フィルタ5のロールを送り出して新たな捕集フィルタ5をこの測定器内に送り込むと同時に、測定済みの捕集フィルタ5を、駆動装置によって連続的にロール状に巻き取って回収する捕集フィルタ5交換装置14を用いることができる。捕集フィルタ5は、粗大粒子計測部と微小粒子計測部でそれぞれ別のテープ状補集フィルタを用いてもよいし、テープ状捕集フィルタ5及び捕集フィルタ5交換装置を共用して、粗大粒子と微小粒子の捕集及び質量測定を同一テープ状捕集フィルタ5上の異なる部位において同時に行ってもよい。捕集フィルタ5の材質は、煤塵の検出精度に与える影響を抑制するため、軽量で質量変化の少ないものが望ましい。この観点から、薄膜化が可能で、吸湿性の少ない、フッ素樹脂性の多孔テープを捕集フィルタ5に用いることができる。また、安価なテープとして、グラスファイバ製のテープ状捕集フィルタ5を用いることもできる。
第1発明と同様の機能に加えて、演算および記録装置は、β線吸収式質量計測器と接続して、この計器から出力される測定値を時系列的に記録・保存する機能を備える。
(装置構成)
一実施形態である図11を用いて第3発明を説明する。第3発明は、図9の粗大粒子用の乾性沈着物捕集部45および微小粒子用の乾性沈着物捕集部46として、それぞれ微小な捕集フィルタ5を用い、かつ、これらの捕集フィルタで捕集された粒子の質量をそれぞれ、粗大粒子用振動素子式マイクロ天秤型質量計測器51及び微小粒子用振動素子式マイクロ天秤型質量計測器52で連続的に計測して計測値を時系列的に記録する装置である。振動素子式マイクロ天秤型質量計測器の原理は、前記捕集フィルタ5に連続的に振動を与え、その応答周波数の変化を検出することにより、捕集フィルタ5に捕集された粒子の質量を連続的に計測するものである。振動素子式マイクロ天秤型質量計測器は、±数μgの質量計測を行うことのできる市販のものを用いることができる。粗大粒子用分岐気流路12の流路中に粗大粒子用振動素子式マイクロ天秤型質量計測器51を、微小粒子用分岐気流路13の流路に微小粒子用振動素子式マイクロ天秤型質量計測器52をそれぞれ設ける。
第1発明と同様の機能に加えて、演算および記録装置は、振動素子式マイクロ天秤型質量計測器と接続して、この計器から出力される測定値を時系列的に記録・保存する機能を備える。
一実施形態である図12を用いて第4発明を説明する。図12は、図10の装置において、湿性沈着物捕集容器交換装置36を設けて湿性沈着物捕集容器35を交換可能な構造とし、かつ、交換する時刻を演算するともに交換時刻を記録する機能を演算および記録装置34に追加したものである。
湿性沈着物捕集容器35の底に歪ゲージ型等の質量計測器50を設け、この質量測定器で湿性沈着物捕集容器35を支えつつ、湿性沈着物捕集容器35中の雨水の質量を湿性沈着物捕集容器35ごと、連続的、または、間欠的に計測し、この測定値から、湿性沈着物捕集容器35交換直後に測定した湿性沈着物捕集容器35単体の質量値を減じて、雨水質量を算出する。計測された雨水質量値を演算および記録装置に記録する。演算および記録装置34に予め設定しておいた湿性沈着物捕集容器35交換雨量値と比較し、この交換雨量値に雨水質量計測値が達したときに、演算および記録装置34は、湿性沈着物捕集容器交換装置36に対して、湿性沈着物捕集容器35を交換させる指示を与える。少量の雨が長時間に渡って断続的に降り、かつ、湿性沈着物捕集容器35上方で湿性沈着物採取口30に煤塵採取口蓋31が蓋をした状態において湿性沈着物捕集容器35内の雨水面が計測装置内部に対して開放されている場合、一旦捕集された雨水が蒸発により減少する場合がある。この影響を補正するため、積算雨量を算出する際に、測定時点での雨水質量値を直接使用するのではなく、前測定時刻での雨水質量計測値からの増加分のみを累積して積算雨量とみなし、雨水蒸発によって前測定時刻よりも雨水質量測定値が減少していた場合には、その雨量減少分を積算雨水から差し引かないという演算処理を採用することができる。
湿性沈着物捕集容器35の構造や材質等は、第1発明の説明で述べたものと同様のものを用いることができる。但し、湿性沈着物捕集容器35は湿性沈着物採取口30とは共用できず、湿性沈着物採取口30と着脱可能な構造でなければならない。例えば、湿性沈着物採取口30の下端をろうと状の形状とし、このろうとの下方にビーカー状のガラス製湿性沈着物捕集容器35を配置することができる。また、捕集物への汚染を防止するため、湿性沈着物採取口30に湿性沈着物捕集容器35が装着されていないときには、湿性沈着物捕集容器35には蓋をできる構造であることが望ましい。
湿性沈着物の交換装置は、市販のフラクションコレクタ等を用いることができる。演算および記録装置34から、湿性沈着物捕集容器35交換の支持を受けた場合に、湿性沈着物捕集容器交換装置36は、湿性沈着物捕集容器35を湿性沈着物採取口30の下方から移動させて保存し、未使用の湿性沈着物捕集容器35を湿性沈着物採取口30の下方に移動させる。湿性沈着物捕集容器交換装置36は、必要に応じて湿性沈着物を捕集し終わった湿性沈着粒捕集容器に煤塵採取口蓋31を取り付ける機構としてもよい。
第1〜3発明の演算および記録装置の機能に加えて、前述の湿性沈着物捕集関係の計測制御機能を設ける。この湿性沈着物捕集関係の計測制御機能のみを独立の演算および記録装置として備えてもよい。このような独立の演算および記録装置を雨水演算装置とよぶことにする。
本発明では、図13に示すように、湿性沈着物採取口30の下方に従来技術の無動力湿性沈着物捕集容器交換装置40を配置してもよい。この装置では、煤塵採取口蓋31開閉機構を利用して、降雨時のみに湿性沈着物を湿性沈着物捕集容器35に捕集し、一定雨量が湿性沈着物捕集容器35に貯留されると、その重みで湿性沈着物捕集容器交換装置36が自動的に回転して次の空の湿性沈着物捕集容器35が湿性沈着物採取口30直下に移動する。
一実施形態である図14を用いて第5発明を説明する。図14は、図10の湿性沈着物採取口30と湿性沈着物捕集容器35の間にpH計測器37を設けて連続的、または、間欠的雨水のpHを計測し、さらに、測定したpH値を記録する演算および記録装置34を設けたものである。ろうと状の湿性沈着物採取口30内に落下した雨水は、ろうとの下端に集められて流下し、pH計測器37の検出部に接触下してpH値が計測された後、湿性沈着物捕集容器35に捕集される。pH計測器37は、市販のガラス電極式のものを用いることができる。
第1〜3発明の演算および記録装置の機能に加えて、演算および記録装置は、降雨の開始、流量時刻と降雨中のpH計測器によるpH計測値を時系列的に記録する機能を備える。pH値を時系列的に記録する際機能のみを独立した装置で分担する場合には、計時機能を備えた市販のデータレコーダやペンチャート等の計算機を用いない装置をこの分担部分の演算および記録装置として用いることができる。
一実施形態である図16を用いて第6発明を説明する。図16は、図12の装置に、図12中の分級器8の前段にバイパス用分級器8’を設け、の微小粒子側出口にバイパス気流路33を接続し、バイパス気流路8’の下流端を主循環気流路11に接続したものである。また、バイパス気流路33の途中には流量制御装置9が設けられている。バイパス用分級器8’は、図12中の分級器と同一の分級特性を備えた慣性式、または、遠心式のものを用いることができる。この分級特性は、バイパス用分級器8’の構造および流量制御装置9によって実現される、各分岐流路の流量比によって定まる。一般的には、バイパス用分級器の微小粒子側出口を流出する気流量を、流入量の80%以上に設定することが粗大粒子を濃縮する観点から有利であり、また、バーチャルインパクタ等の分級装置として実現可能である。
図9に示す構造の降下煤塵計測装置を屋外で運用して降下煤塵の連続測定を行った。乾性沈着物採取口1は、入口直径200mmの円錐ろうと状のステンレス鋼構造であり、ろうとを円錐とみなした場合の頂角を25°とした。循環気流の乾性沈着物採取口1への吐出方法は、乾性沈着物採取口1入口直下に、全周均一に、乾性沈着物採取口1内面に沿って下向きに吐出した。気流路2の内面を、全てステンレス鋼製とした。分級器8にはバーチャルインパクタを用い、循環気流量が1Nm3/時間となるように制御して、比重1相当の粒子について直径6μm以下の微小粒子を含む気流とそれ以外の粗大粒子を含む気流に分級し、それぞれ独立に質量測定を行った。ここでの分級の定義は、比重1相当の粒子について直径6μmの粒子が粗大粒子用分岐気流管に90%、微小粒子用分岐気流管に10%の割合で分離することである。粗大粒子を捕集する捕集フィルタ5は、多孔質で幅20mmの白色フッ素樹脂テープとし、このうち、直径10mmの範囲のみで粒子を捕集するように、上下に分割された気流路2端が質量測定中にはフッ素樹脂テープを挟み込むように流路を設定した。捕集フィルタ送り装置14として、ロールの送り出し・巻き取り機構を採用し、1時間ごとに間欠的に粒子捕集済み捕集フィルタ5を送り出した。除塵フィルタ10は、1μm用の汎用繊維状フィルタの下流に0.3μm用のセラミックフィルタを設置して、排気の清浄化を図った。また、市販の感雨器29を用いて降雨を検知し、雨天時には煤塵採取口蓋31が乾性沈着物採取口1入口を覆って雨水が計測器内に侵入しないようにした。
図10に示す、捕集した乾性沈着物の質量をオンラインで時系列的に計測する粗大粒子用β線吸収式質量計測器20および微小粒子用β線吸収式質量計測器21を用いること以外の条件を全て実施例1と同様にして試験を行った。尚、追加の比較計器として、孔径0.8μmの捕集フィルタ、孔径0.48μm、並びに、2種類の湿式捕集フィルタから構成されるフィルターパック法による乾性沈着粒子捕集の捕集装置を用いた。前記粗大粒子用β線吸収式質量計測器20および前記微小粒子用β線吸収式質量計測器21は、自動的に、常時質量の時間変化量を計測し、これを10分ごとに積算して乾性沈着物の降下速度の10分値データに換算し、このデータを演算及び記録装置34に時系列的に記録した。
図5に示す、従来型連続式煤塵計を用いて、実施例1と同一地点、同一時期に同様の方法で捕集煤塵質量測定を行った。その結果、捕集量平均は、デポジットゲージの約130%であり、[デポジットゲージによる月間煤塵降下速度]/[本装置による月間煤塵降下速度]の変動の標準偏差は、0.35であった。従って、本装置による粗大粒子計測値とデポジットゲージ計測値の間には相関は認められるものの、本発明に比べて劣る。
質量計測装置として振動素子式マイクロ天秤型質量計測器を使用する以外の条件を全て実施例2と同様にして計測を行った。その結果、本装置による粗大粒子の捕集質量の1ヶ月ごと積算値を乾性沈着物採取口1入口面積で除して算出した月間煤塵降下速度を、同一地点でのデポジットゲージによる月間煤塵降下速度と比較した。その結果、本装置の捕集量平均は、デポジットゲージの約80%であり、[デポジットゲージによる月間煤塵降下速度]/[本装置による月間煤塵降下速度]の変動の標準偏差は、0.15であった。従って、本装置による粗大粒子計測値とデポジットゲージ計測値の間で比較的強い相関を得ることができた。
湿性沈着物の捕集方法が以下である以外の条件を全て実施例2と同様にして試験を行った。即ち、図12に示す、湿性沈着物の捕集方法では、実施例1と同様の湿性沈着物採取口30と導水管を設け、導水管の下方に、湿性沈着物捕集容器交換装置36として市販のフラクションコレクタを用いて交換される湿性沈着物捕集容器35を設けてある。湿性沈着物捕集容器35には、容量100mLのガラス瓶を用い、連番を付与した合計100個の湿性沈着物捕集容器35を装置内に装填した。導水管直下の湿性沈着物捕集容器35は秤量器50の上に載り、質量測定器は、湿式容器中の捕集物の質量を湿式容器の質量を予め除外した質量測定値として、連続的に計測した。この捕集物質量測定値は、演算および記録装置34に取り込まれて、捕集物の質量の大半を占める雨水捕集質量として認識した。演算および記録装置34は、この雨水補捕集質量が一定のしきい値を超えた瞬間を降雨開始時刻と認識するとともに、降雨開始時刻を湿性沈着物補修容器の番号とともに演算および記録装置34内に記録した。次に、演算および記録装置34は、降雨開始時刻からの時間を計測した。演算および記録装置34は、降雨開始時刻から所定時間経過した、または、雨水捕集中の湿性沈着物捕集器の質量が所定値を越えた場合に、雨水捕集容器を未使用のものと交換するように、湿性沈着物捕集容器交換装置36に指令するとともに、この指令を出力した時刻を、湿性沈着物捕集容器35交換時刻として、演算および記録装置34に記録した。この指令を受けた湿性沈着物捕集容器交換装置36は、湿性沈着物捕集容器35を交換した。演算および記録装置34は、降雨開始後に、雨水捕集質量が所定時間以上増加しない場合、降雨が終了したと認識し、雨水捕集容器を未使用のものと交換するように、湿性沈着物捕集容器交換装置36に指令するとともに、この指令を出力した時刻を、降雨終了時刻として、演算および記録装置34に記録した。この指令を受けた湿性沈着物捕集容器交換装置36は、湿性沈着物捕集容器35を交換した。
湿性沈着物捕集容器35及び湿性沈着物捕集容器交換装置36が無動力湿性沈着物捕集容器交換装置40である図13に示す装置であること以外を実施例2と同様して試験を行った。湿性沈着物捕集容器35は、要量10mLのガラス製のカップであり、降雨量1mm分の湿性沈着物を捕集するごとに無動力湿性沈着物捕集容器交換装置40が回転して、未使用の湿性沈着物捕集容器35と交換される。無動力湿性沈着物捕集容器交換装置40は、特許文献7に示されたものと同様のものを購入して用いた。無動力湿性沈着物捕集容器交換装置40の回転軸には角度計53が連結されており、角度計53による湿性沈着物捕集容器35交換装置の回転軸角度の変化、即ち、湿性沈着物捕集容器35の交換時刻を、回転計に接続した演算および記録装置が記録する。湿性沈着物捕集容器35の交換時刻と、煤塵採取口蓋31の開閉時刻を組み合わせて用いることによって、降雨の開始時刻及び降雨が一定量に達した時刻を時系列的に求めることができた。降雨終了後に、湿性沈着物を捕集した湿性沈着物捕集容器35を回収して分析を行い、乾性沈着物の捕集物の分析結果と併せて、実施例4と同様の知見をより安価な湿性沈着物捕集構造で実現できた。
湿性沈着物捕集容器35にpH計測器37を設け、pH計測器37の出力を演算および記録装置に時系列的に記録するとともに、湿性沈着物捕集容器35の底に排水口を設け、この排水口に排水管54を接続して湿性沈着物捕集容器35内に貯留されうる雨水を排水する図14の装置であること以外を実施例2と同様にして試験を行った。pH計測器37には市販のガラス電極式のものを用いた。降雨中は、湿性沈着物捕集容器35には少量の雨水が貯留され、そのpHをpH計測器37によって計測して結果を演算および記録装置に記録した。一定期間の試験の後、乾性沈着物回収し、これを水溶させて時系列的なpHを分析した。その結果、乾性沈着物及び湿性沈着物の酸性雨に与える影響が時系列的に求めることができた。また、湿性沈着物の分析をオンラインで行ったため、湿性沈着物を試験後に回収・分析する必要がなく、装置も簡素化できた。
図16の装置を用いて循環気流量を5Nm3/時間、バイパス気流路の流量を4Nm3/時間となるようにブロワと流量制御装置を設定した以外の条件を実施例4と同様にして試験を実施した。
2 ・・・気流路
3 ・・・粗大粒子フィルタ
4 ・・・β線吸収式質量測定器
5 ・・・捕集フィルタ(乾性沈着物捕集器)
6 ・・・ブロワまたは圧縮機
7 ・・・捕集瓶
8 ・・・分級器
9 ・・・流量制御装置
10・・・除塵フィルタ
11・・・(主)循環気流路
12・・・粗大粒子用(分岐)気流路
13・・・微小粒子用(分岐)気流路
14・・・捕集フィルタ送り装置
18・・・乾性沈着物採取口内部流れ場境界
20・・・粗大粒子用β線吸収式質量計測器
21・・・微小粒子用β線吸収型質量計測器
22・・・超粗大粒子時の仮想吸着面
23・・・一般的な粗大粒子の仮想吸着面
26・・・筐体
27・・・沈着物採取口
29・・・感雨器(降水検出器)
30・・・湿性沈着物採取口
31・・・煤塵採取口蓋
32・・・煤塵採取口蓋開閉装置
33・・・バイパス気流路
34・・・演算および記録装置
35・・・湿性沈着物捕集容器
36・・・湿性沈着物捕集容器交換装置
37・・・pH計測器
38・・・導水管
40・・・無動力湿性沈着物捕集容器交換装置
45・・・粗大粒子用の乾性沈着物捕集部
46・・・微小粒子用の乾性沈着物捕集部
49・・・乾性沈着物捕集器交換装置
50・・・秤量器
51・・・粗大粒子用振動素子式マイクロ天秤型質量計測器
52・・・微小粒子用振動素子式マイクロ天秤型質量計測器
53・・・角度計
54・・・排水管
Claims (6)
- 上方に向けた開口を有すると共に、下端が気流路と接続されている、ろうと状の乾性沈着物採取口と、
上方に向けた開口を有する湿性沈着物採取口と、
降雨を検出する降雨検出器と、
前記降雨検出器の検出値に応じて、前記乾性沈着物採取口と前記湿性沈着物採取口のいずれか一方を閉止する煤塵採取口蓋と、
前記降雨検出器の検出値に基づいて、降雨時には乾性沈着物採取口を閉鎖して湿性沈着物採取口を開放し、降雨時以外には湿性沈着物採取口を閉鎖して乾性沈着物採取口を開放する煤塵採取口蓋開閉機構と、
前記乾性沈着物を捕集する乾性沈着物捕集装置と、
前記湿性沈着物を捕集する湿性沈着物捕集装置と、
を備え、
前記乾性沈着物捕集装置は、
前記乾性沈着物採取口内に存在する大気中粒子を大気と共に前記乾性沈着物採取口の下端から前記気流路を通して吸引するためのブロワ又は圧縮機と、
前記乾性沈着物採取口の後段に設けられ、前記乾性沈着物採取口から吸引された前記大気中粒子を粗大粒子と微小粒子とに分ける1つまたは2つ以上の分級器と、
前記分級器の後段に設けられた、前記分級器の微小粒子側出口を一度も通過することのない粗大粒子用気流路と、
前記粗大粒子用気流路の途中に設けられた、粗大粒子用の乾性沈着物捕集器と、
前記分級器の後段に設けられた、1つまたは2つ以上の前記微小粒子側出口に接続する微小粒子用気流路と、
前記微小粒子用気流路の途中に設けられた、微小粒子用の乾性沈着物捕集器と、
前記乾性沈着物捕集器を定期的に交換する乾性沈着物捕集器交換装置と、
前記粗大粒子用気流路と前記微小粒子用気流路が合流して形成され、前記吸引された大気と同一流量の大気を前記乾性沈着物採取口内に導入するための循環気流路と、
前記乾性沈着物捕集器の後段の前記粗大粒子用気流路または前記循環気流路上に設けられた、流量制御装置と、
前記乾性沈着物捕集器の後段の前記粗大粒子用気流路または前記循環気流路上に設けられた、ブロワ又は圧縮機と、
から構成され、
前記湿性沈着物捕集装置は、
前記湿性沈着物採取口の下方に前記湿性沈着物採取口を通過した粒子を捕集する湿性沈着物捕集容器を備えた湿性沈着物捕集装置を備えることを特徴とする、大気中降下物の連続捕集装置。 - 前記乾性沈着物捕集器がテープ状の捕集フィルタであり、
前記テープ状の捕集フィルタ上の粒子捕集場所を一定時間毎に更新する捕集フィルタ送り装置と、
前記テープ状の捕集フィルタ上に捕集された粗大な乾性沈着物と微小な乾性沈着物の質量をそれぞれ連続的に計測するβ線吸収式質量計測器と、
前記計測値を連続的に記録する演算および記録装置と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の大気中降下物の連続捕集装置。 - 前記乾性沈着物捕集器に捕集された大気中粒子の質量を連続的に計測する振動素子式マイクロ天秤型質量計測器と、
前記計測値を連続的に記録する演算および記録装置と、
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の大気中降下物の連続捕集装置。 - 所定時刻からの積算雨量を検出する手段と、
2つ以上の前記湿性沈着物捕集器と、
前記積算雨量に基づいて前記湿性沈着物捕集器を交換する湿性沈着物捕集器交換装置と、
を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の大気中降下物の連続捕集装置。 - 前記湿性沈着物捕集器に捕集された湿性沈着物のうち、捕集した雨水である大気中物質水溶液のpHを連続的に計測するpH計測器と、
前記計測値を連続的に記録する演算および記録装置と、
を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の大気中降下物の連続捕集装置。 - 前記乾性沈着物捕集用の分級器が1台、または、2台以上設けられ、
全ての前記乾性沈着物捕集器の後段、かつ、前記循環気流路中に除塵用の除塵フィルタを設け、
前記乾性沈着物用の分級器のうち少なくとも1台の微小粒子側出口から、前記除塵フィルタの前段、かつ、全ての前記乾性沈着物捕集器の後段である循環気流路の位置まで、前記微小粒子を含む吸引された大気の一部を流通させるバイパス気流路を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の大気中降下物の連続捕集装置。
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