JP4873803B2 - 磁気共鳴のための非対称ゾーナルシムコイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気共鳴の応用例のためのシムコイルに関するもので、特にこの発明は磁気共鳴画像(MRI)装置のための非対称なシムコイルのデザインに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴画像形成(MRI)への応用例では、患者は強く均一な静磁場に置かれ、その結果、体の中の水分子中にある陽子がもっているでたらめな方向をもった磁気モーメントが、印加された場の方向のまわりに歳差運動させられる。均一な磁場の領域に置かれた体の部分は、次に、高周波(RF)エネルギーを照射される。これにより、陽子のいくつかがそのスピンの方向を変化させることになる。スピン全体の正味の磁化は、印加されたRFエネルギーによって章動運動し印加された静磁場の方向から離れる。印加された静磁場の方向に直交する正味磁化の成分は、歳差運動の周期数に合わせたレシーバー・コイルに測定可能な信号を誘導するよう作用する。これは磁気共鳴(MR)信号である。もっとも重要なことは、陽子が印加された静磁場のまわりを歳差運動するときの周期数は背景磁場に依存するということである。背景磁場は画像実験におけるサンプルの各々の点で変化するようにデザインされているので、MR信号の周波数も同様に場所に依存することになる。信号はそれゆえに空間的に符号化され、この事実が最終的な像を構築するのに使われる。
【0003】
実際問題として、構築許容誤差はMR磁石がDSV(Diameter-Sensitive Volume)(指定された直径に依存する体積。ここでは「予め決められたシミング体積」とも言う。)の上に完全に均一な場を生成しないということを意味する。それゆえ、シミングによって達成される、場の純度のいくらかの調整が必要とされる。加えて、患者の体の存在は強い磁場をわずかにかき乱すので、シムコイルが場を補正し、できるだけ最良の最終像を与えることに使われる。DSVの範囲内にある場は典型的に球面調和関数で表現されるので、場における不純物(impurities)はこれらの調和関数の展開係数で分析される。補正コイルはそれゆえ特別な磁場の形状を作り出すようにデザインされ、その特別な磁場の形状はこれらの球面調和関数のひとつ、またはそれ以上の効果を打ち消すために、背景磁場に加えられる。これらのコイルの多くは、特定のMRI装置のなかに現れるかもしれないし、おのおのは必要とされる電流を作り出すために、それ自身の電源をもつかもしれない。ゾーナルシムコイル(zonal shim coil)とは、完全な方位対称性を有している、つまり、円柱の長さに沿った各々の点に対し、該円柱の周面の回りに同じ電流密度を持っているコイルである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これらの補正コイルに関する主なデザインの仕事は、コイルの中に所望の磁場を作り出すコイルの正確な巻き方を決定することである。ターナ(Turner)によるひとつの方法(1986, A target field approach to optimal coil design, J. Phys. D: Appl. Phys. 19, 147-151; 米国特許第4,896129号)はコイルの半径よりも小さい、半径で、円柱の中に要求されたターゲット場(target field)を指定することである。フーリエ変換の方法はその時、要求されたターゲット場を与えるのに必要な、コイルの表面の電流密度を見つけるのに使われる。この方法は幅広く使われ、そして、応用において成功しているが、3つの深刻な欠点により悩ませられている。1番目に、この方法はコイルの長さをあらかじめ条件として指定することを許さない。二番目に、フーリエ変換のテクニックが有限の長さのコイルに適用されることができるようにするために、フーリエ変換を収束させるべくターゲット場はなんらかの方法で、弱められたり、なめらかにされなければならない。これは不必要な誤差や複雑性を導入することになる。
三番目に、このアプローチでは、コイルには明白な長さが与えられないので、有限の長さのコイルで、非対称に位置づけられたターゲット場をデザインするとき、この方法の簡単な使用法がない。
【0005】
有限の長さを持ったコイルのデザインに対する替わりの方法は、クロチィアー(Crozier)とダッドレル(Doddrell)によって開拓された確率論的最適化アプローチである(1993, Gradient-coil design by simulated annealing, J. Magn. Reson. A 103, 354-357)。このアプローチはあるワイヤーループの位置と、これらのループに流れる電流を調整するために最適化の方法を使って、DSVにおける要求された場を作り出すことを探求するというものである。この方法は非常にたくましい。というのは、それは最適化の方法として模擬アニーリングを使い、そして、それはラグランジュの乗数テクニックの手段による手短な方法で、他の制約を組み込むことができるからである。正真正銘の有限な長さをもったコイルは、このテクニックによって近似なしに説明され、それによって、この方法はターゲット場の方法(および有限の要素にもとずく他の方法)に対し明白な利点を持っている。それは、確率論的な最適化の戦略によっているので、不連続な実在関数にすら対処することができ、それ故、最適化の過程の間に、ワイヤーのループを加えたり、取り除いたりすることに順応させることができる。この方法は、確率論的最適化テクニックが収束するまでに、多くの繰り返しを行うために、コンピュータ稼働時間に対する費用がかかる可能性があるという欠点を有する。
【0006】
この発明の目的はあるコイル全体の中のある特定の非対称の部分の範囲内で、所望の場を生成するコイルの構造を提供することにある。
【0007】
そして、この発明のさらなる目的は、直接的な解析アプローチの単純さを維持しているテクニックを使って、コイルの中に、所望されたゾーナル磁場(zonal magnetic field)を作り出すための一般的で系統的な方法を提供することである。この目的に関連して、要求されたゾーナル磁場はコイル全体の外面的な形態に関して対称的に、または非対称に位置させ得る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
おおまかにいうと、この発明はMR装置における対称そして非対称のゾーナルシムコイル(帯シムコイル)のデザインのための方法を提供する。所定の体積の内側と外側の磁場を表現するために、この方法はフーリエ級数を使う。典型的には、この体積はMR装置の中の長さ2L、半径aの円柱形の体積である。円柱上の電流密度も、フーリエ級数を使って表現される。この近似テクニックはコイルの2つの端のそばの「端効果」を無視しているが、端から離れたコイルの内側では、場と電流において正確な表現を与える。
【0009】
いかなる所望の場も、円柱の半径上にあらかじめ指定することができ、コイルの長さのある部分(例えば、非対称部分)pL<z<qL(−1<p<q<1)に指定することができる。場の連続性を保証し、それゆえフーリエ級数についての良い収束性を与える方法で、場の周期的拡張が用いられる。
【0010】
例えば、円筒体積の非対称な位置での所望のターゲット場は、コイルの長さの2倍の長さに等しい(すなわち4L)周期の周期関数として表現される。拡張された周期ターゲット場はコイルの端において偶数の周期的拡張として表現されることができる。要求されることの全ては、指定された所望の場に関連するフーリエ係数を計算することであり、これから、コイル上での電流密度と磁場成分を計算する。
【0011】
別の面をおおまかいにうと、この発明はMRシステムのための非対称ゾーナルシムコイルを供給する。非対称シムコイルは、従来のMRシステムや、または米国特許第6,140,900号の磁石等のような最近開発された非対称磁石で使われることができる。
【0012】
したがって、ある側面によると、この発明は、(i)縦軸(例えば、z軸)と(ii)あらかじめ決められたシミング体積(dsv)を持ち、上記縦軸を取り囲むと共に上記縦軸に沿って間隔をおいて配置された複数の電流を運ぶ巻き線を備えたゾーナルシムコイル(例えばシムセットの一部材)であって、上記ゾーナルシムコイルは磁場を生成し、この磁場の縦成分は
【数9】
Figure 0004873803
によって与えられ、ここで、an0は帯調和関数の振幅であり、Pn0(cos θ)はルジャンドルの多項式、nは多項式の次数、rとθはそれぞれ半径座標と方位角座標であり、
(i)上記コイルは少なくとも1つの予め決められた帯調和関数を生成し、その帯調和関数の次数(n')は2か2より大きく、(例えば上記コイルは単一の調和関数を生成することができ、n'が例えば2、3、4、5、6、7または8と同じであり得、もし要求されるならば、コイルは、同時に2以上の調和関数を生成することができ、例えばn'が2そして4と等しいか、または3そして5と等しくなり得る。
【0013】
(ii)上記ゾーナルシムコイルは長さ2Lを定める第1の端と第2の端を持ち、
(iii)上記予め決められたシミング体積はz=pLからz=qLまで上記縦軸に沿って延びていて、ここで、
(a) −1<p<q<1、
(b) |p|≠|q|(すなわち、予め決められたシミング体積はコイルの全体の形状に関して非対称に位置づけられている)、
(c) z=0の点はゾーナルシムコイルの上記第1の端と第2の間にある
ことを特徴とするゾーナルシムコイル。
シムセットのコイルの全ては上記のタイプのものであることが好ましい。
【0014】
解像度が高い分光法すなわちNMRに使われるゾーナルシムコイルの場合では、q−pは好ましくは0.01か0.01より大きく、最も好ましくは、0.05か0.05より大きい。臨床撮像法つまりMRIに使用されるゾーナルシムコイルの場合には、q−pは好ましくは0.05か0.05よりも大きく、最も好ましくは、0.5か0.5より大きい。
【0015】
この発明のある好ましい実施形態によると、ゾーナルシムコイルは1つの予め決められた帯調和関数を生成し、上記予め決められたシミング体積は、上記縦軸にそって中間点Mを定義し、上記予め決められたシミング体積は、
q−p<1 のとき R=(q−p)L/2、
q−p≧1 のとき R=(q−p)L/3
によって与えられる特有の半径Rを持ち、上記ゾーナルシムコイルは0.2かあるいは0.2よりも小さい純度(P')を持ち、ここで
【数10】
Figure 0004873803
であり、最も好ましくはP'は0.05かあるいは0.05よりも小さい。
【0016】
この発明のある特別な応用では、ゾーナルシムコイルは次の特徴を有する。
【0017】
(i) n' = 2 または3、
(ii) q−p≧0.7、
(iii)2L≦1.4メートル、
(iv)P'≦0.1。
他の特別な応用では、ゾーナルシムコイルは次の特徴を有する。
【0018】
(i) n' = 4、5、6、7または8、
(ii) q−p≧0.7、
(iii)2L≦1.4メートル、
(iv)P'≦0.2。
【0019】
この発明の臨床画像形成への応用例に対しては、|p|または|q|のどちらかが、0.7か0.7よりも大きいことが好まれる。
【0020】
別の側面によると、この発明は磁気共鳴のためのゾーナルシムコイルをデザインする方法で、上記シムコイルは縦軸にそって−LからLまでひろがっていて、上記縦軸は3次元座標系のz軸に沿っており、上記磁気共鳴のためのゾーナルシムコイルをデザインする方法は
(a) シムコイルに対する電流密度を計算するために半径r=aを有する円柱表面(「r=a表面」)を選択し、上記表面は縦軸を取り囲んで、−Lから3Lまでひろがり、そして−Lから+Lまでの第1領域と+Lから+3Lまで広がる第2領域をもっており、
(b) 上記第1の領域に対しては、(i)上記縦軸にそって間隔があけられ(ii)r=aの表面の内側(r=a)に位置する複数の場所での上記シムコイルによって生成される磁場の縦成分(Bz(a-,z))のための1組の所望の値を選択し、ここで、
(1) 上記第1の領域は第1、第2、そして第3の部分領域からなり、それらの部分領域はz=−Lからz=+Lまで縦軸に沿って順序正しくひろがり、上記第1の部分領域はz=−Lからz=pLにわたってひろがり、上記第2の部分領域はz=pLからz=qLにわたってひろがり、上記第3の部分領域はz=qLからz=+Lまでひろがっており、ここで、
−1<p<q<1であり、
(2)磁場の縦成分のための上記所望の値は上記第2の部分領域に対する前もって選ばれた帯調和関数によって定義され、
(3)上記第1の部分領域と上記第3の部分領域における磁場のための所望の値は次の方程式を満足するように選ばれ、
【数11】
Figure 0004873803
(c)上記第2の部分領域に対して、(i)上記縦軸にそって間隔があけられ(ii)r=aの表面の内側(r=a)に位置する複数の場所に対する1組の計算値を選択し、上記1組の計算値は上記第1の部分領域の1組の所望の値のz=+Lについての反転であり、
(d)上記第1の領域におけるシムコイルの電流密度分布js(z)を、
(1)上記第1の領域のための選択された1組の所望の値と、上記第2の領域のための選択された1組の所望の値とから、縦方向磁場におけるフーリエ級数展開の係数を計算すること、
(2) ステップ(d)(1)で計算したフーリエ係数を使って、方程式B=−∇Ψと以後の方程式(1)から(3)までを同時に解くことによって、電流密度分布を計算することを特徴とする方法を提供する。
【0021】
好ましくは、この方法は
(1)全電流Jを決定するために、−Lから+Lまでの範囲にわたるzに関して、|js(z)|を積分し、
(2) 電流を運ぶ巻き数Nを選択し、
(3) 巻き当りの電流の値I=J/Nを決定し、
(4) 各々のブロックで|js(z)|の積分値がIと等しくなるように−Lから+Lの範囲でjs(z)ブロックのセットを決定し、
(5) ブロックのjs(z)に対して正味の極性を有する全てのブロックに対して、ブロックの中心に、中を流れる電流の方向が上記正味の極性に対応する巻き線を置くことによって、
電流密度分布js(z)から、シムコイルに対する不連続な電流を運ぶ巻き線を生成する追加ステップを含むことを特徴とする方法も含んでいる。
【0022】
この方法は対称的に位置づけられた第2の部分領域に対して使われることができ、この場合は|p|=|q|となる。あるいは非対称に位置付けられた第2の部分領域に対して使われることができ、この場合は|p|≠|q|となる。
【0023】
この発明のさらなる詳細は以下に表される。
【0024】
【発明の実施の形態】
上で議論されたように、この発明は、規定された特性を持ったゾーナルシムコイルに関係しており、また、これらのタイプのコイルや、他のタイプのコイルをデザインする方法に関している。図5は、以下に示される様々な方程式に関して、発明の全体的な計算手続きを示している。
【0025】
以下に記述されるように、この発明の方法は、様々な計算上のステップを遂行するのに適したプログラミングによって構成されるデジタルコンピュータシステムで実践されることが望ましい。プログラミングは、この技術分野で、知られている様々なプログラミング言語で実行されることができる。好ましいプログラミング言語はC言語であり、このC言語は科学計算を遂行するのには特にふさわしい。使うことができる他の言語にはフォートラン(FORTRAN),ベーシック(BASIC),パスカル(PASCAL),C++などがある。プログラムは、プログラムが符号化されている磁気ディスク,光ディスクなどの、コンピュータで使用できる媒体を形成する製品として具体化されることができる。
【0026】
コンピュータシステムは目下、ディジタル・エクウィップメント・コーポレーション(DIGITAL EQUIPMENT CORPORATION), アイビーエム(IBM), ヒュウーレットパッカード(HEWLETTPACKARD), サン・マイクロシステムズ(SUN MICROSYSTEMS), エスジーアイ(SGI)などによって製造されているコンピュータや周辺機器のような、汎用科学コンピュータとそのコンピュータに関連する周辺機器で形成することができる。例えば、この発明の数値手続きはCのコードで実行されることができ、パーソナルコンピュータで遂行されることができる。このシステムはデータ入力のための手段と、電子の形態とビジュアルな形態の両方でシムコイルのデザインの結果を出力するための手段を含まなければならない。出力はまた、更なる解析や続いて起こる表示のためにディスク駆動装置やテープ駆動装置やその類に保存されることができる。
【0027】
図に戻ると、図1は長さが2Lで半径がaの円柱コイルを示す。コイルの中の予め選ばれた領域の中に所望の磁場を与えるための、そのようなコイルのデザインは、良く知られた数学的な一連の方程式とその境界条件による解を必要とする。
【0028】
磁場のベクトルH(r,z)(A/m)は、構成関係B=μ0Hによって磁気誘導ベクトル(磁束密度ベクトル)B(r,z)(Wb/m2) に関係し、そしてこの場はB=−∇Ψの関係によって磁気スカラーポテンシャルΨ(x,y,z)の勾配として表現されることができる。ここで、定数μ0は自由空間の透磁率を表している。スカラーポテンシャルは半径aのコイルの内側でも外側でもラプラス方程式
【数12】
Figure 0004873803
をみたす。円柱極座標では、磁気誘導場Bは半径(r)方向に成分Br(r,z)を持っていて、コイルの中心にそった軸(z)方向にB(r,z)成分を持っている。この磁気誘導場には二つの良く知られた境界条件があり、一つ目は次のように半径成分が円柱上で連続でなければならないという条件である。
【数13】
Figure 0004873803
【0029】
純粋なゾーナル場(zonal field)に対しては、表面電流密度成分js(z) (A/m)があり、この表面電流密度成分は純粋に円周(方位角)方向にコイルのまわりを流れる。円柱での二つ目の境界条件は、この電流密度を、次の方程式に従って、磁気誘導場の軸方向成分における不連続性に関係づけている。
【数14】
Figure 0004873803
【0030】
コイルが長さ2Lを持ち、区間−L<z<Lでz軸にそって横たわっていると仮定すれば、そのとき方程式(1)−(3)のセットは一般的に、何らかの指定されたターゲット場を持つ、有限の長さのコイルに対して、閉じた形式で解くには難しすぎる。この問題に取り組むために、この発明は上記一連の方程式に対する近似解の方法論を提供する。その近似解の方法論は、いかなる所望の形状のゾーナルターゲット場(zonal target field)をもコイルの中で指定されるのを許す。これはコイルの表面の上の電流密度js(z)に対する一般的な公式を与え、その電流密度からコイルの巻き方のパターンが構築されることが可能となる。
【0031】
この発明のある側面は所望のターゲット場を図2で示されたような、コイルの2倍の長さと等しい周期(すなわち周期4L)の周期関数として表現することである。それはコイルの両端での端漏れ効果(end leakage effect)を無視しているので、これは厳密な状況に対する近似である。しかしながら、それはコイルの端から離れたコイル中の実際の場については、厳密な表現を与えるべきである。
【0032】
一度、ターゲット場がこのように拡張された周期関数として表現されれば、どのように周期的拡張がされるかということについての厳密な細部に関する選択の自由度が存在する。この発明の2番目の側面は、拡張された周期的ターゲット場を、z=Lのコイルの右端についての偶数周期の拡張として表現することである。ターゲット場はr=aの円柱自身の内側の表面(「r=aの表面の内側」ともいい、「a」と示される)に規定される。それゆえに、ターゲット場は磁気誘導ベクトルの軸方向成分Bz(a,z)であり、周期的に拡張された場は
【数15】
Figure 0004873803
である。実際のコイル−L<z<Lの中のターゲット場Bz(a,z)は、
【数16】
Figure 0004873803
を条件として、完全に任意に選んでもよい。そして方程式(4)の選択は、周期的に拡張された関数ビーゼットチルダーが、どこにおいても連続であるということを保証する。
【0033】
拡張された周期関数によるターゲット場のこの近似では、数学的一連の方程式と境界条件である(1)−(3)は、すぐに良く知られた原理に従って、フーリエ級数を使い解くことが出来る。例えばE. Kreyszig, Advanced Engineering Mathematics, John Wiley and Sons, Ins., New York, 1962, ページ482-486を参照せよ。方程式(4)の拡張されたターゲット場ビーゼットチルダーは
【数17】
Figure 0004873803
の形で表現されることができる。ここで、
【数18】
Figure 0004873803
であり、フーリエ係数は公式
【数19】
Figure 0004873803
に従ってターゲット場に関して与えられる。方程式(1)−(3)に適用された標準的な解法はすぐに円柱コイルの表面での電流密度
【数20】
Figure 0004873803
を与える。磁気誘導場の半径方向成分は、r<a のコイルの内側では、同様に
【数21】
Figure 0004873803
と求まり、r>a のコイルの外側では、同様に
【数22】
Figure 0004873803
と求まる。
【0034】
磁気誘導場の軸方向成分は、同じフーリエ級数の方法を使うことによって求めることができ、r<aのコイルの内側では次の公式
【数23】
Figure 0004873803
によって与えられ、r>a のコイルの外側でも同様に
【数24】
Figure 0004873803
によって与えられる。これらの公式では、関数Iνや関数Kνは次数νの第一種および第二種の変形されたベッセル関数である。
【0035】
いかなる方法でもそれを限定することなしに、この発明は以下に示される例によって、もっと十分に記述されるだろう。
【0036】
例1
A. コイル全体を通しての1次ゾーナル場

この発明の方法面での例解として、コイル全体を通して線形に変化する場を作り出すゾーナルシムコイルは、以下のようにデザインされる。この状況に適切なターゲット場は
【数25】
Figure 0004873803
である。ここで、Hmaxは磁場(A/m)における何らかの特有の最大値である。
【0037】
この場はもうすでに条件(5)を満たしており、方程式(8)からフーリエ係数は
【数26】
Figure 0004873803
のように計算される。
【0038】
コイルの表面r=aで要求される電流密度は今、方程式(9)から求められ、コイルの内側と外側のそれぞれで作り出される磁気誘導場は方程式(10)−(13)によって与えられる。
【0039】
B. 一般的な非対称ゾーナルシムコイルのデザイン
上の例は簡単な線形場を扱った。しかしながら、この発明の方法論はコイルの非対称な部分に関心場を作り出すコイルをデザインすることに対しても使用できる。
【0040】
この場合には、コイル内の関心部分は領域pL<z<qLであると仮定され、この部分は空間−L<z<Lを占めるコイルの全体の部分集合である。分数p,qはそれゆえ条件−1<p<q<1を満たす。この発明の方法論では、ターゲット場Bz(a,z)は一般的な形
【数27】
Figure 0004873803
で表現される。ここにおいて、定数Hmaxは以前のように、特有な磁場の強さ(A/m)であり、次元を持たない変数Z
【数28】
Figure 0004873803
として定義される。
【0041】
感心があるのは、非対称区分pL<z<qLのみであるので、コイルの別の区分での二つの線形関数は、そこで単にターゲット場Bz(a,z)を連続にしているだけである。
【0042】
方程式(14)での関数f(Z2)は完全に任意であり、どのような所望の形状をも有するように選ぶことができる。それゆえに、この発明はターゲット磁場(target magnetic field)が完全に自由にユーザーによって指定され、かつコイル内でいかなる任意の非対称位置にも位置づけられるように、コイルがデザインされることを許す。
【0043】
z=qLでの場の連続性を満たすために、β=(q−p)/2とすると、f(β)=1を選択することが必要になる。方程式(14)の場がz=pLで連続であるということもまた必要であり、積分条件(5)が満たされなければならないということもまた必要になる。これらの二つの要件は方程式(14)において二つの定数であるMとNを決定し、それらの定数は
【数29】
Figure 0004873803
のように計算される。ここで、変数Z2は方程式(15)で定義されている。
【0044】
方程式(14)−(16)はゾーナル非対称磁場シムコイル(zonal asymmetric magnetic shim coil)をデザインするための一般的な方法論を提供し、この方法論では関心区分pL<z<qLにおける磁場はまったくユーザーの選択にまかされている。必要とされるフーリエ係数は方程式(8)から計算され、そのフーリエ係数は標準的な積分によって求められる。コイルの表面での電流密度はそのとき方程式(9)によって与えられ、磁場成分は方程式(10)−(13)から計算される。一度電流密度がわかれば、コイルの表面での、対応する巻き方のパターンが作り出される。これらの結果はすぐに実際的に関心がある三つの非対称ゾーナルシムコイルのデザインに使われるだろう。これらは非対称に位置ずけられた1次と、2次と、3次のシムコイルである。これより高い次数やあるいは次数の組み合わせを生成するシムコイルは、これらの方法を使ってたやすくデザインされるかもしれない。
【0045】
例2: 1次非対称ゾーナル場

上記一般的なデザイン原理を、ここで、関心部分pL<z<qLが線形であるゾーナルコイルに関して示す。方程式(14)−(16)から、ターゲット場はそれゆえ
【数30】
Figure 0004873803
のように選ばれる。ここで、変数Z2は方程式(15)で定義されている通りである。
【0046】
方程式(8)の積分を標準的なテクニックを使って数値を求めると、フーリエ係数は
【数31】
Figure 0004873803
となる。
【0047】
これらの係数は今コイルの表面での電流密度jsを与えるために、方程式(9)でただちに使われるかもしれない。
【0048】
コイルの内側表面の磁場は図3で示されている。この例の計算では、パラメータはp=−0.7,q=0.1,コイル半径a=0.1(m),コイルの長さL=0.2(m)である。特有の場の強さはHmax=1.0(A/m)が選ばれた。
【0049】
図3で連続線として描かれた曲線は直接方程式(17)が使われ、アスタリスクで示されている点は301個のフーリエ係数を使ってフーリエ級数解式(12)から計算された値である。この図は厳密なターゲット場(17)と計算結果の間にすばらしい一致を示し、本発明のフーリエ級数アプローチの正確さを確認している。(ここで、見易いように、磁場Hz=Bz0の軸成分がプロットされていることに注意するべきである)
電流密度jsは、非対称1次場に対するフーリエ係数(18)を使って、方程式(9)から計算される。この結果は図4に示されている。
【0050】
電流密度からコイルパターンを生成するために、それらはまず積分される。次に、所望のコイルの数が選ばれ、積分電流波形が複数の等しい要素に分解される。次に、ワイヤーが等しい電流領域それぞれの中心に置かれる。コイルにおいて要求されるワイヤーの数の選択は、離散的なコイルの構造がどれほどうまく連続な電流密度に近似するかとか、またコイルの全インピーダンスといったような問題点の数によっている。積分された電流が増加している間はコイルを巻く方向は正方向であるが、積分電流の減少は巻き方において反対方向である負の巻き方を要求する。反対の巻き方は負の電流密度領域に一致している。
【0051】
図5は全長1.0(m),直径0.4(m)の対称1次シムシステムに対する積分電流とコイル位置を示している。それに対応する巻き方のパターンは図6で与えられている。このコイル構造によって生成される場の球面調和関数デコンボルーション(spherical harmonic deconvolution)は、6次までの不純物に対して、コイルが直径300(mm)の球の全面にわたって1次(線形)の調和関数を、3%つまりP'値が0.03よりも小さい不純物レベルで生成できることを明らかにした。これは、コイルの構築が連続電流密度の適切な離散化を提供することを指し示している。
【0052】
例3: 2次の非対称ゾーナル場
上記に記述されている一般的なデザイン原理は、ここで、非対称に位置づけられた区間pL<z<qLにおいて、コイル半径r=aで第2種帯状球面調和関数(second zonal spherical harmonic function)T2(r,z)〜2z2−r2をそっくりまねたターゲット場の設計に使用される。このような球面調和関数はMRI実験中に磁場での不純物を調整することに使われる。よって、この例は、この発明のひとつの重要な実際的な応用例を説明するのに役に立つ。方程式(14)−(16)を使うとターゲット場は
【数32】
Figure 0004873803
のように選ばれる。
【0053】
この場は区間pL<z<qLで、要求された二次の振る舞いをもっている。便宜上定数は
【数33】
Figure 0004873803
のように定義され、これらの定数はコイルの外形を支配するパラメータから容易に計算される、変数Z2の意味は以前に方程式(15)で与えられている。フーリエ係数は方程式(8)からすぐに数値が求められ、その結果は
【数34】
Figure 0004873803
および
【数35】
Figure 0004873803
となる。
【0054】
両方程式(21)でのフーリエ係数はコイル上での電流密度や磁場を計算するのに使われる。コイルの内側表面の磁場はコイルの全長1.0(m),直径0.4(m),p=−0.8,q=0.2に対して図7で説明されている。連続線で描かれた曲線は方程式(19)での厳密なターゲット場であり、アスタリスクで示される点は301個のフーリエ係数を使ったフーリエ級数から計算された値である。再び、厳密なターゲット場とターゲット場の計算値の間の一致はすばらしく、フーリエ級数アプローチの正確性が確認される。計算された電流密度は図8に示されている。2次のシムコイルに対する巻き方のパターンは図9に示されている。
【0055】
例4: 3次の非対称ゾーナル場
この例では、ターゲット場はコイル半径r=aで3次の帯状球調和関数T3(r,z)〜2z3−3r2zをそっくりにまねるようにデザインされる。これはMRI応用で実際的に興味がもたれる他の例となっている。方程式(14)−(16)から、ターゲット場は
【数36】
Figure 0004873803
のように選ばれ、ここでZ2は方程式(15)で以前に定義され、定数αとβは方程式(20)で以前に定義されている。以前の二つの例と同じように、フーリエ係数C2kとD2k+1が方程式(8)を使ってターゲット場(22)に対して計算される。
【0056】
方程式(22)に対応する非対称な3次のゾーナル場(帯状場)を生成するのに必要な電流密度は図10に示されている。パラメータは以前のように、例証するにあたって、p=−0.8,q=0.2,a=0.2(m),L=0.5(m),Hmax=1.0(A/m)とした。
【0057】
この3次コイルの巻き方のパターンは図11で与えられている。図12は、p=−0.95,q=0.95での対称3次コイルの磁場の軸方向成分を示している。関心部分pL<z<qLでの場の3次の変動は明白である。
【0058】
尚、この発明のある好ましい実施形態によると、ゾーナルシムコイルは1つの予め決められた帯調和関数を生成し、上記予め決められたシミング体積は、上記縦軸にそって中間点Mを定義し、上記予め決められたシミング体積は、
q−p<1 のとき R=(q−p)L/2、
q−p≧1 のとき R=(q−p)L/3
によって与えられる特有の半径Rを持ち、上記ゾーナルシムコイルは0.2かあるいは0.2よりも小さい純度(P')を持ち、ここで
【数37】
Figure 0004873803
であり、最も好ましくはP'は0.05かあるいは0.05よりも小さい。
この発明は特に、関心区分(DSV)がコイル中の任意の場所に置かれることができる非対称ゾーナルシムコイルや、そのようなシムコイルをデザインする方法に関連して記述された。しかしながら、この発明の方法は、関心があるいかなるゾーナル場のデザインにも応用されることができ、そのゾーナル場が球面調和関数成分(spherical harmonic components)を作り出すようにデザインされていようと、別な方法でデザインされていようとかまわず、それは実際的に興味がある4つの例でここで示されてきた。また、形態や細部での様々な変更は、この発明の精神や範囲をたがえることなしに行われてもよいことは当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】dの値を変えることによって、コイル構造についての、予め決められたシミング体積(ターゲット領域)の非対称性が変化する円柱シムコイルシステムの一般的なレイアウトを示している。
【図2】 コイルの一部分での所望のターゲット場が、コイル全体−L<z<Lに拡張され、周期4Lの拡張された周期関数を作り出すためにz=Lで反転することによって延長されている様子を示している図表である。
【図3】 pL<z<qLの部分で線形であるターゲット場の図であり、ここで、L=0.2m,全体の長さ0.4m,コイルの直径は0.2m,そしてp=−0.7,q=0.1である。
【図4】 図3における線形で非対称な場を作り出すのに必要な電流密度である。
【図5】 コイルの長さ1m,コイルの直径400mm,p=−0.9,q=0.9そして線形ターゲット場に対する、積分された電流密度と100Ampsの任意(arbitary)の電流を運ぶ20本の巻き線つまりコイル(黒い四角)の位置である。コイルのブロックでの電流の符号はコイルの巻き方の方向を示している。
【図6】 図5の積分された電流密度に関連したコイルの巻き方のパターンを示している。
【図7】 pL<z<qLの部分で2次であるターゲット場の図表であり、ここで、L=0.5m,全長1.0m,コイルの直径0.4m,そしてp=−0.8,q=0.2である。
【図8】 図7の2次の場を作り出すのに必要な電流密度である。
【図9】 電流密度に関連したコイルの巻き方のパターンを示しており、ここで、p=−0.8,q=0.2,全長1.0m,コイルの直径400mm、そして2次のターゲット場である。
【図10】 3次の場を作り出すのに必要な電流密度の図表である。つまり、ターゲット場はpL<z<qLの部分で3次である。ここで、L=0.5m,全長1.0m,コイルの直径0.4m,そしてp=−0.8,q=0.2である。
【図11】 図10の非対称の電流密度に関連したコイルの巻き方のパターンを示している。
【図12】 p=−0.95,q=0.95の対称な3次場に対する、コイルの全長と半径にわたる磁場成分HZを示す。
【図13】 本発明の方法を理解したり、記述したりするときに役に立つフローチャートである。

Claims (27)

  1. (i)縦軸と(ii)あらかじめ決められたシミング体積を持ち、上記縦軸を取り囲むと共に上記縦軸に沿って間隔をおいて配置された複数の電流を運ぶ巻き線を備えたゾーナルシムコイルであって、上記ゾーナルシムコイルは磁場を生成し、この磁場の縦成分は
    Figure 0004873803
    によって与えられ、ここで、an0は帯調和関数の振幅であり、Pn0(cos θ)はルジャンドルの多項式、nは多項式の次数、rとθはそれぞれ半径座標と方位角座標であり、
    (i)上記ゾーナルシムコイルはその次数(n')が2か、または2よりも大きい予め決められた帯調和関数を生成し、
    (ii)上記ゾーナルシムコイルは長さ2Lを定める第1と第2の端を持ち、
    (iii)上記予め決められたシミング体積はz=pLからz=qLまで上記縦軸に沿って延びていて、ここで、
    (a) −1<p<q<1、
    (b) |p|≠|q|、
    (c) z=0の点はゾーナルシムコイルの上記第1の端と第2の端の間にある
    ことを特徴とするゾーナルシムコイル。
  2. 請求項1に記載のゾーナルシムコイルにおいて、
    q−p≧0.01
    であることを特徴とするゾーナルシムコイル。
  3. 請求項1に記載のゾーナルシムコイルにおいて、
    q−p≧0.05
    であることを特徴とするゾーナルシムコイル。
  4. 請求項1に記載のゾーナルシムコイルにおいて、
    (a)上記予め決められたシミング体積は、上記縦軸にそって中間点Mを定義し、
    (b)上記予め決められたシミング体積は、
    q−p<1 のとき R=(q−p)L/2、
    q−p≧1 のとき R=(q−p)L/3
    によって与えられる特有の半径Rを持ち、
    (c)上記ゾーナルシムコイルは0.2かあるいは0.2よりも小さい純度(P')を持ち、ここで
    Figure 0004873803
    であることを特徴とするゾーナルシムコイル。
  5. 請求項4に記載のゾーナルシムコイルにおいて、P'が0.05かあるいは0.05よりも小さいことを特徴とするゾーナルシムコイル。
  6. 請求項4に記載のゾーナルシムコイルにおいて、
    (i) n' = 2 または3、
    (ii) q−p≧0.7、
    (iii)2L≦1.4メートル、
    (iv)P'≦0.1
    であることを特徴とするゾーナルシムコイル。
  7. 請求項4に記載のゾーナルシムコイルにおいて、
    (i) n' = 4、5、6、7、または 8、
    (ii) q−p≧0.7、
    (iii)2L≦1.4メートル、
    (iv)P'≦0.2
    を特徴とするゾーナルシムコイル。
  8. 請求項1に記載のゾーナルシムコイルにおいて、|p|または|q|の値が0.7かまたは0.7よりも大きい値をもつことを特徴とするゾーナルシムコイル。
  9. 請求項1に記載のゾーナルシムコイルにおいて、
    (i)上記第1の端においてz<0、
    (ii)|p|>|q|、
    (iii)z≦0に対する電流を運ぶ巻き線の数がz≧0に対する電流を運ぶ巻き線の数よりも大きい
    ことを特徴とするゾーナルシムコイル。
  10. 請求項1に記載のゾーナルシムコイルにおいて、上記ゾーナルシムコイルは少なくとも1つの追加の予め決められた帯調和関数を生成し、上記少なくとも1つの追加の予め決められた帯調和関数は、次数n'とは異なった次数を持っていることを特徴とするゾーナルシムコイル。
  11. (i)縦軸と(ii)あらかじめ決められたシミング体積を持ったシムセットで、上記シムセットは複数のゾーナルシムコイルを備え、各ゾーナルシムコイルは、軸を取り囲むと共に上記縦軸に沿って間隔をおいて配置された複数の電流を運ぶ巻き線を備え、各ゾーナルシムコイルは磁場を生成し、上記磁場の縦成分は、
    Figure 0004873803
    によって与えられ、ここで、an0は帯調和関数の振幅であり、Pn0(cos θ)はルジャンドルの多項式、nは多項式の次数、rとθはそれぞれ半径座標と方位角座標であり、
    (i)上記ゾーナルシムコイルの各々は予め決められた帯調和関数を生成し、この予め決められた帯調和関数はお互いに異なり、上記予め決められた帯調和関数のうち少なくとも1つは2か2より大きい次数(n')を持っており、
    (ii)上記複数のゾーナルシムコイルは長さ2Lを定める、共通の第1の端と第2の端を持っており、
    (iii)上記予め決められたシミング体積はz=pLからz=qLまで上記縦軸にそってひろがっていて、ここで、
    (a) −1<p<q<1、
    (b) |p|≠|q|、
    (c) z=0の点はゾーナルシムコイルの上記第1の端と上記第2の端の間にある
    ことを特徴とするシムセット。
  12. 請求項11に記載のシムセットにおいて、
    q−p≧0.05
    を特徴とするシムセット。
  13. 請求項11に記載のシムセットにおいて、
    q−p≧0.5
    を特徴とするシムセット。
  14. 請求項11に記載のシムセットにおいて、
    (a)上記予め決められたシミング体積は上記縦軸にそって中間点Mを定義し、
    (b)予め決められたシミング体積は
    q−p<1 のとき R=(q−p)L/2、
    q−p≧1 のとき R=(q−p)L/3
    によって与えられる特有の半径Rを持ち、
    (c)上記ゾーナルコイルの各々は0.2かあるいは0.2よりも小さい純度(P')を持ち、ここで
    Figure 0004873803
    であることを特徴とするシムセット。
  15. 請求項14に記載のシムセットにおいて、上記ゾーナルシムコイルの各々に対し、P'が0.05かあるいは0.05よりも小さいことを特徴とするシムセット。
  16. 請求項14に記載のシムセットにおいて、
    (i) n' の値がそれぞれ 2 、3、4の3つのゾーナルシムコイルを備え、
    (ii) q−p≧0.7、
    (iii)2L≦1.4メートル、
    (iv)n'が2と3のゾーナルシムコイルに対してはP'≦0.1、
    n'が4のゾーナルシムコイルに対してはP'≦0.2
    であることを特徴とするシムセット。
  17. 請求項11に記載のシムセットにおいて、|p|または|q|の値が0.7かあるいは0.7よりも大きいことを特徴とするシムセット。
  18. 請求項11に記載のシムセットにおいて、
    (i)上記第1の端においてz<0、
    (ii)|p|>|q|、
    (iii)上記ゾーナルシムコイルの各々に対してz≦0に対する電流を運ぶ巻き線の数がz≧0に対する電流を運ぶ巻き線の数よりも大きい
    ことを特徴とするシムセット。
  19. 請求項1のゾーナルシムコイルを備えた磁気共鳴システム。
  20. 請求項11のシムセットを備えた磁気共鳴システム。
  21. 磁気共鳴のためのゾーナルシムコイルをデザインする方法で、上記シムコイルは縦軸にそって−LからLまでひろがっていて、上記縦軸は半径座標rをもった3次元座標系のz軸に沿っており、上記磁気共鳴のためのゾーナルシムコイルをデザインする方法は
    (a) シムコイルに対する電流密度を計算するために半径r=aを有する円柱表面(「r=a表面」)を選択し、上記表面は縦軸を取り囲んで、−Lから3Lまでひろがり、そして−Lから+Lまでの第1領域と+Lから+3Lまで広がる第2領域をもっており、
    (b) 上記第1の領域に対しては、(i)上記縦軸にそって間隔があけられ(ii)r=aの表面の内側(r=a)に位置する複数の場所での上記シムコイルによって生成される磁場の縦成分(Bz(a-,z))のための1組の所望の値を選択し、ここで、
    (1) 上記第1の領域は第1、第2、そして第3の部分領域からなり、それらの部分領域はz=−Lからz=+Lまで縦軸に沿って順序正しくひろがり、上記第1の部分領域はz=−Lからz=pLにわたってひろがり、上記第2の部分領域はz=pLからz=qLにわたってひろがり、上記第3の部分領域はz=qLからz=+Lまでひろがっており、ここで、
    −1<p<q<1であり、
    (2)磁場の縦成分のための上記所望の値は上記第2の部分領域に対する前もって選ばれた帯調和関数によって定義され、
    (3)上記第1の部分領域と上記第3の部分領域における磁場のための所望の値は次の方程式を満足するように選ばれ、
    Figure 0004873803
    (c)上記第2の部分領域に対して、(i)上記縦軸にそって間隔があけられ(ii)r=aの表面の内側(r=a)に位置する複数の場所に対する1組の計算値を選択し、上記1組の計算値は上記第1の部分領域の1組の所望の値のz=+Lについての反転であり、
    (d)上記第1の領域におけるシムコイルの電流密度分布js(z)を、
    (1)上記第1の領域のための選択された1組の所望の値と、上記第2の領域のための選択された1組の所望の値とから、縦方向磁場におけるフーリエ級数展開の係数を計算すること、
    (2) ステップ(d)(1)で計算したフーリエ係数を使って、次の4つの方程式を同時に解くことによって電流密度分布を計算すること
    によって決定することを特徴とする方法。
    Figure 0004873803
    ここで、Bは磁場であり、Ψは磁場スカラーポテンシャル、Br(a-,z)とBr(a+,z)はそれぞれr=a表面の内側と外側の磁場の半径方向成分、Bz(a+,z)はr=a表面の外側の磁場の縦成分、そしてμ0は自由空間の透磁率である。
  22. 請求項21に記載の方法において、js(z)は
    Figure 0004873803
    によって与えられ、ここで
    Figure 0004873803
    で、ここでI0とK1は各々次数0と1の第1種と第2種の変形されたベッセル関数であることを特徴とする方法。
  23. 請求項21に記載の方法において、
    (1) 全電流Jを決定するために、−Lから+Lまでの範囲にわたるzに関して、|js(z)|を積分し、
    (2) 電流を運ぶ巻き数Nを選択し、
    (3) 巻き当りの電流の値I=J/Nを決定し、
    (4) 各々のブロックで|js(z)|の積分値がIと等しくなるように−Lから+Lの範囲でjs(z)ブロックのセットを決定し、
    (5) ブロックのjs(z)に対して正味の極性を有する全てのブロックに対して、ブロックの中心に、中を流れる電流の方向が上記正味の極性に対応する巻き線を置くことによって、
    電流密度分布js(z)から、シムコイルに対する不連続な電流を運ぶ巻き線を生成する追加ステップを含むことを特徴とする方法。
  24. 請求項21に記載の方法において、|p|=|q|を特徴とする方法。
  25. 請求項21に記載の方法において、|p|≠|q|を特徴とする方法。
  26. ステップ(d)で決定された電流密度分布js(z)を表示する、追加のステップを備えた請求項21の方法。
  27. 上記不連続な、電流を運ぶ巻き線を持った少なくとも1つのシムコイルを有するシムコイルセットを作り出す、追加のステップを備えた請求項23の方法。
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