JP4868941B2 - ファンフィルタユニット取付構造 - Google Patents
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Description
このような従来のファンフィルタユニット取付構造では、クリーンルームの天井裏に作業者が入ることができる程度の大きなメンテナンス空間を確保する必要がある。しかしながら、最近のクリーンルームでは床下に生産用配管や電気配線を収納するようになっており、床が高くなってしまう分、天井裏のスペースが狭くなってしまっている。このため、従来のようなファンフィルタユニット取付構造であっても、工場稼働後にはクリーンルームの室内側からフィルタ交換等のメンテナンスを行う必要がある。
このファンフィルタユニット取付構造においては、角筒状の格子状枠101が長尺の吊りボルト120及び吊りボルト用部材108を介して吊設され、その格子状枠101の側面に、全周にわたる長方形の枠材(取付部材)110が、所定箇所の設けられたボルト111によって着脱自在に設けられ、この枠材110の上面に、ガスケット106を介してフィルタユニット107が載置されている。また、フィルタユニット107の上面にガスケット105を介してファンユニット103が載置されている。
ファンユニット103の折返部分104の下方位置には、ボルト頭部を格子状枠101内に位置させて、スライドボルト112が所定間隔をおいて螺合され、ボルト頭部を回転させることにより、その先端部分が折返部分104に向けて出没自在に設けられている。そして、スライドボルト112は、格子状枠101の上面から突出させた際に、折返部分104に当接してファンユニット103の荷重を支承することができる長さ寸法に形成されている。他方、このスライドボルト112の下方に位置する格子状枠101の下面には、スライドボルト112の回動操作が可能な大きさの開口部102が穿設されている。
ここで、工場稼働時にクリーンルームの構成部材からの発ガスの影響をなくし、配管経路等を清浄化する目的で、クリーンルームシステムを空運転してから本格稼働している。しかしながら、この空運転が新品フィルタへ負荷をかけることになり、フィルタ寿命を短くする原因の一つとなっている。特に、低発ガスフィルタ仕様のファンフィルタユニットでは、フィルタ自身からの発ガスがほとんどないにもかかわらず、クリーンルームシステムの空運転により、他のクリーンルームの構成部材から発生するガスにより汚染され、低発ガスフィルタでなくなるおそれがあった。
前記格子状枠上にガスケットを介して前記ファンユニットを載置し、前記ファン枠の端部を前記吊りボルトを係合するために前記格子状枠上に設けられた吊りボルト用部材の溝に係合されるファン枠押さえ部材で固定するとともに、室内側から前記ファン枠に締付部材により前記フィルタユニットを取付固定したことを特徴とする。
また、請求項2に記載のファンフィルタユニット取付構造は、請求項1に記載のファンフィルタユニット取付構造において、前記格子状枠の上面には、該格子状枠の長手方向に沿って、その幅よりも狭い吊りボルト用部材が設けられ、前記格子状枠は、前記吊りボルト用部材を介して吊りボルトにより吊設されるとともに、前記ファン枠の端部には、前記吊りボルト用部材の側面に沿って立ち上がるように折曲部が設けられ、前記ファン枠押さえ部材により前記折曲部が押さえ付けられていることを特徴とする。
また、請求項3に記載のファンフィルタユニット取付構造は、請求項1又は2に記載のファンフィルタユニット取付構造において、前記ファンユニットの上流側にケミカルフィルタを設置したことを特徴とする。
また、最後に室内側からフィルタユニットを取り付けることができるため、フィルタ交換のためのメンテナンススペースを天井裏に確保する必要がない。さらに、ファンとフィルタが一体化したファンフィルタユニットを取り扱う必要がないため、ファンフィルタユニット設置時に起こり得るフィルタユニットの破損等の問題もなくなる。
また、工場稼働時にクリーンルームを空運転してから最後にフィルタユニットを取り付けることにより、従来のフィルタ寿命の低下や、他のクリーンルームの構成部材からの発ガスによるガス汚染等の問題を回避することができる。特に、低発ガスフィルタ仕様の場合には、その効果が顕著である。
また、工場稼働時にクリーンルームを空運転する際に、ファンユニットの上流側にケミカルフィルタを設置することにより、フィルタ以外から発生した汚染ガスがクリーンルーム内を循環する際にいつまでも循環することがなく、短時間に汚染ガスを除去することができる。
まず、本発明のファンフィルタユニット取付構造を説明する。図1は、本発明の一実施形態におけるファンフィルタユニット取付構造の平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図であり、図3は、図1のB−B線断面図である。
図1〜図3に示すように、本発明のファンフィルタユニット取付構造は、格子状枠1からなるシステム天井に用いられるものであり、格子状枠1の上面には、格子状枠1の長手方向に沿って、その幅よりも狭い吊りボルト用部材4が設けられている。そして、ファンフィルタユニット取付構造は、この吊りボルト用部材4の受部(溝)4aを介して、吊りボルト2で吊った格子状枠1上に、フィルタユニット23とファンユニット13とからなるファンフィルタユニット10を載置固定した構造を有する。なお、本実施形態では、図1に示すように、吊りボルト2は、格子状枠1の各交点に設けられている。
ファンユニット13は、格子状枠1の上面であって、吊りボルト用部材4で囲われた空間に落とし込まれ、ファン枠12の載置部12bが、ガスケット5を介して格子状枠1の上面に載置されるとともに、ファン枠12の端部となる折返部12cが吊りボルト用部材4の内周面(側面)に沿って立ち上がるよう構成されている。そして、ファン枠押さえ部材3の係合片3aは、ファン枠12の折返部12cをファン枠押さえ部材3で押さえるように、吊りボルト用部材4の受部4aに係合固定されている。また、フィルタユニット23は、下流側からファン枠12の載置部12bのガスケット5に当接していない部分に、締付部材(ビス)6により取付固定されている。このような構成としているので、ファンユニット13及びフィルタユニット23の荷重は、ガスケット5を介してファンフィルタユニット10の周囲に設けられた格子状枠1の上面で支えられている。また、ファンユニット13の上下方向及び水平方向への動きは、ファン枠押さえ部材3及び格子状枠1上の吊りボルト用部材4によってそれぞれ封じられているため、地震等の振動により気密性が低下してガスが漏洩したり、フィルタが室内に落下したりする等の問題を起こすことがない。
本実施形態では、説明を容易にするために、格子状枠1の1つの開口部分に、1つのファンフィルタユニット10を設けた場合について図示しているが、必要に応じ、格子状枠1の各開口部分にそれぞれファンフィルタユニット10を設けてもよく、適宜所定の開口を封止してもよい。
また、本実施形態では、締付部材6とそれを挿入・固定する部材として、ビス6及びナットサート7を用いてフィルタユニット23とファンユニット13とを締め付け一体化する場合を示したが、本発明は、これに限らず、通常のボルト・ナットの組み合わせとしてもよい。
さらに、本実施形態では、ビスの頭部とファン枠12の載置部12bとの間にシール部材8としてパッキンを用いる場合を説明したが、ファンフィルタユニット10の気密性を更に向上するために、ナットサート7とファン枠12の載置部12bとの間をコーキング剤で目止めしてもよい。
また、本実施形態では、ファン枠押さえ部材3の平板部分で押さえることにより、ファン枠12の折返部12cを吊りボルト用部材4に当接させて固定したが、本発明は、これに限らず、ファン枠押さえ部材3の平板部分を略コ字状板(下方に開口した略U字状板)とすることにより、ファン枠12の折返部12cを包み込んで固定するとともに、載置部12bをガスケット5側に向けて下方に押さえつけるような構造としてもよい。また、このように略コ字状板とした場合には、ファン枠12に折返部12cがなくてもよい。
作業者は、クリーンルームの天井裏に入り、格子状枠1の上面であって、吊りボルト用部材4で囲われた空間に、ファン枠12内にファン11を予め取付固定したファンユニット13を落とし込み、ファンユニット13の裏面に貼着したガスケット5を介して格子状枠1の上面に載置して、ファンユニット13の自重によりクリーンルームと天井裏との間を気密シール化する。
次いで、ファン枠押さえ部材3の係合片3aを吊りボルト用部材4の受部4aに係合固定することにより、載置したファン枠12の端部である折返部12cをファン枠押さえ部材3で押さえ、ファンフィルタユニット10が振動等で動かないように、折返部12cをしっかりと固定する。
次いで、空運転を終了した後、室内側からフィルタユニット23を格子状枠1で形成される開口に持ち上げて、ファン枠12に設けた各ナットサート7に、フィルタ枠22の開口22a、22bを通して締付部材6を締め付けてフィルタユニット23を固定することにより、上面開口22bにシール部材(パッキン)8を当接させて気密シールする(取付工程)。これにより、フィルタユニット23とファンユニット13とを一体化して、本発明の一実施形態におけるファンフィルタユニット取付構造の組立方法を完了する。
本発明では、このような組立方法を用いているので、フィルタユニット23を交換する場合には、各締付部材6を緩めて、使用済のフィルタユニット23を取り外した後、上述の取付工程のように、新しいフィルタユニット23を室内側からファン枠12に締付・固定すればよい。
上述の実施形態では、フィルタユニット23に粒子除去用のフィルタパック21を用いた場合を示したが、図5に示すように、ファンユニット13の上流側にガス吸着用のケミカルフィルタ30を設置してもよい。これにより、フィルタパック21以外から発生した汚染ガスがクリーンルーム内循環時にいつまでも循環することがなく、短時間に汚染ガスを除去することができる。
また、本発明のファンフィルタユニット取付構造の取付方法において、クリーンルームシステムの空運転の後、図5に示すようなケミカルフィルタ30を載置する工程を含んでいてもよい。
2 吊りボルト
3 ファン枠押さえ部材
3a 係合片
4 吊りボルト用部材
4a 受部
5 ガスケット
6 締付部材
7 ナットサート
8 シール部材
10 ファンフィルタユニット
11 ファン
12 ファン枠
12a ファン収納部
12b 載置部
12c 折返部
13 ファンユニット
21 フィルタパック
22 フィルタ枠
22a 下面開口
22b 上面開口
23 フィルタユニット
30 ケミカルフィルタ
Claims (3)
- 吊りボルトで吊設される格子状枠からなるシステム天井の格子状枠の開口部分に取り付けられ、ファンをファン枠に収容したファンユニットと、フィルタパックをフィルタ枠に収容したフィルタユニットとを含むファンフィルタユニット取付構造であって、
前記格子状枠上にガスケットを介して前記ファンユニットを載置し、前記ファン枠の端部を前記吊りボルトを係合するために前記格子状枠上に設けられた吊りボルト用部材の溝に係合されるファン枠押さえ部材で固定するとともに、室内側から前記ファン枠に締付部材により前記フィルタユニットを取付固定したことを特徴とするファンフィルタユニット取付構造。 - 前記格子状枠の上面には、該格子状枠の長手方向に沿って、その幅よりも狭い吊りボルト用部材が設けられ、前記格子状枠は、前記吊りボルト用部材を介して吊りボルトにより吊設されるとともに、前記ファン枠の端部には、前記吊りボルト用部材の側面に沿って立ち上がるように折曲部が設けられ、前記ファン枠押さえ部材により前記折曲部が押さえ付けられていることを特徴とする請求項1記載のファンフィルタユニット取付構造。
- 前記ファンユニットの上流側にケミカルフィルタを設置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のファンフィルタユニット取付構造。
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