JP4869694B2 - 位相物体検出装置及び位相物体検出方法 - Google Patents

位相物体検出装置及び位相物体検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、位相物体検出装置及び位相物体検出方法に関する。より詳しくは、デジタル画像を用いて位相物体の形状、輪郭、画像上の占有領域等を検出する位相物体検出装置及び位相物体検出方法に関する。
細胞や鉱物等、光を透過するが、周囲の物質(水等)と屈折率が異なるために透過光の位相がずれる物体を位相物体と呼ぶ。位相物体は光を透過するため、該位相物体が無色の場合等においては特に、光学顕微鏡で観察しても判別しにくいという特徴がある。
位相物体を観察するための従来の装置として、位相差顕微鏡が知られている。屈折率が大きな媒質中を通る光は、屈折率が小さい媒質中を通る光に対し位相が遅れる。位相差顕微鏡ではこの位相差に関わる回折光を利用する。コンデンサと対物レンズにより位相のずれた回折光同士は干渉させられ、位相差が明暗に変えられて観察される。位相差顕微鏡によれば、ほぼ透明な生物細胞の内部構造を観察することができる(例えば、特許文献1参照)。図24は、位相差顕微鏡で撮影した細胞の画像の一例である。
特開2005−4088号公報
しかしながら、前記従来の位相差顕微鏡により得られた画像(図24)は位相物体と背景とのコントラストが弱く、試料周辺に光の映り込み(ハロー)が発生する。かかる性質から、位相差顕微鏡画像は人の視覚にとっては見易いものの、データの2値化等により画像上で位相物体を自動的に検出することは困難であった。また、位相差顕微鏡は構成が複雑で高価であるという問題も有していた。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡潔な構成により、画像中の位相物体を検出することが可能な位相物体検出装置及び位相物体検出方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の位相物体検出装置は、平行光源または点光源からなる光源と、前記光源から出射されて試料を透過した光を集光する光学系と、前記光学系により集光される光を受光し、該受光された光に基づいて画像信号を生成する撮像素子と、前記試料と前記光学系の焦点との相対位置を少なくとも前記光学系の光軸方向に変化させる駆動装置と、制御装置と、を備え、前記制御装置が、前記撮像素子が生成する画像信号から所定のデジタル画像データを生成する位相物体検出装置であって、前記制御装置が、前記駆動装置を制御することにより前記焦点を前記試料と前記光学系との間の前記光軸上の点に合わせたときに生成される前記デジタル画像データを前ピント画像データとして記憶し、前記駆動装置を制御することにより前記試料を前記焦点と前記光学系との間の前記光軸上の点に配置したときに生成される前記デジタル画像データを後ピント画像データとして記憶し、前記前ピント画像データ及び前記後ピント画像データを用いて前記試料における位相物体を検出する。
かかる構成では、前ピント画像及び後ピント画像におけるベッケ線や位相物体の輝度の差を利用し、デジタル画像処理によって位相物体が検出される。前ピント画像及び後ピント画像は、照明が平行光源または点光源またはこれらに近い光源であれば一般的な光学系(顕微鏡等)で容易に得られる。よって、簡潔な構成により画像中の位相物体を自動的に検出することができる。
なお、集光される光は必ずしも一点に集中している必要はない。撮像素子側の焦点よりも少し前や少し後に撮像素子を配設したときにデジタル画像データが取得されてもよい。撮像素子側焦点よりも少し前や後に撮像素子を配設したときには、撮像素子には試料側焦点の少し前や後の位置の像が撮像素子上に結像する。
上記位相物体検出装置において、前記制御装置は、前記デジタル画像データのコントラストに基づいて合焦点位置を検出してもよい。
かかる構成では、合焦点位置が取得される画像のコントラストに基づいて自動的に検出され、作業者による合焦点位置の検出が不要となる。よって、画像中の位相物体の自動検出がより容易かつ確実に行なえる。
上記位相物体検出装置において、前記制御装置が、画像上の各画素につき前記前ピント画像データにおける輝度から前記後ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた位相物体形状画像データと、画像上の各画素につき前記後ピント画像データにおける輝度から前記前ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた位相物体輪郭画像データとに基づいて、位相物体が画像上に占める領域を検出してもよい。
かかる構成では、位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとを用いることによって、より精度よく位相物体の画像上に占める領域が検出される。
上記位相物体検出装置において、前記制御装置が、前記位相物体形状画像データについて少なくとも2値化を含む処理を行って補正済位相物体形状画像データを生成し、前記位相物体輪郭画像データについて少なくとも2値化及び細線化を含む処理を行って補正済位相物体輪郭画像データを生成し、前記補正済位相物体形状画像データについてダイレーションを行った後で画像上の各画素につき前記補正済位相物体輪郭画像データにおける輝度を差し引く処理を有する位相物体領域拡大処理を少なくとも一回行って位相物体画像データを生成してもよい。
かかる構成では、位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとに対し、ノイズ除去、2値化、細線化、ダイレーション、差分演算等の処理を組合せて行うことで、位相物体の占める領域のみが抽出された2値化された画像データ(位相物体画像データ)が得られる。位相物体画像データでは、位相物体が占める領域が輝度の高い領域として抽出されている。位相物体画像データを用いれば、画像上で位相物体が占める占有面積率等が容易に演算される。
上記位相物体検出装置において、前記位相物体は細胞であってもよい。
かかる構成では、画像データ中に細胞が占める領域を簡便に抽出できる。
上記位相物体検出装置において、前記制御装置が前記位相物体画像データに基づいて細胞占有面積率を演算してもよい。
かかる構成では、細胞占有面積率が簡便に得られる。
上記位相物体検出装置において、前記制御装置が位相物体領域拡大処理をベッケ線の幅に相当する画素数だけ行なってもよい。
かかる構成では、抽出された領域の形状および大きさが位相物体領域とほぼ一致する。
上記位相物体検出装置において、前記撮像素子は、複数の波長の光について画像信号を生成する撮像素子であり、前記制御装置は、前記複数の波長の光についてそれぞれ位相物体画像データを生成し、得られた位相物体画像データを比較することで特定の位相物体を選択的に検出してもよい。
かかる構成では、複数の波長の光について画像信号を生成する撮像素子が用いられる。これにより、異なる波長(色)のデジタル画像データを用いて、多種類の位相物体の中から特定種類の位相物体のみを選択的に抽出することができる。
上記位相物体検出装置において、前記光源は複数の波長の光を出射する光源であり、前記制御装置は、前記複数の波長の光についてそれぞれ位相物体画像データを生成し、得られた位相物体画像データを比較することで特定の位相物体を選択的に検出してもよい。
かかる構成では、複数の波長の光を出射する光源が用いられる。これにより、異なる波長(色)のデジタル画像データを用いて、多種類の位相物体の中から特定種類の位相物体のみを選択的に抽出することができる。
また、本発明の位相物体検出方法は、平行光源または点光源から出射されて試料を透過した光を光学系により集光し、前記集光された光を前記撮像素子に受光させ、前記撮像素子から生成される画像信号からデジタル画像データを生成する位相物体検出方法であって、前記光学系の焦点を前記試料と前記光学系との間の前記光軸上の点に合わせたときに生成される前記デジタル画像データを前ピント画像データとして記憶手段に記憶し、前記試料を前記焦点と前記光学系との間の前記光軸上の点に配置したときに生成される前記デジタル画像データを後ピント画像データとして前記記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶された前記前ピント画像データ及び前記後ピント画像データを用いて前記試料における位相物体を検出する。
かかる構成では、前ピント画像及び後ピント画像におけるベッケ線や位相物体の輝度の差を利用し、デジタル画像処理によって位相物体が占める領域が検出される。前ピント画像及び後ピント画像は、照明が平行光源または点光源またはこれらに近い光源であれば一般的な光学系(顕微鏡等)で容易に得られる。よって、簡潔な構成により画像中の位相物体を検出することができる。
上記位相物体検出方法において、前記デジタル画像データのコントラストに基づいて合焦点位置を検出してもよい。
かかる構成では、合焦点位置が取得される画像のコントラストに基づいて検出され、合焦点位置の検出がより容易となる。
上記位相物体検出方法において、画像上の各画素につき前記前ピント画像データにおける輝度から前記後ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた画像データを位相物体形状画像データとし、画像上の各画素につき前記後ピント画像データにおける輝度から前記前ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた画像データを位相物体輪郭画像データとし、位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとに基づいて、位相物体が画像上に占める領域を検出してもよい。
かかる構成では、位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとを用いることによって、より精度よく位相物体の画像上に占める領域が検出される。
上記位相物体検出方法において、前記位相物体形状画像データについて少なくとも2値化を含む処理を行って補正済位相物体形状画像データを生成し、前記位相物体輪郭画像データについて少なくとも2値化及び細線化を含む処理を行って補正済位相物体輪郭画像データを生成し、前記補正済位相物体形状画像データについてダイレーションを行った後で画像上の各画素につき前記補正済位相物体輪郭画像データにおける輝度を差し引く処理を有する位相物体領域拡大処理を少なくとも一回行って位相物体画像データを生成してもよい。
かかる構成では、位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとに対し、ノイズ除去、2値化、細線化、ダイレーション、差分演算等の処理を組合せて行うことで、位相物体の占める領域のみが抽出された2値化された画像データ(位相物体画像データ)が得られる。位相物体画像データでは、位相物体が占める領域が輝度の高い領域として抽出されている。位相物体画像データを用いれば、画像上で位相物体が占める占有面積率等が容易に演算される。
本発明は、上述のような構成を有し、以下のような効果を奏する。すなわち、簡潔な構成により画像中の位相物体を検出することが可能な位相物体検出装置及び位相物体検出方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の原理及び実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(本発明の原理)
本発明は、ピントを若干ずらした場合に位相物体の周縁に現れる線(ベッケ線)を利用して、位相物体を検出する。以下、本発明の原理を具体例を用いて詳細に説明する。以下の説明では、位相物体が細胞(図ではHeLa細胞)であって、位相物体の屈折率が周囲の媒体の屈折率よりも高い場合について説明する。図(細胞の写真)は、光学10倍の対物レンズを用いて撮影されたものである。各画像は、マトリクス状に配列された所定数の画素からなる256階調グレースケールのデジタル画像とする。白の輝度を255、黒の輝度を0とする。
試料の位置に焦点が置かれたときの画像を以下、合焦点画像と呼ぶ。図1は、培養された細胞試料について撮影された合焦点画像の一例である。合焦点画像では、周辺媒体とのコントラスト差がほとんどなく、どの部分(領域)に細胞があるのか判別しにくくなっている。以下、合焦点画像が得られる位置(対物レンズと試料との距離)を合焦点位置Z0とする。
試料を、対物レンズの焦点を基準として対物レンズの反対側(焦点より対物レンズから遠く)に置いたときに得られる画像を以下、前ピント画像と呼ぶ。図2は、培養された細胞試料を焦点より35μmだけ遠くに置いたときの前ピント画像の一例である。前ピント画像では、細胞(位相物体)の内側が明るく、その周辺が暗い線で囲まれる。この暗い線はベッケ線と呼ばれる。前ピント画像では、ベッケ線の外側がほぼ細胞の輪郭に相当する。ベッケ線の明瞭さや幅は、試料と焦点との距離によって変化する。以下、前ピント画像においてベッケ線が最も明瞭に確認できる位置(対物レンズと試料との距離)を前ピント位置Z1とする。また、前ピント位置Z1と合焦点位置Z0との差分(距離)を前ピント移動幅ΔZ1とする。前ピント画像におけるベッケ線の幅(画素数)をD1とする。ΔZ1は例えば35μm程度である。D1は例えば6画素である。
試料を、対物レンズの焦点を基準として対物レンズ側(焦点より対物レンズの近く)に置いたときに得られる画像を以下、後ピント画像と呼ぶ。図3は、培養された細胞試料を焦点より35μmだけ近くに置いたときの後ピント画像の一例である。後ピント画像では、細胞(位相物体)の内側は暗く、外側が明るい線で囲まれる。この明るい線もまた、ベッケ線と呼ばれる。後ピント画像では、ベッケ線の内側がほぼ細胞の輪郭に相当する。後ピント画像においても、ベッケ線の明瞭さや幅は、試料と焦点との距離によって変化する。以下、後ピント画像においてベッケ線が最も明瞭に確認できる位置(対物レンズと試料との距離)を後ピント位置Z2とする。後ピント位置Z2と合焦点位置Z0との差分(距離)を後ピント移動幅ΔZ2とする。後ピント画像におけるベッケ線の幅(画素数)をD2とする。ΔZ2は例えば35μm程度である。D2は例えば6画素である。
なお、前ピント画像と後ピント画像とは、画像の大きさ(縦横の画素数)が等しくなっている。以下、「画像Aから画像Bを差し引く」とは、同じ大きさの画像A、Bについて、画像上の等しい位置にある各画素について、画像Aの輝度値から画像Bの輝度値を引いた値をその位置の画素の輝度とした新たな画像を得る画像処理をいう。ある位置の画素について、画像Bの輝度値が画像Aの輝度値よりも大きい場合、差分はマイナスとなる。かかる場合には、当該位置の画素の輝度はゼロとする。新たに得られた画像は、画像A及び画像Bと同じ大きさとなる。
図4は、前ピント画像の輝度、後ピント画像の輝度、前ピント画像から後ピント画像を差し引いた画像、後ピント画像から前ピントの画像を差し引いた画像における、位相物体内部、位相物体周縁部、周辺媒体の明るさ(輝度)を示す表である。以下、位相物体が細胞であるとして説明する。図を見ても分かるように、細胞内部の輝度は、前ピント画像で高い一方で後ピント画像で低い。かかる差異により、前ピント画像から後ピント画像を差し引くと細胞内部の輝度は高くなり、後ピント画像から前ピント画像を差し引くと細胞内部の輝度は低くなる。反対に、細胞周縁部の輝度は、前ピント画像で低い一方で後ピント画像で高い。かかる差異により、前ピント画像から後ピント画像を差し引くと細胞周縁部の輝度は低くなり、後ピント画像から前ピント画像を差し引くと細胞周縁部の輝度は高くなる。周辺媒体は、前ピント画像でも後ピント画像でも輝度がほとんど変わらないため、前ピント画像から後ピント画像を差し引いても、後ピント画像から前ピント画像を差し引いても、輝度は低くなる。
前ピント画像から後ピント画像を差し引いた画像では、細胞内部のみ輝度が高くなり、細胞周縁部及び周辺媒体の輝度は低くなるため、細胞内部のみが高輝度領域として抽出されることになる。以下、前ピント画像から後ピント画像を差し引いた画像(コントラストの調整を行なった画像を含む)を位相物体形状画像と呼ぶ。後ピント画像から前ピントの画像を差し引いた画像では、細胞周縁部のみ輝度が高くなり、細胞内部及び周辺媒体の輝度は低くなるため、細胞の輪郭のみが高輝度領域として抽出されることになる。以下、後ピント画像から前ピントの画像を差し引いた画像(コントラストの調整を行なった画像を含む)を位相物体輪郭画像と呼ぶ。本発明では、位相物体形状画像と位相物体輪郭画像を用いて画像上で位相物体が占める部分(領域)を検出する。
図5は、図2の画像から図3の画像を差し引き、コントラストを10倍にした位相物体形状画像である。図1と比較すれば分かるように、図5では、細胞の内側で輝度が高く、その他の領域は輝度が低くなっている。ベッケ線がある程度の幅を有するため、輝度の高い領域は実際の細胞が占める領域よりも小さくなっている。
図6は、図5の位相物体形状画像に対し、2値化とノイズ除去とを行った補正後位相物体形状画像である。図を見れば分かるように、図6では細かいノイズがなくなり、白と黒のみからなる2階調の画像になっている。
図7は、図3の画像の輝度から図2の画像の輝度を差し引き、コントラストを10倍にした位相物体輪郭画像である。図1と比較すれば分かるように、図7では、細胞の周縁部で輝度が高く、その他の領域は輝度が低くなっている。かかる処理により細胞の周縁部(輪郭)が抽出されるのは、前ピント画像と後ピント画像においてベッケ線には幅があり、両画像のベッケ線に重なる部分があるためである。
図8は、図7の位相物体輪郭画像に対し、2値化とノイズ除去、及び細線化を行った画像である。図を見れば分かるように、図8では細かいノイズがなくなり、細胞の輪郭が1画素の幅の白い線(輝度=255)でなぞられている。
図9は、図8の画像に1画素分のダイレーション処理(白い領域を拡張する処理)を加えて得られた補正後位相物体輪郭画像である。図を見れば分かるように、図9では、図8に比べて線の幅が1画素から3画素へと太くなっている。
補正後位相物体形状画像及び補正後位相物体輪郭画像が得られると、位相物体領域拡大処理が行われる。位相物体領域拡大処理では、補正後位相物体形状画像に対し、1画素分のダイレーション処理が加えられた後、補正後位相物体輪郭画像が差し引かれる。上述の通り、補正後位相物体形状画像(図6)では、輝度の高い領域は実際の位相物体の占める領域よりも小さくなっている。位相物体領域拡大処理を繰り返すことで、輝度の高い領域が1画素ずつ拡大される。補正後位相物体輪郭画像が差し引かれるため、位相物体の輪郭領域以上には拡大しない。かかる画像処理により、高輝度領域(白い領域)の形状と大きさが、元画像上で位相物体が占める領域の形状と大きさに一致する画像を生成することができる。
なお、補正後位相物体輪郭画像において、位相物体の輪郭が閉ループで完全になぞられていれば、位相物体領域拡大処理を何度繰り返しても一定のパターンに収束するはずである。しかし、実際には図9を見ても分かるように、補正後位相物体輪郭画像はノイズ等により、完全な閉ループとはならない。かかる場合に必要以上に位相物体領域拡大処理を繰り返すと、本来は位相物体が存在しない領域まで高輝度領域が拡大してしまう。そこで、位相物体領域拡大処理を繰り返す回数を調整する。具体的には、ベッケ線の幅に基づいて決定された所定の画素数(例えばD1とD2との平均:以下、ベッケ線幅)に相当する回数(例えば6回)だけ位相物体領域拡大処理を繰り返す。最後に1画素分のダイレーション処理を加えることで、高輝度領域がほぼ位相物体の形状に一致する位相物体画像が得られる。
図10は、図6の画像に対し位相物体領域拡大処理を3回繰り返したときの画像である。図11は、図6の画像に対し位相物体領域拡大処理を6回繰り返したときの画像である。図12は、図11の画像に対して1画素分のダイレーション処理を加えて得られた位相物体画像である。図12と図1とを比較すれば分かるように、位相物体画像では、細胞(位相物体)に対応する領域が白く(輝度が高く)、それ以外の領域が黒く(輝度が低く)なっている。位相物体画像を利用すれば、例えば白い領域の面積を求めることで、細胞の占有面積を得ることができる。画像全体の面積(画素数)に対する白い領域の面積(画素数)の比率を求めれば、細胞占有面積率を得ることもできる。
上述の説明では、位相物体の屈折率が周囲の媒体の屈折率よりも高い場合について説明した。位相物体の屈折率が周囲の媒体の屈折率よりも低い場合には、ベッケ線の現れ方が逆転する。すなわち、前ピント画像では位相物体内部の輝度が低く、位相物体周縁部の輝度が高くなる。逆に後ピント画像では位相物体内部の輝度が高く、位相物体周縁部の輝度が低くなる。よって、位相物体の屈折率が周囲の媒体の屈折率よりも低い場合には、前ピント画像から後ピント画像を差し引いた画像を位相物体輪郭画像、後ピント画像から前ピントの画像を差し引いた画像を位相物体形状画像とすることで、同様な位相物体画像が得られる。
なお、2値化後は、例えば白を輝度1、黒を輝度0とする白黒画像として取り扱ってもよい。ノイズ除去、2値化、細線化、ダイレーション等には周知の方法を用いることができる。
(第1実施形態)
[装置構成]
図13は、本発明の第1実施形態の位相物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。以下、図13を参照しながら、本実施形態の位相物体検出装置10について説明する。
図13に示す通り、本実施形態の位相物体検出装置10は、光源11と、試料を載置するための試料台12と、対物レンズ13及び撮像素子14を有する撮像装置15と、撮像装置15が配設されたステージ16と、ステージ16を少なくとも撮像装置15(対物レンズ13)の光軸方向に前進及び後退自在に駆動する駆動装置17と、制御装置18と、出力装置19と、入力装置20と、を備えている。制御装置18は、制御部21と記憶部22とを有している。
光源11は、平行光源または点光源が望ましい。平行光源には、ランプの光をピンホールに通し、出てきた光をレンズにより平行光線へと調整したものを用いることができる。本実施形態における点光源には、一般的な光源からの光をピンホールに通して得られるものも含まれる。平行光源または点光源を用いることで、ベッケ線が画像上により明瞭に現れるようにすることができる。試料台12は、シャーレ等の試料23を置いたときに、光源11からの光を対物レンズ13へと透過可能なように構成されるのが必要で、例えば透光用の穴24を有している。対物レンズ13は、複数のレンズ等を組み合わせたものであってもよい。対物レンズ13としては、例えば10倍のレンズ(顕微鏡レンズ)が用いられる。撮像素子14としては、例えばCCDが用いられる。制御装置18には、例えばコンピュータが用いられる。出力装置19には、例えば液晶ディスプレイが用いられる。入力装置20には、例えばキーボード及びマウスが用いられる。制御部21には例えばCPUが、記憶部22には例えば内部メモリが用いられる。
駆動装置17としては、微小量の移動を精度よく行うことができる構成が望ましく、例えばギヤボックス付きのステッピングモータを用いることができる。ステージ16は、駆動装置17により、少なくとも撮像装置15の光軸方向(図中の矢印方向:以下Z軸方向)に前進及び後退自在に駆動されうるが、それ以外にも左右方向(X軸方向)、前後方向(Y軸方向)に駆動されうるような構成であってもよい。駆動装置17は、制御装置18が制御することも可能であるが、作業者がダイヤル等を用いて直接操作することもできるように構成されている。駆動装置17は図示されないセンサを有しており、ステージ16の現在位置を検出可能な構成にもなっている。作業者が駆動装置17を動かした場合には、ステージ16の現在位置が駆動装置17から制御装置18へと送られる。制御装置18が駆動装置17を制御する場合には、設定された目標位置(例えばZ座標の値)にステージ16が位置するように、駆動装置17を制御する。なお、駆動装置17及びステージ16からなる駆動手段は、対物レンズ13と試料との相対位置を少なくとも対物レンズ13の光軸方向に変化させることができる構成であればよく、例えば、撮像装置15ではなく試料台12を移動させる構成であってもよい。試料台12と撮像装置15との両方を移動可能な構成であってもよい。
以下、本実施形態の位相物体検出装置10の動作の概略を説明する。光源11から出射された光は、試料23を通過した後、対物レンズ13により集光されて撮像素子14へと到達する。対物レンズ13と撮像素子14との位置関係は、試料から対物レンズ13までの距離が対物レンズ13の焦点距離に等しくなったときに撮像素子14上に試料の像が結ばれるべく、調整されている。撮像素子14は前述のデジタル画像の画素に対応するようにマトリクス状に配列された所定数の受光素子を有し、各受光素子が受けた光の強度に基づいて、前述のデジタル画像に対応する画像信号を出力する。制御装置18は、撮像素子14から画像信号を受け取って、デジタル画像データを生成する。本実施形態においてデジタル画像データは、前述のデジタル画像を生成するためのデータであり、所定数の画素毎に256階調を有するグレースケールデータである。生成されたデジタル画像データは、必要に応じて記憶部22に記憶され、出力装置19に出力される。制御装置18は、駆動装置17を介してステージ16を駆動し、ピントを調整する。入力装置20からは、動作に必要なパラメータ等が入力される。入力されたパラメータは、記憶部22に記憶され、必要に応じて出力装置19に出力されて確認される。
[初期設定]
本実施形態の位相物体検出装置10は、前ピント画像と後ピント画像とを取得し、得られた画像を処理することで画像上で位相物体が占める領域を検出する。試料の種類(例えば、細胞や培地の種類、鉱物の種類や処理方法等)が等しければ、ピント移動幅やベッケ線の幅等のパラメータはほぼ等しくなる。種類が同じである多数の試料を処理しなければならない場合には、予め各パラメータを設定しておくことで、より迅速な処理が可能となる。図14は、本発明の第1実施形態におけるパラメータの設定方法を示すフローチャートである。以下、図を参照しながら、ピント移動幅(ΔZ1、ΔZ2)及びベッケ線幅(D)を設定する動作(初期設定ルーチン)について説明する。以下では、作業者が位相物体検出装置10を操作してパラメータの設定を行うものとして説明する。
初期設定ルーチンが開始されると(スタート)、まず、代表となる試料が試料台12に載置される(ステップS101)。作業者は、出力装置19に出力される画像を確認しながら駆動装置17のダイヤルを回して、ピントを合わせる(ステップS102)。ピントが合っていることが確認されたら、作業者は、入力装置20を操作して、ステージ16の現在位置を合焦点位置Z0として制御装置18に記憶させる(ステップS103)。
合焦点位置の記憶後、作業者は、出力装置19に出力される画像を確認しながら、ベッケ線が最も明瞭に確認できるようになるまでピントを前にずらし、ステージ16の位置を前ピント位置Z1として制御装置18に記憶させる(ステップS104〜S105)。この時点で出力される画像が、前ピント画像となる。作業者は、前ピント画像におけるベッケ線の幅D1を測定して、画素数単位で入力装置20に入力し、制御装置18に記憶させる(ステップS106)。
D1の入力が終わると、ステージ16は合焦点位置に戻される。作業者は、出力装置19に出力される画像を確認しながら、ベッケ線が最も明瞭に確認できるようになるまでピントを後にずらし、ステージ16の位置を後ピント位置Z2として制御装置18に記憶させる(ステップS107〜S108)。この時点で出力される画像が、後ピント画像となる。作業者は、後ピント画像におけるベッケ線の幅D2を測定して、画素数単位で入力装置20に入力し、制御装置18に記憶させる(ステップS109)。
D2の入力が終わると、Z1とZ0との差分が前ピント移動幅ΔZ1として記憶され(ステップS110)、Z2とZ0の差分が後ピント移動幅ΔZ2として記憶され(ステップS111)、D1とD2との平均がベッケ線幅Dとして記憶され(ステップS112)、初期設定ルーチンは終了する(エンド)。
[位相物体の検出]
以下、本実施形態の位相物体検出装置10による位相物体の検出動作(方法)について説明する。以下では、パラメータの初期設定(初期設定ルーチン)がすでに終わっているものとして説明する。図15は、本発明の第1実施形態における位相物体の検出動作を示すフローチャートである。以下、図を参照しながら、位相物体の検出動作(位相物体検出ルーチン)について説明する。本実施形態では、試料の試料台12への載置と除去は作業者により行なわれるが、その他のステップは制御装置18の制御により自動的に行なわれる。
位相物体検出ルーチンが開始されると(スタート)、まず試料が試料台12に載置されたか否かの判定が行われ、試料が載置されたと判定されると制御装置18の制御によりピント合わせが行われる(ステップS201〜S202)。本実施形態では、合焦点画像(図1)のコントラストが、前ピント画像(図2)や後ピント画像(図3)のコントラストよりも低いことが利用される。制御装置18により、ステージ16の位置が移動され、画像データが生成され、各画素の輝度のばらつき(分散、標準偏差等)が演算される。輝度のばらつきがもっとも小さい位置が合焦点位置とされる。
ピント合わせが終了すると、ステージ16の位置を合焦点位置からΔZ1だけずらして前ピント画像データ(図2)が取得され(ステップS203)、ステージ16の位置を合焦点位置からΔZ2だけずらして後ピント画像データ(図3)が取得される(ステップS204)。画像データの取得が終了すると、上述の方法で補正後位相物体形状画像データ(図6)及び補正後位相物体輪郭画像データ(図9)が生成される(ステップS205〜ステップS208)。
補正後の画像データが生成されると、位相物体領域拡大処理がD回繰り返され(ステップS210〜S214)、1画素分のダイレーション処理が行われた後、位相物体画像データ(図12)として記憶される(ステップS215)。試料が試料台12から除去されたか否かの判定が行われ(ステップS216)、除去されたと判定されれば全ての試料について位相物体画像データの記憶が終了したか否かの判定が行われ(ステップS217)、終了していると判定されれば位相物体検出ルーチンが終了する(エンド)。全ての試料について位相物体画像データの記憶が終了していないと判定されればステップS201に戻る。
[特徴及び効果]
本実施形態では、前ピント画像及び後ピント画像におけるベッケ線や位相物体の輝度の差を利用し、デジタル画像処理によって位相物体が検出される。前ピント画像及び後ピント画像は、照明が平行光源または点光源またはこれらに近い光源であれば一般的な光学系(顕微鏡等)で容易に得られる。本実施形態の位相物体検出装置または位相物体検出方法によれば、位相差顕微鏡を用いなくても、簡便な構成により、画像上で位相物体を確実に検出することができる。
より具体的に言えば、以下の通りである。前ピント画像の輝度データから後ピント画像の輝度データを画素毎に差し引くことで、ほぼ位相物体の形状を示す位相物体形状画像データが得られる。後ピント画像の輝度データから前ピント画像の輝度データを画素毎に差し引くことで、ほぼ位相物体の輪郭を示す位相物体輪郭画像データが得られる。位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとに対し、ノイズ除去、2値化、細線化、ダイレーション、差分演算等の処理を組合せて行うことで、位相物体の占める領域のみが抽出された2値化された画像データ(位相物体画像データ)が得られる。位相物体画像データでは、位相物体が占める領域が輝度の高い領域として抽出されている。位相物体画像データを用いれば、画像上で位相物体が占める占有面積率等が容易に演算される。
本実施形態では、前ピント移動幅ΔZ1、後ピント移動幅ΔZ2が予め設定される。同一種類の位相物体(屈折率、厚さ、大きさ、形状が近いもの)では、試料が異なってもベッケ線の現れ方はほぼ同様になる。同一種類の位相物体であれば、焦点からΔZ1あるいはΔZ2だけピントをずらすことで、ベッケ線が明瞭に現れた前ピント画像及び後ピント画像が得られる。かかる構成では、作業者が目視で確認しなくても、自動的に前ピント画像データ及び後ピント画像データが得られる。本実施形態では、ベッケ線幅Dも予め設定される。同一種類の位相物体では、位相物体領域拡大処理をD回だけ繰り返すことで好適な位相物体画像データが得られる。ΔZ1、ΔZ2、Dを予め設定しておくことにより、作業者が試料を試料台12にセットすれば、その後は制御装置18の制御及び演算により位相物体画像データが自動的に得られる。よって、同一種類の多数の試料について、位相物体の検出を極めて効率的に行うことが可能となる。
[変形例]
本実施形態において、前ピント画像データと後ピント画像データとは、2回に分けて取得される必要はなく、同時に取得されてもよい。例えば、対物レンズを通過した光をハーフミラーで分割し、光路距離を異ならせて複数の撮像素子上に結像させる構成とすれば、同時に複数の画像データが得られる。図16は、本発明の第1実施形態における撮像素子を2個有する撮像装置の構成を示す図である。撮像装置55は、一個の対物レンズ53と、ハーフミラー56と、2個の撮像素子54a、54bとを有する。撮像素子54a、54bは、撮像素子54aの上に前ピント画像が結像するときに、撮像素子54bの上に後ピント画像が結像するように、ハーフミラー56の位置及び対物レンズ53から撮像素子54a及び撮像素子54bまでの光路距離が設定されている。撮像素子54aで得られる画像を合焦点画像とした後、所定の距離ΔZ1だけピントをずらすと、撮像素子54aからは前ピント画像データが得られ、撮像素子54bからは後ピント画像データが得られる。撮像装置55によれば1回の撮影で2枚の画像データが同時に取得できるため、より迅速に位相物体の検出が行える。撮像素子を3個とし、1個について合焦点とすると、他の2個でそれぞれ前ピント画像データと後ピント画像データとが同時に得られる構成としてもよい。かかる構成では、さらに迅速な検出が可能となる。
本実施形態において、位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとの両方を用いる必要は必ずしもない。例えば位相物体形状画像データのみが用いられてもよい。位相物体形状画像における輝度の高い領域は、実際の位相物体よりも、ほぼベッケ線の幅だけ小さくなっている。かかる現象により、位相物体の占有面積率は実際より小さい値となる。しかし、同一種類の細胞や結晶等で比較を行う場合にはその差は大きな問題にならない。例えば、細胞を培養する場合には、細胞の密集度に応じて継代時期が来ているか否かを判定する必要がある。細胞の種類が同じであれば、位相物体の形状や厚さ等はほぼ揃う。位相物体が均質であれば、位相物体形状画像上において輝度が高い領域の占有面積率は、位相物体の実際の占有面積率とほぼ一意的な関係を持つ。かかる関係を利用すれば、位相物体形状画像データのみを用いて、細胞の密集度の情報を得ることができる。
初期設定ルーチンは、ロボット等を用いて自動的に行なわれてもよい。位相物体検出ルーチンにおける試料の設置及び除去も、ロボット等を用いて自動的に行なわれてもよい。
(第2実施形態)
[装置構成]
図17は、本発明の第2実施形態に係る自動細胞培養装置の平面図である。図18は、図17の装置をP−P線で破断して矢視右側上方から見た場合の斜視図である。また、図19及び図20は、図17のQ−Q線矢視断面図である。本実施形態の自動細胞培養装置は、図17及び図18に示すように、操作部111と、複数のインキュベータ部114と、保管部としての冷蔵保管部116及び常温保管部117と、入出庫部115と、蒸気供給部122と、視覚処理部129とを備えている。
操作部111は被検者の細胞培養に必要な培養操作を行うためのスペースであり、図17に示すように、培養操作部113とそれ以外の機器設置部112とにより構成されている。培養操作部113には、図17に示すように、ターンテーブル131と、ピペット装置132と、遠心管ハンドリング装置133と、図示しない使用済み薬剤廃棄装置が設置されている。また、機器設置部112には、人手に代わって実際の培養操作を行う操作ロボット119と、遠心分離器121とが設置されている。これらの操作ロボット119、遠心分離器121、ターンテーブル131、ピペット装置132、遠心管ハンドリング装置133等は、図17に示すコントローラ123の制御の下に動作している。
インキュベータ部114は細胞を培養するためのスペースであり、図19及び図20に示すように、インキュベータ部114のそれぞれの内部には、細胞培養に使用される多数のシャーレ134を保持する多段式のシャーレラック135が配されている。また、図18に示すように、各インキュベータ部114には、培養雰囲気を調整するための二酸化炭素ガスを供給する配管114aが接続されている。なお、図18では配管114aは2本のみ画かれているが、実際には全てのインキュベータ部114に二酸化炭素ガスを供給する配管114aが接続されている。本実施形態では、一つのインキュベータ部114内で培養される培養細胞は同一の被検者に由来するものに限定され、インキュベータ部114ごとに異なる被検者の培養細胞を培養することができるようになっている。
冷蔵保管部116は、培養に必要な試薬類を冷蔵保存するために設けられており、この試薬類として、培地、培養細胞剥離用のトリプシン溶液等を例示することができる。冷蔵保管部116には、既に滅菌済みの試薬類が収蔵されている。
常温保管部117は、細胞培養に使用する培養器具類や常温保存が必要な薬剤を保管するために設けられており、この培養器具類として、培地交換に際して使用するピペットチップ、遠心管等を例示することができる。常温保管部117には、既に滅菌済みの培養器具類が収蔵されている。さらに、常温保管部117には常温保管が必要な薬品(例えばリン酸緩衝バッファ(PBS)や生理食塩水)などが収蔵されている。
入出庫部115は、培養すべき細胞、培養後の細胞、試薬類及び培養器具類の出し入れを行うために設けられている。さらに入出庫部は、培養する細胞の搬入口、培養後の搬出口として利用しても良い。
蒸気供給部122はオートクレーブ滅菌を行うための蒸気を供給するものであり、例えば121℃の飽和蒸気(滅菌蒸気)を供給することができる。
視覚処理部129は、実施形態1の位相物体検出装置10を備えており、細胞試料の画像を処理して細胞の占有面積率を演算する。演算結果を用いて、細胞の継代処理を行うか、培地交換を行うかの判定が行われる。本実施形態において、位相物体検出装置10の装置構成は、実施形態1と同様である。よって、同一要素に同一の名称と符号を付すこととして、説明を省略する。
本実施形態では、複数のインキュベータ部114及び一つの入出庫部115は、図18に示すように、上下に3段に設けられた複数の縦列を為して操作部111に取り付けられている。入出庫部115は、図18に示すように、上下3段の縦列の中央に位置している。冷蔵保管部116及び常温保管部117は上下2段の縦列を為し、上側に冷蔵保管部116、下側に常温保管部117が位置している。
また、本実施形態の自動細胞培養装置は、図18〜図20に示すように、操作部111の機器設置部112の上方にフィルタ部120a、培養操作部113の上方にフィルタ部120bを備えている。フィルタ部120a及び120bは、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を有している。
本実施形態の装置では、操作部111とインキュベータ部114との間には自動開閉式の密閉扉118a、操作部111と入出庫部115との間には自動開閉式の密閉扉118b、操作部111と冷蔵保管部116との間には自動開閉式の密閉扉118c、操作部111と常温保管部117との間には自動開閉式の密閉扉118dがそれぞれ設けられている。また、図19及び図20に示すように、フィルタ部120aと機器設置部112との間、及びフィルタ部120bと培養操作部113との間には、それぞれ自動開閉式の密閉扉130a及び130bが設けられている。更に、操作部111の機器設置部112及び培養操作部113との間には、遮断装置としての密閉シャッター128が設けられている。これらの密閉扉118a〜d、130a及び130b、並びに密閉シャッター128は、高い機密性と断熱性とを有する材料で形成されており、オートクレーブ滅菌の際には、操作部111からの蒸気の漏れを防ぐとともに、操作部111からの熱伝導を極力抑えることが可能となっている。
従って、密閉扉118a〜dが開いている状態では、インキュベータ部114、入出庫部115、冷蔵保管部116及び常温保管部117は操作部111と空間的に連通し、蒸気供給部122からの蒸気により操作部111とともに滅菌されることとなるが、密閉扉118a〜dを閉じたときには、インキュベータ部114、入出庫部115、冷蔵保管部116及び常温保管部117は操作部111からほぼ完全に隔離されることとなり、滅菌蒸気の影響は及ばない。また、フィルタ部120a及び120bに設けられている密閉扉130a及び130bは、操作部111の滅菌に際して閉じることにより、フィルタ部120a及び120bを滅菌蒸気から保護するために設けられている。更に、密閉シャッター128は、これを閉じることにより、機器設置部112又は培養操作部113のみを滅菌することが可能となっている。本実施形態では、密閉扉118a〜d、130a及び130bの開閉、密閉シャッター128の開閉もコントローラ123の制御の下に行われる。
図19及び図20に示すように、本実施形態では操作部111の機器設置部112及び培養操作部113には、給気用ファン124及び排気用ファン125により、ダウンフローの気流が供給されている。この気流は、給気用ファン124により吸気用プレフィルタ124aを介して吸引され、その大部分はフィルタ部120aで除塵された後に機器設置部112に供給され、培養操作部113の下方から排気用ファン125により排気用プレフィルタ125aを介して外部に排気される。また、給気用ファン124で吸引された気流の一部は、フィルタ部120bで除塵された後に培養操作部113に供給され、機器設置部112の下方から排気用ファン125を介して外部に排気される。排気用プレフィルタ125aを通過した気流は、外部に廃棄することなく吸気用プレフィルタ124aを介した後にフィルタ部120aあるいは120bを通すことによって、装置に戻す内部循環を行うことも可能である。機器設置部112及び培養操作部113に供給される気流の量は、シャッター126及びダンパー127により調節される。
[動作]
図21は、本発明の第2実施形態の自動細胞培養装置を用いた細胞の培養方法の一例を示すフローチャートである。以下、図を参照しながら、本実施形態の自動細胞培養装置100の動作及び自動細胞培養装置100を用いた細胞の培養動作(方法)について説明する。
自動細胞培養装置100を用いた細胞の培養が開始されると(スタート)、まず視覚処理部129に備えられた位相物体検出装置10の初期設定が行われる(ステップS301)。初期設定の方法は、第1実施形態における初期設定ルーチンと同様であるので、説明を省略する。
初期設定が完了すると、入出庫部115を通じて自動細胞培養装置100へ試料が導入され、操作ロボット119により試料がインキュベータ部114内のシャーレラック135に一つづつ入れられ、その位置がコントローラ123に記憶される(ステップS302)。
所定期間(第1の閾値)だけインキュベーション(培養)が行われると(ステップS303〜S305)、視覚処理部129による判定が行われる。まず、インキュベータ部114内のシャーレラック135で培養された各試料が操作ロボット119により取り出され、視覚処理部129の位相物体検出装置10の試料台12に載置される。位相物体検出装置10は、各試料について位相物体画像を生成し記憶する。位相物体画像データの生成処理については第1実施形態と同様であるので説明を省略する。位相物体画像データが生成されると、該画像データについて細胞占有面積率Rが演算され、記憶される(ステップS306)。各試料はインキュベータ部114内の元の位置に戻される。各試料の細胞占有面積率Rは位相物体検出装置10の制御装置18からコントローラ123に送られる。全試料について細胞占有面積率Rの演算が完了すると、コントローラ123により、細胞占有面積率Rが所定の値(第2の閾値)を超えている試料の数が所定の個数(第3の閾値)を超えているか否かの判定が行われる(ステップS307)。
ステップS307でNOと判定されると、細胞占有面積率Rが所定の値(第4の閾値)を超えなかった試料について、培地交換が行われる(ステップS308)。本実施形態の自動細胞培養装置100においては、培地交換操作は以下のようにして行われる。まず、図19に示すように、操作ロボット119がインキュベータ部114内のシャーレラック135に載置されている細胞培養中のシャーレ134のうち、細胞占有面積率Rが第4の閾値を超えなかったものを選択して取り出し、図20に示すように培養操作部113の方向に向きを変え、培養操作部113のターンテーブル131上にシャーレ134を移動させる。次に、操作ロボット119はシャーレ134の蓋を開ける。続いて、ピペット装置132がシャーレ内の培地を吸引して廃棄し、新たな培地をシャーレに供給する。次に、操作ロボット119がシャーレ134の蓋を閉じ、インキュベータ部114内のシャーレラック135の元の位置に戻す。このような一連の操作は、コントローラ123の制御の下に行われる。
培地交換が完了すると、細胞占有面積率Rが所定の値(第4の閾値)を超えた試料について、継代操作が行われる(ステップS309)。本実施形態の自動細胞培養装置100に於ける継代操作は、以下のようにして行われる。まず、前述と同様に操作ロボット119がインキュベータ部114内のシャーレラック135に載置されている細胞培養中のシャーレ134のうち、細胞占有面積率Rが第4の閾値を超えたものを選択して取り出し、培養操作部113のターンテーブル131上にシャーレ134を移動させ、シャーレ134の蓋を開け、ピペット装置132がシャーレ内の培養液を吸引して廃棄する。次に、ピペット装置132は、培養細胞をシャーレから剥離するためのトリプシン溶液を滴下する。次に、操作ロボット119はシャーレを傾けて回転することにより、トリプシン溶液をシャーレ134の全体に行き渡らせる。細胞がシャーレから剥離したことが例えばTVカメラ(図示せず)等で確認されると、ピペット装置132はシャーレ134内の細胞を含んだ液を、遠心管ハンドリング装置133に保持されている遠心管に移す。遠心管ハンドリング装置133は遠心管にキャップをした後、これを遠心分離器121にセットする。遠心分離器121での遠心分離が終了すると、遠心管ハンドリング装置133は遠心管からキャップを外す。次に、ピペット装置132は遠心管の上澄み液を廃棄し、遠心管の底部に沈降している細胞を吸い出し、ターンテーブル131上の複数の新たなシャーレに少量ずつ分配する。次に、操作ロボット119はこれらのシャーレの蓋を閉じ、インキュベータ部114内のシャーレラック135に一つづつ入れ、その位置がコントローラ123に記憶される。継代処理が完了すると、ステップS303に戻り、培養が行われる。
ステップS307でYESと判定されると、試料が入出庫部115を通じて装置外部へと取り出され(ステップS310)、培養が完了する(エンド)。
上述の動作によれば、細胞占有面積率Rが所定の値を超えた試料の数が一定数に達するまで培養が自動的に継続され、培養完了後は試料が自動細胞培養装置100の外へと取り出される。ステップS302からステップS310までの動作は、コントローラ123の制御の下に、自動的に行われる。
[特徴及び効果]
本実施形態の自動細胞培養装置では、位相物体検出装置10の試料台12への試料の載置と除去を含め、全工程がロボット等により自動化されている。かかる構成では、作業者が初期設定を一度だけ行えば、その後は完全に自動で位相物体の検出を連続的に行い、必要に応じて培地交換と継代処理とを選択して行うことが可能となる。
従来の培養においては、位相差顕微鏡を用いて作業者がひとつひとつ目視で定量化作業を行っており、極めて作業効率が悪かった。また、人間が試料を取り扱う必要があるため、試料のコンタミネーションを防止することが困難であった。本実施形態によれば、コンピュータを用いた画像処理により、位相物体の定量を極めて高速かつ簡便に実現できる。培地交換と継代処理とを、培養状態に応じて適宜選択して行なうこともできる。また、装置内の各部を高圧蒸気により別個に滅菌できるため、作業者からのコンタミネーションや試料間のクロスコンタミネーションを確実に低減させることができる。かかる特徴を有するため、本実施形態の自動細胞培養装置は、再生医療の分野で極めて有効となる。
(第3実施形態)
[原理]
本実施形態の位相物体検出装置10では、位相物体である鉱物の検出を行う。いわゆる分散特性を有する鉱物の屈折率は、波長毎に異なっている。波長による屈折率の変化パターンは、鉱物と浸液とで異なり、また鉱物の種類によっても異なる。本実施形態は、鉱物と浸液が有する屈折率の違いを利用して、特定の鉱物のみを画像上で抽出する。
鉱物の検出では、分散染色分析法によって試料を特定する方法が知られている。例えば、屈折率1.550の染色用浸液中のクリソタイル(白石綿)を位相差顕微鏡で観察すると、赤紫色〜青色に染色して観察できる。これは、青(波長480〜490nm)の波長付近においてクリソタイルの屈折率が染色用浸液の屈折率より低く、また赤紫の補色である緑(波長500〜560nm)の波長付近においてクリソタイルの屈折率と染色用浸液の屈折率がほぼ等しく、また青の補色である黄(波長580〜595nm)の波長付近においてクリソタイルの屈折率と染色用浸液の屈折率とがほぼ等しいことによる。
図22は、鉱物の一例であるクリソタイル及び浸液の、波長と屈折率の関係の一例を示す図である。浸液には、屈折率1.550の染色用浸液が用いられる。図に示すように、クリソタイルも浸液も、波長が長くなるにつれて屈折率が低下するが、変化率はクリソタイルの方が小さい。かかる違いにより、短波長(青付近)では浸液の方が屈折率が高く、中波長(緑付近)ではクリソタイルと浸液の屈折率がほぼ等しく、長波長(赤付近)ではクリソタイルの方が屈折率が高くなる。
クリソタイルは透光性を有している。浸液中のクリソタイルの顕微鏡画像を撮影した場合、クリソタイルを位相物体、浸液を周辺媒体と考えることができる。図22に示すように、長波長ではクリソタイルの方が屈折率が高いため、顕微鏡画像におけるクリソタイルと浸液の輝度は図4に示した表のような関係となる。逆に、短波長ではクリソタイルの方が屈折率が低いため、図4に示した表において前ピント画像と後ピント画像の関係は入れ替わる。中波長ではクリソタイルと浸液の屈折率はほぼ等しくなるため、図4に示した表のような輝度の違いがほとんど見られない。
本実施形態では、例えば長波長から短波長まで連続的に波長成分を有する光(白色光)を光源として、カラー画像が撮像される。カラー画像は、赤、緑、青の3原色についてそれぞれ輝度情報を有する。赤、緑、青の輝度情報をもとに、計3枚のモノクロ画像データが得られる。赤及び緑の画像データについて、実施形態1と同様の方法で位相物体の抽出処理が行われる。この処理では、赤及び緑の波長付近で周辺媒体よりも屈折率の高い位相物体の形状が検出される。また、青及び緑の画像データについて、前ピント画像データと後ピント画像データとを入れ替えた後、実施形態1と同様の方法で位相物体の抽出が行われる。この処理では、青及び緑の波長付近で周辺媒体よりも屈折率の低い位相物体の形状が検出される。クリソタイルは、青及び赤の画像から得られた位相物体画像上では位相物体として抽出される一方、緑の画像から得られた位相物体画像上では位相物体としては抽出されない。画像上の各画素について、青及び赤で抽出され(輝度が高くなる/白くなる)、緑で抽出されない(輝度が低くなる/黒くなる)という条件で画素を選択すれば、クリソタイルが占める領域のみを抽出できることになる。
他の鉱物はクリソタイルと屈折率が異なるため、かかる処理により容易に区別できる。例えば、クリソタイルよりも屈折率が大きい鉱物では、短波長でも長波長でも浸液より屈折率が高くなる。かかる鉱物は、赤の画像から得られた位相物体画像及び赤と同様の処理によって緑の画像から得られた位相物体画像上では位相物体として抽出される。一方、青の画像から得られた位相物体画像及び青と同様の処理によって緑の画像から得られた位相物体画像上では位相物体として抽出されない。かかる鉱物は、赤と同様の処理によって緑の画像から得られた位相物体画像で抽出され、青の画像から得られた位相物体画像で抽出されないという点でクリソタイルと異なるため、容易に判別できる。クリソタイルよりも屈折率が小さい鉱物も、同様に各画像処理で抽出されるか否かにより、クリソタイルと容易に区別できる。
[装置構成]
本実施形態の位相物体検出装置10において、装置構成は実施形態1と同様であるので、同一要素には同一の名称と符号を付すこととして、説明を省略する。本実施形態では、撮像素子としてカラーCCDが用いられる。デジタル画像データは、赤、緑、青の3成分の輝度データとして生成される。
[動作]
以下、本実施形態の位相物体検出装置10による位相物体の検出動作(位相物体検出ルーチン)について説明する。以下では、パラメータの初期設定がすでに終わっているものとして説明する。パラメータの初期設定は、赤、緑、青の各画像データについて別個に行なうことを除けば、実施形態1と同様であるので説明を省略する。図23は、本発明の第3実施形態におけるクリソタイルの検出動作(方法)を示すフローチャートである。以下、図23を参照しながら、クリソタイルの検出動作(位相物体検出ルーチン)について説明する。
位相物体検出ルーチンが開始されると(スタート)、まず試料が試料台12に載置され、ピント合わせが行われる(ステップS401〜S402)。ピント合わせの動作は実施形態1と同様であるので説明を省略する。
ピント合わせが終了すると、ステージ16の位置を合焦点位置からΔZ1だけずらして前ピント画像データ(図2)が取得され(ステップS403)、ステージ16の位置を合焦点位置からΔZ2だけずらして後ピント画像データ(図3)が取得される(ステップS404)。
画像データの取得が完了すると、赤成分の画像データを用いて位相物体画像データR1が、緑成分の画像データを用いて位相物体画像データG1が、生成される(ステップS405〜S406)。位相物体画像データの生成は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。R1とG1の生成が完了すると、前ピント画像データと後ピント画像データの入れ替えが行われ、青成分の画像データを用いて位相物体画像データB2が、緑成分の画像データを用いて位相物体画像データG2が、生成される(ステップS407〜S409)。
位相物体画像データの生成が完了すると、全画素について、R1及びB2で高輝度(例えば2値化された256階調データのとき255)であり、かつ、G1及びG2で低輝度(例えば2値化された256階調データのとき0)であるか否かの判定が行われる。判定結果がYESであれば、位相物体画像データにおける当該位置の画素の輝度は255とされ、判定結果がNOであれば、該画素の輝度は0とされる(ステップS410〜S415)。最後に、得られた位相物体画像データを記憶して(ステップS416)、位相物体検出ルーチンが終了される。
[特徴と効果]
本実施形態では、複数の波長について前ピント画像データおよび後ピント画像データが取得されて位相物体の検出が行われ、結果が比較される。かかる構成によれば、位相物体の中から特定の種類のもの(波長と屈折率の関係が等しいもの)のみを、画像上で検出することが可能となる。例えば、鉱物の屈折率は、種類によって異なるだけでなく、波長毎に異なる。また、波長による屈折率の変化パターンは、鉱物の種類によって異なる。本実施形態の位相物体検出装置及び位相物体検出方法によれば、多種類の鉱物が混ざり合った試料の中から、クリソタイル等の特定の鉱物のみを検出することができる。
位相差顕微鏡を用いた従来の鉱物分析では、目視により特定の鉱物が存在するか否かの判定が行われていた。本実施形態の位相物体検出装置及び位相物体検出方法によれば、位相差顕微鏡よりも飛躍的に簡潔な装置構成により、特定の鉱物を精度よく検出できる。本実施形態では、デジタル画像データを用いた自動処理により、画像上で特定の鉱物が占める占有面積率を極めて効率よく求めることも可能となる。したがって、鉱物の定性分析のみならず、定量分析も同時に行うことが可能となる。
[変形例]
上述の説明では、クリソタイルを例として取り上げたが、本実施形態はクリソタイルの検出に限定されない。波長と屈折率のパターンに合わせて浸液の屈折率及び解析する波長を調整すれば、多様な鉱物その他の位相物体の検出に用いることができる。
なお、本実施形態ではカラー画像が用いられるため、各画素について輝度データが3個存在する。ピント合わせは、例えば3成分の平均値(全成分の合計)について行われてもよいし、3成分それぞれについて個別に行われてもよい。各成分について別個に初期設定及びピント合わせが行われる場合には、成分毎に画像を最適化できるため、より精度よく位相物体を検出できる。初期設定及び前ピント画像データ、後ピント画像データの取得が、成分毎に行われてもよい。ΔZ1、ΔZ2、Dを成分ごとに最適化して各成分の画像データを取得すれば、さらに精度よく位相物体を検出することができる。
撮像素子としてカラーCCDは必須ではなく、波長の異なる複数の光源とモノクロCCDとが組合せて使用されてもよい。実際の光源は単一とし、分光器等により波長を可変とする構成であってもよい。複数の異なる波長の光を利用する場合には、各波長毎に、得られた画像について位相物体を検出し、結果を比較する。波長の組合せを適宜選択することで、位相物体検出装置10を特定の鉱物に最適化することができ、精度の向上が図られる。
本実施形態の位相物体検出装置10を、実施形態2と同様の、ロボットを備えた隔離ルームに配置すれば、有害鉱物(放射性鉱物や石綿等)の自動検出を安全に行うことも可能となる。
本発明の位相物体検出装置及び位相物体検出方法は、簡潔な装置構成により画像中の位相物体を検出することが可能な位相物体検出装置及び位相物体検出方法として有用である。
培養された細胞試料について撮影された合焦点画像の一例である。 培養された細胞試料を焦点より35μmだけ近くに置いたときの前ピント画像の一例である。 培養された細胞試料を焦点より35μmだけ遠くに置いたときの後ピント画像の一例である。 前ピント画像の輝度、後ピント画像の輝度、前ピント画像から後ピント画像を差し引いた画像、後ピント画像から前ピントの画像を差し引いた画像における、位相物体内部、位相物体周縁部、周辺媒体の明るさ(輝度)を示す表である。 図2の画像から図3の画像を差し引き、コントラストを10倍にした位相物体形状画像である。 図5の位相物体形状画像に対し、2値化とノイズ除去を行った補正後位相物体形状画像である。 図3の画像の輝度から図2の画像の輝度を差し引き、コントラストを10倍にした位相物体輪郭画像である。 図7の位相物体輪郭画像に対し、2値化とノイズ除去、細線化を行った画像である。 図8の画像に1画素分のダイレーション処理(白い領域を拡張する処理)を加えて得られた補正後位相物体輪郭画像である。 図9の画像に対し位相物体領域拡大処理を3回繰り返したときの画像である。 図9の画像に対し位相物体領域拡大処理を6回繰り返したときの画像である。 図11の画像に対して1画素分のダイレーション処理を加えて得られた位相物体画像である。 本発明の第1実施形態の位相物体検出装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態におけるパラメータの設定方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における位相物体の検出方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における撮像素子を2個有する撮像装置の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る自動細胞培養装置の平面図である。 図17の装置をP−P線で破断して矢視右側上方から見た場合の斜視図である。 図17のQ−Q線矢視断面図である。 図17のQ−Q線矢視断面図である。 本発明の第2実施形態の自動細胞培養装置を用いた細胞の培養方法の一例を示すフローチャートである。 鉱物の一例であるクリソタイル及び浸液の、波長と屈折率の関係の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態におけるクリソタイルの検出方法を示すフローチャートである。 位相差顕微鏡で撮影した細胞の画像の一例である。
符号の説明
10 位相物体検出装置
11 光源
12 試料台
13 対物レンズ
14 撮像素子
15 撮像装置
16 ステージ
17 駆動装置
18 制御装置
19 出力装置
20 入力装置
21 制御部
22 記憶部
23 試料
24 穴
53 対物レンズ
54a 撮像素子
54b 撮像素子
55 撮像装置
56 ハーフミラー
100 自動細胞培養装置
111 操作部
112 機器設置部
113 培養操作部
114 インキュベータ部
114a 配管
115 入出庫部
116 冷蔵保管部
117 常温保管部
118a〜d 密閉扉
119 操作ロボット
120a フィルタ部
120b フィルタ部
121 遠心分離器
122 蒸気供給部
123 コントローラ
124 給気用ファン
124a 吸気用プレフィルタ
125 排気用ファン
125a 排気用プレフィルタ
126 シャッター
127 ダンパー
128 密閉シャッター
129 視覚処理部
130a 密閉扉
130b 密閉扉
131 ターンテーブル
132 ピペット装置
133 遠心管ハンドリング装置
134 シャーレ
135 シャーレラック

Claims (9)

  1. 平行光源または点光源からなる光源と、
    前記光源から出射されて試料を透過した光を集光する光学系と、
    前記光学系により集光される光を受光し、該受光された光に基づいて画像信号を生成する撮像素子と、
    前記試料と前記光学系の焦点との相対位置を少なくとも前記光学系の光軸方向に変化させる駆動装置と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置が、前記撮像素子が生成する画像信号から所定のデジタル画像データを生成する位相物体検出装置であって、
    前記制御装置が、
    前記駆動装置を制御することにより前記焦点を前記試料と前記光学系との間の前記光軸上の点に合わせたときに生成される前記デジタル画像データを前ピント画像データとして記憶し、
    前記駆動装置を制御することにより前記試料を前記焦点と前記光学系との間の前記光軸上の点に配置したときに生成される前記デジタル画像データを後ピント画像データとして記憶し、
    画像上の各画素につき前記前ピント画像データにおける輝度から前記後ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた位相物体形状画像データと、画像上の各画素につき前記後ピント画像データにおける輝度から前記前ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた位相物体輪郭画像データとに基づいて、位相物体が画像上に占める領域を検出する、位相物体検出装置。
  2. 前記制御装置が、前記位相物体形状画像データについて少なくとも2値化を含む処理を行って補正済位相物体形状画像データを生成し、
    前記位相物体輪郭画像データについて少なくとも2値化及び細線化を含む処理を行って補正済位相物体輪郭画像データを生成し、
    前記補正済位相物体形状画像データについてダイレーションを行った後で画像上の各画素につき前記補正済位相物体輪郭画像データにおける輝度を差し引く処理を有する位相物体領域拡大処理を少なくとも一回行って位相物体画像データを生成する、請求項に記載の位相物体検出装置。
  3. 前記位相物体は細胞である、請求項に記載の位相物体検出装置。
  4. 前記制御装置が前記位相物体画像データに基づいて細胞占有面積率を演算する、請求項に記載の位相物体検出装置。
  5. 前記制御装置が位相物体領域拡大処理をベッケ線の幅に相当する画素数だけ行なう、請求項に記載の位相物体検出装置。
  6. 平行光源または点光源からなる光源と、
    前記光源から出射されて試料を透過した光を集光する光学系と、
    前記光学系により集光される光を受光し、該受光された光に基づいて画像信号を生成する撮像素子と、
    前記試料と前記光学系の焦点との相対位置を少なくとも前記光学系の光軸方向に変化させる駆動装置と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置が、前記撮像素子が生成する画像信号から所定のデジタル画像データを生成する位相物体検出装置であって、
    前記撮像素子は、複数の波長の光について画像信号を生成する撮像素子であり、
    前記制御装置は、
    前記複数の波長の光についてそれぞれ
    前記駆動装置を制御することにより前記焦点を前記試料と前記光学系との間の前記光軸上の点に合わせたときに生成される前記デジタル画像データを前ピント画像データとして記憶し、
    前記駆動装置を制御することにより前記試料を前記焦点と前記光学系との間の前記光軸上の点に配置したときに生成される前記デジタル画像データを後ピント画像データとして記憶し、
    前記前ピント画像データ及び前記後ピント画像データを用いて位相物体画像データを生成し、
    前記複数の波長の光についてそれぞれ得られた複数の位相物体画像データを比較することで特定の位相物体を選択的に検出する位相物体検出装置。
  7. 平行光源または点光源からなる光源と、
    前記光源から出射されて試料を透過した光を集光する光学系と、
    前記光学系により集光される光を受光し、該受光された光に基づいて画像信号を生成する撮像素子と、
    前記試料と前記光学系の焦点との相対位置を少なくとも前記光学系の光軸方向に変化させる駆動装置と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置が、前記撮像素子が生成する画像信号から所定のデジタル画像データを生成する位相物体検出装置であって、
    前記光源は複数の波長の光を出射する光源であり、
    前記制御装置は、
    前記複数の波長の光についてそれぞれ
    前記駆動装置を制御することにより前記焦点を前記試料と前記光学系との間の前記光軸上の点に合わせたときに生成される前記デジタル画像データを前ピント画像データとして記憶し、
    前記駆動装置を制御することにより前記試料を前記焦点と前記光学系との間の前記光軸上の点に配置したときに生成される前記デジタル画像データを後ピント画像データとして記憶し、
    前記前ピント画像データ及び前記後ピント画像データを用いて位相物体画像データを生成し、
    前記複数の波長の光についてそれぞれ得られた複数の位相物体画像データを比較することで特定の位相物体を選択的に検出する位相物体検出装置。
  8. 平行光源または点光源から出射されて試料を透過した光を光学系により集光し、
    前記集光された光を前記撮像素子に受光させ、
    前記撮像素子から生成される画像信号からデジタル画像データを生成する位相物体検出方法であって、
    前記光学系の焦点を前記試料と前記光学系との間の前記光軸上の点に合わせたときに生成される前記デジタル画像データを前ピント画像データとして記憶手段に記憶し、
    前記試料を前記焦点と前記光学系との間の前記光軸上の点に配置したときに生成される前記デジタル画像データを後ピント画像データとして前記記憶手段に記憶し、
    画像上の各画素につき前記前ピント画像データにおける輝度から前記後ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた画像データを位相物体形状画像データとし、
    画像上の各画素につき前記後ピント画像データにおける輝度から前記前ピント画像データにおける輝度を差し引いて得られた画像データを位相物体輪郭画像データとし、
    位相物体形状画像データと位相物体輪郭画像データとに基づいて、位相物体が画像上に占める領域を検出する、位相物体検出方法。
  9. 前記位相物体形状画像データについて少なくとも2値化を含む処理を行って補正済位相物体形状画像データを生成し、
    前記位相物体輪郭画像データについて少なくとも2値化及び細線化を含む処理を行って補正済位相物体輪郭画像データを生成し、
    前記補正済位相物体形状画像データについてダイレーションを行った後で画像上の各画素につき前記補正済位相物体輪郭画像データにおける輝度を差し引く処理を有する位相物体領域拡大処理を少なくとも一回行って位相物体画像データを生成する、請求項に記載の位相物体検出方法。
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