JPH11267112A - 磁気共鳴像形成システム用グラジエントコイルアセンブリ - Google Patents

磁気共鳴像形成システム用グラジエントコイルアセンブリ

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JPH11267112A
JPH11267112A JP11036178A JP3617899A JPH11267112A JP H11267112 A JPH11267112 A JP H11267112A JP 11036178 A JP11036178 A JP 11036178A JP 3617899 A JP3617899 A JP 3617899A JP H11267112 A JPH11267112 A JP H11267112A
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coil assembly
gradient
coil
shielding
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JP11036178A
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Labros S Petropoulos
エス ペトロポウロス ラブロス
Junxiao Ling
リン ユンシャオ
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    • G01R33/38Systems for generation, homogenisation or stabilisation of the main or gradient magnetic field
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    • GPHYSICS
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
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    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
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    • G01R33/42Screening
    • G01R33/421Screening of main or gradient magnetic field
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気共鳴像形成システム用末広がり一次コイ
ルを有するシールドされたグラジエントコイルアセンブ
リの設計方法を提供する。 【解決手段】 反転アプローチを使用して一次コイルの
ための第1の連続電流分布を生成する。第1の電流分布
は3つの次元によって限定される所定の有限の幾何学的
境界内に閉じ込められ、像形成領域を横切る磁気グラジ
エントの場を生成する。この場は、像形成領域内の指定
された空間的位置で所定の値に制約される。電流分布及
び磁場は蓄積エネルギ及び磁場ドメインに変換され、有
限要素解析が遂行されてシールディングコイルのための
第2の連続電流分布が生成される。第2の電流分布は、
一次コイルを取り巻く表面の所定の有限の幾何学的境界
内に閉じ込められる。第2の電流分布は、シールディン
グコイルが限定する領域の外側の領域内の、第1の電流
分布が生成する周縁磁場を実質的に打ち消す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁シールディン
グに関する。本発明は、磁気共鳴像形成装置用グラジエ
ントコイルとの特定的な応用を有しており、以下にこの
特定的な応用に関して説明する。しかしながら、本発明
はグラジエント磁場を使用するシステムとの応用、及び
電磁シールディングが望まれる他の応用をも有してい
る。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴像形成システムにおいては、一
般的に、電流パルスによってグラジエントコイルアセン
ブリがパルス駆動され、像形成領域の近傍の主磁場を横
切る磁気グラジエントを発生させている。不要な副作用
として磁場グラジエントが発生し、これが磁石コールド
シールド、磁石デュワー、等のような外部金属構造と相
互作用する。この相互作用によって、影響を受けた構造
内に渦電流が生成される。今度はこれらの渦電流が、像
形成領域の近傍の磁場の時間的、及び空間的品質に、従
って得られる像の品質に不都合な効果を有する渦磁場を
生成する。
【0003】渦電流問題には、一次グラジエントコイル
と、影響を受ける構造との間に能動シールディングコイ
ルを配置することによって対処することが多い。シール
ディングコイルは、それ自体の外部の磁場を実質的にゼ
ロにする、または打ち消すように設計されており、それ
によって潜在的に無防備な構造内に渦電流が形成される
のを防いでいる。
【0004】磁気共鳴像形成システム内に磁気グラジエ
ントを発生させる従来の方法は、電気的に絶縁された中
空の円筒形フォーマ( former )上にバンチされた、また
は分布された形状に離散したコイルを巻き、これらのコ
イルを電圧が制限されている電流源で駆動することから
なる。普通のバンチされたコイル設計は、zグラジエン
トを発生させるためのマックスウェル及び変形マックス
ウェル対と、x及び/またはyグラジエントを発生させ
るためのゴーレイ( Golay ) または変形ゴーレイ(マル
チアーク)サドルコイルとを含んでいる。典型的には、
これらの方法は、所望のグラジエント強度、グラジエン
トの均一性、及びインダクタンス(蓄積されるエネルギ
に関係する)が達成されるまで、コイルループまたはア
ークを円筒形の形成器上に繰り返し配置することからな
る。これらの従来設計は、一般的に「順方向(フォワー
ドア)プローチ」で開発されており、1組の初期コイル
位置が限定され(即ち、初期コイル分布)、場及びイン
ダクタンス/エネルギが計算され、もし特定の設計パラ
メータ内になければ、コイル位置を移動させ(統計的
に、またはその他)て結果を再評価するようになってい
る。この繰り返し手順は、適当な設計が得られるまで続
けられる。
【0005】磁気共鳴像形成システム内に磁場を生成す
るためのより最近の方法は、「反転(インバース)アプ
ローチ」を使用する。「反転アプローチ」方法では、グ
ラジエント磁場は像形成容積の内側の指定された空間的
位置において所定の値に合わされ、このような場を発生
することができる連続電流密度が計算される。「反転ア
プローチ」方法は、一次グラジエントコイルは有限の寸
法を有しているが、二次、即ちシールドコイルの寸法は
制約されていない(無限の)ままであるものとしてい
る。一次及びシールドの両コイルのための連続電流分布
を生成した後に、シールドコイルを望ましい寸法に抑え
るためにシールドコイルの連続電流密度に対してアポデ
ィゼーションアルゴリズムが遂行される。シールディン
グコイルの連続電流の変更に続いて、両コイルのための
離散電流パターンを得るために「ストリーム関数」技術
が使用される。離散電流パターンにビオ・サバールの法
則を適用して、離散化手順が適切であったことを保証す
る。このアプローチにより、「順方向アプローチ」方法
に比して、より高いグラジエント強度及びより速いスル
ーレートを有し、一般的にエネルギ効率の高いグラジエ
ントコイルアセンブリが得られる。例えば、頭の像形成
のような若干の応用においては、グラジエントコイルア
センブリのスウィートスポットを、特定の関心アナトミ
に対応する所定位置に維持することが望ましい。しかし
ながら、患者の周囲アナトミ(この場合には、患者の
肩)のために、グラジエントコイルアセンブリを適切に
心合わせすることができない。換言すれば、グラジエン
トコイルアセンブリの直径が患者の肩を包み込むのに充
分に大きい場合には、それは患者の頭から半径方向に離
れ過ぎており、反対に、直径が頭に充分に密着する場合
には、肩がコイルの端を妨害してグラジエントコイルの
アイソセンター( isocentre ) が頭の関心領域と適切に
整列しなくなる。患者の肩に当たらないようにグラジエ
ントコイルの長さを短縮すると、使用可能な像形成容積
が減少し、直線性が劣化する。非対称コイルアセンブリ
によってコイルのスウィートスポットを調整する試みが
なされているが、主磁場とグラジエントコイルアセンブ
リとの相互作用によって生成される高いトルクが掛かり
合って所望のグラジエントの場から程遠くなる。この問
題に対処するために使用される1つのアプローチは、患
者の肩を受入れることができる末広がりの端を有する対
称円筒形グラジエントコイルアセンブリを使用すること
である。末広がり設計の付加的な利点は、患者へのアク
セスが増加し、閉所恐怖感が減少することである。しか
しながら、従来はこの末広がり設計のためのシールディ
ングはなされていなかった。
【0006】Lampman らの米国特許第 5,497,089号に開
示されている1つの特定のアプローチでは、円筒形に成
形された挿入可能なグラジエントコイルアセンブリが、
末広がりの端に適用される。しかしながら、このグラジ
エントコイルアセンブリはシールドされていない。この
場合、シールディングによる抑圧がなされていない渦電
流効果が、それに特に鋭敏な高速像形成シーケンスの使
用を妨げている。
【0007】別の特定のグラジエントコイルアセンブリ
が、1997年4月の “ Design Criteria for a Folded G
radient Coil ", 5th ISMRM(カナダ、バンクーバー)
の 1468 ページに所載の Schenckらの論文に記載されて
いる。この論文は、「順方向アプローチ」を使用する末
広がりのシールドされたグラジエントコイルのための設
計方法を示している。提案された設計モデルは、一次及
びシールドコイルが同一電流を共用するように、これら
のコイルを直列に接続してある。この設計においては、
伝統的なシールドされた設計に比して不十分なシールデ
ィングしか得られない。
【0008】Barberらの米国特許第 5,378,989号には、
開いた磁石システムと共に使用する更に別の末広がりの
グラジエントコイルアセンブリが開示されている。しか
しながら、末広がりの部分は円筒形コイルの両端にはな
い。そうではなく、末広がりの部分はアイソセンター付
近にある。これは、アセンブリを閉じた環状磁石と共に
使用するのを妨げている。更に、この設計は 90 °まで
末広がりにすることが制限され、性能を低下させる「順
方向アプローチ」に基づいている。
【0009】患者へのアクセスが望ましい介入手順、及
び同じような応用にとっては、グラジエントシールディ
ングコイルの寸法が末広がりの一次グラディエントコイ
ルの寸法を越えないように、グラジエントシールディン
グコイルを設計すると有利である。このようにすると、
患者へのアクセスが最大になり、開放感が患者の閉所恐
怖感を低下させることができる。しかしながら、一般的
に言えば、従来の方法及び技術は、シールディングコイ
ルの長さが一次コイルの長さに近づくにつれて像形成領
域内の渦電流効果のレベルが増加し、像の品質を劣化さ
せる。反対に、充分なシールディングを達成するとシー
ルディングコイルの寸法が一次コイルの寸法よりも実質
的に大きくなり、患者へのアクセスのレベルが低下し、
患者の閉所恐怖感のレベルが増加するようになる。
【0010】
【発明の要旨】本発明の一面によれば、磁気共鳴像形成
システム用のシールドされたグラジエントコイルアセン
ブリの設計方法が提供される。本方法は、反転( invers
e ) アプローチを使用して三次元構造のための第1の連
続電流分布を計算することを含む。この第1の連続電流
分布は、三次元構造の所定の有限の幾何学的境界内に閉
じ込められ、像形成領域を横切る磁気グラジエントの場
を生成する。この磁気グラジエントの場は、像形成領域
内の指定された空間位置における所定の値に抑えられ
る。次に、有限要素解析を使用して、シールディングコ
イルのための第2の連続電流分布が計算される。第2の
連続電流分布は、シールディングコイルの所定の有限の
幾何学的境界内に閉じ込められる。第2の連続電流分布
は、シールディングコイルによって限定される領域の外
側の領域において、第1の連続電流密度によって生成さ
れる周縁磁場を実質的に打ち消す磁場を生成する。
【0011】本発明の別の面によれば、磁気共鳴スキャ
ナは検査領域を通る主磁場を生成するための主磁石を含
んでいる。主磁石は、そのジオメトリが検査領域を限定
するように配列されている。クーチが被検査患者を検査
領域内に支持する。無線周波数コイルが検査領域に接し
て配置され、無線周波数信号を検査領域内に送信し、そ
の中に配置されているダイポールを選択的に励振する。
無線周波数送信機が無線周波数コイルを駆動する。受信
機が、検査領域内の共鳴ダイポールから磁気共鳴信号を
受信する。像プロセッサは受信した磁気共鳴信号から像
表現を再構成し、人が可読のディスプレイ上に表示す
る。スキャナは、主磁場を横切る実質的に線形の磁気グ
ラジエントを生成するためのグラジエントコイルアセン
ブリをも含んでいる。グラジエントコイルアセンブリ
は、少なくとも1つの円筒形一次コイルアセンブリを含
んでいる。一次コイルアセンブリの末広がりの両端は検
査領域の周囲に配置され、有限のフォーマ上に配列され
た導電性コイルループのアレイを含み、それを流れる電
流密度が実質的に線形の磁気グラジエントを生成するよ
うになっている。グラジエントコイルアセンブリは、一
次コイルアセンブリの周囲の、一次コイルアセンブリと
主磁石との間に配置されている少なくとも1つの円筒形
二次コイルアセンブリを更に含んでいる。二次コイルア
センブリは有限のフォーマ上に配列された導電性コイル
ループのアレイを含み、それを流れる電流密度が二次コ
イルアセンブリによって限定される領域の外側の磁束密
度を実質的に打ち消すようになっている。二次コイルア
センブリの電流密度は、一次コイルアセンブリによって
二次コイルアセンブリ内に生成される渦電流に対抗す
る。
【0012】以下に本発明を遂行する方法を、例示の目
的で、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
【実施例】図1を参照する。主磁場コントロール10は
超電導、または抵抗性磁石12を制御し、検査領域14
を通るz軸に沿って実質的に均一な、時間的に一定の主
磁場を発生させる。クーチ(図示してない)が、検査さ
れる患者を検査領域14内に懸垂する。磁気共鳴エコー
手段が一連の無線周波数(RF)及び磁場グラジエント
パルスを印加して磁気スピンを反転、または励振して磁
気共鳴を誘起させ、磁気共鳴をリフォーカスし、磁気共
鳴を処理し、磁気共鳴を空間的に、その他でエンコード
し、スピンを飽和させる等で磁気共鳴像形成及びスペク
トログラフィシーケンスを生成させる。詳しく述べれ
ば、グラジエントパルス増幅器20は、グラジエントコ
イルアセンブリ22の選択されたもの、または対へ電流
パルスを印加して検査領域14のx、y、及びz軸に沿
う磁場グラジエントを発生させる。ディジタル無線周波
数送信機24は無線周波数パルスまたはパルスパケット
を全身RFコイル26へ伝送し、RFパルスを検査領域
へ送信させる。典型的な無線周波数パルスは、隣合う短
い持続時間のパルスセグメントのパケットからなり、こ
れらは互いに、及び何等かの印加されたグラジエントと
共に、選択された磁気共鳴操作を達成する。全身応用の
場合、共鳴信号は全身RFコイル26によってピックア
ップされるのが一般である。
【0014】患者の局部領域の像を生成するために、選
択された領域に隣接して特殊な無線周波数コイルが配置
される。例えば、挿入可能なRFコイルを、穴のアイソ
センターにおいて選択された領域を取り囲むように挿入
することができる。挿入可能なRFコイルは、磁気共鳴
を励振し、検査されている領域内の患者から放出される
磁気共鳴信号を受信するために使用される。代替とし
て、挿入可能なRFコイルは、全身コイルRF送信によ
って誘導された共鳴信号を受信するだけに使用すること
ができる。得られた無線周波数信号は全身RFコイル2
6、挿入可能なRFコイルまたは他の特殊なRFコイル
によってピックアップされ、受信機30、好ましくはデ
ィジタル受信機によって復調される。
【0015】シーケンスコントロール回路40は、グラ
ジエントパルス増幅器20及び送信機24を制御し、エ
コー平面像形成、エコーボリューム像形成、グラジエン
ト及びスピンエコー像形成、高速スピンエコー像形成、
等々のような複数の多重エコーシーケンスの何れかを生
成する。選択されたシーケンスに対して、受信機30
は、各RF励振パルスに続く急速な連続内の複数のデー
タラインを受信する。最終的には、受信された無線周波
数信号は、二次元フーリエ変換または他の適切な再構成
アルゴリズムを適用する再構成プロセッサ50によって
復調され、像表現に再構成される。像は、患者を通る平
面スライス、平行平面スライスのアレイ、三次元ボリュ
ーム、等々を表すことができる。次いで、像は像メモリ
52内に格納される。像メモリ52内の得られた像は、
人が可読のディスプレイを発生するビデオモニタ54の
ようなディスプレイによってアクセスすることができ
る。
【0016】従来、シールドされたグラジエントコイル
アセンブリのための普通の設計は、一般に、シールディ
ングコイルの合計長が制約されず、従ってその電流密度
が無限に拡張されるとの仮定に基づいていた。「無限」
シールディングコイルは実際の応用にとって使用不能で
あるので、適切な有限長の要素に適合させるために電流
密度をその後にアポダイズするか、または切捨ててい
た。一方、本発明に使用される技術は、シールディング
コイルのための電流が、初めから有限長を有するシール
ディングコイルの境界内に制約されているシールドされ
たグラジエントコイル形態の設計を含んでいる。
【0017】図2A及び2Bには、電流密度が初めから
シールディングコイルの有限の境界内に含まれるように
設計されたシールドされたグラジエントコイルアセンブ
リ22の幾何学的形態が示されている。この形態の場
合、一次コイル60の長さはL a であり、末広がりの部
分の軸方向長さはLf で示され、末広がりの部分の表面
に沿う長さはLc として定義され、そして二次コイル6
2の長さはLb で表されている。一次コイル60の円筒
形部分の半径はaで表され、シールディングコイル62
の半径はbで示されている。一次コイルの末広がりの部
分は、半径aから始まって、最終の半径がa+εの円錐
形表面である。Lc 、Lf 、及びεを組合せるといろい
ろな円錐形表面が限定される。
【0018】磁場のz成分がx方向に沿って実質的に線
形に変化するようなグラジエントコイル(横方向グラジ
エントコイルまたはxグラジエントコイル)の設計は、
初めに、反転アプローチ方法に基づいて一次コイル60
を設計することを含む。初めに、一次コイルの電流が2
D円筒形表面上に位置するようにモデル化される。この
xグラジエントコイルの場合、グラジエント磁場は、コ
イルの幾何学的中心の周囲のx方向においては反対称で
あり、y及びz方向に沿って対称である。このようなグ
ラジエント磁場を生成するためには、一次コイルの電流
の解析的表現は以下のように書くことができる。
【0019】ここに、δ(ρ−a)は半径aを有する円
筒形表面上に電流を閉じ込める制約である。一次コイル
長La に対する制約、電流密度の円筒形表面上への閉じ
込め、 せるという要求から、コイルの幾何学的中心の周囲の電
流密度の両成分について以下のようなフーリエ級数展開
が得られる。 両電流成分は、|z|>La /2の場合には0である。
【0020】磁場Bz のz成分、及び蓄積された磁気エ
ネルギWm を電流密度の2つの成分の何れか一方で表せ
ば、Wm 及びBz で表した汎関数εは以下のように示さ
れる。
【0021】ここに、ラグランジュ乗数の評価は、制約
方程式によってなされる。行列式を反 の式を、蓄積されたエネルギ及び磁場公式に戻して置換
すると、蓄積された磁気エネルギ及び磁場のための最終
式が、制約点及びシステムのジオメトリの表現で得られ
る。このようにして、一次コイル60のための方位方向
及び軸方向に沿う連続電流分布の形状が生成される。一
次xグラジエントコイルを設計するための一実施例で
は、円筒の半径は0.342138 mに等しく、その合計長La
は 1.32700mに制約されている。電流密度の挙動を指
定するために、4つのフーリエ係数を使用した。更に 4
5 cmの像形成容積の内側の場の挙動を制御するため
に、3つの制約点を使用した。以下の表1は、一次グラ
ジエントコイル60を設計するために使用した制約の集
合を示している。
【0022】表 1:一次グラジエントコイルを設計す
るために使用した制約の集合
【0023】ρ及びzの単位はメートル、BzS(2n)の単
位はテスラ(T) 第1制約点は一次コイル60のためのグラジエント強度
を 32.7 mT/mに限定し、第2制約点はグラジエント
の場のアイソセンターから 22.5 cmの距離(45 cm
の像形成容積の半径方向距離)までのグラジエントx軸
に沿うグラジエントの場の直線性を5%に指定し、そし
て第3制約点は 45 cmの像形成容積の内側のグラジエ
ントの場の均一性を 20 %に指定するものである。
【0024】これらの制約を使用し、反転アプローチ方
法を適用することによって、一次コイル60の連続電流
分布を決定する一次コイル60の電流密度のためのフー
リエ係数の値が求められる。次に、連続電流分布を離散
化し、離散電流パターンにビオ・サバールの法則を適用
して先の最小化の有効性を確認する。
【0025】次いで先の解析方法から生成された連続電
流分布を、図2A及び2Bに示す末広がり表面に適用し
た。一次コイル60を開発した後の次のステップは、そ
れによって生成される磁場を、「有限要素解析」を使用
する有限長電流分布を用いてシールドすることである。
条件が対称であるから、一次及びシールディングコイル
のための正しい電流挙動を保証する適切な境界条件を用
いて一方の部分だけをモデル化すればよい。図3に、グ
ラジエントコイルアセンブリの3D有限要素モデルを示
す。この場合も対称性であるために、z軸方向長さの半
分、即ち0からLa /2までと、角度φの 1/4セクタ、
即ち0°から 90 °までだけを示してある。更に、グラ
ジエントコイル構造の内側及び外側の両方の磁場を正し
く挙動させるために、有限要素モデルを軸方向に 5.0m
まで、及び半径方向に 2.5mまで拡張した。これらの位
置においてベクトルポテンシャルを0にセットした。一
次コイル60は、円筒形部分の内径が 0.34096mで、外
径が 0.343320 mである層と見做される。これから平均
半径は 0.342138 mであり、これは一次コイル60の円
筒形部分のために先に決定された半径に一致する。従っ
て、一次コイル60の厚みは 0.00236mに等しく、半分
の長さLa /2は 0.6635 mである。末広がりの部分
は、軸方向長さがLf = 0.2mで、円錐の表面に沿う長
さがLc = 0.211mである円錐によって限定されてい
る。円錐の始まりの平均半径は 0.342138mにセットさ
れ、これは一次コイル60の円筒形区分の半径に一致し
ている。終わりの平均半径はa+ε= 0.410818 mであ
り、円錐形の末広がり部分内の導体の厚みは 0.002364
mにセットされている。
【0026】二次コイルは、 0.432354 mの内径と、
0.433354 mの外径とを有し、その半分の長さLa /2
は 0.663504 mである。この実施例では、一次及び二次
コイルの半分の長さは実質的に同一に選択されている。
しかしながら、有限要素解析コードは、一次及び二次コ
イルの寸法を所望の設計パラメータに適合するように変
化させることができる媒介変数法でセットされている。
【0027】一次コイル60に対応する層の寸法が与え
られると、先に導出されたフーリエ係数展開を使用して
電流負荷がそれに印加される。図4は、一次コイルの電
流パターン挙動を示している。一次コイルの磁場をシー
ルドし、且つ二次コイルの層の境界内を流れる適切な電
流パターンを見出すために、渦電流問題として有限要素
問題にアプローチする。シールディングコイルの層のた
めの材料は、25°Cにおいて 1.76 ×10-8Ω・mの固有
抵抗を有する銅であるとしている。0.1 MHzの周波
数、または他の適切な高周波数を用いて調和解析を遂行
することにより、図5に示すようなシールディングコイ
ルの電流パターンの解が得られる。この高周波数は表皮
深さ効果を避けるために選択されていることに注目され
たい。このように、シールディングコイル62は、二次
コイル62によって限定される領域の外側の領域におい
て、一次コイル60によって生成される周縁磁場を実質
的に打ち消すように設計される。次に、グラジエント磁
場の品質を保証するために、一次コイル60によって限
定される領域の内側のグラジエントx方向に沿う磁場の
z成分が評価される。図6は、グラジエント磁場のz成
分によって生成された結果的な合計グラジエント(シー
ルディングコイルの貢献を含む)対一次コイル60の内
側の領域内のx軸に沿う距離のプロットである。得られ
た合計グラジエント強度は 19.3 mT/mであり、コイ
ルのアイソセンターから半径方向に 0.2386 mの位置に
おける直線性は 8.8%であり、アイソセンターにおける
グラジエント強度は 21 mT/mであると計算されてい
る。図7には、シールディングコイルの外側の領域のρ
= 0.485mの半径方向位置におけるシールドされたグラ
ジエントコイルアセンブリ22のシールディング挙動が
評価されている。図7に示すように、正味の周縁磁場の
最大はコイルのアイソセンターで発生しており、ほぼ 1
2.4 μTの値を有している。
【0028】図8は、前述した切捨てた無限シールド電
流を有し、一次コイルに末広がり端を設けてない、普通
に設計されたコイルのためのシールディングコイルの外
側の周縁磁場の評価を示している。この場合のシールデ
ィングコイルは、寸法的には上述した有限要素解析を使
用して設計されたもとの類似しているが、無限に拡張さ
れた電流は軸方向に半分の長さの 0.8mに適合するよう
に切捨てられている。コイルは、半径方向にρ= 0.485
mの位置において、切捨てられた無限に拡大された電流
が最大 1.05 mT(これはコイルのアイソセンターから
軸方向に 0.68mの距離に発生する)を有するように設
計されている。一次コイルが末広がり端を有する場合に
は、切捨て方法から得られたシールディング特性は更に
悪化する。上述した反転方法及び有限要素解析を組合せ
たハイブリッド技術の使用と、普通の無限拡張シールデ
ィング電流の切捨ての使用とを比較すると、グラジエン
トコイルの合計周縁磁場は約 100分の1に減少してい
る。
【0029】yグラジエントシールドされたグラジエン
トコイルアセンブリの設計は、xグラジエントコイルの
設計を、中心軸を中心として単に 90 °回転させて同じ
処理を行うだけである。同様に、zグラジエントコイル
も、僅かな変化はあるが同じような処理する。更に、シ
ールドされたグラジエントコイルアセンブリを特定の幾
何学的境界及びパラメータに関連して説明したが、多く
の応用の制約に合致させるためにシールドされたグラジ
エントコイルアセンブリのいろいろなサイズ、長さ、及
び幾何学的形態を設計できることは理解されよう。例え
ば、効率を犠牲にして直線性を向上させるか、または直
線性を犠牲にして効率を向上させるように指定された電
流パターンを変化させることができる。円筒形グラジエ
ントコイルの寸法は、好ましい応用に従ってより大き
く、またはより小さく変化させることができる。別の代
替実施例は、シールディングコイルの長さが一次コイル
の長さよりも短いシールディングコイルの設計を含む。
同様に、グラジエントコイルアセンブリは、主磁場内の
不均一性と、グラジエントコイルアセンブリを通って流
れる電流との相互作用の結果として生成される正味のス
ラスト力を、一次及びシールディングの各コイルセット
毎に平衡させるように設計することができる。更に、中
央ボア型の検査領域を有する磁気共鳴像形成システムに
関連して説明したが、この設計技術は軸方向及び/また
は垂直に向けられた場を有する開いた型の磁気共鳴像形
成装置にも適用できることを理解されたい。
【0030】本発明の一つの長所は、患者へのアクセス
が改善され、患者の閉所恐怖感を減少させた短い磁石ジ
オメトリのためのシールドされたグラジデントコイルア
センブリを設計できることである。本発明の別の長所
は、三次元電流分布のための電磁シールディングを提供
することである。本発明の別の長所は、像形成領域の近
傍における渦電流を減少させることにある。本発明の別
の長所は、比較的高強度の、そしてスルーレートを高め
た実質的に線形の磁気グラジエントを発生させることで
ある。本発明の別の長所は、電流切捨てまたはアポディ
ゼーションメカニズムを使用することなく、有限のシー
ルディングコイルのための電流パターンを計算できるこ
とである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により設計されたシールドされたグラジ
エントコイルアセンブリを含む磁気共鳴像形成装置の概
要図である。
【図2A】本発明により設計されたシールドされたグラ
ジエントコイルアセンブリの概要端面図である。
【図2B】図2Aに示すシールドされたグラジエントコ
イルアセンブリの概要側断面図である。
【図3】本発明によるシールドされたグラジエントコイ
ルアセンブリの設計に使用される該アセンブリの一部の
三次元モデルである。
【図4】本発明により設計され、図3にモデル化されて
いる一次コイルの部分の電流分布のベクトルプロットで
ある。
【図5】本発明により設計され、図3にモデル化されて
いるシールディングコイルの部分の電流分布のベクトル
プロットである。
【図6】本発明により設計され、図3にモデル化されて
いるグラジエントコイルアセンブリが発生するグラジエ
ント磁場のz成分(単位:テスラ)を、一次コイルの内
側の軸方向位置z=0mにおける領域のx軸に沿う距離
(単位:m)に対してプロットした図である。
【図7】本発明により設計され、図3にモデル化されて
いるグラジエントコイルアセンブリが発生するグラジエ
ント磁場のz成分(単位:テスラ)を、半径方向位置ρ
= 0.485mにおける領域のz軸に沿う距離(単位:m)
に対してプロットした図である。
【図8】切捨て型無限拡張シールディング電流を用いて
設計した末広がりされていないシールドされたグラジエ
ントコイルアセンブリが発生する周縁グラジエント磁場
のz成分(単位:テスラ)を、半径方向位置ρ= 0.485
mにおける領域のz軸に沿う距離(単位:m)に対して
プロットした図である。
【符号の説明】
10 主磁場コントロール 12 磁石 14 検査領域 20 グラジエントパルス増幅器 22 グラジエントコイルアセンブリ 24 無線周波数送信機 26 全身コイル 30 受信機 40 シーケンスコントロール回路 50 再構成プロセッサ 52 像メモリ 54 ディスプレイ 60 一次コイル 62 二次コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ユンシャオ リン アメリカ合衆国 オハイオ州 44118 ユ ニヴァーシティー ハイツ クラリッジ オヴァール 3773

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気共鳴像形成システムのためのシール
    ドされたグラジエントコイルアセンブリを設計する方法
    であって、 (a)第1の連続電流分布を三次元構造の所定の有限の
    幾何学的境界内に閉じ込め、像形成領域を横切り且つ上
    記像形成領域内の指定された空間的位置において所定の
    値に制限された磁気グラジエントの場を生成させるよう
    に、反転アプローチを使用して上記三次元構造のための
    上記第1の連続電流分布を計算するステップと、 (b)第2の連続電流分布をシールディングコイルの所
    定の有限の幾何学的境界内に閉じ込め、上記シールディ
    ングコイルによって限定される領域の外側の領域におい
    て上記第1の連続電流密度によって生成される周縁磁場
    を実質的に打ち消す磁場を上記第2の連続電流分布に生
    成させるように、有限要素解析を使用してシールディン
    グコイルのための上記第2の連続電流分布を計算するス
    テップと、を含んでいることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の巻線パターンを生成する
    ために上記第1及び第2の連続電流分布を離散化するス
    テップと、上記第1の巻線パターンを三次元一次コイル
    に適用するステップと、上記第2の巻線パターンを上記
    シールディングコイルに適用するステップとを更に含ん
    でいる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記第1の巻線パターンは、外向きに末
    広がりの両端を有する円筒形表面上に位置し、上記第2
    の巻線パターンは円筒形表面上に位置している請求項1
    または請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記シールディングコイルは、上記一次
    コイルの軸方向長さと実質的に等しいか、またはそれよ
    りも短い軸方向長さを有している請求項3に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 上記シールディングコイルは導電性材料
    で作られ、上記第2の連続電流分布を得るために高周波
    数において調和解析が遂行される請求項1乃至4の何れ
    か1つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 磁気共鳴スキャナ内に使用するためのグ
    ラジエントコイルアセンブリであって、 検査領域(14)を限定するジオメトリに配列され、上
    記検査領域(14)を通る主磁場を生成する主磁石(1
    2)と、 検査する対象物を上記検査領域(14)内に支持するク
    ーチと、 上記検査領域(14)に近接して配置され、上記検査領
    域(14)へ無線周波数信号を送信してその中に配置さ
    れているダイポールを選択的に励振する無線周波数コイ
    ル(26)と、 上記無線周波数コイル(26)を駆動する無線周波数送
    信機(24)と、 上記検査領域(14)内の共鳴するダイポールからの磁
    気共鳴信号を受信する受信機(30)と、 上記受信した磁気共鳴信号から像表現を再構成し、人が
    可読のディスプレイ(54)上に表示させる像プロセッ
    サ(50)と、 上記主磁場を横切る実質的に線形の磁気グラジエントを
    生成するのに適するグラジエントコイルアセンブリ(2
    2)と、を備え、 上記グラジエントコイルアセンブリ(22)は、上記検
    査領域(14)の周囲に配置されている末広がりの両端
    を有する少なくとも1つの円筒形一次コイルアセンブリ
    (60)を含み、上記一次コイルアセンブリ(60)は
    有限のフォーマ上に配列されている導電性コイルループ
    のアレイを含み、その上を流れる電流密度が上記実質的
    に線形の磁気グラジエントを生成するようになってお
    り、 上記グラジエントコイルアセンブリ(22)は、上記一
    次コイルアセンブリ(60)と上記主磁石(12)との
    間の上記一次コイルアセンブリ(60)の周囲に配置さ
    れている少なくとも1つの二次コイルアセンブリ(6
    2)を含み、上記二次コイルアセンブリ(62)は、有
    限のフォーマ上に配列されている導電性コイルループの
    アレイを含み、その上を流れる電流密度が上記二次コイ
    ルアセンブリ(62)によって限定される領域の外側の
    磁束密度を実質的に打ち消すようになっている、ことを
    特徴とするグラジエントコイルアセンブリ。
  7. 【請求項7】 上記フォーマは中空の円筒形の管であ
    り、上記検査領域(14)は末広がりの両端を有する上
    記一次コイルアセンブリ(60)のためのフォーマの内
    側に限定され、上記一次コイルアセンブリ(60)のた
    めのフォーマは上記二次コイルアセンブリ(62)のた
    めのフォーマの内側に位置決めされ、上記二次コイルア
    センブリ(62)の軸方向長さは上記一次コイルアセン
    ブリ(60)の軸方向長さに実質的に等しいか、または
    それよりも短い請求項6に記載のグラジエントコイルア
    センブリ。
  8. 【請求項8】 上記二次コイルアセンブリ(62)によ
    って限定される領域の外側の最大磁束密度は、 50 μT
    より小さい請求項6または請求項7に記載のグラジエン
    トコイルアセンブリ。
  9. 【請求項9】 上記円筒形二次コイルアセンブリ(6
    2)の軸方向の両端における電流密度は、その中心にお
    ける電流密度よりも大きい請求項6乃至8の何れか1つ
    に記載のグラジエントコイルアセンブリ。
  10. 【請求項10】 上記グラジエントコイルアセンブリ
    (22)は、3つの相互に直交する軸に沿って実質的に
    線形の磁気グラジエントを生成するために、3対の一次
    コイルアセンブリ(60)/二次コイルアセンブリ(6
    2)を含んでいる請求項6乃至9の何れか1つに記載の
    グラジエントコイルアセンブリ。
  11. 【請求項11】 上記二次コイルアセンブリ(62)の
    上記電流密度は、上記一次コイルアセンブリ(60)に
    よって上記二次コイルアセンブリ(62)内に生成され
    る渦電流に対抗するように配列されている請求項6乃至
    10の何れか1つに記載のグラジエントコイルアセンブ
    リ。
  12. 【請求項12】 上記請求項6乃至11の何れか1つに
    記載のグラジエントコイルアセンブリを有する磁気共鳴
    スキャナ。
JP11036178A 1998-01-05 1999-01-05 磁気共鳴像形成システム用グラジエントコイルアセンブリ Pending JPH11267112A (ja)

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