JP3844626B2 - 熱交換器用伝熱管の製造方法及びそれによって得られた熱交換器用伝熱管 - Google Patents
熱交換器用伝熱管の製造方法及びそれによって得られた熱交換器用伝熱管 Download PDFInfo
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Description
【技術分野】
本発明は、高温用金属二重管の製造方法、及びそれによって得られた高温用金属二重管に係り、特に、発電プラントや化学プラント等における海水使用熱交換器、中でも、高温の被冷却媒体に晒される、石油精製等の化学プラントの熱交換器において用いられる二重管構造の伝熱管として有用な、高温用金属二重管の製造方法、並びにそのような方法により得られる高温用金属二重管に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、火力や原子力等の発電プラントの海水使用熱交換器において、それを構成する伝熱管としては、金属製の外管と内管とを嵌合し、更に相互に密接乃至は密着せしめることにより一体化せしめてなる、二重管構造を呈する金属管が、広く用いられてきている。
【0003】
ところで、この種の金属二重管の製造方法に、一般に、所定の圧力流体による拡管法や縮径ダイス乃至は拡管プラグを用いた合わせ抽伸法等が採用されていることは、よく知られているところであるが、特に、両管の変形抵抗が大きく異なり、且つ伝熱管として良好な伝熱性能を示す二重管を製造するような場合にあっては、外管と内管との界面において良好な密着性を得るために、前記各種手法の中でも、各管の有する弾塑性変形特性の違いを利用して両管を圧着せしめる液圧拡管法が、これまでに、好適に採用されてきている。
【0004】
しかしながら、そのような液圧拡管法を用いて、外管の構成金属と内管の構成金属とが線膨張係数において大きく異なる金属二重管、例えば外管及び内管が、ぞれぞれ、銅合金管及び薄肉チタン管にて構成される二重管を製造するに際し、その内管内に導入する圧力流体として、従来から一般的に用いられている常温の圧力水を使用する場合には、そのようにして得られる金属二重管において、その使用時の最高温度、即ち管外面及び内面に接触する流体や媒体等の温度のうちの最も高いもの(例えば、海水使用熱交換器用の二重管では、その管外面が晒される被冷却媒体の温度)が高くなると、両管の熱膨張量の差が大きくなるために、両管の界面に緩みが生じ、更に高温となると、界面に隙間が発生して、両管の間に空気層が形成されるといった不具合が惹起される問題が内在しており、また、その結果として、空気層自体が新たな熱伝導の抵抗となることにより、同一寸法形状の所定金属製単管に対する熱通過率比といった伝熱性能が、使用最高温度が常温である場合と比べて、著しく低下するという問題があった。
【0005】
そこで、このような問題に対処するために、特公昭61−11138号公報には、内管と外管とを互いに嵌合した後、その内管内に、金属二重管の使用最高温度よりも高い温度を有する圧力流体を通液し、そして液圧拡管法にて両管を圧着せしめることにより二重管を製造する手法が、提案されている。而して、かかる製造手法にあっては、外管と内管との間において、ある程度の密着性を実現し得るものの、圧力流体として水を採用する場合においては、その圧力水の通液時における液温は100℃未満に制限されることとなるところから、使用最高温度が100℃以上となる金属二重管には適用され難いことに加えて、たとえ100℃の圧力水を用いても、製造時における放熱等により外管の温度を圧力水温度と同等とすることは困難であり、結果として、90℃以上の温度で用いられる金属二重管には、余り有効であるとは言い難く、二重管の使用時において、密着不良、ひいては伝熱性(熱通過率比)の低下が惹起される等の問題を内在している。
【0006】
尤も、かかる公報に記載の手法に従う金属二重管の製造において、圧力流体として、100℃以上の高い温度でも使用可能な作動油を用いれば、確かに、上記の如き問題は解消されることとなるのであるが、そのような高温作動油の使用にあっては、二重管の拡管作業時において、外管と内管の界面への圧力流体の浸透を阻止せしめるための液圧シール材として、耐熱性や耐油性に優れた特別なものを用いなければならず、また、拡管後の冷却に長時間を要することとなり、更には、二重管の製造後に、管内面の脱脂処理が必要となる等によって、製造コストの高騰や製造能率の低下を招来したり、また、拡管作業時の危険性を増大させる等の問題が内在しているのである。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、金属製の外管と内管とが相互に密接、一体化されてなる金属二重管にして、その使用最高温度の高低に大きな影響を受けることなく、優れた伝熱性能を発揮することの出来る、高温下での使用の可能な金属二重管を製造することにあり、また、そのような特徴を有する高温用金属二重管を提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するために、外管と内管とが相互に密接、一体化されてなる、100℃以上の高温下において用いられる熱交換器用伝熱管を製造する方法にして、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きな金属管である銅合金管を前記外管として用い、また線膨張係数の小さな金属管であるチタン管を前記内管として用いて、かかる外管に該内管を嵌合せしめた後、該外管を外部から加熱して、前記熱交換器用伝熱管の使用最高温度よりも10℃以上高い温度に、該外管を維持した状態下において、前記内管内に常温若しくはそれ以下の温度の圧力水を導入して、かかる内管、更には外管を拡管し、それら両管を弾塑性変形特性差を利用して圧着せしめるようにしたことを特徴とする熱交換器用伝熱管の製造方法を、その要旨とするものである。
【0009】
また、本発明は、外管と内管とが相互に密接、一体化されてなる、100℃以上の高温下において用いられる熱交換器用伝熱管を製造する方法にして、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きな金属管である銅合金管を前記外管として用い、また線膨張係数の小さな金属管であるチタン管を前記内管として用いて、かかる外管に該内管を嵌合せしめ、通常の液圧拡管法や抽伸法等による一体化手法にて両管の一体化を行なって得られる一体化管に対して、外部からの加熱操作を施して、その外管部位を、前記熱交換器用伝熱管の使用最高温度よりも10℃以上高い温度に維持した状態下において、前記内管内に常温若しくはそれ以下の温度の圧力水を導入せしめ、該内管内側からの液圧の印加による拡管作用によって、かかる一体化管を構成する内管及び外管を拡管し、それら両管の弾塑性変形特性差を利用して密着性を高めるようにしたことを特徴とする熱交換器用伝熱管の製造方法をも、また、その要旨とするものである。
【0010】
上述の如き本発明に従う高温用金属二重管の製造方法にあっては、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きな金属管を外管として用いる一方、線膨張係数の小さな金属管を内管として用いて、それら外管と内管との嵌合操作の後、両管を一体化せしめるに際して、又は、かかる外管と内管とを互いに嵌合せしめ、更に、通常の金属二重管の製造において用いられている一体化手法により、両管を一体化せしめてなる一体化管に対して、前記所定の加熱操作により、外管乃至は外管部位を、金属二重管の使用最高温度よりも高い温度に維持せしめた状態下において、前述せる如き所定の圧力流体を内管内に導入した拡管操作によって、両管を圧着せしめる、若しくは両管の密着性を高めるところに、大きな特徴がある。
【0011】
すなわち、このような本発明手法に従って、外管(部位)を上記特定の温度に加熱維持した状態下、所定の拡管操作を実施した後においては、必然的に、従来の液圧拡管法の場合と同様、圧力流体の流体圧が除去されると共に、外管及び内管が冷却せしめられることとなるが、かかる流体圧の除去に際しては、両管の弾塑性変形特性の違いに起因して、外管の戻り量(スプリングバック量)が内管のそれを上回ることにより発生する、外管の収縮力によって、両管が良好に圧着せしめられる、若しくは拡管操作前に比してより一層密着せしめられることに加えて、両管の冷却操作によって、外管は、内管の熱収縮量を超えて熱収縮するが、内管はその弾性変形範囲内で更に収縮することとなるところから、先述せる如き流体圧の除去にて得られる外管と内管との密着力が、更に効果的に増大せしめられるのである。
【0012】
そして、かくして得られる本発明に係る金属二重管にあっては、低温下における外管と内管の密着性において、著しく優れるばかりでなく、100℃以上の高温下にあっても、外管の熱膨張に対して、内管が弾性変形により追随することが出来ることにより、両管の界面において、それら両管の熱膨張量の違いによる緩みや隙間の発生が効果的に防止され得る、即ち、良好なる密着性が充分に確保され得るようになるのであって、従って、かかる金属二重管においては、その使用最高温度の高低に大きく影響されることなく、所期の伝熱性能が有効に発揮され得るのである。換言すれば、本発明手法によれば、高温下においても用いられ得る金属二重管を、有利に製造することが出来るのである。
【0013】
加えて、本発明に従う高温用金属二重管の製造方法にあっては、前記所定の拡管操作に際して用いる圧力流体の温度として、二重管使用時の最高温度の如何に拘らず、適宜な温度を採用することが出来るため、かかる圧力流体として適当な温度の圧力水を用いることが可能となるのであり、従って本発明手法によれば、作業安全性を充分に確保しつつ、優れたコスト性及び生産効率において、金属二重管を製造することが可能であるという利点もある。
【0014】
なお、本発明に従う高温用金属二重管の製造方法において、有利には、前記外管として銅合金管が用いられる一方、前記内管としてチタン管が用いられることとなる。これは、上記本発明手法にあっては、特に、このような伝熱性に優れる銅合金製外管と、耐蝕性の良好なチタン製内管とからなる金属二重管の製造に適用される場合において、上述せる各種の効果を、最大限に発揮することが出来るからである。
【0015】
ところで、本発明にあっては、上記の如き本発明に従う製造手法によって製造された、低温及び高温において熱通過率比特性に実質的に変化のない高温用金属二重管をも、その要旨とするものである。
【0016】
そして、この本発明に従う高温用金属二重管にあっては、低温及び高温下の何れにおいても、外管と内管の界面において、高い密着性を達成し得るものであることにより、熱通過率比特性に実質的に変化のないものとなっている、換言すれば、使用最高温度の高低に大きく左右されることなく、良好な伝熱特性を有利に実現し得るものなのであって、それ故に、そのような本発明製品にあっては、従来の火力、原子力等の発電プラントの海水使用熱交換器だけでなく、被冷却媒体の温度が比較的高温となる石油精製等の化学プラントの熱交換器のような、高温下で使用される装置において、それを構成する伝熱管として、有利に用いられ得るのである。
【0017】
【発明の実施の形態】
ところで、上述の如き本発明に従う高温用金属二重管は、弾塑性変形特性の互いに異なる2種類の金属管にて与えられる外管と内管とが相互に密接乃至は密着されて、一体化せしめられてなる二重管構造をもって構成されるものであるが、それは、本発明に従う製造手法に従って形成されることによって、高温(一般に、100℃以上)下においても有利に用いられ得るものとなっている。
【0018】
より詳細には、そのような高温用金属二重管の本発明に従う製造手法の態様の一つ(第一の態様)によれば、前記2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きなものを外管として用いる一方、内管として線膨張係数の小さな金属管を用いて、先ず、その外管に内管を挿入して嵌合せしめた後、外管の温度が、目的とする金属二重管の使用時における最高温度(使用最高温度):Tmax よりも高い温度:TO となるように、該外管を外部から加熱せしめ、そしてそれを維持した状態において、かかる外管に嵌合されてなる内管の内部に所定の圧力流体を供給して、その圧力流体の流体圧に基づくところの拡管圧力を内管内側に加えることにより、従来と同様にして、内管、更には外管を拡管せしめ、以て両管を一体化せしめるのである。
【0019】
すなわち、かかる本発明に従う高温用金属二重管の製造手法の第一の態様において、外管温度を前記特定の温度:TO に維持した状態での拡管操作の後には、通常、従来の液圧拡管法と同様にして、内管内面に掛かる圧力流体の流体圧を除去すると共に、前記温度:TO の外管と内管を冷却せしめることとなるのであるが、そこにおいては、両管の有する弾塑性変形特性の違いにより、かかる除圧に伴う外管の戻り乃至は縮みの大きさ(スプリングバック量)が、内管のそれを上回るようになることから、そのような両管のスプリングバック量の違いに起因して生じる外管の収縮力によって、両管が圧着せしめられ、また、両管の冷却によって、外管は内管に比して大きく収縮するものの、そのような収縮量の差分にあっては、内管の弾性変形範囲内となるところから、外管と内管との密着力が更に高められることとなるのである。
【0020】
而して、かくの如くして得られる金属二重管は、低温下において、外管と内管の界面における密着性を高度に実現することが出来るのみならず、その温度が高くなっても、熱膨張による外管の径変化に追随して、内管が弾性変形することとなるところから、高温下においても、両管の線膨張係数の差に基づく熱膨張量差に起因して、両管の界面において緩み、更には隙間が発生するようなことが有利に防止され得て、密着性が良好に維持され得るという機能を発揮することが出来るのである。
【0021】
要するに、このような第一の態様に従って形成される金属二重管にあっては、使用最高温度の高低に依存することなく、所期の伝熱性能を有効に発揮することが出来る、具体的には、低温及び高温下の何れにおいても、実質的に変化のない熱通過率比を有利に実現し得るのである。なお、本明細書において、熱通過率比とは、対象とする金属二重管の熱通過率:Rd と、かかる金属二重管における外管の構成金属と同じ金属材料からなると共に、該二重管と同様な形状を有する単管の熱通過率:Rs との比(=Rd /Rs )を意図している。
【0022】
ところで、上述の如き本発明に従う製造手法の第一の態様において、外管及び内管としては、先述せる如く、弾塑性変形特性が互いに異なり、且つ線膨張係数が相違する2種類の金属管が用いられることとなるが、それらの選定にあっては、一般に、公知の各種の金属管の中から、目的とする金属二重管の用途やそれに求められる特性等を考慮しつつ、かかる条件を満たすものを選ぶことにより、行なわれる。そして、本発明においては、特に、外管及び内管として、線膨張係数差の大きい銅合金管及びチタン管をそれぞれ使用することが、推奨されるのであり、これによって、上記した本発明の利点を最大限に享受することが出来る他、得られる金属二重管において、伝熱性能と海水等に対する耐蝕性とが、共に高度に発揮され得るのである。なお、外管及び内管の径方向寸法、厚さ及び軸方向長さにあっては、一般に、目的とする金属二重管に要求されるサイズ、特性等に応じて適宜に設定されるものであるが、径方向寸法については、外管と内管の嵌合操作が容易に行なわれ得るように定められることが望ましく、通常、外管の内径寸法は、内管の外径寸法よりも僅かに大きくされる。また、外管の外周面には、必要に応じて、溝乃至はフィンが設けられていても、何等差し支えない。
【0023】
また、このような外管と内管とを用いて、かかる外管内に内管を嵌入してそれら両管を互いに嵌合せしめた後、一体化させるに際して実施する前記外管の加熱操作は、通常の金属管の加熱手法を用いて行なわれ得るものであって、先ず、前記拡管操作に先立って、電気ヒータ等の加熱手段により、外管を、その外部から、目的とする金属二重管の使用最高温度:Tmax よりも高い温度:TO となるまで加熱する一方、その後、拡管操作が終了するまで、更には必要に応じて、該拡管操作後の所定の期間において、温度調整器等を用いて、加熱手段による外管の加熱を調整,制御することにより、外管温度を前記特定の温度:TO で一定に保持せしめることとなる。なお、この加熱操作において採用される加熱保持温度:TO としては、金属二重管の使用最高温度:Tmax よりも高い温度であれば、何等問題はないが、好適には、該使用最高温度:Tmax よりも10℃以上高い温度が、有利に採用されることとなる。
【0024】
さらに、かくの如き外管の加熱により、外管を前記特定温度:TO に維持した状態での拡管は、一般に、通常の液圧拡管法において使用される適当な装置を用いて行なわれ、例えば、外管と内管との界面を液圧シール材にてシールしつつ、内管内に所定の圧力流体を供給して、流体圧を拡管圧力として内管内側から印加せしめることにより、実施されるのである。
【0025】
なお、そのような拡管作業において内管内に導入される圧力流体としては、従来より液圧拡管法において用いられている各種の流体が、有利に採用され得るが、本発明においては、拡管時に用いられる前記液圧シール材の種類を限定することがなく、また、拡管後において、内管内面の脱脂等の処理を何等必要としないという理由から、圧力流体として水を用いることが望ましい。
【0026】
また、拡管時において、内管内面に作用させる拡管圧力としての流体圧は、従来の液圧拡管手法の場合と同様に、内管乃至は外管の径変化量が所定の値となるまで、適度な時間で漸次増加するようにして、変化せしめられるものである。なお、流体圧の最大値を決める内管や外管の拡管変形量は、最終的に得られる金属二重管において所望の密着力が得られるように、両管の有する物性や寸法等に応じて適宜に決定される。
【0027】
さらに、圧力流体の液温としては、本発明では、従来のように金属二重管の使用最高温度に応じた高い温度を採用する必要はなく、適宜な温度が選定され得るが、有利には、常温若しくはそれ以下の温度が、好適に採用される。けだし、このような温度の圧力流体を用いることによって、かかる圧力流体が接触する内管と、前記温度:TO に加熱維持された外管との熱膨張量差が、有利に大ならしめられ得て、それにより、拡管操作による内管の塑性変形量が一段と大きくなるところから、かくの如き拡管操作の後の前記流体圧の除去と両管の冷却によって得られる密着力は、より一層効果的に増大せしめられ得るからである。また、そのような液温の圧力流体を採用すれば、外管と内管の冷却時間を可及的に短くすることが可能となると共に、前記液圧シール材に耐熱性材料を使用する必要がなくなる他、拡管時において、圧力流体が万一漏洩するようなことがあっても、作業者の安全性を阻害するようなことがない等の利点もある。
【0028】
そして、本発明においては、上記の説明からも容易に理解され得るように、圧力流体としては、常温若しくはそれ以下の温度の水を用いることが、特に推奨されるのであり、これによって、設備コストの上昇や作業能率の低下を招くことなく、且つ、作業の安全性を充分に確保して、目的とする金属二重管を製造することが、可能となるのである。
【0029】
更にまた、このような拡管操作の後には、上述せるように、流体圧の除去と外管及び内管の冷却が実施されるが、そのうち、除圧操作は、通常の液圧拡管手法を採用した時と同様にして行なわれる一方、両管の冷却は、そのような除圧操作の開始と同時に、若しくはその間又は終了後において、前記外管の加熱を中止して、自然冷却により、或いは適当な冷却装置を用いて実施されるのであり、これによって、目的とする金属二重管が得られるのである。
【0030】
一方、本発明に従う高温用金属二重管の製造方法の他の一つの態様(第二の態様)によれば、前記弾塑性変形特性の互いに異なる2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きな金属管を外管として用いる一方、線膨張係数の小さな金属管を内管として用いて、かかる外管に内管を挿入して嵌合せしめ、次いで通常の液圧拡管法や抽伸法等の一体化手法にて両管を一体化せしめることにより得られる一体化管を用いて、かかる一体化管を外部から、即ち、その外管部位を外部から加熱することにより、該外管部位の温度を、目的とする金属二重管の使用時における最高温度(使用最高温度):Tmax よりも高い温度:TO ’に保持した状態において、かかる一体化管内(内管内)に所定の圧力流体を導入して、その流体圧を内管の内側から印加せしめることにより、一体化管を拡管せしめることで、所期の性能を発揮し得る金属二重管が形成されることとなる。
【0031】
すなわち、この本発明手法に係る第二の態様にあっては、上記第一の態様のように、拡管操作による外管と内管の一体化を行なうに際して、その外管の加熱を実施するのではなく、予め、両管を常法に従って一体化せしめてなる一体化管に対して、その外管部位を加熱せしめつつ、該一体化管内(内管内)に圧力流体を導入して拡管作用を及ぼすのであるが、そのような一体化管に対する拡管作用の付与の後においても、流体圧の除去と一体化管(両管)の冷却が実施されることから、そこでは、上記第一の態様の場合と同様の作用により、流体圧除去に際して生じる外管部位の収縮力に基づいて、両管の密着性が拡管操作前よりも有利に高められ得、しかも、両管の冷却にて、更に一層の密着性の向上が達成され得るのである。要するに、かくの如き手法に従って形成される金属二重管にあっても、低温下は勿論のこと、高温下でも、外管と内管の界面において高度な密着性が達成され得るところから、熱通過率比といった伝熱特性を広い温度範囲に亘って高度に実現し得るものとなるのである。
【0032】
従って、このような本発明の第二の態様に従う製造手法において、通常の一体化手法により形成され、そして一旦熱交換器等に組み込まれて使用された金属二重管を、前記一体化管として採用すれば、かかる金属二重管において、両管の密着性、ひいては伝熱性能の向上を有利に図ることが可能となるのである。
【0033】
なお、上記本発明に従う高温用金属二重管の製造手法の第二の態様において用いられる一体化管としては、上述の如き弾塑性変形特性が互いに異なると共に、線膨張係数が相違する2種類の金属管を、外管及び内管として用いて、それら両管を相互に嵌合せしめた後、従来から金属二重管の製造において両管の一体化手法として一般的に用いられている各種手法、例えば、圧力流体を用いた液圧拡管法や、ダイスやプラグを用いた縮管引抜,拡管引抜の如き合わせ抽伸法等によって、両管を一体化せしめてなるものの何れもが、有利に採用され得る。また、かかる一体化管を構成する外管及び内管の具体的構成については、上記第一の態様の場合と同様とされる。
【0034】
また、そのような一体化管に対して実施する前記外管部位の加熱操作は、一般に、上記第一の態様と同様にして、適当な加熱手段により、一体化管(外管部位)の外部から加熱せしめて、その外管部位の温度を、目的とする金属二重管の使用最高温度:Tmax よりも高温となる温度:TO ’と為らしめ、更に、温度調整器等にて、その加熱を調整,制御することで、外管部位温度を前記温度:TO ’に維持せしめることにより、行なわれることとなる。因みに、本態様においても、外管部位の加熱維持温度:TO ’は、金属二重管の使用最高温度:Tmax よりも10℃以上高い温度に設定されることが、好ましい。
【0035】
さらに、本発明の第二の態様において、そのような一体化管の加熱維持状態下での拡管操作方法や、そこで用いられる圧力流体の種類、液圧、液温について、更にまた、このような拡管操作の後に行なわれる、流体圧の除去方法や一体化管の冷却方法については、上記第一の態様の場合と同様とされる。
【0036】
このように、本発明手法に係る第一及び第二の態様に従って製造される金属二重管にあっては、その何れもが、使用最高温度に大きな影響を受けることなく、優れた伝熱性能を奏し得るものであることから、高温下での実用的な使用が可能となるのである。従って、そのような本発明製品は、従来の火力、原子力等の発電プラントの熱交換器用伝熱管としてだけでなく、その使用最高温度に係る条件が厳しい石油精製等の化学プラントの熱交換器用伝熱管(冷却管)等として、好適に用いられ得ることとなるのである。
【0037】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0038】
実施例 1
先ず、下記表1に示す寸法諸元、線膨張係数及び0.2%耐力値(σ0.2 )のアルミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871T)と溶接薄肉チタン管(JIS−H4631−TTH270W)を用いて、本発明に従って、外管及び内管が、それぞれ、それらアルミニウム黄銅管及びチタン管にて構成されてなる金属二重管を作製した。具体的には、先ず、外管としてのアルミニウム黄銅管に、内管たるチタン管を嵌合せしめ、次いで、作製する金属二重管の適用対象を、100〜110℃の水蒸気からなる被冷却媒体に晒される熱交換器用伝熱管と想定して、電気ヒータにより、アルミニウム黄銅管を外部から管外面温度が150℃となるまで加熱した後、温度調整器により、かかる外管温度を保持せしめた状態で、公知の液圧拡管装置を用いて、内管内に常温水を圧力流体として導入し、そしてその流体圧を36MPaまで増圧せしめることにより、両管を拡管せしめ、更に、流体圧を除去すると共に、両管を冷却せしめた後、適当な切断作業を行なうことによって、目的とする実施例1の金属二重管(外径:25.4mm×厚さ:1.25mm×長さ:3200mm)を得た。なお、拡管作業終了直後において、管外面温度は、約135℃と、拡管前よりも15℃程度低下していることを、確認した。
【0039】
【0040】
次に、上記で得た金属二重管(実施例1)を用いて、それを、別に準備した該二重管と同一寸法のアルミニウム黄銅管の単管(基準管)と共に、図1に示される如き熱通過率測定装置10内の所定位置に配置した後、装置10に備えられた温水加熱型蒸気発生器12にて発生させた30℃、80℃、110℃の水蒸気に晒す一方、ポンプ14を駆動せしめて、金属二重管及び基準管のそれぞれの管内に冷水を流通せしめることにより、各管の熱通過率を測定した。なお、図1において、その(a)には、使用した熱通過率測定装置(10)の概略構成が一部断面にて示されており、また(b)には、該装置10内における金属二重管及び基準管の配置状態が、かかる(a)におけるB−B断面に相当する断面図にて、示されている。また、図1の(a)において、F,P,Tは、それぞれ、流量計,圧力計,温度計を示している。更に、上記において、30℃、80℃の水蒸気は、熱通過率測定装置10に設けられた真空ポンプ16によって、装置10内を減圧せしめることにより、得た。
【0041】
そして、このようにして得られた各管の熱通過率の値より、金属二重管と基準管の熱通過率比(二重管/基準管)を百分率にて求めて、その結果を下記表2に示した。かかる表2から明らかなように、本発明例としての実施例1の金属二重管にあっては、高温(110℃)下においても、外管と内管との界面に緩みが生じないため、低温の場合と比較して、熱通過率比に変化がないことを認めた。
【0042】
【0043】
比較例 1及び比較例 2
先ず、上記実施例1において使用したものと同様なアルミニウム黄銅管及び溶接薄肉チタン管を、それぞれ外管及び内管として用いて、それら外管と内管を嵌合せしめた後、従来の液圧拡管法に従って、圧力流体として90℃の温水を用いて、その流体圧を40MPaまで増加せしめることにより、両管を拡管圧着せしめ、更に適当な切断作業を行なうことによって、実施例1と同じ寸法形状の金属二重管(比較例1)を作製した。なお、拡管前後の管外面温度は、それぞれ、80℃及び75℃であった。
【0044】
また、比較例1の金属二重管とは別に、上記実施例1で使用したものと同様のアルミニウム黄銅管及び溶接薄肉チタン管を、それぞれ外管及び内管として用い、先ず、それら両管を互いに嵌合せしめ、次いで従来の液圧拡管法に従って、常温水を圧力流体として採用して、その流体圧を45MPaまで増加せしめることにより、両管を拡管圧着せしめた後、更に適当な切断作業を行なうことによって、実施例1と同形状の金属二重管(比較例2)を作製した。なお、拡管時の管外面温度は、33℃であった。
【0045】
そして、実施例1と同様にして、上記で得られた比較例1及び比較例2の金属二重管を、それぞれ用いて、30℃、80℃、110℃の温度の水蒸気を用いた熱通過率測定を行ない、それより、熱通過率比を求めた結果を下記表3(比較例1)及び表4(比較例2)に示すが、かかる表3の結果からも明らかなように、比較例1に係る金属二重管にあっては、その熱通過率比において、蒸気温度が30℃の場合と比べて、拡管時の管外面温度と同等の80℃の場合で3%、更に高温の110℃では32%低下していることを、認めた。一方、下記表4より明らかなように、比較例2の金属二重管にあっては、その熱通過率比において、蒸気温度が30℃の場合と比べて、80℃の場合で29%、更に高温の110℃では31%低下していることを、認めた。
【0046】
【0047】
【0048】
実施例 2
下記表5に示す寸法諸元及び線膨張係数のキュプロニッケル管(JIS−H3300−C7060T)及び溶接薄肉チタン管(JIS−H4631−TTH270W)を、それぞれ外管及び内管材料として用いて、先ず、外管たるキュプロニッケル管内に内管としてのチタン管を挿入して嵌合せしめ、次いで、通常の縮管引抜による合わせ抽伸法を用いて、両管が一体化されてなる一体化管(外径:25.1mm×厚さ:1.25mm)を形成した。
【0049】
次に、かくして得られた一体化管を用いて、本発明に従って、作製する金属二重管の適用対象を、100〜110℃の水蒸気からなる被冷却媒体に晒される熱交換器用伝熱管と想定して、電気ヒータにより、一体化管の外管部位たるキュプロニッケル管を、その外部から管外面温度が130℃になるまで加熱し、昇温終了後、温度調整器にて、かかる外管部位温度を一定に保持せしめたままの状態で、液圧拡管装置を用いて、圧力流体としての常温水を内管内に導入した後、流体圧を37MPaまで増圧せしめることにより、一体化管(両管)の拡管を行なった。なお、拡管終了直後の管外面温度は、約115℃となっており、拡管前よりも15℃程低下していることを、確認した。更に、そのような拡管作業の後、流体圧の除去と一体化管の冷却を実施し、引き続いて適当な切断作業を行なって、目的とする実施例2の金属二重管(外径:25.4mm×厚さ:1.25mm×長さ:18000mm)を得た。
【0050】
【0051】
そして、図1に示される如き熱通過率測定装置10を用いて、30℃及び110℃の温度の水蒸気雰囲気下、上記の如くして得られた金属二重管(実施例2)を更に適当な長さに切断したものと、かかる二重管の切断物と同一寸法の基準管(キュプロニッケル管、Ni含有率:10%)の熱通過率を測定し、そしてその測定結果より熱通過率比を求めて、その結果を下記表6に示した。下記表6の結果からも明らかなように、本発明に従う実施例2に係る金属二重管にあっては、110℃の高温測定時の熱通過率比は、30℃の低温測定時のそれに比して、殆ど低下していないことが、分かる。
【0052】
【0053】
比較例 3
上記実施例2で使用したものと同様なキュプロニッケル管及び溶接薄肉チタン管を、それぞれ外管及び内管として用い、縮管引抜による合わせ抽伸法に従って、両管を一体化せしめた後、適当な切断作業を行なうことによって、実施例2と同じ形状の金属二重管(比較例3)を作製した。次に、得られた比較例3の金属二重管を用いて、実施例2と同様にして、30℃及び110℃の温度の水蒸気を用いた熱通過率測定を行なって、それより、熱通過率比を求めた。その結果を下記表7に示すが、比較例3に係る金属二重管の熱通過率比にあっては、110℃の高温下では、30℃の低温下の場合よりも、31%と大きく低下していることを、認めた。
【0054】
【0055】
実施例 3
先ず、下記表8に示す寸法諸元、線膨張係数及び0.2%耐力値(σ0.2 )のアルミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871T)及び溶接薄肉チタン管(JIS−H4631−TTH270W)を用いて、本発明に従って、外管と内管が、それぞれ、それらアルミニウム黄銅管とチタン管にて構成されてなる金属二重管を作製した。具体的には、先ず、アルミニウム黄銅管にて与えられる外管にチタン管よりなる内管を嵌入して、嵌合せしめた後、作製する金属二重管の適用対象として、130℃の加圧状態のハイドロカーボンに晒される熱交換器用伝熱管を想定し、電気ヒータにより、その外管を外部から管外面温度が150℃となるように加熱せしめ、更に昇温達成の後、温度調整器により、その外管温度を保持せしめたまま、適当な液圧拡管装置を用いて、内管内に常温水からなる圧力流体を供給し、その流体圧を40MPaにまで増圧せしめることで、両管を拡管せしめた。なお、拡管終了直後の管外面温度は、約140℃と、拡管前よりも10℃程度低下していることを、確認した。次いで、流体圧を除去すると共に、外管及び内管を冷却せしめた後、適当な切断作業を行なうことによって、目的とする実施例3の金属二重管(外径:19.05mm×厚さ:1.25mm×長さ:3050mm)を得た。
【0056】
【0057】
上記において得られた金属二重管(実施例3)を用いて、温度が約130℃のハイドロカーボンを被冷却媒体とする熱交換器において、かかる金属二重管の内管内に、海水を管内平均流速:1.0m/sで流通せしめる通水試験を、約4ヶ月間連続して実施する一方、この通水試験の前後において、図1に示される如き熱通過率測定装置10により、30℃の水蒸気を用いて、対象の金属二重管と、それと同一寸法形状のアルミニウム黄銅管からなる基準管の熱通過率を測定し、それより、熱通過率比を求めた結果を、下記表9に示す。かかる表9の結果からも明らかなように、本発明例たる実施例3の金属二重管にあっては、通水試験の後において、熱通過率比の低下は、何等認められなかった。
【0058】
【0059】
比較例 4
上記実施例3で使用したものと同様なアルミニウム黄銅管及び溶接薄肉チタン管を、それぞれ外管及び内管として用いて、それら両管を相互に嵌合せしめた後、従来の液圧拡管法に従って、圧力流体として85℃の温水を用いて、その流体圧を49MPaまで増加せしめることにより、両管を拡管圧着せしめ、そして更に適当な切断作業を行なうことにより、実施例3と同様な形状の金属二重管(比較例4)を作製した。なお、拡管前後の管外面温度は、それぞれ、80℃及び75℃であった。そして、かくの如くして得られた金属二重管を用いて、上記実施例3と同様な通水試験及び熱通過率測定を行なって、それにより、通水試験前後の熱通過率比を求めた。その結果を下記表10に示すが、比較例4の金属二重管にあっては、通水試験後において、試験前よりも35%の熱通過率比の低下が、認められた。
【0060】
【0061】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に従う高温用金属二重管の製造方法にあっては、使用最高温度に大きく影響されない優れた伝熱性能を有する金属二重管を、有利に製造することが出来るのであり、従って、そのような本発明手法によって製造される金属二重管にあっては、高温下での使用が可能となることから、火力、原子力等の発電プラントや各種化学プラントにおける海水使用熱交換器、中でも、使用最高温度に関する条件が過酷なものとなる石油精製プラント等の熱交換器において使用される伝熱管として、有利に用いられ得るのであり、それによって、それらプラントの安定した操業、及び高伝熱性能の維持が可能となり、結果的に、プラント効率の向上にも、大きく寄与することが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、実施例で用いた熱通過率測定装置を一部断面にて示す概略構成図であって、(b)は、(a)におけるB−B断面に相当する断面説明図である。
【符号の説明】
10 熱通過率測定装置
12 蒸気発生器
Claims (3)
- 外管と内管とが相互に密接、一体化されてなる、100℃以上の高温下において用いられる熱交換器用伝熱管を製造する方法にして、
弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きな金属管である銅合金管を前記外管として用い、また線膨張係数の小さな金属管であるチタン管を前記内管として用いて、かかる外管に該内管を嵌合せしめた後、該外管を外部から加熱して、前記熱交換器用伝熱管の使用最高温度よりも10℃以上高い温度に、該外管を維持した状態下において、前記内管内に常温若しくはそれ以下の温度の圧力水を導入して、かかる内管、更には外管を拡管し、それら両管を弾塑性変形特性差を利用して圧着せしめるようにしたことを特徴とする熱交換器用伝熱管の製造方法。 - 外管と内管とが相互に密接、一体化されてなる、100℃以上の高温下において用いられる熱交換器用伝熱管を製造する方法にして、
弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管のうち、線膨張係数の大きな金属管である銅合金管を前記外管として用い、また線膨張係数の小さな金属管であるチタン管を前記内管として用いて、かかる外管に該内管を嵌合せしめ、通常の液圧拡管法や抽伸法等による一体化手法にて両管の一体化を行なって得られる一体化管に対して、外部からの加熱操作を施して、その外管部位を、前記熱交換器用伝熱管の使用最高温度よりも10℃以上高い温度に維持した状態下において、前記内管内に常温若しくはそれ以下の温度の圧力水を導入せしめ、該内管内側からの液圧の印加による拡管作用によって、かかる一体化管を構成する内管及び外管を拡管し、それら両管の弾塑性変形特性差を利用して密着性を高めるようにしたことを特徴とする熱交換器用伝熱管の製造方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の方法によって製造された、低温及び高温において熱通過率比特性に実質的に変化のない熱交換器用伝熱管。
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