JP4877896B2 - 樹脂製燃料容器 - Google Patents

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この発明は、液体又は気体の燃料を収容するための燃料容器、特に多層樹脂構造体によって構成された樹脂製燃料容器に関する。
図7は、この発明の対象である樹脂製燃料容器の一例としてのガソリンタンクのタンク本体1を示す。このタンク本体1は、図8に示す多層樹脂構造体2によって構成されている。多層樹脂構造体2は、タンク本体1の内側から外側に向かって順次配置された内層2a、バリア層2b及び外層2cを有している。内層2a及び外層2cは、タンク本体1の剛性及び/又は靭性(機械的強度)を確保するためのものであり、バリア層2bより弾性係数及び/又は靭性(以下、樹脂強度という。)が高い樹脂、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)によって構成されている。一方、バリア層2bは、タンク本体1内のガソリンが多層樹脂構造体2を透過してタンク本体1の外部に気体となって漏出するのを防止するためのものであり、ガソリン等の燃料に対する透過阻止製が高い樹脂、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)によって構成されている。内層2aとバリア層2bとは、接着剤2dによって接着固定され、バリア層2bと外層2cとは接着剤2eによって接着固定されている。
上記タンク本体1は、三次元中空成形法(例えばブロー成形法)によって製造されている。ブロー成形法は、周知のように、まず図9において想像線で示すパリソン3を成形した後、そのパリソン3を一対の金型K1,K2によって挟み付ける。その状態でパリソン3内に加圧空気を導入することによってパリソン3を金型K1,K2の内面に押し付ける。これにより、内部に燃料を収容する収容空間(この空間は、最終的に密閉空間になる。)を有するタンク本体1を成形するものである。
タンク本体1をブロー成形した場合には、パリソン3のうち、金型K1,K2の上下の端部によって挟持された部分がピンチオフ部3aになり、金型K1,K2から外側に突出した部分がバリ3bになる。バリ3bは、成形完了後に切除されるが、ピンチオフ部3aは、タンク本体1の外面に残る(図7参照)。ピンチオフ部3aは、多層樹脂構造体2,2を外側に突出させ、それぞれの内層2a,2aどうしを互いに溶着ないしは融着(この発明においては両者を合わせて溶着と称する。)することによって形成されている。したがって、ピンチオフ部3aは、図10に示すように、互いに溶着されて一体化した内層2a,2a、この内層2a,2aの外側に存するバリア層2b,2b及びバリア層2b,2bの外側に存する外層2c,2cによって構成されている。なお、図8においては、接着剤2d,2eが省略されている。
ピンチオフ部3aにおいては、バリア層2b,2bがそれらの間に存在する内層2a,2aによってタンク本体1の周方向に互いに離間させられておりその離間した部分がバリア層2b,2bの不連続部になっている。このような不連続部が形成されると、タンク本体1内のガソリンが不連続部を通って、つまりバリア層2b,2b間に存在する内層2a,2aを透過してタンク本体1から外部に漏出してしまう。
バリア層2b,2b間の不連続部からのガソリンの漏出をできる限り少なくするために、下記特許文献1に記載のものにおいては、ピンチオフ部3aの先端部の幅を狭くし、それによってピンチオフ部3aの先端面におけるバリア層2b,2b間の間隔W、つまり不連続部の間隔Wを狭くしている。このようにすると、ガソリンの透過通路となる内層2a,2aの断面積が小さくなり、その分だけガソリンの透過量を少なくし、ひいては漏出量を少なくすることができるからである。
特開2001−97053
上記特許文献1に記載のものにおいては、ピンチオフ部3aにおけるバリア層2bの不連続部の間隔Wをいかに狭くしたとしても、不連続部が現実に存在している。したがって、ピンチオフ部3aからガソリンの漏出量を少なくすることができるものの、未だ十分なものとは言い難かった。そこで、ガソリンの漏出量のより一層の低減が望まれていた。
また、図7及び図11に示すように、タンク本体1には多層樹脂構成体2を貫通する貫通孔1aが形成される。この貫通孔1aが形成されることにより、タンク本体1にバリア層2bが連続しない不連続部が形成される。ここで、貫通孔1a自体は、そこに挿入固定された燃料部品Bによって遮蔽されるが、燃料タンク1内のガソリンは、図11において矢印で示すように、貫通孔1aの内周面と燃料部品Bの外周面との間を通り、貫通孔1aに臨む外層2cに入り込む。そして、外層2cを透過してタンク本体1の外部に気体となって漏出する。そこで、貫通孔1aが形成されることに伴う燃料の漏出についても低減することが要望されていた。
上記の問題を解決するために、この発明の第1の態様は、燃料に対する透過阻止性が高い樹脂からなるバリア層、及びこのバリア層を構成する樹脂より樹脂強度が高い樹脂からなり、上記バリア層の外側に積層された外層を有する多層樹脂構造体により、内部に上記燃料を収容する収容空間が形成された容器本体を備え、上記容器本体の一部に上記バリア層の不連続部が形成された樹脂製燃料容器において、上記容器本体の外面に、上記不連続部を囲むように環状に延びる突出部が形成され、この突出部とその内部に位置する上記容器本体の外面とによって収容凹部が形成され、この収容凹部内に上記燃料に対する透過阻止性が高い材料からなる被覆部が設けられ、この被覆部によって上記収容凹部の底面をなす上記容器本体の外面が被覆され、上記収容凹部の底面をなす上記容器本体の外面のうち 、上記突出部に隣接する部位に、上記外層を貫通して上記バリア層に達する溝部が環状に 形成され、上記溝部が上記不連続部を囲むように配置され、上記溝部に上記被覆部を構成 する材料が充填されていることを特徴としている。
また、上記の問題を解決するために、この発明の第2の態様は、燃料に対する透過阻止性が高い材料からなるバリア層、並びにこのバリア層を構成する樹脂より樹脂強度が高い樹脂からなり、上記バリア層の内側と外側とにそれぞれ積層された内層及び外層を有する多層樹脂構造体により、内部に上記燃料を収容する収容空間が形成された容器本体を備え、上記容器本体の外面に上記多層樹脂構造体の内層どうしが溶着されることにより、上記容器本体の外面から突出する突条の形態をなすピンチオフ部が形成された樹脂製燃料容器において、上記容器本体の外面に上記ピンチオフ部を囲むように環状に延びる突出部が形成され、上記突出部とこの突出部の内部に位置する上記容器本体の外面とにより、内部に上記ピンチオフ部を収容する収容凹部が形成され、この収容凹部内に上記燃料に対する透過阻止性が高い材料からなる被覆部が設けられ、この被覆部内に上記ピンチオフ部が埋設されていることを特徴としている。
この場合、上記容器本体の外面からの上記突出部の高さが上記ピンチオフ部の高さより高く設定されていることが望ましい。
上記特徴構成を有する第1の態様に係る発明によれば、容器本体の収容空間に収容されたガソリン等の燃料は、バリア層の不連続部を通過した後、外層に浸透する。そして、外層を透過してその外面から容器本体の外部に気体となって漏出しようとする。しかるに、この発明においては、不連続部を囲む突出部の内側に存在する容器本体の外面が燃料に対する透過阻止性が高い材料からなる被覆部によって被覆されているから、外層に浸透した燃料は、被覆部によって被覆された範囲内においては外層の外面から外部に漏出することができず、被覆部による被覆範囲の外側に達するまで外部に漏出することができない。つまり、不連続部を囲む突出部内に被覆部が設けられることにより、燃料が外層内を透過して外部に漏出するまでの透過経路長が長くなる。この結果、燃料の漏出量が減少するのである。
また上記特徴構成を有する第2の態様に係る発明によれば、被覆部内にピンチオフ部が埋没しているから、ピンチオフ部の先端面におけるバリア層の不連続部が被覆部によって覆われる。したがって、ピンチオフ部から燃料が漏出することをほとんど阻止することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、図7に示すタンク本体(容器本体)1にこの発明を適用したものである。そこで、タンク本体1及びタンク本体1を構成する多層樹脂構造体2の構成についてはその説明を省略する。勿論、この発明はタンク本体1以外の他の樹脂製燃料容器の容器本体にも適用可能である。また、多層樹脂構造体に関しても、第1の態様に係る発明の場合にはバリア層2a及び外層2cを有するという条件を満たす限り、また第2の態様に係る発明の場合にはバリア層2b、内層2a及び外層2cを有するという条件を満たす限り、多層樹脂構造体2以外の他の多層樹脂構造体を用いてもよい。
図1は、第1の態様に係る発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態においては、上記タンク本体1に貫通孔1aが形成されている。この貫通孔1aの内部がバリア層2bの不連続部になっている。貫通孔1aには、バルブ等の燃料部品3が貫通状態で挿入されている。燃料部品3は、高密度ポリエチレン等の機械的強度が高い樹脂からなるものであり、燃料部品3の外側の一部は貫通孔1aからタンク本体1の外部に突出している。タンク本体1の外部に突出した燃料部品3のうち、タンク本体1近傍の外周面には、フランジ部3aが形成されている。このフランジ部3aのタンク本体1の外面と対向する面には、環状突出部3bが形成されている。この環状突出部3bは、貫通孔1aより大径に形成されており、貫通孔1aの開口部を囲うように配置されている。そして、環状突出部3bの先端面がタンク本体1の外面に溶着又は接着等の手段によって固着されている。これよって、燃料部品3がタンク本体1に固定されている。勿論、燃料部品3は、他の固定手段、例えばビス等によってタンク本体1に固定してもよい。燃料部品3がタンク本体1に固定された状態においては、貫通孔1aの外側の開口部が燃料部品3によって遮蔽されている。燃料部品3の貫通孔1aから外部に突出した部分のうちの所定の範囲、すなわちフランジ部3aの外周面の中間部から外側の範囲には、ポリアミド樹脂等の燃料に対する透過阻止性が高い樹脂からなる被覆層3cが設けられている。
タンク本体1の外面(外層2cの外面)には、突出部1bが形成されている。突出部1bは、環状に延びており、その内部に燃料部品3のフランジ部3aを収容している。したがって、突出部1bは、貫通孔1aの外側の開口部を囲っている。この結果、タンク本体1の外面には、突出部1bと、燃料部品3のフランジ部3a及び環状突出部3bと、それらの間に位置するタンク本体1の外面とにより、貫通孔1aを囲むリング状の収容凹部4が区画形成されている。
収容凹部4内には、ガソリン等の燃料に対する透過阻止性が高い樹脂(材料)からなる被覆部5が設けられている。被覆部5を構成する樹脂としては、例えば6ナイロン等のポリアミド系樹脂、シアノアクリレート等のアクリレート系樹脂、ヒドリン・ビスフェノールA共重合体等のエポキシ系樹脂、メタキシレンジアミン・アジピン酸共重合体等の芳香族系樹脂、テトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のポリオール系樹脂が用いられる。また、被覆部5は、例えばそれらの樹脂を溶融状態で収容凹部4内に充填した後、固化させることによって形成することができる。この被覆部5は、突出部1bの収容凹部4に臨む面、燃料部品3のフランジ部3a、環状突出部3b及び被覆層3cのうちのフランジ部3aを覆う部分の各外周面、並びに収容凹部4に臨むタンク本体1の外面を被覆している。
収容凹部4臨むタンク本体1の外面には、微小な凹凸や絞(いずれも図示せず)が形成されている。これにより、当該外面が粗面とされ、タンク本体1の外面に対する被覆部5の付着性の向上が図られている。
上記のように構成されたタンク本体(容器本体)1を有するガソリンタンク(樹脂製燃料容器)において、仮に被覆部5が形成されていないと、タンク本体1内の収容空間に収容されたガソリン(燃料)は、図1において破線で示すように、貫通孔1aの内周面と燃料部品3の外周面との間を通り、燃料部品3のフランジ部3a及び環状突出部3bを透過し、あるいは外層2c内を透過してタンク本体1の外部に漏出しようとする。しかるに、このタンク本体1においては、フランジ部3a及び環状突出部3bの外周面が被覆部5によって覆われているので、それらの外周面からガソリンが漏出することはほとんどない。また、貫通孔1a近傍におけるタンク本体1の外面が被覆部5によって覆われているので、貫通孔1a近傍におけるタンク本体1の外面からガソリンが漏出することがほとんどなく、図1において実線で示すように、ガソリンは外層2c内を突出部1bより外側まで浸透した後でなければタンク本体1の外面から外部に漏出することがない。この結果、外層2cを透過して外部に漏出する際のガソリンの経路長が長くなる。したがって、外層2cを透過して外部に漏出するガソリンの量を大幅に減らすことができる。
なお、燃料部品3が金属等の燃料が透過しない材料で構成されている場合には、燃料が燃料部品3内を透過して外部に漏出することに関しては全く考慮する必要がない。
図2は、第1の態様に係る発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態においては、収容凹部4に臨むタンク本体1の外面に溝部1cが形成されている。この溝部1cは、突出部1bに沿って環状に延びており、貫通孔1aを囲っている。しかも、溝部1cは、外層2cを貫通してバリア層2bに達している。この溝部1cにも、被覆部5を構成する樹脂が充填されている。換言すれば、溝部1c内の樹脂も被覆部5の一部を構成している。その他の構成は、図1に示す実施の形態と同様である。
この実施の形態のタンク本体1によれば、外層2c内を突出部1bより外側まで透過しようとするガソリンは、溝部1cに充填された樹脂によってほとんど止められる。したがって、ガソリンが外層2を透過して外部に漏出することがほとんど阻止される。よって、ガソリンの漏出量を第1実施の形態に比してより一層確実に減らすことができる。また、溝部1c内に被覆部5の一部を構成する樹脂が充填されることにより、被覆部5とタンク本体1との接合強度を向上させることができる。
図3は、第1の態様に係る発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態においては、収容凹部4に被覆部5に代わる被覆部5Aが設けられている。被覆部5Aは、母材5aとこの母材5aに分散配置された多数のバリア体5bとから構成されている。母材5aは、例えば、ポリエチレン等の樹脂又はブタジエンゴム系接着剤等の安価な材料によって構成されている。一方、バリア体5bは、燃料に対する透過阻止性が高い材料によって構成されている。そのような材料としては、ポリアミド系樹脂やエチレンービニルアルコール共重合体等の樹脂、あるいは雲母、ガラス繊維、石英、無機珪酸塩等の異方性無機物質がある。バリア体5bは、層状をなしており、収容凹部4に臨むタンク本体1の外面とほぼ平行に指向した状態で分散配置されている。しかも、バリア体5bは、被覆部5をタンク本体1の内外方向(突出部1bの高さ方向)に見たとき、互いの一部が重なり合うように配置されている。その他の構成は、図1に示す実施の形態と同様である。なお、収容凹部4に被覆部5Aを設けるという構成は、図2に示す実施の形態に対しても適用可能である。
この実施の形態のタンク本体1によれば、収容凹部4に臨むタンク本体1の外面から漏れ出る燃料は、被覆部5Aの母材5a内を透過して外部に出ようとする。このとき、バリア体5bが燃料に対する透過阻止性の高い材料によって構成されているので、燃料は、母材5a中を直線的に透過することができず、バリア体5bを迂回しながら透過する。したがって、母材5aの厚さが実際の厚さより大幅に厚くなったような状況になり、母材5a中を透過する燃料の透過経路長が長くなる。よって、燃料の漏出を低減することができる。
図4は、第2の態様に係る発明の第1実施の形態を示す。この実施の形態は、タンク本体1のピンチオフ部3aからガソリンが外部に漏出するのを防止するようにしたものであり、タンク本体1の外面には、ピンチオフ部3aを囲むようにして環状に延びる突出部1bが形成されている。この突出部1bの高さ、つまりタンク本体1の外面からの突出部1bの高さは、ピンチオフ部3aより高くなっている。突出部1bとその内部に存在するタンク本体1の外面とによって収容凹部4が区画されている。この収容凹部4内の中央部にピンチオフ部3aが収容されている。
収容凹部4の内部には、図1に示す実施の形態において述べた樹脂を充填して固化させることにより被覆部5が設けられている。この被覆部5の内部にピンチオフ部3aが埋没されている。特に、この実施の形態では、突出部3bの高さがピンチオフ部より高い上に、被覆部5が突出部3bより若干高くなっているので、ピンチオフ部3aは、被覆部5内により一層深く埋没されている。これにより、被覆部5のうちの、ピンチオフ部3aの先端面(図4において上端面)を覆う部分の厚さが厚くされている。
収容凹部4を区画するタンク本体1の外面には、ピンチオフ部3aより高さが低く、かつ幅が狭い突条1dが多数形成されている。突条1dは、突出部1bとピンチオフ部3aとの間をピンチオフ部3aと交差ないしは直交する方向に延びている。このような多数の突条1dが形成されることにより、収容凹部4を区画するタンク本体1の外面が凹凸状に形成され、それによってタンク本体1の外面に対する被覆部5の接合強度の向上が図られている。被覆部5の接合強度の向上は、前述したように、タンク本体の外面を粗面とすることによって達成してもよい。
上記構成のタンク本体1においては、ピンチオフ部3aの先端面が被覆部5によって覆われているので、タンク本体1内のガソリンがピンチオフ部3aの先端面に露出する内層2a、つまりバリア層2b,2b間の不連続部に存在する内層2aを透過して外部に漏出することを防止することができる。
図5は、第2の態様に係る発明の第2実施の形態を示す。この実施の形態においては、被覆部5のタンク本体1に対する接合強度を向上させるために、突条1dに代えて溝部1eが形成されている。この溝部1eは、ピンチオフ部3aを囲むよう、突出部1bに沿って環状に形成されている。溝部1e内には、被覆部5の一部を構成する樹脂が充填されている。溝部1eは、外層2cを貫通してバリア層2bに達しているが、外層2cの厚さ方向(図5において上下方向)における中間部において止めてもよい。その他の構成は、図4に示す実施の形態と同様である。
図6は、第2の態様に係る発明の第3実施の形態を示す。この実施の形態は、図4に示す実施の形態の変形例であり、収容凹部4内に被覆部5に代わる被覆部5Aが設けられている。被覆部5Aは、図3に示す実施の形態の被覆部5Aと同一構造を有しており、母材5aとバリア体5bとから構成されている。勿論、バリア体5bは、収容凹部4に臨むタンク本体1の外面とほぼ平行な方向に指向した状態で分散配置されている。被覆部5Aを用いることは、図5に示す実施の形態に適用してもよい。
第1の態様に係る発明の第1実施の形態の要部を示す断面図である。 第1の態様に係る発明の第2実施の形態の要部を示す断面図である。 第1の態様に係る発明の第3実施の形態の要部を示す断面図である。 第2の態様に係る発明の第1実施の形態の要部を示す断面図である。 第2の態様に係る発明の第2実施の形態の要部を示す断面図である。 第2の態様に係る発明の第3実施の形態の要部を示す断面図である。 この発明の対象となる燃料容器の一例としてのガソリンタンクのタンク本体を示す斜視図である。 図7に示すタンク本体を構成する積層樹脂構造体の一例を示す拡大断面図である。 図7に示すタンク本体をブロー成形する際の概略構成を示す図である。 ブロー成形されたタンク本体に形成されるピンチオフ部の拡大断面図である。 燃料部品が装着される貫通孔が形成されたタンク本体から燃料が外部に漏れる状況を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 タンク本体(容器本体)
1a 貫通孔
1b 突出部
1c 溝部
2 多層樹脂構造体
2a 内層
2b バリア層
2c 外層
3 燃料部品
4 収容凹部
5 被覆部
5A 被覆部

Claims (3)

  1. 燃料に対する透過阻止性が高い樹脂からなるバリア層、及びこのバリア層を構成する樹脂より樹脂強度が高い樹脂からなり、上記バリア層の外側に積層された外層を有する多層樹脂構造体により、内部に上記燃料を収容する収容空間が形成された容器本体を備え、上記容器本体の一部に上記バリア層の不連続部が形成された樹脂製燃料容器において、
    上記容器本体の外面に、上記不連続部を囲むように環状に延びる突出部が形成され、この突出部とその内部に位置する上記容器本体の外面とによって収容凹部が形成され、この収容凹部内に上記燃料に対する透過阻止性が高い材料からなる被覆部が設けられ、この被覆部によって上記収容凹部の底面をなす上記容器本体の外面が被覆され、
    上記収容凹部の底面をなす上記容器本体の外面のうち、上記突出部に隣接する部位に、上 記外層を貫通して上記バリア層に達する溝部が環状に形成され、上記溝部が上記不連続部 を囲むように配置され、上記溝部に上記被覆部を構成する材料が充填されていることを特徴とする樹脂製燃料容器。
  2. 燃料に対する透過阻止性が高い材料からなるバリア層、並びにこのバリア層を構成する樹脂より樹脂強度が高い樹脂からなり、上記バリア層の内側と外側とにそれぞれ積層された内層及び外層を有する多層樹脂構造体により、内部に上記燃料を収容する収容空間が形成された容器本体を備え、上記容器本体の外面に上記多層樹脂構造体の内層どうしが溶着されることにより、上記容器本体の外面から突出する突条の形態をなすピンチオフ部が形成された樹脂製燃料容器において、
    上記容器本体の外面に上記ピンチオフ部を囲むように環状に延びる突出部が形成され、上記突出部とこの突出部の内部に位置する上記容器本体の外面とにより、内部に上記ピンチオフ部を収容する収容凹部が形成され、この収容凹部内に上記燃料に対する透過阻止性が高い材料からなる被覆部が設けられ、この被覆部内に上記ピンチオフ部が埋設されていることを特徴とする樹脂製燃料容器。
  3. 上記容器本体の外面からの上記突出部の高さが上記ピンチオフ部の高さより高く設定されていることを特徴とする請求項に記載の樹脂製燃料容器。
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