JP4873827B2 - 多層プリント配線板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多層プリント配線板に係り、高周波のICチップ、特に3GHz以上の高周波領域でのICチップを実装したとしても誤作動やエラーなどが発生することなく、電気特性や信頼性を向上させることができる多層プリント配線板に関することを提案する。
【0002】
【従来の技術】
ICチップ用のパッケージを構成するビルドアップ式の多層プリント配線板では、スルーホールが形成されたコア基板の両面もしくは片面に、層間絶縁樹脂を形成し、層間導通のためのバイアホールをレーザもしくはフォトエッチングにより開口させて、層間樹脂絶縁層を形成させる。そのバイアホール上にめっきなどにより導体層を形成し、エッチングなどを経て、パターンを形成し、導体回路を作り出させる。さらに、層間絶縁層と導体層を繰り返し形成させることにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。必要に応じて、表層には半田バンプ、外部端子(PGA/BGAなど)を形成させることにより、ICチップを実装することができる基板やパッケージ基板となる。ICチップはC4(フリップチップ)実装を行うことにより、ICチップと基板との電気的接続を行っている。
【0003】
ビルドアップ式の多層プリント配線板の従来技術としては、特開平6−260756号、特開平6−275959号などがある。ともに、スルーホールを充填樹脂で充填されたコア基板上に、ランドが形成されて、両面にバイアホールを有する層間絶縁層を施して、アディテイブ法により導体層を施し、ランドと接続することにより、高密度化、微細配線を形成された多層プリント配線板を得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ICチップが高周波になるにつれて、誤動作やエラーの発生の頻度が高くなってきた。特に周波数が3GHzを越えたあたりから、その度合いが高くなってきている。5GHzを越えると全く動かなくなることもあった。そのために、該ICチップをCPUとして備えるコンピュータで、機能すべきはずの動作、例えば、画像の認識、スイッチの切り替え、外部へのデータの伝達などの所望の機能や動作を行えなくなってしまった。
【0005】
それらのICチップ、基板をそれぞれ非破壊検査や分解したところICチップ、基板自体には、短絡やオープンなどの問題は発生しておらず、周波数の小さい(特に1GHz未満)ICチップを実装した場合には、誤動作やエラーの発生はなかった。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高周波領域のICチップ、特に3GHzを越えても誤動作やエラーの発生しないプリント基板もしくはパッケージ基板を構成し得る多層プリント配線板を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨構成とする発明に想到した。すなわち、
本願発明は、コア基板上に、層間絶縁層と導体層が形成されて、バイアホールを介して、電気的な接続を行われる多層プリント配線板において、
前記コア基板の表層、内層もしくは表層及び内層には、少なくとも1層の電源層を有し、前記コア基板を構成する絶縁層の厚みを0.6mm以下で、0.13mm以上にする多層プリント配線板に特徴がある。
【0008】
従来と比較するとICチップ〜層間絶縁層〜コア基板の導体〜電源もしくはコンデンサの距離自体が短くなることになる。そのためのトータルの伝送線路距離が短くなる。これにより、その線路間の導体抵抗を低減させることができ、流れる信号線などの電気的な伝達などを阻害しなくなる。そのために、伝達される信号などに損失を起こさない。それは、前記コア基板の表層、内層もしくは表層及び内層には、少なくとも1層の電源層を有し、かつコア基板の絶縁層を0.6mm以下にすることより、その効果を奏する。それは、高周波領域のICチップ、特に、周波数が3GHz以上のICチップを実装させると、コア基板の絶縁層の厚みを0.6mm以下、0.13mm以上にさせるとその効果が表れる。
【0009】
さらに、コア基板の絶縁層の厚みを0.2mm〜0.5mmの間にすることが望ましい。
【0010】
また、コア基板において電源層を設けたとき、ICチップ〜電源層との距離と電源層〜電源との距離の双方を短くすることとなるために、導体抵抗を低下させることができる。そのために、電源の供給効率が向上されるので、高周波領域に用いても、誤動作やエラーなどを引き起こさない。
【0011】
また、ICチップ〜基板〜コンデンサもしくは誘電体層〜電源を経て、ICチップに電源を供給する場合にも、同様の効果を奏する。それ故に、コンデンサもしくは誘電体層の電源の供給に損失を起こさない。ICチップは、瞬時的に電力を消費して、複雑な演算処理や動作を行う。高周波領域のICチップを実装したとしても、初期動作における電源不足(電圧降下)に対して、大容量のコンデンサを実装することなく、電源の供給をすることができる。高周波領域のICチップを用いるためには初期動作時の電源不足(電圧降下)が発生するが、従来のICチップで供給されていたコンデンサもしくは誘電体層の容量で足りるのである。その際、電圧降下を低減させることがインダクタンスを低減させるよりもその効果を奏する。つまり、基板全体に発生するノイズは、電圧降下を低減させることで電圧不足の解消が早くなり、ノイズ発生の頻度を下げられて、ICチップの挙動が安定する。
【0012】
この際、コア基板の電源層を内層に形成させることが望ましい。内層に形成させることにより、ICチップ〜電源層との距離と電源層〜電源との距離が等しくなりやすいために、電圧降下を低減させやすくなっている。
【0013】
また、電源層も単層で形成させるよりも2層以上の多層(表層と内層とで電源層を形成させることや表層の両面に電源層を形成させること等)で形成させた方がより望ましい。多層にすることにより、電源層の面積を大きくすることが容易になる。そのために、抵抗を小さくすることができるからである。
【0014】
特に、コア基板の電源層として用いられる導体層の厚みが、コア基板の片面もしくは両面上の層間絶縁層上に導体層の厚みより、厚いときに、上記の2つの効果をさらに向上させるのである。
【0015】
コア基板上に、層間絶縁層と導体層が形成されて、バイアホールを介して、電気的な接続を行われる多層プリント配線板において、
前記コア基板の表層、内層もしくは表層及び内層には、少なくとも1層の電源層を有し、前記コア基板を構成する絶縁層の厚みをβ1、層間絶縁層を構成する絶縁層の厚みをβ2、ICチップと電源層までの距離をδ1、電源層と外部端子までの距離をδ2に対して、1<(δ1+δ2)/(β1 2+β2 2)<10であることを特徴とする。電源層が多層である場合も、その中で最も近いものと電源層との距離を指すのである。
(δ1+δ2)/(β1 2+β2 2)≦1.0であるとき、高周波領域におけるICチップを実装させた場合、初期動作をしたときの瞬間の電圧降下が大きくなる。また、その電圧低下する最降下地点のポイントも時間が経ってから、発生しているので、電圧が回復するまでのタイムラグが生じてしまう。そのためにIC駆動電圧の変動が大きくなるので、誤動作やエラーを発生しやすくなる。
(δ1+δ2)/(β1 2+β2 2)>10であるとき、電圧降下を低減させる効果を有するが、それに追従するように信頼性が低下してしまう。ヒートサイクル条件下などによる基板への応力が緩衝されにくくなる。そのために、早期に絶縁性や接続信頼性が低下してしまう。
【0016】
それぞれ、β、δは、図22に示したように定義される。図22では、多層プリント配線板を模式的に示す。コア基板30の両面には導体層34が形成され、図中上側の導体層34が電源層として用いられる。コア基板30の両面には、層間絶縁層50と導体層58、層間絶縁層150と導体層158とが形成される。図中上側の導体層158にはICチップ90が接続され、下側の導体層158には、導電性接続ピン(外部端子)77が接続される。このとき、コア基板30の電源層である導体層34の厚みをα1、層間絶縁層上の導体層58、158の厚みをα2と定義され、δ1、δ2は次式で表される。
ここで、δ1=α2-1+β2-1+α2-2+β2-2
δ2=β1+α1-0+β2-3+α2-3+β2-4+α2-4
【0017】
1.2<(δ1+δ2)/(β1 2+β2 2)<8であることが望ましい。その範囲であれば、電圧降下という点では安定しているし、信頼性という点でも問題がないからである。
【0018】
特に、コア基板の電源層として用いられる導体層の厚みが、コア基板の片面もしくは両面上の層間絶縁層上の導体層の厚みより、厚いときに、上記の効果をさらに向上させるのである。
【0019】
第1の効果として、導体層の厚みを厚くすることにより、導体自体の体積を増すことができる。その体積を増すことにより、導体での抵抗が低減することができる。そのために流れる信号線などの電気的な伝達などを阻害しなくなる。従って、伝達される信号などに損失を起こさない。それは、コアとなる部分の基板を厚くすることにより、その効果を奏する。
【0020】
第2の効果として、導体層を電源層として用いることで、ICチップへの電源の供給能力を向上させることができる。また、導体層をアース層として用いることで、ICチップへの信号、電源に重畳するノイズを低減させることができる。その根拠としては、第1の効果で述べた導体の抵抗の低減が、電源の供給も阻害しなくなる。そのため、該多層プリント配線板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までの抵抗などの電気特性を向上させることができる。従って、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起きにくくなり、そのためにより高周波領域のICチップを実装したとしても、初期動作における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。
【0021】
コア基板の電源層の導体層を厚くすることにより、コア基板の強度が増す。それにより、コア基板自体を薄くしても、反りや発生した応力を基板自体で緩和することが可能となる。
【0022】
また、ICチップ〜基板〜コンデンサもしくは誘電体層〜電源を経て、ICチップに電源を供給する場合にも、同様の効果を奏する。前述の抵抗などの電気特性を向上させることができる。それ故に、コンデンサもしくは誘電体層の電源の供給に損失を起こさない。そもそもICチップは、瞬時的に電力を消費して、複雑な演算処理や動作を行う。高周波領域のICチップを実装したとしても、初期動作における電源不足(電圧降下の発生という状況)に対して、大量のコンデンサを実装することなく、電源の供給をすることができる。そもそも高周波領域のICチップを用いるためには初期動作時の電源不足(電圧降下)が発生するが、従来のICチップでは供給されていたコンデンサもしくは誘電体層の容量で足りていた。
【0023】
特に、コア基板の電源層として用いられる導体層の厚みが、コア基板の片面もしくは両面上の層間絶縁層上に導体層の厚みより、厚いときに、上記の3つの効果をさらに向上させるのである。この場合の層間絶縁層上の導体層とは、絶縁層の中に芯材を含浸させていない樹脂で形成された層間絶縁層に、層間を接続させるための非貫通孔であるバイアホールを形成したものにめっき、スパッタなどを経て形成された導体層を主として意味する。これ以外にも特に限定されないが、バイアホールを形成したものであれば、上記の導体層に該当する。
【0024】
コア基板の電源層は、基板の表層、内層もしくは、その両方に配置させてもよい。内層の場合は、2層以上に渡り多層化してもよい。基本的には、コア基板の電源層は層間絶縁層の導体層よりも厚くなっていれば、その効果を有する。
ただ、内層に形成することが望ましい。内層に形成されるとICチップと外部端もしくはコンデンサとの中間に電源層が配置される。そのため、双方の距離が均一であり、阻害要因が少なくなり、電源不足が押さえられるからである。
【0025】
また、本発明では、コア基板上に層間絶縁層と導体層とが形成されて、バイアホールを介して、電気的な接続が行われる多層プリント配線板において、
コア基板上の導体層の厚みをα1、層間絶縁層上の導体層の厚みをα2に対して、α2<α1≦40α2であることを特徴とする多層プリント配線板にある。
【0026】
α1≦α2の場合は、電源不足に対する効果が全くない。つまり、言い換えると初期動作時に発生する電圧降下に対して、降下度を抑えることが明確にならない。
α1>40α2を越えた場合についても検討を行ったが、基本的に電気特性は、40α2と同じである。つまり、本願の効果の臨界点であると理解できる。これ以上厚くしても、電気的な効果の向上が望めない。ただ、この厚みを越えると、コア基板の表層に導体層を形成した場合にコア基板と接続を行うランド等を形成するのに困難が生じてしまう。さらに上層の層間絶縁層を形成すると、凹凸が大きくなってしまい、層間絶縁層にうねりが生じてしまうために、インピーダンスを整合することができなくなってしまうことがある。しかしながら、その範囲(α1>40α2)でも問題がないときもある。
【0027】
導体層の厚みα1は、1.2α2<α1≦40α2であることが更に望ましい。その範囲であれば、電源不足(電圧降下)によるICチップの誤動作やエラーなどが発生しないことが確認されている。
【0028】
この場合のコア基板の材質としては、ガラスエポキシ樹脂などの芯材が含浸した樹脂基板、セラミック基板、金属基板、樹脂、セラミック、金属を複合して用いた複合コア基板、それらの基板の内層に(電源用)導体層が設けられた基板、3層以上の多層化した導体層が形成された多層コア基板を用いることができる。
金属を埋め込まれた基板上に、めっき、スパッタなどの一般的に行われる導体層を形成するプリント配線板の方法で形成したものを用いてもよい。
【0029】
多層コア基板の場合であれば、コア基板の外層と内層の電源層をそれぞれ足した厚みが、コア基板における電源層の導体層の厚みとなる。
必要に応じて、コア基板の内層にコンデンサや誘電体層、抵抗などの部品を埋め込み、形成させた電子部品収納コア基板を用いてもよい。
【0030】
本願発明でのコア基板とは、以下のように定義される。芯材等が含浸された硬質基材であり、その両面もしくは片面に、芯材などを含まない絶縁樹脂層を用いて、フォトビアもしくはレーザによりバイアホールを形成して、導体層を形成して、層間の電気接続を行うときのものである。
【0031】
図14は、縦軸にICチップへ供給される電圧、横軸には時間経過を示している。図14は、1GHz以上の高周波ICチップ電源用のコンデンサを備えないプリント配線板をモデルにしたものである。線Aは、1GHzのICチップへの電圧の経時変化を示したものであり、線Bは、3GHzのICチップへの電圧の経時変化を示したものである。その経時変化は、ICチップが起動し始めたとき、瞬時に大量の電源が必要となる。その供給が不足していると電圧が降下する(X点、X’点)。その後、供給する電源が徐々に充足されるので、電圧効果は解消される。しかしながら、電圧が降下したときには、ICチップの誤作動やエラーを引き起こしやすくなる。つまり、電源の供給不足によるICチップの機能が十分に機能、起動しないがために起こる不具合である。この電源不足(電圧降下)はICチップの周波数が増えるにつれて大きくなってくる。そのために、電圧降下を解消するためには、時間が掛かってしまい、所望の機能、起動を行うために、タイムラグが生じてしまう。
【0032】
前述の電源不足(電圧降下)を補うために、外部のコンデンサと接続させて、該コンデンサ内に蓄積された電源を放出することにより、電源不足(電圧降下)を小さくすることができる。
図15には、コンデンサを備えたプリント基板をモデルにしたものである。線Cは、小容量のコンデンサを実装して、1GHzのICチップにおける電圧の経時変化を示したものである。コンデンサを実装していない線Aに比べると電圧降下の度合いが小さくなってきている。さらに、線Dは、線Cで行ったものに比べて大容量のコンデンサを実装して、線C同様に経時変化を示したものである。さらに線Cと比較しても、電圧降下の度合いが小さくなってきている。それにより、短時間で所望のICチップも機能、起動を行うことができるのである。しかしながら、図14に示したように、ICチップがより高周波領域になると、より多くのコンデンサ容量が必要になってしまい、そのためにコンデンサの実装する領域を設定する必要となるため、電圧の確保が困難になってしまい、動作、機能を向上することができないし、高密度化という点でも難しくなってしまう。
【0033】
さらに検討した結果、コア基板の絶縁層の厚みを変化させたときの電圧降下図の結果を図16に示す。図中で、線Cは、小容量のコンデンサを実装して、3GHzのICチップで、絶縁層の厚み0.8mmにおける電圧の経時変化、線Fは、小容量のコンデンサを実装して、3GHzのICチップで、絶縁層の厚み0.6mmにおける電圧の経時変化、線Eは、小容量のコンデンサを実装して、3GHzのICチップで、絶縁層の厚み0.4mmにおける電圧の経時変化の様子をそれぞれ示したものである。コアの絶縁材の厚みが薄くなるにつれて、電源不足(電圧降下)が小さくなってきている。そのために、ICチップの機能、動作の不具合の発生が少なくなるということがいえる。即ち、コア基板の絶縁層の厚みを薄くすることにより、ICチップ〜電源(コンデンサを含む)間の距離が短くなる、もしくはICチップ〜コア基板の電源層あるいはコア基板の電源層〜電源(コンデンサを含む)が短くなることになる。距離が短くなることにより、回路間の導体抵抗が低減させるので、伝達される電源における電圧、電流への損失がなくなる。そのために、ICチップ〜電源間での伝達損失が小さくなり、電源の供給が行われるので、誤動作やエラーなどを引き起こさない。さらに電源層の導体層の厚みによる要因が大きく、コア基板における電源層の導体層の厚みを他の層間絶縁層上の導体層の厚みより厚くすることにより、その効果をさらに奏する。
【0034】
また、電圧降下の現象を正確に把握するために、コア基板の絶縁層の厚みを変えて、そのときの最大の電圧降下量をシミュレーションの結果を図17中に示した。図中では、縦軸に電圧降下、横軸にコア基板の絶縁層の厚みを取ってある。実装するICチップは、3GHz以上の高周波領域であるものを用いて、基板として、表層部分にコンデンサを実装させている。1GHzくらいであると、電圧降下にはそれほど違いはなく、そのために誤作動やエラーなどを引き起こしにくいということがいえる。しかしながら、1GHzよりも高周波領域になると、電圧降下(電源不足)が顕著に表れる。そのために、誤作動やエラーを引き起こすことがある。絶縁層の厚みを0.6mmくらいにすると、電圧降下(電源不足)も解消されることが分かる。そのために、絶縁層の厚みを薄くすることにより、ICチップ〜電源間の距離が短くなり、ループインダクタンスが低減されて、電源の供給が適正に行われる。これにより、電圧降下(電源不足)が起こらない。
【0035】
更に、線Gは、小容量のコンデンサを実装して、3GHzのICチップで、導体層の厚み0.8mm、線Cで用いられたコア基板の電源層の2倍の厚みにおける電圧の経時変化、線Hは、小容量のコンデンサを実装して、3GHzのICチップで、導体層の厚み0.6mm、線Fで用いられたコア基板の電源層の2倍の厚みにおける電圧の経時変化を示したものである。コア基板の電源層の導体層の厚みを厚くすることにより、電源不足(電圧降下)が小さくなっている。そのために、ICチップの機能、動作の不具合の発生がより少なくなるといえる。即ち、コア基板の絶縁層の厚みを薄くし、かつ、電源層の導体層を厚くすることがより望ましいこととなる。
【0036】
コア基板を構成する絶縁層の厚みをβ1、層間絶縁層を構成する絶縁層の厚みをβ2、ICチップと電源層までの距離をδ1、電源層と外部端子までの距離をδ2に対して、その相関においてβx=(δ1+δ2)/(β1 2+β2 2)における電圧の経時変化を図18中に示す。図中で、縦軸に電圧降下、横軸に経過時間が取ってある。小容量のコンデンサを実装して、3GHzのICチップにおける3つのβx(0.783、1.102、1.792)の経時変化をそれぞれ示してある。βxが大きくなるにつれて、電圧降下(電源不足)が小さくなっている。つまり、βxが大きくなると、抵抗などの電気特性が向上するので、それに伴い、電圧降下(電源不足)が解消されて、それにより、ICチップの初期動作における誤動作やエラーの発生を防止することができる。
【0037】
また、電圧降下の現象を正確に把握するために、βXを変えて、そのときの最大の電圧降下量をシミュレーションして求めた結果を図19に示す。図中で縦軸に電圧降下、横軸にβXを取ってある。実装するICチップは、3GHz以上の高周波領域であるものを用いて、基板として、表層部分にコンデンサを実装させている。電圧降下(電源不足)が顕著に表れる。そのために、誤作動やエラーを引き起こすことがある。βXが1.0より大きくなると、電圧降下(電源不足)が小さくなり、電圧降下(電源不足)も解消されることが分かる。そのために、βXを大きくすることにより、ICチップ〜基板〜電源間との間における抵抗などの電気特性を向上させることができ、電源の供給が適正に行われる。そのために、電圧降下(電源不足)が起こらない。
【0038】
また、本願発明では、コア基板の導体層の厚みが、層間絶縁層上の導体層の厚みよりも厚いことを特徴とする。
【0039】
第1の効果として、コア基板の電源層の導体層が厚くなることにより、コア基板の強度が増す。それによりコア基板自体を薄くしたとしても、反りや発生した応力を基板自体で緩和することが可能となる。
【0040】
第2の効果として、導体層を厚くすることにより、導体自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、導体での抵抗が低減することができる。そのため流れる信号線などの電気的な伝達などを阻害しなくなる。従って、伝達される信号などに損失を起こさない。それは、コアとなる部分の基板だけを厚くすることにより、その効果を奏する。
【0041】
第3の効果として、導体層を電源層として用いることで、ICチップへの電源の供給能力が向上させることができる。その根拠としては、第2の効果で述べた導体の抵抗の低減が、電源の供給も阻害しなくなる。そのため、該多層プリント基板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までの抵抗などの電気特性を向上させることができる。そのために、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起き難くなり、そのためにより高周波領域のICチップを実装したとしても、初期起動における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。
【0042】
また、ICチップ〜基板〜コンデンサもしくは電源層〜電源を経て、ICチップに電源を供給する場合にも、同様の効果を奏する。前述の抵抗などの電気特性を向上させることができる。それ故に、コンデンサもしくは誘電体層の電源の供給に損失を起こさない。そもそもICチップは、瞬時的に電力を消費して、複雑な演算処理や動作が行われる。電源層からのICチップへの電力供給により、高周波領域のICチップを実装したとしても、初期動作における電源不足(電圧降下)ということに対して、大容量のコンデンサを実装することなく、電源の供給をすることができる。そもそも高周波領域のICチップを用いるためには初期動作時の電源不足(電圧降下)が発生するが、従来のICチップでは供給されていたコンデンサもしくは誘電体層の容量で足りていた。
【0043】
特に、コア基板の電源層として用いられる導体層の厚みが、コア基板の片面もしくは両面上の層間絶縁層上の導体層の厚みより、厚いときに、上記の3つの効果を最大限にさせることができる。
【0044】
また、本発明では、コア基板上の導体層の厚みをα1、層間絶縁層上の導体層の厚みをα2に対して、α2<α1≦40α2であることを特徴とする。
【0045】
α1≧α2の場合は、電源不足(電圧降下)に対する効果が全くない。
α1<40α2を越えた場合についても検討を行ったが、基本的には電気特性は、40α2と同等である。つまり、本願の効果の臨界点であると理解できる。これ以上厚くしてもその効果は望めない。ただ、この厚みを越えると、コア基板と接続を行うランド等が形成するのに困難が生じてしまう。上層の層間絶縁層を形成すると、凹凸が大きくなってしまい、層間絶縁層にうねりを生じてしまうために、インピーダンスを整合することが出来なくなってしまう。
【0046】
導体層の厚みα1は、1.2α2≦α1≦40α2であることがさらに望ましい。その範囲であれば、電源不足(電圧降下)によるICチップの誤動作やエラーなどが発生しないことが確認されている。
【0047】
この場合のコア基板とは、ガラスエポキシ樹脂などの芯材が含浸した樹脂基板、セラミック基板、金属基板、樹脂、セラミック、金属を複合して用いた複合コア基板、それらの基板の内層に(電源用)導体層が設けられた基板、3層以上の多層化した導体層が形成された多層コア基板を用いることができる。
【0048】
電源層の導体の厚みを、厚くするために、金属を埋め込まれた基板上に、めっき、スパッタなどの一般的に行われる導体層を形成するプリント配線板の方法で形成したものを用いてもよい。
【0049】
多層コア基板の場合であれば、コア基板の外層と内層の電源層をそれぞれ足した厚みが、コアの電源層の厚みとなる。つまり、多層化しても、コア基板の導体層の厚みを厚くすることが本質であり、効果自体はなんら変わりないのである。
この場合は、3層(外層+内層)からなるコア基板でもよい。
必要に応じて、コア基板の内層にコンデンサや誘電体層、抵抗などの部品を埋め込み、形成させた電子部品収納コア基板を用いてもよい。
【0050】
本願発明でのコア基板とは、以下のように定義される。芯材等が含浸された硬質基材であり、その両面もしくは片面に、芯材などを含まない絶縁樹脂層を用いて、フォトビアもしくはレーザによりバイアホールを形成して、導体層を形成して、層間の電気接続を行うときのものである。相対的に、コア基板の厚みは、樹脂絶縁層の厚みよりも厚い。基本的には、コア基板は電源層を主とする導体層が形成されて、その他信号線などは表裏の接続を行うためだけに形成されている。
【0051】
なお、同一厚みの材料で形成されたもので、積層された多層プリント配線板であるならば、プリント基板における導体層として電源層を有する層もしくは基板をコア基板として定義される。
【0052】
また、コア基板の片面もしくは両面の表層の形成された導体層および電源の導体層を厚くした場合だけでなく、3層以上の多層コア基板にした場合、内層に導体層あるいは内層に電源層用の導体層を形成したコア基板にした場合でも同様の効果を奏することがわかった。つまり、電源不足(電圧降下)を小さくする効果があるのである。なお、多層コア基板の場合は、コア基板のすべての層の導体層および電源層の導体層の厚みが、層間絶縁層上の導体層の厚みよりも厚いときでも、コア基板のすべての層の導体層および電源層の導体層の厚みが、層間絶縁層上の導体層の厚みと同等以下のときでも、全ての層の導体の厚みを足した厚みの総和が、層間絶縁層上の導体層の厚みより、厚くなったときに、その効果を奏する。
【0053】
さらに、コア基板内にコンデンサや誘電体層、抵抗などの電子部品を内蔵した基板であっても、その効果は顕著に表れる。内蔵させることにより、ICチップとコンデンサもしくは誘電体層との距離を短くすることができる。そのために、抵抗などの電気特性を向上させることができる。電源不足(電圧降下)を小さくすることができる。例えば、コンデンサや誘電体層を内蔵したコア基板においても、コアの基板の導体層および電源層の導体層の厚みを層間絶縁層上の導体層の厚みよりも厚くすることにより、メインの電源と内蔵されたコンデンサや誘電体層の電源との双方の導体抵抗を減らすことができるので、伝達損失を低減することができ、コンデンサを内蔵した基板の効果をいっそう発揮されるようになる。
【0054】
コア基板の材料は、樹脂基板で検証を行ったが、セラミック、金属コア基板でも同様の効果を奏することがわかった。また、導体層の材質も銅からなる金属で行ったが、その他の金属でも、効果が相殺されて、誤動作やエラーの発生が増加するということは確認されていないことから、コア基板の材料の相違もしくは導体層を形成する材質の相違には、その効果の影響はないものと思われる。より望ましいのは、コア基板の導体層と層間絶縁層の導体層とは、同一金属で形成されることである。電気特性、熱膨張係数などの特性や物性が変わらないことから、本願の効果を奏される。
【0055】
【発明の実施の形態】
【実施例】
[第1実施例]ガラスエポキシ樹脂基板
先ず、本発明の第1実施例に係る多層プリント配線板10の構成について、図1〜図7を参照して説明する。図6は、該多層プリント配線板10の断面図を、図7は、図6に示す多層プリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード94へ載置した状態を示している。図6に示すように、多層プリント配線板10では、コア基板30の表面に導体回路34、導体層34P、裏面に導体回路34、導体層34Eが形成されている。上側の導体層34Pは、電源用のプレーン層として形成され、下側の導体層34Eは、アース用のプレーン層として形成されている。コア基板30の表面と裏面とはスルーホール36を介して接続されている。更に、該導体層34P、34Eの上にバイアホール60及び導体回路58の形成された層間樹脂絶縁層50と、バイアホール160及び導体回路158の形成された層間樹脂絶縁層150とが配設されている。該バイアホール160及び導体回路158の上層にはソルダーレジスト層70が形成されており、該ソルダーレジスト層70の開口部71を介して、バイアホール160及び導体回路158にバンプ76U、76Dが形成されている。
【0056】
図7中に示すように、多層プリント配線板10の上面側のハンダバンプ76Uは、ICチップ90のランド92へ接続される。更に、チップコンデンサ98が実装される。一方、下側のハンダバンプ76Dは、ドータボード94のランド96へ接続されている。
【0057】
ここで、コア基板30上の導体層34P、34Eは、厚さ1〜250μmに形成され、層間樹脂絶縁層50上の導体回路58及び層間樹脂絶縁層150上の導体回路158は5〜25μm(望ましい範囲10〜20μm)に形成されている。コア基板の絶縁層の厚みは、0.6〜0.13mmの間のものを用いることが可能であった。ただ、この場合、0.2〜0.5mmのものを用いることがより望ましい。
【0058】
第1実施例の多層プリント配線板では、コア基板30の電源層(導体層)34P、導体層34Eが厚くなることにより、コア基板の強度が増す、それによりコア基板自体の厚みを薄くしたとしても、反りや発生した応力を基板自体で緩和することが可能となる。
【0059】
また、導体層34P、34Eを厚くすることにより、導体自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、導体での抵抗が低減することができる。
【0060】
更に、導体層34Pを電源層として用いることで、ICチップ90への電源の供給能力が向上させることができる。そのため、該多層プリント基板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までの電気特性を向上させることができる。そのために、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起き難くなり、そのためにより高周波領域のICチップを実装したとしても、初期起動における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。更に、導体層34Eをアース層として用いることで、ICチップの信号、電力供給にノイズが重畳しなくなり、誤動作やエラーを防ぐことができる。
【0061】
引き続き、図6を参照して上述した多層プリント配線板10の製造方法について図1〜図5を参照して説明する。
(第1実施例−1)
A.層間樹脂絶縁層の樹脂フィルムの作製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量455、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)29重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)39重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2.5重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0062】
B.樹脂充填材の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で44〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。充填材用樹脂としては、他のエポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型、ノボラック型など)、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよい。
【0063】
C.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.13〜0.6mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に5〜250μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とした(図1(A))。その一例として、コア基板の厚みは0.6mmのものを用いた。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理および電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に導体回路34、導体層34P、34Eとスルーホール36を形成した(図1(B))。
【0064】
(2)スルーホール36および下層導体回路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール36内に粗化面36αを形成すると共に、導体回路34、導体層34P、34Eの全表面に粗化面34αを形成した(図1(C))。
【0065】
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール36内、および、基板の導体回路非形成部に樹脂充填材40の層を形成した(図1(D))。
即ち、スルーホールおよび導体回路非形成部に相当する部分が開口した版を有する樹脂充填用マスクを基板上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、凹部となっている下層導体回路非形成部、および、下層導体回路の外縁部に樹脂充填材を充填し、100℃/20分の条件で乾燥させた。
【0066】
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、導体層34P、34Eの外縁部やスルーホール36のランドの外縁部に樹脂充填材40が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くため、導体層34P、34Eの全表面(スルーホールのランド表面を含む)にバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材40を硬化した(図2(A))。
【0067】
このようにして、スルーホール36や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材40の表層部および導体層34P、34Eの表面を平坦化し、樹脂充填材40と導体層34P、34Eの側面とが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール36の内壁面と樹脂充填材とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た。即ち、この工程により、樹脂充填材の表面と下層導体回路の表面とが略同一平面となる。
コア基板の導体層の厚みはコア基板の導体層の厚みは1〜250μmの間で形成されて、コア基板上に形成された電源層の導体層の厚みは、1〜250μmの間で形成された。このとき、実施例1−1では、銅箔の厚み40μmのものを用いて、コア基板の導体層の厚みは30μm、コア基板上に形成された電源層の導体層の厚みは30μmであった。しかしながら、導体層の厚みは上記厚みの範囲を超えてもよい。
【0068】
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、導体回路34、導体層34P、34Eの表面とスルーホール36のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路の全表面に粗化面36βを形成した(図2(B))。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7.3重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0069】
(6)基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム50γを基板上に載置し、圧力0.45MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層を形成した(図2(C))。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.47MPa、温度85℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で40分間熱硬化させた。
【0070】
(7)次に、層間樹脂絶縁層上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.1μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径60〜100μmの間でのバイアホール用開口50aを形成した(図2(D))。今回は直径60μmと75μmで形成した。
【0071】
(8)バイアホール用開口6を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に粗化面50αを形成した(図2(E))。このとき、層間絶縁層の厚みは、平均30μmであった。
【0072】
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層の表面およびバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PbCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
【0073】
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成し、バイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に無電解銅めっき膜52が形成された基板を得た(図3(A))。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.032 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α?−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で45分
【0074】
(11)無電解銅めっき膜52が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、110mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ25μmのめっきレジスト54を設けた(図3(B))。
【0075】
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト54非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜56を形成した(図3(C))。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
【0076】
(13)さらに、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の導体回路58及びバイアホール60とした(図3(D))。
【0077】
(14)ついで、上記(5)と同様の処理を行い、導体回路58及びバイアホール60の表面に粗化面58α、60αを形成した。上層の導体回路58の厚みは15μmの厚みであった(図4(A))。ただし、上層の導体回路の厚みは、5〜25μmの間で形成してもよい。
【0078】
(15)上記(6)〜(14)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の導体回路を形成し、多層配線板を得た(図4(B))。
【0079】
(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)45.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)16.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)1.8重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1の場合はローターNo.4、6min-1の場合はローターNo.3によった。
【0080】
(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物70を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後(図4(C))、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した(図5(A))。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが15〜25μmのソルダーレジストパターン層を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
【0081】
(18)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図5(B))。ニッケル−金層以外にも、スズ、貴金属層(金、銀、パラジウム、白金など)の単層を形成してもよい。
【0082】
(19)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層70の開口71に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷した後、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)を形成し、はんだバンプ76U、76Dを有する多層プリント配線板を製造した(図6)。
【0083】
はんだバンプ76Uを介してICチップ90を取り付け、チップコンデンサ98を実装する。そして、はんだバンプ76Dを介してドータボード94へ取り付ける(図7)。
【0084】
(第1実施例−2)
図6を参照して上述した第1実施例−1と同様であるが以下の様に製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:500μm
【0085】
(第1実施例−3)
第1実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm
【0086】
(第1実施例−4)
第1実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:300μm
【0087】
(第1実施例−5)
第1実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:200μm
【0088】
(第1実施例−6)
第1実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:130μm
【0089】
(第1実施例−7)
上述した第1実施例−2と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の導体層の厚み:55μm コア基板の電源層の厚み:55μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0090】
(第1実施例−8)
上述した第1実施例−2と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の導体層の厚み:75μm コア基板の電源層の厚み:75μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0091】
(第1実施例−9)
上述した第1実施例−2と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の導体層の厚み:180μm コア基板の電源層の厚み:180μm
層間絶縁層の導体層の厚み:6μm
【0092】
(第1実施例−10)
上述した第1実施例−2と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の導体層の厚み:18μm コア基板の電源層の厚み:18μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0093】
なお、第1実施例において、1<(コア基板の電源層の導体層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)≦40のものを適合例として、(コア基板の電源層の導体層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)≦1を比較例とした。また、(コア基板の電源層の導体層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)>40のものを参考例とした。
コア基板に樹脂材料をセラミック基板に置き換えてもほぼ同様な結果がでた。
【0094】
[第2実施例]金属コア基板
図8及び図9を参照して第2実施例に係る多層プリント配線板について説明する。
図6を参照して上述した第1実施例では、コア基板が樹脂板で形成されていた。これに対して、第2実施例では、コア基板が金属板から成る。
【0095】
図8は、第2実施例−1に係る多層プリント配線板10の断面図を、図9は、図8に示す多層プリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード94へ載置した状態を示している。図8に示すように、多層プリント配線板10では、コア基板30は金属板からなり、電源層として用いられる。コア基板30の両面には、バイアホール60及び導体回路58が配置された層間樹脂絶縁層50が形成され、層間樹脂絶縁層50の上には、バイアホール160及び導体回路158が配置された層間樹脂絶縁層150が形成されている。コア基板30の通孔33内には、スルーホール36が形成され、バイアホールの両端には蓋めっき層37が配置されている。該バイアホール160及び導体回路158の上層にはソルダーレジスト層70が形成されており、該ソルダーレジスト層70の開口部71を介して、バイアホール160及び導体回路158にバンプ76U、76Dが形成されている。
【0096】
図9中に示すように、多層プリント配線板10の上面側のハンダバンプ76Uは、ICチップ90のランド92へ接続される。更に、チップコンデンサ98が実装される。一方、下側のハンダバンプ76Dは、ドータボード94のランド96へ接続されている。
【0097】
ここで、コア基板30は、130〜600μmに形成されている。金属板の厚みは、15〜300μmの間で形成された。層間絶縁層の導体層の厚みは、5〜25μmの間で形成してもよい。しかしながら、金属層の厚みは上述の範囲を超えてもよい。
この第2実施例においても、第1実施例と同様な効果を得ている。
【0098】
(第2実施例−1)
図8を参照して上述した第2実施例と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:600μm コア基板の電源層の厚み:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0099】
(第2実施例−2)
上述した第2実施例と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:500μm コア基板の電源層の厚み:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0100】
(第2実施例−3)
上述した第2実施例と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm コア基板の電源層の厚み:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0101】
(第2実施例−4)
上述した第2実施例と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:300μm コア基板の電源層の厚み:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0102】
(第2実施例−5)
上述した第2実施例と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:200μm コア基板の電源層の厚み:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0103】
(第2実施例−6)
上述した第2実施例−1と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:130μm コア基板の電源層の厚み:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0104】
(第2実施例−7)
上述した第2実施例−3と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm コア基板の電源層の厚み:55μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0105】
(第2実施例−8)
上述した第2実施例−3と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm コア基板の電源層の厚み:100μm
層間絶縁層の導体層の厚み:10μm
【0106】
(第2実施例−9)
上述した第2実施例−3と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm コア基板の電源層の厚み:180μm
層間絶縁層の導体層の厚み:6μm
【0107】
(第2実施例−10)
上述した第2実施例−3と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm コア基板の電源層の厚み:220μm
層間絶縁層の導体層の厚み:6μm
【0108】
なお、第2実施例において、1<(コア基板の電源層の導体層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)≦40のものを適合例として、(コア基板の電源層の導体層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)≦1を比較例とした。また、(コア基板の電源層の導体層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)>40のものを参考例とした。
【0109】
[第3実施例]多層コア基板
図10及び図11を参照して第3実施例に係る多層プリント配線板について説明する。
図6を参照して上述した第1実施例では、コア基板が単板で形成されていた。これに対して、第3実施例では、コア基板が積層板からなり、積層板内に導体層が設けられている。
【0110】
図10は、第3実施例に係る多層プリント配線板10の断面図を、図11は、図10に示す多層プリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード94へ載置した状態を示している。図10に示すように、多層プリント配線板10では、コア基板30の表面及び裏面に導体回路34、導体層34Pが形成され、コア基板30内に導体層24が形成されている。導体層34P及び導体層24は、電源用のプレーン層として形成されている。導体層34Pと導体層24とは導電ポスト26により接続されている。(この場合の導電ポストとは、スルーホール、非貫通孔などのバイアホール(含むブラインドスルーホール、ブラインドバイアホール)スルーホールもしくはバイアホール導電性材料で充填したもの意味する。)更に、該導体層34Pの上にバイアホール60及び導体回路58の形成された層間樹脂絶縁層50と、バイアホール160及び導体回路158の形成された層間樹脂絶縁層150とが配置されている。該バイアホール160及び導体回路158の上層にはソルダーレジスト層70が形成されており、該ソルダーレジスト層70の開口部71を介して、バイアホール160及び導体回路158にバンプ76U、76Dが形成されている。
【0111】
図11中に示すように、多層プリント配線板10の上面側のハンダバンプ76Uは、ICチップ90のランド92へ接続される。更に、チップコンデンサ98が実装される。一方、下側のハンダバンプ76Dは、ドータボード94のランド96へ接続されている。
【0112】
ここで、コア基板30上の導体回路34、導体層34P、34P及びコア基板内の導体層24が形成され、層間樹脂絶縁層50上の導体回路58及び層間樹脂絶縁層150上の導体回路158が形成されている。コア基板の導体層34Pおよび導体層24の厚みはコア基板の導体層の厚みは1〜250μmの間で形成されて、コア基板上に形成された電源層としての役目を果たすの導体層の厚みは、1〜250μmの間で形成された。この場合の導体層の厚みは、コア基板の電源層の厚みの総和である。内層である導体層34、表層である導体層24、その双方を足したものであるという意味である。信号線の役目を果たしているものとを足すことではない。この第3実施例においても、3層の導体層34P、34P、24の厚みを合わせることで、第1実施例と同様な効果を得ている。電源層の厚みは上述の範囲を超えてもよい。
なお、第3実施例において、1<(コア基板の電源層の導体層の厚みの総和/層間絶縁層の導体層の厚み)≦40のものを適合例として、(コア基板の電源層の導体層の厚みの総和/層間絶縁層の導体層の厚み)≦1を比較例とした。(コア基板の電源層の導体層の厚みの総和/層間絶縁層の導体層の厚み)>40のものを参考例とした。
【0113】
(第3実施例−1)
図10を参照して上述した第3実施例と同様であるが以下のように設定した。
コア基板の絶縁層の厚み:600μm 層間絶縁層の厚み:30μm
コア基板の導体層(電源層)の厚み:15μm
中間導体層(電源層)の厚み:20μm
コア基板の電源層の厚みの和:35μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0114】
(第3実施例−2)
上述した第3実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:500μm 層間絶縁層の厚み:30μm
【0115】
(第3実施例−3)
上述した第3実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm 層間絶縁層の厚み:30μm
【0116】
(第3実施例−4)
上述した第3実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:300μm 層間絶縁層の厚み:30μm
【0117】
(第3実施例−5)
上述した第3実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:200μm 層間絶縁層の厚み:30μm
【0118】
(第3実施例−6)
上述した第3実施例−1と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:130μm 層間絶縁層の厚み:30μm
【0119】
(第3実施例−7)
上述した第3実施例−3と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm 層間絶縁層の厚み:30μm
コア基板の導体層(電源層)の厚み:20μm
中間導体層(電源層)の厚み:20μm
コア基板の電源層の厚みの和:40μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0120】
(第3実施例−8)
上述した第3実施例−3と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm 層間絶縁層の厚み:30μm
コア基板の導体層(電源層)の厚み:25μm
中間導体層(電源層)の厚み:20μm
コア基板の電源層の厚みの和:50μm
層間絶縁層の導体層の厚み:15μm
【0121】
(第3実施例−9)
上述した第3実施例−3と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm 層間絶縁層の厚み:30μm
コア基板の導体層(電源層)の厚み:50μm
中間導体層(電源層)の厚み:100μm
コア基板の電源層の厚みの和:150μm
層間絶縁層の導体層の厚み:10μm
【0122】
(第3実施例−10)
上述した第3実施例−3と同様であるが、以下のように製造した。
コア基板の絶縁層の厚み:400μm 層間絶縁層の厚み:30μm
コア基板の導体層(電源層)の厚み:55μm
中間導体層(電源層)の厚み:250μm
コア基板の電源層の厚みの和:305μm
層間絶縁層の導体層の厚み:12μm
【0123】
(比較例1)
第1実施例−1において、コア基板の絶縁層の厚みを0.7mmにした以外は同様に形成した。
【0124】
(比較例2)
第1実施例−1において、コア基板の絶縁層の厚みを0.1mmにした以外は同様に形成した。
【0125】
それぞれ実施例と比較例の基板に周波数3GHzのICチップを実装して、同一量の電源を供給して、起動させたときの電圧の降下量を測定した。このときの電圧の降下量の平均値を示した。電源電圧1.0Vのときの変動した電圧降下量の平均値である。
【0126】
また、それぞれの実施例と比較例のバイアス高温高湿条件(130℃、湿度85w%、2V印加)下における信頼性試験を行った。試験時間は、500hr、1000hr、2000hrで行い、ICチップの誤動作(ノイズの有無)、基板のクラックの有無について、それぞれ実施例及び比較例について検証した。この結果を図20、図21中に示した。
【0127】
また、コア基板の絶縁層の厚みについて検証を行った。横軸にコア基板の絶縁層の厚み(mm)を、縦軸に電圧降下量(V)を設定してシュミレーションした結果を図12に示した。
【0128】
さらに、導体層の厚みについても検証を行った。横軸に(コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)の比を、縦軸に最大の電圧降下量(V)を設定してシュミレーションした結果を図13に示した。
【0129】
コア基板の絶縁層の厚みを薄くすることにより、電圧降下量が小さくなる傾向にある。この場合、電源電圧1.0Vのとき、変動許容範囲±10%であれば、電圧変動が小さいことになり、ICチップの誤動作を引き起こさない。つまり、この場合、電圧降下量が0.1V以内であれば、電圧降下によるICチップでの誤動作などを引き起こし難いことになる。コア基板の絶縁層の厚みが0.6mm以下のときに、電圧降下量が0.10V未満であるために、電圧が安定していることになる。
【0130】
また、信頼性試験の結果を考慮すると、0.13mm未満であると、早期の段階からクラックなどが発生してしまう。そのために、より望ましいのは、コア基板の厚みが0.6〜0.13mmの間である。その範囲であれば、電圧降下と信頼性という点で問題がない。また、0.7mm以上になるとノイズの発生が確認される。
【0131】
更に望ましいのは、コア基板の厚みが0.5mm〜0.2mmの間である。その範囲であれば、ノイズの発生を引き起こさないし、長期に渡り信頼性も確保される。0.5〜0.6mmと0.13〜0.2mmの間では、長期的な信頼性では劣るものである。通常使用するにあたっては、問題は生じない。
【0132】
また、電源層がコア基板に内層を有するものの電圧降下量が、電源層がコア基板の表層に有するものの電圧降下量と比べると低下する傾向にあることから、電源層は、コアとなる基板に存在していることがより望ましいのである。
【0133】
さらに、コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚みの比が大きくなるに連れて、電圧降下量を下げる傾向にある。電圧降下量が0.09V以内になっていることからその効果は大きいといえる。これは、導体の堆積を大きくさせることで抵抗を下げることができるからである。コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み>1.0のときにこの傾向を有する。
【0134】
更に、1.0V<コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み≦40であることが、電圧降下の数値が減少している傾向にあるため、その効果を得やすいということとなる。また、40<(コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)という範囲では、電圧降下量が上昇していることから、コア部分でのビアの剥離などが原因で電圧供給に問題が起こっていることとなる。材料等の選定でビア剥離を抑えられれば、上記の問題は解決される。通常使用する範囲では問題にならない。
【0135】
さらに、5<コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み≦40であれば、電圧降下量がほぼ同じであることから、電圧の変動が抑えられることになる。電源層の厚みに関しては、この範囲が最も望ましい範囲である。
【0136】
また、前記コア基板の表層、内層もしきは表層及び内層には、少なくとも1層の電源層を有し、該コア基板をを構成する絶縁層の厚みをβ1、層間絶縁層を構成する絶縁層の厚みをβ2、ICチップと電源層までの距離をδ1、電源層と外部端子までの距離をδ2に対して、δx=(δ1+δ2)/(β1 2+β2 2)である際に、1<δx<10であることが望ましい。
【0137】
【発明の効果】
本願発明により、ICチップ〜基板〜電源の導体における抵抗を低減させることができ、伝達損失が低減される。そのために、伝達される信号や電源が所望の能力が発揮される。そのために、ICチップの機能、動作などが正常に作動するために、誤作動やエラーを発生することがない。ICチップ〜基板〜アースの導体における抵抗を低減させることができ、信号線、電源線でのノイズの重畳を軽減し、誤作動やエラーを防ぐことができる。
また、本願発明により、ICチップの初期起動時に発生する電源不足(電圧降下)の度合いを小さくなることもわかり、高周波領域のICチップ、特に3GHz以上のICチップを実装したとしても、問題なく起動することができることが分かった。そのため、電気的な特性や電気接続性をも向上させることができるのである。
さらに、バイアスを付加して、高温高湿下で行う信頼性試験(高温高湿バイアス試験)を行っても、破壊する時間も長くなるので、信頼性も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。
【図2】第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。
【図3】第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。
【図4】第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。
【図5】第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。
【図6】第1実施例に係る多層プリント配線板の断面図である。
【図7】第1実施例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。
【図8】第2実施例に係る多層プリント配線板の断面図である。
【図9】第2実施例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。
【図10】第3実施例に係る多層プリント配線板の断面図である。
【図11】第3実施例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。
【図12】横軸にコア基板の絶縁層の厚み(mm)を縦軸に電圧降下量(V)を設定してシュミレーションした結果を示すグラフである。
【図13】横軸に(コア基板の電源層の厚み/層間絶縁層の導体層の厚み)の比を、縦軸に最大の電圧降下量(V)を設定してシュミレーションした結果を示すグラフである。
【図14】ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。
【図15】ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。
【図16】ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。
【図17】コア基板の厚みと電圧降下との関係を示したグラフである。
【図18】ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。
【図19】βxと電圧降下との関係を示したグラフである。
【図20】実施例と比較例との試験結果を示す図表である。
【図21】実施例と比較例との試験結果を示す図表である。
【図22】多層プリント配線板を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
30 基板(絶縁層)
32 銅箔
34 導体回路
34P 導体層
34E 導体層
36 スルーホール
40 樹脂充填層
50 層間樹脂絶縁層(絶縁層)
58 導体回路
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト層
71 開口
76U、76D 半田バンプ
90 ICチップ
94 ドータボード
98 チップコンデンサ

Claims (4)

  1. 樹脂より成り3層の導体層を備えるコア基板上に、層間絶縁層と導体層が形成されて、バイアホールを介して、電気的な接続を行われる多層プリント配線板において、
    前記コア基板は、表面側の表層の導体層及び裏面側の表層の導体層と、1層のみの内層導体層とを備え、前記表面側の導体層と前記裏面側の導体層とが充填樹脂の充填されたスルーホールを介して接続され、前記表層の導体層と前記内層の導体層とが導電ポストを介して接続され、
    前記コア基板の表層の導体層、内層の導体層もしくは表層の導体層及び内層の導体層には、少なくとも1層の電源層を有し、
    前記コア基板を構成する絶縁層の厚みを0.6mm以下で、0.13mm以上にし、
    コア基板の表層の導体層の厚みは、層間絶縁層上の導体層の厚みよりも厚いことを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記コア基板を構成する絶縁層は、ガラスエポキシ樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂からなることを特徴とする請求項1の多層プリント配線板。
  3. 前記コア基板の電源層の導体層の厚みの総和をα、層間絶縁層上の導体層の厚みをαに対して、α<α≦40αであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の多層プリント配線板。
  4. 前記内層の導体層の厚みは前記表層の導体層の厚みよりも厚い請求項1に記載の多層プリント配線板。
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