JP4868297B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は内燃機関の制御装置に関する。
よく知られているように、ディーゼルエンジンの燃料として使用される軽油にはセタン価と呼ばれる指標があり、セタン価の数値によって燃焼性能、特に着火時期が変化する。特にPCCI燃焼(Premixed Charge Compression Ignition:予混合燃焼)のように酸素濃度が低く不安定な燃焼では、燃料のセタン価が替わると着火時期が大きく変化してしまう。低セタン価の燃料が使用される場合には、着火遅れの増大によって場合によっては失火する可能性がある。通常の走行時に失火が起きると運転者のフィーリング悪化や白煙などの問題を引き起こす場合がある。
一般に市販されている軽油のセタン価にはばらつきがあるため、セタン価にあわせて着火時期を制御することが望まれる。例えば下記特許文献1では、エンジンの運転中に使用している燃料のセタン価を検出する技術が開示されている。同文献では、検出されたセタン価に応じて燃料噴射時期が制御される。同文献では着火遅れ時間(着火遅れ)とセタン価との関係を示すマップを記憶しておき、このマップに基づいて着火遅れ時間からセタン価を算出している。着火遅れ時間とセタン価との関係を示すマップ(以下、適合マップと呼ぶ)の例が図10に示されている。
図9には噴射タイミングと熱発生率との関係が示されている。同図に示されているように、一般に低セタン価の燃料の場合は高セタン価の場合と比較して、着火遅れが大きい。したがってセタン価と着火遅れとの関係をプロットすると図10のようになる。
特開2006−16994号公報
特許文献1の手法では適合マップが使用されたが、適合マップは通常、基準となるある1つのエンジンに対して求められたものであるため、使用する個々のエンジンに対しては正確なセタン価を示さない可能性がある。
例えばエンジンの回転数を検出するために設置されるパルサに起因する誤差の可能性がある。図5にはパルサ信号、噴射時期、熱発生率の関係が示されている。クランクと一体に回転するパルサまでの距離を電磁ピックアップにより検出して補正することにより、パルサの歯の部分と歯以外の部分とに対応する2値からなる矩形波の信号が得られる。これがパルサ信号である。
噴射時期は例えば、パルサ信号におけるある基準の歯からある時間後に噴射を開始して、その後ある時間噴射するといったかたちで設定される。図5では基準の歯からaミリ秒後に噴射を開始している。また着火遅れ時間は、熱発生率の波形が立ち上がった時間が、パルサ信号のどの歯の何ミリ秒後であるかから算出される。図5では噴射時期の基準の歯からTミリ秒後の歯のさらにbミリ秒後に燃料の燃焼による熱の発生が開始している。したがって図5の場合は、T−a+bが着火遅れ時間となる。
しかしパルサは機械加工によって製作されるために、加工公差の分だけ各歯の位置がずれる。したがって例えば図5に示されているように、誤差なく加工されている場合のパルサ信号(破線)の場合には、熱発生率の立ち上がりが、ある歯からb’ミリ秒後であるのに、実際のパルサを用いた場合である実線のパルサ信号では加工誤差の影響でbミリ秒後と計測されてしまう。bとb’との差が加工公差による着火遅れの誤差となる。こうした着火遅れ時間の誤差によってセタン価の推定精度が低減する。
また別の要因による着火時期のずれが図6に示されている。一般に着火時期はエンジンの圧縮比に影響される。したがって例えばエンジンAとエンジンBとで圧縮比が異なった場合、図6のようにエンジンAに対する着火遅れ時間TAとエンジンBに対する着火遅れ時間TBとが異なる。よって、ある圧縮比のエンジンに対して求められた適合マップを別のエンジンに対して用いたときに、使用するエンジンの圧縮比が異なるために、着火時期がずれてセタン価の推定値が不正確となる可能性がある。
以上のようなパルサの歯型加工公差や、圧縮比のばらつきによる着火時期のずれによって適合マップが正確なセタン価の推定精度が低減する問題は上記特許文献1を含めて従来文献では考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、パルサの歯型加工公差や、圧縮比のばらつきによる着火時期のずれの存在下でも、精度よくセタン価が推定できる内燃機関の制御装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の内燃機関の制御装置は、内燃機関における着火遅れと燃料のセタン価との間の特性を記憶する記憶手段と、前記内燃機関における着火遅れを検出する検出手段と、セタン価が既知の燃料に対して前記検出手段によって検出された着火遅れに応じて前記記憶手段に記憶された前記特性を補正する補正手段と、その補正手段によって補正された前記特性と、セタン価が未知の燃料に対して前記検出手段によって検出された着火遅れとから、前記セタン価が未知の燃料のセタン価を推定する推定手段とを備え、各々のセタン価において、前記補正後の前記特性における着火遅れと前記補正前の前記特性における着火遅れとの差を補正量とし、前記セタン価が既知の燃料のセタン価を既知セタン価として、全てのセタン価における前記補正量は同一であり、前記補正後の前記特性における前記既知セタン価での着火遅れが前記検出手段によって検出された着火遅れと一致することを特徴とする。
これにより本発明の内燃機関の制御装置では、セタン価が既知の燃料に対する着火遅れを検出手段によって検出して、それを用いてセタン価と着火遅れとの間の特性を補正するので、使用する内燃機関に即して特性が補正される。したがって使用する内燃機関の個体差を考慮した補正がおこなえるので、上で述べたようなパルサの歯型加工公差や、圧縮比のばらつきによる着火時期のずれの存在下でも、精度よくセタン価が推定できる特性へと補正できる。したがって使用する内燃機関に応じて特性を補正してセタン価が精度良く推定できる内燃機関の制御装置が実現できる。
また前記推定手段によって推定されたセタン価に応じて前記内燃機関における燃料の噴射時期を調節する調節手段を備えたとしてもよい。
これにより調節手段によってセタン価に応じて燃料の噴射時期を調節するので、上記効果とあわせて、使用する内燃機関の個体差に応じて特性を補正することによって、パルサの歯型加工公差や、圧縮比のばらつきによる着火時期のずれの存在下でも精度よくセタン価を推定して、そのセタン価に応じて適切に噴射時期を調節できる。したがってパルサの歯型加工公差や、圧縮比のばらつきによる着火時期のずれが存在しても、失火などの危険性が低減した内燃機関の制御装置が実現できる。
また各々のセタン価において、前記補正後の前記特性における着火遅れと前記補正前の前記特性における着火遅れとの差を補正量とし、前記セタン価が既知の燃料のセタン価を既知セタン価として、全てのセタン価における前記補正量は同一であり、前記補正後の前記特性における前記既知セタン価での着火遅れが前記検出手段によって検出された着火遅れと一致するとしてもよい。
これにより、セタン価と着火遅れとの間の特性を、補正後の特性では既知セタン価における着火遅れの値が検出手段によって検出された着火遅れの値とし、すべてのセタン価での補正量を同一とする補正をおこなう。このように使用する内燃機関に応じて特性を補正することにより、パルサの歯型加工公差や、圧縮比のばらつきによる着火時期のずれの存在下でも精度良くセタン価が推定できる特性が得られる。
また各々のセタン価において、前記補正後の前記特性における着火遅れと前記補正前の前記特性における着火遅れとの差を補正量とし、前記セタン価が既知の燃料のセタン価を既知セタン価として、セタン価が小さいほど前記補正量の絶対値は大きく、前記補正後の前記特性における前記既知セタン価での着火遅れが前記検出手段によって検出された着火遅れと一致するとしてもよい。
これによりセタン価が小さいほど補正量の絶対値を大きくする補正をおこなうので、特性においてセタン価が低くて着火遅れが大きい領域ほどパルサの歯型加工公差や圧縮比のばらつきの着火遅れに及ぼす感度が大きい性質に対処できる。したがって精度よくセタン価が推定できる特性に補正できる内燃機関の制御装置が実現できる。
以下で本発明の内燃機関の排気浄化装置の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置1の装置構成の概略図である。図1における制御装置1は、ディーゼルエンジン2(エンジン)に対して構成されている。図1の内燃機関及び制御装置1は主に、エンジン2、吸気管3、排気管4、電子制御装置5(ECU)からなる。
エンジン2へは吸気管3から空気(新気、吸気)が送られ、エンジン2からの排気は排気管4へ排出される。エンジン2にはインジェクタ21、筒内圧センサ22が装備されている。インジェクタ21から気筒内に燃料が噴射される。噴射時期や噴射量はECU5により制御される。また筒内圧センサ22によって気筒内の圧力が計測されて、その計測値はECU5に送られる。ECU5では、筒内圧センサ22の計測値から熱発生率を算出する。その計算方法は従来技術であるので説明を省略する。筒内圧センサ22は、着火性、始動性を良好にするためのグロープラグと一体化されて装備されてもよい。
制御装置1にはパルサ60と電磁ピックアップ61とが装備されている。パルサ60は図示しないクランクと一体に回転する。電磁ピックアップ61は、磁界の計測によって回転するパルサ60までの距離を検出する。パルサ60には歯が形成されており、歯の部分と、歯以外の部分とでは電磁ピックアップ61までの距離が異なる。電磁ピックアップ61によってこの距離の違いが検出された計測値がECU5に送られる。ECU5において、所定の閾値より大きい部分と小さい部分とで2値化する波形成形が行われて、図5に示されたような矩形波のパルサ信号が形成される。したがってパルサ信号の各矩形部分は、個々の歯の部分に対応している。
ECU5はCPUやメモリ51などからなる通常のコンピュータの構造を有するとする。さらにECU5は入力部52を有しており、この入力部52によってECU5に数値を入力することができるとする。
本実施形態では、以上の装置構成によってエンジン2に使用される燃料のセタン価の推定、及び燃料の噴射時期の調節が行われる。燃料のセタン価の推定のために、予め適合マップ(前述)を記憶しておき、工場からの出荷時にセタン価が既知の燃料を用いて適合マップを補正する。そして実走行時に補正された適合マップによりセタン価を推定し、その推定値により燃料の噴射時期を調節する。
その処理手順が図2、図3に示されている。まず図2には工場出荷時の処理手順が示されている。そして図3には実走行時の処理手順が示されている。図2、3の処理手順は、明示されない限りECU5によって自動的に順次実行されるとすればよい。
図2の処理手順ではまず、セタン価が既知の燃料を用意する。さらに基準のエンジンにおけるセタン価と着火遅れとの関係を示す適合マップをメモリ51に記憶させておく。そして手順S10で燃料のセタン価(すなわち既知のセタン価の値)をECU5に入力する。この手順では、入力部52を用いてセタン価の数値を入力すればよい。
次にS20でエンジン2の運転条件を設定する。ここではエンジン回転数や噴射量などを規定の数値に設定するとすればよい。次にS30では、セタン価が既知の燃料をエンジン2に供給して、S20で設定した運転条件のもとで実際にエンジン2を運転する。そして着火遅れを検出する。着火遅れの検出では、図5等に示したように、電磁ピックアップ61を用いてパルサ信号を検出し、さらに筒内圧センサ22の計測値から熱発生率を算出して、パルサ信号を基準にして、燃料噴射の開始から熱発生率の波形の立ち上がりまでの時間を算出すればよい。
以上によりセタン価と着火遅れとが得られたので、これらを用いてS40で適合マップを補正する。補正方法は図4に示されている。図4では実線100が補正前の適合マップを、破線101が補正後の適合マップを示している。図中のCN0が上で述べた既知のセタン価(既知セタン価)である。そしてT1がS30で検出された着火遅れである。
図4のとおり、補正前の適合マップ100でのセタン価がCN0のときの着火遅れをT0とする。一方S30で検出された着火遅れはT1である。一般にはT0とT1との間には図4に示されたようにずれがある。そこで、セタン価がCN0で着火遅れがT1の点をP1とし、セタン価がCN0で着火遅れがT0の点を点P0として、S40の手順では点P0が点P1と重なるように実線の適合マップ100を破線101へと平行移動する補正を行う。この補正によって、図4の場合では適合マップにおいて各着火遅れに対しΔCNだけセタン価が増加したこととなる。
T1とT0との差をΔTとする。このΔTが、上で述べたパルサの加工公差やエンジンの圧縮比のばらつきによる着火遅れのずれを示している。したがってS40での補正は、平行移動によってこうした個々の装置構成ごとのばらつきを補正することを意図している。したがって補正後の破線の適合マップを用いれば上記ばらつきが存在する条件下でも、精度のよいセタン価の推定値が得られる。
次に図3を説明する。上述のように図3は実走行時における処理手順を示している。図3の処理を、例えば給油作業が行われたごとに、あるいは定期的に、ECU5によって自動的に実行すればよい。
まずS50で着火遅れを検出する。この手順では上述のS30と同様の処理を実走行時に行って、着火時期さらには着火遅れを算出すればよい。次にS60でその時点で使用しているセタン価を推定する。この手順では、上述のS40で得られた補正後の適合マップ101において、S50で得られた着火遅れの点でのセタン価を求めればよい。
そしてS70で、S60で得られたセタン価の値に応じてエンジン2における燃料の噴射時期を調節する。この手順のために、予めメモリ51にセタン価ごとの適切な噴射時期を記憶しておけばよい。ここでの適切な噴射時期とは、失火が発生しない噴射時期とすればよい。以上の処理によって、工場出荷時に補正された適合マップを用いて実走行時にセタン価を推定して、それに従って噴射時期を調節するので、給油のたびごとにセタン価が変わっても、失火などの不具合の発生を抑制することができる。
以上述べた実施形態では、図4あるいはS40の適合マップの補正において補正前の適合マップを平行移動する補正を行った。平行移動による補正は、適合マップの横方向の移動量を補正量とすると(例えば図4では着火遅れがT0のときの補正量がΔT)、各着火遅れごとの補正量が全ての着火遅れで同じ(ΔT)である補正である。ここで着火遅れとは補正前の着火遅れを指すとすればよい。しかし本発明における補正方法は平行移動のみではない。以下でこれに関係した変形例1を説明する。
まず着火遅れがT0である点(P0)における補正量を基準補正量とする。図4における平行移動の補正では、基準補正量がΔTつまりT1−T0であり、全ての着火遅れにおける補正量が基準補正量と同じである。これに対し変形例1では、各着火遅れごとの補正量が必ずしも基準補正量と同じではない補正を行う。各着火遅れにおいて、各着火遅れごとに設定された補正係数を基準補正量に乗算した結果を各着火遅れにおける補正量とする。
図4の補正例では、全ての着火遅れで補正係数が1である。変形例1における補正係数の4つの例が図7に示されている。図7の横軸は補正前の着火遅れを指すとすればよい。図7のとおり当然セタン価がCN0のときの補正係数は1とする。補正係数200では、着火遅れが大きいほど補正係数を単調に大きくしている。さらに補正係数200は直線としている。補正係数201では、着火遅れが大きいほど補正係数を直線的に単調に大きくしつつ、かつある着火遅れの点から傾きを変化させている。これらの補正係数ではセタン価が小さいほど補正量を大きくしていることとなる。
補正係数200、201のように着火遅れが大きいほど補正係数を単調に大きくすることが、補正係数の設定の基本的な考え方である。その理由は、図10などで示される適合マップでは、着火遅れが大きい(あるいはセタン価が低い)ほど、上述のパルサの加工公差やエンジンの圧縮率の機差などのばらつきの着火遅れに対する感度が大きいからである。
ここで感度とは、加工公差や圧縮率の変化量の着火遅れの変化量に対する影響を指す。補正係数200、201のように補正係数を設定することにより、着火遅れが大きいほど上記ばらつきの着火遅れに与える影響が大きい性質を反映して、適切に適合マップを補正できる。
補正係数の他の例として補正係数202のように設定してもよい。補正係数202では、ある着火遅れまでは補正係数を1とし、ある着火遅れ以上では直線的な単調増加関数としている。補正係数202は、ある着火遅れ以上でのみ上記感度が大きく、それ以下の着火遅れでは感度が比較的小さいとみなせる場合に有効である。これら補正係数200、201、202を設定する場合には、予めそれを見込んで適合マップを作成するとしてもよい。
補正係数203では、ある着火遅れまでは直線的な単調減少関数とし、ある着火遅れ以上では直線的な単調増加関数としている。このようにある着火遅れまでは減少する関数とすることは、予め補正を見込んで適合マップを作成した場合で、かつ補正前の適合マップにおいて着火遅れが小さい(セタン価が大きい)領域での着火遅れを相対的に大きくしておいた場合に、それを補正する効果がある。
次に変形例2を説明する。変形例2では基準補正量を上記ΔTとは異なる値にする補正をおこなう。その根拠が図8に示されている。図8には、上側に工場設定条件(すなわち上記S20で設定された条件)下での噴射タイミング、適合マップを作成したエンジンの熱発生率波形、当該エンジンの熱発生率波形が示されている。図8の下側には、通常走行条件下での噴射タイミング、適合マップを作成したエンジンの熱発生率波形、当該エンジンの熱発生率波形が示されている。
図4で述べたように、工場設定条件下では、適合マップのエンジンでは着火遅れがT0だが、当該エンジンでは着火遅れがT1であり、適合マップの補正量はΔTつまりT1−T0となる。しかし一般に通常走行条件下では、工場設定条件よりも着火時期が遅角側に設定されている場合が多い。そのような場合には公差などのばらつきの着火遅れに対する感度が大きい。
したがって図8下側のように、通常走行時での着火遅れΔT’が工場設定条件下での着火遅れΔTよりも大きくなる傾向がある。したがって通常走行時に正確なセタン価を推定するためには、基準補正量をΔTよりも大きくする必要がある。工場設定条件での着火遅れ(ΔT)に応じて、適合マップの基準補正量をどのように設定するかのルール(関数関係)は、予め定めておけばよい。上記ルール、関数関係は、例えば工場設定条件ごとに、あるいは走行条件ごとに定めておけばよい。これにより実際の走行条件下で精度のよいセタン価の推定が可能となるための適合マップの補正が行える。
なお図4では右方向へ曲線を移動させる補正を示したが、S40では左方向の補正もあり得る。その際に図7は左方向への移動でも右方向と同様に用いればよい。左方向への移動の場合、(基準)補正量は負の値となる。そして左方向への移動の場合、図7において補正係数が大きいほど補正量の絶対値が大きくなる。
また変形例1と変形例2とを組み合わせて行ってもよい。これによりそれぞれの効果が複合して達成できる。またS70ではセタン価の推定値に応じて燃料の噴射時期を調節したが、それ以外に、排気管4から吸気管3へ排気を還流させるEGR管を装備して、セタン価の推定値に応じてEGR管のバルブの調節によって排気還流量を失火を防ぐように調節するとしてもよい。
上記実施例においてメモリ51が記憶手段を構成する。S30,S50の手順が検出手段を構成する。S40が補正手段を構成する。S60が推定手段を構成する。S70が調節手段を構成する。
本発明の実施例としての内燃機関及びその制御装置の概要構成図。 工場出荷時の処理のフローチャート。 実走行時の処理のフローチャート。 適合マップの補正を示す図。 パルサ歯型加工公差による着火遅れの誤差を示す図。 エンジンの圧縮率の機差による着火遅れの誤差を示す図。 補正係数の例を示す図。 基準補正量の補正を示す図。 セタン価と着火遅れとの関係を示す図。 適合マップの例を示す図。
符号の説明
1 制御装置
2 ディーゼルエンジン(内燃機関)
3 吸気管
4 排気管
5 ECU
21 インジェクタ
22 筒内圧センサ
51 メモリ
52 入力部
60 パルサ
61 電磁ピックアップ

Claims (3)

  1. 内燃機関における着火遅れと燃料のセタン価との間の特性を記憶する記憶手段と、
    前記内燃機関における着火遅れを検出する検出手段と、
    セタン価が既知の燃料に対して前記検出手段によって検出された着火遅れに応じて前記記憶手段に記憶された前記特性を補正する補正手段と、
    その補正手段によって補正された前記特性と、セタン価が未知の燃料に対して前記検出手段によって検出された着火遅れとから、前記セタン価が未知の燃料のセタン価を推定する推定手段とを備え、
    各々のセタン価において、前記補正後の前記特性における着火遅れと前記補正前の前記特性における着火遅れとの差を補正量とし、
    前記セタン価が既知の燃料のセタン価を既知セタン価として、
    全てのセタン価における前記補正量は同一であり、
    前記補正後の前記特性における前記既知セタン価での着火遅れが前記検出手段によって検出された着火遅れと一致することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関における着火遅れと燃料のセタン価との間の特性を記憶する記憶手段と、
    前記内燃機関における着火遅れを検出する検出手段と、
    セタン価が既知の燃料に対して前記検出手段によって検出された着火遅れに応じて前記記憶手段に記憶された前記特性を補正する補正手段と、
    その補正手段によって補正された前記特性と、セタン価が未知の燃料に対して前記検出手段によって検出された着火遅れとから、前記セタン価が未知の燃料のセタン価を推定する推定手段とを備え、
    各々のセタン価において、前記補正後の前記特性における着火遅れと前記補正前の前記特性における着火遅れとの差を補正量とし、
    前記セタン価が既知の燃料のセタン価を既知セタン価として、
    セタン価が小さいほど前記補正量の絶対値は大きく、
    前記補正後の前記特性における前記既知セタン価での着火遅れが前記検出手段によって検出された着火遅れと一致することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記推定手段によって推定されたセタン価に応じて前記内燃機関における燃料の噴射時期を調節する調節手段を備えた請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
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