JP4873591B2 - 靴 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの係合によって靴締めする締結バンドを有する靴に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
靴販売店や消費者の利便を図るために、ブランド名、品質、注意、警告等を記載したタグを靴に取り付けて販売するのが一般的である。面ファスナーを設けた締結バンドによって靴締めを行う靴においては、一般にタグに合成樹脂の紐状物等からなるリング取付け、このリングを締結ベルトに通した状態で締結バンドで靴締めすることにより、タグを靴に取付ける方法が採用されていた。しかしながら、このような方法でタグを取り付けると、消費者が靴販売店で靴を試し履きする際等に、タグが締結ベルトから脱落して紛失し易いという問題があった。
【0003】
また、靴胛部の縁部にナイロンピンや糸を挿通し、これにタグを吊り下げる方法も行われている。この方法によるとタグが簡単に脱落する虞れはないが、挿通したナイロンピンや糸の孔が靴胛部に残り、靴の商品価値を低下させる虞れがあった。
【0004】
一方、タグを吊り下げる代わりに、靴の品質等を表示したラベルを靴形状に形成したシート部材に貼り付け、このシート部材を靴内部底面に敷設し、靴を販売する時にシート部材ごと靴から引き出して除去するようにした靴も提案されている(実開平62−188787号)。しかしながら、この方法では靴内底部形状の大きなシート部材を用いるため、コストが高くつくとともに、靴内底部にラベルが表示されるため、靴の形状等によってはラベルが見にくく、消費者が靴の品質等を確認し難いという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、吊り下げたタグが容易に脱落したりすることがなく、しかもタグを取り外した後の外観が低下することのない靴を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明の靴は、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの係合によって靴締めする締結バンドを有し、該締結バンドで靴締めした際にバンドによって被われる部分にタグ吊り穴が設けられていることを特徴とする。本発明の靴は、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーが共に締結バンドに設けられ、締結バンドを折り返して雌雄の面ファスナーを係合させて靴締めする靴であって、折り返した締結バンドの下側部分にタグ吊り穴が設けられていても良い。また締結バンドに設けられた雌雄一方の面ファスナーと、靴胛部に取着された他方の面ファスナーとの係合によって靴締めする靴であって、該締結バンドは、靴胛部の切り込み部の一方の側に設けられ、切り込み部の他方の側の靴胛部には、締結バンドに設けられた面ファスナーと係合する面ファスナーが、端縁部を切り込み部端部より突出させて設けられ、該面ファスナーの突出させた部分にタグ吊り穴が設けられていても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例であり、靴1にタグ2が吊り下げられたを状態を示す。図中、3は靴底部、4は胛部、5は締結バンドを示す。胛部4は皮革、合成皮革等により形成され、靴底部5はポリウレタン、ゴム等により形成されている。
【0008】
本発明の靴1において、締結バンド5は雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの係合によって靴締めを行うにように構成されている。図2に示す例では、胛部4の靴締め用切り込み部6の一方の側に、裏面に雌型又は雄型の面ファスナー7a(例えば雄型面ファスナー)を、糸8によって縫製する等により取り付けた締結バンド5を設け、切り込み部6のもう一方の側には、締結バンド5に取り付けられた面ファスナー7aと係合する面ファスナー7b(例えば雌型面ファスナー)を、糸8によって縫製する等によって設けてあり、締結バンド5に取り付けた面ファスナー7aを面ファスナー7bと係合させることにより、締結バンド5による靴締めが行えるようになっている。
【0009】
本発明の靴1の特徴は、締結バンド5によって靴締めした際に、締結バンド5によって覆われる部分にタグ吊り穴が設けられていることであり、図2に示す例では胛部4の靴締め用切り込み部6の、締結バンド5を取り付けた側と対向する側に設けられた面ファスナー7bに、該面ファスナー7bを貫通するタグ吊り穴9が設けられている。タグ2を吊り下げるためには例えば、タグ2に設けた穴10及び面ファスナー7bに設けたタグ吊り穴9に、紐状部11aを挿通し該紐状部11aの両端に設けた止め部11b、11cによってタグ2を靴に吊り下げるように構成した、軟質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂よりなる図2に示すような構造の公知の吊り具11を用いることができる。
【0010】
また図3に示すように、軟質ポリ塩化ビニル等の合成樹脂からなる紐状部12aの一端に係合突部12bを、他端に係合突部12bと係合する受係部12cを有し、紐状部12aをタグ2の穴10とタグ吊り穴9とを挿通させた後、係合突部12bと受係部12cとを係合させてタグ2を吊り下げるようにしたリング状の吊り具12を用いることもできる。更に特に図示しないが、糸や紐をタグ2の穴10とタグ吊り穴9とに通し、両端を結んでリング状に形成してタグ2を吊り下げるようにしても良い。
【0011】
上記タグ吊り穴9の大きさは、2〜3mm程度とすることが好ましい。また図2、図3に示すように、胛部4の切り込み部6の一方の側に締結バンド5を設け、切り込み部6の他方の側に、締結バンド5に設けた面ファスナー7aと係合する面ファスナー7bを設ける場合、面ファスナー7bの端縁部を切り込み部6端部よりも数ミリ突出させ、突出させた部分にタグ吊り穴9を設けると好ましい。上記のように構成する場合、タグ吊り穴9は面ファスナー7bのみに設ければ良いので穴あけが容易であるとともに、面ファスナーを係合していない状態の外観も優れる利点がある。
【0012】
尚、上記した例ではタグ吊り穴9を面ファスナー7b自体に設けた場合について示したが、締結バンド5によって靴締めした際に、バンド5によって被われる部分であれば、タグ吊り穴9は必ずしも面ファスナー7bに設けなくても良く、例えば胛部4のバンド5で被われる部分に設けても良い。
【0013】
図4は締結バンド5による靴締め方法の異なる態様を示す。図4に示す例では、靴締め用切り込み部6の一方の側に締結バンド5が取付られ、他方の側にはベルト通し具13が設けられ、締結バンド5はベルト通し具13を通した後、折り返して靴締めを行うように構成されている。締結バンド5には、該締結バンド5を折り返した時に相向かい合う部分に、雌雄一方の面ファスナー7a(例えば雄型面ファスナー)と、該面ファスナー7aと係合する面ファスナー7b(例えば雌型面ファスナー)とが取り付けられており、バンド5をベルト通し具13を通した後、折り返して面ファスナー7aと7bとを係合させることによって靴締めされるようになっている。この靴の場合、締結バンド5を折り返した時の下側部分に、タグ吊り穴9が設けられている。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の靴は靴締めした際に締結バンドによって被われる部分にタグ吊り穴を設け、この穴にタグ吊り紐等を通して靴にタグを吊り下げられるようにしたから、タグにリング状のタグ吊り具を取付、このタグ吊り具を締結バンドに通してタグを吊り下げる方法のように、消費者が靴販売店にて靴を試し履きする際等に、タグが締結バンドから脱落して紛失する等の虞れがなく、靴が消費者に販売されるまでの間、靴の品質等を表示したタグを確実に靴に取り付けておくことができる。またタグ吊り穴は靴締めした時に締結バンドによって被われる部分に設けられているため、靴を購入した消費者がタグを除去して履用する際に、タグ吊り穴が外から見えることがなく、靴胛部にナイロンピンや糸を挿通してタグを吊り下げる方法のように、ナイロンピンや糸を挿通した穴によって靴の外観が損なわれる虞れもない等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の靴の一実施例を示す斜視図である。
【図2】 タグの吊り下げ状態を示す締結バンド付近の拡大図である。
【図3】 タグの異なる吊り下げ状態を示す要部拡大図である。
【図4】 締結バンドによる靴締め方法の異なる態様を示す締結バンド付近の拡大図である。
【符号の説明】
1 靴
2 タグ
5 締結バンド
7a、7b 面ファスナー
9 タグ吊り穴

Claims (3)

  1. 雄型面ファスナーと雌型面ファスナーの係合によって靴締めする締結バンドを有し、該締結バンドによって靴締めした際にバンドによって被われる部分に、タグ吊り穴が設けられていることを特徴とする靴。
  2. 雄型面ファスナーと雌型面ファスナーが共に締結バンドに設けられ、締結バンドを折り返して雌雄の面ファスナーを係合させて靴締めする靴であって、折り返した締結バンドの下側部分にタグ吊り穴が設けられている請求項1記載の靴。
  3. 締結バンドに設けられた雌雄一方の面ファスナーと、靴胛部に取着された他方の面ファスナーとの係合によって靴締めする靴であって、該締結バンドは、靴胛部の切り込み部の一方の側に設けられ、切り込み部の他方の側の靴胛部には、締結バンドに設けられた面ファスナーと係合する面ファスナーが、端縁部を切り込み部端部より突出させて設けられ、該面ファスナーの突出させた部分にタグ吊り穴が設けられている請求項1記載の靴。
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