JP4879006B2 - エンジン排気ガスの分析装置、分析方法、及び、分析プログラム - Google Patents

エンジン排気ガスの分析装置、分析方法、及び、分析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、エンジン排気ガスの分析装置、分析方法、及び、分析プログラムに関する。
従来、車載された排気ガスセンサと分析部によって、リアルタイムに排気ガス濃度を検出する装置は知られており、前記排気ガスセンサにて赤外線吸収を検出し、その強度から前記分析部にて排気ガス濃度を算出する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、実測スペクトル(実際の吸収スペクトル)と、排気ガスの温度・圧力から求められる理論スペクトルとを比較することにより、排気ガスの濃度を算出することが検討されている。
ここで、排気ガスの温度の算出については、例えば、排ガス成分H2Oの固有の吸収波長帯についての透過光強度比に基づいて行われる。この透過光強度比が温度に依存することを利用するものである。
また、前記圧力の算出は、排気管に設置される圧力センサにて排気ガスの圧力を検出することで行われることとされている。
そして、このようにして算出される温度と圧力を基にして前記理論スペクトルの算出が行われることとしている。
以上のようにして理論スペクトルを算出し、その算出結果を基に排気ガスの濃度の算出が行われるものであるが、高速処理によるリアルタイムの高精度分析を可能にする上では、前記理論スペクトルの算出時間の短縮が課題となっている。
これは、前述のように、理論スペクトルの算出は、排気ガスの温度や圧力に基づくものであるが、これら温度・圧力は刻一刻と変化するものであり、その温度・圧力状態の変化に応じて理論スペクトルを逐一算出することとしているため、この算出時間が排気ガスの分析に要するトータルの時間に影響してしまうのである。
以上のことから解るように、前記理論スペクトルの算出に要する時間が、リアルタイムのより高精度な分析を実現する上でのボトルネックになってしまっているのである。
特開2006−184180号公報
そこで、本発明は、前記理論スペクトルの算出に時間を要している点に着目し、この理論スペクトルを逐一算出することをなくし、リアルタイムのより高精度な分析を実現するための技術を提案するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルがそれぞれ記憶されるデータベースと、
分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力を認識する手段と、
前記データベースから、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する手段と、
選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から、各ガス成分の推定濃度を求める手段と、
前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する手段と、
を具備し、
前記離散化補正は、
理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、排気ガスの分析装置とするものである。
また、請求項2においては、排気ガスの温度を求める第一ステップと、
前記排気ガスの圧力を求める第二ステップと、
前記排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルをそれぞれ備えるデータベースから、前記第一・第二ステップで求めた温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する第三ステップと、
選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から各ガス成分の推定濃度を求める第四ステップと、
前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する第五ステップと、を有し、
前記第五ステップにおける離散化補正は、
理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、排気ガスの分析方法とするものである。
また、請求項3においては、
排気ガス中の各ガス成分の濃度を分析するために、コンピュータを、
排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルをそれぞれ備えたデータベースを予め記憶しておく手段、
分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力を得る手段、
前記データベースから、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する手段、
選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から各ガス成分の推定濃度を求める手段、
前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する手段、
として機能させ
前記離散化補正を、
理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、排気ガスの分析プログラムとするものである。
本発明によれば、温度・圧力によって変化する理論スペクトルを逐一計算することなく、演算処理装置に予め記憶されたデータベースを参照して濃度を推定し、この推定濃度に対して、同様に演算処理装置に予め記憶された補正係数を参照して離散化補正を行って濃度を算出することとしているため、短期間で高速に推定濃度を算出することができ、さらに、推定濃度から導かれる濃度は、離散化補正によってその信頼性を高いものとすることができる。
次に、発明の実施の形態を図を用いて説明する。
次に、発明の実施の形態を、図を用いて説明する。
図1は、実施に際して利用する分析装置1の概要について示すものであり、まず、排気ガスに赤外線レーザ光10を照射するために、エンジンベンチ2に設置されたエンジン3の排気管5Aや、車載されたエンジン4の排気マニホールド4aに接続される排気管5Bに、リング状のセンサベース6を介設し、このセンサベース6に、発光部光ファイバ7、受光部光ファイバ8を設ける構成とする。
また、図1に示すごとく、前記センサベース6は、排気管5a・5bのフランジ部の間に介設される等される。
また、前記センサベース6には、排気ガスをスムーズに通過させるべく、排気管5と略同一の内径を形成する貫通孔6aが構成されており、この貫通孔6aの表面は、前記発光部光ファイバ7から照射された赤外線レーザ光10を前記受光部光ファイバ8に導くための反射面6bにて構成されている。
また、前記センサベース6には、貫通孔6aを通過する排気ガスの圧力を検出するための圧力センサ9が設けられている。
また、図1に示すごとく、前記発光部光ファイバ7、及び、前記受光部光ファイバ8は、レーザ発光・受光コントローラ30に接続されている。
このレーザ発光・受光コントローラ30の構成は、図2に示すごとくであり、レーザ発光・受光コントローラ30は、複数の波長の赤外線レーザ光を照射する照射装置として、複数のレーザダイオードLD1〜LD5にファンクションジェネレータ等の信号発生器31から複数の周波数の信号を供給し、レーザダイオードLD1〜LD5は各周波数に対応してそれぞれ複数の波長の赤外線レーザ光を照射する。前記信号発生器31から出力される複数の周波数の信号がレーザダイオードLD1〜LD5に供給されて発光される。赤外線レーザ光は、例えば波長が1300〜1700nm程度のものが用いられる。
また、センサベース6内の排気ガス中を透過させる赤外線レーザ光の波長は、検出する排気ガス成分に合わせて設定され、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、アンモニア(NH3)、メタン(CH4)、水(H2O)を検出する場合は、5つの波長の赤外線レーザ光が使用される。例えば、アンモニアを検出するのに適した波長は1530nmであり、一酸化炭素を検出するのに適した波長は1560nmであり、二酸化炭素を検出するのに適した波長は1570nmである。また、メタンを検出するのに適した波長は1680nmであり、水を検出するのに適した波長は1350nmである。
さらに、他の排気ガス成分のガス濃度を検出する場合は、排気ガス成分の数に合わせて異なる波長の赤外線レーザ光を使用する。この場合、前記レーザダイオードの数は、分析の対象となる排気ガスの成分数に対応することとされる。
また、前記各レーザダイオードLD1〜LD5から照射された赤外線レーザ光は、各光ファイバ32を通して各分波器33へ入力され、各分波器33によって測定用レーザ光Iと参照用レーザ光Ioに分けられる。
そして、各分波器33で分けられた測定用レーザ光は、光ファイバ34Aを通して合波器35を介し、発光部光ファイバ7を通してセンサベース6へと導光される。前記合波器35からは、各分波器33からの出力に対応する測定用レーザ光が、順番に、一定期間ずつ照射される。尚、前記レーザダイオードLD1〜LD5の数は、分析対象となるガス成分の数に応じて設けられるものであり、例えば、5成分のガス成分を分析対象とする場合では、5個のレーザダイオードが、10成分のガス成分を分析対象とする場合では、10個のレーザダイオードが設けられるものである。
一方、前記各分波器33で分けられた参照用レーザ光は、光ファイバ34Bを通して合波器36へ導光される。
また、前記発光部光ファイバ7から順次照射され、排気ガス中を透過して減衰した測定用レーザ光は、前記センサベース6に設けた受光部光ファイバ8を介してフォトダイオードPD1にて受光される。そして、このフォトダイオードPD1の出力は、例えば図示せぬプリアンプで増幅され、A/D変換器を介して分析装置である演算処理装置20に入力される。
また、前記合波器36に入力された参照用レーザ光は、光ファイバ39を通してフォトダイオードPD2に直接的に受光され、フォトダイオードPD2の出力は前記演算処理装置20に入力される。
そして、前記演算処理装置20では、順次入力される測定用レーザ光、及び、参照用レーザ光について、前記各レーザダイオードLD1〜LD5に対応、即ち、分析対象となる各ガス成分に対応するように同期が行われ、各ガス成分についての実測スペクトル(吸収スペクトル)が求められる。
以上が装置構成の概要であり、前記演算処理装置20では、図3に示すフローチャートのようにして、排気ガスの各ガス成分についての濃度Cが算出される。
まず、前記演算処理装置20では、排気ガス中に含まれる或るガス成分(例えばH2O)の透過光強度比(λ2/λI)に基づいて、分析対象となる各ガス成分が含まれる排気ガスの温度が算出される(ステップS1)。
この透過光強度比(λ2/λI)に基づく温度算出は、具体的には、図4に示すごとく、排気ガス中に含まれる或るガス成分(例えばH2O)について予め演算処理装置20に記憶されている、透過光強度比と温度との相関関係のデータベース40を参照することにより行われる。前記透過光強度比とは、同一温度環境下において、異なる二つの吸収波長λ1・λ2における透過光の強度比(λ2/λ1)である。
このようにして、演算処理装置20では、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの温度が認識される。
また、図2に示すごとく、前記演算処理装置20には、前記圧力センサ9にて検出される排気ガスの圧力が入力され、演算処理装置20では、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの圧力が認識される(図3;ステップS2)。
そして、以上のステップS1・S2によって認識する排気ガスの温度と圧力に基づいて、排気ガス中の各ガス成分についての濃度推定が行われる(図3;ステップS3)。
この濃度推定のステップにおいて、まず、理論スペクトルの選定が行われる(図3;ステップS3a)。この理論スペクトルは、図5に示すごとく、予め演算処理装置20にデータベース50として記憶されているものである。また、この図5に示すように、データベース50は、圧力P1〜P4、温度T1〜T4の各値に対応して、それぞれ、一つずつの理論スペクトルが対応するテーブルにて構成されており、例えば、前記ステップS1・S2において、算出・認識された実際の温度T、圧力Pが、データベース50における温度T2、圧力P2に最も近い場合、即ち、差分の絶対値である|T−T2|及び|P−P2|が、データベース上の他の温度・圧力との差分の絶対値よりも小さい場合では、理論スペクトルRが選定されるようになっている。
尚、このように、排気ガスの温度・圧力でテーブル化するのは、理論スペクトルが温度・圧力に応じて変化するためである。また、この理論スペクトルのデータベースは、分析対象となる各ガス成分についてそれぞれ設けられている。また、理論スペクトルのデータベースの構成や、選定の方法は、上記の例に特に限定されるものではない。
以上のようにして各ガス成分について理論スペクトルを選定し、次に、各ガス成分についての実測スペクトルを求め、各ガス成分について、選定された理論スペクトルと実測スペクトルの比較を行い、推定濃度の算出が行われる。
即ち、図6に示すごとく、各ガス成分について選定される理論スペクトルY1の強度X1は、その温度T2・圧力P2の時に対応する濃度を示すものであり、各ガス成分の実測スペクトルY2の強度X2の前記強度X1に対する比率を算出することにより(図3;ステップS3b)、実測される排気ガスの推定濃度が算出される(図3;ステップS3c)。
例えば、或るガス成分についての理論スペクトルY1が強度X1のときにおいて、濃度C0[%]としている場合においては、推定濃度C1=C0×(X2/X1)[%]として算出されることができる。
この推定濃度C1の算出は、予め演算処理装置20にデータベースとして記憶された各ガス成分についての理論スペクトルを基に行うものであり、逐一理論スペクトルを計算により求めるものでないことから、短時間にて行うことができるものである。
そして、以上の推定濃度C1の算出は、温度・圧力を離散化して構成されたデータベースの各ガス成分の理論スペクトルに基づいて行われているため、分析の信頼性を高めるために、濃度の算出の精度を向上させる必要がある。
このため、前記推定濃度C1に対して、離散化補正が行われる(図3;ステップS4)。
この離散化補正は、温度に関する離散化補正(図3;ステップS4a)と、圧力に関する離散化補正(図3;ステップS4b)の二つがあり、それぞれ、前記理論スペクトルの選定において、温度・圧力を離散化したことに対応させるものである。
そして、温度に関する離散化補正は、例えば、図7に示すごとく、推定濃度C1の算出にて採用した理論スペクトルの温度T2と、前記ステップS1で算出された実際の温度Tとのずれ量に基づいて温度補正係数mを決定し、この温度補正係数mを前記推定濃度C1に乗ずることで行うものとする。この図7の例の場合では、実際の温度Tが、理論スペクトルを選定した際の温度T2よりも3Kだけ高かった場合であり、これに対応して温度補正係数mはαが採用されることとしている。
この「温度のずれ」と「温度補正係数m」との関係は、各ガス成分について予め評価・算出され、関数Mとして演算処理装置20に記憶されるものとしている。
尚、このように演算処理装置20に記憶される関数Mは、その次数が少なければ、温度の離散化補正に要する演算負荷を少ないものとすることができる。また、この温度の離散化補正については、本実施例に限定されず、例えば、「温度のずれ」に対応する「温度補正量」を予め演算処理装置20に記憶しておき、この「温度補正量」を前記推定濃度C1に加算するという補正を行ってもよい。
一方、圧力に関する離散化補正についても同様に、例えば、図8に示すごとく、推定濃度C1の算出にて採用した理論スペクトルの圧力P2と、前記ステップS2で検出された実際の圧力Pとのずれ量に基づいて圧力補正係数nを決定し、この圧力補正係数nを前記推定濃度C1に乗ずることで行うものとする。この図8の例の場合では、実際の圧力Pが、理論スペクトルを選定した際の圧力P2よりも0.02Mpaだけ高かった場合であり、これに対応して圧力補正係数nはβが採用されることとしている。
この「圧力のずれ」と「圧力補正係数n」との関係は、各ガス成分について予め評価・算出され、関数Nとして演算処理装置20に記憶されるものとしている。
尚、このように演算処理装置20に記憶される関数Nは、その次数が少なければ、圧力の離散化補正に要する演算負荷を少ないものとすることができる。また、この圧力の離散化補正については、本実施例に限定されず、例えば、「圧力のずれ」に対応する「圧力補正量」を予め演算処理装置20に記憶しておき、この「圧力補正量」を前記推定濃度C1に加算するという補正を行ってもよい。
以上のようにステップS4の離散化補正では、温度・圧力についてそれぞれ離散化補正が実施され、これにより、前記ステップS3において算出した推定濃度C1が補正され、最終的に求めたい濃度Cについて、信頼性の高い値を得ることができる(ステップS5)。
尚、前記離散化補正については、温度、又は、圧力のいずれか一方について実施されることとしてもよい。ちなみに、前記ずれ量がゼロの場合は、離散化補正は実質行われないこととなる。
以上のように、本実施例では、図3に示すごとく、排気ガスの温度を求めるステップS1と、前記排気ガスの圧力を求めるステップS2と、前記排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルをそれぞれ備えるデータベースから、前記第一・第二ステップで求めた温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定するS3aと、選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から各ガス成分の推定濃度を求めるステップS3cと、前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施するステップS4と、を有する排気ガスの分析方法とするものである。
そして、以上の一連のステップS1〜ステップS5については、温度・圧力によって変化する理論スペクトルを逐一計算することなく、演算処理装置20に予め記憶されたデータベースを参照して濃度を推定し、この推定濃度C1に対して、同様に演算処理装置20に予め記憶された補正係数を参照して離散化補正を行って濃度Cを算出することとしているため、短期間で高速に推定濃度C1を算出することができ、さらに、推定濃度C1から導かれる濃度Cは、離散化補正によってその信頼性を高いものとすることができる。つまりは、高速、且つ、高精度な排気ガスの分析が実現可能となるのである。
また、このような高速処理による恩恵は、分析対象となるガス成分の数が多くなるほど、より大きくなるものであり、例えば、10成分、20成分といったように、数多くのガス成分の分析も実現可能となる。
また、以上の分析は、以下の構成により実現することができる。
即ち、排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルがそれぞれ記憶されるデータベース50(図5)と、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力を認識する手段と、前記データベース50から、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する手段と、選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から、各ガス成分の推定濃度を求める手段と、前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する手段と、を具備する、排気ガスの分析装置とするものである。
そして、前記データベース50、前記各手段は、パーソナルコンピュータ等の演算処理装置20を用いて実現することができる。
また、以上の実施の形態をプログラムにより実現することも可能である。
即ち、排気ガス中の各ガス成分の濃度を分析するために、コンピュータを、排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルをそれぞれ備えたデータベースを予め記憶しておく手段、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力を得る手段、前記データベースから、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する手段、選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から各ガス成分の推定濃度を求める手段、前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する手段、として機能させるための排気ガスの分析プログラムとするものである。
また、この分析プログラムにおいて、前記離散化補正は、理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、こととするものである。
そして、この分析プログラムでは高速処理が実現可能となり、高速、且つ、高精度な排気ガスの分析が実現可能となる。
本発明の分析装置の実施形態の概要について示す図。 レーザ発光・受光コントローラの構成について示す図。 濃度算出の手順について示すフローチャート。 透過光強度比と温度との相関関係のデータベースについて示す図。 理論スペクトルのデータベースについて示す図。 推定濃度の算出について説明する図。 温度についての離散化補正について利用する関数の例について示す図。 圧力についての離散化補正について利用する関数の例について示す図。
1 分析装置
5 排気管
6 センサベース
7 発光部光ファイバ
8 受光部光ファイバ
9 圧力センサ
10 赤外線レーザ光
20 演算処理装置
30 レーザ発光・受光コントローラ

Claims (3)

  1. 排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルがそれぞれ記憶されるデータベースと、
    分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力を認識する手段と、
    前記データベースから、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する手段と、
    選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から、各ガス成分の推定濃度を求める手段と、
    前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する手段と、
    を具備し、
    前記離散化補正は、
    理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、
    排気ガスの分析装置。
  2. 排気ガスの温度を求める第一ステップと、
    前記排気ガスの圧力を求める第二ステップと、
    前記排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルをそれぞれ備えるデータベースから、前記第一・第二ステップで求めた温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する第三ステップと、
    選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から各ガス成分の推定濃度を求める第四ステップと、
    前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する第五ステップと、を有し、
    前記第五ステップにおける離散化補正は、
    理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、
    排気ガスの分析方法。
  3. 排気ガス中の各ガス成分の濃度を分析するために、コンピュータを、
    排気ガスに含まれる複数のガス成分についての、複数の温度・圧力に対応する理論スペクトルをそれぞれ備えたデータベースを予め記憶しておく手段、
    分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力を得る手段、
    前記データベースから、分析対象となる各ガス成分を含む排気ガスの実際の温度・圧力との差分が最小となる温度・圧力に対応する理論スペクトルを選定する手段、
    選定された各ガス成分の理論スペクトルと、分析対象となる各ガス成分の実測スペクトルとの比から各ガス成分の推定濃度を求める手段、
    前記各ガス成分の推定濃度に対し、実際の排気ガスの温度、及び/又は、圧力に関する離散化補正を実施する手段、
    として機能させ、
    前記離散化補正を、
    理論スペクトルの選定の基準となった温度・圧力と、実際の排気ガスの温度・圧力とのずれ量を基準として行う、
    ための排気ガスの分析プログラム。
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