JP2008169255A - 溶解性に優れた高導電性ポリアニリン及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶媒への溶解性に優れたポリアニリン及びポリアニリン誘導体。500ジーメンス以上の高導電性を示す導電性高分子ポリアニリン及びポリアニリン誘導体を合成する製造方法。
【解決手段】汎用的に用いられる疎水性の大きなアニオン性界面活性剤の存在下において合成すると、単離、精製が簡単な重合物として析出して得られ、ついで有機溶媒で抽出することで、有機溶媒に可溶となるポリアニリン及びポリアニリン誘導体を得ることが出来る。有機溶媒に可溶で自立膜形成能のあるポリアニリン及びポリアニリン誘導体が得られる。ついで、これらのポリアニリン溶液に対してメタクレゾールなどの二次ドーパントを加え、結果的に500ジーメンス以上の高導電率を示し、かつ自立膜形成能を有する機械的強度に優れたポリアニリンの導電性膜を形成する製造方法を提供する。
【選択図】なし
【解決手段】汎用的に用いられる疎水性の大きなアニオン性界面活性剤の存在下において合成すると、単離、精製が簡単な重合物として析出して得られ、ついで有機溶媒で抽出することで、有機溶媒に可溶となるポリアニリン及びポリアニリン誘導体を得ることが出来る。有機溶媒に可溶で自立膜形成能のあるポリアニリン及びポリアニリン誘導体が得られる。ついで、これらのポリアニリン溶液に対してメタクレゾールなどの二次ドーパントを加え、結果的に500ジーメンス以上の高導電率を示し、かつ自立膜形成能を有する機械的強度に優れたポリアニリンの導電性膜を形成する製造方法を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、溶解性に優れた高導電性ポリアニリン及びその製造方法に関するものである。
ポリアニリンは導電性高分子として安定性に優れており、安価な材料であるため、二次電池の正極材料として最初に実用化された導電性高分子材料である。ポリアニリンは古くはアニリンブラックとして黒色顔料に用いられてきた。数多くの導電性高分子が報告されているなかで、ポリアニリンは最も実用化に近い位置にある導電性高分子である。実用化の上で重要なコストの点で安価であり、大量合成が容易でありかつ芳香族系導電性高分子として空気安定性にも優れており、現在では加工性と導電性も良好となって、実用化にとって必要な条件を有している。またポリアニリンは最初に二次電池の正極材料として実用化された実績があり、さらに現在、帯電防止材料、電磁波シールド材、防錆塗料としてオルメコン社(ドイツ)やパニポール社(フィンランド)において実用化されて市場に出されている導電性高分子である。
ポリアニリンはポリチオフェンやポリピロールなどと異なり、プロトン付加によってその導電性が大きく変化する特異な性質を有している。その特異な電気化学特性と安定した導電性により、二次電池の正極材料、防錆塗料、各種センサー材料、帯電防止塗料、コンデンサーの固体電解質、二酸化チタン色素増感型太陽電池の対極、電磁波シールド材料、活性酸素発生材、光記録素子、人工筋肉材料、エレクトロレオロジー流体用分散剤など電気・電子・機械の幅広い分野において応用が期待されている酸化還元能を有する導電性機能性材料である。
ポリアニリンはポリチオフェンやポリピロールなどと異なり、プロトン付加によってその導電性が大きく変化する特異な性質を有している。その特異な電気化学特性と安定した導電性により、二次電池の正極材料、防錆塗料、各種センサー材料、帯電防止塗料、コンデンサーの固体電解質、二酸化チタン色素増感型太陽電池の対極、電磁波シールド材料、活性酸素発生材、光記録素子、人工筋肉材料、エレクトロレオロジー流体用分散剤など電気・電子・機械の幅広い分野において応用が期待されている酸化還元能を有する導電性機能性材料である。
ポリアニリンは空気中での安定性に優れており、また合成も容易であることからすでに実用化されて用いられている有用な導電性高分子である。しかしながら、無機酸中でアニリンの酸化重合を行ってポリアニリンを得る従来法で合成されるポリアニリンは、どの有機溶媒にも不溶でありかつ不融であって成形性に劣るため応用分野は限られていた。そのため従来から溶解性の良好な導電性高分子の合成が求められて来た。
Synthetic Metals、48、91−97(1992年)には、ポリアニリンをアルカリ処理して脱ドープしてエメラルジン塩基とした後、ドデシルベンゼンスルホン酸、もしくはカンファー(しょうのう)スルホン酸をドーパントとして取り込み、さらにそれぞれのスルホン酸と錯体を形成したポリアニリンエメラルジン塩は、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶である事が報告されている。またこのポリアニリンを可溶化した溶液中にポリエチレンなどの種々の絶縁性高分子を共溶解させてキャストしたフィルムは、大きな導電性を示すことが明らかにされている。 しかしながら、特殊な有機酸を用いる方法であり、汎用的に用いられる物質を用いた合成方法ではなく、かつ合成過程も二段階に渡っており、簡単に合成出来ない欠点を有している。 同じく 特開2003―183389号公報にはポリアニリン塩をアルカリ処理して脱ドープ状態にし、その後、ジアルキルスルホコハク酸で後ドープして溶解性の高いポリアニリンエメラルジン塩を得る方法が記載されている。この合成方法も二段階を経て合成される方法であり、合成される工程が複雑でしかも酸を用いており、工程上難点を有している。 また
特開平6―279584号公報にはアニオン性界面活性剤を用いてポリアニリンを合成する方法が記載されており、ドデシルベンゼンスルホン酸やドデシル硫酸ナトリウムなどを用いて可溶性ポリアニリンを得る方法が記述されており、実際この方法を用いてポリアニリン導電性インクが作成されている。しかしながら、導電率は数十ジーメンスと低く、二次ドーパントを加えても導電率は大きく変化しないため、100ジーメンスを越える高導電率ポリアニリンを得ることは困難であった。また、報告されているドーパントの多くがスルホン酸であり、アニオンとしてのスルホン酸をドーパントとして取り込む事で機能化される。この様に取り込まれて機能化されるのはアニオン性の酸のみであり、酸以外については用いる事ができない。 また
特願2005―156298号には(ビスー2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムを懸濁重合系で酸化重合して有機溶媒に可溶なポリアニリンを得る方法が記載されている。しかしながら、合成系がトルエンやキシレンなどの水と混和しない有機溶媒を用いる懸濁重合系であって、合成において防爆装置を用いることなどの必要が生じ、用いる装置が規制される点や、撹拌速度や酸化剤の滴下速度のコントロールが難しいなどの問題がある。しかも、合成したポリアニリンにおいては、二次ドーパントを加えた後において、導電性が一定せず生成するポリアニリンの導電率に再現性がないなどの欠点を有しており、かつ500ジーメンスを越える高導電性ポリアニリンは得られていない。
Synthetic Metals、48、91−97(1992年)には、ポリアニリンをアルカリ処理して脱ドープしてエメラルジン塩基とした後、ドデシルベンゼンスルホン酸、もしくはカンファー(しょうのう)スルホン酸をドーパントとして取り込み、さらにそれぞれのスルホン酸と錯体を形成したポリアニリンエメラルジン塩は、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶である事が報告されている。またこのポリアニリンを可溶化した溶液中にポリエチレンなどの種々の絶縁性高分子を共溶解させてキャストしたフィルムは、大きな導電性を示すことが明らかにされている。 しかしながら、特殊な有機酸を用いる方法であり、汎用的に用いられる物質を用いた合成方法ではなく、かつ合成過程も二段階に渡っており、簡単に合成出来ない欠点を有している。 同じく
いままでにアニリンをアニオン性界面活性剤と反応してアニリン塩とし、化学酸化重合を行うことでアニオン性界面活性剤、もしくはアニオン性高分子をドーパントとして取り込んだポリアニリンは、水や有機溶媒に可溶な形でポリアニリンが得られる事が判明している。こうしてクロロホルムやキシレンなどの各種有機溶媒、さらには水に可溶なポリアニリンを合成する事が出来る事を見出しており、この技術は
特許3426637号に記載されており、実際に実用化されて用いられている。しかしながら、こうして得られるポリアニリンの導電率は、数ジーメンスから数十ジーメンスのレベルであり、導電性は低いものであった。また
によるコハク酸ジアルキルスルフォネートを懸濁重合系で酸化重合して可溶性ポリアニリンを得る方法においては、懸濁重合系のため撹拌速度や重合体積の影響を受けやすく、導電性などの性質が再現性良くポリアニリンを得ることが難しかった。
いままでにアニリンをアニオン性界面活性剤中において化学酸化重合する事により、もしくはアニオン性界面活性剤と反応して両親媒性構造のアニリンモノマーにして、酸化重合することによって、クロロホルムやキシレンなどの各種有機溶媒、さらには水に可溶なポリアニリンを合成する事が出来る事を見出している
倉本憲幸著「はじめての導電性高分子」工業調査会 2002年。 長鎖アルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤を用いる事が出来る。この様な界面活性剤存在下で、アニリン塩酸塩を、過硫酸アンモニウムや、過酸化水素水、塩化第二鉄などの酸化剤、もしくは電解酸化重合することによって、水や有機溶媒に可溶なポリアニリンを合成する事ができる。具体的にはドデシル硫酸ナトリウムやコハク酸ジエステルスルフォネートなどの界面活性剤とアニリンもしくはアニリン誘導体の塩酸塩を溶解しておき、ついで過硫酸アンモニウムや過酸化水素水、塩化第二鉄で化学酸化重合する事によって、水もしくはクロロホルムやベンゼン、ジメチルホルムアミドに可溶化された形のポリアニリン、もしくはポリアニリン誘導体溶液を作成する事ができる。またドデシルベンゼンスルホン酸とアニリンより、アニリンのドデシルベンゼンスルホン酸塩を合成し、さらにこの塩を過硫酸アンモニウムで酸化重合する事で、ドデシルベンゼンスルホン酸をドーピング現象により取り込んだポリアニリンを生成する。このポリアニリンは有機溶媒に可溶であり、また水中で重合すると、水に可溶なポリアニリンを作成する事が出来る。しかしながら、こうして得られるポリアニリンは溶解性は良いけれども、導電率は数ジーメンスから数十ジーメンスのレベルであり、導電性は低いものであって、高導電性ポリアニリンが求められていた。
倉本憲幸著「はじめての導電性高分子」工業調査会 2002年。 長鎖アルキル硫酸塩などのアニオン性界面活性剤を用いる事が出来る。この様な界面活性剤存在下で、アニリン塩酸塩を、過硫酸アンモニウムや、過酸化水素水、塩化第二鉄などの酸化剤、もしくは電解酸化重合することによって、水や有機溶媒に可溶なポリアニリンを合成する事ができる。具体的にはドデシル硫酸ナトリウムやコハク酸ジエステルスルフォネートなどの界面活性剤とアニリンもしくはアニリン誘導体の塩酸塩を溶解しておき、ついで過硫酸アンモニウムや過酸化水素水、塩化第二鉄で化学酸化重合する事によって、水もしくはクロロホルムやベンゼン、ジメチルホルムアミドに可溶化された形のポリアニリン、もしくはポリアニリン誘導体溶液を作成する事ができる。またドデシルベンゼンスルホン酸とアニリンより、アニリンのドデシルベンゼンスルホン酸塩を合成し、さらにこの塩を過硫酸アンモニウムで酸化重合する事で、ドデシルベンゼンスルホン酸をドーピング現象により取り込んだポリアニリンを生成する。このポリアニリンは有機溶媒に可溶であり、また水中で重合すると、水に可溶なポリアニリンを作成する事が出来る。しかしながら、こうして得られるポリアニリンは溶解性は良いけれども、導電率は数ジーメンスから数十ジーメンスのレベルであり、導電性は低いものであって、高導電性ポリアニリンが求められていた。
いままでにアニオン性界面活性剤を用いてポリアニリンが合成されており、導電率も報告されているが、溶解性は良いものの導電率は高くなかった。また溶解性に優れ導電性の高いポリアニリンを得るには、カンファースルホン酸などの特殊で高価な有機酸をドーパントに用いる以外に方法がなかった。
汎用で安価な疎水性の高いアニオン性界面活性剤と、アニリンもしくはアニリン誘導体によって界面活性剤の塩を合成し、その塩を原料として、アニリンまたはアニリン誘導体を化学酸化重合することにより、疎水性の高いアニオン性界面活性剤を取り込んだポリアニリンまたはアニリン誘導体が得られる。これらのポリアニリンおよびポリアニリン誘導体は析出して得られ、簡単に分離精製することが可能であり、ついで析出した重合物を有機溶媒で抽出することで、ポリアニリンの有機溶液が作成出来る特徴を持っている。さらにメタクレゾール、フェノール誘導体やジクロロ酢酸を二次ドーパントを加えることで飛躍的に導電率が高くなる。
ドーパントは酸ではなくアニオン性の塩で中性の界面活性剤であり、高分子界面活性剤であっても良く、これらのアニオン性界面活性剤の作用により、有機溶媒に可溶となる。この導電率を向上する手段を鋭意検討しているなかで、フェノール誘導体を少量加えることで、飛躍的に導電率が大きく向上することを見出したものである。
具体的には水中もしくは有機溶媒中でミセル、ベシクル、ラメラ、液晶などの規則構造を形成する疎水性の大きなアニオン性界面活性剤の存在下において、アニリン、もしくはアニリン誘導体を、有機酸や無機酸を含む水中もしくは有機溶媒中で酸化重合した後、水と混和しない有機溶媒で抽出することを特徴とする有機溶媒に可溶となるポリアニリン及びポリアニリン誘導体が得られる。有機溶媒に可溶状態で得られ自立膜形成能のあるポリアニリンが得られることで、これらのポリアニリンの有機溶液に対してメタクレゾールなどの二次ドーパントを加え、結果的に500ジーメンス以上の高導電率を示し、かつ自立膜形成能を有する機械的強度に優れたポリアニリンの導電性膜を形成できる。
ドーパントは酸ではなくアニオン性の塩で中性の界面活性剤であり、高分子界面活性剤であっても良く、これらのアニオン性界面活性剤の作用により、有機溶媒に可溶となる。この導電率を向上する手段を鋭意検討しているなかで、フェノール誘導体を少量加えることで、飛躍的に導電率が大きく向上することを見出したものである。
具体的には水中もしくは有機溶媒中でミセル、ベシクル、ラメラ、液晶などの規則構造を形成する疎水性の大きなアニオン性界面活性剤の存在下において、アニリン、もしくはアニリン誘導体を、有機酸や無機酸を含む水中もしくは有機溶媒中で酸化重合した後、水と混和しない有機溶媒で抽出することを特徴とする有機溶媒に可溶となるポリアニリン及びポリアニリン誘導体が得られる。有機溶媒に可溶状態で得られ自立膜形成能のあるポリアニリンが得られることで、これらのポリアニリンの有機溶液に対してメタクレゾールなどの二次ドーパントを加え、結果的に500ジーメンス以上の高導電率を示し、かつ自立膜形成能を有する機械的強度に優れたポリアニリンの導電性膜を形成できる。
今回の発明では、大きく疎水性に偏っているアニオン性界面活性剤とアニリンの塩を形成して、そのアニリンの界面活性剤の塩を化学酸化剤による重合を、水溶液もしくは有機溶媒中で行なう方法であり、ポリアニリンは析出して得られ、簡単にポリアニリンを単離することが可能である。これにより従来の方法では困難であったポリアニリンを分離、精製することが容易となり、さらに水と混和しないトルエンやキシレンなどの有機溶媒に可溶なポリアニリンが作成される。またさらに親水性の大きな界面活性剤と組み合わせることで、水混和性有機溶媒のメチルエチルケトンや酢酸エチルなどに溶解させることが出来る。さらに二次ドーパントを加えることで飛躍的に導電率が高くなることを見出したもので、汎用的に用いられるアニオン性界面活性剤を利用した安価な系においての報告は、いままでになく、新規で飛躍的な導電性を示す点で画期的である。
疎水性の大きなアニオン性界面活性剤をドーパントとして取り込んだポリアニリンの有機溶液は、二次ドーパントと組み合わせることで導電率が飛躍的に高くなる特徴を有している。さらに疎水性の大きなアニオン性界面活性剤を取り込んだポリアニリンは、水から沈殿して得られ、未反応アニリンや未反応酸化剤などを水洗いするだけで、容易に取り除くことが出来る点で、工程を省略化出来る。さらにトルエンやキシレン、クロロホルムなどの有機溶媒にポリアニリンが可溶化されて、ポリアニリン有機溶液を生ずることができる。
このポリアニリンの有機溶液を用いて、さらに二次ドーパントとなるフェノール誘導体を加えることで、500ジーメンス以上の導電率を有する高導電性ポリアニリンの導電性膜が形成される。
この高導電性ポリアニリンの被膜を利用して、二酸化チタンの色素増感型太陽電池の対極に用いて白金よりも高い性能を示すことが出来る。また固体電解コンデンサーの固体電解質を形成出来る。また同様にプラスチック表面を有機溶媒に可溶化されたポリアニリンで覆い、さらに二次ドーパントを加えることで、いままでにない高導電率を有するポリアニリンの膜を形成することが出来る。均一なポリアニリン溶液が形成され、キャストするとポリアニリン導電性膜が形成される。
この様にトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの有機溶媒に可溶な導電性高分子を合成できる事で、ポリアニリンを導電性を保ったままで、膜状に形成出来ることができる。これによりガラス、プラスチック、ゴムなどの種々の絶縁材料に導電性を付与する事が可能であり、帯電防止材料や導電性材料として各種応用分野に応用可能であり、さらには電磁波シールド材料への応用、防錆塗料、二酸化チタン色素増感型太陽電池の対極、強度の高い導電性繊維や人工筋肉材料への応用も可能である。
このポリアニリンの有機溶液を用いて、さらに二次ドーパントとなるフェノール誘導体を加えることで、500ジーメンス以上の導電率を有する高導電性ポリアニリンの導電性膜が形成される。
この高導電性ポリアニリンの被膜を利用して、二酸化チタンの色素増感型太陽電池の対極に用いて白金よりも高い性能を示すことが出来る。また固体電解コンデンサーの固体電解質を形成出来る。また同様にプラスチック表面を有機溶媒に可溶化されたポリアニリンで覆い、さらに二次ドーパントを加えることで、いままでにない高導電率を有するポリアニリンの膜を形成することが出来る。均一なポリアニリン溶液が形成され、キャストするとポリアニリン導電性膜が形成される。
この様にトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどの有機溶媒に可溶な導電性高分子を合成できる事で、ポリアニリンを導電性を保ったままで、膜状に形成出来ることができる。これによりガラス、プラスチック、ゴムなどの種々の絶縁材料に導電性を付与する事が可能であり、帯電防止材料や導電性材料として各種応用分野に応用可能であり、さらには電磁波シールド材料への応用、防錆塗料、二酸化チタン色素増感型太陽電池の対極、強度の高い導電性繊維や人工筋肉材料への応用も可能である。
アニリン0.2モルを塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの各種無機酸の1規定水溶液中に溶解した水溶液100mlに,(ビスー2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT:エアロゾルOT)0.2モルを加えて加温して溶解した。その溶液をさらに0度以下の低温に保って撹拌しながら、酸化剤として過硫酸アンモニウム0.12モルを加えて6時間反応を行なった。当初均一系であったものが、反応が進行するにつれて不均一系となり、ポリアニリン特有の緑色の沈殿体が得られた。この沈殿を濾過して単離し、水及び無機酸性水溶液で洗浄して未反応物を取り除いて精製した。この精製ポリアニリンをトルエンまたはキシレンなどの水と混和しない有機溶媒で抽出することで、ポリアニリンのトルエン、キシレン、クロルホルム溶液が得られた。得られたポリアニリンの導電性は、酸化剤である過硫酸アンモニウムの濃度によって変化し、アニリンモノマーに対して0.5当量で最高40ジーメンスの値が得られた。
さらにトルエン、キシレンやベンゼン、クロロホルムに溶解させて、二次ドーパントとしてメタクレゾール又はジクロロ酢酸をベンゼンなどの有機溶媒に対して数パーセントから十数パーセント加えることで、強靭な膜性能を有するポリアニリン膜が形成出来た。ポリマー基盤上に形成する事で強靭で透明な、631ジーメンスの導電率を有する高導電膜が得られた。
さらにトルエン、キシレンやベンゼン、クロロホルムに溶解させて、二次ドーパントとしてメタクレゾール又はジクロロ酢酸をベンゼンなどの有機溶媒に対して数パーセントから十数パーセント加えることで、強靭な膜性能を有するポリアニリン膜が形成出来た。ポリマー基盤上に形成する事で強靭で透明な、631ジーメンスの導電率を有する高導電膜が得られた。
アニリン塩酸塩0.2モルの水溶液100mlにリパール:主成分は(ビスー2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(ライオン社製品)0.1モルを加えて加温して溶解し、その溶液をさらに0度以下の低温に保って撹拌しながら過硫酸アンモニウム0.12モルを加えて6時間反応を行なった。当初均一系であったものが、反応が進行するにつれて、不均一系となりポリアニリン特有の緑色の沈殿体が得られた。この沈殿を濾過して単離し、水及び酸性水溶液で洗浄して未反応物を取り除いて精製した。この精製ポリアニリンをトルエンまたはキシレンなどの水と混和しない有機溶媒で抽出することで、ポリアニリンのトルエン、キシレン、クロルホルム溶液が得られた。この得られたポリアニリンの導電性は酸化剤である過硫酸アンモニウムの濃度によって変化し、アニリンモノマーに対して0.5当量で最高40ジーメンスの値が得られた。
さらにトルエンやキシレン、ベンゼン、クロロホルムに溶解し、二次ドーパントとしてメタクレゾール又はジクロロ酢酸をベンゼンなどの有機溶媒に対して数パーセントから十数パーセント加え、配向させて強固な膜性能を有するポリアニリン膜を形成した。このポリマー基盤上に形成する事でポリアニリンをコートした強固な膜を形成可能であり、透明でかつ高導電性のポリアニリンフィルムを作成した。結果として683ジーメンスの導電率を有する高導電膜が得られた。
さらにトルエンやキシレン、ベンゼン、クロロホルムに溶解し、二次ドーパントとしてメタクレゾール又はジクロロ酢酸をベンゼンなどの有機溶媒に対して数パーセントから十数パーセント加え、配向させて強固な膜性能を有するポリアニリン膜を形成した。このポリマー基盤上に形成する事でポリアニリンをコートした強固な膜を形成可能であり、透明でかつ高導電性のポリアニリンフィルムを作成した。結果として683ジーメンスの導電率を有する高導電膜が得られた。
―18度でイソオクタン237.5mlに(ビスー2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT:エアロゾルOT)50ミリモル(22.23g)とメタンスルホン酸4.8g及び水12.5mlを撹拌して溶解させた。ついで酸化剤として過硫酸アンモニウム25ミリモル(5.7g)を溶解した2規定塩酸水溶液を加えてエマルジョン状態とした。この系にアニリン25ミリモルを溶解したイソオクタンとエタノールの1対1の混合溶液25mlを徐々に滴下して、溶液を低温に保って撹拌しながら、6時間酸化重合反応を行なった。当初均一系であったものが、反応が進行するにつれて不均一系となり、ポリアニリン特有の緑色の沈殿体が得られた。この沈殿を濾過して単離し、水及び無機酸性水溶液で洗浄して未反応物を取り除いて精製した。この精製ポリアニリンをトルエンまたはキシレンなどの水と混和しない有機溶媒で抽出することで、ポリアニリンのトルエン、キシレン、クロルホルム溶液が得られた。得られたポリアニリンの導電性は酸化剤である過硫酸アンモニウムの濃度によって変化し、アニリンモノマーに対して0.5当量で最高23ジーメンスの値が得られた。
さらにトルエン、キシレンやベンゼン、クロロホルムに溶解させて、二次ドーパントとしてメタクレゾール又はジクロロ酢酸をベンゼンなどの有機溶媒に対して数パーセントから十数パーセント加えることで、強靭な膜性能を有するポリアニリン膜が形成出来た。ポリマー基盤上に形成する事で強靭で透明な、789ジーメンスの導電率を有する高導電膜が得られた。
さらにトルエン、キシレンやベンゼン、クロロホルムに溶解させて、二次ドーパントとしてメタクレゾール又はジクロロ酢酸をベンゼンなどの有機溶媒に対して数パーセントから十数パーセント加えることで、強靭な膜性能を有するポリアニリン膜が形成出来た。ポリマー基盤上に形成する事で強靭で透明な、789ジーメンスの導電率を有する高導電膜が得られた。
水中または有機溶媒中において各種無機酸や有機酸の存在下で、アニリンもしくはアニリン誘導体を、(ビスー2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムであるアニオン性界面活性剤を加えてアニリンの塩を形成し、アニオン性界面活性剤の配向組織下において、過硫酸アンモニウムを加えて化学酸化重合し、ポリアニリンの重合析出物を単離精製することで、有機溶媒可溶性ポリアニリンもしくはポリアニリン誘導体を合成する。
ついでこの析出物であるポリアニリンからトルエンやキシレン、クロロホルムで抽出してポリアニリンの有機溶媒溶液を作成する。この際に用いる無機酸は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などを用いることが出来る。有機酸はメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、高分子界面活性剤、ポリスチレンスルホン酸などを用いることが出来る。
さらにガラスもしくはポリマー上にキャストして、ポリアニリンの被膜を形成する。有機溶媒可溶性で分子量の大きな膜強度の大きなポリアニリンを合成でき、導電率10ー100ジーメンス/平方センチの膜が作成出来る。さらに二次ドーパントであるメタクレゾールやフェノール誘導体、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などを加えて、有機溶媒より塗布出来て、導電性が500ジーメンス以上を示す導電膜を形成できる。
ついでこの析出物であるポリアニリンからトルエンやキシレン、クロロホルムで抽出してポリアニリンの有機溶媒溶液を作成する。この際に用いる無機酸は塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などを用いることが出来る。有機酸はメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、高分子界面活性剤、ポリスチレンスルホン酸などを用いることが出来る。
さらにガラスもしくはポリマー上にキャストして、ポリアニリンの被膜を形成する。有機溶媒可溶性で分子量の大きな膜強度の大きなポリアニリンを合成でき、導電率10ー100ジーメンス/平方センチの膜が作成出来る。さらに二次ドーパントであるメタクレゾールやフェノール誘導体、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸などを加えて、有機溶媒より塗布出来て、導電性が500ジーメンス以上を示す導電膜を形成できる。
ポリアニリンは導電性高分子の中でも特に安定性が高く、また合成も容易である事から、最初に二次電池の正極材料として実用化された高分子である。しかしながら、すべての溶媒に不溶かつ不融である事から、成形性に劣り、その用途が限られてきた。
アニリンもしくはアニリン誘導体をアニオン性界面活性剤と組みあわす事により、両親媒性のアニリンモノマーにすることが可能であり、トルエンなどの各種有機溶媒に可溶なポリアニリンを合成する事が出来る。このアニリン、アニリン誘導体塩を過硫酸アンモニウムで酸化重合する事で、アニオン性界面活性剤をドーピング現象により取り込んだポリアニリン、ポリアニリン誘導体を生成する。
このポリアニリン、ポリアニリン誘導体は有機溶媒に可溶であり、有機溶媒可溶な導電性高分子を作成する事が出来る。同様に界面活性剤構造をもったアニリン誘導体も又酸化剤によって重合する事で、有機溶媒に可溶なポリアニリンを合成する事ができる。さらにこの様な界面活性剤型を有したポリアニリンは、二次ドーパントを取り込むことによって、機械的強度に優れた高導電性を有する導電性薄膜を形成する事ができる。この高い溶解性と高い導電性を併せ持ったポリアニリンを、アニオン性界面活性剤を利用して、安価な材料で合成することが出来る。
またその有する独自な性質を利用して、防錆塗料、固体コンデンサーの固体電解質、二酸化チタン色素増感型太陽電池の対極材料、帯電防止材料、電磁波シールド材料などの用途に用いられる。また、高導電性であることから、用いられる可能性をひろげ、透明電極、人工筋肉、プラスチックトランジスター、RFIDタグ用アンテナ材料、エレクトロルミネッセンス材料のホール輸送材料などの各種の次世代材料としての応用に展開出来る。
アニリンもしくはアニリン誘導体をアニオン性界面活性剤と組みあわす事により、両親媒性のアニリンモノマーにすることが可能であり、トルエンなどの各種有機溶媒に可溶なポリアニリンを合成する事が出来る。このアニリン、アニリン誘導体塩を過硫酸アンモニウムで酸化重合する事で、アニオン性界面活性剤をドーピング現象により取り込んだポリアニリン、ポリアニリン誘導体を生成する。
このポリアニリン、ポリアニリン誘導体は有機溶媒に可溶であり、有機溶媒可溶な導電性高分子を作成する事が出来る。同様に界面活性剤構造をもったアニリン誘導体も又酸化剤によって重合する事で、有機溶媒に可溶なポリアニリンを合成する事ができる。さらにこの様な界面活性剤型を有したポリアニリンは、二次ドーパントを取り込むことによって、機械的強度に優れた高導電性を有する導電性薄膜を形成する事ができる。この高い溶解性と高い導電性を併せ持ったポリアニリンを、アニオン性界面活性剤を利用して、安価な材料で合成することが出来る。
またその有する独自な性質を利用して、防錆塗料、固体コンデンサーの固体電解質、二酸化チタン色素増感型太陽電池の対極材料、帯電防止材料、電磁波シールド材料などの用途に用いられる。また、高導電性であることから、用いられる可能性をひろげ、透明電極、人工筋肉、プラスチックトランジスター、RFIDタグ用アンテナ材料、エレクトロルミネッセンス材料のホール輸送材料などの各種の次世代材料としての応用に展開出来る。
Claims (3)
- 疎水性の大きなアニオン性界面活性剤の存在下において、アニリン、もしくはアニリン誘導体を、有機酸や無機酸を含む溶媒中で酸化重合して析出、単利、精製した後、水と混和しない有機溶媒で抽出して有機溶液が形成できることを特徴とする、有機溶媒に可溶となるポリアニリン及びポリアニリン誘導体。
- 請求項1の有機溶媒可溶性ポリアニリン及びポリアニリン誘導体の有機溶液に対して、メタクレゾールなどの二次ドーパントを加え、結果的に500ジーメンス以上の高導電率を示し、かつ自立膜形成能を有する機械的強度に優れた導電性膜を得る製造方法。
- 請求項1のアニオン性界面活性剤が(ビスー2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムである商品名AOT(エアロゾルOT)、もしくは製品として含有成分とする商品名リパールなどを用いて合成されることを特徴とするポリアニリンもしくはポリアニリン誘導体であって、有機溶媒に溶解するポリアニリンもしくはポリアニリン誘導体を得る方法。
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US10872709B2 (en) | 2014-07-11 | 2020-12-22 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Method for producing polyaniline complex composition and polyaniline complex composition |
CN113540452A (zh) * | 2021-06-02 | 2021-10-22 | 江苏大学 | 铝离子二次电池及其正极材料 |
-
2007
- 2007-01-09 JP JP2007001850A patent/JP2008169255A/ja active Pending
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