JP4879334B2 - 収縮制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品の収縮特性をショットブラスト加工により調整する収縮制御方法に関する。また、本発明は前記収縮制御方法を使用して成る熱収縮管を被覆したロールに関する。
熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品は、成型後さらに、材料として用いられた高分子材料の一定の温度領域(ガラス転移温度以下、ガラス転移温度以上又は、融点以上)の環境で膨張させることにより得られる。得られた成型品は成型工程時の形状に戻るような内部応力を有しているので、再度、当該成型品の材料として用いられた高分子材料を再加熱すると、膨脹させた方向とは逆の方向に収縮する。このとき、例えば膨張させる工程おいて、成型工程時の寸法から2倍に膨張させると、材料として用いられた高分子材料の再加熱より、約1/2に収縮する。以下、このことを「収縮率50%」と称すことにする。前記収縮率は、材料として用いる高分子材料の種類および架橋の状態、膨張の程度により比較的任意に設定することが可能であるが、一般的には1%〜90%程度に自由に設定することができ、用途により適宜決定される。
この特徴を生かした熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品として、異径パイプ(径違い管)の接合やローラーへの被覆、又は、電線、端子、および照明機器用被覆材、又は、ギプス、スプリント、人工血管(血管修復材)、又はプロテクター類など、工業用、医療用、日用品など幅広い分野で利用されている。
このように、熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品は、比較的自由に熱収縮前の寸法と熱収縮後の寸法(収縮率)を設定することができる。収縮率の制御については、例えば特開2008−200954号公報(特許文献1)に記載されているように、異なった性質を有する高分子化合物(樹脂)から成るチューブを何層にも重ねてチューブを強化する、或いは特開2009−204097号公報(特許文献2)に記載されているように、管を成す材料に架橋剤等の種々の添加剤を添加していた。しかし、該成型品は、一度加熱収縮すると、設定した熱収縮の寸法(収縮率)まで収縮し続ける特性があるため、収縮前と収縮後に厳密な寸法精度を求める場合においては、予め最適な寸法のものを用意する必要があり、様々なサイズに対応するためには、複数の金型等を用意する必要があった。
また、熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品は、加熱により全体が収縮するため、部分的に収縮させることは困難であり、該成型品に対し、局所選択的に収縮率を設定することも困難であった。このため、該成型品の熱収縮後の形状は、一般的に熱収縮前の形状に相似であり、熱収縮により当初想定していた形状を得ること、並びに当該形状に起因する機能を得ることはできなかった。また、熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品を、高温環境で連続的に使用すると、残存する応力により常に収縮する力が生じ、著しい劣化や、所定の寸法を保持できなくなる可能性があるという問題があった。また、熱により収縮する形状記憶特性を持つ高分子材料成型品の、熱により収縮する特性を利用し、締め付けながら固定させることを特徴とする固定治具等を検討すると、かかる収縮率が充分に調整できず、固定に不具合が生じる等の問題があった。
一方、成型品の劣化防止方法の1つとして、ショットブラスト処理が用いられる。ショットブラスト処理とは、投射材(ブラスト材)と呼ばれる粒体を加工物(ワーク)に衝突させ、ワークの加工等を行う手法である。例えば、特開平8−323858号公報(特許文献3)に開示されているように、高分子材料成型品の表面をショットブラスト処理により研磨することで、バリの除去や表面の傷を改質し、前記成型品の歪みやヒケマークを見にくくする目的で使用される。
しかしながら、特許文献3では歪みや傷の改質目的でショットブラスト処理を施しているものの、上記のような熱収縮による劣化などは改善されていない。また、特開2008−238193号公報(特許文献4)には、ショットブラスト処理により表面を粗面化することにより、熱収縮を制御する旨が記載されているが、特許文献4に記載の方法は、鉄道車両構体を製造する際の溶接部の熱収縮を制御するものであり、溶接される外板若しくは波板(外板及び波板については特許文献4参照)全体若しくは部分的な熱収縮が制御されるわけではない。言い換えると、車両構体全体の熱収縮が制御されるわけではない。仮に特許文献4における車両構体を高分子材料成型品に置き換えたとしても目的が違うものである。
特開2008−200954号公報 特開2009−204097号公報 特開平8−323858号公報 特開2008−238193号公報
以上の事情に鑑み、本発明の目的は、ショットブラスト処理を利用して、形状記憶特性を持つ高分子成型品の熱収縮を制御する収縮制御方法を提供することにある。また、前記収縮制御方法を使用して成る熱収縮管を被覆したロールを提供することにある。
本発明の上記目的は、高分子材料から成る成型品を製造し、後に前記成型品の径や厚さ等の形状を調整するための加熱による再加工時における、前記成型品の熱収縮を制御する収縮制御方法であって、前記成型品は、ショットブラスト処理により前記成型品の表面を、体又は部分的に模様を加飾することで、前記加熱による熱収縮が制御されることを特徴とすることにより効果的に達成される。
更に、前記高分子材料は、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレンブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート又はポリエステルのいずれかであることにより、或いは前記ショットブラスト処理は、圧力を0.1〜3MPaで行うことにより、或いは前記ショットブラスト処理は、セラミック、金属、ガラス、炭化ケイ素、プラスチック又は植物の種子のいずれかをブラスト材として使用することにより、或いは前記セラミックがアルミナ又はジルコニアのいずれかであることにより、或いは前記金属が鉄、スチール、亜鉛、銅、又はステンレス鋼のいずれかであることにより、或いは前記模様が、ストライプ状、格子状、渦巻状、らせん状、ダブルヘリカル又はドット柄のいずれか1つであることにより、或いは前記模様が、ストライプ状、格子状、渦巻状、らせん状、ダブルヘリカル又はドット柄のうち少なくとも2種以上組み合わせて成ることにより、或いは前記成型品が熱収縮管であることにより、或いは前記成型品が高分子フィルムであることにより、或いは前記成型品が照明器具用被覆材であることにより、或いは前記成型品が異径パイプ接合用径違い管であることにより、或いは前記成型品が人工血管であることにより、より効果的に達成される。
また、本発明上記目的は、上記に記載の収縮制御方法を使用して成る使用して成る熱収縮管を被覆したことを特徴とするロールにより達成される。
本発明の収縮制御方法において、材料の種類に応じてショットブラスト処理の圧力、ブラスト材を適宜選択することにより、熱収縮の制御が可能になった。
また、本発明のロールにより、ロール材料の熱変形などによる劣化を防ぐことが可能になった。
熱収縮管1にショットブラスト処理を施して、加工熱収縮管2を作製するときの概略図である。 本発明の実施形態を示すフローチャート図である。 本発明の実施例2の形態を示す図である。
[発明の概要]
以下、本発明の実施形態を、図面及びフローチャートを参照しながら説明する。
図1は、熱収縮管1にショットブラスト処理を施して、加工熱収縮管2を作製するときの概略図である。
先ず、図1(A)に示すように、内部が空洞で円柱状の熱収縮管1は予め製造されたものを使用する。熱収縮管の製造は従来技術であれば如何なる方法でもかまわない。熱収縮管1の材料は収縮性(特に熱収縮)に富むもの、又は形状記憶性質を有することができるものであれば限定はされない。
熱収縮管1の材料としては、フッ素樹脂が好ましいが、その他にも、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレンブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルなどが使用される。
次に、図2で示すフローチャートに沿って、熱収縮管1の収縮検討、即ち収縮率測定を行うまでを説明する。
先ず、熱収縮管1の径Rを予め測定しておく(ステップS1)。次のステップS12において、熱収縮管1を後述するステップS6における収縮率を検討する際、ブランク(比較対照物)として使用する際は、ステップS4に進む。次のステップS12において、熱収縮管1にショットブラスト処理を施して、模様3を加飾して加工収縮管2を作製する場合は、ステップS2に進む。
ステップS2におけるショットブラスト処理については、機械式、空気式、湿式のいずれかの従来技術でかまわない。熱収縮管1の材質に応じて適宜選択すれば良い。ブラスト材(研磨剤)はアルミナ、ジルコニア等のセラミック類、鉄、スチール、亜鉛、銅、ステンレス鋼等の金属類、ガラス、炭化ケイ素、プラスチック又は植物の種子など、熱収縮管1を成す材料の種類若しくは収縮管の用途に合わせて適宜選択すれば良い。なお、前記ブラスト材としてガラス、プラスチック又は植物の種子を用いる場合は、種類は限定されないが、硬い材質のものを用いるのが良く、例えばプラスチックならばナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂が好ましく、植物の種子ならば桃、杏の種が好ましい。また、前記ブラスト材の粒径は1〜5000μmまでのものであれば限定されず、用途に合わせて適宜違う粒径のものを選択すれば良い。また、前記ブラスト材の粒状も特に限定は無く、用途に合わせて適宜違う粒状のものを選択すれば良い。
また、ショットブラスト処理の圧力は0.1〜3.0MPaが望ましい。圧力が0.1MPaより低いと、熱収縮率は加工前の収縮管の収縮率と殆ど変わらず、3.0MPaより高いとショットブラスト処理加工面が破壊又は変形する恐れがある。
また、ステップS2におけるショットブラスト処理において、熱収縮管1に模様3を加飾して加工熱収縮管2を作製する際、模様3の加飾については、模様をつけない側、即ちショットブラスト処理を施さない部分に対してマスキングをすれば良い。マスキングについては従来技術を適宜選択する。また、模様3の加飾については、熱収縮管1の表面全体、は熱収縮管1の表面を部分的、例えば径口部などにピンポイントでショットブラスト処理を施して加飾することも可能である。
模様3の形状に関して、図1(B)ではストライプ状のものを示したが、その他にも格子状、らせん状、ダブルヘリカル、渦巻状、ドット柄等を採ることができる。なお、これらの形状については、1つを採っても良く、少なくとも2種以上の形状を組み合わせても良い。
次に、加工熱収縮管2の径Rを予め測定する(ステップS3)。
ステップS3の後、熱収縮管1及び加工熱収縮管2を加熱収縮させる(ステップS4)。加熱については、熱収縮管1及び加工熱収縮管2を全体的に加熱したい場合には例えばオーブンを用いれば良い。また、熱収縮管1及び加工熱収縮管2を部分的に加熱したい場合には例えばヒートガンを用いれば良い。加熱方法は適宜選択可能である。但し、加熱温度は、設計された形状記憶を十分発揮する温度であればかまわない。
次に、加熱収縮後の熱収縮管1及び加工熱収縮管2の径Ra’及びRb’を予め測定する(ステップS5)。
次に、ステップS1、S3及びS5で求めた径の長さを基に収縮率を測定(算出)し比較検討を行う(ステップS6)。なお、本実施形態では熱収縮管1及び加工熱収縮管2の径の長さを収縮率測定のパラメータとして説明したが、熱収縮により変化が表れるところであれば、例えば熱収縮管1若しくは加工熱収縮管2の厚みTを収縮率測定のパラメータにしてもかまわない。また、収縮率測定に関して、熱収縮管1若しくは加工熱収縮管2の形状については、これらの管をそのまま用いても、これらの管を部分的に切り取って平板状にした試験片を調整して用いても構わない。
以上に述べた収縮制御方法を使用して、ロールの作製も可能である。加工熱収縮管2をロールに被覆することにより得られる。前記ロールは汎用のもので良く、金属製の軸の上にゴム又はプラスチックなどが積層されているような異なる材質が積層されたものでも良い。
以上、熱収縮管にブラスト処理を施した場合の収縮制御方法について実施形態を記したが、本実施形態はこの限りではなく、高分子フィルム、照明機器用被覆材、異径パイプ用径違い管、人工血管等の高分子材料成型品に対して応用が可能である。前記成型品にショットブラスト処理を施す場合には、例えば高分子フィルムや照明機器用被覆材などには表面全体に模様を加飾すればよく、異径パイプ用径違い管や人工血管などには、部分的に模様を加飾すれば良い。
次に、上記に述べた本発明の実施形態の詳細を、具体的な実施例を基に説明する。
[実施例1]熱収縮管のショットブラスト処理及び収縮率測定
先ず、熱収縮管として、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブ(グンゼ社製)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)チューブ(グンゼ社製)、シリコーン製チューブ(信越化学社製)及びポリオレフィン系チューブ(住友化学株式会社製のスミチューブ(登録商標)を使用)を使用した。
該熱収縮管において、PFAチューブについては、「100φ×0.25t」、「100φ×0.5t」及び「50φ×0.5t」の3種を使用し、FEPチューブについては、「35φ×0.25t」及び「200φ×0.5t」の2種、シリコーン製チューブについては、「50φ×0.8t」の1種、ポリオレフィン系チューブについては、「60φ×0.7t」及び「100φ×0.7t」の2種、計8種を使用した(表1参照)。ここで言うφとは、熱収縮管の原管の直径を示す記号であり、tとは熱収縮管の原管の厚みを示す記号である。例えば、「100φ×0.25t」とあったら、直径100mmで厚さ0.25mmの熱収縮管という意味である。
次に、それぞれの収縮管の一部を切り取り、50mm×50mmの正方形型平板状の切断試験片を作製した。該切断試験片は、それぞれの熱収縮管に関して、「ブランク用試験片」、「0.3MPa用試験片」及び「0.5MPa用試験片」の3種類を用意する。そして、ショットブラスト処理を行う前に、前記切断試験片の周長(円周)方向の長さ(実測値)を測定した(この時求めた長さを、以下、「ブラスト処理前の周長方向の長さ」と称す。)。
ここで、切断試験片の周長方向とは、熱収縮管を平板状にした際、熱収縮管の円周を成していた部分のことを指し、図1の矢印xで示す方向のことである。
次に、株式会社不二製作所製のブラスト装置を用い、それぞれの熱収縮管の「0.3MPa用試験片」及び「0.5MPa用試験片」の2種の切断試験片にショットブラスト処理を行った。ショットブラスト処理の条件として、ブラスト材にはスチールグリッド(♯30スチールグリッド)又はガラスビーズ(♯150ガラスビーズ)を使用し、処理(加工)圧力は、0.3又は0.5MPa、加工時間を10秒とした。そして、ショットブラスト処理後に、前記切断試験片の周長(円周)方向の長さ(実測値)を測定した。
次に、それぞれの熱収縮管における前記3種の切断試験片を加熱する。本実施例では、加熱に恒温槽(図示せず)を用いた。その時の加熱条件は、フッ素系樹脂であるPFAチューブ及びFEPチューブに対しては、200℃で10分間加熱し、シリコーン製チューブ及びポリオレフィン系チューブに対しては、120℃で10分間加熱した。そして、これらの加熱後に前記切断試験片の周長方向の長さ(実測値)を測定する(この時求めた長さを、以下、「熱収縮後の周長方向の長さ」と称す。)。
続いて、収縮率測定を行った。表1に測定結果を示す。なお、8種の熱収縮管における、「ブランク用試験片」、「0.3MPa用試験片」及び「0.5MPa用試験片」の収縮率測定については、3回(FEPチューブ「35φ×0.25t」に関しては10回)試行した。前記試験片については、試行回数に応じてその都度作製する。また、周長収縮率は、3回若しくは10回の試行回数のうち値が中間の値、即ち中央値を採用した。また、それぞれの熱収縮管に関する上述の「ブランク用試験片」は、表1では「ブランク」に対応し、「0.3MPa用試験片」は、表1では「0.3MPa」に対応し、「0.5MPa用試験片」は、表1では「0.5MPa」に対応する。
ここで、周長収縮率は、ショットブラスト処理前の周長方向の長さをx、熱収縮後の周長方向の長さをxとした場合、下記の式で求められる(数1参照)。
更に、上記数式1により求めた収縮率を基に周長方向に関する収縮率変位を求める。収縮率変位とは、ブランクの収縮率より、ショットブラスト処理後の収縮率が変位(軽減)した割合をいい、下記数式2によって求められる。
表1から、フッ素系樹脂のPFAチューブ及びFEPチューブでは、ショットブラスト処理を行った場合(0.3及び0.5MPa用試験片)と、行わない場合(ブランク用試験片)とを比べると、ショットブラスト処理を行った場合に周長収縮率は低下し、ショットブラスト処理の加工圧力を上げると、PFAチューブ及びFEPチューブのどの系でも、周長収縮率は更に減少した。
このことから、フッ素系樹脂のPFAチューブ及びFEPチューブに関しては、ショットブラスト処理により有効に周長収縮率が制御されることが示された。
次に、ポリオレフィン系チューブでは、ショットブラスト処理を行った場合(0.3及び0.5MPa用試験片)と、行わない場合(ブランク用試験片)とを比べると、行わない場合に比べ、行った場合は周長収縮率が減少し、更にショットブラスト処理の加工圧力を上げる毎に、周長収縮率が減少した。そして、周長収縮率変位に関しては、ショットブラスト処理の加工圧力を上げると更に増加した。
このことから、ポリオレフィン系チューブに関しても、ショットブラスト処理により有効に周長収縮率が制御されることが示された。
なお、シリコーン製チューブ(表1ではSiチューブと記されているもの)「50φ×0.8t」では周長収縮率の減少が確認できた。
以上のことから、熱収縮管の収縮率制御、即ち周長収縮率の制御が確認された。ブラスト条件の改質など今後も必要であるが、少なくとも商品としての熱収縮管の収縮制御を検討した場合、本発明における周長収縮率の減少が課題であるので、課題解決が図られた。
[実施例2]熱収縮管を被覆したロールの製作
先ず、熱収縮管として、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)チューブ(グンゼ社製)を使用した。該熱収縮管においては「35φ×0.25t」長さ300mmのものを用いた。
次に、熱収縮管に対し、ショットブラスト処理を施さない部分に対してマスキングを所定の模様を施す。尚、本実施例においては、とダブルヘリカルのパターンを採用した。
次に、株式会社不二製作所製のブラスト装置を用い、前記マスキングを行った熱収縮管に対しショットブラスト処理を行う。ショットブラスト処理の条件として、ガラスビーズ(♯150ガラスビーズ)を使用し、処理(加工)圧力は、0.5MPa、加工時間を10秒とした。
次に、前記ショットブラスト処理が施された熱収縮管をロールに被覆し200℃で10分間恒温槽を用いて加熱する。本実施例においては、金属製の軸にゴムがライニングされたロールを使用した。
これにより得られた熱収縮管を被覆したロールを図3に示す。ショットブラスト処理が施された部分は、施されていない部分と比較し、熱収縮管の収縮が押さえられることが確認できた。よって、熱収縮管を被覆したロールの表面には、目的のパターンの凹凸を形成することができた。
本実施例では、熱収縮管にショットブラスト処理を施した場合の収縮(率)制御並びに収縮管を被覆したロールについて記載したが、結果等はあくまで一例である。また、本実施例の態様は、熱収縮管に限られたものではなく、高分子フィルム、照明機器用被覆材、異径パイプ用径違い管、人工血管等の高分子材料成型品に対して応用が可能である。
本発明の収縮制御方法を使用することにより、異径パイプ(径違い管)の接合、人工血管などの血管外科的分野への応用が期待される。
本発明の熱収縮管を被覆したロールは、紙やプラスチックフィルム、金属箔等の搬送、前記搬送媒体のテンションコントロール(シワ対策等)、前記搬送媒体に対する薬剤のコーティング(接着剤、トナー、インクなどのコーティング)などの用途への応用が期待される。
1 熱収縮管
2 加工熱収縮管
3 模様

Claims (14)

  1. 高分子材料から成る成型品を製造し、後に前記成型品の径や厚さ等の形状を調整するための加熱による再加工時における、前記成型品の熱収縮を制御する収縮制御方法であって、前記成型品は、ショットブラスト処理により前記成型品の表面を、体又は部分的に模様を加飾することで、前記加熱による熱収縮が制御されることを特徴とする収縮制御方法。
  2. 前記高分子材料は、フッ素樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレンブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート又はポリエステルのいずれかである請求項1に記載の収縮制御方法。
  3. 前記ショットブラスト処理は、圧力を0.1〜3MPaで行う請求項1又は2に記載の収縮制御方法。
  4. 前記ショットブラスト処理は、セラミック、金属、ガラス、炭化ケイ素、プラスチック又は植物の種子のいずれかをブラスト材として使用する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  5. 前記セラミックがアルミナ又はジルコニアのいずれかである請求項4に記載の収縮制御方法。
  6. 前記金属が鉄、スチール、亜鉛、銅、又はステンレス鋼のいずれかである請求項4に記載の収縮制御方法。
  7. 前記模様が、ストライプ状、格子状、渦巻状、らせん状、ダブルヘリカル又はドット柄のいずれか1つである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  8. 前記模様が、ストライプ状、格子状、渦巻状、らせん状、ダブルヘリカル又はドット柄のうち少なくとも2種以上組み合わせて成る請求項1乃至6のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  9. 前記成型品が熱収縮管である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  10. 前記成型品が高分子フィルムである請求項1乃至8のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  11. 前記成型品が照明器具用被覆材である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  12. 前記成型品が異径パイプ接合用径違い管である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  13. 前記成型品が人工血管である請求項1乃至8のいずれか1項に記載の収縮制御方法。
  14. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の収縮制御方法を使用して成る熱収縮管を被覆したことを特徴とするロール。
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