JPH0515507A - 均一磁場コイル - Google Patents

均一磁場コイル

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JPH0515507A
JPH0515507A JP3174229A JP17422991A JPH0515507A JP H0515507 A JPH0515507 A JP H0515507A JP 3174229 A JP3174229 A JP 3174229A JP 17422991 A JP17422991 A JP 17422991A JP H0515507 A JPH0515507 A JP H0515507A
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JP
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magnetic field
uniform magnetic
coil
field coil
space
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JP3174229A
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Mitsuru Fujita
満 藤田
Yuji Katada
祐司 片田
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】撮像断面を対称軸に直角な面に限定することに
よって、軸長が短く、低価格の均一磁場コイルにする。 【構成】3対の超電導コイルからなる均一磁場コイルが
生成する均一磁場空間を、軸方向に短い回転楕円体に外
接する空間に設定することによって、均一磁場空間の体
積が小さくてよいので、2対の超電導コイルで所定の均
一度を確保することができ、軸方向の長さを短くなる。
更に、軸方向長さが短縮することから、同じ均一磁場強
度を得るに要する総アンペアターンが低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空心の複数のリング
コイルからなりその内部空間に所定の均一度と寸法を満
足する磁場を生成する均一磁場コイル、特に医療診断に
使用される核磁気共鳴コンピュータ断層撮影装置(以下
MRI装置という)用の超電導マグネットに使用される
均一磁場コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】MRI用マグネットは均一磁場空間を生
成する均一磁場コイル、均一磁場空間内にx,y,zの
3方向の傾斜磁場を生成する3つの傾斜磁場コイル及び
均一磁場コイルの均一度を補正するための補正磁場を生
成する補正コイルとしてのシムコイル等によって構成さ
れている。
【0003】均一磁場コイルは、コイル内に被検体であ
る人体を収納するために、内径が1m前後の複数のリン
グ状のコイル配列で構成され,被検体を診断するに足る
断層像を得るためには、被検体が収納されるコイル内空
間部における磁場の強さに百万分の1のレベルの均一性
が求められる。この磁場の強度とその均一性を満たすた
めに、同軸配置のリングコイルを複数個組み合わせて磁
場の均一度の最も良い配置、巻数を選んで均一磁場コイ
ルを構成する方法が知られている。
【0004】所定の均一磁場空間を確保するためには均
一磁場コイルそのものがある程度大きいことが必要であ
るが、前述のように限られた部屋の空間内に収納される
ためにはその大きさに限界があるので装置が小さい方が
汎用性に富むことになり、コストの面からもMRIマグ
ネットは小さい方が良いので、なるべく小さい均一磁場
コイルでより大きな均一空間を確保するのが望ましい。
均一磁場コイルが小さい方が良いといってもその中に被
検体が入りその外側に高周波コイル、傾斜磁場コイルな
どの多数のコイルが入り、超電導マグネットの場合は均
一磁場コイルはクライオスタットに収納されてその中で
熱絶縁のための寸法も必要であることから均一磁場コイ
ルの内径にも最小寸法があり、概ねその直径は1m前後
である。
【0005】一方、均一磁場空間の大きさは被検体の大
きさに関係し、概ね40cm直径程度の球が均一磁場空間
として要求されるのが普通であり、この40cmの寸法は
ボア径と称されている。また、超電導マグネットの場合
はその発生磁場が0.5T乃至2Tであり、常電導マグ
ネットが0.1T前後であるのに対して約10倍の大き
さなので、要求される均一度も1桁高い数PPM の高い均
一度が要求される。
【0006】図3は従来の2対のリングコイルからなる
均一磁場コイルを示す断面図である。2対の均一磁場コ
イルは主に常電導MRIマグネットに使用されている
が、この図は後述の3対の均一磁場コイルとの比較のた
めに超電導MRIマグネットに採用したものとしてその
断面寸法を設定してある。均一磁場コイル1は2対の合
計4つのリングコイル11,12,13,14からなっ
ていて、それぞれがz座標軸でもある対称軸100を共
有しており、リングコイル11と14と、及びリングコ
イル12と13とはそれぞれ対称面110に対して対称
である。対称面110は図ではr座標軸として直線で図
示してあるが、この面上にx座標軸、y座標軸を定義す
ることができ、これらと前述のz座標軸とで三次元直角
座標系を形成する。対称軸100と対称面110の交点
Gは原点であり、この原点Gを中心とする球である均一
磁場空間200が形成される。リングコイル11,1
2,13,14のそれぞれのz方向、r方向位置、アン
ペアターンなどはこの均一磁場空間内の磁場の均一度が
所定の値以下になるように設定される。
【0007】周知のように2対のリングコイルからなる
均一磁場コイルの場合、磁束密度分布をルジャンドル関
数による級数展開をしたときの各項の係数のうち、奇数
項はリングコイルの配置の対称性から全て0であり、2
次から6次の3つの偶数項はリングコイルの配置、アン
ペアターンの比率を適切に設定することによって消去す
ることができる。0次の項は原点の磁束密度の均一磁場
強度を表す項なので、磁場を乱す成分は8次の項が主成
分となる。
【0008】一般に均一磁場コイル1が生成するz方向
磁束密度BZ は次式のように級数展開することができ
る。 ここで、 An ;n次の項の係数(nは偶数のみ) Pn ;n次のルジャンドル関数 θ ;z座標軸からr座標軸に向かう角度 ρ ;原点からの距離 なお、z=ρ cosθ、r=ρ sinθである。
【0009】前述のように均一磁場コイル1が生成する
磁場は2,4,6次が消去されるので次式となる。均一
磁場空間200内では10次の項は8次の項に比べて小
さいのでその磁場の歪みは次式の第2項である8次の項
だけを考慮すれば概ね充分である。 BZ = A0 +A8 8 (cosθ) ρ8 +・・・ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(2)
【0010】図4は図3の均一磁場空間200を含む空
間の磁束分布の等磁束密度分布図である。この図におい
て、横軸は図3の対称面110でもあるr座標軸、縦軸
はz座標軸であり、原点Gを中心として半径25cmの空
間を図示してある。近くに1と図示してある曲線は原点
Gの磁束密度に対して1ppm 大きい磁束密度の境界を示
しており、この曲線上は丁度1ppm大きい位置である。同
じようにして近くに−1 と図示してある曲線は1ppm 小
さい磁束密度、5、−5はそれぞれ5ppm 、−5ppm の
境界を表している。なお、この均一磁場を生成した均一
磁場1の諸元は次の通りである。なお、リングコイル1
1,12,13,14は線状に近似して断面形状が結果
に関係しないように単純化してある。 表1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 番号 r(cm) z(cm) アンペアターン(AT) ─────────────────────────────── 11 530. 498.59 266174.61 12 530. 128.89 117753.21 13 530. 128.89 117753.21 14 530. 498.59 266174.61 ──────────────────────────────── アンペアターン合計 767855.6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0011】また、このときの各次数の係数の値は次表
となる。ただし、各次数の係数値は前述のAn に図3の
半径である0.25(m)のn乗を掛けた値である。
【0012】図4から判るように、それぞれの曲線は原
点に向かって凸になっており、類似の曲線が4つある。
r座標軸とz座標軸近傍のは半分ずつが図示されてい
る。4つのく凸曲線は+−が交互に現れており、磁束密
度は周方向に対して波うった分布になっており、図示の
4分の1周で2周期分、全周で8周期分の波うちがある
ことなり、この波うちが主として8次の項によるもので
ある。
【0013】均一磁場空間の定義上曲線と曲線の間の切
れ込んだ部分は意味はないので、それぞれの凸部の先端
を結んだ大略円で囲われる空間がその曲線で決まる均一
度を満足する均一磁場空間と定義することができる。均
一度はその空間内の最大磁束密度と最小磁束密度との差
の比率として定義されるので、例えば、±5ppm の曲線
の凸部先端を連ねた空間は均一度が10ppm の均一磁場
空間となる。この図での10ppm 均一磁場空間の半径は
約25cmである。
【0014】図5は従来の3対のリングコイルからなる
均一磁場コイルを示す断面図である。超電導MRIマグ
ネットでの磁束密度は0.5T乃至はそれ以上の高磁場
が採用されるので要求される均一度も常電導MRIマグ
ネットに比べて高くなることから、3対のリングコイル
からなる均一磁場コイル2が採用される。均一磁場コイ
ル2は対称面に最も近いリングコイル23,24、中の
リングコイル22,25、最も遠い21,26のそれぞ
れが対称面110に対称の3対のリングコイルからなっ
ている。周知のように3対のリングコイルは前述の級数
展開において10次までの係数を消去することが可能で
ある。したがって、均一磁場を歪ます最も影響の大きな
項は12次の項である。
【0015】図6は図5の均一磁場空間210を含む空
間の等磁束密度線図であり、図4と共通の事項について
は説明を省略する。この図において、凸部は6つあり、
全周にわタって12周期の変化をする磁束密度成分が主
に図示されており、これが12次の項によるものであ
る。この図の±5ppm の曲線の凸部の先端を連ねた10
ppm 均一磁場空間の直径は約43cmであり、通常均一磁
場空間として必要とされるボア径40cmを満足してい
る。
【0016】均一磁場コイル2の諸元は次の通りであ
る。 表3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 番号 r(mm) z(mm) アンペアターン(AT) ─────────────────────────────── 21 530. 632.75 260414.06 22 530. 284.59 101572.29 23 530. 86.15 75363.80 24 530. 86.15 75363.80 25 530. 284.59 101572.29 26 530. 632.75 260414.06 ─────────────────────────────── アンペアターン合計 874700.3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0017】また、このときの各次数の係数の値は次表
の通りである。係数値の意味は表2と同様である。
【0018】実際の均一磁場コイルでは、漏れ磁場を低
減するために、図3や図5の均一磁場コイル1又は2の
外径側に磁気シールドが設けられることが多い。磁気シ
ールドには2つの種類があり、円筒状の強磁性体を被せ
て漏れ磁場を吸収するセルフシールド形と呼ばれる方式
と、逆方向の磁場を発生するコイルを設けるアクティブ
シールド形と呼ばれる方式とがある。
【0019】このような磁気シールドが設けられる均一
磁場コイルの場合でも、主コイルが2対の場合には6次
の項までの係数が、3対の場合には10次までの項の係
数が消去できることに変わりはなく、したがって、これ
ら磁気シールドを設けた均一磁場コイルの等磁束密度分
布は図4,図6に示す等磁束密度分布図と大きく変わる
ことはない。
【0020】表1の2対の場合は、リングコイル11と
14との距離は498.59mmの2倍、すなわち、1m
弱なのに対して、表3の3対の場合は、リングコイル2
1と26との距離は632.75mmの2倍、すなわち、
1.3m弱であり、この寸法が均一磁場コイル2の軸方
向寸法である。超電導マグネットの場合、この均一磁場
コイル2を収納するクライオスタットの軸長は1.5m
を越える。また、アンペアターン合計の比較では、2対
の場合は、約7.7×105 ATに対して、3対の場合
は、約8.7×105 ATと約10%大きくなってい
る。超電導線の寸法、電流は同じなのでアンペアターン
の違いは超電導線の重量差となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】このように、超電導マ
グネットの均一磁場コイルの場合、要求される均一度と
その均一磁場空間の大きさを確保するために3対のリン
グコイルで構成することから、軸長が大きくなり、超電
導線の使用量が増大するという問題がある。この発明の
目的は、撮像断面を対称軸に直角な面に限定することに
よって軸長が短く、超電導線の使用量を低減した均一磁
場コイルを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、共通の対称軸とこの対称軸に垂
直な対称面に対称な2つのリングコイルを1対として、
少なくとも1対のリングコイルからなる均一磁場コイル
において、この均一磁場コイルが生成する所定の均一度
を有する均一磁場空間が、前記対称軸を回転軸として前
記対称面に対称な回転楕円体を含みこの回転楕円体の軸
方向長さが半径方向長さに対して短く設定してなるもの
とし、また、超電導線を巻回してなる2対のリングコイ
ルからなるものとし、また、前述の均一磁場コイルの外
径側に、漏れ磁束低減用の磁気シールドを設けてなるも
のとする。
【0023】
【作用】この発明の構成において、対称軸と対称面に対
称な少なくとも1対のリングコイルからなる均一磁場コ
イルが生成する所定の均一度を有する均一磁場空間を、
対称軸を回転軸として対称面に対称で軸方向長さが半径
方向長さに対して短い回転楕円体を含む空間に設定する
ことによって、均一磁場空間の面積が小さくてよいこと
から、均一磁場コイルを構成するリングコイルの数を減
らすことができ、また、均一磁場コイルの軸方向長さが
短縮し、その結果として同じ均一磁場強度を得るに要す
る総アンペアターンが低減される。
【0024】また、超電導線を巻回してなる超電導コイ
ルとしての均一磁場コイルでは高磁場強度に必要な高均
一度が要求されるために3対のリングコイルで均一磁場
コイルが構成されるが、回転楕円体の均一磁場空間を設
定することによって2対のリングコイルで必要とする均
一度を確保することができる。また、漏れ磁束低減用の
磁気シールドを外径側に設けた均一磁場コイルの均一磁
場空間を回転楕円体として前述と同様の作用を得ること
ができる。
【0025】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施例を示す均一磁場コイルの断面図
である。この図において、均一磁場コイル3は図3の均
一磁場コイル1と同様に2対のリングコイル31,3
2,34,34からなっている。この均一磁場コイル3
が生成する均一磁場空間220は図示のようにZ座標軸
寸法が小さな回転楕円体である。均一磁場空間の形状が
異なるために、図3の均一磁場コイル1とは諸元が異な
り次の表となっている。 表5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 番号 r(cm) z(cm) アンペアターン ─────────────────────────────── 31 530. 466.76 261774.15 32 530. 115.76 107425.75 33 530. 115.76 107425.75 34 530. 466.76 261774.15 ─────────────────────────────── アンペアターン合計 738399.8 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0026】また、このときの各次数の係数の値は次表
となる。 この表から明らかなように、もはや2次から10次まで
の係数は0ではない。
【0027】図2は均一磁場コイル3が生成する均一磁
場空間の等磁束密度分布図である。この図と図4とを比
較すると、z座標軸近くの凸曲線の先端部はr座標軸に
接近し、代わりにr座標近くの凸曲線後ろに引き下がっ
たようになっている。すなわち、均一磁場空間はz軸方
向に圧縮され、r座標軸方向に引き延ばされて楕円状に
なっている。10ppm の均一度を満足する均一磁場空間
220のz座標軸方向である短軸の長さは9cm、r座標
軸方向である長軸の長さは46cmとなり、長軸の長さは
図6と同様に40cmを越えている。すなわち、均一磁場
空間がz座標方向に短い形状でよいならば2対のリング
コイルで構成された均一磁場コイル3で必要とする均一
度の均一磁場空間220を形成することができることを
表している。
【0028】均一磁場コイル3の軸長は表5より約0.
9m、アンペアターン合計は7.4×105 ATであ
り、均一磁場コイル2と比較して軸長で75%、アンペ
アターン合計、言い換えれば超電導線材使用量で84%
になっている。ちなみに、同じ2対の均一磁場コイル1
との比較では、軸長が94%、超電導線材使用量が96
%といずれも僅かではあるが低減されている。
【0029】このように、均一磁場空間の形状をz座標
方向に短い回転楕円体とすることによって均一磁場コイ
ルの軸長、超電導線材使用量とも低減することができ
る。均一磁場空間220が図1のような楕円体の場合、
撮像断面は対称面110に限定される。すなわち、対称
面110内にx座標とこれに直角方向のy座標を設定し
としたときに、x−y平面の断面像は撮像可能だある
が、y−z平面、z−x平面の断面像は勿論、これらに
傾斜した断面の撮像も不可能になる。しかし、実際の医
療診断に使用される撮像断面はx−y平面が最も多く、
他の撮像断面が必要となるのは特殊な場合であり、x−
y平面に限定してもMRI装置の機能上大きな障害にな
ることはない。ちなみに、X線CTの場合は原理的にx
−y面の断層像しか得られないが医療診断に広く利用さ
れている。
【0030】撮像断面をx−y平面に限定すると、核磁
気共鳴を起こさせるための高周波電磁波の照射を行う高
周波コイルの容量とその電源は小さくなり、撮像断面を
設定する傾斜磁場コイルとその電源の容量も小さくてよ
く、更にコンピュータに組み込まれるソフトウエアも簡
単になるという点もあって、撮像断面を限定しないMR
I装置に比べてかなり低価格のMRI装置となる。この
ような撮像断面をx−y平面に限定して低価格化を計っ
たMRI装置に前述の楕円体の均一磁場空間を確保する
均一磁場コイルが特に適していることになる。
【0031】従来の均一磁場コイルを設計する際には、
各対となったリングコイルのアンペアターンとその位置
を変化させて磁場分布を級数展開したときに消去するこ
とのできる項が0になる条件を探索してこれらを満足す
る条件を求める。例えば、図3の均一磁場コイル1の場
合、それぞれのリングコイル11,12,13,14の
断面積を0として線状電流としこれらのr座標位置、z
座標及びアンペアターンをそれぞれリングコイル11の
値を(r1 ,z1 ,AT1 )、リングコイル12の値を
(r2 ,z2 ,AT2 )とする。リングコイル13,1
4はリングコイル12,11にそれぞれ対称なのでその
値は、(r1 ,−z1 ,AT1 )、(r 2 ,−z2 ,A
2 )となり新たな変数が追加されることはない。
【0032】探索の最初は、先ずr1 ,z1 を固定して
おいてr2 ,z2 及びAT2 のAT 1 に対する比率aの
3つを未知変数とし、前述の級数展開されたときの2,
4,6次の項の係数を求める3つの式を連立方程式とし
た非線形方程式を解く。すなわち、 A2 (r2 ,z2 ,a)=0 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) A4 (r2 ,z2 ,a)=0 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(4) A6 (r2 ,z2 ,a)=0 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(5) 未知変数が3で方程式も3なのでこの連立方程式の解が
得られる。ただし、最初に固定した(r1 ,z1 )の値
が極端な値のときには解がない場合もある。
【0033】実際のリングコイルは1mm径程度の超電導
線を軸方向に並べ、半径方向に積み重ねて巻枠に設定さ
れ寸法の長方形断面になるように巻回されるのが普通で
ある。前述の解で得られたリングコイルの断面位置、形
状はr座標値とz座標値とで設定される点であるから、
今度は長方形断面の中心位置をこの点に一致させる条件
を初期条件として再度非線形方程式を解く。このときの
式は、前述の(3)〜(5)式と類似ではあるが、リン
グコイル11,12の巻数とこれに応じた断面寸法も変
数となる。
【0034】均一磁場コイルを設計する際の別の方法と
して、均一磁場空間の表面上に適当な数の評価点を設定
し、この評価点上の磁束密度の原点の磁束密度に対する
偏差の絶対値の和又は二乗和を評価関数ηとして、この
評価関数ηを0にする条件を求めることでもよい。均一
磁場空間220は回転楕円体であるからこの均一磁場空
間220を確保するための最適の均一磁場コイルの条件
として級数展開された各項の値が幾らにすればよいかが
明らかになっている訳ではないので、前述の先の解法を
使用することはできず、後の解法を使用することにな
る。
【0035】評価関数ηの設定の仕方に次のような2つ
の方法を採用することができる。すなわち、1つは回転
楕円体の表面に適当な数の評価点を設定する方法であ
り、もう1つはr座標軸上に評価点を設定する方法であ
り、一方に限定すべき理由はない。その理由は、回転楕
円体のz座標軸方向の軸長をある程度小さくすると、そ
れ以下では最適条件となる均一磁場コイルは変わらなく
なるという性質があるからである。
【0036】前述の実施例では2対のリングコイルから
なる均一磁場コイル3についてのものである、当然生成
される均一磁場が回転楕円体となる均一磁場コイル2に
類似の3対のリングコイルの均一磁場コイルを設定する
こともできる。ただ前述のように、従来の超電導マグネ
ットでは3対の均一磁場コイルが必要であったのに対し
て回転楕円体の均一磁場空間220ではリングコイルが
2対の均一磁場コイル3で必要とする均一度を満足する
ことができるのでリングコイルが3対の均一磁場コイル
を採用する必然性はない。更に磁場強度が高く、また、
より高度な均一度の磁場を必要とするMRIに対しては
将来採用されることも考えられる。
【0037】前述のように、超電導マグネットが生成す
る漏れ磁場を低減するために、セルフシールドやアクテ
ィブシールドなどの磁気シールドが3対のリングコイル
の外径側に設けられた超電導マグネットが実際のMRI
装置には採用されている。このような磁気シールドが備
えられた均一磁場コイルの場合でもこの発明を採用して
効果を挙げることができる。表1と表5との比較によれ
ば、リングコイル11と31とではz軸方向位置が約3
0mm、リングコイル12と32とでは約10mm違うだけ
である。均一磁場空間の形状が球状となるか、図2に示
したような回転軸方向が半方向に対して約5分の1程度
の薄い回転楕円体となるかがこの程度の寸法の違いによ
って決まるわけであるから、前述の磁気シールドを備え
た均一磁場コイルの場合でも数10mm程度リングコイル
の位置を移動させるだけで回転楕円体の均一磁場空間を
実現することができる。その場合、従来は3対のリング
コイルに磁気シールドを設けていたのに対して2対のリ
ングコイルで済むことになり、また、均一磁場コイルの
軸長が短縮するという効果が生ずるという点も前述の実
施例と同様である。
【0038】なお、各リングコイルのアンペアターンの
比率を長期にわたって正確に確保するために、通常各リ
ングコイルは直列接続され、実際には超電導線の材料長
さが許される限り連続して巻回して超電導線同士の接続
箇所を極力少なくする構成が採用されるが、この発明に
おける超電導コイルでじく均一磁場コイルの場合も同様
である。
【0039】
【発明の効果】この発明は前述のように、対称軸と対称
面に対称な少なくとも1対のリングコイルからなる均一
磁場コイルが生成する所定の均一度を有する均一磁場空
間を、対称軸を回転軸として対称面に対称で軸方向長さ
が半径方向長さに対して短い回転楕円体に外接する空間
に設定することによって、均一磁場空間の体積が小さく
てよいので、均一磁場コイルを構成するリングコイルの
数を減らすことができることから均一磁場コイルの構成
が単純になって巻枠も簡単になって、巻枠のコストの低
減及び均一磁場コイルの巻回作業の工数の低減が可能に
なり、MRI装置の価格低減に資するという効果が得ら
れる。更に、均一磁場コイルの軸方向長さが短縮するこ
とから、MRIマグネットの軸長が短くなって、MRI
装置の寸法短縮に資するという効果が得られる。また、
均一磁場コイルの軸方向長さが短縮される結果、同じ均
一磁場強度を得るに要する総アンペアターンが低減する
ので、リングコイルを構成する導線の使用量が低減しこ
の点についてもMRI装置の価格低減に資するという効
果が得られる。
【0040】また、超電導線を巻回してなる超電導コイ
ルとしての均一磁場コイルでは高磁場強度に必要な高均
一度が要求されるために3対のリングコイルで均一磁場
コイルが構成されていたが、回転楕円体の均一磁場空間
を設定することによって2対のリングコイルで必要とす
る均一度を確保することができるので、最も多く使用さ
れている超電導MRI用マグネットに対して前述の価格
低減などの効果を得ることができる。
【0041】また、対称軸と対称面に実質的に対称な漏
れ磁束低減用の磁気シールドを外径側に設けた均一磁場
コイルにもこの発明を適用することによって前述と同様
の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す均一磁場コイルの断面
【図2】図1の均一磁場コイルが生成する磁場の等磁束
密度分布図
【図3】従来の2対のリングコイルからなる均一磁場コ
イルの断面図
【図4】図3の均一磁場コイルが生成する磁場の等磁束
密度分布図
【図5】従来の3対のリングコイルからなる均一磁場コ
イルの断面図
【図6】図5の均一磁場コイルが生成する磁場の等磁束
密度分布図
【符号の説明】
100 対称軸 110 対称面 200 均一磁場空間 210 均一磁場空間 220 均一磁場空間 1 均一磁場コイル 11 リングコイル 12 リングコイル 13 リングコイル 14 リングコイル 2 均一磁場コイル 21 リングコイル 22 リングコイル 23 リングコイル 24 リングコイル 25 リングコイル 26 リングコイル 3 均一磁場コイル 31 リングコイル 32 リングコイル 33 リングコイル 34 リングコイル
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 7/22 ZAA C 7135−5E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共通の対称軸とこの対称軸に垂直な対称面
    に対称な2つのリングコイルを1対として、少なくとも
    1対のリングコイルからなる均一磁場コイルにおいて、
    この均一磁場コイルが生成する所定の均一度を有する均
    一磁場空間が前記対称軸を回転軸として前記対称面に対
    称な回転楕円体に外接し、この回転楕円体の軸方向長さ
    を半径方向長さに対して短く設定してなることを特徴と
    する均一磁場コイル。
  2. 【請求項2】超電導線を巻回してなる2対のリングコイ
    ルからなることを特徴とする請求項1記載の均一磁場コ
    イル。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の均一磁場コイルの外
    径側に、漏れ磁束低減用の磁気シールドを設けてなるこ
    とを特徴とする均一磁場コイル。
JP3174229A 1991-07-16 1991-07-16 均一磁場コイル Pending JPH0515507A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002136501A (ja) * 2000-08-30 2002-05-14 Nmr Holdings No 2 Pty Ltd 磁気共鳴のための非対称ゾーナルシムコイル

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