JP4879293B2 - 熱交換器、及びこの熱交換器を備えた空気調和機 - Google Patents
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Description
また、この熱交換器を備えた熱交換能力の高い空気調和機を提供することを目的とする。
また、第1のスリットの上部、下部分割スリットの脚部は、スリット分割領域側の脚部と伝熱管側の脚部が下流側に狭まるハ字状に形成され、第2のスリットの上部、下部分割スリットの脚部は、スリット分割領域側の脚部と伝熱管側の脚部が下流側に広がるハ字状に形成されているので、空気の流れがルーバーの段方向外側に誘導され、着霜時のバイパス風路を大きく確保することができて、着霜時に通風抵抗を低減させることができる。
また、スリットの切り起こし高さは板状フィンのフィンピッチの1/2程度とすることで、スリットの切り起こし高さを境界層の速度が最も大きいフィンピッチの1/2に合わせることができて、最も熱交換能力を高くすることができる。
また、ルーバーの切り起こし高さは、スリットの切り起こし高さよりも低く、板状フィンのフィンピッチの1/3程度とし、着霜時にはルーバーを乗り越えるように流れるバイパス風路が形成されるようにすることで、着霜時で各フィン間が霜によって閉塞し、空気がルーバーに集中して流れてしまう場合でも、ルーバーの上部を流れるバイパス風路を確保することができ、通風抵抗の増大を抑制することができる。
また、この熱交換器を用いた熱交換能力の高い空気調和機を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係るフィンチューブ型熱交換器の要部を示す図1、図2において、複数の板状フィン1は積層方向(前後方向)イ(図1の紙面の前後方向、図2の左右方向)に所定の間隔Fp(フィンピッチ)で平行に積層されている。また、複数の伝熱管2(上部、下部伝熱管2a、2b)は、板状フィン1に設けられたフィンカラー3によって積層方向イに貫通、保持されて、段方向(図の上下方向)ロ(図1、図2の上下方向)に所定の間隔で配置されている。
スリット分割領域4の段方向ロの上下にはこのスリット分割領域4に接して一対の上側分割スリットと下側分割スリットが形成され、これら対になった分割スリットは列方向ハに対向して二対設けられている。これら分割スリットのうち一対は列方向ハの空気の流れ方向aの上流側に設けられ、他の一対は下流側に設けられて、第1の分割スリット5(上部分割スリット5aと下部分割スリット5bの一対からなる)と、第2の分割スリット6(上部分割スリット6aと下部分割スリット6bの一対からなる)とを形成している。そして、第1、第2の分割スリット5、6は、上下の伝熱管2a、2bを結ぶ領域の外側に位置する。
また、スリット分割領域4内の列方向ハのほぼ中央部には、上下の伝熱管2a、2bを結ぶ領域幅より狭い幅のルーバー7が形成されている。
図3は、板状フィン1の第1、第2の分割スリット5a、6aの断面(図1のI−I断面およびII−II断面)を示すもので、板状フィン1から一方の面に向かって切り起こされ、板状フィン1に対して傾斜した脚部50a、50bと板状フィン1と平行な切り起こし部50cとからなる風路Aを形成し、前入口部50dと後出口部50eが空気流れ方向aに対向して開口している。
図5、図6は、図1のフィンチューブ型熱交換器の通常運転時(室外空気温度が約0℃以上)における空気の流れaを示すもので、図5において、風上側から流入した空気により板状フィン1に形成される温度境界層は、第1、第2の分割スリット5、6の切り起こし部50c、60cが板状フィン1に平行に形成されているので、空気が大きく乱れることなく、分断、更新される。また、分割スリット5、6の伝熱管2側に位置する脚部50b、60bは伝熱管2に対向するように傾斜しているため、空気の流れaを伝熱管2に沿った流れとすることができる。このため、伝熱管2の後方で発生する死水域(速度欠損領域)による伝熱低下を防ぐことができる。
さらに、図6において、風上側から流入した空気の流れaは、ルーバー7の切り起こし部70aが板状フィン1に対して傾斜して形成されているので、板状フィン1に対して垂直な成分が加わり、流速が増加され、流れが乱れることにより、温度境界層が攪拌される。
こうして、通常運転時には熱交換能力が高いフィンチューブ型熱交換器を提供することができる。
図2に示すように、分割スリット5、6の切り起こし高さH1は、フィンピッチFpの1/2程度であることが望ましい。フィンチューブ型熱交換器の空気の流れaは板状フィン1間の境界層の発達流れであるので、境界層の速度が最も大きいフィンピッチFpの1/2の高さにすることで、最も熱交換能力を高くすることができる。一方、ルーバー7の切り起こし高さH2は、フィンピッチFpの1/3程度にすることが望ましい。着霜時で分割スリット5、6が閉塞してしまう場合、空気がルーバー7に集中して流れるので、ルーバー7の切り起こし高さH2を大きくすると、ルーバー7の上部を流れるバイパス風路Dを確保することができなくなって、通風抵抗が増大する。しかしながら、ルーバー7の切り起こし高さH2をフィンピッチFpの1/3より小さくすると、通常運転時の伝熱性能が小さくなってしまう。また、仮にルーバー7ではなくスリットを分割領域4内に設置し、切り起こし高さを小さくすると、通常時の伝熱性能が悪化する。ルーバー7を用いることで、スリットに比べて流れを乱れさせ、より伝熱性能が高くなるので、ルーバー7の切り起こしの高さH2がフィンピッチFpの1/3程度であっても十分に熱交能力が高いフィンチューブ型熱交換器を提供することができる。
図9は本発明の実施の形態2に係るフィンチューブ型熱交換器の要部を示す断面図である。
本実施の形態は、上流側の第1の分割スリット5は前入口部50dの幅が後出口部50eの幅よりも広く、下流側の第2の分割スリット6は前入口部60dの幅よりも後出口部60eの幅が広くなるようにしており、第1の分割スリット5は上部、下部いずれの分割スリット5a、5bも脚部50a、50bは下流側に狭まるハ字状にし、第2の分割スリット6は上部、下部いずれの分割スリット6a、6bも脚部60a、60bは下流側に広がるハ字状にして、開口部の狭い側が互いに板状フィン1の列方向ハの内側に配向するようにしてある。
その他の構成は実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
図10は本発明の実施の形態3に係るフィンチューブ型熱交換器の要部断面図である。
本実施の形態は、第1、第2の分割スリット5、6の脚部50a、50b、60a、60bを、スリット分割領域4側(脚部50a、60a)と伝熱管2側(脚部50b、60b)とがともに伝熱管2に対向するように傾斜して配向するようにしたものである。すなわち、第1の分割スリット5は上部分割スリット5aおよび下部分割スリット5bの脚部50a、50bがともにスリット分割領域4の下流側に向かって平行に傾斜し、第2の分割スリット6では上部分割スリット6aおよび下部分割スリット6bの脚部60a、60bがともにスリット分割領域4の上流側に向かって平行に傾斜する。
その他の構成は実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
図11は本発明の実施の形態4に係るフィンチューブ型熱交換器の要部を示す断面図である。
本実施の形態は、フィン分割領域4の列方向ハの中央部近傍に、ほぼ三角形状の切り起こし9を板状フィン1に対して傾斜して設けたものである(図12参照)。この切り起こし9は、上流側から下流側に向かい両側に広がるほぼ三角形状で、両縁部が円弧状をなし、基部9a側(底辺側)で空気の流れ方向に直角に切り起こされ、先端部9bが上流側で起立している。
この場合、切り起こし9の切り起こし先端部の高さH3は、分割スリット5、6の切り起こし高さH1よりも低くしてある。
その他の構成は実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
着霜運転時は、図14、図15に示すように、ルーバー7(実施の形態1〜3参照)に比べて切り起こし9の面積が小さいので、切り起こし9上部のバイパス風路D(図2参照)をより大きく確保することができ、着霜時において熱交換能力が高いフィンチューブ型熱交換器を提供することができる。
図16は本発明の実施の形態5に係るフィンチューブ型熱交換器の要部を示す断面図である。
板状フィン1の両側縁部(列方向ハの両側縁部)には、段方向ロと平行にプレス加工によって形成された凸状部10が設けられている(図17参照)。この凸状部10は、板状フィン1の表面の段方向ロに所定の長さ、例えば、第1、第2の分割スリット5、6のほぼ上側から下側までの長さに形成されたもので、断面三角形状に突出して形成されている。なお、断面形状は三角形状に限定されるものではなく、例えば円弧状であってもよい。
さらに、フィンカラー3の列方向ハの前後にはプレス加工によって形成されたエンボス11がそれぞれ設けられ(図18参照)、また、エンボス11を結ぶ線上のフィン縁部にはリップル12がそれぞれ設けられている。
その他の構成は実施の形態1で示した場合と同様なので、説明を省略する。
図19は、本発明の実施の形態1〜5のいずれかに係るフィンチューブ型熱交換器を室外熱交換器20として用いた冷凍サイクルを示す模式図である。
図19に示すように、冷凍サイクルは、圧縮機21、四方弁22、室内熱交換器23、膨張弁24、及び室外熱交換器20(フィンチューブ型熱交換器)が、順次冷媒配管により接続されている。
また、実施の形態1〜5のいずれかのフィンチューブ型熱交換器は、室外熱交換器20のみならず、室内熱交換器23としても用いることができる。
なお、室内熱交換器23は、従来より使用しているフィンチューブ型熱交換器等を用いるものであってもよい。
Claims (8)
- 所定の間隔で平行に積層され、その間を気体が通過する複数の板状フィンと、
前記板状フィンを積層方向に貫通して配置された複数の伝熱管とを有し、
前記板状フィンは、段方向に隣接する前記伝熱管の間に前記気体の流れ方向とほぼ平行にスリット分割領域を備え、該スリット分割領域の段方向の両側の前記板状フィンにスリットが設けられ、前記スリット分割領域内の前記板状フィンにはルーバーが設けられており、
前記スリットは気体の流れ方向に二対形成され、第1のスリットは気体の流れ方向の上流側に、第2のスリットは下流側にそれぞれ設けられるとともに、前記第1、第2のスリットはそれぞれスリット分割領域を挟んで上部分割スリットと下部分割スリットとからなり、かつ前記第1のスリットの上部、下部分割スリットの脚部は、前記スリット分割領域側の脚部と前記伝熱管側の脚部が下流側に狭まるハ字状に形成され、前記第2のスリットの上部、下部分割スリットの脚部は、前記スリット分割領域側の脚部と前記伝熱管側の脚部が下流側に広がるハ字状に形成されており、
前記ルーバーは、前記板状フィンに対して傾斜するようにして切り起こされて上流側から下流側に向かって下方傾斜した切り起こし部と、該切り起こし部の足部とからなる上風路及び下風路とを形成し、前記切り起こし部の上流側の下面側に位置する前記上風路と前記切り起こし部の下流側の上面側に位置する前記下風路とが、それぞれ気体の流れ方向に対して前記板状フィンの上下に開口しており、
前記ルーバーの切り起こし高さは、前記スリットの切り起こし高さよりも低く、
前記スリットの切り起こし高さは前記板状フィンのフィンピッチの1/2程度、前記ルーバーの切り起こし高さは前記板状フィンのフィンピッチの1/3程度であり、着霜時には該ルーバーを乗り越えるように流れるバイパス風路が形成されることを特徴とする熱交換器。 - 前記ルーバーの開口部近傍の板状フィンには、前記ルーバーの前後に位置する縁部に、それぞれ前記ルーバーの切り起こし部とほぼ平行に切り起こされたルーバーガイドが形成されたことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
- 前記第1、第2のスリットは隣接する伝熱管を結ぶ領域に近接してほぼその外側に位置し、前記ルーバーまたは切り起こしは隣接する伝熱管を結ぶ領域内のほぼ中央に位置することを特徴とする請求項1または2記載の熱交換器。
- 前記板状フィンの側縁部には、空気の流れ方向とほぼ直交して凸状部が設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記板状フィンのフィンカラー部の前後に凸状のエンボスが設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記板状フィンの側縁部にはリップルが設けられたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の熱交換器。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の熱交換器を用いたことを特徴とする空気調和機。
- 前記熱交換器を室外熱交換器として用いたことを特徴とする請求項7記載の空気調和機。
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