JP4878677B2 - ポリテトラフルオロエチレン(ptfe)管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管に関し、さらに詳しく言えば、可撓性ホース用PTFE管に関する。特に、本発明は、ホース編組外皮、外面保護部、端部品からさらになる補強されたホース集合体の製造に用いる円滑穴をもつPTFE管に関する。
【0002】
【従来の技術】
2つの基本的な形式の内面管形体がある。その1つは、その名前が示唆するように、円滑穴空き管がほぼ渦巻きのない内面を有する。他の1つは、その名前が示唆するように、多数の個別の山部および谷部からなる。
【0003】
もちろん、円滑管は、しばしば全体的に凹凸に欠けていないことはなく、波紋を示すこともある。しかし、これは内面渦巻き管の誘発された山部および谷部に対して鋭く対照的である。
【0004】
PTFEは独特な材料であり、その化学的抵抗および非粘着性のために食料品および化学薬品の運送用途に好ましい。しかし、PTFEは当然に弾性はない。
一定の用途、特に、流体(特に、気体および蒸気)が管を介して汲み上げられる特別の高圧用途のために、可撓性PTFE管を製造することは、困難であることがわかった。実際に、「可撓性」を出すために壁を薄肉化することが流体に対して増大された透過を生じると思われていたので、多くの渦巻きPTFE管がこのような用途に適していないと従来は考えられていた。
【0005】
透過を減少するために、1またはそれを超える下記の技術がここで採用された。
1.壁厚が増加された。
2.高い等級のポリマが用いられた。または
3.ポリマが増加された結晶度をもつように処理された。
【0006】
壁厚を増加することは、仕上げ製品の重量および費用を増加させるばかりではなく、仕上げ製品の柔軟性をも減少する。
【0007】
例えば、デュポン(Du Pont)は、低い(50%)、適度に高い(72%)、または非常に高い(82%)の結晶度を規定している。低い結晶度においては製品が曲げ係数54,000、CO2ガス相対透過度6を有し、適度に高い結晶度においては製品が曲げ係数150,000psi、CO 2 ガス相対透過度0.8を有し、また、非常に高い結晶度においては製品が曲げ係数170,000psi、CO2ガス相対透過度0.2を有する。
【0008】
最も波形を付けた製品は、製品を輪状に巻くかまたは折り畳みかつ全体にわたってほぼ均等な厚みの壁を有する方法によって作られる。代表的な方法は、GB1543586およびGB2293222に記載されたものを含む。
【0009】
他方、EP474449B1は、谷部領域にある材料を移動するように圧縮力を受けた波形プラスチック管を開示している。加えられた圧縮力は、その塑性点を超えてその融点以下の温度において、管の塑性を取るのに十分であることで、特徴付けられている。これは、融点以下の温度において達成され、その特許がこの点について特別な示唆をしていない。さらに、その特許は、一般的な塑性に関しており、可撓性を作ることに向けられている。それは、PTFE(PTFEが特定されているが)に関するものではなく、気体に対する改善された透過抵抗を持った管を製造する問題を述べていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
対照的に、本発明は、特にPTFEに関し、新規な製品が下記のことからなる方法によって得られることを示している。その方法は、
1.薄壁厚W1を有する強制された渦巻きを作るために、PTFEのゲル遷移温度またはそれより上の温度でPTFE管に変形力を与える工程と、
2.薄壁厚W1を有する渦巻きが安定するまで、薄壁厚W1を有する変形を強制するように継続しながらゲル遷移温度より下にPTFE管を冷却する工程とである。
【0011】
この製品は、渦巻きPTFE管が非渦巻き管と比較して、7.6%より大きい改善された透過抵抗を持つ。その比較は、(i)等しい公称穴IDの、かつ(ii)PTFEの単位長さ当たりで等しい重量の、管との間でなされた。
【0012】
この改善された透過抵抗は、この方法で処理された製品が、そのように作られないものに対して異なる形体を有することを暗示している。これは、特別の記載に述べられた試験手続によって確認されうる。
【0013】
驚くべきことに、本出願人が、変更されたPTFEを含めてPTFEを処理することによって、格別な仕方で本出願人は所定の厚みのPTFEについての透過率を低下できることを発見した。この仕方で処理されたPTFEは、その他の物の間で改善された透過抵抗および増加された張力強さによって特徴付けられる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の考え方によれば、外面の谷部および山部からなり、谷部壁厚W1を外面渦巻きに与えるように、管の領域が薄くされる工程によって、最初の壁厚W0および内径IDを有する非渦巻き管から取得できるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管であって、渦巻きPTFE管が、非渦巻き管と比較して、7.6%より大きい改善された透過抵抗を有し、その比較が(i)等しい公称穴径IDの、かつ(ii)単位長さ当たりでPTFEの等しい重量の、管との間でなされることを特徴とした、PTFE管が与えられる。
【0015】
好ましくは、PTFE管は円滑内面穴を有する。
一実施例においては、円滑穴は、波形状の外観をしている。
本発明の別の考え方によれば、下記のことからなる最初の壁厚W0を有する非渦巻き管から、外面の谷部および山部からなるPTFE管の製造方法が与えられる。
1.薄壁厚W1を有する強制された渦巻きを作るように、PTFEのゲル遷移温度にまたはそれよりも上の温度において、PTFE管に変形力を与える工程と、
2.薄壁厚W1を有する渦巻きが安定するまで、薄壁厚W1を有する変形を強制し続けながら、前記ゲル遷移温度より下に前記PTFE管を冷却する工程とである。
【0016】
好ましくは、W1はW0の25%より小さい。
さらに好ましくは、W1はW0の約20%である。
好適実施例において、PTFE管は、合成管が円滑穴で内面渦巻き管であるように、平坦円筒PTFEペーストの押出し管の内径とほぼ同じサイズのマンドレル上に作られる。
結果として生じる円滑穴空き管は、波紋状の外観を呈する。
【0017】
変形は、それが「降伏」変形であることを示す張力増加によって特徴付けられる。変形は、それが可逆である点でさらに特徴付けられる。すなわち、定位置に強制力を置かずに、変形された材料が、ゲル遷移温度またはそれより上の温度で再加熱されたとき、それがその最初の形状にほぼ戻る。
【0018】
PTFEがゲル遷移温度より上またはそれより下の温度で変形されるか否かを決定することが可能である。ゲル遷移温度より下の温度で変形された管は、部分的にまたはほぼその最初の形状に復帰し、他方ゲル遷移温度またはそれより上の温度で変形された管は、ゲル遷移温度またはそれより上の温度でほぼ最初の形状に復帰する。
【0019】
張力の増加は、簡単な試験を行うことによってわかる。長手方向部分は、本発明に基づいて準備された渦巻き管から取られる。その部分がその谷部において破壊するまで、それが引っ張られる。谷部の厚みおよび幅をまず決定し、その谷部において管を破壊するために加えられた力を知ることによって、断面積についての破壊力が計算されうる。管の別の部分は、その部分がその最初の出発形状に復帰するようにゲル遷移温度より上に加熱され、それが同じ試験を受ける。すなわち、それが管の縦軸に沿って引っ張られる。得られた代表的な結果は、平坦管について41368kPa(6,000psi)、本発明に基づいて製造された渦巻き管について75842kPa(11,000psi)である。
【0020】
より透過性を持った製品が、壁の「薄肉化」の結果として期待されていたので、この仕方で変形されたPTFE管の透過特性は、全体としては期待できなかった。
【0021】
疑問を避けるために、ここで用いる「ゲル遷移温度」という用語は、PTFEがより透明でかつ非結晶になる温度をいう。これは、325℃と340℃との間の温度であり、一般には327℃の温度であると考えられている。この温度は、溶融温度として引用される処理状況にあっては、ときには不適切であることもある(例えば、D.I.McCaine著「ヘキサフルオロポリエチレンを有する共重合体」第630ページ参照)。真実の「溶融」温度は、ポリマが等級を落として急速に蒸発し始める点で液体を形成するように、ポリマがゲル状態から溶融する温度である。これは、「赤熱加熱」に近づく550℃より上の温度である(例えば、発明者R.J.PlunkettのPTFE参照)。
【0022】
理論と結び付けられることは願えないが、327℃より上の温度において所定の付加変形力が、327℃より下の温度で付加された同じ変形よりも「切断」を生じ難いと考えられる。さらに、材料が「切断」に抗して弾性変形されるので、それは改善された特性、例えば、改善された透過抵抗および増加された引張り強さから利益を受ける。これらの特性それ自体が、強制力を定位置に置かずに、327℃より上で再加熱する際に、ほぼその最初の形状から戻ることができる渦巻き管の能力にあることを示す。処理中に「切断」がより大きくなればなるほど、そのように戻された製品に現れる「切り傷」の深さが大きくなり、それがますます最初の形状に似なくなる。
【0023】
327℃より下の処理温度において、臨界力についての変形は、修復できない製品伸び破壊点を超える変形を含む。降伏点を超える変形のみおよび製品伸び破壊点を超えないものが、327℃より上に再加熱する際にそれらの最初の形状に戻る。もちろん、「切断」は、力によって生じた変形が十分である場合に、ゲル遷移温度より上の温度でも起こる。しかし、臨界変形は、327℃より下の温度においては少ない。例えば、ゲル遷移温度より下で処理された円滑穴空き渦巻き管は、臨界変形より上で顕著な切断を示す。この臨界変形より下で、管は最初の厚さの3分の1と4分の1との間の谷部領域で薄くされるだけである。ゲル遷移温度より上の温度で処理をした場合に、管は切断を示さずにその最初の厚さの約5分の1まで薄くされうる。
【0024】
このようにして、本発明の別の考え方によれば、外面の谷部および山部からなり、谷部壁厚W1を外面渦巻きに与えるように、管の領域が薄くされる工程によって、最初の壁厚W0を有する非渦巻き管から取得できるPTFE管であり、W1がW0の25%より小さい、PTFE管が作られる。
【0025】
好ましくは、W1がW0の約20%である。
「ほぼ最初の形状に戻る」という用語は、可逆管が、切断または切り傷の形体にある破壊点で、伸びを超える変形によって生ずる限定された損傷の兆候を示すけれども、著しい渦巻きを有しないことを意味するように意図されている。しかし、製品はその最初の壁厚W0の、20%以内、好ましくは10%、さらに好ましくは5%まで戻る。
【0026】
谷部を形成するように管に加えられる力が三次元であるので、それは容易に決定されることができない。しかし、変形は上述したように計測される。一般に、より大きい変形は、高温で切断されることなく達成されうる。327℃より上では、切断なしの変形は、ゲル遷移温度より上の温度で処理する際に、達成されうるより大きい薄肉化によって、上述したように327℃より下で約20%になる。もちろん、変形は327℃より上で、したがって変形を固定するように固定されず、変形が安定するように、327℃より下まで温度が降下されている間に、強制力が維持される必要がある。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1において、25.4mmの内径ID、2.29mmの厚みW0を有する平坦円筒形PTFEペースト押出し管10が、適当なサイズのマンドレルの上で380℃まで加熱された。マンドレルの外径よりも大きくかつマンドレルの外径とプラスチック管の壁厚W0の2倍との組合せよりは小さい内径を持つ工具が、管に接触されて、ゲル遷移温度より上の温度に管を維持しながら、谷部14(谷部壁厚W1)と山部16(山部壁厚W)とからなる円滑穴空き渦巻き管12を形成するように、工具の先導端が材料を移動させるのに十分な圧力を加えた。工具の後続端が、渦巻きを安定するように強制力を加えている間に、ゲル遷移温度より下に渦巻き管を冷却するように、工具の後続端はゲル遷移温度より下の温度に維持された。温度がゲル遷移温度より下に降下しかつ渦巻きが安定するまで、後続端がゲル遷移温度より上で三次元の力を加えかつ後続端が強制力を加えるように、ヘリカル工具がマンドレルに関して18回転毎分の速度で回転された。この点に関して、渦巻き管の各部分は、約1分間工具内で強制力を受けた。
【0028】
もちろん、異なる形状が、本方法を用いて製造されうる。一実施例においては、単一の出発スパイラル波形が形成されてもよい。代案として、多条出発スパイラル波形、環状波形、軸方向波形、またはそれらの組合せが作られてもよい。
【0029】
山部壁は、その初期値W0の、60%から5%まで、好ましくは50%から5%までに薄くされなければならない。完全波形形状については、谷部壁は、その初期値の40%から20%まで、そして、円滑穴形状については、30%から20%まで薄くされることが好ましい。
【0030】
薄肉領域に対して角張った縁よりもむしろ丸みを付けることが好ましい。
薄肉領域の幅に関する限りは、最初壁厚W0からの作業では、幅は円滑穴形式の構造についての山部壁厚Wの10−200%、代表的には完全波形構造については山部壁厚Wの30−600%であるべきである。幅が大きなパーセンテージになるにつれて、製品の柔軟性が増加する。
【0031】
PTFE管12は、構成中に、材料を移動するように管を圧縮することによって、谷部壁厚W 1 が標準壁厚W0から縮減されたとき、山部壁厚Wよりも小さい谷部壁厚W1を有する。
【0032】
さらに、圧縮および変位が山部壁厚Wを最初の壁厚W0よりも大きくすることができる。
図1に示すように、結果として生じる管は、強制力を定位置に置かずに、ゲル遷移温度より上まで管12を再加熱することによって、その出発形状まで戻される。
【0033】
<サンプル1およびサンプル2の管についての透過試験結果>
サンプル管は、図6に示すような装置を用いて透過試験を受けた。この装置は、ヘリウム供給源50、圧力調整器52、接続管54、吹出し弁58からなる。試験サンプル56は、接続管54と吹出し管58との間に接続される。試験サンプルは、水槽60に水平に浸けられ、その上に収集カウル62および度盛りコラム64が置かれる。PTFE管の長さが知られたサンプル56は、その両端においてスエージ加工された端部品を結合される。
【0034】
試験前に、装置はサンプル内にヘリウムのみが残存することを保証して、まず清浄化される(サンプルが吹出し弁を下にして垂直に維持される)。サンプルは次いで水槽に浸けられ、水平に支持され、ヘリウム圧力が試験圧力まで高められる。装置は最少30分間放置され、安定した透過が達成されるようにする。水が、サンプルと度盛りされた収集コラム64とを満たした状態で、収集カウル62がサンプルの上に置かれる。全透過気体の収集が計時され、その量が記録される。手続が数回繰り返されて、安定した透過がなされかつ結果が再現されることを保証する。
【0035】
<試験条件>
室温において29.6At(30Bar)の市販ヘリウムを使用する。
漏れは、安定した状態の透過が下記のようにサンプルで達成された後に、決定される。
【0036】
サンプル1は、内径25.4mm、壁厚2.29mm、鋼編組外皮、各端スエージ加工端部品を備えた平坦円筒形管である。
サンプル2は、内径25.4mmであり、図1に関連して述べた原理体系に基づき、サンプル1の処理から作られ、鋼編組外皮、各端スエージ加工端部品を備えた円滑穴空け渦巻き管である。
【0037】
<試験結果>
サンプル1 漏れ量 220cc/hr/m
サンプル2 漏れ量 150cc/hr/m
サンプル2の単位長さ当たりの管重量が、サンプル1の単位長さ当たりの材料重量よりも約20%少なく、それらの形状は、所定の重量の管についての形状を与えるように調整された。
【0038】
このようにして、透過抵抗の特別な改善は、(220/150)×(5/4)=1.83である。換言すれば、透過比は1:0.55に低減された。さらに、可撓性も改善された。この点に関して、サンプル1は、381mmの曲げ半径においてねじれるが、サンプル2は63.5mmの曲げ半径においてねじれる。
【0039】
さらに別の試験においては、本発明の方法によって作られた円滑穴空き外面渦巻き管と、327℃より下の温度で完全に作られた管との間の比較がなされた。
比較の結果は下記の通りである。
【0040】
サンプル3(無地管) 漏れ量 241cc/hr/m
サンプル4(327℃より下で処理された外面渦巻き管) 漏れ量 224/hr/m
サンプル5(327℃より上かつ550℃より下で処理され、強制力によって327℃より下で冷却された外面渦巻き管) 漏れ量 148/hr/m
数字は室温において29.6At(30Bar)のヘリウムの透過率である。
【0041】
327℃より下では、7.6%の明らかな改善があり、他方、327℃より上では62.8%の非常に顕著な改善がある。
実際には、渦巻き形状のいかなる点においても、伸び破壊限度を超えて材料に引張りを与えずに、変形が達成されるので、温度が327℃から450℃の間、さらに好ましくは327℃から420℃の間にあるときに、最もよい結果が得られることがわかった。伸び限度は、処理温度と共に増加する。
【0042】
本発明は円滑穴空き渦巻き管について特に述べてきたが、様々な形状の渦巻き管が本発明の方法から利益を得られることは、当業者であれば明らかであろう。
【0043】
上述した管、特に外面渦巻きを有する円滑穴は多くの用途を有する。その理由は、その管が従来の円滑穴または内面および外面渦巻き可撓性ホース設計の欠点を克服し、多くの個々の技術性能パラメータについて劇的に改善をする。
【0044】
この管は、ホース集合体のホース補強として用いられる。それは、ねじれ、真空、および圧力に抗して管を支持する一体リブ部分(山部)16と、波形状にされ優れた可撓性を与える円滑穴内面18を残した高度に圧縮されたウエブ部分(谷部)14とからなる(図2参照)。
【0045】
本発明に基づく円滑穴空き外面渦巻きPTFE管は、従来の渦巻き管(両内外面渦巻き管)と比べたとき、特性の点で顕著な改善を示す。これらは、その円滑穴と磨かれた表面仕上げとのために非常に改善された衛生的な清浄性を含む。流量は100%よりも高い。圧力率は50%よりも高い。気体透過抵抗は150%よりも高い。温度および圧力における柔軟性の寿命は、50倍になる(試験条件にもよる)。
【0046】
本発明に基づくPTFE管からなるホースの一つのタイプが、図3に示されている。それは、山部24および谷部26の外面渦巻き22と、わずかな波紋30を伴った円滑内面穴28とを備えたPTFEライナー管20からなる。その内面は、高温で磨きがかけられた。このライナー管は、末広がり端32を有する。ライナーの外面は、ほぼ全長にわたって編組外皮34で被覆される。端部品36が管の端に取り付けられる。差込部38は管と編組外皮との間にあり、口輪40によって固定される。
【0047】
PTFEのライナー管は、FDAが承認したホース等級のPTFEから作られるか、または例えば、カーボンブラックの含有によって静電気防止性に作られる。前者は搬送される流体が高度に電気抵抗がないすべての用途に使用できる。後者は、燃料、溶媒、またはフレオン(登録商標)のような電気抵抗流体が搬送されつつある用途の使用に適している。管の静電気防止特性は、ホース内に作られる損害静電荷を防止する。
【0048】
円滑穴外面渦巻き管の独特な特性は、従来のPTFEのライナーホースが適切でない状況において使用することに適する。
特に、15mmから50mmのホース穴サイズをもつホースは、130℃まで完全真空で使用されうる。これより上において、真空抵抗は、130℃を越える温度毎に1%減少する。図4は、最大作業圧力(Bar)対ホース・サイズについての温度(℃)の関係を示す。流量は、一般的な回旋状のPTFEホースよりも大きい。直線状形体において、試験媒体として水を使用し、図5に示す流量が達成された。
【0049】
実際には、流量はホースの柔軟性、流体粘性、端部品設計、その他のパラメータによって変わるが、概して従来の渦巻きPTFE管よりも2から3倍よい流量が達成された。
【0050】
本発明は、多数の異なるサイズの管およびホース集合体の詳細を示す表を参照してさらに説明される。
最後に比較データをもち、本発明に基づいて処理された管の改善された透過抵抗を示すサンプルが与えられる。
【0051】
代表的製品の詳細が下記の表1に示される。
【0052】
【表1】
【0053】
<最大動作温度>
最大動作温度について、SS編組外皮は−70℃から+260℃、PB編組外皮は−30℃から+90℃、SS、RC、およびSS、FPは−40℃から+120℃、SS、SIは−40℃から+180℃である。
【0054】
<温度に伴う圧力変化>
SS編組については図4に示され、全温度範囲にわたっており、PB圧力、RC、FP、SI等級は図4に示されるが、特別の等級についての温度範囲内のみにある。
【0055】
ここで、各記号は次の通りである。TOは管のみ、SSはステンレス鋼、PBはポリプロピレン、RCはゴム被覆、FPは耐火性、SIはシリコン・ゴム被覆である。
【0056】
PTFE管は、作業圧力が低く、外面編組外皮によって提供される物理的保護を必要としない用途において、軽量なホース自体として使用されてもよい。
ステンレス鋼(SS)編組外皮ホースは、高温かつ高作業圧をからんだ用途に使用される。高張力等級304のステンレス鋼線が、最大圧力抵抗およびホースに対する外面保護を与えるように用いられる。
【0057】
ポリプロピレン編組外皮(PB)のホースは、ホースの頻繁な取扱いおよび移動をからんだ用途にしばしば好適である。その場合、温度は−30℃から+90℃の範囲内にある。PB編組外皮は軽量で、いかなる破壊線条もオペレータの手を切ることはない。さらに、PB編組外皮は、塩化物応力腐食を受けない。
【0058】
追加の外面保護は、編組にわたって与えられる。
ホースが粗い処理を受け、かつ、厳密な外面摩耗ゴム被覆が設けられている最も厳しい用途については、ホースの外面円滑および清浄性が最も重要である衛生的用途も加えられる。
【0059】
好適なゴムは、優れた化学抵抗を有するEPDMであり、120℃まで温度抵抗がある。
使用されうるその他の外面保護は、耐火性ゴム、シリコン・ゴム(180℃まで抵抗し、透明である)、損傷および保護コイルを含む。
【0060】
広範囲の部品がホースを形成するために協働されてもよい。それらの部品は、スイベル・フラックス部品(図3に示す)またはDIN11851部品(オスおよびメス)、カム作用部品、摩擦部品、SMSおよびRTT部品を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づくPTFE管の生産の可逆特性を示す概略図である。
【図2】外面の谷部および山部と、円滑内面穴とからなるPTFE管の一部の拡大断面図である。
【図3】本発明に基づく(ライナー)管からなるホース集合体の切欠斜視図である。
【図4】本発明に基づく異サイズPTFE管の最大作業圧力対温度を示すグラフである。
【図5】本発明に基づく異サイズPTFE管の流量対圧力降下を示すグラフである。
【図6】透過試験を行うために用いられる装置の図である。
Claims (17)
- 外面の谷部および山部からなり、谷部壁厚W1を外面渦巻きに与えるように、管の領域が薄くされる工程によって、最初の壁厚W0および内径IDを有する非渦巻き管から取得できるPTFE管であって、渦巻きPTFE管が非渦巻き管と比較して、7.6%より大きい改善された透過抵抗を有し、その比較が、(i)等しい内径IDの、かつ(ii)単位長さ当たりのPTFEに等しい重量の、管との間でなされ、
前記管は、前記最初の壁厚W 0 および前記内径IDを有する非渦巻き管から、下記の工程によって取得できるものであり、当該工程は、
1.薄壁厚W 1 を有する強制された渦巻きを作るように、PTFEのゲル遷移温度にまたはそれよりも上の温度において、前記PTFE管に変形力を与える工程と、
2.前記薄壁厚W 1 を有する前記渦巻きが安定するまで、前記薄壁厚W 1 を有する変形を強制し続けながら、前記ゲル遷移温度より下に前記PTFE管を冷却する工程とを含む、PTFE管。 - 非渦巻き管と比較して前記改善された透過抵抗が10%よりも大きい、請求項1に記載のPTFE管。
- 非渦巻き管と比較して前記改善された透過抵抗が20%よりも大きい、前記請求項のうち任意の一項に記載のPTFE管。
- 非渦巻き管と比較して前記改善された透過抵抗が30%よりも大きい、前記請求項のうち任意の一項に記載のPTFE管。
- 非渦巻き管と比較して前記改善された透過抵抗が60%よりも大きい、前記請求項のうち任意の一項に記載のPTFE管。
- 円滑内面穴を有する、前記請求項のうち任意の一項に記載のPTFE管。
- 抑制力なしに前記ゲル遷移温度より上に加熱する際に、前記PTFE管の最初の壁厚W0の20%以内に戻る、前記請求項のうち任意の一項に記載のPTFE管。
- 最初の壁厚W0を有する非渦巻き管から、外面の谷部および山部からなるPTFE管の製造方法であって、当該方法は、
1.薄壁厚W1を有する強制された渦巻きを作るように、PTFEのゲル遷移温度にまたはそれよりも上の温度において、前記PTFE管に変形力を与える工程と、
2.前記薄壁厚W1を有する前記渦巻きが安定するまで、前記薄壁厚W1を有する変形を強制し続けながら、前記ゲル遷移温度より下に前記PTFE管を冷却する工程とを含む、PTFE管の製造方法。 - 前記PTFE管がマンドレルに乗せられ、先導端および後続端からなるヘリカル工具が前記マンドレルに関して所定の速度で回転されて、前記ゲル遷移温度より下の温度に降下しかつ前記渦巻きが安定するまで、前記先導端が前記ゲル遷移温度より上の温度において変形力を加え、前記後続端が強制力を加えるようにした、請求項8に記載のPTFE管の製造方法。
- 前記マンドレルが平坦な円筒形マンドレルである、請求項9に記載の方法。
- 前記ヘリカル工具の前記後続端が、前記ゲル遷移温度より下の温度に維持される、請求項9または10に記載の方法。
- W1がW0の25%より小さい、請求項8乃至11の任意の一項に記載の方法。
- W1がW0の約20%である、請求項12に記載の方法。
- 請求項1乃至7の任意の一項に記載のPTFE管と、編組外皮と、1またはそれを超える端部品とからなる、ホース集合体。
- 請求項1乃至7の任意の一項に記載のPTFE管の使用法であって、ホース集合体の透過抵抗を改善する目的で、前記ホース集合体についての使用法。
- 請求項1乃至7の任意の一項に記載のPTFE管の使用法であって、改善された透過抵抗を有するように意図されたホース集合体の製造のための使用法。
- 大気圧より大きい圧力の下で、PTFE管またはホース集合体を介して流体を通過させることを含む方法であって、請求項1乃至7の任意の一項に記載のPTFE管または請求項14に記載のホース集合体を介して、前記流体が通過されることを特徴とした、方法。
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