JP2009243954A - 排ガス分析装置および排ガス分析方法 - Google Patents

排ガス分析装置および排ガス分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度を高め、ひいては排ガス中の成分濃度の測定精度を向上させた排ガス分析装置および排ガス分析方法を提供する。
【解決手段】複数の波長のレーザ光を発生させ、レーザ光を測定部5に導光される測定用レーザ光及び測定部5に導光されない参照用レーザ光に分波して供給するレーザ光源60と、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する差分型光検出器66と、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整部71と、吸収スペクトル調整部71にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出部72とを有する。
【選択図】図8

Description

本発明は、内燃機関の排ガスを排出する排気経路中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光する測定部を具備してなり、前記測定部にて受光されたレーザ光に基づいて排ガス中の成分濃度を測定する排ガス分析装置および排ガス分析方法の技術に関する。
従来、エンジン等の内燃機関からの排ガス中に含まれる炭化水素(Hygro Carbon)濃度(以下、成分濃度)を測定するために、FID(Flame Ionization Detector)法やNDIR(Non‐Dispersive Infrared Red)法と呼ばれる測定方法を用いた排ガス分析装置が知られている。
特に、車載型の従来の排ガス分析装置としては、排気経路中の排ガスに特定の吸収波長を有する赤外レーザ光を照射して排ガス中を透過させ、その透過光を検出することで、排ガス中の成分濃度を測定する構成が公知である。このような、赤外レーザ光を用いた成分濃度の計測方法(赤外線レーザ吸収法)では、光源からの赤外レーザ光が排ガスを構成する炭化水素類の吸収波長に調整された上で排気経路内の排ガスに向けて照射され、排ガス中を透過した透過光が受光センサにて検出され、透過光の吸収スペクトルに基づいて光強度(スペクトル強度)が算出されることで排ガス中の成分濃度が測定される。
例えば、特許文献1には、排気経路に内燃機関より排出された排ガスが通過する排ガス通過孔に向けて赤外レーザ光を照射し、反射鏡により赤外レーザ光を多重反射させた後に、排ガス中を透過した赤外レーザ光を検出する測定部を直接配置した排ガス分析装置が開示されている。かかる排ガス分析装置では、測定部にて検出されたレーザ光(透過光)に基づいて排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルが検出され、かかる吸収スペクトルのスペクトル強度から排ガス中の成分濃度が算出される。
上述した排ガス分析装置を用いた排ガス中の成分濃度の算出方法としては、具体的には、測定部に導光されて排ガス中を透過した測定用レーザ光と、測定部に導光されない(すなわち、排ガス中を透過しない)参照用レーザ光とが差分型光検出器にて受信されて両レーザ光の受信信号の差が算出され、これを増幅した差分信号における吸収スペクトルのスペクトル強度が検出される。そして、吸収スペクトルのスペクトル強度と測定用レーザ光の光強度とが比較されてレーザ光の吸収率が算出されることで、排ガス中の成分濃度が算出される。
上述した排ガス中の成分濃度の算出方法においては、排ガス中の成分濃度の測定精度を向上させるために吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度を高める必要がある。そして、原理上、吸収スペクトルのスペクトル強度を検出する際には、排ガスの濃度、レーザ光(測定用レーザ光及び参照用レーザ光)の光強度、レーザ光の光路長、及び差分型光検出器における差分信号のゲインなどの影響を受ける。
しかしながら、従来の排ガス分析装置では、上述したレーザ光の光路長や差分型光検出器における差分信号のゲインが装置固有の値として設定されており、また、差分型光検出器にて受信されるレーザ光(測定用レーザ光及び参照用レーザ光)の受信信号が予め設定された値となるようにレーザ光源から供給されるレーザ光の光量が画一的に制御されていた。そのため、特に、排ガス中の特定成分の濃度が増減した場合などには、かかる濃度変化の影響を受けて吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度が低減してしまうという課題があった。
すなわち、例えば、排ガスの特定成分の濃度が高い場合には、差分型光検出器にて検出される差分信号の最大値が計測レンジ(上限設定値)を越えてしまい、換言すると吸収スペクトルのスペクトル強度が検出可能範囲を越えてしまい、吸収スペクトルのスペクトル強度が検出不能になってしまうという課題があった。一方、排ガスの特定成分の濃度が著しく低い場合には、差分型光検出器にて検出される差分信号の最大値が計測レンジ(設定上限値)に比べて小さく、換言すると吸収スペクトルのスペクトル強度が検出可能範囲に対して著しく小さいため、吸収スペクトルの分解能に劣り、吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度が低減してしまうという課題があった。
特開2006−184180号公報
そこで、本発明においては、排ガス分析装置および排ガス分析方法に関し、前記従来の課題を解決するもので、吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度を高め、ひいては排ガス中の成分濃度の測定精度を向上させた排ガス分析装置および排ガス分析方法を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、内燃機関の排ガスを排出する排気経路中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光する測定部を具備してなり、前記測定部にて受光されたレーザ光に基づいて排ガス中の成分濃度を測定する排ガス分析装置であって、複数の波長のレーザ光を発生させ、前記レーザ光を前記測定部に導光される測定用レーザ光及び前記測定部に導光されない参照用レーザ光に分波して供給するレーザ光供給手段と、前記レーザ光供給手段により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光を受信し、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出手段と、前記吸収スペクトル検出手段にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整手段と、前記吸収スペクトル調整手段にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出手段とを有するものである。
請求項2においては、前記吸収スペクトル調整手段は、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整するものである。
請求項3においては、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、前記レーザ光供給手段により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整手段を有してなり、前記吸収スペクトル調整手段は、前記吸収スペクトル検出手段にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更するものである。
請求項4においては、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、前記レーザ光供給手段により供給される測定用レーザ光の光量を調整するとともに、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される参照用レーザ光の受信信号の信号強度が測定用レーザ光の受信信号の信号強度と等しくなるように、前記レーザ光供給手段により供給される参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整手段を有してなり、前記吸収スペクトル調整手段は、前記吸収スペクトル検出手段にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更するものである。
請求項5においては、前記レーザ光量調整手段は、前記基準値が測定用レーザ光又は参照用レーザ光の光量出力の最大値より大きい場合には、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が前記最大値となるように調整するものである。
請求項6においては、前記差分信号の最大値が吸収スペクトルのスペクトル強度に相当するものである。
請求項7においては、前記吸収スペクトル調整手段は、吸収スペクトル検出手段から出力される差分信号の増幅強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整するものである。
請求項8においては、内燃機関の排ガスを排出する排気経路中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光する測定部にて受光されたレーザ光に基づいて排ガス中の成分濃度を測定する排ガス分析方法であって、複数の波長のレーザ光を発生させ、前記レーザ光を前記測定部に導光される測定用レーザ光及び前記測定部に導光されない参照用レーザ光に分波して供給するレーザ光供給工程と、前記レーザ光供給工程により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光を受信し、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出工程と、前記吸収スペクトル検出工程にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整工程と、前記吸収スペクトル調整工程にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出工程とを有するものである。
請求項9においては、前記吸収スペクトル調整工程は、前記吸収スペクトル検出工程にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整するものである。
請求項10においては、前記吸収スペクトル検出工程にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、前記レーザ光供給工程により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整工程を有してなり、前記吸収スペクトル調整工程は、前記吸収スペクトル検出工程にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更するものである。
請求項11においては、前記吸収スペクトル調整工程は、前記成分濃度算出工程へ出力する吸収スペクトルの出力信号を増減させることにより吸収スペクトルを調整するものである。
本発明の効果としては、差分信号の最大値が上限設定値で一定となるよう調整されることで、排ガス中の特定成分の濃度が増減した場合であっても、差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度を確実に検出することができ、吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度を高めて、排ガス中の成分濃度の測定精度を向上できる。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る排ガス分析装置を車輌に搭載した状態を示した側面図、図2は測定部の取付構造を示した斜視図、図3は同じく図2の測定部の取付構造を示した側面図、図4は測定部の構成を示した斜視図、図5はコントローラの構成を示した機能ブロック図、図6は特定成分の検出ピークを含む測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号を示した図、図7は特定成分の検出ピークを含む差分信号に表れた吸収スペクトルを示した図、図8はコンピュータ装置の構成を示した機能ブロック図、図9は差分信号の最大値が上限設定値よりも大きい場合の吸収スペクトルの調整方法を示した参考図、図10は差分信号の最大値が上限設定値よりも小さい場合の吸収スペクトルの調整方法を示した参考図、図11は本実施例の排ガス分析装置を用いた排ガス分析方法を示したフローチャート、図12は吸収スペクトル調整工程の詳細を示したフローチャート、図13は別実施例のコントローラの構成を示した機能ブロック図、図14は特定成分の検出ピークを含む差分信号に表れた吸収スペクトルを示した図である。
まず、本実施例の排ガス分析装置1の全体構成について、以下に概説する。
図1に示すように、本実施例の排ガス分析装置1は、自動車2に配置された内燃機関としてのエンジン20から排出される排ガス中の成分濃度や温度を測定して分析するものである。具体的には、排ガス分析装置1は、上述した排気経路3の複数箇所に配設された複数の測定部5・5・・・と、測定部5に接続されたレーザ発振・受光用のコントローラ6と、コントローラ6に接続されたコンピュータ装置7等とで構成されている。
自動車2には、エンジン20からの排ガスを機外に排出する排気経路3が敷設されており、排気経路3は、エキゾーストマニホールド30、排気管31、第一触媒装置32、第二触媒装置33、マフラー34、及び排気パイプ35等とから構成されている。また、排気経路3の各構成機器は、断面円形状の配管3aによって連結されている。
排気経路3においては、エンジン20の排ガスが、まずエキゾーストマニホールド30で合流され、排気管31を通じて第一触媒装置32及び第二触媒装置33に導入され、その後マフラー34を通じて排気パイプ35から大気中に放出される。このような排気経路3が形成されることによって、エンジン20からの排ガスは、二つの触媒装置32・33によって浄化され、マフラー34によって消音・減圧されて大気中に放出される。
測定部5・5・・・は、排気経路3において4箇所に配置されており、具体的には、第一触媒装置32の上流側のエンジン20と排気管31との間、第一触媒装置32と第二触媒装置33との間、第二触媒装置33とマフラー34との間、マフラー34の下流側の排気パイプ35の末端部にそれぞれ配置されている。そして、各測定部5において、コントローラ6によって(赤外)レーザ光が照射され、かつ排ガスを透過した後のレーザ光が受光されることで、排気経路3を流れる排ガスの成分濃度が連続的にリアルタイムで測定される。
このように、本実施例の排ガス分析装置1では、各測定部5による排気経路3の一断面におけるスポット的な排ガスの測定が可能となっている。特に、本実施例のように、測定部5が排気経路3の複数箇所に設けられることで、排ガスが排気経路3の所定断面でどのように変化するかを瞬時に測定することができ、排ガスの状態をリアルタイムに連続して測定することができる。
次に、測定部5の構成について、以下に詳述する。
なお、本実施例の排ガス分析装置1では、排気経路3に配置された測定部5・5・・・は、それぞれ略同一に構成されているため、以下、一例として、第一触媒装置32と第二触媒装置33との間に配置された測定部5について説明する。
図2乃至図4に示すように、本実施例の測定部5は、矩形状の薄板材から形成され、略中心部に排気経路3中の排ガスが通過する円形の排ガス通過孔50aが貫通された本体部としてのセンサ本体50と、測定用のレーザ光を排ガス通過孔50a内に向けて照射する照射部51と、照射部51より照射されたレーザ光を多重反射させる一対の反射鏡52・52と、排ガス中を透過したレーザ光を検出する受光部53と、排気経路中の排ガスの実測温度T1を検出する温度検出手段としての温度センサ55等とで構成されている。測定部5においては、照射部51より排気経路3と直交する一断面に沿ってレーザ光が照射され、照射されたレーザ光が反射鏡52間で排気経路3を横切るように複数回反射されて、受光部53にて受光される。
測定部5は、センサ本体50が一対の管継手36・36に挟まれた状態で固定され、管継手36・36がそれぞれ第一触媒装置32及び第二触媒装置33に接続された配管3a・3aと接続されることで排気経路3に配設される。管継手36・36は、断面円形の貫通孔36aが穿設された筒状に形成され、一方の開口縁部にフランジ部36bが設けられている。測定部5(のセンサ本体50)は、一対の管継手36・36のフランジ部36bが設けられた側の開口端の離間に、ガスケット37を介して挟み込まれ、フランジ部36b・36bがボルト38・38によって締結されることで固定される。管継手36の貫通孔36aは、配管3aと同じ直径の円形に形成され、排ガスの流れが妨げられることがない。
センサ本体50は、平面視円形に形成された薄板状の金属部材より構成され、排ガスの流れ方向と直交する対向面の略中央部に円形の排ガス通過孔50aが穿設されている。このセンサ本体50には、照射部51及び受光部53が投光面と受光面とがそれぞれ排ガス通過孔50aの中心方向に向くようにして組み付けられるとともに、反射鏡52・52が排ガス通過孔50aに面するように上下に対向して平行に配設され、照射部51より照射されるレーザ光が排ガス通過孔50a内を排気経路3に対して直交して横切るように平行状態に固定されている。
照射部51からは、排気経路3と直交する一断面に沿ってレーザ光が照射され、照射部51から照射されたレーザ光が受光部53にて受光される。本実施例では、照射部51及び受光部53は、上述したコントローラ6に接続されており、コントローラ6から射出されたレーザ光が照射部51を介して排ガス通過孔50aに照射され、排ガス中を透過したレーザ光が受光部53で受光されてコントローラ6に受光信号が入力される。
照射部51には、赤外線送信用の光ファイバ51aが設けられており、投光面がセンサ本体50の排ガス通過孔50aの中心に向くようにして取り付けられている。光ファイバ51aの他端は、上述したコントローラ6に接続されており、コントローラ6から射出されたレーザ光が光ファイバ51aより排ガス通過孔50a内に導入される。このように、照射部51は、光ファイバ51aの投光面が排ガス通過孔50aに対向され、レーザ光が排ガス通過孔50aと直交する一断面に向けて照射可能にセンサ本体50に取り付けられている。
受光部53には、レーザ光を検出するディテクタ53aと、一端がディテクタ53aに接続されるとともに、他端が上述したコントローラ6に接続された信号線53bとが設けられており、排ガス中を透過したレーザ光がディテクタ53aに受光されて、受光信号が信号線53bを介してコントローラ6に入力される。受光部53は、ディテクタ53aの受光面が排ガス通過孔50aに対向され、照射部51より排ガス通過孔50aと直交する一断面に向けて照射されたレーザ光を受光可能に照射部6と同一平面上に位置するようにしてセンサ本体50に取り付けられる。
反射鏡52・52は、照射部51より照射されたレーザ光が一方の反射鏡52(図4において下方の)により他方の反射鏡52(図4において上方の)に向けて反射され、一対の反射鏡52・52により交互に反射されて受光側の受光部53に到達されるように配設される。このように一対の反射鏡52・52によって、照射部51により照射されたレーザ光が排気経路3に直交する一断面内を複数回反射してから受光部53で受光される。
このように、測定部5では、コントローラ6から照射されたレーザ光が照射部51の光ファイバ51aを介してセンサ本体50の排ガス通過孔50a内に照射され、排ガス中を透過したレーザ光が受光部53のディテクタ53aにて受光され、信号線53bを介してコントローラ6に入力されるように構成されている。
次に、コントローラ6について、以下に詳述する。
本実施例の排ガス分析装置1では、コントローラ6は、各排気経路3に配置された対応する測定部5・5・・・ごとにそれぞれ配設されており、各測定部5・5・・・に同様の波長の(赤外)レーザ光を供給するとともに、各測定部5・5・・・にて受光されたレーザ光の受光信号が受信されるように構成されている。以下では、第一触媒装置32と第二触媒装置33との間に配置された一の測定部5に注目して、かかる測定部5に接続されたコントローラ6の構成について説明するが、その他の測定部5に接続されるコントローラ6の構成についても略同様に構成される。
図1及び図5に示すように、コントローラ6は、複数の波長のレーザ光を発生させて供給するレーザ光供給手段及び供給されたレーザ光を受信して吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出手段として構成されている。具体的には、複数の波長の赤外レーザ光を発生させるレーザ光源60と、レーザ光源60より照射されたレーザ光を測定用レーザ光及び参照用レーザ光に分波して供給する複数の分波器61・61・・・と、分波器61・61・・・により分波されたレーザ光の光量を調整するレーザ光量調整手段としての可変光減衰器62・63と、分波器61・61・・・により分波されたレーザ光を所定の波長帯のレーザ光に合波する合波器64・65と、測定部5により受光されて排ガス中を透過して減衰した測定用レーザ光と参照用レーザ光とが導光される差分型光検出器66等とで構成されている。
レーザ光源60は、ファンクションジェネレータ等の信号発信器67からの所定の周波数の信号が複数(本実施例では5個)のレーザダイオード68・68・・・に供給されることで、各レーザダイオード68・68・・・から特定波長の赤外レーザ光が発生される。レーザ光源60では、例えば、一のレーザダイオード68から波長が1300〜1330nm程度のレーザ光や、波長が1330〜1360nm程度のレーザ光がそれぞれ照射される。
本実施例では、排ガス中に含まれる成分の内で、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、アンモニア(NH)、メタン(CH)、及び水(HO)の5種類を検出対象として設定されており、それぞれの成分のピーク波長が存在する波長帯を含むレーザ光が合成される。具体的には、NHを検出するのに適した波長は1530nm近傍であり、COを検出するのに適した波長は1560nm近傍であり、COを検出するのに適した波長は1560nm近傍であり、CHを検出するのに適した波長は1680nm近傍である。そして、HOを検出するのに適した波長が1350nm近傍である。
分波器61は、上述したレーザ光源60のレーザダイオード68・68・・・より照射されたレーザ光を、測定部5に導光される測定用レーザ光と、測定部5に導光されない参照用レーザ光とに分波する装置であって、本実施例では、上述したレーザダイオード68・68・・・に対応して複数個(本実施例では5個)の分波器61・61・・・がそれぞれ配設されている。なお、本実施例のコントローラ6には、分波器61にてレーザダイオード68・68・・・より照射されたレーザ光を測定用レーザ光と参照用レーザ光とに分波する前に、排ガス分析装置1を構成する各測定部5・5・・・に対してレーザ光を分波するための図示せぬ分波器が別途設けられている。
可変光減衰器62・63は、分波器61にて分波された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するものであって、分波器61にて分波され測定部5を介して後述する差分型光検出器66に導光される測定用レーザ光の光量を調整する可変光減衰器62と、分波器61にて分波され後述する差分型光検出器66にそのまま導光される測定用レーザ光の光量を調整する可変光減衰器63とで構成されている。本実施例では、各可変光減衰器62・63は、上述したレーザダイオード68・68・・・に対応して複数個(本実施例では5個ずつ)設けられている。そのため、各レーザダイオード68・68・・・により照射されたレーザ光は、特定の波長帯ごとに可変光減衰器62・63によってその光量が調整される。
また、可変光減衰器62・63は、後述するコンピュータ装置7に接続されており、コンピュータ装置7にて可変光減衰器62・63のレーザ光の減衰率が変更されることで、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値となるように、差分型光検出器66に導光される各レーザ光の光量が調整される。
合波器64・65は、分波器61で測定用レーザ光と参照用レーザ光とに分波された各レーザ光を合波して、所定の波長帯のレーザ光に合波するものであって、合波器64により分波器61で分波された測定用レーザ光が合波され、合波器65により分波器61で分波された参照用レーザ光が合波される。このようにして合波器64・65により合波されたレーザ光は、排ガス中の複数の成分に合わせて1300nm〜1700nm程度の波長帯を有するように調整されている。
合波器64により合成された測定用レーザ光は、光ファイバ51aを介して測定部5の照射部51に導光され、測定部5にて反射鏡52・52で多重反射された後に受光部53のディテクタ53aにて受光され、信号線53bを介して後述する差分型光検出器66に導光される。一方、合波器65により合成された参照用レーザ光は、光ファイバ65aを介して後述する差分型光検出器66に導光される。
差分型光検出器66は、レーザ光源60(レーザダイオード68)により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光を受信し、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号から差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出手段として構成されている。本実施例の差分型光検出器66には、測定部5から延出された信号線53bと、合波器65から延出された光ファイバ65aとがそれぞれ接続されており、測定部5にて排ガス中を透過して減衰された測定用レーザ光と排ガス中を透過していない参照用レーザ光とが、フォトダイオード66a・66aに入力されて電気信号に変換された後に受信される。そして、差分型光検出器66では、受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号に基づいて、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差をとって差分信号が算出され、増幅された差分信号に表れた吸収スペクトルが検出される。
差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号や検出された吸収スペクトル(算出された差分信号)は、電気信号として後述するコンピュータ装置7に入力される。特に、本実施例では、差分型光検出器66にて検出された吸収スペクトル(算出された差分信号)は、高域通過濾波器69を介して低周波成分が削除された状態でコンピュータ装置7に入力される。
図6は、一例として、差分型光検出器66にて受信された特定成分の測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号をそれぞれ示したものである。特に、排ガス中を透過した後の測定用レーザ光の受信信号では、ピーク波長λ1において所定成分の吸収に伴う信号強度の減少(ピークA)が確認される。なお、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号は、後述するコンピュータ装置7により信号強度が所定の基準値となるように調整されており、本実施例では原則として両レーザ光の受信信号の信号強度がかかる基準値で一致するように調整されている。
また、図7は、一例として、差分型光検出器66にて算出された特定成分の差分信号に表れた吸収スペクトルを示したものである。図6に示した(排ガス中を透過した後の)測定用レーザ光の受信信号に表れたピークに対応して、ピーク波長λ1において特定成分の吸収に伴うピークAが確認される。なお、この差分信号の吸収スペクトルは、後述するコンピュータ装置7により差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように調整されている。
次に、コンピュータ装置7について、以下に詳述する。
図8に示すように、本実施例のコンピュータ装置7は、後述するように、レーザ光量調整部70、吸収スペクトル調整部71と、成分濃度算出部72、及び出力部73等とで構成されており、コントローラ6からの出力信号が解析されて、入力された複数の波長帯ごとの吸収スペクトルに基づいて排ガスの成分濃度が測定される。特に、本実施例のコンピュータ装置7では、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値に基づいてフィードバック制御により所定の基準値が変更されるとともに、かかる基準値に基づいてフィードバック制御により測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が調整されることで、排ガス中の成分濃度の算出に用いられる吸収スペクトルが調整される。
コンピュータ装置7は、上述したコントローラ6を構成する可変光減衰器62・63や差分型光検出器66等と接続されており、差分型光検出器66にて受信された各レーザ光の受信信号や差分信号(吸収スペクトル)が電気信号として入力されるとともに、可変光減衰器62・63にレーザ光の光量を調整する制御信号が出力される。
レーザ光量調整部70は、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、レーザ光源60により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整手段として構成されている。本実施例では、レーザ光源60により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量は、可変光減衰器62・63のレーザ光の減衰率が変更されることで調整される。
「基準値」とは、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度の基準となる値のことをいう。本実施例では、基準値は、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光にそれぞれ対応して設定されるとともに、それぞれの値が同一となるように設定される。つまり、レーザ光量調整部70では、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号がかかる基準値で一致した信号強度となるように調整される(例えば、図6参照)。
ところで、本実施例のコンピュータ装置7では、後述するように、吸収スペクトル調整部71によるフィードバック制御により上述した基準値が変更可能とされている。一方、レーザ光量調整部70にて調整可能な測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量の範囲は、可変光減衰器62・63の調整範囲(計測レンジ)に限定され、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量出力の最大値が制限される。
そのため、本実施例のレーザ光量調整部70では、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量出力の調整可能な最大値が予めそれぞれ設定されており、吸収スペクトル調整部71にて変更された基準値が測定用レーザ光又は参照用レーザ光の光量出力の最大値より大きい場合には、かかる最大値が「基準値」として用いられる。なお、かかる場合には、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号がいずれもこの最大値で一致した信号強度となるように調整される。
レーザ光量調整部70では、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値となるように測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量がフィードバック制御により調整される。より詳細には、本実施例におけるレーザ光量調整部70による測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量のフィードバック制御とは、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度に基づいて、レーザ光源60より供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整することをいう。
レーザ光量調整部70による測定用レーザ光の光量のフィードバック制御について概説すると、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光の受信信号がコンピュータ装置7に入力されると、レーザ光量調整部70にてかかる受信信号の信号強度が基準値と比較される。その結果、測定用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値より大きい場合には、可変光減衰器62の減衰率を変更させる制御信号が可変光減衰器62に出力されて、測定用レーザ光の光量が低減されることで、測定用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値に一致するように制御される。一方、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値より小さい場合には、可変光減衰器62の減衰率を変更させる制御信号が可変光減衰器62に出力されて、測定用レーザ光の光量が増大されることで、測定用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値に一致するように調整される。
同様に、レーザ光量調整部70による参照用レーザ光の光量のフィードバック制御について概説すると、差分型光検出器66にて受信された参照用レーザ光の受信信号がコンピュータ装置7に入力されると、レーザ光量調整部70にてかかる受信信号の信号強度が基準値と比較される。その結果、参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値より大きい場合には、可変光減衰器63の減衰率を変更させる制御信号が可変光減衰器63に出力されて、参照用レーザ光の光量が低減されることで、参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値に一致するように制御される。一方、差分型光検出器66にて受信された参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値より小さい場合には、可変光減衰器63の減衰率を変更させる制御信号が可変光減衰器62に出力されて、参照用レーザ光の光量が増大されることで、参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値に一致するように調整される。
このようにレーザ光量調整部70が構成されることで、差分型光検出器66において一定の受信強度の測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号を受信することができるため、差分信号の算出精度や後述する成分濃度算出部72における非ガス中の成分濃度の算出精度を向上させることができる。
吸収スペクトル調整部71は、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整手段として構成されている。本実施例の吸収スペクトル調整部71は、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることで、吸収スペクトルを調整するように構成されており、具体的には、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値が上限設定値となるように上述した基準値を変更するように構成されている。
「上限設定値」は、後述する成分濃度算出部72にて差分信号の信号強度を算出可能な範囲(計測レンジ)の上限値のことをいう。つまり、差分信号の最大値が上限設定値となるように調整することで、成分濃度算出部72にて差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度を確実に検出することができる。また、本実施例では、上述したように差分型光検出器66にて算出された差分信号が高域通過濾波器69を介してコンピュータ装置7に入力されるため、差分信号においてベースラインノイズの影響が除去されており、差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度が差分信号の最大値となる(例えば、図7参照)。
吸収スペクトル調整部71では、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値が上限設定値となるように基準値がフィードバック制御により変更される。より詳細には、本実施例における吸収スペクトル調整部71による基準値のフィードバック制御とは、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値に基づいて基準値を所定の値に変更することをいう。
吸収スペクトル調整部71による基準値のフィードバック制御について概説すると、差分型光検出器66にて算出された差分信号がコンピュータ装置7に入力されると、吸収スペクトル調整部71にて差分信号の最大値が上限設定値と比較される。本実施例では、この差分信号の最大値が差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度に相当する。その結果、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値より大きい場合には、差分信号の最大値が上限設定値となるように基準値が低減される。一方、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値より小さい場合には、差分信号の最大値が上限設定値となるように基準値が増大される。
このように本実施例のコンピュータ装置7は、吸収スペクトル調整部71にて基準値がフィードバック制御により変更されるとともに、レーザ光量調整部70にて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量がフィードバック制御により調整されることで、差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整するものであって、後述する成分濃度算出部72にてかかる吸収スペクトルを用いて成分濃度が算出される。
図9を参照して、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値よりも大きい場合の吸収スペクトルの調整について説明する。なお、このような現象は、排ガス中の特定成分の濃度が高い場合などに発現される。
コンピュータ装置7では、差分型光検出器66にて算出された差分信号が入力された後、吸収スペクトル調整部71において、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値と比較される。その結果、差分信号の最大値が上限設定値よりも大きいため(図9(a)参照)、差分信号の最大値が上限設定値となるように基準値がフィードバック制御される。このとき、吸収スペクトル調整部71にてフィードバック制御により変更された基準値は、変更前の基準値よりもその信号強度が低くなるように設定される(図9(b)参照)。
次いで、レーザ光量調整部70において、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号が変更された基準値と比較される。その結果、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度がかかる基準値より大きいため、フィードバック制御により測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が低減されて、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値に一致するように制御される(図9(b)参照)。
このようにして、レーザ光量調整部70にて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が低減されることで、コンピュータ装置7に入力される差分信号の最大値が上限設定値に一致されて、差分信号に表れた吸収スペクトルが最適化される(図9(c)参照)。
一方、図10を参照して、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値よりも小さい場合の吸収スペクトルの調整について説明する。なお、このような現象は、排ガス中の特定成分の濃度が低い場合などに発現される。
コンピュータ装置7では、差分型光検出器66にて算出された差分信号が入力された後、吸収スペクトル調整部71において、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値と比較される。その結果、差分信号の最大値が上限設定値よりも小さいため(図10(a)参照)、差分信号の最大値が上限設定値となるように基準値がフィードバック制御される。このとき、吸収スペクトル調整部71にてフィードバック制御により変更された基準値は、変更前の基準値よりもその信号強度が高くなるように設定される(図10(b)参照)。
次いで、レーザ光量調整部70において、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号が変更された基準値と比較される。その結果、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度がかかる基準値より小さいため、フィードバック制御により測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が増加されて、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が基準値に一致するように制御される(図10(b)参照)。
このようにして、レーザ光量調整部70にて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が増加されることで、コンピュータ装置7に入力される差分信号の最大値が上限設定値に一致されて、差分信号に表れた吸収スペクトルが最適化されるように調整される(図10(c)参照)。なお、本実施例では、吸収スペクトル調整部71により変更された基準値が上述した最大基準値よりも小さいため、変更された基準値がそのまま「基準値」として用いられる。
成分濃度算出部72は、吸収スペクトル調整部71にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出手段として構成されている。成分濃度算出部72では、排ガスの成分濃度の算出方法として公知の方法が用いられるが、本実施例では、一例として、排ガス中への入射光(参照用レーザ光)と、排ガス中を透過した後の透過光(測定用レーザ光)の光強度に基づいて、以下の数式(1)を用いて算出される。
C=−ln(I/I)/k・L・・・(1)
数式(1)において、Cは成分濃度、Iは透過光強度、Iは入射光強度、kは吸収率、Lは透過距離である。つまり、成分濃度Cは、参照用レーザ光である入射光の光強度Iに対する測定用レーザ光である透過光のスペクトル強度(光強度I)の比(I/I)に基づいて算出される。本実施例の成分濃度算出部72では、吸収スペクトル調整部71にて調整された吸収スペクトルから透過光強度Iとしてのスペクトル強度が算出されるとともに、入射光強度Iとして差分型光検出器66にて検出された参照用レーザ光の信号強度より成分濃度Cが算出される。
次に、本実施例の排ガス分析装置1を用いた排ガス分析方法について、以下に説明する。
図11に示すように、本実施例の排ガス分析方法は、上述した排ガス分析装置1を用いて、エンジン20の排ガスを排出する排気経路3中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光することで排ガス中の成分濃度を測定する方法であって、レーザ光供給工程(S100)、吸収スペクトル検出工程(S110)、吸収スペクトル調整工程(S120)、及び成分濃度算出工程(S130)とに大別される。
まず、測定が開始されてエンジン20からの排ガスが排気経路3に送られると、排ガス分析装置1が作動される。エンジン20から排出された排ガスは、やがて測定部5のセンサ本体50に穿設された排ガス通過孔50aを通過する。
レーザ光供給工程(S100)では、測定部5の排ガス通過孔50aを通過する排ガスに対してレーザ光が照射されて、排ガスを透過したレーザ光が受光される。具体的には、コントローラ6から照射されたレーザ光が照射部51の光ファイバ51aを介してセンサ本体50の排ガス通過孔50a内に照射され、一対の反射鏡52・52によって排気経路3に直交する一断面内を複数回反射されてから、受光部53のディテクタ53aにて受光され、信号線53bを介してコントローラ6に入力される。
本実施例では、レーザ光源60から複数の波長のレーザ光が発生され、各レーザ光が分波器61・61・・・により測定部5に導光される測定用レーザ光及び測定部5に導光されない参照用レーザ光に分波される。そして、分波器61にて分波された測定用レーザ光及び参照用レーザ光は、可変光減衰器62・63にて光量が調整されながら供給されて、やがて後述する差分型光検出器66に受信される。
吸収スペクトル検出工程(S110)では、レーザ光供給工程により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光が差分型光検出器66にて受信され、測定部5にて排ガス中を透過して減衰された測定用レーザ光及び排ガス中を透過していない参照用レーザ光の受信信号から差分信号が算出されて、排ガス中の吸収されたレーザ光の吸収スペクトルが検出される。また、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号や、差分型光検出器66にて検出された吸収スペクトル(算出された差分信号)は、電気信号として後述するコンピュータ装置7に入力される。
吸収スペクトル調整工程(S120)では、吸収スペクトル検出工程にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることで、吸収スペクトル検出工程にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルが調整される。具体的には、吸収スペクトル調整工程では差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値に基づいてフィードバック制御により所定の基準値が変更されるとともに、かかる基準値に基づいてフィードバック制御により測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が調整されることで、排ガス中の成分濃度の算出に用いられる吸収スペクトルが調整される。
図12を参照して、本実施例における吸収スペクトル調整工程の詳細を説明すると、まず、吸収スペクトル調整部71では、差分信号の最大値(本実施例では吸収スペクトルのスペクトル強度)が上限設定値と比較され(S200)、差分信号の最大値が上限設定値となるように基準値がフィードバック制御される(S201)。そして、レーザ光量調整部70では、吸収スペクトル調整部71にて変更された基準値と予め設定された最大値との大小が判定される(S202)。
その結果、変更された基準値が最大値よりも小さい場合には、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号が変更された基準値とそれぞれ比較され(S203)、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度がそれぞれ基準値に一致するようにフィードバック制御されて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が増減される(S204)。このようにして調整された吸収スペクトルは、差分信号の最大値が上限設定値に一致されて最適化される(S205)。
一方、変更された基準値が最大値よりも大きい場合には、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号が(基準値としての)最大値と比較され(S206)、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が最大値に一致するようにフィードバック制御されて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が増減される(S207)。このようにして調整された吸収スペクトルは、差分信号の最大値が上限設定値に完全に一致するものではないか、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量出力の範囲内で最適化されたものである。
図11に戻って、成分濃度算出工程(S130)では、吸収スペクトル調整工程にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度が算出される。具体的には、上述した数式(1)を用いて、吸収スペクトル調整部71にて調整された吸収スペクトルから算出されたスペクトル強度と、入射光強度Iとして差分型光検出器66にて検出された参照用レーザ光の信号強度とから成分濃度Cが算出される。
そして、成分濃度算出工程にて算出された排ガスの各成分の濃度などは、コンピュータ装置7の出力部73に出力される(S140)。
以上のように、本実施例の排ガス分析装置1は、エンジン20の排ガスを排出する排気経路3中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光する測定部5を具備してなり、測定部5にて受光されたレーザ光に基づいて排ガス中の成分濃度を測定する排ガス分析装置1であって、複数の波長のレーザ光を発生させ、かかるレーザ光を測定部5に導光される測定用レーザ光及び前記測定部に導光されない参照用レーザ光に分波して供給するレーザ光源60と、レーザ光源60により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光を受信し、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する差分型光検出器66と、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整部71と、吸収スペクトル調整部71にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出部72とを有するように構成されている。
このように構成されることで、排ガス分析装置1は、差分信号の最大値が上限設定値で一定となるよう調整されるため、排ガス中の特定成分の濃度が増減した場合であっても、差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度を確実に検出することができ、吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度を高めて、排ガス中の成分濃度の測定精度を向上できるのである。すなわち、排ガスの特定成分の濃度が高い場合であっても、差分信号の最大値が吸収スペクトルのスペクトル強度が検出可能範囲である上限設定値に調整されることで、吸収スペクトルのスペクトル強度が検出不能となるのを防止でき、一方、排ガスの特定成分の濃度が低い場合であっても、差分信号の最大値が上限設定値に調整されることで、吸収スペクトルの分解能が高められて、吸収スペクトルのスペクトル強度の検出精度が向上される。
特に、本実施例の排ガス分析装置1においては、吸収スペクトル調整部71は、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整するように構成されるため、かかる測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度の増減をフィードバック制御することで、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値の調整が可能であり、かかる差分信号の最大値を上限設定値に容易に調整することができる。
また、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、レーザ光源60により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整部70を有してなり、吸収スペクトル調整部71は、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更するように構成されているため、吸収スペクトル調整部71にて基準値をフィードバック制御により変更するとともに、レーザ光量調整部70にて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量をフィードバック制御により調整することで、差分信号の最大値を上限設定値に容易に一致させて吸収スペクトルを最適化することができ、かかる吸収スペクトルを用いて成分濃度算出部72にて成分濃度を精度よく算出することができる。
また、本実施例のレーザ光量調整部70は、前記基準値が測定用レーザ光又は参照用レーザ光の光量出力の最大値より大きい場合には、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が前記最大値となるように調整されるため、測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量出力の範囲内で差分信号に表れた吸収スペクトルを最適化することで、吸収スペクトルのスペクトル強度の検出誤差を低減して、かかるスペクトル強度の検出精度を向上できる。
なお、本実施例の排ガス分析装置1及び排ガス分析方法としては、上述した構成等に限定されない。
すなわち、上述した実施例のコントローラ6は、差分型光検出器66にて算出された差分信号が高域通過濾波器69を介してコンピュータ装置7に出力されるように構成されているが(図5参照)、例えば、図13に示すコントローラ6の構成のように、高域通過濾波器69が設けられずに、差分型光検出器66にて算出された差分信号が低周波成分が削除されることなくコンピュータ装置7に出力されるように構成されてもよい。
図14に示すように、このようにコントローラ6が構成される場合には、差分型光検出器66にて算出された特定成分の差分信号はベースラインノイズを含んで、ベースラインが傾斜(図14においては右上方に傾斜)される。このベースラインノイズを含んだ差分信号は、成分濃度算出部72においてノイズ補正が行われてスペクトル強度が算出されるが、吸収スペクトル調整部71ではベースラインノイズを含んだままの差分信号を用いて吸収スペクトルの調整が行われる。
この別実施例の吸収スペクトル調整部71では、差分信号の最大値として、差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度よりも大きい値が検出され、かかる値が差分信号の最大値として予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルが調整される。このように、吸収スペクトル調整部71にて、吸収スペクトルのスペクトル強度だけではなく、差分信号の最大値が上限設定値となるように調整することで、差分信号が飽和することなく差分信号に表れた吸収スペクトルのスペクトル強度を確実に検出することができる。
なお、吸収スペクトル調整部71においては、所定の波長発光幅における差分信号の最大値のみならず差分信号の最小値も検出され、かかる差分信号の最小値が予め設定された下限設定値となるように吸収スペクトルが調整されるように構成されてもよい。この「下限設定値」は、成分濃度算出部72にて差分信号の信号強度を算出可能な範囲(計測レンジ)の下限値のことをいい、このような構成とすることで、所定の信号強度の範囲で差分信号の全般を飽和させずに制御することができる。
また、上述した実施例のレーザ光量調整部70は、いずれの実施例においても差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度に対する基準値がそれぞれ設定されているが(図6等参照)、測定用レーザ光は測定部5で排ガス中を透過される際に外乱を受けて参照用レーザ光と比べて受光量(光強度)が減少してしまい、差分型光検出器66にて受信される両レーザ光の受光量がアンバランスとなる場合がある。
そこで、別実施例のレーザ光量調整部70では、測定用レーザ光の光量のみがフィードバック制御され、参照用レーザ光は信号強度が常時測定用レーザ光の信号強度に追従させるように構成される。具体的には、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、レーザ光源60により供給される測定用レーザ光の光量を調整するとともに、差分型光検出器66にて受信される参照用レーザ光の受信信号の信号強度が、測定用レーザ光の受信信号の信号強度と等しくなるように、レーザ光源60により供給される参照用レーザ光の光量が調整される。
この別実施例のレーザ光量調整部70では、差分型光検出器66にて受信された測定用レーザ光の受信信号がコンピュータ装置7に入力されると、レーザ光量調整部70にてかかる受信信号の信号強度が基準値と比較される。その結果、可変光減衰器62の減衰率を変更させる制御信号が可変光減衰器62に出力されて、測定用レーザ光の光量が増減される。一方、検出用レーザ光は、参照用レーザ光の信号強度に追従して調整され、差分型光検出器66にて受信される参照用レーザ光の受信信号の信号強度が、測定用レーザ光の受信信号の信号強度と等しくなるよう可変光減衰器62の減衰率を変更させる制御信号が可変光減衰器63に出力されて、参照用レーザ光の光量が増減される。
特に、この別実施例のレーザ光量調整部70によれば、測定用レーザ光が測定部5で排ガス中を透過される際に外乱を受けたために、可変光減衰器62にて測定用レーザ光の光量出力が最大値に調整された状態でも参照用レーザ光の受光量に及ばない場合であっても、測定用レーザ光の信号強度に合わせて参照用レーザ光の信号強度が追従されて一致されるため、差分信号の最大値が上限設定値に一致するものではないが測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量出力の範囲内で最適化した吸収スペクトルを調整することができる。
また、上述した実施例の吸収スペクトル調整部71は、いずれの実施例においても、差分型光検出器66にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることで吸収スペクトルを調整するように構成されているが、その他の別実施例として、例えば、可変光減衰器62・63から出力される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の信号強度の増幅強度を増減させて、差分信号の最大値が上限設定値となるように吸収スペクトルを調整するように構成されてもよい。
具体的には、吸収スペクトル調整部71により、差分信号の最大値(吸収スペクトルのスペクトル強度)が予め設定された上限設定値と比較された後に、かかる差分信号の最大値に基づいて差分型光検出器66から出力される差分信号の増幅強度がフィードバック制御により増減されるように構成される。そして、吸収スペクトル調整部71では、差分信号の最大値に基づいて差分型光検出器66への増幅強度の増減に関する制御信号が出力される。
このように、別実施例の吸収スペクトル調整部71は、上述した実施例のようにレーザ光量調整部70にて測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量をフィードバック制御するものではなく、差分型光検出器66から出力される差分信号の増幅強度を増減させることにより、簡易に差分信号の最大値が上限設定値となるようにように調整することができるものである。ただし、別実施例の吸収スペクトル調整部71で調整された吸収スペクトルを用いて成分濃度算出部72にて成分濃度を算出する場合には、吸収スペクトルのスペクトル強度から増幅強度の増減分を補正した値が用いられる。
また、上述した実施例の排ガス分析装置1を用いた排ガス制御方法においては、差分型光検出器66にて算出される差分信号の最大値に基づいてフィードバック制御により所定の基準値を変更し、次いでかかる基準値に基づいてフィードバック制御により測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量が調整されるが(図12等参照)、吸収スペクトルの調整方法としてはかかる制御方法(カスケード制御)に限定されず、例えば、別実施例として差分型光検出器66にて算出された差分信号に基づいたフィードバック制御により参照用レーザ光の光量が直接増減されるように制御(単段ループ)されてもよい。
この別実施例の制御方法では、差分信号の最大値が予め設定された上限設定値と比較された後に、かかる差分信号の最大値に基づいてレーザ光源60より供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量がフィードバック制御されて直接調整されるように構成される。つまり、この制御方法によれば、上述した実施例のレーザ光量調整部70及び吸収スペクトル調整部71を一体に構成することで、上述したフィードバック制御の1ステップを省略して測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を増減させることができる。
また、上述した実施例では、排ガス中の成分濃度の算出方法として、数式(1)を用いて算出する方法を示したが、他の公知の方法を用いてもよい。例えば、吸収スペクトルの形状の面積より成分濃度を算出する方法や、吸収スペクトルの形状と、温度・圧力・排ガスの濃度によって予め定められた理論吸収スペクトルの形状とのパターンマッチングにより成分濃度を決定する方法などが用いられる。
本発明の一実施例に係る排ガス分析装置を車輌に搭載した状態を示した側面図。 測定部の取付構造を示した斜視図。 同じく図2の測定部の取付構造を示した側面図。 測定部の構成を示した斜視図。 コントローラの構成を示した機能ブロック図。 特定成分の検出ピークを含む測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号を示した図。 特定成分の検出ピークを含む差分信号に表れた吸収スペクトルを示した図。 コンピュータ装置の構成を示した機能ブロック図。 差分信号の最大値が上限設定値よりも大きい場合の吸収スペクトルの調整方法を示した参考図。 差分信号の最大値が上限設定値よりも小さい場合の吸収スペクトルの調整方法を示した参考図。 本実施例の排ガス分析装置を用いた排ガス分析方法を示したフローチャート。 吸収スペクトル調整工程の詳細を示したフローチャート。 別実施例のコントローラの構成を示した機能ブロック図。 特定成分の検出ピークを含む差分信号に表れた吸収スペクトルを示した図。
符号の説明
1 排ガス分析装置
3 排気経路
5 測定部
6 コントローラ
7 コンピュータ装置
20 エンジン(内燃機関)
60 レーザ光源
61 分波器
62・63 可変光減衰器
66 差分型光検出器(吸収スペクトル検出手段)
70 レーザ光量調整部(レーザ光量調整手段)
71 吸収スペクトル調整部(吸収スペクトル調整手段)
72 成分濃度算出部(成分濃度算出手段)

Claims (11)

  1. 内燃機関の排ガスを排出する排気経路中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光する測定部を具備してなり、前記測定部にて受光されたレーザ光に基づいて排ガス中の成分濃度を測定する排ガス分析装置であって、
    複数の波長のレーザ光を発生させ、前記レーザ光を前記測定部に導光される測定用レーザ光及び前記測定部に導光されない参照用レーザ光に分波して供給するレーザ光供給手段と、
    前記レーザ光供給手段により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光を受信し、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出手段と、
    前記吸収スペクトル検出手段にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整手段と、
    前記吸収スペクトル調整手段にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出手段とを有することを特徴とする排ガス分析装置。
  2. 前記吸収スペクトル調整手段は、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整することを特徴とする請求項1に記載の排ガス分析装置。
  3. 前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、前記レーザ光供給手段により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整手段を有してなり、
    前記吸収スペクトル調整手段は、前記吸収スペクトル検出手段にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排ガス分析装置。
  4. 前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、前記レーザ光供給手段により供給される測定用レーザ光の光量を調整するとともに、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される参照用レーザ光の受信信号の信号強度が測定用レーザ光の受信信号の信号強度と等しくなるように、前記レーザ光供給手段により供給される参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整手段を有してなり、
    前記吸収スペクトル調整手段は、前記吸収スペクトル検出手段にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排ガス分析装置。
  5. 前記レーザ光量調整手段は、前記基準値が測定用レーザ光又は参照用レーザ光の光量出力の最大値より大きい場合には、前記吸収スペクトル検出手段にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が前記最大値となるように調整することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の排ガス分析装置。
  6. 前記差分信号の最大値が吸収スペクトルのスペクトル強度に相当することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の排ガス分析装置。
  7. 前記吸収スペクトル調整手段は、吸収スペクトル検出手段から出力される差分信号の増幅強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整することを特徴とする請求項1に記載の排ガス分析装置。
  8. 内燃機関の排ガスを排出する排気経路中の排ガスにレーザ光を照射し、排ガスを透過したレーザ光を受光する測定部にて受光されたレーザ光に基づいて排ガス中の成分濃度を測定する排ガス分析方法であって、
    複数の波長のレーザ光を発生させ、前記レーザ光を前記測定部に導光される測定用レーザ光及び前記測定部に導光されない参照用レーザ光に分波して供給するレーザ光供給工程と、
    前記レーザ光供給工程により供給された測定用レーザ光及び参照用レーザ光を受信し、測定用レーザ光と参照用レーザ光との受信信号の差分信号を算出して、排ガス中に吸収されたレーザ光の吸収スペクトルを検出する吸収スペクトル検出工程と、
    前記吸収スペクトル検出工程にて算出される差分信号の最大値が予め設定された上限設定値となるように吸収スペクトルを調整する吸収スペクトル調整工程と、
    前記吸収スペクトル調整工程にて調整された吸収スペクトルを用いて排ガス中の成分濃度を算出する成分濃度算出工程とを有することを特徴とする排ガス分析方法。
  9. 前記吸収スペクトル調整工程は、前記吸収スペクトル検出工程にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度を増減させることにより吸収スペクトルを調整することを特徴とする請求項8に記載の排ガス分析方法。
  10. 前記吸収スペクトル検出工程にて受信される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の受信信号の信号強度が所定の基準値となるように、前記レーザ光供給工程により供給される測定用レーザ光及び参照用レーザ光の光量を調整するレーザ光量調整工程を有してなり、
    前記吸収スペクトル調整工程は、前記吸収スペクトル検出工程にて算出される差分信号の最大値が前記上限設定値となるように前記基準値を変更することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の排ガス分析方法。
  11. 前記吸収スペクトル調整工程は、前記成分濃度算出工程へ出力する吸収スペクトルの出力信号を増減させることにより吸収スペクトルを調整することを特徴とする請求項8に記載の排ガス分析方法。
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