JP4875571B2 - インクジェット記録用に適したインク組成物 - Google Patents
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Description
また、上記(2)及び(3)の課題は本発明の(7)「インク組成物の液滴を記録ヘッドから吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行なうインクジェット記録方法において、インク組成物として前記(1)乃至(6)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法」、(8)「前記(7)項に記載の記録方法によって得られることを特徴とする記録物」によって達成されることを見い出した。
また、請求項2に記載のインクジェット記録用インク組成物は、顔料粒子径が50nm〜200nmと小さいため、少量の添加で高濃度、鮮明な色調が得られ、更に、目詰まり等による吐出不良を起こすことがないという効果を奏する。
また、請求項3に記載のインクジェット記録用インク組成物は、着色剤が実質的に界面活性剤を含まない自己分散型の顔料粒子であるため、安定剤の脱着による安定性低下がなく、長期にわたって分散性が保持でき、更にインク組成物の起泡性が低く、吐出に悪影響を及ぼさないという効果を奏する。
また、インクジェット記録用インク組成物の樹脂エマルションのMTFが20℃以下とすると、記録媒体に印字画像を形成した後、特別な加熱手段を用いることなく、自然乾燥した場合でも、印字画像表面に前記樹脂エマルションによる樹脂被膜が形成され、表面を保護するため、印字画像が鮮やかで、耐摩耗性に優れた画像が得られる。また、Tgが35℃以上とすると、使用状態においてガラス状態であるため、吐出時に受ける熱や圧力によってエマルションが凝集するがことなく、薄膜抵抗体又は振動板上に付着堆積することがなく、長期間にわたって安定した吐出が得られるという効果を奏する。
また、請求項4に記載のインクジェット記録用インク組成物は、樹脂エマルションが界面活性剤を含まないため、インク組成物自体に不用の(過剰の)界面活性剤が含まれることなく、インクの発泡が抑制され、印字ヘッドへの気泡巻き込みによる吐出不良がなく、安定した吐出性が得られる。また、印字画像表面に形成される樹脂被膜中に界面活性剤が含まれないため、耐水性の高い印字画像が得られるという効果を奏する。
また、請求項5に記載のインクジェット記録用インク組成物は、樹脂エマルションがアクリル系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹脂エマルション、スチレン−アクリル系樹脂エマルション、及びスチレン系樹脂エマルションから選択されるので、形成される被膜は疎水性の樹脂被膜となり、印字画像の耐水性が高く、また、被膜の透明性、平滑性が高く、より鮮明な色調を与え、更には安価であるという極めて優れた効果を奏する。
また更に、インク組成物の液滴を記録ヘッドから吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行なうインクジェット記録方法において、インク組成物として、上記インクジェット記録用インク組成物を用いることにより、高周波駆動で吐出安定性が優れ、加熱することなく良好な画像が得られ、得られた印刷物は、定着性に優れた滲みのない記録物であるという極めて優れた効果を奏する。
本発明に用いられる原料としてのカーボンブラックは1次粒子径40nm以下、好ましくは30nm以下、更に好ましくは30〜10nmを有する。1次粒子径40nm以上では、元のカーボンブラック自体着色力が低く、記録物の光学濃度(反射濃度)が低下する。本発明ではこのような原料カーボンブラックの表面に、ある特定の官能基を化学的に結合させることによって、水中で正又は負の電荷を持たせ、この電荷によって微粒子状に分散安定化する。
本発明で用いられる樹脂エマルションは、その樹脂のTgが35℃以上で、且つ最低造膜温度(MFT)は20℃以下である。分散相の樹脂成分としては、前記の条件を満たすものであれば特に制限を受けないが、好適な例としてアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂など疎水性の樹脂が挙げられる。また、この樹脂エマルションの粒子径は50〜300nmの範囲の大きさのものであり、より好ましくは50〜200nmの範囲の大きさである。
イオン性の官能基を含むモノマーとしては、例えばスチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルキルスルホン酸ナトリウム、アルキルアリルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルグリセリンエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールアリルグリセリンエーテルサルフェート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、水又は重合性化合物或いは溶媒に溶解して用いることができる。本発明では重合開始剤としては、水溶性の過硫酸塩例えば過硫酸ナトリウム等が好ましく用いられる。これらの重合開始剤は、生成される樹脂に硫酸基を付加し、樹脂エマルションに電荷を付与する。
上記のような重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜3重量部の量で用いられる。
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、インクジェット記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止するためにグリコール類を含有してなるのが好ましい。グリコール類としては、水溶性のあるグリコール類が好ましく、その例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量600以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等がある。
これら目詰まりを防止する成分の添加量は、目詰まりの防止を達成する範囲で適宜決定されてよいが、グリコール類の場合、3〜25重量%程度が好ましい。
[樹脂エマルションの合成]
スチレン 22%
アクリル酸ブチル 7%
スチレンスルホン酸ナトリウム 1%
過硫酸カリウム 0.2%
イオン交換水 残量
スチレン 22%
メタクリル酸2−エチルヘキシル 5%
メタクリル酸ジメチルアミノエチル 5%
AIBA 1%
イオン交換水 残量
スチレン 30%
ドデシル硫酸ナトリウム 1%
過硫酸カリウム 0.1%
イオン交換水 残量
メタクリル酸エチル 30%
Tween80 2%
過硫酸カリウム 0.1%
イオン交換水 残量
スチレン 25%
スチレンスルホン酸ナトリウム 5%
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2%
過硫酸カリウム 0.1%
イオン交換水 残量
上記組成物を、窒素気流下70℃で12時間撹拌し、樹脂エマルションを得た。
<最低造膜温度(MFT)>
樹脂エマルションをガラス板上に薄く塗布し、温度勾配をかけて乾燥させ、白い粉状の析出物があったところと、透明な薄膜が形成されたところの境界の温度を最低造膜温度(MFT)とした。
<ガラス転移点(Tg)>
示差熱分析DSCにより測定した。
<粒子径>
透過型電子顕微鏡TEMにより測定した。
結果を表1に記載する。
実施例1
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行ないインク組成物を得た。
スルホン基付加型カーボンブラック 5重量%
(カーボン量として)
(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 15重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2重量%
2−ピロリドン 2重量%
エマルション1 6重量%
(固形分として)
イオン交換水 残量
下記の処方により、実施例1と同様の方法を用いてインク組成物を作成した。
4級アンモニウム基付加型カーボンブラック 5重量%
(カーボン量として)
(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)
グリセリン 5重量%
ジエチレングリコール 15重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.5重量%
2−ピロリドン 2重量%
アルギン酸ナトリウムNSPLL 0.15重量%
(株式会社紀文フードケミファ製)
エマルション2 5重量%
(固形分として)
イオン交換水 残量
実施例1で使用したエマルション1をエマルション2に代えた以外は、実施例1と同様の組成のインクを調製した。
比較例2
実施例1で使用したエマルション1をエマルション3に代えた以外は、実施例1と同様の組成のインクを調製した。
比較例3
実施例1で使用したエマルション1をエマルション4に代えた以外は、実施例1と同様の組成のインクを調製した。
比較例4
実施例1で使用したエマルション1をエマルション5に代えた以外は、実施例1と同様の組成のインクを調製した。
実施例及び比較例にて調製したインクを用いてインクジェットプリンタIPSiO JE 300(株式会社リコー製)にて普通紙に印字した。
<吐出安定性>
全ノズルから吐出していることを確認後、テストパターンを連続10枚印字し、印字中、又は印字後の全ノズルからのインク吐出を調べた。
○:吐出不良はなかった
△:不吐出ノズルが1〜5あった
×:不吐出ノズルが5以上あった
<印字画像の耐摩擦性>
印字物を消しゴム(ライオン製、#501)で、押し圧50gにて5往復こすり、試験前後の印字濃度を分光測定濃度計(X−Rite製、#938)を用いて測定し、残存率として評価した。
<耐水性>
印字画像上に水を1滴落とし、自然乾燥した後、画像の滲み(インクの流れ)を目視で判定し、3段階評価した。
A:ほとんど滲まず良好
B:やや滲む
C:滲み大
結果を表2に示す。
Claims (5)
- 水性媒体中に、着色剤及び粒子径が50nm〜300nmの樹脂エマルションを少なくとも含むインク組成物において、前記着色剤が荷電を有する粒子であって、前記樹脂エマルションが前記着色剤と同一極性の荷電を有することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
- 前記着色剤が、粒子径50nm〜200nmの顔料粒子であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記着色剤が、実質的に界面活性剤を含まない自己分散型の顔料粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記樹脂エマルションが、実質的に界面活性剤を含まない自己分散型のエマルションであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 前記樹脂エマルションが、アクリル系樹脂エマルション、酢酸ビニル系樹脂エマルション、塩化ビニル系樹脂エマルション、スチレン−アクリル系樹脂エマルション及びスチレン系樹脂エマルションから選択されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
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