JP4876957B2 - 液体燃料の充填装置及び液体燃料の充填方法 - Google Patents
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Description
また、燃料の水溶液を燃料容器に充填する場合には、バルブ近傍の僅かな空気が燃料容器に混入することを防ぐために、充填する所定濃度の燃料の水溶液よりも燃料濃度の高い水溶液を燃料容器に注入し、燃料容器内で流動させた後に燃料容器から排出し、その後所定濃度の燃料の水溶液を充填する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、上記方法では、燃料の水溶液中に溶存する気体を除去することができず、溶存気体からの新たな気泡発生を防止することができなかった。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係る液体燃料の充填装置1の流路構造を示す概略図である。液体燃料の充填装置1は、図1に示すように、燃料容器51に供給される液体燃料の供給流路10と、燃料容器51から排出される液体燃料の排出流路20と、一端がカートリッジ50と接続される接続流路30とを備える。供給流路10、排出流路20及び接続流路30は、三方分岐部31において接続されている。
燃料容器51は、袋状であり、燃料電池装置に供給する液体燃料が燃料容器51の内部に充填される。燃料容器51は例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)から形成される。なお、燃料容器51の内面に気泡が付着しにくくなるように、内面が親水性となるようにしてもよい。
液体燃料の充填手順は以下に説明するように、(a)予備注入、(b)排出、(c)充填の3段階からなる。
まず、制御部は第2バルブ25を閉じ(ステップS1)、第1バルブ15を開き(ステップS2)、第1ポンプ12を駆動し(ステップS3)、脱気装置13による脱気処理を開始する(ステップS4)。これにより、燃料容器51への液体燃料の予備注入が開始され、脱気装置13よりも下流の供給流路10内や接続流路30内に残存する液体燃料や気泡が燃料容器51内へ送出される。この予備注入動作を流量積算量が目標量に達したことを流量計14が検出するまで継続する(ステップS5:No)。
流量積算量が目標量に達したことを流量計14により検出したら(ステップS5:Yes)、次の(b)排出の手順に移行する。
制御部は第1ポンプ12を停止し(ステップS6)、第1バルブ15を閉じ(ステップS7)、第2バルブ25を開き(ステップS8)、第2ポンプ22を駆動する(ステップS9)。これにより、燃料容器51内へ予備注入された液体燃料や気泡の排出が開始される。この液体燃料の排出動作を、排出流路20内の圧力が第2ポンプ22の最大耐圧値(静圧値)に達したことを圧力計24が検出するまで継続する(ステップS10:No)。排出流路20内の圧力が静圧値に達することで、図3(b)に示すように、燃料容器51内の液体燃料や気泡がほぼ全て排出されたと判断することができる。
排出流路20内の圧力が静圧値に達したことを圧力計24が検出したら(ステップS10:Yes)、次の(c)充填の手順に移行する。
制御部は第2ポンプ22を停止し(ステップS11)、第2バルブ25を閉じ(ステップS12)、第1バルブ15を開き(ステップS13)、第1ポンプ12を駆動し(ステップS14)、脱気装置13による脱気処理を開始する(ステップS15)。これにより、燃料容器51への液体燃料の充填が開始される。この充填動作を流量積算量が目標量に達したことを流量計14が検出するまで継続する(ステップS16:No)。
流量積算量が目標量に達したことを流量計14により検出したら(ステップS16:Yes)、第1ポンプ12を停止し(ステップS17)、第1バルブ15を閉じる(ステップS18)。以上により、液体燃料の充填手順が終了し、液体燃料の充填装置1からカートリッジ50を取り外し可能となる。
また、燃料容器51内に混ざり込んだ固形物や異物等の夾雑物を予備注入した液体燃料とともに排出することができる。
なお、上記の実施形態においては、排出流路20に設けた第2ポンプ22により、燃料容器51内へ予備注入された液体燃料や気泡を排出したが、第2ポンプ22の代わりに、例えば図4に示すように、筐体52の空気孔54に接続される空気供給流路40と、制御部により制御され空気供給流路40に空気を供給する第3ポンプ(空気ポンプ)とを設けた充填装置2としてもよい。この場合、排出流路20に圧力計24の代わりに第2の流量計26を設ける。制御部により第3ポンプを制御して空気孔54から筐体52内に空気を供給することで、筐体52内に流入する空気の圧力により燃料容器51を収縮させ、燃料容器51内へ予備注入された液体燃料や気泡が排出される。
すなわち、図2のフローチャートのステップS10において、排出流路20内の圧力が第2ポンプ22の最大耐圧値(静圧値)に達したことを圧力計24により検出する代わりに、排出流路20内の流量積算量が目標量に達したことを第2の流量計26により検出する。第2の流量計26の値が目標量に達したら、制御部が第2ポンプ22の代わりに第3のポンプを駆動または停止する。
以後、ステップS11〜18により、液体燃料の充填手順が終了し、液体燃料の充填装置1からカートリッジ50を取り外し可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5は本発明の第2の実施形態に係る液体燃料の充填装置3の流路構造を示す概略図である。本実施の形態の第1の実施形態と異なるところは、排出流路20の第2バルブ25よりも上流部にフィルター27が設けられている点、第2ポンプ22の下流部に廃棄槽21がなく、その代わりに排出流路20の下流部が燃料貯槽11と接続されている点である。
液体燃料をフィルター27に透過させることで、燃料容器51内へ予備注入された液体燃料中に混ざり込んだ固形物や異物等の夾雑物を除去することができる。
また、液体燃料中に混ざり込んだ固形物や異物等の夾雑物を予備注入した液体燃料とともに排出し、フィルター27により除去するため、燃料を脱気して再利用することが可能となり、充填コストを低減することができる。
11 燃料貯槽
12 第1ポンプ(送出装置)
13 脱気装置
20 排出流路
22 第2ポンプ(排出装置)
24 圧力計
27 フィルター
42 第3ポンプ(排出装置)
51 燃料容器
Claims (5)
- 燃料容器に供給される液体燃料の供給流路と、
前記燃料容器から排出される液体燃料の排出流路と、
燃料容器から液体燃料を排出する排出装置とを備え、
前記供給流路には、液体燃料を前記燃料容器に送出する送出装置と、
液体燃料の脱気を行う脱気装置とが設けられ、
脱気した液体燃料を前記送出装置により前記燃料容器に送出することで、前記脱気装置よりも下流の供給流路内の気泡を前記燃料容器内に排出し、
次いで、前記燃料容器内の液体燃料とともに前記燃料容器内の気泡を前記排出装置により排出し、
その後、新たに脱気した液体燃料を前記送出装置により前記燃料容器に送出して前記燃料容器に液体燃料を充填することを特徴とする液体燃料の充填装置。 - 前記供給流路の上流には液体燃料を貯留する燃料貯槽が設けられ、
前記排出流路の下流側は前記燃料貯槽に接続され、
前記排出装置は液体燃料を前記燃料貯槽に排出することを特徴とする請求項1に記載の液体燃料の充填装置。 - 前記排出流路には液体燃料内の夾雑物を除去するフィルターが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の液体燃料の充填装置。
- 前記排出装置は前記排出流路に設けられた排出ポンプであり、
前記排出流路には該排出流路内の圧力を計測する圧力計が設けられ、
前記圧力計の値が前記排出ポンプの静圧値に達した後に前記排出ポンプを停止させ、その後前記送出装置を駆動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体燃料の充填装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体燃料の充填装置を用いた液体燃料の充填方法であって、
前記脱気装置よりも下流の供給流路内の気泡を脱気した液体燃料とともに前記燃料容器内に排出し、
次いで、前記燃料容器内の液体燃料とともに前記燃料容器内の気泡を排出し、
その後、新たに脱気した液体燃料を新たに前記燃料容器に充填することを特徴とする液体燃料の充填方法。
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