JP4874537B2 - 導電性組成物およびそれを用いた導電性成形体 - Google Patents

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本発明は、一般的に不溶・不融である事で知られる導電性高分子に皮膜形成性・被膜形成性や加工性などの性質を付与するために成されたものである。本発明により導電性高分子の膜形成性が著しく向上し、プラスチックの導電性化、固体コンデンサ用電解質や二次電池の電解質用の電気化学素子、その化学反応を利用した防錆び、汚染防止塗料、ドープ脱ドープを利用した表示素子、アクチュエーターなどの電気/機械変換素子、太陽電池や高分子LEDなどの電気/光変換素子、FETなどの半導体素子などの幅広い応用展開が可能となる。
導電性高分子は1977年にポリアセチレンに対してヨウ素ドーピングする事により、高導電性が発現する事が見出された事に始まる(非特許文献1)。ポリアセチレンは不溶・不融であり、その実用的な用途は実現されなかった。溶媒溶解性や溶融性を有する導電性高分子が開発されれば、プラスチックの導電性化、固体コンデンサ用電解質や二次電池の電解質用の電気化学素子、その化学反応を利用した防錆び、汚染防止塗料、ドープ脱ドープを利用した表示素子、アクチュエーターなどの電気/機械変換素子、太陽電池や高分子LEDなどの電気/光変換素子、FETなどの半導体素子などの幅広い応用展開が期待される。そのため溶媒溶解性を有する導電性高分子を作ると言う多くの試みが成されてきた。
溶媒溶解性を有する高分子としては1986年に開発されたポリ3アルキルチオフェンがあるがこれは脱ドープ状態で溶媒溶解性を有する高分子であって、導電性の発現には別のプロセスでドーピング処理をする必要がある。この様なポリアルキルチオフェンの応用例は例えば(特許文献1)に記載されている。ドーピングされた状態で溶媒溶解性を有する高分子としては、1992年に開発されたポリアニリンが最初の例である。これはドデシルベンゼンスルフォン酸をドーパントとして溶媒溶解性を持たせたものである。(非特許文献2)この様なポリアニリンの応用例は例えば(特許文献2)(特許文献3)に記載されている。水に分散された導電性高分子としては1993年に開発されたエチレンジオキシチオフェンの例がある。これは水に1.3重量%で分散された溶液である。(非特許文献3)この様なポリチオフェンの応用例は例えば(特許文献4)に記載されている。しかしながら現在でも溶媒溶解性を有する導電性高分子の例は、以上の例に限られており、例えば導電性高分子の代表であるポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンなどは不溶・不融であると考えられている。そのため導電性高分子は多くの応用展開の可能性を持ちながらその範囲は限られたものであった。
一方、以上の様な電気化学素子に関連した技術とは全く別の分野で、近年常温で液体状である溶融塩が開発され注目されている。これらはイオン性液体とも言われイミダゾリウムやピリジニウム等の四級塩をカチオンと適当なアニオン(Br-、AlCl4 -、BF4 -、PF6 -など)の組合せで構成され、ハロゲンを含む事が多い。
これらは、不揮発性、不燃性、化学的安定性、高イオン伝導性などの特徴を持ち、合成や触媒反応などの化学反応に用いる再利用可能なグリーンソルベントとして注目され、一方でLiイオン電池の電解質としての検討や二重層コンデンサ(二重層キャパシタ)としての可能性も検討されている。二重層コンデンサとしての応用はイオン性液体の電位窓が比較的大きい事を利用したもので、イオン性液体を電解液として用いる事により二重層容量を大きくする事を目指したものである。(特許文献5〜10)なお、イオン性液体の合成については(非特許文献4)に総合的な記述がある。
特開平5−290618号公報。 特開平5−41338号公報。 特開平10−279798号公報。 特開平11−312626号公報。 特開平5−13278号公報。 特開平5−101983号公報。 特開2000−3620号公報。 特開平10−83821号公報。 特開平11−100347号公報。 特開2002−3478号公報。 Phys. Rev. Lett.39(1977)1098。 Synthetic Metal 48(1992)91。 Advanced Materials 12(7)(2000)489。 大野弘幸監修、イオン性液体」シーエムシー出版(2003年)。
上記の状況を鑑みて、本発明は、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することを課題とした。その具体的な課題として、広範に使用可能な導電性組成物を実現することを課題とした。特に、従来溶媒不溶であると考えられてきたポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子を溶解した形の導電性組成物を開発する事を課題とした。
上記問題を解決する為に、以上のように全く技術課題の異なる全く異なる別の分野である両技術に精通した後鋭意検討した結果、本技術に至ったものである。
鋭意検討の結果、我々はイオン性液体に着目し、イオン性液体の導電性高分子溶解性について検討した。その結果、ある種のイオン性液体がポリピロール、ポリチオフェンなど従来溶媒不溶と考えられて来た導電性高分子を溶解する事ができる事を発見し、本発明を成すに至った。したがって
(1)本発明の第1は、
導電性高分子とイオン性液体を必須成分とする組成物であって、該導電性高分子が該イオン性液体に分散及び/又は溶解している部分を含む事を特徴とする、組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。
(2)本発明の第2は、
導電性高分子とイオン性液体を必須成分とする組成物であって、該導電性高分子の少なくとも一部が該イオン性液体に溶解している事を特徴とする、組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。
(3)本発明の第3は、
導電性高分子とイオン性液体を必須成分とする組成物であって、イオン性液体に対する作業飽和濃度に対して60%以上の濃度の導電性高分子を含むことを特徴とする、組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。導電性高分子のイオン性液体溶液を例えば塗布して使用する場合、1回の塗布による導電性高分子の塗布量が多くなるという観点において、導電性高分子の濃度は、高い方が、好ましい。好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。
(4)本発明の第4は、
本発明の第1〜3のいずれかに記載の導電性高分子が、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェ二レンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体から選択された少なくとも一種類以上である、本発明の第1〜3のいずれかに記載の、組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である上記の導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。
(5)本発明の第5は、
本発明の第1〜4のいずれかに記載のイオン性液体のアニオン成分が、スルホン酸アニオン(−SO3 -)、硫酸アニオン(−SO4 -)、カルボキシラト(−COO-)、BF4 -、PF6 -、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンを含む事を特徴とする、本発明の第1〜4のいずれかに記載の、組成物、
である。
この構成であることにより、上記アニオンに特徴が有る新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。
(6)本発明の第6は、
少なくとも本発明の第1〜5のいずれかに記載の組成物を含む事を特徴とする組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。
(7)本発明の第7は、
イオン性液体に導電性高分子を溶解させる工程を経てつくられた事を特徴とする、本発明の第1〜6のいずれかに記載の組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができる。
(8)本発明の第8は、
本発明の第1〜7のいずれかに記載の組成物から、少なくともイオン性液体の一部が取り除かれていることを特徴とする、組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができ、新たな組成物を提供できる。
(9)本発明の第9は、
本発明の第1〜7の記載の組成物をイオン性液体と相溶する液体で処理し、少なくともイオン性液体の一部を取り除いた事を特徴とする、本発明の第8記載の、組成物、
である。
この構成であることにより、新たな導電性組成物を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子の皮膜形成性や加工性を著しく改善することができ、新たな組成物を提供できる。
(10)本発明の第10は、
少なくとも本発明の第1〜9記載のいずれかの組成物を含む事を特徴とする、成形体、
である。
この構成であることにより、新たな導電性が有る部分を含む成形体を実現でき、一般的に不溶・不融である導電性高分子を含む、導電性が有る部分を含む成形体を提供できる。
(11)本発明の第11は、
少なくともその製造工程において本発明の第1〜9のいずれかに記載の組成物から選ばれる1以上を用いて作製された事を特徴とする、成形体、
である。
この構成であることにより、新たな導電性が有る部分を含む成形体を実現でき、一般的に不溶・不融である上記の導電性高分子を含む、導電性が有る部分を含む成形体を提供できる。
本発明によって溶液状の導電性高分子を得る事ができる。
また、この溶液を用いる事によって導電性高分子を高分子フィルムと複合したり、導電性高分子を高分子や金属表面に塗布したり、あるいは導電性高分子を布や紙などに含浸する事が出来、著しい加工性の向上を実現できる。イオン性液体は一般に蒸気圧が非常に低く、事実上蒸発する事がない。そのためにイオン性液体と導電性高分子からなる溶液を塗布し、加熱乾燥して皮膜状・被膜状の導電性高分子を得る事はできない。しかしながら、イオン性液体には親水性のものや親溶媒性のものがあり、その様なイオン性液体を用いた系においては、例えば導電性高分子溶液を布や紙に浸漬し、その後これを水や有機溶媒に浸漬してイオン性液体のみを洗い出し、布や紙と導電性高分子とからなる複合体を容易に得る事が出来る。
本発明の導電性組成物を利用した用途については、非常に広く、例えば、1)塗布することによりフィルムなどをつくる(導電性シート、帯電防止、アルミ固体電解コンデンサ作製、など)2)導電性インクとして用い、例えばインクジェット技術などを利用して電子回路などを印刷する。(有機トランジスタなど)、3)繊維に染み込ませて導電性繊維を作る、等の用途が考えられうる。
<イオン性液体>
最初に本発明に用いられるイオン性液体について述べる。
イオン性液体は常温溶融塩とも言われ、アニオン成分とカチオン成分から構成されているにもかかわらず常温で液体である物をいう。イオン性液体のとしてはっきりした定義は無いが一般には100℃以下で液体であるもの、という定義が用いられる事が多い。イオン性液体は、通常の有機溶媒のように一部がイオン化・解離しているのではなく、イオンのみから形成されている、すなわち100%イオン化していると考えられている。
本発明の目的に適当なイオン性液体に用いられるカチオンとしては特に制限はなく、各種四級化窒素を有するカチオンを用いる事ができる。例えば、アンモニウムおよびその誘導体、イミダゾリニウムおよびその誘導体、ピリジニウムおよびその誘導体、ピロリジニウムおよびその誘導体、ピロリニウムおよびその誘導体、ピラジニウムおよびその誘導体、ピリミジニウムおよびその誘導体、トリアゾニウムおよび誘導体、トリアジニウムおよびその誘導体、トリアジン誘導体カチオン、キノリニウムおよびその誘導体、イソキノリニウムおよびその誘導体、インドリニウムおよびその誘導体、キノキサリニウムおよびその誘導体、ピペラジニウムおよびその誘導体、オキサゾリニウムおよびその誘導体、チアゾリニウムおよびその誘導体、モルフォリニウムおよびその誘導体、ピペラジンおよびその誘導体を例示する事が出来る。中でもイミダゾリム誘導体、アンモニウム誘導体、ピリジニウム誘導体は本目的に好ましく用いる事が出来る。ここで誘導体とは、水素、および脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、カルボン酸およびエステル基、各種エーテル基、各種アシル基、各種アミノ基などの置換基を持つものを言い、これらは上記カチオン成分の任意の位置に置換される。
また、本発明にイオン性液体のアニオン成分は、スルホン酸アニオン(−SO3 -)、硫酸アニオン(−SO4 -)、カルボキシラト(−COO-)、BF4 -、PF6 -、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)からなる群から1以上選ばれるアニオンが、例示されるが、これらに限定されるものではない。以下に順に説明する。
本発明に好ましく用いられるアニオン成分としては、スルホン酸アニオン(−SO3 -)や硫酸アニオン(−OSO3 -)を含む原子団を挙げることが出来る。これらは、RASO3 -、またはRB−OSO3 -と記載され(ここでRA、RBは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などを含む置換基を示す)を例示することができ、以下に示すようなフッ素原子を含むものであってもよい。
スルホン酸アニオンとして具体的には、pCH364SO3 -、C65SO3 -、等である。無論、本発明に適した含スルホン酸アニオンはこれらの例に限定されるものではない。また、フッ素原子とスルホン酸アニオンの両方を含むアニオンは特に本発明の目的に好ましく用いられる。具体的には、CF3SO3 -、CHF2CF2CF2CF2CH2SO3 -、CHF2CF2CH2SO3 -、などを例示する事ができるが、むろん、本発明に適した含フッ素原子・含スルホン酸アニオンは、これらの例に限定されるものではない。
硫酸アニオンとして具体的には、CH3CH2OCH2CH2OSO3 -,C65OCH2CH2OSO3 -、等である。無論、本発明に適した含硫酸アニオンはこれらの例に限定されるものではない。また、フッ素原子と硫酸アニオンの両方を含むアニオンもまた、特に本発明の目的に好ましく用いられる。具体的には、CHF2CF2CF2CF2CH2OSO3 -、CHF2CF2CH2OSO3 -、CF3−(CF26−CH2OSO3 -、CF3−(CF22−CH2OSO3 -、CHF2−(CF23−CH2OSO3 -、等を例示する事が出来る。無論、本発明に適した含フッ素原子・含硫酸アニオンはこれらの例に限定されるものではない。
また、本発明に用いられるアニオン成分としては、カルボキシラト(−COO-)を含む原子団を挙げることが出来る。具体的には、RCCOO--OOCRCCOOH、-OOCRCCCOO-、NH2CHRCCOO-(ここでRCは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などを含む置換基をしめす)、を例示する事が出来、これらの置換其にはフッ素を含んでいても良い。具体的には、ギ酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸、シュウ酸、フタル酸、コハク酸、アミノ酸などを用いて、カルボキシラト(−COO-)を含むイオン性液体を合成する事が有効である。
また、本発明に好ましく他のアニオンの例としては、BF4 -、PF6 -、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)などが、例示される。TFSIとは、(CF3SO22-のことである。(CF3SO23-で示されるアニオンも、好ましく用いられる。
また、本発明に好ましく用いられる他のアニオンの例としては、NO3 -、RdNO3 -(ここでRdは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、エーテル基、エステル基、アシル基などを含む置換基を示し、無論フッ素を含んでいても良い)などを例示する事が出来る。
本発明のイオン性液体は、上記のアニオンと上記のカチオンとを組み合わせた物質であり、公知の方法で合成する事ができる。具体的には、アニオン交換法、酸エステル法、中和法等の方法を用いることができる。
<導電性高分子>
次に本発明に用いられる導電性高分子(導電性ポリマー)について述べる。
本発明に用いられる導電性高分子は特に限定されるものではないが、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリアニリン、ポリキノン、及びこれらの誘導体が好ましく用いられる。例えば該誘導体の代表的例として、ポリ1−4ジオキシチオフェン、3‐アルキルチオフェン(アルキル基としてはブチル基、へキシル基、オクチル基、ドデシル基、等)、ポリ1,5ジアミノアントラキノン、等を挙げることができる。これらの導電性高分子の合成法としては、化学重合法、電解重合法が好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる導電性高分子のドーパントとしては、特に制限はないが、p−トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルフォン酸イオン、アントラキノン−2−スルホン酸イオン、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸イオン、ポリビニルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、n−プロピルリン酸イオン、過塩素酸イオン、4−フッ化ホウ酸イオン、等を例示する事ができる。
電解重合は、例えば、ピロールモノマーを支持電解質と共に溶媒に溶解し、陽極酸化する事により脱水素重合する方法で、陽極上に導電性高分子であるポリピロールを析出させることができる。一般的に、ポリマーの酸化還元電位はモノマーに比べて低いため、重合過程でさらにポリマー骨格の酸化が進み、それに伴って支持電解質である。アニオンがドーパントとしてポリマー中に取り込まれる。 一方、化学重合は、適当な酸化剤の存在下で、例えばピロールなどの原料モノマーを酸化脱水することで重合し合成する方法である。酸化剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、あるいは鉄、銅、マンガン等の遷移金属塩が使用できる。化学重合により合成された導電性高分子も、酸化剤のアニオンがドーパントとして重合過程でポリマー中に取り込まれるため、一段階の反応で導電性を有するポリマーを得る事ができる。
導電性高分子のイオン性液体への溶解は通常の手法によって行われる。例えば、導電性高分子の一つであるポリピロールをイオン性液体に溶かす工程は50℃以上でイオン性液体にポリピロールを溶解させる事が好ましく、100℃以上、更には150℃以上に加熱して溶解させる事が好ましい。イオン性液体の特徴は沸点が非常に高く、150℃の高温での加熱が可能である点である。イオン性液体は温度を上げるとその導電性高分子の溶解性は高くなるが、それを室温に戻しても導電性高分子が析出する事はない。このことはイオン性液体における導電性高分子の溶解現象が通常の溶媒における溶解ではなく、導電性高分子におけるドーピング作用のような強い相互作用に基づくものであることを示唆している。
上記のようなイオン性液体における導電性高分子の溶解は他の導電性高分子においても同様で、例えばポリチオフェンをイオン性液体に溶解させる工程においても、50℃以上でイオン性液体にチオフェンを溶解させる事が好ましく、さらに好ましくは100℃以上、150℃以上とする事は最も好ましい。
なお、高分子がイオン性液体に溶解したかどうかの確認は以下の3つの方法で行った。すなわち、(1)ろ紙によるろ過で残渣のない事、(2)遠心分離により分離されない事、である。(3)可視・赤外スペクトルで導電性高分子による吸収強度が、導電性高分子の添加量と比例する事、(3)は可視・赤外吸収は基本的に分子吸収によるものであり、もしも導電性高分子の溶解度が飽和に達し、ろ過や遠心分離による分離ができないほどの微粒子として存在しているとしても、その吸収強度は分子状に溶解した場合に比較して小さくなると言う原理によっている。
本発明による導電性高分子を溶解したイオン性液体は導電性インクや高分子への導電性付与など幅広い分野への応用が可能である。導電性高分子を溶解したイオン性液体の特徴の一つはイオン性液体が不揮発性であり事実上沸点を持たない事である。そのためこのままでは、例えば基板上に塗布、溶媒蒸発をさせて導電性高分子膜を作製することはできない。しかしながら、例えば本発明による導電性高分子を溶解したイオン性液体を天然高分子(例えば紙や、綿・麻・絹などから選ばれる1以上の天然有機高分子からなる布)や、有機化合物からなる媒体(グラファイトシート、高分子フィルム)、に含浸させ、その後イオン性液体と相溶するような液体で洗浄してイオン性液体のみを抽出することにより容易に導電性の紙状物や導電性の布状物を作る事ができる。このような手法は各種の高分子においても同様に実施する事ができ、容易に導電性高分子と高分子からなる皮膜を作製する事ができる。
<成形体>
本発明で言うところの、成形体とは、紙状、布状、フィルム状、ペレット状、発泡体状、ブロック状等に成形したものを言い、特に制約を受ける物では無い。成形の方法は、押し出し成形、ブロー成形、真空成形、射出成形、ダイ押し出し、等を含む。
成形体の素材の具体例としては、下記に例示されるような、有機繊維や無機繊維で構成されていても良い。また、下記は、繊維の例であるが、本発明の成形体は、下記の繊維の素材と同一である繊維以外の形態であってもよい。
有機繊維としては、植物繊維、動物繊維、再生繊維、半合成繊維および合成繊維から選ばれる繊維を単独あるいは混合したものが使用されうる。
無機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維およびウイスカーから選ばれる繊維を単独あるいは混合したもの、金属繊維が使用されうる。
植物繊維としては、綿(コットン)、麻(亜麻、ラミー)が、例示される。
動物繊維としては、絹、羊毛(カシミヤ、ウール、モヘア、キャメル)などの繊維が挙げられる。
再生繊維としては、レーヨン、キュプラが、例示される。
半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックスが、例示される。
合成繊維としては、ナイロン、アラミド、アクリル、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ベンゾエート、ポリクラール、フェノール系、ポリウレタンなどの繊維が、例示される。
上記の繊維の他に、植物繊維として、広葉樹パルプ針葉樹パルプ、などの木材パルプや藁パルプ、竹パルプ、ケナフパルプなどの木本類、草本類を含むものとする。
さらに、古紙、損紙などから得られるパルプ繊維も含まれる。
上記の各種繊維の定義は、繊維ハンドブック(日本化学繊維協会1993年度版)などを用いた。
また、本発明の成形体は、本発明の導電性樹脂組成物だけからなるものでも良いし、導電性高分子そのものであっても良い。
また、本発明の成形体とは、上記の1以上の化学組成を有するものである限りにおいては、単一の組成であってもよいし、複合の組成であっても良い。
例えば、前記で例示したとおり、本発明により導電性高分子の膜形成性が著しく向上し、プラスチックの導電性化、固体コンデンサ用電解質や二次電池の電解質用の電気化学素子、その化学反応を利用した防錆び、汚染防止塗料、ドープ脱ドープを利用した表示素子、アクチュエーターなどの電気/機械変換素子、太陽電池や高分子LEDなどの電気/光変換素子、FETなどの半導体素子などの幅広い応用展開が可能となる。
上述のとおり、本発明の導電性組成物を利用した用途については、非常に広い。
例えば、
1)塗布することによりフィルムなどをつくる(導電性シート、帯電防止、アルミ固体電解コンデンサ作製、など)
2)導電性インクとして用い、例えばインクジェット技術などを利用して電子回路などを印刷する。(有機トランジスタなど)
3)繊維に染み込ませて導電性繊維を作る、
等の用途が考えられうるが、これらに限定されるものではない。
エレクトロニクス関連だけに限っても例えば、導電性組成物を部分的に被覆したリジッドプリント配線板、導電性組成物を部分的に被覆したフレキシブルプリント配線板、導電性組成物を部分的に被覆したリジッドフレキプリント配線板等の材料としての応用例を挙げる事ができる。
また、以下に、請求項および本明細書中における言葉の定義を記載する。
<分散及び/又は溶解している部分を含む>
「分散及び/又は溶解している部分を含む」とは、
(A)「分散している部分を含む」場合であってもよいし、
(B)「分散している部分を含む、および、溶解している部分を含む」場合であってもよいし、
(C)「溶解している部分を含む」場合であってもよい。
また、
分散及び/又は溶解している部分の他に、
(D)分散も溶解もしていない部分が含まれていても良い。
なお、本発明において、「分散している」ことは、以下のようにして、確認することができる。
例えば、よく乾燥した100cm3の二口フラスコに、攪拌ペラとリービッヒ還流管を取りつけ、0.50gの導電性高分子を10mlのイオン性液体に加え、150℃で攪拌し、イオン性液体に導電性高分子を分散・あるいは溶解させる。150℃で30分間加熱後室温に冷却し、イオン性液体をろ過する。ろ紙(東洋濾紙製、No.2)上に炉別された、分散または溶解しきれていない導電性高分子を、水とメタノールで洗浄し乾燥後、重量を測定したところXgである場合を考える。
この場合、「0.50−X」gの導電性高分子は、上記のイオン性液体に、分散していると考えられる。もちろん、分散しているものの中には、溶解しているものが含まれていると、推定される。
なお、上記の「ろ紙」は、同メーカーのホームページ(下記のURL)
(http://www.advantec.co.jp/japanese/hinran/seihin_index.html)によると、
保留粒子径のカタログ値は5μm(ただし、JISP3801で規定された硫酸バリウムなどを自然濾過したときの漏洩粒子径より求めたもの)である。
<イオン性液体に対する作業飽和濃度>
本明細書でいう「イオン性液体に対する作業飽和濃度」とは、上記のような、分散・溶解・濾過「作業」の後に、イオン性液体中に存在している導電性高分子の「飽和濃度」のことを言う。すなわち、
「濾紙の残渣として残らなかった・分散及び/又は溶解している導電性高分子重量」を「イオン性液体の容量」で割った値を「イオン性液体に対する作業飽和濃度」と定義して、この明細書中では呼ぶことにする。
具体的には、前項で記載した0.5gの導電性高分子の実験の場合には、下記の通り。
この実験条件では、「0.50−X」gの導電性高分子を、
イオン性液体の容量(10ml)で割った濃度、すなわち、「0.50−X」g/10mlの値を、「イオン性液体に対する作業飽和濃度」とする。
なお、イオン性液体の種類、導電性高分子の種類によって、この実験条件では十分に溶解する結果Xが0gとなり、どのような値でも、0.5g/10mlになる可能性が有る。そのような場合には、作業飽和濃度を測定する実験作業の導電性高分子の重量と、イオン性液体の容量を変えて、同様の指標を設定するものとする。
<イオン性液体に対する作業飽和濃度に対して60%以上の濃度の導電性高分子>
「イオン性液体に対する作業飽和濃度に対して60%以上の濃度の導電性高分子」は、 イオン性液体に対する作業飽和濃度に達していないため、ほぼ全量溶解しているものと推定される。
例えば下記の実施例23に示すように、作業飽和濃度に対して60%以上の濃度の導電性高分子とは、本発明において、「溶解している」ことを示す一形態である。
導電性高分子のイオン性液体溶液を例えば塗布して使用する場合、1回の塗布による導電性高分子の塗布量が多くなるという観点において、導電性高分子の濃度は、高い方が、好ましい。好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。
<少なくとも一部が該イオン性液体に溶解している>
「溶解している」ことは、
後述のとおり、イオン性液体の中に添加して分散液・溶解液を調製した後、その分散液を濾紙やグラスフィルターなどで濾過し、濾紙やグラスフィルターに残らない状態であって、ある濃度まで、溶液の紫外・可視吸収スペクトルの極大吸収波長における吸光度が比例する範囲である状態のことを言う。
10mlのイオン性液体に0.05g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25gの導電性高分子を溶解し、その赤外・可視吸収スペクトルを測定する。測定波長は、その溶液の極大吸収波長が好ましい。赤外・可視吸収スペクトルの吸収強度と濃度とをグラフ下し、吸収強度が飽和するまでの濃度においては、溶解していると考える。
以下、実施例を下記に示すが、本発明は下記の実施例だけに制約を受けるものではない。
(イオン性液体)
最初に本発明で用いたイオン性液体についてのべる。以下、合成方法記載のものは合成して用い、合成方法記載無いものは市販のものを用いた。用いたイオン性液体の分子式と物性、略称(ILS−1〜ILS−17)を下記に記す。なお、式中Imはイミダゾリウム、Pyはピリジニウムである。
(ILS−1)(1−C25−3−C25−Im)+(p−CH3−C64SO3-
乾燥した200ml丸底フラスコに4.02g(41.7mmol)のN−エチルイミダゾールと20mlのDMFとを入れ、よく攪拌した。8.35g(41.7mmol)のエチルp−トルエンスルフォナートを、氷冷下、前記フラスコ中にすばやく加えた。添加終了後、さらに23時間攪拌した。この反応液を氷冷した200mlのエーテル中に滴下した。エーテルをデカンテーションによって取り除き8.1gの黄色の液体を回収した。収率は65.5%であった。1H−NMRスペクトルより回収した液体を同定した。得られた生成物は−59.5℃のガラス転移温度(Tg)を有していた。化学式を、式(1)に示す。
Figure 0004874537
[スペクトルデータ]:500MHz、1H−NMR(DMSO−d6
σ=1.35(triplet、J=5Hz、3H)、2.23(singlet、3H)、4.15(quarlet、J=5Hz、2H)、7.06(doublet、J=5Hz、2H)、7.44(doublet、J=5Hz、2H)、7.74(singlet、2H)、9.04(singlet、3H)
(ILS−2)(1−CH3−3−C25−Im)+(p−CH3−C64SO3-
上記方法と同じ方法で1LS−2sを合成した。生成物は黄色の液体で、収率は74.4%であった。1H−NMRスペクトルより回収した液体を同定した。生成物は−85.7℃のガラス転移温度(Tg)、−12.7℃の融点を有していた。化学式を、式(2)に示す。
Figure 0004874537
[スペクトルデータ]:500MHz、1H−NMR(DMSO−d6
σ=1.33(triplet、J=5Hz、3H)、2.22(singlet、3H)、3.77(singlet、3H)、4.12(quarlet、J=5Hz、2H)、7.06(doublet、J=5Hz、2H)、7.44(doublet、J=5Hz、2H)、7.65(singlet、2H)、7.72(singlet、2H)、9.08(singlet、3H)
(ILS−3)(1−CH2=CH−Im)+(p−CH3−C64SO3-
上記方法と同様な手法でILS−3を合成した。生成物は白色固体で、融点−97℃であった。化学式を、式(3)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−4)(1−nC49−3−CH3−Im)+(BF4-
無色液体、融点−71℃、広栄化学製。化学式を、式(4)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−5)(1−C25−3−CH3−Im)+(BF4-
無色液体、融点−87℃、広栄化学製。化学式を、式(5)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−6)(1−C25−3−CH3−Im)+((CF3SO22N)-、 無色液体(mp、−18.2℃)広栄化学製。化学式を、式(6)に示す。
Figure 0004874537
式(6)の((CF3SO22N)-とは、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドアニオン(TFSI)である。
(ILS−7)(1−C25−Im)+(C65SO3-
4.02g(41.7mmol)のNエチルイミダゾールを50mlのエタノールに溶解した。次に、8.35g(41.7mmol)のp−トルエンスルフォン酸・一水和物を、氷冷下、前記N−エチルイミダゾールエタノール溶液中にすばやく加え、23時間攪拌した。エタノールをエバポレーターで留去したのち、残った反応液をドライアイスで冷却した200mlのエーテル中に滴下した。混合物をガラスフィルターを取り付けた吸引ヌッチェ上ですばやく吸引し、ガラスフィルター上にろ別することで、8.10gの生成物を回収した。収率は65.5%であった。1H−NMRスペクトルより、生成物は1−エチル−イミダゾリウム−pトルエンスルフォナートと同定できた。生成物は無色透明の液体で−65.1℃のガラス転移点、−9.5℃の融点を有していた。化学式を、式(7)に示す。
Figure 0004874537
[スペクトルデータ]:500MHz、1H−NMR(DMSO−d6、σ)
σ=1.35(triplet、J=5Hz、3H)、2.23(singlet、3H)、4.15(quarlet、J=5Hz、2H)、7.06(doublet、J=5Hz、2H)、7.44(doublet、J=5Hz、2H)、7.74(singlet、2H)、9.04(singlet、1H)
(ILS−8)(1−C25−3−CH3−Im)+(C343SO4 -
無色液体、融点―65.1℃、広栄化学製。化学式を、式(8)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−9)(1−C25−Im)+(p−CH3−C64SO3-
上記ILS−7と同様の方法でILS−9を合成した。生成物は無色透明の液体で327.5℃のガラス転移点、0℃の融点を有していた。化学式を、式(9)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−10)(1−CH3−Im)+(p−CH3−C64SO3-
上記ILS−7と同様の方法でILS−9を合成した。生成物は無色透明の液体で331℃のガラス転移点、−14.4℃の融点を有していた。化学式を、式(10)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−11)(1−CH−3−C−Im)(CFSO
無色液体、融点−9℃、関東化学製。化学式を、式(11)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−12)(1−C25−Im)+(CH3CH2CH2CH2SO3-
まず、5.30g(55.1mmol)のN−エチルイミダゾールを50mlのアセトンに溶解した。次に、7.61g(55.9ml)のプロパンサルトンを100mlのアセトンに溶解した後、これを室温下前記N−エチルイミダゾールのアセトン溶液に滴下し、さらに攪拌しながら室温で91時間反応させた。得られた反応混合物を、ガラスフィルターを取り付けた吸引ヌッチェ上で吸引・ろ別した。ガラスフィルター上にろ別された生成物を過剰のアセトンで十分に洗浄した後、真空乾燥し、1.42gの生成物を得た。収率は11.1%であった。1H−NMRスペクトルより生成物は1−(N−エチルイミダゾリオ)ブタン−4−スルフォネートと同定できた。また、示差走査熱量分析(DSC)で測定した結果、融点は−10℃であった。化学式を、式(12)に示す。
Figure 0004874537
[スペクトルデータ]:500MHz、1H−NMR(DMSO−d6)
σ=1.36(triplet、3H)、1.48(triplet、2H)、1.84(triplet、2H)、2.36(triplet、2H)、4.13(multiplet、4H)、7.77(d.d.2H)、9.20(singlet、1H)
(ILS−13)(1−nC49−Im)+(p−CH3−C64SO3-
3.80g(30.6mmol)のN−ブチルイミダゾールを20mlのDMF(ジメチルホルムアミド)に溶解した。次に、5.20g(30.6mmol)のp−トルエンスルフォン酸・一水和物を、氷冷下、前記N−ブチルイミダゾール−DMF溶液中にすばやく加え、23時間攪拌した。この反応液をドライアイスで冷却した200mlのエーテル中に滴下した。混合物をガラスフィルターを取り付けた吸引ヌッチェ上で吸引し、ガラスフィルター上にろ別することで、6.40gの白色固体を回収した。収率は70.6%であった。1H−NMRスペクトルより、回収した生成物は、1−ブチル−イミダゾリウムp−トルエンスルフォナートと同定できた。得られたイミダゾリウム塩は、−38.4℃のガラス転移温度(Tg)、2.6℃の結晶化温度(Tc)を有していた。化学式を、式(13)に示す。
Figure 0004874537
[スペクトルデータ]:500MHz、1H−NMR(DMSO−d6)
σ=0.84(triplet、J=5Hz、3H)、1.16(multiplet、2H)、1.71(multiplet、2H)、2.23(singlet、3H)、4.11(trilet、J=5Hz、2H)、7.07(doublet、J=5Hz、2H)、7.44(doublet、J=5Hz、2H)、7.60(singlet、1H)、7.71(singlet、1H)、9.04(singlet、3H
(ILS−14)(1−nC49−2−CH3−3−CH3−Im)+(C25OC24OSO3-、褐色液体、融点−4.2℃。化学式を、式(14)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−15)(1−nC49−3−CH3−Im)+(CHF2CF2CF2CF2CH2SO3-、黄色液体、融点−62℃。化学式を、式(15)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−16)(1−nC613−3−CH3−Im)+(PF6-
無色液体、融点−73℃、関東化学製。化学式を、式(16)に示す。
Figure 0004874537
(ILS−17)
褐色液体、融点−61℃、化学式を、式(17)に示す。
Figure 0004874537
<導電性高分子>
(合成例1)
(ポリピロールの重合方法)
重合方法はSynthetic Metals 79 (1996)17−22に記載されている方法を参考とした。
3.3重量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)100mlに2.2gの硫酸第二鉄を溶解した酸化剤水溶液に、3.3重量%の界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)100mlに20.1gのピロールを溶解した水溶液を加え、80℃で、24時間良く攪拌した。それを濾紙(東洋濾紙製、No.2)にて濾過、洗浄し、乾燥させてポリピロールを得た。
(合成例2)
(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合方法)
重合方法は、特開平1−313521号公報の実施例1に記載されている方法を参考とした。
8.11gの塩化第二鉄を100mlのアセトニトリルを溶解させたアセトニトリル溶液に2.84gの3,4−エチレンジオキシチオフェンを加え、0℃で、24時間良く攪拌した。それを濾紙(東洋濾紙製、No.2)にて濾過、洗浄し、乾燥させてポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンを得た。
(実施例1)
(ポリピロールのイオン性液体への溶解)
よく乾燥した100cm3の二口フラスコに、攪拌ペラとリービッヒ還流管を取りつけ、0.50gの合成例1のポリピロールを10mlのイオン性液体1(ILS−1)に加え、150℃で攪拌し、イオン性液体にポリピロールを溶解させた。液は直ちに黒紫色となった。150℃で30分間加熱後室温に冷却し、イオン性液体をろ過した。ろ紙(東洋濾紙製、No.2)上に炉別された、分散または溶解しきれていないポリピロールを水とメタノールで洗浄し乾燥後、重量を測定したところ0.30gであった。
次に炉液を遠心分離器にかけたが分離されるものはなかった。この事からイオン性液体1(ILS−1)10mlに対して約0.2gのポリピロールが溶解したものと推定された。
このような濾過作業の結果、濾紙に残らなかった、分散及び/又は溶解している導電性高分子の重量を用いて「イオン性液体に対する作業飽和濃度」と、この明細書中では呼ぶことにする。この実施例1においては、0.2g/10mlが、「イオン性液体に対する作業飽和濃度」である。
溶解したものと推定されるこの事実を確認するために10mlのイオン性液体に0.05g、0.1g、0.15g、0.2g、0.25gの合成例1のポリピロールを溶解し、その赤外・可視吸収スペクトルを測定した。ポリピロールが0.15gまでは赤外・可視吸収スペクトルの吸収強度とポリピロール溶質の濃度が比例した。0.2g、0.25gでは吸収強度がポリピロール溶質の濃度と比例しなくなった。この事から、イオン性液体1(ILS−1)に対するポリピロールの溶解度は15g/(1000ml)〜20g/(1000ml)程度であると判断した。
(実施例2)
ILS−1の代わりにイオン性液体2(ILS−2)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−2に対する作業飽和濃度は、0.15g/10mlだった。
(実施例3)
ILS−1の代わりにイオン性液体3(ILS−3)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−3に対する作業飽和濃度は、0.04g/10mlだった。
(実施例4)
ILS−1の代わりにイオン性液体4(ILS−4)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−4に対する作業飽和濃度は、0.01g/10mlだった。
(実施例5)
ILS−1の代わりにイオン性液体5(ILS−5)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−5に対する作業飽和濃度は、0.01g/10mlだった。
(実施例6)
ILS−1の代わりにイオン性液体6(ILS−6)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−6に対する作業飽和濃度は、0.01g/10mlだった。
(実施例7)
ILS−1の代わりにイオン性液体7(ILS−7)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−7に対する作業飽和濃度は、0.05g/10mlだった。
(実施例8)
ILS−1の代わりにイオン性液体8(ILS−8)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−8に対する作業飽和濃度は、0.05g/10mlだった。
(実施例9)
ILS−1の代わりにイオン性液体9(ILS−9)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−9に対する作業飽和濃度は、0.10g/10mlだった。
(実施例10)
ILS−1の代わりにイオン性液体10(ILS−10)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−10に対する作業飽和濃度は、0.10g/10mlだった。
(実施例11)
ILS−1の代わりにイオン性液体11(ILS−11)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−11に対する作業飽和濃度は、0.05g/10mlだった。
(実施例12)
ILS−1の代わりにイオン性液体12(ILS−12)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−12に対する作業飽和濃度は、0.05g/10mlだった。
(実施例13)
ILS−1の代わりにイオン性液体13(ILS−13)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−13に対する作業飽和濃度は、0.10g/10mlだった。
(実施例14)
ILS−1の代わりにイオン性液体14(ILS−14)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−14に対する作業飽和濃度は、0.05g/10mlだった。
(実施例15)
ILS−1の代わりにイオン性液体15(ILS−15)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−15に対する作業飽和濃度は、0.05g/10mlだった。
(実施例16)
ILS−1の代わりにイオン性液体16(ILS−16)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−16に対する作業飽和濃度は、0.01g/10mlだった。
(実施例17)
ILS−1の代わりにイオン性液体17(ILS−17)を用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリピロールのILS−17に対する作業飽和濃度は、0.03g/10mlだった。
(実施例18)
(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンのイオン性液体への溶解)
ポリピロールの代わりにポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いた以外は実施例1と同じ条件の実験を、行った。
ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンのILS−1に対する作業飽和濃度は、
0.15g/10mlだった
(実施例19)
ILS−1の代わりにイオン性液体2(ILS−2)を用いた以外は実施例18と同じ条件の実験を、行った。
ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンのILS−2に対する作業飽和濃度は、
0.15g/10mlだった
(実施例20)
ILS−1の代わりにイオン性液体3(ILS−3)を用いた以外は実施例18と同じ条件の実験を、行った。
ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンのILS−2に対する作業飽和濃度は、
0.15g/10mlだった
(実施例21)
実施例1で得られた、ポリピロールを濾紙で濾過された直後の「ポリピロールを溶解させたイオン性液体1(ILS−1)」に、ろ紙(東洋濾紙製、No.2)を浸漬し、次にそのろ紙を水に浸漬、乾燥した。ろ紙の中でポリピロールが析出し、ろ紙とポリピロールからなる導電性の紙が得られた。
(実施例22)
実施例1で得られた「ポリピロールを溶解させたイオン性液体1(ILS−1)」に、木綿の布を浸漬し、次にその木綿の布を水に浸漬、乾燥した。木綿の布の中でポリピロールが析出し、木綿の布とポリピロールからなる導電性の木綿の布が得られた。
(実施例23)
実施例1と同様にして、実施例1の作業飽和濃度(0.2g/10ml)の65%となるような溶液を作製した。具体的には、実施例1と同様にして、ポリピロール0.13gを10mlのILS−1に溶解させた溶液を調製した。この溶液は、実施例1で赤外・可視吸収スペクトルで確認したとおり、ポリピロールが完全に溶解しているものであると、推定される。
この作業飽和濃度の65%の溶液を用いた以外は、実施例22と同様にして、導電性の木綿の布を得ることが出来た。
(比較例1)
(ポリピロールのアセトニトリルへの溶解)
よく乾燥した100cm3の二口フラスコに、攪拌ペラとリービッヒ還流管を取りつけ、指定量のポリピロール0.03gを6mlのアセトニトリルに加え、150℃で攪拌したが、ポリピロールはアセトニトリルに溶解しなかった。
(比較例2)
(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンのアセトニトリルへの溶解)
よく乾燥した100cm3の二口フラスコに、攪拌ペラとリービッヒ還流管を取りつけ、指定量のポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン0.03gを6mlのアセトニトリルに加え、150℃で攪拌したが、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンはアセトニトリルに溶解しなかった。

Claims (5)

  1. 導電性高分子とイオン性液体を必須成分と、該導電性高分子の少なくとも一部が該イオン性液体に溶解しており、イオン性液体に対する作業飽和濃度に対して60%以上の濃度の導電性高分子を含む事を特徴とする、導電性高分子膜形成用組成物であって、
    イオン性液体が、式(1)〜(3)、(7)〜(15)
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    のいずれかである導電性高分子膜形成用組成物
  2. イオン性液体が、式(1)、(2)、(9)、(10)、(13)
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    Figure 0004874537
    のいずれかである請求項1記載の導電性高分子膜形成用組成物。
  3. 前記導電性高分子が、ポリピロールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリパラフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリキノンおよびその誘導体から選択された少なくとも一種類以上である、請求項1または2に記載の、導電性高分子膜形成用組成物。
  4. イオン性液体に導電性高分子を溶解させる工程を経てつくられた事を特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子膜形成用組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の導電性高分子膜形成用組成物を基材に浸漬したのちに、水または有機溶媒に浸漬して、少なくともイオン性液体の一部を洗い出す工程を含む事を特徴とする、導電性高分子の複合体の製造方法
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