JP4877947B2 - リリーフ弁及び燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明はリリーフ弁及びリリーフ弁を備えた燃料電池システムに関する。リリーフ弁とは、流体経路の圧力が所定の圧力値以上になった場合、流体経路内の流体を流体経路外へ放出させることで流体経路の圧力を低下させるものである。
従来のリリーフ弁としては、特許文献1に開示されたリリーフ弁が知られている。特許文献1に開示されたリリーフ弁は、1次圧力ポートと2次圧力ポートと1次圧力ポートと2次圧力ポートとを連通するピストン孔を有するハウジングと、ピストン孔に収容されたピストンと、ピストンを1次圧力ポート側に設けられた弁座に向かって付勢するスプリングとで構成されている。1次圧力ポートに導入される流体の圧力が低いと、ピストンはスプリングの付勢力により弁座と当接し、1次圧力ポートと2次圧力ポートを遮断している。1次圧力ポートに導入される流体の圧力が上昇し、スプリングの付勢力よりピストンにかかる流体の圧力が高くなると、ピストンが弁座から離間する。これにより、1次圧力ポートと2次圧力ポートが連通する。1次圧力ポートと2次圧力ポートが連通すると、1次圧力ポート側の流体が2次圧力ポートから外部に放出され、1次圧力ポート側の流体の圧力が低下する。そのため、1次圧力ポート側の流体からピストンに作用する力よりもスプリングの付勢力が大きくなり、ピストンは弁座に当接して1次圧力ポートと2次圧力ポートを遮断する。これによって、1次圧力ポート側の流体の圧力が上昇し過ぎることが防止される。
特開2005−163861号
特許文献1のリリーフ弁では、1次圧力ポート側の流体の圧力が高くなると、ピストンが弁座から離間する。ピストンが弁座から離れて1次圧力ポート側の流体が外部に流出して圧力が低下すると、ピストンはスプリングの付勢力によって弁座に当接する。そのため、流体経路内の流体の圧力が上昇し続ける場合(例えば、タンク等に貯留されている流体が流体経路に過剰に流出し続ける場合)、ピストンが弁座から離れて流体経路から流体を放出しても(圧力が低下しても)、ピストンが弁座に当接する位置に戻ると再び流体経路内の流体の圧力が上昇してしまう。これによって、ピストンが弁座に当接する状態と弁座から離間する状態とが繰返されてしまう(いわゆる、ハンチングが発生する)。また、異常時にはリリーフ弁の一回の開放で流体経路内の流体の全てを放出することが好ましいが、上述したリリーフ弁では流体経路内の流体の圧力が一旦低下するとピストンは閉じてしまうため、流体経路内の流体を全て放出することができない。
本発明は上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、流体経路内の流体の圧力が上昇して、一旦リリーフ弁が開くと、リリーフ弁を開いた状態に維持することができる技術を提供することである。
本発明のリリーフ弁は、第1の流体が導入される第1圧力室と、第2の流体が導入される第2圧力室と、を有するハウジングと、ハウジング内に収容されると共に第1圧力室と第2圧力室の間に配され、第1圧力室と第2圧力室とを連通する連通孔を有するバルブシートと、ハウジング内に収容され、バルブシートに当接して連通孔を閉じる閉位置と、バルブシートから所定の距離だけ離間して連通孔を開く開位置との間を移動可能に配されたバルブと、バルブを開位置から閉位置に向かって付勢する付勢手段と、バルブが開位置に移動したときにバルブを開位置で保持する保持手段を有する。
保持手段は、ハウジングに設けられたストッパと、バルブに取付けられた保持部材とを有しており、保持部材は、バルブに対して、バルブの移動方向に沿って移動不能に取付けられており、バルブが開位置に移動すると、保持部材がストッパに対してバルブシートと反対側から当接することによって、バルブが開位置に保持される。
このリリーフ弁では、第1圧力室に導入される第1の流体の圧力が所定値より低いと、付勢手段の付勢力によってバルブがバルブシートと当接し、第1圧力室と第2圧力室とが遮断される。第1圧力室に導入される第1の流体の圧力が所定値を超え、バルブに作用する流体の圧力が付勢手段の付勢力よりも大きくなると、バルブがバルブシートから離間し、バルブは閉位置から開位置に向かって移動する。バルブが開位置に移動すると、保持手段によってバルブは開位置に保持される。バルブがバルブシートから離間して第1圧力室と第2圧力室とが連通すると、第1圧力室に導入される第1の流体は連通孔を通過して第2圧力室に流れ、第1圧力室内の流体の圧力が低下する。第1圧力室内の流体の圧力が所定値より低くなっても、保持手段によってバルブが開位置に保持されているため、第1圧力室と第2圧力室は連通された状態まま維持される。これにより、第1圧力室側の流体は第2圧力室に流れ続けることができる。したがって、第1圧力室に流体が流入し続ける場合でもリリーフ弁が開閉を繰返すことが防止され、また、異常時には第1圧力室に接続された流体経路内の流体を全て排出することができる。
上述したリリーフ弁の保持手段は、ハウジングに設けられたストッパと、バルブに取付けられた保持部材とを有しており、バルブが開位置に移動すると保持部材がストッパに当接してバルブを開位置に保持することが好ましい。
この構成では、バルブが閉位置から開位置まで移動すると、バルブがストッパによって機械的に保持される。そのため、リリーフ弁にバルブ位置を制御する制御手段等を備える必要がない。
上記保持部材には、バルブが閉位置から開位置まで移動する際に、第1圧力室から連通孔を通って流れる流体の圧力を受ける受圧面が形成されていることが好ましい。
この構成では、バルブがバルブシートから離間して第1圧力室から連通孔を通って流体が流れると、その流体の圧力が保持部材の受圧面に作用する。保持部材はバルブに取付けられていることから、流体の圧力は保持部材を介してバルブに伝達される。そのため、バルブは速やかに開位置まで移動することができる。
上記リリーフ弁では、ハウジングは、バルブシートの連通孔を通過した流体を第2圧力室に導く流体通路をさらに有することができる。この場合、バルブは、その流体通路内を開位置と閉位置の間を移動可能に配置することができる。そして、保持部材は、バルブの外周部に取付けられた環状の弾性部材であり、バルブが開位置から閉位置まで移動する際に流体通路の壁と接触した状態を維持することが好ましい。
この構成では、保持部材が環状の弾性部材であり、バルブが閉位置から開位置まで移動する間、流体通路の壁と接触した状態を維持する。このため、第1圧力室から連通孔を通って第2圧力室に流れる流体の圧力が保持部材に効果的に作用する。これによって、バルブは速やかに閉位置から開位置に移動することができる。
なお、環状の保持部材は、周方向の少なくとも1箇所が軸方向に傾斜する方向に切断されていることが好ましい。この場合、バルブが開位置に到達すると切断部が開き、これによって、保持部材とストッパが当接するように構成することができる。
また、流体通路の壁には、流体通路内と第2圧力室とを連通する排出口が形成することができる。すなわち、第1圧力室は、バルブシートの連通孔、流体通路及び排出口を介して第2圧力室に連通している。この場合、保持部材は、バルブが閉位置にある場合に、流体通路の排出口を閉じることが好ましい。
この構成では、バルブが閉位置にある場合、バルブシートの連通孔がバルブで閉じられ、流体通路の排出口が保持部材によって閉じられる。このため、第1圧力室内の流体が第2圧力室に流れることをより確実に防止することができる。
また、保持部材は、バルブの外周部に取付けられた環状の弾性部材であってもよい。保持部材に力が付与されていない状態では、保持部材の外径は、ストッパの内径よりも大きく、バルブが閉位置にある状態では、保持部材は、半径方向内側向きの力がストッパから付与されることによって、保持部材の外周面がストッパの内周面に接触した状態でストッパの内側に配置されており、バルブが開位置にある状態では、保持部材は、ストッパの外側に配置されることによって、ストッパからの力が開放された状態でストッパに対してバルブシートと反対側から当接してもよい。

上記リリーフ弁は、ハウジングに着脱可能に取付けられ、ハウジングの第2圧力室の一端を閉じる蓋部材を有することが好ましい。
この構成では、蓋部材を取り外すことで、ハウジング内に収容されたバルブ等に作業を行うことができる。したがって、保持手段によって開位置に保持されたバルブを閉位置に戻すことができ、リリーフ弁を再利用することができる。
上記リリーフ弁は、燃料電池自動車等に用いられる燃料電池システムに使用することができる。
すなわち、本発明の燃料電池システムは、燃料タンクと、燃料タンクから供給される燃料で発電する燃料電池と、燃料タンクと燃料電池とを接続し、燃料タンクから燃料電池に燃料を供給する燃料供給路と、燃料供給路の中間部に取付けられた上述したリリーフ弁によって構成することができる。そして、リリーフ弁の第1圧力室には燃料供給路内の燃料が導入され、リリーフ弁の第2圧力室は大気に開放されている。
この燃料電池システムでは、燃料供給路内の圧力が上昇すると、リリーフ弁が開いて燃料供給路内の燃料が大気に放出される。そのため、燃料電池には所定の圧力以上の燃料が供給されることはなく、燃料電池の故障を防止することができる。また、万が一燃料電池システムに異常が発生しても、リリーフ弁が一旦開くと燃料を燃料供給路から大気に放出し続けるため、燃料電池に昇圧された燃料が供給されることをなくすことができる。
下記の実施例に記載の技術の主要な特徴について列記する。
(形態1) 保持部材は弾性変形率の高い材料(例えば、ゴム)で製作されている。
(形態2) 蓋部材のハウジング側の面は、付勢手段を保持する保持手段を有する。
本発明を具現化した一実施例に係るリリーフ弁10を図面に基づいて説明する。図1はリリーフ弁10の縦断面図である。リリーフ弁10は、ハウジング20と、ハウジング20内に収容されたバルブ50やスプリング53等を備えている。なお、以下においては、説明の便宜上、図1の上下左右をリリーフ弁10の上下左右とする。
ハウジング20は、第1圧力室22と、第1圧力室22の上方に形成された収容室21と、収容室21の左右両側に形成された第2圧力室23を有している。第1圧力室22は、断面円形で、ハウジング20内を上下方向に伸びている。第1圧力室22の図示省略した下端には、流体(例えば、燃料ガス)が流れる流体流路(図示省略)が接続されている。流体流路内を流れる流体は第1圧力室22内に導入され、第1圧力室22内は流体流路を流れる流体で満たされている。このため、第1圧力室22内の流体の圧力は、流体流路を流れる流体の圧力と同一となっている。第1圧力室22の上端は、収容室21に接続されている。
収容室21は、下方から順にバルブシート取付部24、ストッパ取付部29及びバルブ収容部33が設けられている。
バルブシート取付部24は、断面円形の凹所であり、その径は第1圧力室22の径よりも大きくされている。バルブシート取付部24には、樹脂製のバルブシート26が取付けられている。バルブシート26の中央には、バルブシート26を上下方向に貫通する断面円形の連通孔27が形成されている。連通孔27の径は、第1圧力室22の径と同一とされている。連通孔27の上端には、上側に向かうに従って半径方向外側に広がるシール面27a(すなわち、テーパ状のシール面)が形成されている。
バルブシート26は、バルブシート取付部24と略同一の外形を有している。すなわち、バルブシート26の外径はバルブシート取付部24の径と略同一であり、バルブシート26の上下方向の寸法はバルブシート取付部24の高さと略同一となっている。バルブシート26がバルブシート取付部24に取付けられた状態では、バルブシート26の底面26aがバルブシート取付部24の下面24aに当接し、バルブシート26の外周面26bがバルブシート取付部24の縦壁24bに当接する。
なお、バルブシート26の外周面26bとバルブシート取付部24の縦壁24bの間には、Oリング26dが配されている。これによって、第1圧力室22内の流体が、バルブシート26とバルブシート取付部24の接触面の隙間を通って収容室21側に漏れ出ることが防止されている。
ストッパ取付部29は、断面円形の凹所であり、その径はバルブシート取付部24よりも大きくされている。ストッパ取付部29には、金属製のストッパ28が取付けられている。ストッパ28は、ストッパ取付部29の縦壁29aに取付けられる下段部28aと、下段部28aより小さい外径を有する上段部28bで構成されている。下段部28aの内径と上段部28bの内径は同一であり、第1圧力室22の径よりも大きくされている。
下段部28aの外周面には雄ネジ(図示省略)が形成されている。下段部28aの雄ネジは、ストッパ取付部29の縦壁29aに形成された雌ネジ(図示省略)と螺合している。これによって、ストッパ28がストッパ取付部29に取付けられている。ストッパ28がストッパ取付部29に取付けられた状態では、ストッパ28の底面28dがバルブシート26の上面26cと当接する。バルブシート26は、その上面26cがストッパ28の底面28dと当接することで上方向への移動が規制されている。
上段部28bは、下段部28aの上端面から上方に伸び、その全体がバルブ収容部33内に位置している。上段部28bには、内周側から外周側に貫通する排出口28cが形成されている。排出口28cは、第2圧力室23に対応して左右に二箇所設けられている。
バルブ収容部33も、断面円形の凹所であり、その径はストッパ取付部29の径よりも大きくされている。バルブ収容部33には、後で詳述するバルブ50が収容されている。バルブ収容部33の上端は、ハウジング20の上面まで伸びており、ハウジング20の上面に開口している。バルブ収容部33(すなわち、収容室21)の上端の開口は、蓋部材31によって閉じられている。蓋部材31は、ボルト30によってハウジング20に着脱可能となっている。蓋部材31の底面中央には、スプリング53の上端を保持するバネ受け部31aが形成されている。バネ受け部31aは、蓋部材31の底面から下方に突出している。
バルブ収容部33の縦壁33aには、第2圧力室23の一端が接続されている。第2圧力室23は、断面円形で、ハウジング20内を左右方向に伸びている。第2圧力室23は、ストッパ28の排出口28cと対応する位置に設けられている。第2圧力室23の他端は大気に開放されている。したがって、第2圧力室23内には大気が導入され、第2圧力室23内は大気で満たされている。
バルブ50は、ストッパ28の内側で、ストッパ28と同心状に配されている。バルブ50は、弁体51と、弁体51から上方に伸びる円筒部54とを備えている。
弁体51は、下方向に向かって断面が徐々に小さくなる略円錐台形状に形成されている。弁体51の下端の径は、バルブシート26の連通孔27の径よりも小さくされている。弁体51の上端の径は、円筒部54の径と同一であり、バルブシート26の連通孔27の径より大きく、かつ、ストッパ28の内径より小さくされている。弁体51の側面51aの傾斜角度は、バルブシート26のシール面27aの傾斜角度よりも小さくされている。したがって、バルブ50がバルブシート26と当接する状態(図1の状態)では、弁体51の下端が連通孔27内に位置し、弁体51の側面51aがシール面27aと線接触(線シール)している(正確には、弁体51の側面51aとシール面27aは面シールであるが、そのシール面幅が小さくされている)。弁体51とバルブシート26が線接触することによって、シール面圧を高く設定することができる。これによって、スプリング53の荷重を小さく設定することができ、リリーフ弁10の小型化を図ることができる。
円筒部54の中間には、半径方向外向きに中フランジ55が凸設されている。中フランジ55は、円筒部54の外周面を一巡するように形成されている(ただし、中フランジ55は、周方向に断続的に形成してもよい。)。中フランジ55の外径は、ストッパ28の内周面と接触しないように設定されている。また、円筒部54の上端には、半径方向外向きに上フランジ56が凸設されている。上フランジ56も、円筒部54の外周面を一巡するように形成されている(ただし、中フランジ55と同様に、周方向に断続的に形成してもよい。)。上フランジ56の外径は、ストッパ28の上段部28bの外径と略同一とされている。
円筒部54の外周面に形成された中フランジ55と上フランジ56の間にはリング60が嵌め込まれている。リング60が円筒部54に嵌め込まれた状態では、リング60が円筒部54の外周面を一巡している。リング60は、弾性変形率の大きな材料(例えば、ゴム)によって形成されている。リング60は、図2に示すように、略円筒形状に形成されており、外部から圧力が付与されていない状態で、その内径60bは円筒部54の外径と略同一であり、その外径60aはストッパ28の内径よりも若干大きくなるように作製されている。したがって、リング60がストッパ28の内側に位置している状態では、リング60の外周面60aにストッパ28から内向きの力が作用する。また、リング60は、周方向の一箇所で軸方向に傾斜する向きの切断部60cが形成されている。
なお、円筒部54の内部58には、スプリング53を収容する収容空間が形成されており、その底面にはバネ受け面56bが形成されている。
スプリング53は、バルブ50と蓋部材31の間に圧縮された状態で配されている。このため、バルブ50はスプリング53によって下方向に付勢されている。スプリング53は、バルブ50の円筒部54の内部空間に収容されており、その下端は円筒部54の底面に形成されたバネ受け面56bに保持されている。スプリング53の上端は、蓋部材31の下面に形成されたバネ受け部31aに保持されている。
上述したリリーフ弁10の作用について説明する。リリーフ弁10では、スプリング53が圧縮された状態でバルブ50と蓋部材31の間に配されている。このため、第1圧力室22内の流体の圧力が所定値より低いときは、バルブ50の弁体51がバルブシート26のシール面27aに当接し、バルブシート26の連通孔27が閉じられている(図1に示す状態)。このとき、バルブ50の弁体51とバルブシート26のシール面27aが線シールされるため、両者の間が効果的にシールされ、第1圧力室22内の流体が連通孔27から漏れ出ることが防止されている。
バルブ50がバルブシート26と当接する位置(即ち、閉位置)にあると、バルブ50はストッパ28の内部に位置し、リング60の外周面60aがストッパ28の内周面28dに接触し、リング60によってストッパ28の上段部28bに形成された排出口28cが閉じられる。これにより、仮にバルブ50とバルブシート26との隙間から第1圧力室22内の流体が漏れ出たとしても、その流体はリング60で遮断され、流体が第2圧力室23へ流出することを抑制することができる。
第1圧力室22に接続された流体流路内の圧力が上昇すると(すなわち、第1圧力室22内の流体の圧力が上昇すると)、第1圧力室22内の流体によるバルブ50を上向きに押し上げる力がスプリング28の付勢力よりも大きくなる。そのため、バルブ50は、バルブシート26から離れ上昇する(図1に示す状態から上昇する)。
バルブ50が閉位置から上昇すると、第1圧力室22内の流体は、連通孔27を介してストッパ28の内部空間S(詳細には、ストッパ28とバルブ50との間に形成された空間)に流入する。第1圧力室22から内部空間Sに流入した流体は、バルブ50の弁体51の下面にスプリング28の付勢力に抗する方向の力、即ち上向きの力を付与する。また、内部空間Sに流入した流体の圧力は、リング60の下面にも作用する。リング60は弾性変形率の高い材料で形成されているため、内部空間Sに流入した流体の圧力がリング60に作用すると、リング60は上下方向に押し潰されて、リング60の外周面60aはストッパ28の内面と密着する。このため、リング60とストッパ28の接触面から流体が漏れ出ることが抑制される。そのため、リング60には、流体から上向きの圧力が効率的に作用する。これによって、バルブ50は、リング60がストッパ28の排出口28cを開く位置まで速やかに上昇する。
図3は、バルブ50が閉位置から上昇して開位置(図4に図示する位置)に至る途中の状態を示しており、リング60が排出口28cを部分的に開いている。リング60が排出口28cを開く位置までバルブ50が上昇すると、内部空間S内の流体が排出口28cからバルブ収容部21に流れ、バルブ収容部21から第2圧力室23を通って大気中に放出される。これによって、内部空間S内の流体の圧力は低下するが、リング60の外周面60aはストッパ28の内面と密着しているため、内部空間Sの流体圧力の低下が抑えられている。このため、排出口28cが開いた後もバルブ50に作用する流体の圧力の低下が抑制され、バルブ50は開位置までスムーズに上昇することができる。
バルブ50が図3の状態からさらに上昇し、図4に示す開位置に到達すると、リング60の下端がストッパ28の上端よりも上方に位置する。リング60の下端がストッパ28の上端よりも上方に位置すると、リング60は、ストッパ28から作用していた力(リング60の半径方向内側向きの力)から開放される。また、リング60は、周方向の一箇所において軸方向に傾斜する向きに切断されており、この切断面に流体の圧力が作用する。そのため、リング60は半径方向外側に向かって広がる。リング60が半径方向外側に広がると、ストッパ28の内径よりも大きくなる。したがって、バルブ50が閉位置に移動しようとしても、リング60の下面がストッパ28の上面に当接し、リング60の下降を阻止する。バルブ50の上フランジ56は、リング60の上面に引っかかることでバルブ50の下降を止め、バルブ50を開位置に保持することとなる。第1圧力室22内の流体(内部空間S内の流体)が第2圧力室23から放出されると、第1圧力室22内の流体の圧力は徐々に低下する。第1圧力室22内の流体の圧力が低下すると、バルブ50に作用する上向きの力も低下する。バルブ50に作用する上向きの力が低下し、スプリング53による下向きの付勢力の方が高くなると、バルブ50は閉位置に移動しようとする。しかしながら、リング60がストッパ28に当接しているため、バルブ50は閉位置に移動することなく開位置に保持される。
上述したことから明らかなように、本実施例のリリーフ弁10では、バルブ50が開位置まで移動すると、リング60がストッパ28に当接してバルブ50が開位置に保持される。バルブ50が開位置に保持されると、第1圧力室22(即ち、流体経路)内の流体は外部に流出し続ける。したがって、第1圧力室22に接続された流体経路内に流体が過剰に流入し続ける状況であっても、流体経路内の圧力の上昇を防止することができる。
また、バルブ50が一旦開位置に保持されても、ハウジング20から蓋部材31を取り外し、リング60をストッパ28内に戻すことによって、バルブ50を再度閉位置にセットすることができる。したがって、リリーフ弁10は、バルブ50が開位置に保持されても、簡単なメンテナンスをすることで何度でも使用することができる。
次に、上述したリリーフ弁10を燃料電池システムに適用した具体例を図面を参照して説明する。図5は、水素燃料電池自動車に適用される燃料電池システム100の概略構成を示すブロック図である。
燃料電池システム100は、水素タンク101と、水素タンク101から供給される水素で発電する燃料電池102を備える。水素タンク101のガス出口には遮断弁104が配され、遮断弁104と燃料電池102は水素供給路103によって接続されている。水素タンク101は、高圧の水素を貯留している。水素タンク101内の水素は、遮断弁104及び水素供給路103を介して燃料電池102に供給される。燃料電池102は、水素タンク101から供給された水素を用いて発電する。水素供給路103は、その途中で分岐され、分岐された流路の一端にリリーフ弁10が取付けられている。燃料電池システム101では、遮断弁104が開くと、水素タンク101から水素供給路103を介して燃料電池102に水素が供給される。水素供給路103内の水素ガスの圧力が所定値より低いときは、リリーフ弁10のバルブ50は閉位置に位置している。
水素供給路103内の圧力が所定値を超えると(例えば、水素タンク101から過剰な水素が水素供給路103に流出すると)、遮断弁104が閉じられ、水素タンク101からの水素の流出を遮断する。これと同時に、リリーフ弁10のバルブ50がバルブシート26から離間して開位置に移動することで、水素供給路103内の水素を外部へ放出し、燃料電池103に高圧の水素が供給されることを防止する。また、水素供給路103内の水素圧力が上昇し続ける場合でも、リリーフ弁10が開位置に保持されているため、燃料電池102に高圧の水素が供給されることはない。
以上、本発明のいくつかの具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、バルブを開位置に保持する保持手段と、バルブが閉位置から開位置へ移動する際に流体から圧力を受ける受圧手段とを別部材としてもよい。実施例のリリーフ弁10では、リング60が保持手段及び受圧手段として機能していた。しかしながら、図6に示すように、これら保持手段と受圧手段とを別部材としてもよい。図6は、リリーフ弁200のバルブ50が開位置に保持された状態を示している。リリーフ弁200では、バルブに一巡するように取付けられた断面円形状のリング201が受圧面を有する部材となる。リング201は、ゴム等弾性材料で作製されていることが好ましい。また、バルブ50の外周部には保持部材202が取付けられている。保持部材202は、外力が作用しない状態では、図示しないバネ等の付勢手段によってバルブ50の半径方向外向きに広がるようになっている。バルブ50が開位置に移動されると、保持部材202は付勢力によって広がり、ストッパ28の上端に当接することでバルブ50を開位置に保持する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本実施例に係るリリーフ弁のバルブが閉位置にある場合の縦断面図。 同、リングの正面図及び側面図。 同、バルブが閉位置から開位置に移動する途中の縦断面図。 同、バルブが開位置にある場合の縦断面図。 本実施例に係る燃料電池システムの構成ブロック図。 本実施例に係るその他のリリーフ弁の縦断面図。
符号の説明
10:リリーフ弁
20:ケーシング部
22:第1圧力室
23:第2圧力室
26:バルブシート
27:連通孔
28:ストッパ
31:蓋部材
50:バルブ
53:スプリング
60:リング
100:燃料電池システム
103:水素供給路

Claims (8)

  1. 第1の流体が導入される第1圧力室と、第2の流体が導入される第2圧力室と、を有するハウジングと、
    ハウジング内に収容されると共に第1圧力室と第2圧力室の間に配され、第1圧力室と第2圧力室とを連通させる連通孔を有するバルブシートと、
    ハウジング内に収容され、バルブシートに当接して連通孔を閉じる閉位置と、バルブシートから所定の距離だけ離間して連通孔を開く開位置との間を移動可能に配されたバルブと、
    そのバルブを開位置から閉位置に向かって付勢する付勢手段と、
    そのバルブが開位置に移動したときにバルブを開位置で保持する保持手段と、を有しており、
    保持手段は、ハウジングに設けられたストッパと、バルブに取付けられた保持部材とを有しており、
    保持部材は、バルブに対して、バルブの移動方向に沿って移動不能に取付けられており、
    バルブが開位置に移動すると、保持部材がストッパに対してバルブシートと反対側から当接することによって、バルブが開位置に保持される、リリーフ弁。
  2. 保持部材には、バルブが閉位置から開位置まで移動する際に、第1の圧力室から連通孔を通って流れる流体の圧力を受ける受圧面が形成されていることを特徴とする請求項に記載のリリーフ弁。
  3. ハウジングは、バルブシートの連通孔を通過した流体を第2圧力室に導く流体通路をさらに有しており、
    バルブは、その流体通路内を開位置と閉位置の間を移動可能に配置されており、
    保持部材は、バルブの外周部に取付けられた環状の弾性部材であり、バルブが位置から位置まで移動する際に流体通路の壁と接触した状態を維持することを特徴とする請求項2に記載のリリーフ弁。
  4. 流体通路の壁には、流体通路内と第2圧力室とを連通する排出口が形成されており、
    保持部材は、バルブが閉位置にある場合に、流体通路の排出口を閉じることを特徴とする請求項に記載のリリーフ弁。
  5. 保持部材は、バルブの外周部に取付けられた環状の弾性部材であり、
    保持部材に力が付与されていない状態では、保持部材の外径は、ストッパの内径よりも大きく、
    バルブが閉位置にある状態では、保持部材は、半径方向内側向きの力がストッパから付与されることによって、保持部材の外周面がストッパの内周面に接触した状態でストッパの内側に配置されており、
    バルブが開位置にある状態では、保持部材は、ストッパの外側に配置されることによって、ストッパからの力が開放された状態でストッパに対してバルブシートと反対側から当接する、請求項1から4のいずれか一項に記載のリリーフ弁。
  6. 保持部材は、周方向の少なくとも1箇所が軸方向に傾斜する方向に切断されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のリリーフ弁。
  7. ハウジングに着脱可能に取付けられ、ハウジングの第2圧力室の一端を閉じる蓋部材を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のリリーフ弁。
  8. 燃料タンクと、
    燃料タンクから供給される燃料で発電する燃料電池と、
    燃料タンクと燃料電池とを接続し、燃料タンクから燃料電池に燃料を供給する燃料供給路と、
    燃料供給路の中間部に取付けられた請求項1から7のいずれか一項に記載のリリーフ弁と、を有しており、
    リリーフ弁の第1圧力室には燃料供給路内の燃料が導入され、リリーフ弁の第2圧力室は大気に開放されていることを特徴とする燃料電池システム。
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