JP4475930B2 - 多層プリント配線板 - Google Patents

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Description

この発明は、多層プリント配線板に係り、高周波のICチップ、特に3GHz以上の高周波領域でのICチップを実装したとしても誤作動やエラーなどが発生することなく、電気特性や信頼性を向上させることができる多層プリント配線板に関することを提案する。
ICチップ用のパッケージを構成するビルドアップ式の多層プリント配線板では、スルーホールが形成されたコア基板の両面もしくは片面に、層間絶縁樹脂を形成し、層間導通のためのバイアホールをレーザもしくはフォトエッチングにより開口させて、層間樹脂絶縁層を形成させる。そのバイアホール上にめっきなどにより導体層を形成し、エッチングなどを経て、パターンを形成し、導体回路を作り出させる。さらに、層間絶縁層と導体層を繰り返し形成させることにより、ビルドアップ多層プリント配線板が得られる。必要に応じて、表層には半田バンプ、外部端子(PGA/BGAなど)を形成させることにより、ICチップを実装することができる基板やパッケージ基板となる。ICチップはC4(フリップチップ)実装を行うことにより、ICチップと基板との電気的接続を行っている。
ビルドアップ式の多層プリント配線板の従来技術としては、特許文献1、特許文献2などがある。ともに、スルーホールを充填樹脂で充填されたコア基板上に、ランドが形成されて、両面にバイアホールを有する層間絶縁層を施して、アディテイブ法により導体層を施し、ランドと接続することにより、高密度化、微細配線を形成された多層プリント配線板を得られる。
特開平6-260756号公報 特開平6-275959号公報
しかしながら、ICチップが高周波になるにつれて、誤動作やエラーの発生の頻度が高くなってきた。特に周波数が3GHzを越えたあたりから、その度合いが高くなってきている。5GHzを越えると全く動かなくなることもあった。そのために、該ICチップをCPUとして備えるコンピュータで、機能すべきはずの動作、例えば、画像の認識、スイッチの切り替え、外部へのデータの伝達などの所望の機能や動作を行えなくなってしまった。
それらのICチップ、基板をそれぞれ非破壊検査や分解したいところICチップ、基板自体には、短絡やオープンなどの問題は発生しておらず、周波数の小さい(特に1GHz未満)ICチップを実装した場合には、誤動作やエラーの発生はなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、高周波領域のICチップ、特に3GHzを越えても誤動作やエラーの発生しないプリント基板もしくはパッケージ基板を構成し得る多層プリント配線板を提案することにある。
発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意研究した結果、以下に示す内容を要旨構成とする発明に想到した。すなわち、
本願発明は、電源層又はアース層の少なくとも一方を有するコア基板上に、層間絶縁層を介して導体回路層、及び、電源層又はアース層が形成され、コア基板のスルーホー
ルを介して電気的な接続の行われる多層プリント配線板において、
前記コア基板は、表裏の導体層と少なくとも2層以上の内層の導体層とを有する多層コア基板であり、前記表裏の導体層及び前記内層の導体層は電源層又はアース層として用いられ、前記表裏の電源層又はアース層の厚みは、前記導体回路層の厚みよりも厚く、
前記内層の導体層のそれぞれの厚みは前記表裏の導体層の厚みよりも厚いことを特徴とする多層プリント配線板にある。
電源層又はアース層を厚くすることにより、電源層又はアース層自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、電源層又はアース層での抵抗分が低減する。そのため供給電流、アース電流の伝達を阻害しなくなる。即ち、電源層の抵抗分を下げることで、ICチップへの電源の供給能力が向上させることができる。また、アース層の抵抗分を下げることで、ICチップへの信号、電源に重畳するノイズを低減させることができる。そのため、該多層プリント基板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までのループインダクタンスを低減することができる。そのために、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起き難くなり、より高周波領域のICチップを実装したとしても、初期起動における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。
また、ICチップ〜基板〜コンデンサもしくは電源層〜電源を経て、ICチップに電源を供給する場合にも、同様の効果を奏する。前述のループインダクタンスを低減することができる。それ故に、コンデンサもしくは誘電体層の電源の供給に損失を起こさない。そもそもICチップは、瞬時的に電力を消費して、複雑な演算処理を行う。電源層からのICチップへの電力供給により、高周波領域のICチップを実装したとしても、初期動作における電源不足(電圧降下の発生という状況)に対して、大量のコンデンサを実装することなく、電源の供給をすることができる。高周波領域のICチップを用いる際には、初期動作時の電源不足(電圧降下)が発生するが、従来のICチップでは、供給されていたコンデンサもしくは誘電体層の容量で足りていた。
特に、電源層、アース層の厚みが、導体回路層の厚みより、厚いときに、上記効果を最大限にさせることができるのである。一方、導体回路層が厚いと、該導体回路層の上面に配置された層間樹脂絶縁層の上面にうねりができ、該層間樹脂絶縁層の上面の配線の信頼性が低下する。この点、電源層、アース層は、基板の表面の大半を覆う用プレーン層であり、厚く形成しても、電源層、アース層上面の層間樹脂絶縁層の上面にうねりが生じ難く、上面に信頼性の高い配線を形成することができる。更に、導体回路層を薄くすることで、多層プリント配線板を薄くでき、放熱性を高めることができる。
ここで、電源層又はアース層の厚みは、導体回路層の厚みよりも1.2〜12倍厚いことが望ましい。1.2倍以下の場合は、電源不足に対する効果が全くない。言い換えると初期動作時に発生する電圧降下に対して、その降下度を抑えるということが明確にならない。12倍を越えた場合についても検討を行ったが、基本的には電気特性は、ほぼ同等である。つまり、本願の効果の臨界点であると理解できる。これ以上厚くしても、電気的な効果の向上は望めない。ただ、この厚みを越えると、電源層又はアース層の上層に層間樹脂絶縁層を介して導体層を形成するのに困難が生じてしまう。さらに上層の層間絶縁層を形成すると、凹凸が大きくなってしまい、層間絶縁層にうねりを生じてしまうために、インピーダンスを整合することが出来なくなってしまうことがある。
電源層又はアース層は、導体回路層よりも2〜4倍厚いことが更にさらに望ましい。その範囲であれば、電源不足(電圧降下)によるICチップの誤動作やエラーなどが発生しないことが確認されている。更に、電源層又はアース層の4倍以下にすることで、電源層又はアース層の上層に層間樹脂絶縁層を介して導体層を形成することが容易である。さらに上層の層間絶縁層を形成しても、凹凸が小さく、層間絶縁層にうねりを生じず、インピーダンスを整合させることが可能である。
コア基板として多層コア基板を用いることが好適である。多層コア基板を用い、多層コア基板の表層の導体層と内層の導体層とを電源層又はアース層と用いることで、層間樹脂絶縁層上の電源層又はアース層の厚みを厚くすることと相乗して、電源供給を容易にすることができる。電源層又はアース層の厚みもビルドアップ層の導体回路層の銅厚より1.5〜12倍厚いことが望ましい。この場合は、3層(表層+内層)からなるコア基板でもよい。3層以上の多層コア基板でもよい。必要に応じて、コア基板の内層にコンデンサや誘電体層、抵抗などの部品を埋め込み、形成させた電子部品収納コア基板を用いてもよい。
さらに、電源層を厚くしたとき、ICチップの直下に該当の電源層を配置したほうがよい。ICチップの直下に配設させることにより、ICチップと電源層との距離を最短にすることができ、そのために、よりループインダクタンスを低減することができるのである。そのためにより効率よく電源供給がなされることとなり、電圧不足が解消されるのである。このときも、電源層又はアース層の厚みは、導体回路層の厚みよりも1.2〜12倍厚いことが望ましい。
本願発明でのコア基板とは、以下のように定義される。芯材等が含浸された樹脂などの硬質基材であり、その両面もしくは片面に、芯材などを含まない絶縁樹脂層を用いて、フォトビアもしくはレーザによりバイアホールを形成して、導体層を形成して、層間の電気接続を行うときのものである。相対的に、コア基板の厚みは、樹脂絶縁層の厚みよりも厚い。基本的には、コア基板は電源層を主とする導体層が形成されて、その他信号線などは表裏の接続を行うためだけに形成されている。
なお、同一厚みの材料で形成されたもので、積層された多層プリント配線板であるならば、プリント基板における導体層として電源層を有する層もしくは基板をコア基板として定義される。
更に、多層コア基板は、内層に相対的に厚い導体層を、表層に相対的に薄い導体層を有し、内層の導体層が、主として電源層用の導体層又はアース用の導体層であることが好適である。(相対的に厚い、薄いとは、全ての導体層の厚みを比較して、その傾向がある場合、この場合は、内層は他の導体層と比較すると相対的に厚いということとなり、表層はその逆であると言うことを示している。)
即ち、内層側に厚い導体層を配置させることにより、その厚みを任意に変更したとしても、その内層の導体層を覆うように、樹脂層を形成させることが可能となるため、コアとしての平坦性が得られる。そのため、層間絶縁層の導体層にうねりを生じさせることがない。多層コア基板の表層に薄い導体層を配置しても、内層の導体層と足した厚みでコアの導体層として十分な導体層の厚みを確保することができる。これらを、電源層用の導体層又はアース用の導体層として用いることで、多層プリント配線板の電気特性を改善することが可能になる。
さらに、コア基板内で導体層と導体層との間に信号線を配置することでマイクロストリップ構造を形成させることができるために、インダクタンスを低下させ、インピーダンス整合を取ることができるのである。そのために、電気特性も安定化することができるのである。また、表層の導体層を相対的に薄くすることがさらに望ましい構造となるのである。コア基板は、スルーホールピッチを600μm以下にしてもよい。
多層コア基板は、金属板の両面に、樹脂層を介在させて内層の導体層が、更に、当該内層の導体層の外側に樹脂層を介在させて表面の導体層が形成されて成ることが好適である。表裏の導通はスルーホールで行う。中央部に電気的に隔絶された金属板を配置することで、十分な機械的強度を確保することができる。更に、金属板の両面に樹脂層を介在させて内層の導体層を、更に、当該内層の導体層の外側に樹脂層を介在させて表面の導体層を形成することで、金属板の両面で対称性を持たせ、ヒートサイクル等において、反り、うねりが発生することを防げる。また、金属板に36合金や42合金等の低熱膨張部材を使うと基板の熱膨張係数を下げれ、ICチップと基板との熱膨張差を下げれる。
図21は、縦軸にICチップへ供給される電圧、横軸には時間経過を示している。図21は、1GHz以上の高周波ICチップ電源用のコンデンサを備えないプリント配線板をモデルにしたものである。線Aは、1GHzのICチップへの電圧の経時変化を示したものであり、線Bは、3GHzのICチップへの電圧の経時変化を示したものである。その経時変化は、ICチップが起動し始めたとき、瞬時に大量の電源が必要となる。その供給が不足していると電圧が降下する(X点、X'点)。その後、供給する電源が徐々に充足されるので、電圧効果は解消される。しかしながら、電圧が降下したときには、ICチップの誤作動やエラーを引き起こしやすくなる。つまり、電源の供給不足によるICチップの機能が十分に機能、起動しないがために起こる不具合である。この電源不足(電圧降下)はICチップの周波数は増えるにつれて、大きくなってくる。そのために、電圧降下を解消するためには、時間が掛かってしまい、所望の機能、起動を行うために、タイムラグが生じてしまう。
前述の電源不足(電圧降下)を補うために、外部のコンデンサと接続させて、該コンデンサ内に蓄積された電源を放出することにより、電源不足もしくは電圧降下を小さくすることができる。
図22には、コンデンサを備えたプリント基板をモデルにしたものである。線Cは、小容量のコンデンサを実装して、1GHzのICチップにおける電圧の経時変化を示したものである。コンデンサを実装していない線Aに比べると電圧降下の度合いが小さくなってきている。さらに、線Dは、線Cで行ったものに比べて大容量のコンデンサを実装して、線C同様に経時変化を示したものである。さらに線Cと比較しても、電圧降下の度合いが小さくなってきている。それにより、短時間で所望のICチップも機能、起動を行うことができるのである。しかしながら、図21に示したように、ICチップがより高周波領域になると、より多くのコンデンサ容量が必要になってしまい、そのためにコンデンサの実装する領域を設定する必要となるため、電圧の確保が困難になってしまい、動作、機能を向上することができないし、高密度化という点でも難しくなってしまう。
電源層と導体回路層との厚みを変えたときグラフを図23に示す。図23中に、線Cは、小容量のコンデンサを実装して、1GHzのICチップで、電源層と導体回路層との厚みを等しくした場合における電圧の経時変化を示している。また、線Fは、小容量のコンデンサを実装して、1GHzのICチップで、電源層を導体回路層の1.2倍にした際における電圧の経時変化を示し、線Eは、小容量のコンデンサを実装して、1GHzのICチップで、電源層を導体回路層の4倍にした際における電圧の経時変化を示している。電源層の厚みが厚くなるにつれて、電源不足もしくは電圧降下が小さくなってきている。そのために、ICチップの機能、動作の不具合の発生が少なくなるということがいえる。電源層の厚みを厚くすることにより、導体層の体積が増すことになる。体積が増すと導体抵抗が低減させるので、伝達される電源における電圧、電流への損失がなくなる。そのために、ICチップ〜電源間での伝達損失が小さくなり、電源の供給が行われるので、誤動作やエラーなどを引き起こさない。この場合は、特に層間樹脂絶縁層の電源層の厚みによる要因が大きく、表面実装されたコンデンサの直下に配置された電源の厚みを厚くする方が、コンデンサから遠いコア基板上の電源層を厚くするよりも効果を奏する。
[第1実施例] ガラスエポキシ樹脂基板
先ず、本発明の第1実施例に係る多層プリント配線板10の構成について、図1〜図8を参照して説明する。図6は、該多層プリント配線板10の断面図を、図7は、図6に示す多層プリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード96へ載置した状態を示している。図8は、図6中のX−X横断面図である。図6に示すように、多層プリント配線板10では、コア基板30の上面に導体回路34、電源用プレーン層34P、裏面に導体回路34、アース用プレーン層34Eが形成されている。コア基板30の上面と裏面とはスルーホール36を介して接続されている。
更に、コア基板30の上側の該電源用プレーン層34P、導体回路34の上に層間樹脂絶縁層50を介して導体回路層を形成する導体回路58が形成されている。該導体回路58は、主として信号線の引き回しを行っている。導体回路58は、バイアホール60を介してコア基板30の電源用プレーン層34P、導体回路34と接続されている。導体回路58の上に層間樹脂絶縁層150を介して電源層を構成する電源用プレーン層158P及び導体回路158が形成されている。図6中のX−X横断面、即ち、電源用プレーン層158及び導体回路158の平面を図8中に示す。電源用プレーン層158P及び導体回路158は、層間樹脂絶縁層150に形成されたバイアホール160を介して導体回路58に接続されている。
コア基板30の裏面側のアース用プレーン層34E、導体回路34の上層に層間樹脂絶縁層50を介して導体回路層を形成する導体回路58が形成されている。該導体回路58は、主として信号線の引き回しを行っている。導体回路58は、バイアホール60を介してコア基板30のアース用プレーン層34E、導体回路34と接続されている。導体回路58の上に層間樹脂絶縁層150を介してアース層を構成するアース用プレーン層158E及び導体回路158が形成されている。アース用プレーン層158E及び導体回路158は、層間樹脂絶縁層150に形成されたバイアホール160を介して導体回路58に接続されている。
上側のバイアホール160、導体回路158、電源用プレーン層158P、下側のバイアホール160、導体回路158、アース用プレーン層34Eの上層にはソルダーレジスト層70が形成されており、該ソルダーレジスト層70の開口部71を介して、バイアホール160及び導体回路158にバンプ78が形成されている。
図7中に示すように、多層プリント配線板10の上面側のハンダバンプ78は、ICチップ90のランド92へ接続される。更に、チップコンデンサCが実装される。一方、下側のハンダバンプ78は、ドータボード96のランド98へ接続されている。
ここで、コア基板30上の電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eは、厚さ7.5〜250μmに形成され、層間樹脂絶縁層50上の導体回路(導体回路層)58は、厚さ5〜25μmに形成され、上側層間樹脂絶縁層150上の導体回路158、電源用プレーン層158P、即ち、電源層は7.5〜60μm、下側層間樹脂絶縁層150上層の導体回路158、アース用プレーン層158E、即ち、アース層は7.5〜60μmに形成されている。
第1実施例の多層プリント配線板では、電源用プレーン層158P、アース用プレーン層34Eを厚くすることにより、導体自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、導体での抵抗が低減することができる。電源用プレーン層158Pを電源層として用いることで、ICチップ90への電源の供給能力が向上させることができる。そのため、該多層プリント基板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までのループインダクタンスを低減することができる。そのために、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起き難くなり、そのためにより高周波領域のICチップを実装したとしても、初期起動における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。更に、アース用プレーン層158Eをアース層として用いることで、ICチップの信号、電力供給にノイズが重畳しなくなり、誤動作やエラーを防ぐことができる。
引き続き、図6を参照して上述した多層プリント配線板10の製造方法について図1〜図5を参照して説明する。
(第1実施例)
A.層間樹脂絶縁層の樹脂フィルムの作製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量455、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)29重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロンN−673)39重量部、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−7052)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシメチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリカ2.5重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエポキシ樹脂組成物を調製した。
得られたエポキシ樹脂組成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さが50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布した後、80〜120℃で10分間乾燥させることにより、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
B.樹脂充填材の調製
ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘度が23±1℃で44〜49Pa・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。充填材用樹脂としては、他のエポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型、ノボラック型など)、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いてもよい。
C.多層プリント配線板の製造
(1)厚さ0.2〜0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板30の両面に7.5〜250μmの銅箔32がラミネートされている銅張積層板30Aを出発材料とした(図1(A))。まず、この銅張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理および電解めっき処理を施し、パターン状にエッチングすることにより、基板の両面に導体回路34、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eとスルーホール36を形成した(図1(B))。
(2)スルーホール36および下層導体回路34を形成した基板30を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、そのスルーホール36内に粗化面36αを形成すると共に、導体回路34、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの全表面に粗化面34αを形成した(図1(C))。
(3)上記Bに記載した樹脂充填材を調製した後、下記の方法により調製後24時間以内に、スルーホール36内、および、基板の導体回路非形成部に樹脂充填材40の層を形成した(図1(D))。
即ち、スルーホールおよび導体回路非形成部に相当する部分が開口した版を有する樹脂充填用マスクを基板上に載置し、スキージを用いてスルーホール内、凹部となっている下層導体回路非形成部、および、下層導体回路の外縁部に樹脂充填材を充填し、100℃/20分の条件で乾燥させた。
(4)上記(3)の処理を終えた基板の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの外縁部やスルーホール36のランドの外縁部に樹脂充填材40が残らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨による傷を取り除くため、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの全表面(スルーホールのランド表面を含む)にバフ研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材40を硬化した(図2(A))。
このようにして、スルーホール36や導体回路非形成部に形成された樹脂充填材40の表層部および電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの表面を平坦化し、樹脂充填材40と電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの側面とが粗化面を介して強固に密着し、またスルーホール36の内壁面と樹脂充填材とが粗化面を介して強固に密着した基板を得た。即ち、この工程により、樹脂充填材の表面と下層導体回路の表面とが略同一平面となる。
コア基板の導体層の厚みは7.5〜250μmの間で形成された。このとき、第1実施例では、コア基板の導体層の厚みは18μmであった。しかしながら、導体層の厚みは上記厚みの範囲を超えてもよい。
(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、導体回路34、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの表面とスルーホール36のランド表面と内壁とをエッチングすることにより、導体回路の全表面に粗化面34βを形成した(図2(B))。エッチング液としては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコール酸7.3重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
(6)基板の両面に、Aで作製した基板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に載置し、圧力0.45MPa、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下の方法により真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層50を形成した(図2(C))。すなわち、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.47MPa、温度85℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、170℃で40分間熱硬化させた。
(7)次に、層間樹脂絶縁層上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.1μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層50に、直径60〜100μmの間でのバイアホール用開口51を形成した(図2(D))。今回は直径60μmと75μmで形成した。
(8)バイアホール用開口6を形成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホール用開口51の内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に粗化面50αを形成した(図3(A))。
(9)次に、上記処理を終えた基板を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。
さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層の表面およびバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた。すなわち、上記基板を塩化パラジウム(PbCl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触媒を付与した。
(10)次に、以下の組成の無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.3〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成し、バイアホール用開口51の内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に無電解銅めっき膜53が形成された基板を得た(図3(B))。
〔無電解めっき水溶液〕
NiSO4 0.003 mol/l
酒石酸 0.200 mol/l
硫酸銅 0.032 mol/l
HCHO 0.050 mol/l
NaOH 0.100 mol/l
α、α′−ビピリジル 100 mg/l
ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l
〔無電解めっき条件〕
34℃の液温度で45分
(11)無電解銅めっき膜52が形成された基板に市販の感光性ドライフィルム54γを張り付け、パターン97aを有するマスク97を載置して、110mJ/cm2 で露光し(図3(C))、0.8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、厚さ25μmのめっきレジスト54を設けた(図3(D))。
(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄してから、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト54非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜56を形成した(図4(A))。
〔電解めっき液〕
硫酸 2.24 mol/l
硫酸銅 0.26 mol/l
添加剤 19.5 ml/l
(アトテックジャパン社製、カパラシドGL)
〔電解めっき条件〕
電流密度 1 A/dm2
時間 65 分
温度 22±2 ℃
(13)さらに、めっきレジスト3を5%KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の導体回路層の導体回路58及びバイアホール60とした(図4(B))。
(14)ついで、上記(5)と同様の処理を行い、導体回路58及びバイアホール60の表面に粗化面58α、60αを形成した。上層の導体回路層の導体回路58の厚みは15μmの厚みであった(図4(C))。ただし、導体回路層の導体回路58の厚みは、5〜25μmの間で形成してもよい。
(15)上記(6)〜(14)の工程を繰り返すことにより、さらに層間樹脂絶縁層150、導体回路158、バイアホール160、電源用プレーン層158P、アース用プレーン層158Eを形成した(図4(D))。電源用プレーン層158P、アース用プレーン層158Eの厚みは18μmで形成し、多層プリント配線板を得た。但し、電源用プレーン層158P、アース用プレーン層158Eの厚みは、7.5〜60μmで形成してもよい。
(16)次に、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)45.67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商品名:エピコート1001)16.0重量部、イミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能アクリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社製)1.8重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることにより、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得た。
なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、DVL−B型)で60min-1の場合はローターNo.4、6min-1の場合はローターNo.3によった。
(17)次に、多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物70を20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した(図5(A))。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが15〜25μmのソルダーレジストパターン層を形成した。上記ソルダーレジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用することもできる。
(18)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。さらに、その基板をシアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図5(B))。ニッケル−金層以外にも、スズ、貴金属層(金、銀、パラジウム、白金など)の単層を形成してもよい。
(19)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層70の開口71に、スズ−鉛を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層の開口にスズ−アンチモンを含有するはんだペーストを印刷した後、200℃でリフローすることによりはんだバンプ(はんだ体)を形成し、はんだバンプ78、78を有する多層プリント配線板を製造した(図6)。
半田バンプ78を介してICチップ90を取り付け、チップコンデンサCを実装する。そして、半田バンプ78を介してドータボード96へ取り付ける(図7)。
(第1実施例の試験用多層プリント配線板)
図6を参照して上述した第1実施例では以下の様に製造した。
導体回路層(導体回路58)の厚み:15μm
電源層、アース層の銅の厚み:18μm
[第2実施例]
第2実施例の構成は、第1実施例と同様であるが以下の厚みに製造した。
導体回路層(導体回路58)の厚み:15μm
電源層、アース層の銅の厚み:30μm
[第3実施例]
第3実施例の構成は、第1実施例と同様であるが以下の厚みに製造した。
導体回路層(導体回路58)の厚み:15μm
電源層、アース層の銅の厚み:60μm
[第4実施例]
第4実施例の構成は、第1実施例と同様であるが以下の厚みに製造した。
導体回路層(導体回路58)の厚み:15μm
電源層、アース層の銅の厚み:180μm
[第5実施例] 多層コア基板
図9及び図10を参照して第5実施例に係る多層プリント配線板について説明する。
図6を参照して上述した第1実施例では、コア基板が単板で形成されていた。これに対して、第5実施例では、コア基板が積層板からなり、積層板内に導体層が設けられている。
図9は、第5実施例に係る多層プリント配線板10の断面図を、図10は、図9に示す多層プリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード96へ載置した状態を示している。図9に示すように、多層プリント配線板10では、コア基板30の表面及び裏面に導体回路34、電源用プレーン層34Pが形成され、コア基板30内に導体層24が形成されている。電源用プレーン層34P及び導体層24は、電源用のプレーン層として形成されている。電源用プレーン層34Pと導体層24とは導電ポスト26により接続されている。(この場合の導電ポストとは、スルーホール、非貫通孔などのバイアホール(含むブラインドスルーホール、ブラインドバイアホール)スルーホールもしくはバイアホール導電性材料で充填したもの意味する。)更に、該電源用プレーン層34Pの上にバイアホール60及び導体回路58の形成された層間樹脂絶縁層50と、バイアホール160及び導体回路158、アース用プレーン層158Eの形成された層間樹脂絶縁層150とが配置されている。該バイアホール160及び導体回路158の上層にはソルダーレジスト層70が形成されており、該ソルダーレジスト層70の開口部71を介して、バイアホール160及び導体回路158にバンプ78、78が形成されている。
図10中に示すように、多層プリント配線板10の上面側のハンダバンプ78は、ICチップ90のランド92へ接続される。更に、チップコンデンサCが実装される。一方、下側のハンダバンプ78は、ドータボード96のランド98へ接続されている。
ここで、コア基板30上の導体回路34、電源用プレーン層34P、34P及びコア基板内の導体層24が形成され、層間樹脂絶縁層50上の導体回路58及び層間樹脂絶縁層150上の導体回路158が形成されている。コア基板の電源用プレーン層34Pおよび導体層24の厚みはコア基板の導体層の厚みは7.5〜250μmの間で形成されて、コア基板上に形成された電源層としての役目を果たすの導体層の厚みは、7.5〜250μmの間で形成された。この場合の導体層の厚みは、コア基板の電源層の厚みの総和である。内層である導体層34、表層である導体層24、その双方を足したものであるという意味である。信号線の役目を果たしているものとを足すことではない。この第5実施例においても、層間樹脂絶縁層50上の導体回路(導体回路層)58は、厚さ5〜25μmに形成され、上側層間樹脂絶縁層150上の導体回路158、アース用プレーン層158E、即ち、アース層は7.5〜60μm、に形成されている。
第5実施例の多層プリント配線板では、アース用プレーン層158Eを厚くすることにより、導体自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、導体での抵抗が低減することができる。アース用プレーン層158Eをアース層として用いることで、ICチップの信号、電力供給にノイズが重畳しなくなり、誤動作やエラーを防ぐことができる。
[第6実施例] 多層コア基板
図11〜図19を参照して本発明の第6実施例に係る多層プリント配線板について説明する。
先ず、第6実施例に係る多層プリント配線板10の構成について、図18、図19を参照して説明する。図18は、該多層プリント配線板10の断面図を、図19は、図18に示す多層プリント配線板10にICチップ90を取り付け、ドータボード96へ載置した状態を示している。図18に示すように、多層プリント配線板10では多層コア基板30を用いている。多層コア基板30の表面側に導体回路34、電源用プレーン層34P、裏面に導体回路34、アース用プレーン層34Eが形成されている。上側の電源用プレーン層34Pは、電源用のプレーン層として形成され、下側のアース用プレーン層34Eは、アース用のプレーン層として形成されている。更に、多層コア基板30の内部の表面側に、内層の導体回路16、導体層16E、裏面に導体回路16、導体層16Pが形成されている。上側の導体層16Eは、アース用のプレーン層として形成され、下側の導体層16Pは、電源用のプレーン層として形成されている。電源用のプレーン層との接続は、スルーホールやバイアホールにより行われる。プレーン層は、片側だけの単層であっても、2層以上に配置したものでもよい。2層〜4層で形成されることが望ましい。4層以上では電気的な特性の向上が確認されていないことからそれ以上多層にしてもその効果は4層と同等程度である。特に、2層で形成されることが、多層コア基板の剛性整合という点において基板の伸び率が揃えられるので反りが出にくいからである。多層コア基板30の中央には、電気的に隔絶された金属板12が収容されている。(該金属板12は、心材としての役目も果たしているが、スルーホールやバイアホールなどどの電気な接続がされていない。主として、基板の反りに対する剛性を向上させているのである。金属板として低熱膨張部材を用いれば基板の熱膨張係数を下げられる)該金属板12に、絶縁樹脂層14を介して表面側に、内層の導体回路16、導体層16E、裏面に導体回路16、導体層16Pが、更に、絶縁樹脂層18を介して表面側に導体回路34、電源用プレーン層34Pが、裏面に導体回路34、アース用プレーン層34Eが形成されている。多層コア基板30は、スルーホール36を介して表面側と裏面側との接続が取られている。
多層コア基板30の上側の該電源用プレーン層34P、導体回路34の上に層間樹脂絶縁層50を介して導体回路層を形成する導体回路58が形成されている。該導体回路58は、主として信号線の引き回しを行っている。導体回路58は、バイアホール60を介してコア基板30の電源用プレーン層34P、導体回路34と接続されている。導体回路58の上に層間樹脂絶縁層150を介して電源層を構成する電源用プレーン層158P及び導体回路158が形成されている。電源用プレーン層158P及び導体回路158は、層間樹脂絶縁層150に形成されたバイアホール160を介して導体回路58に接続されている。
多層コア基板30の下側のアース用プレーン層34E、導体回路34の上(図中下側)に層間樹脂絶縁層50を介して導体回路層を形成する導体回路58が形成されている。該導体回路58は、主として信号線の引き回しを行っている。導体回路58は、バイアホール60を介してコア基板30のアース用プレーン層34E、導体回路34と接続されている。導体回路58の上に層間樹脂絶縁層150を介してアース層を構成するアース用プレーン層158E及び導体回路158が形成されている。アース用プレーン層158E及び導体回路158は、層間樹脂絶縁層150に形成されたバイアホール160を介して導体回路58に接続されている。
上側のバイアホール160、導体回路158、電源用プレーン層158P、下側のバイアホール160、導体回路158、アース用プレーン層34Eの上層にはソルダーレジスト層70が形成されており、該ソルダーレジスト層70の開口部71を介して、バイアホール160及び導体回路158にバンプ78が形成されている。
図19中に示すように、多層プリント配線板10の上面側のハンダバンプ76Uは、ICチップ90のランド92へ接続される。更に、チップコンデンサCが実装される。一方、下側のハンダバンプ78は、ドータボード94のランド96へ接続されている。
ここで、層間樹脂絶縁層50上の導体回路(導体回路層)58は、厚さ5〜25μmに形成され、上側層間樹脂絶縁層150上の導体回路158、電源用プレーン層158P、即ち、電源層は7.5〜60μm、下側層間樹脂絶縁層150上層の導体回路158、アース用プレーン層158E、即ち、アース層は7.5〜60μm、に形成されている。
第6実施例の多層プリント配線板では、電源用プレーン層158P、アース用プレーン層34Eを厚くすることにより、導体自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、導体での抵抗が低減することができる。電源用プレーン層158Pを電源層として用いることで、ICチップ90への電源の供給能力が向上させることができる。そのため、該多層プリント基板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までのループインダクタンスを低減することができる。そのために、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起き難くなり、そのためにより高周波領域のICチップを実装したとしても、初期起動における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。更に、アース用プレーン層158Eをアース層として用いることで、ICチップの信号、電力供給にノイズが重畳しなくなり、誤動作やエラーを防ぐことができる。
第6実施例の多層プリント配線板では、コア基板30の表層の電源層(導体層)34P、導体層34、内層の電源層(導体層)16P、導体層16Eを厚くすることにより、コア基板の強度が増す。それによりコア基板自体を薄くしたとしても、反りや発生した応力を基板自体で緩和することが可能となる。第6実施例では、金属板がコア内に入っているが、金属板がない構成でもよい。
また、電源用プレーン層34P、16P、アース用プレーン層34E、16Eを厚くすることにより、導体自体の体積を増やすことができる。その体積を増やすことにより、導体での抵抗を低減することができる。
更に、電源用プレーン層34P、16Pを電源層として用いることで、ICチップ90への電源の供給能力が向上させることができる。そのため、該多層プリント基板上にICチップを実装したときに、ICチップ〜基板〜電源までのループインダクタンスを低減することができる。そのために、初期動作における電源不足が小さくなるため、電源不足が起き難くなり、そのためにより高周波領域のICチップを実装したとしても、初期起動における誤動作やエラーなどを引き起こすことがない。更に、アース用プレーン層34E、16Eをアース層として用いることで、ICチップの信号、電力供給にノイズが重畳しなくなり、誤動作やエラーを防ぐことができる。コンデンサを実装することにより、コンデンサ内の蓄積されている電源を補助的に用いることができるので、電源不足を起しにくくなる。特に、ICチップの直下に配設させることにより、その効果(電源不足を起しにくくする)は顕著によくなる。その理由として、ICチップの直下であれば、多層プリント配線板での配線長を短くすることができるからである。
第6実施例では、多層コア基板30は、内層に厚い導体層16P、16Eを、表面に薄い電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eを有し、内層の導体層16P、16Eと表面の電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eとを電源層用の導体層、アース用の導体層として用いる。即ち、内層側に厚い導体層16P、16Eを配置しても、導体層を覆う樹脂層が形成されている。そのために、導体層が起因となって凹凸を相殺させることで多層コア基板30の表面を平坦にすることができる。このため、層間絶縁層50、150の導体層58、158にうねりを生じせしめないように、多層コア基板30の表面に薄い電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eを配置しても、内層の導体層16P、16Eと足した厚みでコアの導体層として十分な厚みを確保することができる。うねりが生じないために、層間絶縁層上の導体層のインピーダンスに不具合が起きない。導体層16P、34Pを電源層用の導体層として、導体層16E、34Eをアース用の導体層として用いることで、多層プリント配線板の電気特性を改善することが可能になる。
更に、コア基板内で電源用プレーン層34Pと導体層16Pとの間の信号線16(導体層16Eと同層)を配置することでマイクロストリップ構造を形成させることができる。同様に、導体層16Eとアース用プレーン層34Eとの間の信号線16(導体層16Pと同層)を配置することでマイクロストリップ構造を形成させることができる。マイクロストリップ構造を形成させることにより、インダクタンスも低下し、インピーダンス整合を取ることができるのである。そのために、電気特性も安定化することができる。
多層コア基板30は、電気的に隔絶された金属板12の両面に、樹脂層14を介在させて内層の導体層16P(電源用)、16E(アース用)が、更に、当該内層の導体層16P、16Eの外側に樹脂層18を介在させて表面の電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eが形成されて成る。中央部に電気的に隔絶された金属板12を配置することで、十分な機械的強度を確保することができる。更に、金属板12の両面に樹脂層14を介在させて内層の導体層16P、16Eを、更に、当該内層の導体層16P、16Eの外側に樹脂層18を介在させて表面の電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eを形成することで、金属板12の両面で対称性を持たせ、ヒートサイクル等において、反り、うねりが発生することを防げる。
図20は、第6実施例の改変例を示している。この改変例では、ICチップ90の直下にコンデンサCを配置してある。このため、ICチップ90とコンデンサCとの距離が近く、ICチップ90へ供給する電源の電圧降下を防ぐことができる。
引き続き、図18に示す多層プリント配線板10の製造方法について図11〜図17を参照して説明する。
(1)金属層の形成
図11(A)に示す厚さ50〜400μmの間の内層金属層(金属板)12に、表裏を買通する開口12aを設ける(図11(B))。金属層の材質としては、銅、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、鉄などの金属やそれらの合金を用いることができる。開口12aは、パンチング、エッチング、ドリリング、レーザなどによって穿設する。場合によっては、開口12aを形成した金属層12の全面に電解めっき、無電解めっき、置換めっき、スパッタによって、金属膜13を被覆してもよい(図11(C))。なお、金属板12は、単層でも、2層以上の複数層でもよい。また、金属膜13は、開口12aの角部において、曲面を形成するほうが望ましい。それにより、応力の集中するポイントがなくなり、その周辺でのクラックなどの不具合が引き起こしにくい。
(2)内層絶縁層の形成
金属層12の全体を覆い、開口12a内を充填するために、絶縁樹脂を用いる。形成方法としては、例えば、厚み30〜200μm程度のBステージ状の樹脂フィルムを金属板12で挟んでから、熱圧着してから絶縁樹脂層14を形成することができる(図11(D))。更に、樹脂に無機フィラーを分散させた方がよい。場合によっては、塗布、塗布とフィルム圧着の混合、もしくは閑口部分だけを塗布して、その後、フィルムで形成してもよい。
材料としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、BT樹脂等の熱硬化性樹脂をガラスクロス等の心材に含浸させたプリプレグを用いることが望ましい。この場合にガラス、アルミナ、ジルコニア等の無機フィラーを分散してもよい。それ以外にも樹脂を用いてもよい。
(3)金属箔の貼り付け
樹脂層14で覆われた金属層12の両面に、内層金属層16αを形成させる(図11(E))。その一例として、厚み12〜275μmの金属箔を積層させた。金属箔を形成させる以外の方法として、片面銅箔付きプリプレグを積層させる。片面銅箔付きプリプレグとしては上記(2)の工程と同じものを用いることができる。
(4)内層金属層の回路形成
2層以上にしてもよい。アディティブ法により金属層を形成してもよい。
テンティング法、エッチング工程等を経て、内層金属層16αから内層導体層16、16P、16Eを形成させた(図11(F))。このときの内層導体層の厚みは、7.5〜250μmで形成させた。しかしながら、上述の範囲を超えてもよい。
(5)外層絶縁層の形成
内層導体層16、16P、16Eの全体を覆い、その回路間の隙間を充填するために、絶縁樹脂を用いる。形成方法としては、例えば、厚み30〜200μm程度のBステージ状の樹脂フィルムを内層導体層16、16P、16Eを挟んでから、熱圧着して外層絶縁樹脂層18を形成する(図12(A))。場合によっては、塗布、塗布とフィルム圧着の混合、もしくは開口部分だけを塗布して、その後、フィルムで形成してもよい。加圧することで表面を平坦にすることができる。
(6)最外層の金属箔の貼り付け
外層絶縁樹脂層18で覆われた基板の両面に、最外層の金属層34αを形成させる(図12(B))。その一例として、厚み10〜275μmの金属箔を積層させる。金属箔を形成させる以外の方法として、片面銅箔付きプリプレグを積層させる。金属箔上に、めっきなどで2層以上にしてもよい。アディティブ法により金属層を形成してもよい。片面銅箔付きプリプレグとしては上記(2)の工程と同じものを用いることができる。
(7)スルーホール形成
基板の表裏を貫通する開口径50〜400μmのスルーホール用通孔36αを形成する(図12(C))。形成方法としては、ドリル、レーザもしくはレーザとドリルの複合により形成させる(最外層の絶縁層の開口をレーザで行い、場合によっては、そのレーザでの開口をターゲットマークとして用いて、その後、ドリルで開口して貫通させる)。形状としては、直線状の側壁を有するものであることが望ましい。場合によっては、テーパ状であってもよい。
スルーホールの導電性を確保するために、スルーホール用通孔36α内にめっき膜22を形成し、表面を粗化した後(図12(D))、充填樹脂23を充填することが望ましい(図12(E))。充填樹脂としては、電気的な絶縁されている樹脂材料、(例えば 樹脂成分、硬化剤、粒子等が含有されているもの)、金属粒子による電気的な接続を行っている導電性材料(例えば、金、銅などの金属粒子、樹脂材料、硬化剤などが含有されているもの。)のいずれかを用いることができる。
めっきとしては、電解めっき、無電解めっき、パネルめっき(無電解めっきと電解めっき)などを用いることができる。金属としては、銅、ニッケル、コバルト、リン、等が含有してもので形成されるのである。めっき金属の厚みとしては、5〜30μmの間で形成されることが望ましい。
スルーホール用通孔36α内に充填する充填樹脂23は、樹脂材料、硬化剤、粒子などからなるものを絶縁材料を用いることが望ましい。粒子としては、シリカ、アルミナなどの無機粒子、金、銀、銅などの金属粒子、樹脂粒子などの単独もしくは複合で配合させる。粒径が0.1〜5μmのものを同一径もしくは、複合径のもの混ぜたものを用いることができる。樹脂材料としては、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂など)、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、感光性を有する紫外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂などが単一もしくは混合したものを用いることができる。硬化剤としては、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤などを用いることができる。それ以外にも、硬化安定剤、反応安定剤、粒子等を含まれていてもよい。導電性材料を用いてもよい。この場合は、金属粒子、樹脂成分、硬化剤などからなるものが導電性材料である導電性ペーストとなる。場合によっては、半田、絶縁樹脂などの絶縁材料の表層に導電性を有する金属膜を形成したものなどを用いてもよい。めっきでスルーホール用通孔36α内を充填することも可能である。導電性ペーストは硬化収縮がなされるので、表層に凹部を形成してしまうことがあるからである。
(8)最外層の導体回路の形成
全体にめっき膜を被覆することで、スルーホール36の直上に蓋めっき25を形成してもよい(図13(A))。その後、テンティング法、エッチング工程等を経て、外層の導体回路34、34P、アース用プレーン層34Eを形成する(図13(B))。これにより、多層コア基板30を完成する。
このとき、図示されていないが多層コア基板の内層の導体層16等との電気接続を、バイアホールやブラインドスルーホール、ブラインドバイアホールにより行ってもよい。
その後の製造方法は、図1(C)〜図5を参照して上述した第1実施例と同様に、多層コア基板30に層間樹脂絶縁層50、150、導体回路58、158を形成する。
(9)導体回路34を形成した多層コア基板30を黒化処理、および、還元処理を行い、導体回路34、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの全表面に粗化面34βを形成する(図13(C))。
(10)多層コア基板30の導体回路非形成部に樹脂充填材40の層を形成する(図14(A))。
(11)上記処理を終えた基板の片面を、ベルトサンダー等の研磨により、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの外縁部に樹脂充填材40が残らないように研磨し、次いで、上記研磨による傷を取り除くため、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの全表面(スルーホールのランド表面を含む)にバフ等でさらに研磨を行った。このような一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理を行って樹脂充填材40を硬化した(図14(B))。
また、導体回路間の樹脂充填を行わなくてもよい。この場合は、層間絶縁層などの樹脂層で絶縁層の形成と導体回路間の充填を行う。
(12)上記多層コア基板30に、エッチング液を基板の両面にスプレイで吹きつけて、導体回路34、電源用プレーン層34P、アース用プレーン層34Eの表面とスルーホール36のランド表面と内壁とをエッチング等により、導体回路の全表面に粗化面36βを形成した(図14(C))。
(13)多層コア基板30の両面に、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルム50γを基板上に載置し、仮圧着して裁断した後、さらに、真空ラミネーター装置を用いて貼り付けることにより層間樹脂絶縁層を形成した(図15(A))。
(14)次に、層間樹脂絶縁層上に、厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス幅7.9μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口50aを形成した(図15(B))。
(15)多層コア基板30を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液に10分間浸漬し、バイアホール用開口50aの内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に粗化面50αを形成した(図15(C))。粗化面は0.1〜5μmの間で形成した。
(16)次に、上記処理を終えた多層コア基板30を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶縁層の表面およびバイアホール用開口の内壁面に触媒核を付着させた。
(17)次に、無電解銅めっき水溶液中に、触媒を付与した基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜を形成し、バイアホール用開口51の内壁を含む層間樹脂絶縁層50の表面に無電解銅めっき膜52が形成された基板を得る(図15(D))。
(18)無電解銅めっき膜52が形成された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスクを載置して、現像処理することにより、めっきレジスト54を設けた(図16(A))。めっきレジストの厚みは、10〜30μmの間を用いた。
(19)ついで、多層コア基板30に電解めっきを施し、めっきレジスト54非形成部に、厚さ5〜20μmの電解銅めっき膜56を形成した(図16(B))。
(20)さらに、めっきレジストを5%程度のKOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチング処理して溶解除去し、独立の導体回路58及びバイアホール60とした(図16(C))。
(21)ついで、上記(12)と同様の処理を行い、導体回路58及びバイアホール60の表面に粗化面58α、60αを形成した。上層の導体回路58の厚みは5〜25μmで形成された。今回の厚みは15μmの厚みであった(図16(D))。
(22)上記(14)〜(21)の工程を繰り返すことにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層150、導体回路158、電源用プレーン層158E、アース用プレーン層158Eを形成し、多層プリント配線板を得た(図17(A))。
(23)次に、多層配線基板の両面に、ソルダーレジスト組成物70を12〜30μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った後(図17(B))、ソルダーレジスト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開口71を形成した(図17(C))。
そして、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、開口を有し、その厚さが10〜25μmのソルダーレジストパターン層を形成した。
(24)次に、ソルダーレジスト層70を形成した基板を、無電解ニッケルめっき液に浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめっき層72を形成した。さらに、その基板を無電解金めっき液に浸漬して、ニッケルめっき層72上に、厚さ0.03μmの金めっき層74を形成した(図17(D))。ニッケル−金層以外にも、スズ、貴金属層(金、銀、パラジウム、白金など)の単層を形成してもよい。
(25)この後、基板のICチップを載置する面のソルダーレジスト層70の開口71に、スズ−鉛を含有する半田ペーストを印刷し、さらに他方の面のソルダーレジスト層の開口にスズ−アンチモンを含有する半田ペーストを印刷した後、200℃でリフローすることにより外部端子を形成し、はんだバンプを有する多層プリント配線板を製造した(図18)。
半田バンプ78を介してICチップ90を取り付け、チップコンデンサCを実装する。そして、外部端子78を介してドータボード96へ取り付ける(図19)。
図18を参照して上述した第6実施例の多層プリント配線板は以下のように設定した。
コア基板の内層の導体層の厚み:70μm 表層の導体層の厚み:35μm
コア基板の導体回路の厚みの和:210μm
導体回路層(導体回路58)の厚み:15μm
電源層(電源用プレーン層158E)の厚み:35μm
(比較例)
第1実施例において、(導体回路層の厚み/電源層の厚み)≦1.2を比較例とした。その実例として、導体回路層の厚み:15μm、電源層の厚み:15μmに設定した。
(参考例)
第1実施例において、(導体回路層の厚み/電源層の厚み)>12を参考例とした。その実例として、導体回路層の厚み:15μm、電源層の厚み:195μmに設定した。
参考例とは、適合例と同様な効果を得ることができるが、それ以外で不具合が発生する恐れがあり、適合例よりも若干適合されないというものである。
それぞれの実施例と比較例と参考例の基板に周波数3.1GHzのICチップを実装して、同じ量の電源を供給して、起動させたときの電圧の降下した量を測定した。このときの電圧降下量での平均値を示した。電源電圧1.0Vのときの変動した電圧降下量の平均値である。
また、それぞれの実施例と比較例と参考例のバイアス高温高湿条件(130、湿度85wt%、2V印加)下における信頼性試験を行った。試験時間は、100hr、300hr、500hr、1000hrで行い、ICの誤動作の有無、層間樹脂絶縁層のバイアホールの接続オープンの有無についてそれそれ実施例および比較例について検証をした。この結果を図24中の図表に表す。
さらに、導体層の厚みについても検証を行った。横軸に(電源層/導体回路層厚みの比)を設定し、縦軸に最大電圧降下量(V)を設定してシュミレートした結果を図25に示した。
すべての実施例、比較例、参考例の測定結果を基に行っている。それ以外については、シュミレートで作成した。
図24より、適合例で作成したものはICチップの誤動作やオープンなどなりにくい。つまり、電気接続性と信頼性が確保される。
比較例では、ICチップの誤動作を引き起こしてしまうため、電気接続性に問題があるし、導体の厚みが薄いため、信頼性試験下で発生した応力を緩衝できず、バイアホール接続部での剥がれが生じてしまった。そのために、信頼性が低下してしまった。しかしながら、電源層又はアース層の導体の厚み/導体回路層の導体の厚みの比1.2を越えると、その効果が現れてくる。
電源層又はアース層の導体の厚み/層間絶縁層の導体回路層の厚み比が12を越えると(参考例)、上層の導体回路における不具合(例えば、上層の導体回路への応力の発生やうねりによる密着性の低下を引き起こしてしまう等)のため、信頼性が低下してしまった。通常は問題ないが、材料等の要因によっては、その傾向が現れてしまうことがある。
試験の結果からも電気特性を満たすのは、1.2≦(電源層又はアース層の導体の厚み/導体回路層の導体の厚み)である。また、電気特性と信頼性の要因を満たすのは、1.2≦(電源層又はアース層の導体の厚み/導体回路層の導体の厚み)≦12ということになる。
図25の結果により、この場合、電源電圧1.0Vのとき、変動許容範囲±10%であれば、電圧の挙動が安定していることになり、ICチップの誤動作などを引き起こさない。つまり、この場合、電圧降下量が0.1V以内であれば、電圧降下によるICチップへの誤動作等を引き起こさないことになる。0.09V以下であれば、安定性が増すことになる。それ故に、(電源層、アース層の少なくとも一方の導体の厚み/層間絶縁層の導体回路層の導体の厚み)の比が1.2を越えるの良いのである。さらに、1.2≦(電源層、アース層の少なくとも一方の導体の厚み/層間絶縁層の導体回路層の導体の厚み)≦12の範囲であれば、数値が減少傾向にあるため、その効果が得やすいということとなる。また、12<(電源層、アース層の少なくとも一方の導体の厚み/層間絶縁層の導体回路層の導体の厚み)という範囲では、電圧降下量が上昇していることから、バイアホール剥離などが原因で電圧供給に問題が起こっていることとなる。材料等の選定でビア剥離を抑えれれば、上記問題は解決される。通常使用する範囲では問題にならない。
更に、2.0≦(電源層、アース層の少なくとも一方の導体の厚み/導体回路層の導体の厚み)≦4.0未満であれば、電圧降下量がほぼ同じであることから、安定しているということとなる。つまり、この範囲が、最も望ましい比率範囲であるということが言える。なお、導体回路層とはシグナル層を意味する。
本願発明により、ICチップ〜基板〜電源の導体における抵抗を低減させることができ、伝達損失が低減される。そのために、伝達される信号や電源が所望の能力が発揮される。そのために、ICチップの機能、動作などが正常に作動するために、誤作動やエラーを発生することがない。ICチップ〜基板〜アースの導体における抵抗を低減させることができ、信号線、電源線でのノイズの重畳を軽減し、誤作動やエラーを防ぐことができる。
また、本願発明により、ICチップの初期起動時に発生する電源不足(電圧降下)の度合いを小さくなることもわかり、高周波領域のICチップ、特に3GHz以上のICチップを実装したとしても、問題なく起動することができることが分かった。そのため、電気的な特性や電気接続性をも向上させることができるのである。
さらに、プリント基板の回路内での抵抗を従来のプリント基板に比べても、小さくすることができる。そのために、バイアスを付加して、高温高湿下で行う信頼性試験(高温高湿バイアス試験)を行っても、破壊する時間も長くなるので、信頼性も向上することができる。
本発明の第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第1実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第1実施例に係る多層プリント配線板の断面図である。 第1実施例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。 図6中の多層プリント配線板のX−X横断面図である。 第5実施例に係る多層プリント配線板の断面図である。 第5実施例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。 本発明の第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例の多層プリント配線板を製造方法を示す工程図である。 第6実施例に係る多層プリント配線板の断面図である。 第6実施例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。 第6実施例の変形例に係る多層プリント配線板にICチップを載置した状態を示す断面図である。 ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。 ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。 ICチップの動作中における電圧変化を示したグラフである。 実施例と比較例との試験結果を示す図表である。 (コアの電源層厚み/層間絶縁層厚みの比)に対する最大電圧降下量(V)をシュミレートした結果を示したグラフである。
符号の説明
12 金属層(金属板)
14 樹脂層
16 導体回路
16P 導体層
16E 導体層
18 樹脂層
30 基板
32 銅箔
34 導体回路
34P 電源用プレーン層
34E アース用プレーン層
36 スルーホール
40 樹脂充填層
50 層間樹脂絶縁層
58 導体回路(導体回路層)
60 バイアホール
70 ソルダーレジスト層
71 開口
78、78 半田バンプ
90 ICチップ
96 ドータボード
150 層間樹脂絶縁層
158 導体回路
158P 電源用プレーン層(電源層)
158E アース用プレーン層(アース層)
C チップコンデンサ

Claims (4)

  1. 電源層又はアース層の少なくとも一方を有するコア基板上に、層間絶縁層を介して導体回路層、及び、電源層又はアース層が形成され、コア基板のスルーホー
    ルを介して電気的な接続の行われる多層プリント配線板において、
    前記コア基板は、表裏の導体層と少なくとも2層以上の内層の導体層とを有する多層コア基板であり、前記表裏の導体層及び前記内層の導体層は電源層又はアース層として用いられ、前記表裏の電源層又はアース層の厚みは、前記導体回路層の厚みよりも厚く、
    前記内層の導体層のそれぞれの厚みは前記表裏の導体層の厚みよりも厚いことを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 前記電源層又はアース層の厚みは、前記導体回路層の厚みよりも1.2〜12倍厚いことを特徴とする請求項1の多層プリント配線板。
  3. 前記電源層又はアース層の厚みは、前記導体回路層の厚みよりも2〜4倍厚いことを特徴とする請求項1の多層プリント配線板。
  4. 前記スルーホールの内部には樹脂充填材が充填されている請求項1の多層プリント配線板。
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