JP4871233B2 - 溶融材料の充填解析方法およびその充填解析プログラム - Google Patents

溶融材料の充填解析方法およびその充填解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、ダイカストシミュレーション等に利用できる溶融材料の充填解析方法およびその充填解析プログラムに関する。
アルミニウム(Al)合金やマグネシウム(Mg)合金等からなる部材を量産する場合、寸法安定性に優れ、きれいな鋳肌面が得られる金型鋳造(ダイカスト)が多用される。
ダイカストでは、20〜100m/s程度の大きな速度で溶湯を金型のキャビティへ注湯した後、急冷して鋳物を作製する。このため、キャビティ内の残存ガスが鋳物内部に巻き込まれたまま凝固して鋳巣等の鋳造欠陥を生じ得る。このようなガス欠陥を抑止するために、キャビティ内を真空引き等により予め減圧しておいてから金属溶湯を注入する減圧鋳造法が広く採用されている。
ここで、ダイカストで用いる金型は、通常、複数の金型(型部材)の集合体からなるが、各型部材の接合面(または接触面)に生じ得る隙間を完全にシールすることは困難である。特に減圧鋳造法を実施した場合、その隙間から外界の空気等がキャビティ内へ侵入し易くなり、鋳物中のガス欠陥を十分に抑止することは容易ではない。
現状では、このようなガス欠陥を可能な限り減少させるために、実際に種々のダイカスト鋳物を製造し、減圧タイミングなどの減圧条件を適正化したり、方案等を工夫するなどの試行錯誤が繰り返されているのが実際のところである。勿論、下記の特許文献に示すように、コンピュータを用いてダイカスト時の溶湯やガスの挙動をシミュレーションするダイカストシミュレーションも行われつつある。
特開2004−9130号公報 特開2005−246439号公報
しかし、上記の特許文献では、いずれも高精度のシミュレーションの実現を目指して、キャビティ内における溶湯の挙動のみならず、気体の挙動をも併せて解析しようとしている。このため、そのようなシミュレーションは計算が非常に複雑となり、収束した結果がなかなか得られず、計算コストが悪いため、現状あまり実用的でない。また、砂型鋳造を考慮しており、金型鋳造に適したものでもなかった。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものである。すなわち、計算が比較的容易で実用性があり、高精度の結果が得られる、減圧金型鋳造(ダイカスト)等に好適な溶融材料の充填解析方法およびその充填解析プログラムを提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、型部材間にできる隙間の近傍にあるキャビティ要素に、内外の圧力差に基づいてガスが流出入するバルブを設けると共にそのバルブを介して漏出入するガス流量を適切に見積もれる抵抗係数またはその導出式を見出して、上記課題を解決できる本発明を完成するに至った。
〈溶融材料の充填解析方法〉
(1)すなわち、本発明の溶融材料の充填解析方法は、溶融材料により充填されるキャビティを構成する型を座標系上にモデル化した型モデルを設定するモデル設定工程と、該設定された型モデル中の減圧下にあるキャビティへ溶融材料が充填される充填過程を順次算出する充填シミュレーション工程とからなる溶融材料の充填解析方法において、
前記モデル設定工程は、複数の型部材から構成される金型の形状を座標系上に位置づけて前記型モデルを形成するモデル形成ステップと、該形成された型モデル中の領域を分割した多数の微小要素を作成する要素作成ステップと、該作成された多数の微小要素の内で該型モデル中のキャビティ領域に対応する微小要素をキャビティ要素と定義すると共に該キャビティ要素以外の微小要素を型要素と定義する要素定義ステップと、さらに、異なる前記型部材が合わさる型合部の近傍にあるキャビティ要素から選定した選定キャビティ要素に、ガスが該キャビティの内外間をリークするリーク位置を設定するリーク位置設定ステップとを備え、
前記充填シミュレーション工程は、前記キャビティ要素に溶融材料が充填される状況を経時的に算出する充填算出ステップと、前記リーク位置でのガスのリーク量(Q:cm)を、前記キャビティ内外の気圧差(ΔP:dyn/cm)に基づき、前記型合部におけるガスの抵抗係数(K:cm/s/√(dyn/cm))を用いて、リーク量算出式{Q=K・(ΔP 1/2}から経時的に算出するリーク量算出ステップと、を繰返す工程であって、前記抵抗係数(K)は0.05〜0.4(cm/s/√(dyn/cm))であることを特徴とする。
(2)先ず、本発明の溶融材料の充填解析方法では、複数の型部材を組み合わせた金型で形成された減圧下のキャビティへ溶融材料を充填することを前提とする。この前提の下で、その金型に適合した型モデルを設定し、キャビティを含む型モデルを分割してなるキャビティ要素へ溶融材料が径時的に順次充填されていく状況をシミュレーションする。
次に本発明では、金型の型合部近傍でキャビティと外界との間で空気等のガスが流通し得る可能性が高いことに着目して、その近傍に対応する型モデル中から選定したキャビティ要素(選定キャビティ要素)にガスの吹出しまたは吸込み(バルブ)を設定した。本発明では、この設定位置をリーク位置とし、このリーク位置におけるガス流量をキャビティ内外の圧力差(ΔP)と抵抗係数(K)とを用いて算出した。
このように本発明の充填シミュレーション工程では、減圧による排気分と流入または流出するガスのリーク分を併せて繰返し計算すると共にこの結果を考慮しつつキャビティへの溶融材料の充填率をも繰返し計算している。
例えば、充填シミュレーション工程のリーク量算出ステップでは、リークするガス量とキャビティの未充填容積とからキャビティへ充填される溶融材料に印加されるガス圧(背圧)が算出される。そして、充填算出ステップでは、この背圧に影響を受ける溶融材料のキャビティ要素の充填状況が径時的に求められる。
このことから解るように、本発明では経時的な気流変化自体については詳細な解析を行っていない。すなわち、溶融材料とガスのいわゆる二相流の解析をせず、実質的には溶融材料に関する単相流の解析を行っている。このため計算負荷を小さくでき、本発明によれば素早くシミュレーション結果を得ることができ、実用的である。
しかも本発明者が鋭意研究したところ、上述のような簡素化した充填解析方法であっても、前述したガスのリーク量算出式で用いる抵抗係数Kを0.05〜0.4(cm/s/√(dyn/cm))内で設定することで、シミュレーションの結果が実際のダイカストの状況に巧く適合されることを確認している。
従って、本発明の溶融材料の充填解析方法によれば、キャビティの形状や大きさ等を問わず、溶融材料がそのキャビティへ充填される様子を迅速にかつ的確にシミュレーションでき、極めて実用的である。そして、本発明の溶融材料の充填解析方法を用いることで、現物による試行錯誤を繰返すことなく、ダイカストの鋳造条件等の最適化が容易になり、開発時間の短縮や開発コストの削減を図れる。
(3)本発明の溶融材料の充填解析方法は、Al合金やMg合金等からなるダイカスト鋳物を製造する場合に用いると好適である。しかし、本発明でいう溶融材料は、Al合金やMg合金等の金属溶湯には限らない。例えば、樹脂の射出成形を行う場合もダイカストの場合も状況は基本的に同様であるから、本発明の溶融材料の充填解析方法は樹脂の射出成形等にも十分に利用可能である。さらに、本発明が想定している状況が類似する限り、本発明でいう溶融材料は金属溶湯や溶融樹脂に限らず、流動性があり金型のキャビティへ充填され得る材料であれば十分である。
〈本発明の他形態〉
本発明は、上述した「方法」の発明には限られず、「物」の発明としても把握できる。すなわち、本発明は、前述の溶融材料の充填解析方法をコンピュータを機能させて実行することを特徴とする溶融材料の充填解析プログラムでも良い。
また、プログラムが「物」として把握されない場合であれば、そのプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体として把握することができる。さらには、そのプログラムを実行する溶融材料の充填解析装置としても把握できる。これらの場合、本発明でいう「工程」を「手段」に読替えれば良い。すなわち、モデル設定工程をモデル設定手段に、本発明の充填シミュレーション工程を充填シミュレーション手段に置換して考えれば良い。
発明の実施形態を挙げて、本発明をより詳しく説明する。なお、本明細書では便宜的に本発明の「溶融材料の充填解析方法」に関して主に説明するが、本明細書で説明する内容はその充填解析方法のみならずそれを実行するためのプログラム(溶融材料の充填解析プログラム)にも適宜適用できることを断っておく。また、いずれの実施形態が最良であるか否かは、対象、要求性能等によって異なることを断っておく。
(1)モデル設定工程(モデル設定手段でも同様)
モデル設定工程は、溶融材料により充填されるキャビティを構成する型を座標系上にモデル化した型モデルを設定する工程である。具体的には、モデル形成ステップ、要素作成ステップ、要素定義ステップおよびリーク位置設定ステップ等からなる構成される。
(a)モデル形成ステップ
モデル形成ステップは、複数の型部材から構成される金型の形状を座標系上に位置づけて型モデルを形成するステップである。型モデルは、それぞれの型部材の形状が個別に座標系上に位置づけられている必要はなく、金型全体としての形状が座標系上に位置づけられていれば足る。リーク位置を任意に設定できるからである。
金型または型部材の形状(特に外形)の座標系上への位置づけは、それらの形状を数値データに変換して行うことができる。金型の形状がCADデータ等として既存の場合はそれを利用すると効率的である。勿論、数値データの取得は、CADデータに限らず、CAEや充填解析シミュレーション装置等を利用しても得られる。さらには、3次元スキャナ等を用いて試作した現物の金型やダイカスト品の形状を数値データ化し、その数値データから型モデルを形成しても良い。
ちなみに、用いる座標系はデカルト座標系が一般的ではあるが、それに限らず、円筒座標系、球面座標系等、金型の形状や解析手法に応じた適当な座標系を選択するのが良い。
(b)要素作成ステップ
要素作成ステップは、モデル形成ステップで形成された型モデル中の領域を分割した多数の微小要素を作成するステップである。すなわち、座標系上に位置づけた型モデルを解析用の微小要素に細分化するステップである。このステップにより、型モデルによって区画された座標系上の空間は、多面体からなる多数の微小要素に分割される。分割数または分割幅は、解析精度、計算時間等を考慮して適切に設定すれば良い。
要素の分割形状は任意であり、有限差分法で採用されるような直交6面体であっても良いし、有限要素法のような金型形状に応じた多面体であっても良い。もっとも、有限差分法を用いると、微小要素への分割が容易であり、解析が数学的に簡潔になるという利点がある。また、微小要素の大きさはすべて同一である必要はなく、局所的に微小要素を細かく設定して解析精度の向上を図ることもできる。例えば、鋳造した際に、金属溶湯の湯流れが悪くなる部分やガス欠陥を生じ易い部分などで、微小要素を細かく設定すると良い。
なお、微小要素の分割は、型モデル中の全領域(空間)に対して行う必要は必ずしもなく、充填シミュレーション工程に必要な範囲、すなわち、キャビティ領域およびその境界の形成に必要な範囲でのみ行うことも可能である。
(c)要素定義ステップ
要素定義ステップは、要素作成ステップで作成された多数の微小要素の内で型モデル中のキャビティ領域に対応する微小要素をキャビティ要素と定義すると共にキャビティ要素以外の微小要素を型要素と定義するステップである。すなわち、充填シミュレーション工程用に各微小要素の属性を定義するステップである。なお、この要素定義ステップは、前述の要素作成ステップの後に行われるステップではあるが、要素作成ステップで全ての微小要素の作成が完了した後に、要素定義ステップが行われる必要はない。すなわち、要素作成ステップで1以上の微小要素が作成される毎にその属性を定義する要素定義ステップを行い、この操作を繰り返して行うようにしても良い。
なお、本明細書でいう「型領域」とは型自身を形成する領域であり、溶融材料が注入されない部分である。また、「キャビティ領域」とは溶融材料が注入され最終的に鋳物等の成形品が形成される部分である。
各微小要素をキャビティ要素または型要素に定義する方法は特に限定されないが、その一例を図1および図2に示す。なお、以下では便宜上、型モデル及び微小要素を2次元的に説明するが、本質的に3次元の場合も同様である。
図1には、直交座標を採用し、微小要素1を正方形(3次元的には直方体または立方体等の多面体形状)とした場合を示した。座標上の波線は、キャビティの境界線である。各微小要素1の重心2が、型領域(斜線部分)に存在するときはその微小要素1を型要素と定義し、キャビティ領域に存在するときはその微小要素をキャビティ要素と定義する。
各々の各微小要素1を型要素またはキャビティ要素と定義した状態を図2に示す。重心2が型領域に存在する場合を白丸○、重心2がキャビティ領域に存在する場合を●で表した。なお、型領域及びキャビティ領域のいずれにも該当しない微小要素1は、計算上の負荷とならないように規定すると良い。
(d)リーク位置設定ステップ
リーク位置設定ステップは、異なる型部材が合わさる型合部の近傍にあるキャビティ要素から選定した選定キャビティ要素に、ガスがキャビティの内外間をリークするリーク位置を設定するステップである。
減圧下のキャビティへ溶融材料を充填する場合、各々の型部材の合せ面間にできる型合部の近傍から外界のガスがキャビティへ侵入し易い。勿論、キャビティ内のガス圧(気圧)が外界のガス圧(気圧)より高い場合はキャビティ内から外界へガスが漏出することになる。いずれにしろ、キャビティと外界との間におけるガスの漏出入は型合部で生じ易い。
このような事情を考慮して、本発明のリーク位置設定ステップは、型合部の近傍に位置するキャビティ要素から適宜選定した選定キャビティ要素に、ガスのリーク位置を設定するステップである。
リーク位置は、全ての型合部の近傍に設定する必要はない。リーク量が多い型合部、溶融材料のキャビティへの充填に実質的に影響を与える型合部等を適宜抽出して、その近傍にリーク位置を設定すれば足る。
また、抽出された型合部の近傍にあるキャビティ要素全てを選定キャビティ要素とする必要もない。型部材の型合せ面の精度や型部材間の嵌合具体、型部材の配置等を考慮して、隙間幅が大きくなり、ガスの漏出入が生じ易い部分のみを選定キャビティ要素としても良い。
ここで、選定キャビティ要素にリーク位置を設定するということは、そのリーク位置にガスの吹き出しまたは吸い込みを設けることを意味する。言い換えるなら、ガスの漏出入孔となるバルブを設けるに等しい。そこで、単にリーク位置の設定のみならず、そのリーク位置に設けたバルブからのガスの漏出入量を調整すべく、各リーク位置に重み係数を付与しても良い。これにより、現実に金型のキャビティへ溶融材料を充填する状況をより再現し易くできる。
上述した内容を図3に模式的に示した。図3に示す金型の場合、型合部は、型1と型3および型2と型3の合せ面間にできる。図3では、その型合部に最も近いキャビティ要素を選定キャビティ要素として、そこにガスのリーク位置を設定している。
ここで型3が溶融材料を加圧するプランジャ等である場合、型3自体が移動し得る。この場合は、型3の移動に並行して(すなわち、型3と同速度で)、選定キャビティ要素およびリーク位置も移動するように設定すれば良い。
(2)充填シミュレーション工程(充填シミュレーション手段でも同様)
充填シミュレーション工程は、設定された型モデル中の減圧下にあるキャビティへ溶融材料が充填される充填過程を順次算出する工程である。具体的には、この充填シミュレーション工程は、充填算出ステップとリーク量算出ステップ等から構成され、それらステップを繰返して溶融材料の充填シミュレーションを行う工程である。
この充填シミュレーション工程では、設定した基準時間(ステップ時間)毎に各ステップが行われ、その進行と共にキャビティ内における溶融材料の挙動が逐次変化して、溶融材料の充填状況が解析される。ここで、各ステップは常に一定の頻度でなされる必要はない。すなわち、これらのステップは一定の時間間隔で進行させても良いし、異なる時間間隔で進行させても良い。
(a)充填算出ステップ
充填算出ステップは、キャビティ要素に溶融材料が充填される状況を経時的に算出するステップである。すなわち、充填算出ステップは、キャビティ内に注入された溶融材料の物理的挙動を微小時間毎に、微小要素単位で解析するステップである。
具体的な算出方法は、特に限定されるものではなく、公知または慣用される方法を用いることができる。例えば、VOF(VolumeofFluid)、SOLA、FANやそれらの改良された計算方法等を用いることができる。ここでは、解析の基礎式である、(i)連続の式、(ii)ナビア・ストークス(Navier−Stokes)の式、(iii)VOF(界面の追跡)の式(3)を図4に示しておく。
なお、以降では、溶融材料が少しでも充填された微小要素(充填率が0より大きく1以下のキャビティ要素)を「充填要素」と呼ぶ。逆に、充填率=0の微小要素を「空隙要素」と呼ぶ。
(b)リーク量算出ステップ
リーク量算出ステップは、リーク位置でのガスのリーク量(Q)を、キャビティ内外の気圧差(ΔP)に基づき、型合部におけるガスの抵抗係数(K)を用いて、リーク量算出式から経時的に算出するステップである。
(i)溶融材料の充填の進行に伴い、キャビティ要素は全容量がガスで充填されていた状態から、全容量が溶融材料で充填された状況に経時的に変化し得る。すなわち、キャビティ要素における溶融材料の充填率が0→1に向けてステップ(または基準時間)毎に変化し得る。もっとも、キャビティ要素への溶融材料の充填は、減圧下のガスが溶融材料によって単純に一方的に置換されていくとは限らない。すなわち、キャビティ要素によっては、リーク位置からリークするガス量を考慮して要素内の充填率を求める必要がある。そこで、例えば、ある要素に溶融材料が充填された場合の充填率は次式から求めることができる。
充填率=(要素体積・充填率−ガス流入体積)/要素体積 (数式1)
一方、キャビティ要素に溶融材料が充填されていない場合、リーク位置からのリークガス量を考慮して、その要素のガス圧(気圧)は次式から求められる。
ガス圧=(連続した空隙の体積+ガス流入量)/連続した空隙の体積 (数式2)
こうして求めたガス圧が充填される溶融材料に印加される背圧となり、前述したVOFの式等に影響する。
なお、外界からキャビティにガスが流入する場合を想定したが、内外の圧力差によっては、ガスが流出する場合もあり得る。その場合は、上記の「ガス流入量」を「ガス流出量」にして正負の符号を反転させれば良い。
(ii)ところで、リーク位置におけるリーク量は次のリーク量算出式により求められる。
リーク量算出式 :Q=K・(ΔP 1/2 (数式3)
リーク量Qが(ΔP 1/2 に比例すること自体は、連続の式(図4の(i)参照)とベルヌイの式(ρ・u/2+P=一定 /ρ:密度、u:速度、P:圧力)から導出される。
本発明で最も重要なことの一つは抵抗係数(K)である。すなわち、本発明のようにリーク位置を設定して溶融材料の充填解析を行う場合、この抵抗係数(K)を0.05〜0.4(cm/s/√(dyn/cm))とすることにより、実際の実験結果に非常に近いシミュレーション結果が得られることが本発明者の鋭意研究の結果によって明かとなった。
逆に抵抗係数が過少または過多では実測の結果にマッチしない。また、個別的な抵抗係数の最適値の特定は、金型の形状、溶融材料の特性等に応じて行うのが好ましい。この抵抗係数の下限は0.05、0.1さらには0.15であると好ましい。抵抗係数の上限は0.4、0.35さらには0.25であると好ましい。
(iii)本発明者がさらに別の観点からその抵抗係数について研究を進めたところ、抵抗係数(K)は、型合部の隙間幅(d:cm)と選定キャビティ要素の相当幅(e:cm)との積である相当面積(Am=d・e:cm)に基づき、主係数(C:cm/s/√(dyn/cm))を用いて、次の抵抗係数算出式により算出されることを見出した。
抵抗係数算出式 :K=C・Am (数式4)
ここで、隙間幅(d)とは、型と型との合せ部の空隙幅である。相当幅(e)とは、隙間幅方向に垂直な方向のキャビティ要素長さである。
そして主係数Cを3.5〜30(cm/s/√(dyn/cm))とすると、実測値に非常に近いシミュレーション結果が得られることが本発明者の鋭意研究の結果によって明かとなった。
この主係数が過少または過多では実測の結果にマッチしない。また、個別的な主係数の最適値の特定は金型の形状、溶融材料の特性等に応じて行うのが好ましい。この主係数の下限は4、6さらには8であると好ましい。主係数の上限は28、25さらには20であると好ましい。
(iv)この主係数に関して本発明者がさらに研究を進めたところ、主係数(C)は、型合部の隙間幅(d:cm)と型合部の隙間長(w:cm)と型の厚さである見切り長さ(l:cm)とに基づき、第1補助係数aおよび第2補助係数bを用いて、次の主係数算出式から算出されることを見出した。
主係数算出式:C=a/{1+b・l・(2d+w)/4d・w} (数式5)
ここで、隙間長(w)とは、型合部の全長である。見切り長さ(l)とは、型の厚さである。
そして第1補助係数aを35〜45、第2補助係数bを0.004〜0.006とすると、実測値に非常に近いシミュレーション結果が得られることが本発明者の鋭意研究の結果によって明かとなった。
この第1補助係数または第2補助係数が過少または過多では実測の結果にマッチしない。また、個別的な第1補助係数または第2補助係数の最適値の特定は金型の形状、溶融材料の特性等に応じて行うのが好ましい。
この第1補助係数の下限は36さらには37であると好ましい。第2補助係数の上限は44さらには43であると好ましい。また第2補助係数の下限は0.0045であると好ましい。第2補助係数の上限は0.0055であると好ましい。
(v)上述の主係数Cを用いて抵抗係数K=e・Cと表すこともできる。これに数式5を代入すると、次のようになる。
抵抗係数 :K=e・a/{1+b・l・(2d+w)/4d・w} (数式6)
この場合、本発明者の研究によれば、第3補助係数eを0.01〜0.02とすると、実測値に非常に近いシミュレーション結果が得られることが本発明者の鋭意研究の結果によって明かとなった。この第3補助係数が過少または過多では実測の結果にマッチしない。もっとも、個別的な第3補助係数の最適値の特定は金型の形状、溶融材料の特性等に応じて行うのが好ましい。この第3補助係数の下限は0.012さらには0.013であると好ましい。第3補助係数の上限は0.018さらには0.017であると好ましい。
(3)溶融材料の充填解析方法の処理フロー
本発明の溶融材料の充填解析方法を用いてシミュレーションを行う場合の処理手順を図5に示した。また、充填シミュレーション工程中の充填算出ステップの詳細な処理手順を図6に示した。以下、図5および図6を参考にして説明する。
図5に示すように、本発明に係る溶融材料の充填解析方法は、ステップS1のモデル設定工程と、ステップS2の充填シミュレーション工程に大きく分かれ、予め設定したキャビティ要素に溶融材料が充填されて解析が終了する。
(i)ステップS1のモデル設定工程は、モデル形成ステップS11、要素作成ステップS12、要素定義ステップS13およびリーク量算出ステップS14からなる。
モデル形成ステップS11では、例えば、CAD等を用いて作成した金型の形状数値データを充填解析プログラムに取り込まれる。金型のCADデータ等が既存の場合は、その数値データを互換性のある形状数値データに変換等して、充填解析プログラムに取り込まれる。
要素作成ステップ12では、取り込んだ金型の形状数値データに基づき、金型の各領域を微小分割した微小要素が作成される。この分割数は計算精度に応じて適宜設定すればよく、要素形状は計算手法を考慮して適切なものが選択されれば足る。
要素定義ステップ13では、要素作成ステップ12で作成された各微小要素を、溶融材料が充填され得るキャビティ領域に属するキャビティ要素と、それ以外の領域に属する型要素とにそれぞれ定義される。ここでキャビティ要素をさらに詳細に説明すれば、充填要素、表面要素および空隙要素に分けられる。
リーク位置設定ステップ14では、キャビティ要素から選定した選定キャビティ要素に、ガスの漏出入するリーク位置が設定される。リーク位置の設定は、例えば、金型の型合部の近傍にあるキャビティ要素を選定キャビティ要素として、その選定キャビティ要素に「点」で定義される。
(ii)ステップS2の充填シミュレーション工程は、充填算出ステップS21、リーク量算出ステップS22および充填完了判定ステップS23からなる。充填完了判定ステップS23で、設定したキャビティ要素へ溶融材料が設定した分充填されると、充填シミュレーション工程は終了となる。逆に、充填完了判定ステップS23で予定したキャビティ要素への溶融材料の充填が設定値に至らない間は、充填算出ステップS21およびリーク量算出ステップS22が繰り返される。この他、予め設定したキャビティ要素に溶融材料が到達した時点で充填完了と判断することもできる。
(iii)充填算出ステップS21はさらに、図6に示すように、流速・圧力算出ステップS211、溶融材料の移動ステップS212、要素フラッグの変更ステップS213およびキャビティ気圧算出ステップS214からなる。
流速・圧力算出ステップS211では、充填要素および表面要素に関して、図4に示したナビア・ストークスの式および連続の式から流速が算出される。なお、ここでいう「圧力」は溶融材料の圧力である。
溶融材料の移動ステップS212では、図4に示したVOFの式から微小時間で移動する流体量が算出される。これにより各キャビティ要素の充填度合は充填率で表現されることになる。例えば、充填率が0以下の場合は空隙要素であり、充填率>0の場合は充填要素となる。
要素フラッグの変更ステップS213では、例えば、表面要素に境界条件として空隙圧力(キャビティ内の気圧)が付与される。
キャビティ気圧算出ステップS214では、前述した数式2により気圧が算出される。この気圧は、残存キャビティ容積Vとその気圧Pとの積が同温下で一定となるボイルの法則(PV=一定)から算出される。
(iv)リーク量算出ステップS22では、閉じられた空隙要素について、前述の数式2を用いて気圧が算出される。この際、充填要素については前述の数式1を用いて充填率を算出される。もっとも、充填要素であっても、ガスの流入によって充填率が0以下に変化すれば、その要素は空隙要素に変更される。
実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
本発明の溶融材料の充填解析方法に係る抵抗係数について、ダイカストシミュレーション結果と実測結果とを比較し、両者の適合性を評価した。
また、予め設定したキャビティ位置までの金属溶湯の到達時間について、ガスのリーク有りまたは無しと設定して行ったダイカストシミュレーション結果と実測結果とを比較して、ダイカストシミュレーションにおけるリークの有無の設定の影響を評価した。以下、その内容を詳述する。
〈金型〉
本実施例では、図7に示す形状のダイカスト鋳物(鋳物部)が得られるような試験用の金型を用意した。従って、図7に示した鋳物部の形状が本発明でいうキャビティ形状(領域)に相当する。各部のサイズは次の通りである。
製品部 :300x100x10(mm)
ゲート :幅25x厚さ2(mm)
ランナ :500x100x15(mm)
ビスケット:φ150x30(mm)
製品部の末端近傍に位置する金型には、キャビティ内を減圧するための真空タンクがチルベントを介して接続されている。また、チルベント(波形形状のベント)のガス排出孔の近傍には、溶融材料である金属溶湯が流れる方向に金属溶湯の到達を電気信号で感知、検出するタッチセンサNo.1〜3を20mm間隔で設定した。ちなみに、ここで用いた金属溶湯は、アルミニウム合金(ADC12合金)である。
また、図8に示すように、金型のキャビティへ金属溶湯を加圧充填するプランジャは、サイズがφ150x40(mm)のものを用いた。なお、プランジャは本発明でいう金型を構成する型部材の一つである。
〈ダイカスト鋳造条件〉
実際のダイカストは、135tのダイカスト機を用いて、図7に示す形状の鋳物を作製した。このとき、金属溶湯が充填中にキャビティ内の空気を巻き込まないようにした。具体的には、プランジャを低速(射出速度:0.01m/s)で0.1s間移動させた後、高速(射出速度:0.4m/s)に切り替えて行った。
キャビティ内のガスを前述のガス排出孔から排出して、キャビティ内を50torr(キャビティ内の実測値)まで減圧した。
〈鋳物内の含有ガス量の測定〉
現実に製造した鋳物中に取込まれたガス量は、その鋳物を別途用意した真空タンク内で溶解させて、その真空タンク内のガス圧の増加分から換算して求めた。
〈ダイカストシミュレーション〉
本発明の溶融材料の充填解析方法であるAl合金のダイカストシミュレーションを次のように行った。
(1)モデル設定工程
上記の金型の設計時に作成したCADデータを用いて、ダイカストシミュレーションに用いる型モデルを形成した(モデル形成ステップ)。そして、その型モデルを微小要素に分割した(要素作成ステップ)。分割方法は、矩形要素でメッシュ分割とした。さらに、各要素をキャビティ要素または型要素として定義した(要素定義ステップ)。
ところで、ダイカストを行う場合に、キャビティへガス(空気)が最も漏入し易い代表的な部分はプランジャ部分(型合部)であることが経験上解っている。そこで、本実施例に係るダイカストシミュレーションを行うに際して、プランジャの内壁面近傍にあるキャビティ要素を選定して、その選定キャビティ要素にリーク位置を設定した(リーク位置設定ステップ)。
この様子を図9および図10に示す。これらの図から解るように、溜ったガスがキャビティ内へ流入し易いプランジャの上部近傍に、リーク位置を8点設定した。より具体的には、ダイカストシミュレーションを行うに際して、それら各リーク位置に、ガスの吹出しまたは吸込みとなるバルブ(Valve1〜8)を設定した。
さらに各バルブには重み係数が付与されている。本実施例のダイカストシミュレーションでは、ダイカスト時の熱によって生じる隙間が比較的大きくて外界の空気がリークし易いプランジャの上部ほど、付与する重みを大きくしてある。従って、図10に示したValve1、2からValve7、8に向うほど、各バルブに付与する重み係数は大きくなっている。
(2)充填シミュレーション工程
上記金型モデルのキャビティ要素(空隙要素)への金属溶湯の充填解析は、既述した図図5および図6に示す各ステップに沿って行われた。具体的には、プランジャをその移動方向に微少時間(基準時間:0.0001s)ごと順次移動させて、各要素に金属溶湯を充填させた(充填算出ステップ)。
また、リーク位置に設定したバルブは、プランジャと共に同速度で移動するように設定し、キャビティ内外の圧力差に基づきガスのリーク量を求めた(リーク量算出ステップ)。こうして各キャビティ要素について、充填率またはガスを求め、所定のキャビティ要素の充填率が1になったときに充填完了と判断され、シミュレーションが終了する。
〈評価〉
(1)抵抗係数K
数式3に示したリーク量算出式の抵抗係数Kを0.04〜0.5(cm/s/√(dyn/cm))の範囲で変化させてダイカストシミュレーションを行い、プランジャの型合部からキャビティ内へ流出入したガス量(ガスのリーク量)を算出した。また、実際にダイカストした3つの実鋳物(供試材)を用いて、前述の方法で含有ガス量を測定した。これらの結果を同一グラフ上にプロットしたものを図11に示した。
図11から、実鋳物の含有ガス量は20〜30cmであった。これに適合する抵抗係数Kは0.05〜0.4であることが解る。
このとき、プランジャとスリーブの実測寸法から、本発明でいう相当面積Amを求めると、0.0144cmであった。このAmの数値、上記抵抗係数Kの範囲および数式4(K=C・Am)を考慮すると、主係数Cは3.5〜30(cm/s/√(dyn/cm) )となる。
(2)第1補助係数aおよび第2補助係数b
摩擦による損失、渦による損失を考慮し、数式5に示した第1補助係数aまたは第2補助係数bを変化させて、前述の抵抗係数Kの場合と同様に、シミュレーションして得られたガスのリーク量と実測した含有ガス量とをプロットして図12および図13に示した。
数式5の第2補助係数bを0.005とした場合、図12から実鋳物の含有ガス量(20〜30cm)に適合する第1補助係数aは35〜45であることが解る。
逆に、数式5の第1補助係数aを40とした場合、図13から実鋳物の含有ガス量(20〜30cm)に適合する第2補助係数bは0.04〜0.06であることが解る。
(3)金属溶湯の到達時間
前述のタッチセンサの設定位置までの金属溶湯の到達時間について、実測した場合と、ダイカストシミュレーションした場合とを図14に示す。ダイカストシミュレーションした場合は、プランジャとスリーブの間隙を通過するガスの「リーク有り」と「リーク無し」の両方の結果をそれぞれプロットした。
リーク無しとしてダイカストシミュレーションを行った場合は(□の波線)、リーク有りとした場合(■の実線)および実測した場合(●の実線)に比べて、タッチセンサまでの金属溶湯の到達時間が大幅に遅れていることが解る。逆に、リークを考慮したモデルを用いた場合は、ガス流入の影響が現れて、溶湯の充填が早くなった結果、実測の溶湯到達時間にほぼ一致したと考えられる。
このように、「リーク有り」モデルでダイカストシミュレーションした場合、実測に非常に良いマッチングを示す結果が得られることが明かとなった。
よって、図9および図10に示すようなリーク位置を設定し、主にそこから外界とキャビティ間との圧力差によってガスがリークしているという条件設定で本発明に係るダイカストシミュレーションを行うと、実際のダイカストの様子を巧く再現できることが確認できた。
型モデルを微小要素に分割した様子を示す模式図である。 分割した微小要素を型要素またはキャビティ要素と定義した様子を示す模式図である。 型モデルの型合部とその近傍にある選定キャビティ要素にリーク位置を設定した様子を示す模式図である。 充填算出ステップ等で用いた基礎式を示す図である。 本発明の溶融材料の充填解析方法の処理手順を示すメインフローチャートである。 図5のフローチャートの中の充填算出ステップを詳述したサブフローチャートである。 本発明の一実施例であるダイカストシミュレーションを行う対象である鋳物形状を示す斜視図である。 ダイカスト装置を示す概要図である。 プランジャとスリーブとの型合部の近傍にあるキャビティ要素にリーク位置を設定した様子を示す断面図である。 図9の断面図をA視方向から観た断面図である。 リーク量算出式で用いる抵抗係数Kについて、実測値とダイカストシミュレーション値とを比較したグラフである。 リーク量算出式で用いる第1補助係数aについて、実測値とダイカストシミュレーション値とを比較したグラフである。 リーク量算出式で用いる第2補助係数bについて、実測値とダイカストシミュレーション値とを比較したグラフである。 金属溶湯の到達時間に関して、リークの有・無を考慮してダイカストシミュレーションを行った場合と実測の場合とを比較したグラフである。

Claims (5)

  1. 溶融材料により充填されるキャビティを構成する型を座標系上にモデル化した型モデルを設定するモデル設定工程と、
    該設定された型モデル中の減圧下にあるキャビティへ溶融材料が充填される充填過程を順次算出する充填シミュレーション工程とからなる溶融材料の充填解析方法において、
    前記モデル設定工程は、
    複数の型部材から構成される金型の形状を座標系上に位置づけて前記型モデルを形成するモデル形成ステップと、
    該形成された型モデル中の領域を分割した多数の微小要素を作成する要素作成ステップと、
    該作成された多数の微小要素の内で該型モデル中のキャビティ領域に対応する微小要素をキャビティ要素と定義すると共に該キャビティ要素以外の微小要素を型要素と定義する要素定義ステップと、
    さらに、異なる前記型部材が合わさる型合部の近傍にあるキャビティ要素から選定した選定キャビティ要素に、ガスが該キャビティの内外間をリークするリーク位置を設定するリーク位置設定ステップとを備え、
    前記充填シミュレーション工程は、
    前記キャビティ要素に溶融材料が充填される状況を経時的に算出する充填算出ステップと、
    前記リーク位置でのガスのリーク量(Q:cm)を、前記キャビティ内外の気圧差(ΔP:dyn/cm )に基づき、前記型合部におけるガスの抵抗係数(K:cm/s/√(dyn/cm))を用いて下記のリーク量算出式から経時的に算出するリーク量算出ステップと、
    を繰返す工程であって、
    前記抵抗係数(K)は0.05〜0.4(cm/s/√(dyn/cm))であることを特徴とする溶融材料の充填解析方法。
    リーク量算出式 :Q=K・(ΔP 1/2
  2. 前記抵抗係数(K)は、前記型合部の隙間幅(d:cm)と前記選定キャビティ要素の相当幅(e:cm)との積である相当面積(Am:cm)に基づき、主係数(C:cm/s/√(dyn/cm))を用いて下記の抵抗係数算出式から算出される請求項1に記載の溶融材料の充填解析方法。
    抵抗係数算出式 :K=C・Am (Am=d・e)
  3. 前記主係数(C)は、前記型合部の隙間幅(d:cm)と前記型合部の隙間長(w:cm)と型厚さである見切り長さ(l:cm)とに基づき、第1補助係数aおよび第2補助係数bを用いて下記の主係数算出式から算出される請求項2に記載の溶融材料の充填解析方法。
    主係数算出式 :C=a/{1+b・l・(2d+w)/4d・w}
  4. 前記溶融材料は、金属溶湯であり、
    前記金型の型部材は、該金属溶湯を押圧するプランジャと該プランジャを嵌入するスリーブであり、
    前記型合部は、該プランジャと該スリーブとの間で形成される筒状の隙間部であり、
    前記選定キャビティ要素は、該隙間部および該プランジャ内壁の近傍にあるキャビティ要素に設定され、
    前記選定キャビティ要素に設定されたリーク位置は、該プランジャと共に移動する請求項1〜3のいずれかに記載の溶融材料の充填解析方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の溶融材料の充填解析方法をコンピュータを機能させて実行することを特徴とする溶融材料の充填解析プログラム。
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