JP4877369B2 - ポンプ - Google Patents
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また、流体の粘性抵抗を利用して一方向への流れを生じさせるポンプ構成として、出口流路に弁を備え、その弁の開弁時には入口流路が出口流路よりも大きい流体抵抗を有するようにした構成のものがある。(例えば特許文献2参照)
さらに、弁部に可動部品を使わず、ポンプの信頼性を向上させるポンプ構成として、入口流路、出口流路ともに圧力降下が流れの方向によって異なる流路形状をした圧縮構成要素を備えた構成のものがある。(例えば特許文献3及び非特許文献1参照)
特許文献2の構成では、ポンプ吐出行程時に入口流路に生じる逆流を少なくするために、入口側流路の流体抵抗を大きくする必要がある。すると、ポンプ吸入行程では、その流体抵抗に逆らって流体をポンプ室内へ導入するために、吐出行程に比べ吸入行程がかなり長くなる。従って、ポンプの吐出吸入サイクルの周波数はかなり低くなってしまう。
また、本願の請求項8記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載のポンプにおいて、前記下流側負荷圧力値を検出する負荷圧力検出手段をさらに備え、前記下流側負荷圧力値は、前記負荷圧力検出手段の測定値である。
また、本願の請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の何れか1項に記載のポンプにおいて、前記入口流路の合成イナータンス値は前記出口流路の合成イナータンス値よりも小さい。
また、本願の請求項11記載の発明は、請求項1乃至10の何れか1項に記載のポンプにおいて、前記駆動手段は、前記ポンプ室内部の圧力が概略吸入側圧力よりも低下している時に、前記可動壁が前記ポンプ室の容積増大の方向へ変位する行程のほぼ全行程を運動するよう前記アクチュエータを駆動するようにしている。
また、本願の請求項13記載の発明は、請求項1乃至11の何れか1項に記載のポンプにおいて、前記アクチュエータは、超磁歪素子である。
先ず、本発明に係わるポンプの第1実施形態の構造について図1で説明する。図1は、本発明のポンプの縦断面を示している。円筒形状のケース7の底部に円形のダイヤフラム5を配置している。ダイヤフラム5は、外周緑がケース7に固定支持されて弾性変形自在となっている。ダイヤフラム5の底面には、ダイヤフラム5を動かすためのアクチュエータとして、図面の上下方向に伸縮する圧電素子6が配置されている。
つまりイナータンス値Lとは、単位圧力が流量の時間変化に与える影響度合を示しており、イナータンス値Lが大きいほど流量の時間変化が小さく、イナータンス値Lが小さいほど流量の時間変化が大きくなる。
また、ここで言う入口流路とは、ポンプ室3内から入口接続管8の流体流入側端面までの流路のことを言う。ただし、管路の途中に脈動吸収手段が接続されている場合は、ポンプ室3内から脈動吸収手段との接続部までの流路のことを言う。さらに、複数のポンプの入口流路1が合流している場合は、ポンプ室3内から合流部までの流路のことを言う。出口流路についても同様である。
以上の記号と、動作流体の密度ρを用いて、入口流路1、出口流路2のイナータンス関係を説明する。
また、機械的開閉弁は吸入側のみに配置すれば良いため、弁による流量減少を減らすとともに信頼性も高くなる。
図2には、ポンプを運転したときの、ダイヤフラム5の変位の波形W1、ポンプ室3の内圧の波形W2、出口流路2を通過する流体の体積速度(出口管路の断面積×流体の流速であり、この場合は流量と等しい量。)の波形W3、逆止弁4を通過する流体の体積速度の波形W4を示している。また、図2に示している負荷圧力Pfuは、出口流量2より下流側位置の流体圧力であり、吸入側圧力Pkyは、入口流路1より上流側の流体圧力である。
そして、約4.5μm変位した平坦な波形区間が、ダイヤフラム5の到達変位位置、即ち、ポンプ室3の容積が最小となるダイヤフラム5の変位位置である。
排除流体の体積速度 − 出口流路2の流体の体積速度 > 0
の関係を有しているので、その分ポンプ室3内の流体が圧縮され、ポンプ室3内の圧力が上昇し、この時刻より後では、
排除流体の体積速度 − 出口流路2の流体の体積速度 < 0
の関係を有しているので、その分ポンプ室3内の流体の圧縮量が減少し、ポンプ室3内の圧力は降下するからである。
ΔV = ダイヤフラムによる排除流体体積 + 吸入流体体積 − 吐出流体体積と流体の圧縮率との関係に従って変化する。したがって、ポンプ室3の容積が減少している過程であっても、負荷圧力Pfuよりもポンプ室3内の圧力が低下する場合もある。
さらに、図2の場合では、ポンプ室3内圧力が吸入側圧力Pkyよりも低下し、絶対0気圧に近づいたところで、動作流体中に溶けていた成分がガス化して気泡となるエアレーションやキャビテーンヨンが起こり、絶対0気圧付近で飽和している。ただし、ポンプを含んだ流路系全体が加圧され吸入側圧力Pkyも十分に高い場合は、エアレーションやキャビテーションは発生しない場合もある。
ポンプ室3内圧力と負荷圧力Pfuとの差圧をΔPout、出口流路2での流体抵抗をRout、イナータンスをLout、流体の体積速度をQoutとおくと、出口流路2内の流体には、
そして、一周期分の波形W4で示されている流体の体積速度を積分した値が、一周期当たりの吸入流体体積である。そして、この吸入流体体積は、波形W3で算出した吐出流体体積と等しい。
一方、図3は、圧電素子の変位量は等しいものの、ポンプ室の容積を減少させる方向への変位時間が長く、ポンプ室の内圧が十分に上昇しない場合の各波形を示してある(W1:ポンプを運転したときのダイヤフラムの変位の波形、W2:ポンプ室の内圧の波形)。
ポンプ室3内の圧力は、前述の通り、ポンプ室3内の流体の体積変化と流体の圧縮率との関係従って変化するため、排除体積と吸入流体体積との和より吐出流体体積が大きい場合、ポンプ室3の容積が減少している過程であってもポンプ室3内の圧力が低下することが起こり得る。そして、ダイヤフラム5のポンプ室容積減少行程の変位速度によって、このポンプ室内の圧力低下量が変わる。
また、ポンプ室3内圧力の最大値が、負荷圧力の2倍から吸入側圧力を引いた値以上となるように、ダイヤフラム5を駆動しても良い。図3のW2はその条件ぎりぎりの圧力状態を示している。
特に、ポンプ室3内圧力の最大値が負荷圧力の2倍以上の値となるようにダイヤフラム5を駆動することによって、ポンプ室3内部の圧力を吸入側圧力よりも確実に低下させることができ、ポンプ室3内圧力はしばらく吸入側圧力よりも低く保たれ、入口流路より流体を吸入できるようになる。
さらに、ポンプ室3内圧力を吸入側圧力以下に低下している間にポンプ室容積増大行程を行えば、ダイヤフラム5の変位量のほぼ全てをポンプ内部の圧力を吸入側圧力よりも低く保ちポンプ室内に流体を吸入することに利用でき、アクチュエータの限られた変位量を有効に活用して流量増大を図ることができる。
その際、ダイヤフラム5のポンプ室容積減少行程の変位速度によっては、ダイヤフラムをポンプ室容積減少方向に動かして到達変位位置で停止させているだけで、ダイヤフラム運動1周期のうちポンプ内部の圧力が吸入側圧力よりも低下している時間が60%以上となり、その間ポンプ室内に入口流路から流体を吸入させることができる。
ここで、イナータンスの定義式を時間積分すると、
図3で説明したように、ポンプ室3の圧力は、負荷圧力Pfuを中心にポンプ室3と出口流路2との内部にある流体の固有振動周期で振動するため、ポンプ室3の圧力が負荷圧力Pfu以上となっている期間は、ポンプ室3と出口流路2との内部にある流体の固有振動周期の略1/2である。
第2実施形態を示す図6は、圧電素子6の駆動制御を行う駆動手段20のブロック図である。
駆動手段20は、トリガー信号を発生するトリガー発生回路22と、電圧増幅アンプ回路24と、変位制御手段26とで構成されている。
変位制御手段26は、トリガー信号を受けると一周期分の電圧波形を出力するものである。そして、出口流路2やポンプ室3を含むポンプ内に配置した圧力センサ(ポンプ圧力検出手段)28の検出値に基づいて、ダイヤフラム5の到達変位位置を一定としたまま変位時間を変更することで、変位速度を制御するものであり、I/OポートやROMを内蔵したマイコンで構成されている。
先ず、ステップS2において、圧力の閾値Pshを設定する。この閾値Pshは、圧力センサ28に吸入側圧力Pkyが加わった時の出力値以上の値を使用している。このようにすると、低圧時の微妙な圧力上昇による誤検出がない。
次いで、ステップS4に移行し、ダイヤフラム5の複数の変位時間Hti(i=1、2、3…)のうち変位時間Ht1を選ぶ。なお、次回以降は、他の変位時間Htiを変更して選択する。
次いで、ステップS12では、トリガー信号Siの入力により圧電素子6へ一周期分の電圧波形の出力を開始する。この際より好ましくは、ポンプ室内の圧力が定常状態になっていることを確認してからトリガー信号を出力する。
ステップS16では、タイマTMによる時間計測を開始する。
次いで、ステップS18に移行し、圧力センサ28により第1回目のポンプ室3の圧力Pin1を計測する。
次いで、ステップS22に移行し、閾値Pshと、第1回目のポンプ室3の圧力Pin1と、第2回目のポンプ室3の圧力Pin2の関係が、Pin1<Psh<Pin2の関係になっているか否かを確認する。Pin1<Psh<Pin2の関係になっている場合には、ステップS24に移行し、Pin1<Psh<Pin2の関係になっていない場合には、ステップS26に移行する。
また、ステップS24では、タイマTMによる時間計測を停止する。
次いで、ステップS28に移行し、タイマTMの値を、経過時間TMmi(i=1、2、3…)に記憶してからステップS4に戻る。
次いで、ステップS30に移行し、最大値となった所定の経過時間TMmiに対応するダイヤフラム5の変位時間Htiを選択した後、処理を終了する。
図7で示した変位制御手段26の処理行うことで、ポンプ室3の圧力が予め設定した閾値Pshを超えて増える点までの経過時間が最も長くなるように、ダイヤフラム5がポンプ室3の容積を減少する方向へ変位するときの変位時間を設定することができ、以下の理由により、ポンピング一周期当たりの吐出流体体積が増加して駆動効率の良いポンプを提供することができる。
図8、図9から明らかなように、ダイヤフラム5を単発パルスで変位させると、ダイヤフラム5が静止しても、ポンプ室3の内圧が一旦、絶対圧で0atm付近に下がってから所定時間経過した後に、ポンプ室3の内圧が再び上昇していく。
ΔV= ダイヤフラム5による排除体積 + 吸入流体体積 − 吐出流体体積と流体の圧縮率とで決まる。そのため、ダイヤフラム5を静止させて排除体積を零としていても、吸入流体体積と吐出流体体積の変化によって、ポンプ室内圧力が変化する。そして、単発パルスでダイヤフラム5が一周期の変位を行った後は、次第に吸入流体体積の増加量が吐出流体体積の増加量よりも多くなっていき、ポンプ室3の圧力が徐々に増加していくのである。
この図も、変位制御手段26の処理手順を示すフローチャートである。図6で示した構成と同一構成なので、駆動手段20のブロック図を省略する。
先ず、ステップS30において、ダイヤフラム5の複数の変位時間Hti(i=1、2、3…)のうち変位時間Ht1を選ぶ。なお、次回以降は、他の変位時間Htiを変更して選択する。
ステップS38では、トリガー信号Siの入力により圧電素子6へ一周期分の電圧波形の出力を開始する。
次いで、ステップS46に移行し、基準値(所定の値)Paとポンプ室3の圧力Pinとの関係が、Pa≦Pinの関係になっているか否かを確認する。ここで、基準値Paは、圧電素子6が駆動する前のポンプ室の圧力値である。Pa≦Pinの関係になっている場合には、ステップS50に移行し、Pa≦Pinの関係になっていない場合には、ステップS44に戻る。
そして、ステップS32においてダイヤフラム5の全ての変位時間Htiに対する演算値Fiの算出が終了した場合に移行する先であるステップS36では、これまで記憶した演算値F1、F2、F3…の中の最大値を算出する。
そして、選択した変位時間Htiでダイヤフラム5が変位するように、駆動手段20が圧電素子6の駆動制御を行う。
以上の変位制御手段26の処理行うことで、前述した式(3)の左辺の値を算出して、それが最も大きくなるように、ダイヤフラム5がポンプ室3の容積を減少する方向へ変位するときの変位時間を設定することができ、ポンピング一周期当たりの吐出流体体積が増加して駆動効率の良いポンプを提供することができる。
ところで、本発明に係るポンプは、出口流路2に接続した出口管路(出口流路2より下流側)とポンプ室3とが連通しているので、駆動する前のポンプ室3の圧力は負荷圧力Pfuと等しい。
負荷圧力Pfuを基準値とする場合には、負荷圧力Pfuが事前にわかっている場合はその値を使用するのが簡便で望ましい。また、負荷圧力Pfuを測定する手段を設け、その測定値を使用することも、事前に想定できない様々な負荷圧力Pfuに対応できる点で望ましい。また、ポンプ駆動時に一時的に数波形分駆動を停止すると(例えば、2kHzで駆動しているときに、2000波形駆動すると10波形停止し、また、2000波形駆動する)、停止している間にポンプ室3の圧力振動が停止するので、そのときのポンプ室3の圧力は負荷圧力Pfuと等しい。そこで、ポンプ圧力検出手段である圧力センサ28のそのときの値を負荷圧力Pfuを使用するのが、様々な負荷圧力Pfuに対応でき、更に負荷圧力を測定する新たな手段を備えなくても済む点で好ましい。
図11は、圧電素子6の駆動制御を行う駆動手段20のブロック図を示すものであり、本実施形態の変位制御手段26は、ポンプ内の出口流路2に配置した流速センサ(流速測定手段)30の検出値に基づいてダイヤフラム5の変位時間を変更して決定する。
図12に、本実施形態の変位制御手段26の処理手順をフローチャートで示す。なお、第3実施形態で示した図10のフローチャートと同一ステップは、同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。なお、ステップS32において全てのダイヤフラム5の変位時間Htiに対して、後述する流速差ΔVの算出が終了した場合には、ステップS60に移行する。
次いで、ステップS64に移行し、出口流路2の最大流速Vmaxを算出する。次いで、ステップS66に移行し、出口流路の最小流速Vminを算出する。
次いで、ステップS70に移行し、流速差ΔVを記憶流速値ΔVi(i=1、2、3…)に記憶してからステップS30に戻る。
そして、ダイヤフラム5の全ての変位時間Htiに対する流速差ΔViの記憶が終了した場合には、ステップS60に移行し、これまで記憶した速度差ΔV1、ΔV2、ΔV3…の中の最大値を算出する。
そして、選択した変位時間Htiでダイヤフラム5が変位するように、駆動手段20が圧電素子6の駆動制御を行う。
本実施形態によると、前述した(3)式で説明したように、積分期間での流体体積速度の差が大きいほど、ポンプ室3の圧力と負荷圧力との差圧の積分値が大きくなるため、ポンピング一周期当たりの吐出流体体積が増加して駆動効率の良いポンプを提供することができる。
また、第2、第3、第4の実施形態では、駆動手段の回路構成を簡単にするため、圧電素子への最大印加電圧を一定値にして、ダイヤフラムの到達変位位置は一定値のままでポンプ室容積減少行程の変位時間を変更して、変位速度を制御している。しかし、到達変位位置と変位時間の両方を変更して変位速度を制御しても構わない。到達変位位置を増加させた場合でも、第2、第3、第4の実施形態で示した制御を行うことで、到達変位位置の増加によるダイヤフラムの排除体積増加分によるポンプ出力の増加以上に、ポンプ出力を増加させることができる。
本実施形態は、ポンプの出口流路2に、流体を溜めることができるチャンバ32が接続している。このチャンバ32と、その内部に備えられた液面センサ34とで移動流体体積測定手段が構成されており、液面センサ34から液面高さの検出情報が駆動手段20に入力するようになっている。
ここで、第2、第3、第4、第5実施形態の処理は、ポンプ駆動開始時に毎回行っても良いし、ポンプ駆動中に適当なタイミングで行っても良い。
本実施形態の駆動手段は、図6に示した第2実施形態の駆動手段と同一構成であり、図14には、ダイヤフラム5がポンプ室3の容積を増大する方向へ変位するときの立ち下げタイミングを制御することで、一周期の吐出流体体積を多くする変位制御手段26の処理手順をフローチャートで示している。
次いで、ステップS84に移行し、圧力センサ28により第1回目のポンプ室3の圧力Pin1を計測する。
次いで、ステップS86に移行し、圧力センサ28により第2回目のポンプ室3の圧力Pin2を計測する。
ステップS90では、第2回目のポンプ室3の圧力Pin2と、負荷圧力Pfuとの関係が、Pin2<Pfuの関係になっているか否かを確認する。Pin2<Pfuの関係になっている場合には、ステップS94に移行し、Pin2<Pfuの関係になっていない場合には、ステップS86に移行する。
本実施形態の処理を行うことで、前述した(3)式の左辺の値を減少させないで、ダイヤフラム5がポンプ室3の容積を増大する方向へ変位する立ち下げタイミングを設定することができる。その結果、ポンピング一周期当たりの吐出流体体積が増加して駆動効率の良いポンプを提供することができる。
Claims (13)
- 可動壁を変位させるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動する駆動手段と、前記可動壁の変位により容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室へ流体を流入させる入口流路と、前記ポンプ室から前記流体を流出させる出口流路と、前記ポンプ室内部の圧力を検出するポンプ圧力検出手段と、を備えたポンプであって、
前記入口流路は、前記ポンプ室に前記流体が流入する場合の流体抵抗が、前記ポンプ室から前記流体が流出する場合の流体抵抗よりも小さくなる流体抵抗要素を備え、
前記駆動手段は、前記可動壁が前記ポンプ室の容積を減少させるように動作する行程中または前記可動壁が前記ポンプ室の容積を最小にする位置にある場合に、前記ポンプ圧力検出手段によって検出された前記ポンプ室内部の圧力値が、概略吸入側圧力と等しい値以下となるように、前記可動壁の変位する速度を制御する変位制御手段を備え、
該変位制御手段は、前記ポンプ圧力検出手段で検出した前記ポンプ室内部の圧力値が、前記出口流路よりも下流側の負荷圧力に略相当し、且つポンプ動作中における前記アクチュエータの動作前に前記ポンプ圧力検出手段が検出した前記ポンプ室内部の圧力値である下流側負荷圧力値以上となる期間について、前記検出値と前記下流側負荷圧力値との差を時間積分した演算値を算出し、前記演算値が大きくなるように前記可動壁の変位する速度を制御することを特徴とするポンプ。 - 可動壁を変位させるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動する駆動手段と、前記可動壁の変位により容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室へ流体を流入させる入口流路と、前記ポンプ室から前記流体を流出させる出口流路と、前記ポンプ室内部の圧力を検出するポンプ圧力検出手段と、を備えたポンプであって、
前記入口流路は、前記ポンプ室に前記流体が流入する場合の流体抵抗が、前記ポンプ室から前記流体が流出する場合の流体抵抗よりも小さくなる流体抵抗要素を備え、
前記駆動手段は、前記可動壁が前記ポンプ室の容積を減少させるように動作する行程中または前記可動壁が前記ポンプ室の容積を最小にする位置にある場合に、前記ポンプ圧力検出手段によって検出された前記ポンプ室内部の圧力値が、概略吸入側圧力と等しい値以下となるように、前記可動壁の変位する速度を制御する変位制御手段を備え、
該変位制御手段は、前記ポンプ圧力検出手段で検出した前記ポンプ室内部の圧力値が、前記出口流路よりも下流側の負荷圧力に略相当し、且つポンプ動作中における前記アクチュエータの動作前に前記ポンプ圧力検出手段が検出した前記ポンプ室内部の圧力値である下流側負荷圧力値よりも低下した以後に、前記可動壁が前記ポンプ室の容積増大の方向へ変位するように制御を行うことを特徴とするポンプ。 - 可動壁を変位させるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動する駆動手段と、前記可動壁の変位により容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室へ流体を流入させる入口流路と、前記ポンプ室から前記流体を流出させる出口流路と、前記ポンプ室内部の圧力を検出するポンプ圧力検出手段と、を備えたポンプであって、
前記入口流路は、前記ポンプ室に前記流体が流入する場合の流体抵抗が、前記ポンプ室から前記流体が流出する場合の流体抵抗よりも小さくなる流体抵抗要素を備え、
前記駆動手段は、前記可動壁が前記ポンプ室の容積を減少させるように動作する行程中または前記可動壁が前記ポンプ室の容積を最小にする位置にある場合に、前記ポンプ圧力検出手段によって検出された前記ポンプ室内部の圧力値が、概略吸入側圧力と等しい値以下となるように、前記可動壁の変位する速度を制御する変位制御手段を備え、
該変位制御手段は、前記ポンプ圧力検出手段で検出した前記ポンプ室内部の圧力値が、前記出口流路よりも下流側の負荷圧力に略相当し、且つポンプ動作中に一時的に前記アクチュエータの駆動を停止したときに前記ポンプ圧力検出手段が検出した前記ポンプ室内部の圧力値である下流側負荷圧力値以上となる期間について、前記検出値と前記下流側負荷圧力値との差を時間積分した演算値を算出し、前記演算値が大きくなるように前記可動壁の変位する速度を制御することを特徴とするポンプ。 - 可動壁を変位させるアクチュエータと、該アクチュエータを駆動する駆動手段と、前記可動壁の変位により容積が変更可能なポンプ室と、前記ポンプ室へ流体を流入させる入口流路と、前記ポンプ室から前記流体を流出させる出口流路と、前記ポンプ室内部の圧力を検出するポンプ圧力検出手段と、を備えたポンプであって、
前記入口流路は、前記ポンプ室に前記流体が流入する場合の流体抵抗が、前記ポンプ室から前記流体が流出する場合の流体抵抗よりも小さくなる流体抵抗要素を備え、
前記駆動手段は、前記可動壁が前記ポンプ室の容積を減少させるように動作する行程中または前記可動壁が前記ポンプ室の容積を最小にする位置にある場合に、前記ポンプ圧力検出手段によって検出された前記ポンプ室内部の圧力値が、概略吸入側圧力と等しい値以下となるように、前記可動壁の変位する速度を制御する変位制御手段を備え、
該変位制御手段は、前記ポンプ圧力検出手段で検出した前記ポンプ室内部の圧力値が、前記出口流路よりも下流側の負荷圧力に略相当し、且つポンプ動作中に一時的に前記アクチュエータの駆動を停止したときに前記ポンプ圧力検出手段が検出した前記ポンプ室内部の圧力値である下流側負荷圧力値よりも低下した以後に、前記可動壁が前記ポンプ室の容積増大の方向へ変位するように制御を行うことを特徴とするポンプ。 - 前記変位制御手段は、前記可動壁の一周期の変位が終了した時点から、前記ポンプ圧力検出手段が当該変位終了後の一定の圧力に対して上昇する圧力の変化を検出するまでの時間を測定し、前記時間が長くなるように前記可動壁の変位する速度を制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記変位制御手段は、前記可動壁の前記ポンプ室の容積を最小にする位置を一定として、前記可動壁が前記ポンプ室の容積を減少させる方向へ変位するときの変位時間を変更することによって、前記可動壁が前記ポンプ室の容積を減少させるように動作する行程における前記可動壁の変位する速度を制御することを特徴とする請求項5記載のポンプ。
- 前記下流側負荷圧力値は、予め入力された値であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記下流側負荷圧力値を検出する負荷圧力検出手段をさらに備え、前記下流側負荷圧力値は、前記負荷圧力検出手段の測定値であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記入口流路の合成イナータンス値は前記出口流路の合成イナータンス値よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記出口流路は、ポンプ動作時に前記ポンプ室と連通していることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記駆動手段は、前記ポンプ室内部の圧力が概略吸入側圧力よりも低下している時に、前記可動壁が前記ポンプ室の容積増大の方向へ変位する行程のほぼ全行程を運動するよう前記アクチュエータを駆動することを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記アクチュエータは、圧電素子であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のポンプ。
- 前記アクチュエータは、超磁歪素子であることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のポンプ。
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