JP4872410B2 - 内部に冷却通路を有する部材及びその冷却方法 - Google Patents

内部に冷却通路を有する部材及びその冷却方法 Download PDF

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Description

本発明は、内部に冷却通路を有する部材及びその冷却方法の改良に係り、特にその冷却通路の壁面に冷却用のリブを有している部材及びその冷却方法の改良に関するものである。
従来から、部材内部の冷却通路内における伝熱促進対策の方法には、伝熱面表面の空気の流れを乱流とするあるいは境界層を破壊することなどにより改善されることが知られており、翼内に多数の突起を設ける方法がある。
例えば、下記特許文献1には、部材の内部の冷却通路内に複数のリブを設け、この冷却通路内の媒体の流れに対して千鳥状に配置することによって、伝熱面表面の媒体に乱流を発生させ、高い冷却熱伝達率を得ることが記載されている。
また、下記特許文献2には、千鳥状に配置されたリブを分割し、壁面側のリブを媒体の上流側に配置した冷却通路が記載されている。
特開平5−10101号公報(図3等) 特開2000−282804号公報(図10等)
上記特許文献1では、リブの周辺における媒体の流れが図9のようになるが、リブの背後すなわちリブの下流側には、伝熱に寄与しない大きな循環領域57が存在し、部材全体としての熱伝達性能が下がる可能性がある。
一方、下記特許文献2は、リブを単に分割して形成したものであり、リブの下流側の循環領域を減らすことが想定されていないため、分割されたリブ片の間隔が大きい。つまり、媒体が開口部をそのまますり抜けてしまい、壁面側のリブ片の下流側に循環領域が依然として存在すると考えられる。
本発明の目的は、リブの下流側の循環領域を小さくして、熱伝達性能を高めた部材及びその冷却方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、対向する壁面を有しその間を媒体が流通して母体を冷却する冷却通路を、内部に備えた部材において、前記対向する壁面の中間付近から一方の壁面側へ延びつつ前記媒体の下流方向へ傾斜するように設けられた第1のリブと、前記対向する壁面の中間付近から他方の壁面側へ延びつつ前記媒体の下流方向へ傾斜するように設けられた第2のリブを有し、前記第1のリブ又は第2のリブに、前記冷却通路の上流側と下流側を貫通する開口部を設ける。
本発明によれば、リブの下流側の循環領域を小さくして、熱伝達性能を高めた部材及びその冷却方法を提供することができる。
内部に、対向する壁面を有しその間を媒体が流通して母体を冷却する冷却通路を備えた部材は、種々存在するが、ここでは最も代表的なガスタービンの翼を例にとって述べる。
一般的なガスタービンは、圧縮機で圧縮した空気に燃料を加えて燃焼し、高温高圧ガスを得てタービンを駆動するように構成されている。駆動されたタービンの回転エネルギーは、通常、タービンに結合されている発電機により電気エネルギーに変換される。
ここで、ガスタービンの高温部の部品、特に翼への熱負荷は高くなるので、この翼の内部に冷却通路を設ける。具体的には、翼の内部に中空部を設けて冷却通路とし、圧縮機から吐出あるいは抽気された空気をこの冷却通路内へ供給することにより、許容温度以下に冷却する。
以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施例を示す部材、すなわちガスタービン翼1の構造を示す縦断面図であり、このガスタービン翼1は、シャンク部2の内部から翼部3の内部にかけて複数の通路4,5を、内部に有している。
通路4,5は、翼部3において複数の仕切壁6a,6b,6c,6d,6eにより複数の冷却通路7a,7b,7c,7d,7e,7fに仕切られ、先端曲部8a,8b、下端曲部9a,9bによりリターンフロー型の通路を形成する。すなわち、本実施例では、第1の通路4が、冷却通路7a,先端曲部8a,冷却通路7b,下端曲部9a,冷却通路
7cにより構成されている。一方、第2の通路5が、冷却通路7d,先端曲部8b,冷却通路7e,下端曲部9b,冷却通路7f及び翼後縁12に設けられた吹出孔13により構成されている。
そして、冷却媒体としての空気が、タービン翼1を保持するロータディスク(図示省略)等より供給口14へ供給され、通路4を通過する過程で翼を内部から冷却する。翼を冷却した空気は、翼先端壁10に設けられた吹出孔11及び翼後縁12の吹出孔13から、主流ガス中に吹出される。
冷却通路7b,7c,7d,7eの冷却壁面には、伝熱促進リブが一体構造で設けられている。この伝熱促進リブは、冷却通路における冷却空気の流れ方向に対して傾斜した形状に形成されている。
次に、図1のA−A線に沿うタービン翼1の断面を示す図2の通り、冷却通路7a,
7b,7c,7d,7e,7fは、翼部3を構成する翼背側壁20及び翼腹側壁21と、仕切壁6a,6b,6c,6d,6eにより形成される。例えば、冷却通路7cは、翼背側壁20,翼腹側壁21および仕切壁6b,6cから成る。これらの冷却通路の平面形状はその設計思想により異なり、台形,菱形などあるが、概ね矩形形状となる。そして、冷却通路7cの背側冷却面23には、翼背側壁20と一体構造の伝熱促進リブ25a,25bが設けられ、その対向する腹側冷却面24には、翼腹側壁21と一体構造の伝熱促進リブ26a,26bが設けられている。
また、図2のB−Bに沿う冷却通路7cの断面を示す図3を用いて、翼背側壁20を例にとって説明する。図3の通り、この冷却通路7cは、対向する壁面の中間付近から一方の壁面側へ延びつつ冷却空気の下流方向へ傾斜する第1の伝熱促進リブ25aと、対向する壁面の中間付近から他方の壁面へ延びつつ冷却空気の下流方向へ傾斜する第2の伝熱促進リブ25bを有し、これら第1の伝熱促進リブ25a又は第2の伝熱促進リブ25bには、冷却通路7cの上流側と下流側を貫通する開口部が設けられた構造となっている。また、背側冷却面23の伝熱促進リブ25a,25bは、背側冷却面23のほぼ中央から左右交互に千鳥状に、かつ冷却空気の流れ方向15に対して異なる角度で下流方向へ広がるように配置されている。更に、伝熱促進リブ25a及び25bにそれぞれ設けられた開口部は、冷却空気の流れ方向15に対し所定の角度を成すスリット70a及び70bで形成されている。尚、ここでは、冷却空気が上昇流(図1の上方への流れ)となる冷却通路
7cについて示したが、下降流となる冷却通路の場合も同様である。
次に、図4を用いて、冷却通路7c内における伝熱促進リブ25a,25b周辺の冷却空気の流れについて説明する。尚、図4では、対向する壁面に存在するリブの図示を省略している。
冷却通路7cの側壁に相当する仕切壁6b付近ではリブ設置面から離れる方向に、通路中央51ではリブ設置面に向かうように、2対の二次流れ52及び53が発生することになる。また、リブ設置面付近では、伝熱促進リブ25bと25aの間の空間80を這うような蛇行流れ55と、伝熱促進リブ25bの上流側に沿って仕切壁6bへ向かう流れ56とが形成される。そして、二次流れ52により通路中央51の温度の低い空気15bが蛇行流れ55にもたらされるような乱流構造となるため、特にリブ設置面の中央付近での熱伝達性能が高まる。
一方、伝熱促進リブ25b,25aにスリット70b,70aを設けているため、伝熱促進リブ25b,25aの上流側に沿って仕切壁6b,6cへ向かう流れ56の一部58が、スリット70b,70aをすり抜けながら仕切壁6b,6c側へ偏向され、伝熱促進リブ25b,25aの背後である下流側へ至り、循環領域57を縮小させる。その結果、スリット70b,70aのない伝熱促進リブ25b,25aの場合と比べ、熱伝達率が向上し、ガスタービンの熱効率を高めることが可能となる。
また、仕切壁6b,6cへ向かう流れ56は、仕切壁6b,6cに衝突して跳ね返るが、その際に大きな圧力損失が発生する。しかしながら本実施例では、スリット70b,
70aにより、仕切壁6b,6cへ向かう流れの一部58をバイパスさせるため、仕切壁6b,6cへの衝突を緩和することができ、圧力損失を低減することも可能となる。
ここで、スリット70a,70bの形成角度α及びβの値としては、45度以上とすると、スリット70a,70bをすり抜けた空気の仕切壁6b,6cへ向かう流れのベクトルが増幅され、圧力損失の原因となるため、0度以上45度以下が好ましい。更に、リブ設置面の中央付近よりも仕切壁6b,6c付近の方が熱伝達率が低いので、スリット70b,70aを設ける位置としては、伝熱促進リブ25b,25aの中心よりも仕切壁6b,6c側寄りの位置が望ましい。
また、本実施例によれば、部材の内部に設けられた冷却通路内の冷却空気の流れに効果的な乱流を発生させ、より少ない空気でタービン翼の冷却が可能となる。つまり、圧縮機から吐出あるいは抽気する冷却空気の量を少なくでき、燃焼用の空気が十分確保できるようになるので、結果としてガスタービンの熱効率の向上につながる。
特に、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたコンバインドサイクルでは、更に高温高圧の作動ガスが利用されることもあり、また作動ガスに湿分を添加して高効率化を図る高湿分ガスタービン(HAT)発電プラントにおいても、翼への熱負荷が高い。したがって、このような高温化された作動ガスを利用する場合には、本実施例が特に有効である。
図5は、本発明の第2の実施例を示す冷却通路7cの断面図であり、第1の実施例の図3に対応するものである。本実施例においても、翼背側壁20を例にとって説明するが、第1の実施例と異なり、第1の伝熱促進リブ及び第2の伝熱促進リブがそれぞれ複数のリブ片に分割されており、そのうち仕切壁6b,6c側のリブ片31b,31aを他方のリブ片30b,30aよりも冷却空気の上流側にずらして配置されている。
次に、図6を用いて、本実施例の冷却通路7c内におけるリブ片30a,30b,31a,31b周辺の冷却空気の流れについて説明する。尚、図6においては、対向する壁面に存在するリブの図示を省略している。
本実施例では、伝熱促進リブを分割配置しているため、伝熱促進リブの上流側を仕切壁6b,6cへ向かう流れ56は、仕切壁6b,6c側のリブ片31b,31aの端部であるエッジ59に衝突して熱伝達が促進される。また、エッジ部59に衝突した冷却空気は、分割された複数のリブ片の間の開口部を貫流して、仕切壁6b,6c側のリブ片31b,31aの背後である下流側へ回り込むようになっている。すると、循環領域57が縮小されるので、熱伝達率が向上し、ガスタービンの熱効率を高めることが可能となる。
更に望ましくは、分割されたリブ片により形成された開口部の幅91を、リブ片の幅
90に対して0.5倍以上1.5倍以下になるように構成する。このように開口部の幅91を制限すれば、開口部の幅91が広すぎて流れがすり抜けてしまうことがなく、衝突による十分な伝熱促進効果が得られる。
ここで、図9に示すような従来のリブと、第1の実施例のリブ及び第2の実施例のリブについて、モデル伝熱実験を行った。具体的には、表1のような各実験モデル形状及び実験条件のもとで、その伝熱促進効果を比較した。
Figure 0004872410
実験モデルでは、流路幅70mm,流路高さ70mmの矩形流路を形成し、対向する2面に表1に示した伝熱促進リブを配置し、モデル流路内に常温空気を流し、そのうち片方の面を加熱して、加熱面の温度分布を計測することにより熱伝達率を計測した。
図7は、それぞれの伝熱特性実験の結果を示す図であり、冷却空気の流れ状況を示す無次元値レイノルズ数を横軸とし、熱の流れ状況を示す無次元値平均ヌセルト数と平滑面の平均ヌセルト数との比を縦軸として比較した。この図7において、縦軸の値が大きいほど冷却性能が良いことを示す。図7に示されるように、従来形状と比較して第1の実施例及び第2の実施例の伝熱性能が高いことは明らかである。また、ガスタービンの定格運転時の冷却空気条件に近いレイノルズ数6.5×104において、従来形状と比較して、第1の実施例で約8%、第2の実施例で約6%それぞれ伝熱性能が高いことがわかる。
すなわち、第1の実施例あるいは第2の実施例のように伝熱促進リブを構成すれば、より高い熱伝達効果を得ることができ、少ない冷却空気量で効率よく部材を冷却することができる。
図8は、本発明の第3の実施例を示す冷却通路7cの断面図であり、第1の実施例の図3及び第2の実施例の図5に対応するものである。本実施例においても、翼背側壁20を例にとって説明するが、伝熱促進リブに、冷却空気の流れ方向15に対し所定の角度でスリットが形成されている点では、第1の実施例と同様である。しかし、本実施例におけるスリット71b,71aは、傾斜する断面で分割した複数のリブ片のうち、仕切壁6b,6c側のリブ片33b,33aが、第2の実施例と同様に、他方のリブ片32b,32aよりも上流側にずらすことにより形成されている。また、第2の実施例と同様に、分割されたリブ片により形成された開口部の幅94が、リブ片の幅92に対して0.5倍以上1.5倍以下になるように構成するのが望ましい。
更に、スリット71a,71bの形成角度α及びβの値としては、第1の実施例と同様に、0度以上45度以下が好ましい。但し、分割されたそれぞれのリブ片のエッジ面が、冷却空気の流れ方向15に対して成す角度α1とα2は、必ずしも同一である必要はない。同様に、角度β1とβ2についても、必ずしも同一である必要はなく、それぞれ別の角度に形成しても構わない。
このように伝熱促進リブを形成することで、第1の実施例のような効果、すなわちスリットにより流れがバイパスして循環領域を減らす効果と、第2の実施例のような効果、すなわち上流側に分割移動した伝熱促進リブのエッジに流れが衝突して熱伝達を促進する効果とを相乗させることが可能となり、より高い熱伝達効果を得ることができる。
図10は、本発明の第4の実施例を示す冷却通路7cの断面図であり、第1の実施例の図3に対応するものである。本実施例においても翼背側壁20を例にとって説明する。ここで、冷却通路7cにおいて、対向する壁面の中間であることを意味する背側冷却面23上の線を中間線23aとし、この中間線23aの仕切壁6b側の冷却面を冷却面23b,仕切壁6c側の冷却面を冷却面23cとする。
本実施例では第1の実施例と異なり、中間線23aと仕切壁6cの中間付近から仕切壁6c側へ延びつつ冷却空気の下流方向へ傾斜する第1の伝熱促進リブ34aと、中間線
23aと仕切壁6cの中間付近から中間線23a側へ延びつつ冷却空気の下流方向へ傾斜する第2の伝熱促進リブ34b、さらには、中間線23aと仕切壁6bの中間付近から中間線23a側へ延びつつ冷却空気の下流方向へ傾斜する第3の伝熱促進リブ35aと、中間線23aと仕切壁6bの中間付近から仕切壁6b側へ延びつつ冷却空気の下流方向へ傾斜する第4の伝熱促進リブ35bを有している。冷却面23cの伝熱促進リブ34a,
34bは、冷却面23cのほぼ中央から左右交互に千鳥状に、かつ冷却空気の流れ方向
15に対して異なる角度で下流方向へ広がるように配置されている。冷却面23bの伝熱促進リブ35a,35bは、冷却面23bのほぼ中央から左右交互に千鳥状に、かつ冷却空気の流れ方向15に対して異なる角度で下流方向へ広がるように配置されている。つまり、背側冷却面23には、千鳥に配置された冷却リブが2列配置されている。
次に、図11を用いて、本実施例の冷却通路7c内における伝熱促進リブ34a,34b,35a,35b周辺の冷却空気の流れについて説明する。尚、図12においては、対向する壁面に存在するリブの図示を省略している。
流路側壁に相当する仕切壁6bと流路中央51ではリブ面から離れる方向に、伝熱促進リブ34aと伝熱促進リブ34bの間、および伝熱促進リブ35aと伝熱促進リブ35bの間ではリブ設置面に向かうように、4対の二次流れ60及び61が発生することになる。リブ設置面付近では、伝熱促進リブ34aと伝熱促進リブ34bの間の空間80cを這うような蛇行流れ55c,伝熱促進リブ35aと伝熱促進リブ35bの間の空間80bを這うような蛇行流れ55がそれぞれ形成され、また、伝熱促進リブ34a,35bの上流側に沿ってそれぞれ仕切壁6c,6bへ向かう流れ56c,56bも形成される。そして、二次流れ60により通路中央51の温度の低い空気15bが蛇行流れ55b,55cにもたらされるような乱流構造となるため、特にリブ設置面の中央付近での熱伝達性能が高まる。
本実施例では、背側冷却面23に、千鳥に配置された冷却リブを複数列配置している。そのため、図9に示すような冷却リブを一列だけ設置した従来のものと比べ、壁面上における蛇行流れが通過する面積が増加するため熱伝達率が向上し、ガスタービンの熱効率を上げることが可能となる。
尚、本実施例では、背側冷却面23に、千鳥配置された冷却リブを複数列配置する例として2列配置したものを示したが、千鳥配置された冷却リブの列数は、3列でもそれ以上でもよい。
図12は、本発明の第5の実施例を示す冷却通路7cの断面図であり、第1の実施例の図3に対応するものである。本実施例においても翼背側壁20を例にとって説明する。
本実施例は、図10で示した第4の実施例の伝熱促進リブと比べ、伝熱促進リブ34bと35aの冷却空気流れ方向位置が同じであり、同一部材で構成されている点で相違する。図12においては、伝熱促進リブ36bが図10の伝熱促進リブ34b,35aに相当し、伝熱促進リブ36aが図10の伝熱促進リブ34a,伝熱促進リブ36cが図10の伝熱促進リブ35bに相当する。これ以外は図12は図10と同様であるため、説明を省略する。
本実施例はこのように伝熱促進リブを形成することで、伝熱促進リブ36b中央の流れ方向下流側では、リブに沿って流れる空気が左右両側から流路中央に集まり、衝突すると共にリブ36bを乗り越える流れとなる。そのため、流路中央でリブ面から離れる方向への流れが強まり二次流れを強めるため、より高い熱伝達効果を得ることができる。
また、本実施例では、伝熱促進リブ34bと伝熱促進リブ35aの冷却空気流れ方向位置をずらせた例を示したが、伝熱促進リブ34bと伝熱促進リブ35aは接触していてもよく、さらにこの二つのリブが同一部材で構成されていてもよい。
ここで、第5の実施例の伝熱促進効果を確認するため、図9に示すような従来のリブと、第5の実施例のリブについて、モデル伝熱実験を行った。具体的には、表2のような各実験モデル形状及び実験条件のもとで、その伝熱促進効果を比較した。
Figure 0004872410
実験モデルは、流路幅70mm,流路高さ70mmの矩形流路を形成し、対向する2面に表2に示した乱流促進リブを配置し、モデル流路内に常温空気を流し、そのうち片方の面を加熱して、加熱面の温度分布を計測することにより熱伝達率を計測した。
図13は、それぞれの伝熱特性実験の結果を示す図であり、冷却空気の流れ状況を示す無次元値レイノルズ数を横軸とし、熱の流れ状況を示す無次元値平均ヌセルト数と平滑面の平均ヌセルト数との比を縦軸として比較した。この図13において、縦軸の値が大きいほど冷却性能が良いことを示す。図13に示されるように、従来形状と比較して第5の実施例の伝熱性能が高いことは明らかである。また、ガスタービンの定格運転時の冷却空気条件に近いレイノルズ数6.5×104において、従来形状と比較して約6%伝熱性能が高く、第2の実施例とほぼ同等の伝熱性能であることがわかる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、伝熱促進リブに設けるスリット数あるいは分割数は各リブに対し一つに限定されるものではなく、複数としても同様の効果があり、特に限定されるものではない。
また、ガスタービン翼1は、翼を可能な限り一様な温度にすることが強度上望ましい。一方で、タービン翼の外部熱的条件は、翼の周囲で異なる。従って、翼を一様な温度に冷却するためには、翼の背側,腹側および仕切壁の伝熱促進リブ構造を、外部の熱的条件に合致した構造にすることが適切である。すなわち具体的には、前記各実施例に示した伝熱促進リブの構造,形状,配置仕様を各冷却面の要求に合わせて採用する。
尚、以上の説明ではガスタービンを例にとって説明してきたが、前述したように、本発明はガスタービンに限らず内部に冷却通路を有する部材であれば適用可能であることは言うまでもない。また以上の説明では、2本の内部構造を有したリターンフロー型構造を例にとって示したが、本発明の適用に冷却通路の数に限定を与えるものではない。また、冷却媒体を空気として説明したが、蒸気等他の媒体でも良い。尚、本発明構造を採用したガスタービン翼は、構成が簡単であり、現状の精密鋳造方法によっても製作が可能である。
本発明の第1の実施例を示すタービン翼の構造を示す縦断面図である。 図1のA−A線に沿うタービン翼の断面図である。 図2のB−B線に沿う冷却通路の断面図である。 図3の冷却通路内の空気の流れを示す図である。 本発明の第2の実施例を示す冷却通路の断面図である。 図5の冷却通路内の空気の流れを示す図である。 伝熱特性の実験結果を示す図である。 本発明の第3の実施例を示す冷却通路の断面図である。 従来の冷却通路内の空気の流れを示す図である。 本発明の第4の実施例を示す冷却通路の断面図である。 図10の冷却通路内の空気の流れを示す図である。 本発明の第5の実施例を示す冷却通路の断面図である。 伝熱特性の実験結果を示す図である。
符号の説明
1…ガスタービン翼、2…シャンク部、3…翼部、4,5…通路、6a,6b,6c,6d,6e…仕切壁、7a,7b,7c,7d,7e,7f…冷却通路、8a,8b…先端曲部、9a,9b…下端曲部、10…翼先端壁、11…翼先端壁吹出孔、12…翼後縁、13…翼後縁吹出孔、14…供給口、15…冷却空気の流れ方向、20…翼背側壁、
21…翼腹側壁、23…背側冷却面、23a…中間線、23b,23c…冷却面、25a,25b,26a,26b,34a,34b,35a,35b,36a,36b,36c…伝熱促進リブ、30a,30b,31a,31b,32a,32b,33a,33b…リブ片、57…循環領域、59…エッジ、70a,70b,71a,71b…スリット。

Claims (5)

  1. 対向する壁面を有しその間を媒体が流通して母体を冷却する冷却通路を、内部に備えた部材において、前記対向する壁面の中間付近から一方の壁面側へ延びつつ前記媒体の下流方向へ傾斜するように設けられた第1のリブと、前記対向する壁面の中間付近から他方の壁面側へ延びつつ前記媒体の下流方向へ傾斜するように設けられた第2のリブを有し、前記第1のリブと第2のリブは千鳥状に配置され、前記第1のリブ又は第2のリブには、同一直線上に並ぶリブ片を残して前記冷却通路の上流側と下流側を貫通する開口部が設けられ、前記開口部は、前記媒体の流れを前記壁面側へ偏向させることを特徴とする部材。
  2. 請求項1の部材において、開口部の幅がリブ片の幅に対して0.5倍以上1.5倍以下であることを特徴とする部材。
  3. 請求項1または2の部材において、前記媒体が前記開口部を貫流して前記リブの下流側へ回り込むように構成されていることを特徴とする部材。
  4. 請求項1の部材において、前記開口部がスリットで形成されていることを特徴とする部材。
  5. 請求項1から4の何れかの部材において、前記開口部は、前記第1のリブ又は第2のリブの中心よりも前記壁面側寄りの位置に設けられていることを特徴とする部材。
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