JP4868527B2 - 試料導入マイクロデバイス - Google Patents
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Description
このような分野では、反応流路の等価直径(流路の断面を円に換算したときの直径)が500μmより小さいものが微小流路とされている。そして、このような微小流路のように、流路のスケールが微小化すると、単位体積当たりの表面積が非常に大きくなるという特徴がある。
このような分野に供される試料導入マイクロデバイスの構造に関する従来技術として、以下に示すように、圧電素子を用いたデフューザ型のマイクロポンプの形態を持つ試料導入マイクロデバイスや、インクジェット技術を応用したディスペンサ型の形態を持つ試料導入マイクロデバイスが提案されている。
図5において、試料導入マイクロデバイスには、蓋板16eおよび基板17eが設けられ、蓋板16eは基板17e上に固定されている。
ここで、基板17eには、加圧室1eが形成されるとともに、加圧室1eの入口側には、デフューザ2eを有する微小流路4eが形成され、加圧室1eの出口側には、デフューザ3eを有する微小流路5eが形成されている。
そして、圧電素子10eを動作させて振動板11eを振動させると、加圧室1eの容積が変化し、加圧室1eが膨張することで流体を吸い込ませ、加圧室1eが収縮することで流体を吐出させるという動作を繰り返すことで送液することができる。また、振動板11eにより生じる流れが流路形状の抵抗差によって変化することを利用して、狭い方から広い方への流れを作り出すことができる。
図6において、試料導入マイクロデバイスには、蓋板16fおよび基板17fが設けられ、蓋板16fは基板17f上に固定されている。
ここで、基板17fには、加圧室1fが形成されるとともに、加圧室1fの入口側には、微小流路12fが形成されている。また、加圧室1fの出口側には、微小流路13fを介して毛細管効果を持つノズル形状流路14fが形成され、ノズル形状流路14fの先端にはノズル穴15fが設けられ、ノズル穴15fにおいて液体と気体との界面が形成されるように構成されている。
そして、圧電素子10fを動作させて振動板11fを振動させると、加圧室1fの容積が変化し、加圧室1fが膨張することで流体を吸い込ませ、加圧室1fが収縮することで流体を吐出させるという動作を繰り返すことで送液することができる。そして、振動板11fの変位により送液された液体は、ノズル形状流路14fの毛細管力を利用してノズル穴15fに供給されながら、ノズル穴15fから微小の液滴状に押し出すことができる。
そこで、本発明の目的は、必要なタイミングで必要な量だけ試料を導入することが可能な試料導入マイクロデバイスを提供することである。
これにより、試料導入マイクロデバイス内に導入された余剰分の試料を排出口から排出させることができ、試料導入マイクロデバイスの上流から断続的に試料が供給された場合においても、必要なタイミングで必要な量だけ試料導入マイクロデバイスの下流に試料を導入することができる。
図1(a)および図1(b)は、本発明の第1実施形態に係る試料導入マイクロデバイスを層方向に分解して示す平面図、図1(c)は、本発明の第1実施形態に係る試料導入マイクロデバイスの概略構成を示す平面図である。
図1において、試料導入マイクロデバイスには、蓋板16aおよび基板17aが設けられ、蓋板16aは基板17a上に固定されている。なお、蓋板16aおよび基板17aの材質としては、例えば、シリコン、ガラス、プラスチックまたはステンレス鋼などを用いることができる。
また、蓋板16aには、微小流路12aの一端に接続された供給口7aおよび微小流路18aの先端に接続された排出口20aが形成され、蓋板16a上には、蓋板16aを振動板として駆動するための圧電素子10aが加圧室1a上に位置するように配置されている。
そして、試料導入マイクロデバイス内に導入された過剰分の試料を排出口20aから排出させる時に、ノズル穴15aから試料が漏れ出すのを抑制するために、排出口20aに接続された微小流路18aの流路抵抗は、ノズル穴15aに接続されたノズル形状流路14aの流路抵抗よりも小さいことが好ましい。あるいは、ノズル形状流路14aの表面にフッ素加工などを施すことにより、ノズル形状流路14aの表面に撥水性を持たせるようにしてもよい。
そして、試料導入マイクロデバイス内に導入された過剰分の試料が排出口20aから排出されると、供給口7aから試料を供給しながら、圧電素子10aを動作させる。すると、微小流路12a→加圧室1a→微小流路13a→ノズル形状流路14aという経路で試料の一部または全量が送液され、ノズル形状流路14aの毛細管力を利用してノズル穴15aに試料を供給させながら、ノズル穴15aから微小の液滴状に試料を押し出すことができる。
なお、ノズル穴15aから試料を吐出させる時に排出口20aから試料が排出されるのを防止するために、排出口20aにバルブを設けるようにしてもよい。ここで、排出口20aにバルブを設ける方法としては、排出口20aに配管を介してバルブを接続するようにしてもよいし、排出口20aとバルブとを中継する配管を用いることなく、蓋板16aにバルブを搭載し、排出口20aにバルブを直結するようにしてもよい。
図2において、試料導入マイクロデバイスには、蓋板16bおよび基板17bが設けられ、蓋板16bは基板17b上に固定されている。
ここで、基板17bには、加圧室1bが形成されるとともに、加圧室1bの入口側には、微小流路12bが形成されている。また、加圧室1bの出口側には、微小流路13bを介して毛細管効果を持つノズル形状流路14bが形成され、ノズル形状流路14bの先端にはノズル穴15bが設けられ、ノズル穴15bにおいて液体と気体との界面が形成されるように構成されている。また、微小流路13bには、分岐点19bを介して分岐したS字状の微小流路18bが接続され、微小流路18bの一部の区間には加圧室21bが形成されている。ここで、微小流路18bにおいて、加圧室21bの入口側にはデフューザ22bが形成され、加圧室21bの出口側にはデフューザ23bが形成されている。
そして、圧電素子10bの動作を停止させるとともに、圧電素子24bを動作させながら、供給口7bから試料を供給すると、微小流路12b→加圧室1b→微小流路13b→微小流路18b→デフューザ22b→加圧室21b→デフューザ23b→微小流路18b→という経路で試料が送液され、試料導入マイクロデバイス内に導入された過剰分の試料が排出口20bから排出される。
図3において、試料導入マイクロデバイスには、蓋板16cおよび基板17cが設けられ、蓋板16cは基板17c上に固定されている。
ここで、基板17cには、加圧室1cが形成されるとともに、加圧室1cの入口側には、微小流路12cが形成されている。また、加圧室1cの出口側には、微小流路13cを介して毛細管効果を持つノズル形状流路14cが形成され、ノズル形状流路14cの先端にはノズル穴15cが設けられ、ノズル穴15cにおいて液体と気体との界面が形成されるように構成されている。また、微小流路13cには、分岐点19cを介して分岐したS字状の微小流路18cが接続され、微小流路18cの一部の区間には加圧室21cが形成されるとともに、微小流路18cには毛細管効果を持つノズル形状流路27cが接続されている。そして、ノズル形状流路27cの先端にはノズル穴25cが設けられ、ノズル穴25cにおいて液体と気体との界面が形成されるように構成されている。
ここで、ノズル穴25cは、試料導入マイクロデバイス内に導入された過剰分の試料を排出することができ、ノズル穴15cは、必要なタイミングで必要な量だけ試料を吐出することができる。
図4において、試料導入マイクロデバイスには、蓋板16dおよび基板17dが設けられ、蓋板16dは基板17d上に固定されている。
ここで、基板17dには、加圧室1dが形成されるとともに、加圧室1dの入口側には、微小流路12dが形成されている。また、加圧室1dの出口側には、微小流路13dを介して毛細管効果を持つノズル形状流路14dが形成され、ノズル形状流路14dの先端にはノズル穴15dが設けられ、ノズル穴15dにおいて液体と気体との界面が形成されるように構成されている。
また、微小流路13dには、分岐点19dを介して分岐した微小流路18dが接続され、微小流路18dは、分岐点34dを介してノズル形状流路32dの途中に接続されている。
ここで、ノズル穴33dは、試料導入マイクロデバイス内に導入された過剰分の試料を排出することができ、ノズル穴15dは、必要なタイミングで必要な量だけ試料を吐出することができる。また、供給口7dは、試料導入マイクロデバイス内に試料を導入するために用いることができ、供給口28dは、試料導入マイクロデバイス内に導入された過剰分の試料を排出させるための呼び水となる液体を導入するために用いることができる。
7a、7b、7c、7d、28d 供給口
10a、10b、24b、10c、24c、10d、35d 圧電素子
12a、13a、18a、12b、13b、18b、22b、23b、12c、13c、18c、26c、12d、13d、18d、29d、31d 微小流路
14a、14b、14c、14d、27c、32d ノズル形状流路
15a、15b、15c、15d、25c、33d ノズル穴
16a、16b、16c、16d 蓋板
17a、17b、17c、17d 基板
19a、19b、19c、19d 分岐点
20a、20b 流出口
22b、23b デフューザ
34d 合流点
Claims (1)
- 基板(17d)と、該基板の表面を覆う蓋板(16d)と、該蓋板の上に設置された第1の圧電素子(10d)とを具備し、
前記第1の圧電素子で発生した振動力により液体を加圧する第1の加圧室(1d)と、該第1の加圧室に液体を導入する第1の微小流路(12d)と、前記第1の加圧室に導入された液体を排出する第2の微小流路(13d)と、該第2の微小流路を流通した液体を前記基板の外部に吐出する第1のノズル形状流路(14d)と、前記第2の微小流路を流通した液体の流れを前記第1のノズル形状流路に流入する流れと前記第1のノズル形状流路に流入しない流れとに分岐する第3の微小流路(18d)と、該第3の微小流路を流通した液体を前記基板の外部に吐出する第2のノズル形状流路(32d)が前記基板の表面に形成されているとともに、前記第1の微小流路に液体を供給する第1の供給口(7b)が前記蓋板に形成された試料導入マイクロデバイスであって、
前記基板の表面に第2の加圧室(30d)と、該第2の加圧室に液体を導入する第4の微小流路(29d)と、前記第2の加圧室に導入された液体を前記第2のノズル形状流路に導入する第3のノズル形状流路(31d)とを形成するとともに、前記第4の微小流路に液体を供給する第2の供給口(28d)を前記蓋板に形成し、かつ前記第2の加圧室に流入した液体を振動力により加圧する第2の圧電素子(35d)を前記蓋板の上に設置したことを特徴とする試料導入マイクロデバイス。
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