以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、各実施の形態に共通するデジタルカメラ1の概略的回路構成を示すブロック図である。このデジタルカメラ1は、高速度撮影が可能なカメラであって、撮影制御手段1を備えている。この撮影制御手段1は、撮影条件の設定手段2、撮影モードの設定手段3、シーン別撮影プログラム記憶部4、感度/利得制御手段5、ズーム制御/AF制御部6、露出制御手段7、手ブレ補正制御手段8及び撮影モード制御部9を備えている。そして、操作入力部10からの操作信号は、撮影条件の設定手段2及び撮影モードの設定手段3に入力される。撮影モードの設定手段3は、操作入力部10からの操作信号に従って撮影モードを選択し、撮影条件の設定手段2に出力するとともに、シーン別撮影プログラム記憶部4からは選択されたシーン別撮影プログラムが撮影条件の設定手段2に与えられる。
撮影条件の設定手段2は、これらの入力情報も基づき撮影条件を設定し、この設定した撮影条件を感度/利得制御手段5、ズーム制御/AF制御部6、露出制御手段7、手ブレ補正制御手段8に出力する。撮影モード制御部9は、感度/利得制御手段5、ズーム制御/AF制御部6、露出制御手段7、手ブレ補正制御手段8が前記撮影条件に基づき生成する制御情報が与えられ、この制御情報に基づき「加算なし(単写)」「加算なし(連写・ブラケティング)」「マルチプレーン加算合成モード(増感)」「マルチプレーン加算+位置合わせモード(ブレ軽減)」の各モードを設定する。
また、露出制御手段7は、ストロボ11を駆動するストロボ駆動回路12と、撮像レンズ13内に配置された絞り14とシャッタ15とを駆動する絞り/シャッタ駆動部16Rとを制御する。ズーム制御/AF制御部6は、撮像レンズ13を構成するズームレンズとフォーカスレンズとを駆動するズームレンズ/フォーカスレンズ駆動部17を制御する。手ブレ補正制御手段8には、当該デジタルカメラ1の角速度を検出する角速度センサ18からの信号に基づき手ブレを検出する手ブレ検出手段19からの手ブレ検出信号が入力される。手ブレ補正制御手段8は、この入力される手ブレ検出信号に基づき、手ブレ補正駆動装置20を制御し、手ブレ補正駆動装置20は撮像レンズ13内の手ブレ補正用レンズを駆動する。
一方、撮像レンズ13の光軸上には、イメージセンサ21が配置されており、このイメージセンサ21は並列読み出しなどの高速読み出しが可能な撮像素子である。また、イメージセンサ21から高速で出力される画像信号を処理する信号処理手段22も同様に高速符号化処理可能なDSPである。この信号処理手段(DSP)22は、S/P変換部23、シューディング補正部24、デジタルAGC25、バッファメモリ(A)26、マルチプレーン合成部27、カラー補間部28、階調変換/ガンマ補正部29、マトリクス130、解像度変換部31、各種検出処理部32及び撮像タイミング制御部33を備えている。信号処理手段22は、その全体的な動作を撮影制御手段1により制御され、信号処理手段22が有する前記撮像タイミング制御部33は、イメージセンサ21の動作周期を制御する。
また、撮影時における信号処理手段22からのスルー画像データは、表示駆動部34に与えられ、画像表示部35にスルー画像が表示される。そして、操作入力部10が有するシャッタキー(レリーズ釦)が操作された際には、信号処理手段22からの画像データは、バッファメモリ(B)34に格納されて、画像符号化/復号化部35により符号化されて、画像記録/入出力部38によりカードメモリ媒体39に記録される。
図2は、デジタルカメラ1の具体的回路構成を示すブロック図である。図に示すように、デジタルカメラ1は、制御回路102を有している。制御回路102には、CPU103とこのCPU103にデータバス104を介して各々接続されたインターフェース105、音声入出力回路106、入力回路107、メモリカード・IF108、USBコントローラ109、入出力インタフェース110、入出力回路111、入出力ポート112、113、HDD・IF114が設けられている。音声入出力回路106には、マイク116がアンプ117及びA/D変換器118を介して接続されているとともに、スピーカ119がアンプ120及びD/A変換器121を介して接続されている。入力回路107には、レリーズ釦(シャッタキー)を含む各種操作キー、スイッチ等が設けられた操作入力部122が接続され、メモリカード・IF108には脱着自在に設けられた画像メモリ媒体125が接続されている。USBコントローラ109はUSB端子126に接続されており、入出力インタフェース110はアンテナ127を有する無線LAN送受信部128に通信コントローラ129を介して接続されている。また、入出力回路111には、外部トリガー端子130がトリガー検出部131を介して接続されている。
前記入出力ポート112には、焦点レンズ駆動部132、ズームレンズ駆動部133、ブレ補正駆動部134、絞り駆動部135及びシャッタ駆動部136が接続されているとともに、ストロボ137がストロボ駆動回路138を介して接続され、測光/測距センサ139が検出回路140を介して接続されている。前記入出力ポート113には、当該デジタルカメラ1の上下方向のブレを検出する角速度センサ(Y/Pitch)141と、上下方向のブレを検出する角速度センサ(X/Yaw)143とが各々検出回路142、144を介して接続されている。HDD・IF114には、HDD記憶装置147が接続されている。HDD記憶装置147は、ディスク媒体148を有するとともに、モータ149、モータドライバ150、マイコン部151、VCモータ152、ヘッドアンプ153、リード/ライトチャンネル154、HDD制御部155等を有している。
また、制御回路102には、電池145が電源制御部146を介して接続され、電源制御部146は制御回路102により制御されて各部に電池145からの電力を供給する。さらに、前記データバス104には音声CODEC(符号器/復号器)115、プログラムメモリ123及びデータメモリ124が接続されている。音声CODEC115は、音声信号を符号化するとともに音声データを復号化する。プログラムメモリ123は、後述するフローチャートに示す制御回路102が動作するためのプログラムを格納しており、データメモリ124は各種データが予め格納されているとともに画像データ以外の他のデータを格納する。
一方、ズームレンズを含む撮像光学系156の後方光軸上には、撮像素子157が配置されているとともに、撮像光学系156中には前記絞り駆動部135により駆動される絞り158、及び前記シャッタ駆動部136により駆動されるシャッタ159が介挿されている。また、前記焦点レンズ駆動部132は、撮像光学系156中の焦点レンズを駆動し、ズームレンズ駆動部133はズームレンズを駆動するように構成されている。前記ブレ補正駆動部134は、撮像光学系156中に揺動可能に支持されたブレ補正用レンズを駆動するものであり、したがって、このデジタルカメラ1は光学的ブレ補正手段を備えている。
前記撮像素子157は、並列読み出しなどの高速読み出しが可能なものであり、イメージセンサ部160、水平走査部161、垂直走査部162、P/S変換部163を有している。この撮像素子157には、DSP部164が接続されている。DSP部164には、撮像素子157のP/S変換部163から取り込んだ画像信号を処理するためのS/P変換部165、バッファメモリ(A)166、マルチプレーン加算部167、カラー補間部168、階調変換部169、ガンマ補正部170、マトリクス171、解像度変換部172を備えているとともに、前記垂直走査部162の周期を制御するためのコントローラ173、画像特徴抽出処理画像認識処理部174、測光処理/AF検出/自動WB処理ほか175を備えている。
前記解像度変換部172、画像特徴抽出処理画像認識処理部174、測光処理/AF検出/自動WB処理ほかは、画像データバス176を介してバッファメモリ(B)177、画像CODEC(符号器/復号器)178、動画像CODEC(符号器/復号器)179及び表示駆動回路180に接続され、画像データバス176は前記制御回路102のインターフェース1105に接続されている。バッファメモリ(B)177は、画像CODEC178及び動画像CODEC179が符号化及び復号化処理する際の画像データを一時的に格納し、表示駆動回路180は、表示部181を駆動する。
図3及び図4は、本実施の形態の動作及び処理手順を示す一連のフローチャートである。制御回路102はプログラムメモリ123に格納されているプログラムに基づき各部を制御することにより、デジタルカメラ1はフローチャートに示すように動作し、処理を実行する。先ず、ユーザーによる操作入力部122での操作により、撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS101)。撮影モードが設定されていない場合には、撮影設定モードが設定されたか否かを判断し(図4ステップS102)、撮影モードと撮影設定モードの何れも設定されていない場合には、その他のモード処理に移行する(ステップS103)。
また、撮影設定モードが設定された場合には、自動切換えの設定が選択されたか否かを判断する(ステップS104)。すなわち、図5に示すように、操作入力部122でMENUキー及びカーソルキー(△▽)を操作して「撮影設定」モードを選択すると(ステップS102;YES)、表示部181に同図(a−1)に示すような撮影設定メニュー画面を表示する。このメニュー画面において、「ブレ軽減撮影」を選択すると、前記自動切換えの設定が選択されたことになり、前記ステップS104がYESとなって、同図(a−2)に示すブレ軽減撮影の設定メニューに移行する。
そして、自動切換えの設定が選択された場合には、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じ、オート撮影モードにおいて、ブレ軽減撮影に自動切り換えするか否か(ON/OFF)の設定を行う(ステップS105)。つまり、図5(a−2)のブレ軽減撮影の設定メニューには、「ON」「OFF」が他の選択肢とともに表示されている。そして、この選択肢の中から「ON」が選択されれば自動切り換えONが設定され、「OFF」が選択されれば自動切り換えOFFが設定される。
また、ステップS104で自動切換えの設定が選択されていないと判断された場合には、切換え条件の設定が選択されたか否かを判断する(ステップS106)。切換え条件の設定が選択された場合には、ユーザーの操作に従って、自動切換えする撮影条件等を選択して設定する(ステップS107)。
すなわち、ステップS104で自動切換えの設定が選択されていないと判断された場合には、図5(b−1)に示す撮影設定メニューが表示部181に表示されている。このメニュー画面から「ブレ軽減撮影のカスタム設定」を選択すると、切換え条件の設定が選択されことになり、ステップS106がYESとなって、同図(b−2)のブレ軽減撮影のカスタム設定メニューの表示に移行する。このメニュー画面において、「加算処理の切替条件の設定」を選択すると、同図(b−3)のブレ軽減撮影への切り換え条件の設定メニュー画面に遷移する。
このブレ軽減撮影への切り換え条件の設定メニュー画面は、「撮影シーンに応じて」「露出時間時応じて」「被写体の輝度に応じて」「被写体の速度に応じて」「焦点距離に応じて」「マクロ撮影の場合」等の選択肢で構成されている。そして、この選択肢からいずれかを選択すると、例えば「撮影シーンに応じて」を選択すると、同図(b−4)の撮影シーンに応じた切り替え設定画面に遷移する。この状態で、「OFF」「オート」・・・等の撮影条件に応じた切り換え条件を選択することにより、前記ステップS107の処理が実行されて、ブレ軽減撮影に自動切換えする撮影条件等を選択して設定されることとなる。
また、ステップS106で切換え条件の設定が選択されていないと判断された場合には、加算処理の内容の設定が選択されたか否かを判断する(ステップS108)。加算処理の内容の設定が選択されたされた場合には、ユーザーの操作に従って、加算処理の方式や処理を選択して設定する(ステップS109)。なお、ステップS108で加算処理の内容の設定が選択されていないと判断された場合には、その他の設定処理を実行する(ステップS110)。
一方、図3のステップS101で撮影モードが設定されていると判断された場合には、ユーザーによる操作入力部122での操作により入力された撮影条件、オート撮影モード、マニュアル撮影モード、各撮影モードにおけるシャッタ速度等の各種撮影条件、後述するブレ軽減撮影又は増感撮影モード等の撮影条件を設定するとともに、ユーザーによる操作入力部122での操作に基づく用紙サイズ又は画像サイズを選択する(ステップS111)。また、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS112)、被写体像のスルー画像を表示部181に表示させる(ステップS113)。したがって、ユーザはこの表示部181に表示されたスルー画像を見ながら、このデジタルカメラ1の向きを調整する等してシャッタチャンスを伺う。
一方、制御回路102は、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS114)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS115)。そして、レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS116)、これにより得られた測光値と前記ステップS109で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS117)。
次に、手ブレ補正がOFFであるか否かを判断し(ステップS118)、ONである場合には、手ブレ補正撮影処理を実行する(ステップS119)。つまり、手ブレ補正がONである場合には、検出回路142、144を介して、当該デジタルカメラ1の上下方向のブレを検出する角速度センサ(Y/Pitch)141と、上下方向のブレを検出する角速度センサ(X/Yaw)143から入力される信号に基づき、ブレ補正駆動部134を制御して、ブレ補正用レンズを駆動する光学的ブレ補正手段を動作させつつ、撮影処理を実行する。
手ブレ補正がOFFである場合には、オート撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS120)。オート撮影モードが設定されている場合には、さらに自働切り換えがONか否かを判断する(ステップS121)。すなわち、前記ステップS105での処理により、「オート撮影モードでブレ軽減撮影に自動切換えする」が「ON」となっているか否かを判断する。そして、「OFF」となっている場合には、ステップS122の処理を実行することなくステップS123に進む。「ON」となっている場合には、設定された所定の撮影条件か否かを判断する(ステップS122)。つまり、前記ステップS107でユーザーにより設定されたブレ軽減撮影に自動切換えする所定の撮影条件であるか否かを判断する。
前記所定の設定条件とは、下記のいずれかのような、手振れが生じやすい撮影条件である。
a)撮影レンズの焦点距離が所定値より長い焦点距離の場合、
b)マクロ(近接撮影)モードの場合、
c)手振れ量又は像ブレ量を検出し、検出されたブレ量又は像ブレ量が、所定のブレ量又は像ブレ量より大きくなると判断される場合、
など。
さらに、被写体の状態が以下のいずれかのような、被写体ブレが生じやすい条件の場合を設定条件としてもよい。、
d)被写体の移動速度、若しくは、被写体像の移動速度を検出して、設定露出時間における被写体像の移動量が所定値又は許容錯乱円径より大きくなると判断される場合、
e)測光センサや撮像信号から検出された測光値や被写体輝度が所定の値より低く、かつ、ストロボ発光が強制OFFに設定されている場合、
f)測光値や被写体輝度に基づき自動露出(AE)制御により設定された露出時間、もしくは、マニュアル設定による露出時間が、所定の露出時間(例えば、1/60秒)より長い場合、
g)ホワイトバランス設定状態、もしくは、自動ホワイトバランス(AWB)の設定状態が、蛍光灯や電球による照明や、それに相当する色温度(2000度〜4500度程度)に設定されているなど、暗い屋内や電灯照明下の被写体と判断される場合、
など。
なお、本実施の形態においては、ユーザが任意に選択できるようにしたが、ユーザの選択に拘わらず、制御回路102がこれらの条件の全てあるいは一部の有無を判断するようにしてもよい。
そして、ユーザーにより設定されたブレ軽減撮影に自動切換えする撮影条件でない場合には、撮像素子157及びDSP部164を単写撮影モード(加算なし)に設定する(ステップS123)。これと同時に、撮影条件に応じて露出/撮影動作を開始し(ステップS124)、引き続き、シャッタ速度に応じた露出時間が終了したか否かを判断し(ステップS125)、露出時間が終了となった時点で露出/撮影動作を停止させる(ステップS126)。また、この単写により得られた画像データを読み出す(ステップS127)。
一方、前記ステップS120での判断の結果、オート撮影モードが設定されておらずマニュアル撮影モード等の他の撮影モードが設定されている場合には、ステップS120からステップS128に進む。そして、前記ステップS105での処理により、ブレ軽減撮影又は増感撮影モードが設定されているか否かを判断し(ステップS128)、ブレ軽減撮影又は増感撮影モードが設定されてない場合には、その他の撮影モード処理に移行する(ステップS129)。
ブレ軽減撮影又は増感撮影モードが設定されている場合(ステップS125;YES)、及び前記ステップS122の判断がYESであって、前記ステップS107でユーザーにより設定されたブレ軽減撮影に自動切換えする撮影条件である場合には、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定する(ステップS130)。引き続き、前記ステップS114の測光処理で得られている測光値と、ステップS111で設定された撮影条件とに応じて、露出時間Tが短くなるように、加算画像数(n)と露出時間(T/n)を再設定する(ステップS131)。つまり、露出時間や絞りなど露出条件を画像の加算数に応じて、例えば、画像加算数(n)が2枚、4枚、8枚、16枚、・・・の場合に露出時間を1/2、1/4、1/8、1/16、・・・と(1/n)に再設定する。
次に、撮影条件に応じて露出/撮影動作を開始し(ステップS132)、露出時間(T/n)が終了したか否かを判断する(ステップS133)。露出時間(T/n)が終了したならば、これにより得られた画像データを読み出し(ステップS134)、ブレ除去の為の画像の位置合わせを行うか否かを判断する(ステップS135)。位置合わせを行わない場合には、ステップS136の処理を行うことなくステップS137に進み、位置合わせを行う場合には、撮影された画像を、主要被写体又は背景の特徴に応じて、前の画像と位置合わせする位置合わせ処理を実行する(ステップS136)。なお、この主要被写体又は背景の特徴に応じて、前の画像と位置合わせする処理の詳細については後述する。次に、撮影された画像を前の画像と順次マルチプレーン加算合成するとともに(ステップS137)、補間処理、ノイズ除去処理を実行する(ステップS138)。また、加算画像数分連写済みか否かを判断し(ステップS139)、加算画像数分連写済みとなるまで、ステップS132からの処理を繰り返す。
したがって、ステップS132〜S139の処理がT/nの周期でn回繰り返されることとなり、これにより、連写されたn枚の画像が順次マルチプレーン加算合成されて、補間処理及びノイズ除去処理された1枚分の撮影画像データが生成されることとなる。
そして、ステップS139及びS127のいずれかに続くステップS140では、撮影画像を圧縮、符号化し、この圧縮、符号化した撮影画像をメモリ媒体(画像メモリ媒体125又はディスク媒体148)に記録する(ステップS135)。さらに、撮影画像を表示部181にレビュー表示する(ステップS136)。
したがって、本実施の形態によれば、下記のような効果を得ることができる。
(1)手ブレや被写体の動きによる像ブレが生じやすい撮影条件や、被写体の場合には、自動的に1回のレリーズ操作に応じて、複数枚の画像を高速で速写するとともに速写された画像をマルチプレーン加算及び位置合せ合成する、「ブレ軽減速写合成モード」に切り替えて撮影処理し、マルチプレーン加算による増感効果により、適正露出を得るのに必要な露出時間を短縮して撮影できる。また、高速で速写された複数画像における像移動を位置合せ合成して記録できるので、仮に光学式の手ブレ補正装置が搭載されていないカメラであったとしても、手ブレによる像ブレだけでなく、子供やペット、スポーツの撮影など被写体ブレが生じやすい撮影シーンでも、被写体ブレによる像ブレをも効果的に軽減して撮影できる。
(2)また、連写画像のマルチプレーン加算及び位置合せ合成によるブレ軽減撮影や増感撮影に自動的に切り替えるか否か(切り替えのON/OFF)、どのような撮影条件や被写体状態の場合に増感撮影やブレ軽減撮影に切り替えるか(切替え条件)、増感撮影やブレ軽減撮影において、連写画像数(加算枚数)やどのような加算処理を行うか(増感撮影やブレ軽減、加算処理に切替えた際の処理内容)などを、設定モード等でカスタム設定できるようにしたので、以降は、オート撮影するだけで、ユーザーの所望や作画意図に応じて、ブレ軽減撮影や増感撮影が行える。
(3)また、光学式の手ブレ補正装置を設けたカメラの場合も、手ブレ補正がOFF設定になっている場合や、ONに設定し忘れた場合でも、自動的にブレ軽減して撮影できるとともに、ユーザーの意図に大きく反することなく、手ブレや被写体ブレが大きいと判断される場合にのみブレ軽減して撮影できる。
(4)また、高解像度でかつ高速で速写した画像を位置合せして、マルチプレーン加算処理するので、(従来の撮像素子上における画素加算読み出しや撮影後画像の加算処理のように、)加算処理によって画像サイズが小さくなってしまったり、画素補間処理により解像感が落ちてしまったり、異なるタイミングの画像を加算合成して被写体ブレが大きくなったりすることがなく、ユーザーの希望とは違う画像が撮影されてしまうことも防止できる。
(撮像素子)
前記撮像素子157を、例えば、CCDイメージセンサで構成した場合には、入射光によってフォトダイオードに発生した信号電荷を増幅せずにそのまま、垂直と水平のCCD転送路によって順繰りに転送され、出力回路で初めてFD(Floating Diffusion)アンプにより信号電圧に増幅されて出力される。CCDから出力された撮像信号は、CDS回路(相関二重サンプル回路)でノイズ除去及びサンプル&ホールド処理され、AGC(自動利得制御)アンプで増幅され、ADC(A/D変換器)でデジタル撮像信号に変換されて、DSP(信号処理回路)に出力される。
一方、撮像素子をCMOS(相補型金属一酸化膜半導体)イメージセンサで構成する場合には、図2に示したような、一般的なAPS(増幅型画素センサ)型のCMOSセンサでは、フォトダイオードを含む単位画素回路毎に増幅素子(アンプ)が内蔵されており、フォトダイオードで光電変換された信号電荷は画素回路内アンプで一旦増幅され、垂直走査回路からの行アドレス選択信号と水平走査回路からの列選択信号によりXYアドレス方式で選択された画素毎の撮像信号が、出力から順次電圧又は電流として取り出すことができる。CCDのように順番に取り出さなくとも、CMOSセンサでは、任意の画素や領域の撮像信号だけを、任意の順序で取り出しできるので、デジタルズーム処理で所定領域のみを切り出して読出す場合には、高速で読み出せる。
また、CCDでは、信号電荷をそのまま転送するのでスミアやノイズに弱いが、CMOSセンサでは、画素毎にランダムアクセスで読出せ、各画素回路は電気的に分離しているので伝送ノイズに強く、またCMOS LSI等と同様に、同じ製造プロセスにてイメージセンサ部の周辺に各種のCMOS回路や加算演算回路などデジタル論理回路などを高集積化して比較的容易に一緒に作りこめる利点がある。その反面、CMOSセンサでは、画素毎のアンプの闇値など、個々の素子バラツキによる固定パターンノイズ(FPN)や暗電流、KTC雑音が大きい難点があったが、(CCDと同様に)埋め込みフォトダイオードとFDアンプを用いる構造にして、暗電流とKTC雑音を低減できるようになり、列信号線毎に並列に並んだ列回路に設けたColumn型のCDS/ADC回路等により、フォトダイオードをリセットする前と後の信号を減算して固定パターンノイズを除去できるようになり、列回路毎に積分型や巡回型、逐次型などのAD変換器を組み込んで、デジタル信号での撮像信号出力も容易になった。
本実施の形態に係る高速度撮影機能を有するデジタルカメラ1に用いる撮像素子では、任意のサイズの画像領域を選択して、領域内の画素の撮像信号を読み出す選択読み出しができるように、図6に示す撮像素子200を用いることが好ましい。すなわち、この撮像素子200は、タイミング発生回路201に接続された垂直走査回路202と水平走査回路203及び列回路部204を備えるとともに、並列直列変換部204、符号器205を有している。列回路部204には、CDS回路206、A/D変換回路207、画素加算回路208を一組とする回路が複数設けられて、各々列信号線209が接続されている。一方、垂直走査回路202には、行選択線(アドレス線)210と転送TC線(行読出し線)211及び行リセット線212とが接続されている。また、イメージセンサ部213には、複数の単位画素回路214が設けられており、各単位画素回路214は、前記列信号線209、行選択線(アドレス線)210、転送TC線(行読出し線)211、行リセット線212に接続されたフォトダイオード215等で構成されている。
したがって、この撮像素子200においては、列回路部204のCDS回路206、A/D変換回路207の後段に隣接する同色(フィルタ)の複数の画素の信号同士をデジタル信号で加算する画素加算回路208を設けることにより、デジタルズーム時には、選択領域内の画素データを任意の行列毎に所定の複数画素分加算された撮像信号を読出しできるように構成し、スルー画像や動画撮影において、高速レートでも、画像データ量の小さい撮像信号に変換して出力できるようにしてある。
なお、選択読出しされた選択領域の撮像信号、さらに画素加算された撮像信号は、列回路部204のCDS回路206、A/D変換回路207から水平走査回路203の列選択信号により選択された列信号が順次出力されるが、このとき、高速クロックに同期させて並列のデジタル信号として出力するか、若しくは、並列のデジタル信号を符号化し、並列/直列変換回路により変換して、直列のデジタル撮像信号として出力して、高解像度の撮像信号を、DSPに高速フレームレートで転送出力することができる。
(CDS/ADC回路、画素加算回路)
図7は、CMOSセンサ内の列回路部に設けた画素加算回路の例である。並列に並んだ列回路に設けるCDS/ADC回路には、各種方式が開発されているが、本例では、いわゆる「ColumnADC方式」のCDS/ADC回路を用いて、列毎に並列処理するA/D変換器により、画素の固定パターンノイズ(FPN)を抑圧しながらデジタル信号に変換する。ColumnADC方式のCDS回路では、固定パターンノイズを抑圧するために、荒精度と高精度の2段階のクランプ(Clamp)回路を用いる。クランプは、信号のあるレベルを基準電圧に置き換える動作で、クランプ回路は、例えば、キャパシタとスイッチで構成され、キャパシタの出力側がスイッチにより基準電圧にセットされる。
図8の動作タイミングチャートにあるように、まず、列回路のA1とA2のクランプスイッチS1、S2を同時に閉じてから、S1を先に開くと、点vinの電位が、A1の闇値電圧にS1スイッチングのバラツキが加算された電圧に荒い精度でクランプされるが、S2は閉じたままなので、その電圧がA2入力の闇値電圧になる。その後、S2を開くと、A2にもスイッチングのバラツキを含む電圧がクランプされ、クランプ動作が完了する。S2スイッチングのバラツキ成分はA2の利得で割った分かVin側のバラツキに還元されるので、Vin側から見るとクランプ精度が向上して、クランプ回路で発生する縦筋状の固定パターンノイズ(FPN)の発生が抑えられる。
次に、行読出し線(転送ゲート線TG)にパルスが立ち上がると、画素信号が列信号線に現れるので、スイッチS4を閉じてサンプJングする。サンプリング完了後、スイッチS3を開いて、A/D変換用のランプ波形(RAMP波形、順次電圧が上昇する傾斜状の波形)の基準信号をスイッチS4から加えると、ランプ波形に応じてvinの電圧がやがてクランプ回路の闇値を越えてA2の出力が反転し、反転する電圧までの10ビットカウンタの値がデジタルの画素信号値としてラッチに記憶され、A/D変換処理が終了する。
(画素加算動作)
このようなCDS/ADCを含む列回路の後に、列加算(垂直加算)回路などのデジタル演算回路301を設け、行アドレス選択された画素の信号を列信号線から読出し、CDS/ADC回路でノイズ除去されデジタル変換された並列信号を、タイミング信号でラッチ回路にラッチし、同じく選択された同じ列で異なる行の画素のデジタル並列信号を、同様に別のタイミング信号で別のラッチ回路にラッチして、ラッチ回路の出力同士を列加算回路でデジタル加算する。また、水平信号線からの信号出力部に行加算(水平加算)回路などのデジタル演算回路302を設け、列加算された信号同士をタイミング信号で選択して水平信号線に読出し、ラッチ回路にラッチして、ラッチ回路の出力同士を行加算回路でデジタル加算する。カラー撮像の場合には、例えば、「Bayer配列」等の千鳥状に2画素周期で交互に並んだ各色カラーフィルタに対応する各画素から、列方向に(一つ飛ばしで)隣接する同色フィルタの画素同士を、R画素はR画素同士で、G画素はG画素同士で、B画素はB同素同士で、列方向に複数加算する。また、行方向に(一つ飛ばしで)隣接する同色フィルタの複数の画素を行方向に加算して読み出すことで同色画素の信号同士が複数同素分加算できる。
加算された撮像信号のデジタル信号は所定の符号化を行うとともに、並列/直列変換回路で順次シリアル(直列)のデジタル信号に変換されて出力され、DSPに転送される。なお、CDS/ADC回路は、COlumnADC方式で構成したが、より単純なColumn CDS方式や、DDS方式(Double Data Sampling)など、他のCDS/ADC回路や加筧回路で構成してもよい。
(撮像信号の高速読出し)
前述のように、加算された撮像信号のデジタル信号は、並列/直列変換回路で順次シリアル(直列)のデジタル信号に変換されて出力されDSPに転送される。高解像度かつ高速フレームで撮像を行うためには、当然ながら、撮像信号を高速でDSPに転送する必要がある。一般のCMOS入出力回路では、入出力信号の振幅は、電源電圧範囲の一杯の範囲で振らせるので、消費電力が大きくなるばかりでなく、転送できる速度も遅くなってしまう。これに対し、例えば、CML系(Current Mode Logic、電流モードロジック)の入出力回路では、トランジスタを不飽和領域で使用して、インピーダンスを低くし、電圧を振らせるというよりは電流をon/offさせる方法で、(vdd−0.4V)の電位を中心に低振幅で動作させる。浮遊容量を充・放電する量が少なくなるので高速動作できる。
また、LVDS系(Low−voltage Differential Signaling、小振幅差動信号方式)は、2本の信号線を使用して情報を運ぶ差動信号方式で、単一チャネルあたり数百〜数千Mbps(メガビット/秒)の高速度でデータ伝送でき、かつ、mWレベルの低消費電力の差動データ伝送方式として、内部バスの信号線の本数も減らせるため、モニタ表示装置などのデジタル入出力インタフェースとして利用されている。LVDSでは、2本の配線を必要とするが、電流モード・ドライバの採用と、+1.2V電位を中心に0.3Vの上下振幅内で振らせる小振幅によって、コモンモードノイズを除去でき、広い周波数範囲に対して高いノイズ耐性が得られる。このように、CMOS回路でも、高速でシリアル伝送できるCML系やLVDS系など低振幅や作動方式の入出力インタフェースを用いて、また直列信号に変換されたデジタル撮像信号を撮像素子の出力回路(トランシーバー)から出力して、後段のDSPへ高速で伝送し、DSP側の入力回路(レシーバー)では、受信した直列デジタル信号を並列/直列変換回路で並列デジタル信号に復元変換して、デジタル撮像信号として映像信号処理に用いることができる。
(DSP(デジタル信号処理回路))
CMOSセンサ内蔵のCDS/ADC回路でデジタル変換され、並列又は直列のデジタル信号で転送された撮像信号を入力すると、DSPでは、まずシェーディング補正や黒レベル補正、欠陥画素補正などを行った後、デジタルAGCで増幅するとともに、ホワイトバランス調整やカラーバランス調整を行った後に、撮像素子の前面に設けられたモザイク状の「Bayer配列」や千鳥配列されたRGBカラーフィルタ配列に従って、画素毎には一つの色成分しか持たないBayerデータ(RAWデータ)から、他の色差成分の画素値も、近隣周辺の画素値等から画素補間(Pixel Signal lnterpolation)して求めて(カラー補間処理)、画素毎にRGB色差成分毎の階調値を持つデジタル画像データに変換される。さらに、階調補正やガンマ補正されたRGB系のデジタル画像信号はバッファメモリ(B)に一時記憶された後、LCDモニタや電子ファインダ(EVF)に再生表示されるか、カラーマトリクス回路でRGB系からYUV系/YCbCr系など所定の色空間の画像信号に変換され、画像CODECにより、JPEG静止画像データやMPEG4やH.264動画像データなどに圧縮/符号化処理される。また、必要に応じて、リサイズ/補間処理回路により、撮像画像サイズを異なる画像サイズに変換する解像度変換処理(Re solution Conversion)を行う。例えば、スルー画像や再生画像をLCD等に表示する為に、videoRAMや表示ドライバ内の表示RAM領域に書込む為に、(VGAサイズなど)所定の画像サイズに変換するリサイズ(Resize)、もしくは、補間処理(lnterpolation)を行う。あるいは、撮影記録時に、所望の設定された画像サイズで記録する為に、縮小/拡大する処理や、リサイズ/補間処理もしくは解像度変換処理を行う。
(マルチプレーン加算処理)
図9に示すように、複数枚の画像を高速速写して、前記のDSP内に取り込み、カラー補間処理を行う前に、Bayer配列データでマルチプレーン加算合成処理を行うことにより、前述したように、増感効果を高めた高感度撮影を行うことができる。ブレ軽減撮影を行う場合には、さらに、マルチプレーン加算する前に、速写された各画像を前の画像との相関度やテンブレートマッチング処理などにより、主要被写体領域の輝度パターンや輪郭、色特徴などが前の画像と同じ位置に重なるように位置合せ処理を行う。
図9のマルチプレーン加算回路では、各連写画像のBayer配列データのうち、輝度成分や解像感をよく反映するG(緑)画像の相関度を求めて位置合せ合成を行い、またBayer配列データでは欠けている縦、横、斜め画素の補間処理を行いフル画素のGデータを生成する。R(赤)、B(青)データは、G(緑)データの位置合せ結果に準じて位置合せとカラー補間処理を行い、フルサイズのRGBデータに変換する。位置合せ処理では、さらに、回転方向も検出して、アフィン変換などにより座標回転変換して位置合せし、回転位置に応じて補間処理を行うようにしてもよい。あるいは、動く被写体や被写体ブレしやすい撮影条件では、中央や前景の主な被写体の領域画像を抽出して、主要被写体や背景の輪郭形状や特微量が重なる位置に移動して位置合せしてから加算するのが望ましい。
(必要な撮影速度)
高速度撮影機能を有するデジタルカメラ1における撮影速度や速写フレーム速度R(fps)は、設定された撮影倍率(M)や、被写体の移動速度(V)などの設定情報に従って、次式(1)などにより、必要な撮影速度(R)の目安を算出し、設定すればよい。
式(1) 必要な撮影速度R=(MXV)/(dxα)
ただし、R:撮影速度(コマ/秒)、M:撮影倍率=撮像イメージサイズ(Y′)/被写体サイズ(Y)、V:被写体の移動速度(mm/秒)、d:許容錯乱円径、α:シヤッタ係数(α=1〜5など)。
(必要な露出時間)
また、必要な露出時間(T)は、設定された撮影倍率(M)や被写体の移動速度(V)などの設定情報に従って、次式(2)又は(3)により、必要な露出時間(T)の目安を算出し、それを満たす範囲で、測光値や照明条件に応じて、露出時間(T)を設定すればよい。
式(2) 必要な露出時間T=β×d/(MXV)、又は、
式(3) 必要な露出時間T=β×Y′/(m×M×V)
ただし、T:露出時間(秒)、d:許容錯乱円径(mm)、M:撮影倍率、V:被写体の移動速度(mm/秒)、β:係数(β=0.2〜1.0、など)、Y′: 撮像イメージサイズ(mm)、m:撮像素子の画素数。
(必要な被写体照度)
また、撮影に必要な光量(被写体照度)Eは、撮影倍率(M)や絞り値(F)、露出時間(T)などに応じて、例えば、次式(4)などにより算出される被写体照度(E)を満足する被写体の明るさやEV値の環境条件で撮影するか、又は、それを満足するように、ISO感度や被写体を照明するストロボ光量を設定して撮影するよう制御すればよい。
式(4) 必要な被写体照度E=γ×(1+M2)×F2/(T×ISO)
ただし、E:必要な被写体照度(ルクス)、M:撮影倍率、F:撮影レンズ絞り値、T:撮影露出時間(秒)、ISO:ISO相当の撮影感度、γ:定数(例えば、γ=200〜235程度)。
(第2の実施の形態)
図10は、本発明の第2の本実施の形態の動作及び処理手順を示すフローチャートである。先ず、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて撮影モードを選択し(ステップS201)、オート撮影モード又はブレ軽減撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS202)。オート撮影モード又はブレ軽減撮影モードが設定されていない場合には、その他の撮影モード処理に移行する(ステップS203)。
また、オート撮影モード又はブレ軽減撮影モードが設定されている場合には、シャッタ速度等の撮影条件を設定し(ステップS204)、ズーム処理、AF処理を実行し、レンズ焦点距離情報(f)を読み込む(ステップS205)。また、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS206)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS207)。そして、レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS208)、これにより得られた測光値と前記ステップS203で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS209)。また、当該デジタルカメラ1におけるブレ量若しくは像ブレ量を検出する(ステップ210)。
次に、
(1)前記ステップS205で読み込んだ焦点距離(f)が所定以上であるか否か(ステップS211)
(2)マクロ撮影であるか否か(ステップS212)
(3)検出回路142、144で検出されたブレ量が所定値を超えるか否か(ステップS213)
(4)ステップS209で設定された設定露出時間における像ブレ量が所定を超えるか否か(ステップS214)
(5)前記ステップS208で得られた測光値が所定値未満であるか否か(ステップS215)
(6)測光値が所定値未満である場合においてストロボ強制OFFとなっているか否か(ステップS216)
(7)前記ステップS209で設定された設定露出時間(T)が所定時間(例えば、1/60s)を超えるか否か(ステップS217)
(8)前記ステップS208でのWB処理によるWB設定が電球又は蛍光灯(屋内証明)であるか否か(ステップS218)
を判断する。
そして、これら(1)〜(8)判断がすべてNOであった場合には、撮像素子157及びDSP部164に単写撮影モード(加算なし)を設定し(ステップS219)、設定撮影条件に応じて、単写撮影動作を実行する(ステップS220)。
一方、(1)〜(8)判断の少なくとも一つがYESであった場合には、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定する(ステップS221)。そして、前述と同様に、測光値と設定撮影条件に応じて、加算画像数と露出時間を再設定して(ステップS222)、連写撮影動作、及び連写画像のマルチプレーン加算合成処理を実行する(ステップS223)。
しかして、前述のような被写体の状態や撮影条件では、暗い被写体若しくは被写体の輝度が低くて、適正露出条件における露出時間(シャッタ速度)が長く(遅く)なりやすいので、手ブレとともに被写体ブレも生じやすい。あるいは、露出時間に対して被写体の移動速度が速いため、被写体ブレが生じやすい。このような被写体の動きによる像ブレ(動体ブレ)が生じやすい撮影条件の場合にも、自動的にブレ軽減の為の増感撮影モードに切り替えて、マルチプレーン加算合成による増感処理によって、撮影感度を増感するとともに、手ブレだけでなく被写体ブレ(動体ブレ)による像ブレをも軽減して撮影することができる。
(第3の実施の形態)
図11及び図12は、本発明の第3の実施の形態を示すものである。この実施の形態は、撮影シーン別のプログラム撮影モード、若しくは撮影シーンや撮影方法を説明文と代表例のサンプル画像とを付して表示したメニューから選択できるようにしたモード(BS(ベストショット)モード)において、設定された撮影シーンに応じて、手ブレや被写体ブレが生じやすいと判断されるような所定の撮影シーンが設定されている場合には、ブレーン加算合成によるブレ軽減撮影/増感撮影に自動的に切り替えるように制御するものである。
すなわち、図11のフローチャートに示すように、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて撮影モードを選択し(ステップS301)、ユーザーによる操作入力部122での操作により、オート撮影モード又は撮影シーン別プログラムモードが設定されているか否かを判断する(ステップS302)。オート撮影モード又は撮影シーン別プログラムモードが設定されていない場合には、その他の撮影モード処理に移行する(ステップS303)。
また、オート撮影モード又は撮影シーン別プログラムモードが設定されている場合には、シャッタ速度等の撮影条件を設定するとともに、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて、撮影条件を設定又は撮影シーンを選択する(ステップS304)。つまり、図12(A)〜(F)に示すように、表示部181にユーザーによる操作入力部122での操作に応じて、撮影シーンとその説明文代表例のサンプル画像を切替表示し、いずれかの撮影シーンが選択されたならば、これを設定する。
なお、図10(A)〜(F)に好適な撮影シーン別プログラムは、予めプログラムメモリ123に格納されている。また、(A)は子供の撮影、(B)はペットの撮影、(C)はキャンドルライト(屋内)での撮影、(D)はパーティ(屋内)での撮影、(E)はスポーツの撮影、(F)は花などの近接撮影に各々好適な撮影シーン別プログラムに対応する。
次に、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS305)、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断する(ステップS306)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS307)。そして、レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS308)、これにより得られた測光値と前記ステップS203で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS309)。
次に、前記ステップS304で選択された撮影シーン(BSモードが)が、
(1)子供、ペットの撮影シーン(ステップS310)
(2)キャンドルライト(屋内)の撮影シーン(ステップS311)
(3)パーティ(屋内)の撮影シーン(ステップS312)
(4)スポーツの撮影シーン(ステップS313)
(5)花、又は近接撮影(ステップS314)
(6)流し撮り撮影(ステップS315)
であるか否かを判断する。
そして、これら(1)〜(6)判断がすべてNOであった場合には、つまり、設定されたシーンが「子供、ペットの撮影シーン」「キャンドルライト(屋内)の撮影シーン」「」パーティ(屋内)の撮影シーン」「スポーツの撮影シーン」「花、又は近接撮影」「流し撮り撮影」のいずれでもなく、他のシーンである場合には、撮像素子157及びDSP部164に単写撮影モード(加算なし)を設定し(ステップS316)、設定された撮影シーンと設定撮影条件に応じて、単写撮影動作を実行する(ステップS317)。
一方、(1)〜(6)判断の少なくとも一つがYESであった場合には、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定する(ステップS318)。そして、前述と同様に、測光値と設定撮影条件に応じて、加算画像数と露出時間を再設定して(ステップS319)、設定された撮影シーンと、設定撮影条件に応じて、連写撮影動作、及び連写画像のマルチプレーン加算合成処理を実行する(ステップS320)。
したがって、本実施の形態によれば、被写体が暗かったり、露出時間が長くなったり、手ブレや動体ブレが生じやすいような撮影シーンや増感処理が必要な撮影シーンの場合には、自動的にマルチプレーン加算合成によるブレ軽減撮影若しくは増感撮影に切り替えて撮影するように制御するので、前述した第1の実施の形態のように、設定モード等で細かく設定したりする必要がなく、ユーザー所望の撮影シーンやユーザーが選択した被写体のシーンに応じて、必要な場合には自動的に、手ブレや同他ブレによる像ブレを軽減したり増感撮影することができる。ユーザーは、撮影シーンを選択するだけで、容易に、また必要な場合にのみ自動的に像ブレを軽減したり増感撮影することができる。
なお、本実施の形態においては、マルチプレーン加算モードで撮像素子を駆動するシーンとして、図12(A)〜(F)を示したが、これに限ることなく、夜景の撮影シーン(暗い被写体だが、遠景なのでストロボ消灯で撮影したいシーン)、夜景の人物と背景の撮影シーン(近景も、ストロボの届かない遠景も、一緒に撮影したい)、花火の撮影シーン(増感したいが、ノイズ発生を押さえたい撮影シーン)など、暗い被写体で露出時間が長くなるので、三脚などで固定して撮影するのが基本だが、撮影感度を上げると増大するノイズの発生も押さえて撮影したいシーンなどでも、(ISO相当感度など)撮影感度をそれほど上げずに、マルチプレーン加算合成により増感撮影に自動的に切り替えて撮影するようにしてもよい。また、ブレ軽減撮影専用や高感度撮影専用の撮影シーンプログラムを設けるようにしてもよい。
また、前記各撮影シーンにおいては、設定された撮影シーン毎の撮影制御プログラムに応じて、露出プログラムの選択や、測光方法、焦点制御方法、ストロボの点灯/消灯/オートなど、その他の撮影条件の設定や、輪郭強調処理やカラーフィルタ処理等を自動的に設定したり、ISO相当感度など撮影感度アップによる増感撮影と組み合わせたりして、マルチプレーン加算合成によるブレ軽減撮影/増感撮影を行ってもよい。また、設定された撮影シーンに応じて、マルチプレーン加算合成による撮影の加算数(加算倍率)やその限度範囲、若しくは、画素補間処理の倍率や限度範囲などを自動的に切り替えるのが好ましい。また、撮影シーンに応じて、撮影感度アップとマルチプレーン加算合成による増感処理との配分比率を切り替えるようにしてもよい。撮影シーンの設定は、ユーザーがモードスイッチやメニュー操作で選択したシーンでも、あるいは、カメラの制御回路においTげ、撮影条件や被写体輝度や色調の分布や、被写体距離、構図配置などからシーン判別する撮影プログラム等により設定されたシーンであってもよい。
(第4の実施の形態)
図13は、本発明の第4の実施の形態を示すものである。この実施の形態は、設定された所望の印刷用紙の種別又は印刷用紙サイズ(寸法)、若しくは、設定された画像サイズ(縦×横の画素数)に相応する印刷用紙サイズ(寸法)に応じて、所定のブレ量又は像ブレ量など、許容できるブレ量を設定し、検出されたブレ量又は像ブレ量が、所定のブレ量又は像ブレ量より大きい場合には、自動的に画素マルチプレーン加算モードに切り替えて撮像素子を駆動し、マルチプレーン加算合成によるブレ軽減のための増感撮影処理を行い、設定された露出時間を画素加算数に応じて短縮された露出時間に設定して撮影するように制御する。また、撮影画像の画像サイズが設定された画像サイズよりも小さくなる場合には、撮影画像データに画素補間処理を行ってから記録できるように制御するものである。
フローチャートに示すように、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて撮影モードを選択し(ステップS401)、オート撮影モード又はブレ軽減撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS402)。オート撮影モード又はブレ軽減撮影モードが設定されていない場合には、その他の撮影モード処理に移行する(ステップS403)。また、オート撮影モード又はブレ軽減撮影モードが設定されている場合には、シャッタ速度等の撮影条件を設定するとともに、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて、用紙サイズ又は画像サイズを選択する(ステップS404)。
次に、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS405)、被写体像のスルー画像を表示部181に表示させる(ステップS406)。次いで、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS407)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS408)。そして、レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS409)、これにより得られた測光値と前記ステップS404で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS410)。
さらに、前記選択された印刷用紙又は画像サイズと、前記ステップS410で得られた露出時間に応じて、許容ブレ量、許容ブレ速度等を算出し(ステップS411)、かつ、当該デジタルカメラ1におけるブレ量若しくは像ブレ量を検出する(ステップS412)。次に、ステップS411で算出された許容ブレ量、許容ブレ速度等と、ステップS412で検出されたブレ量若しくは像ブレ量に基づき、
(1)設定露出時間における像ブレ量>所定の像ブレ量(ステップS413)
(2)像移動速度>所定の移動速度(ステップS414)
(3)ブレ量(角度)>所定のブレ量(ステップS415)
(4)ブレ角速度>所定のブレ角度(ステップS416)
であるか否かを判断する。
そして、これら(1)〜(4)判断がすべてNOであった場合には、つまり設定露出時間における像ブレ量、像移動速度、ブレ量(角度)、ブレ角速度が全て許容値以下である場合には、撮像素子157及びDSP部164に単写撮影モード(加算なし)を設定し(ステップS417)、設定撮影条件に応じて、単写撮影動作を実行する(ステップS418)。
一方、(1)〜(4)判断のいずれかがYESであった場合には、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定する(ステップS419)。そして、前述と同様に、測光値と設定撮影条件に応じて、加算画像数と露出時間を再設定して(ステップS420)、連写撮影動作、及び連写画像のマルチプレーン加算合成処理を実行する(ステップS421)。
したがって、本実施の形態によれば、ユーザー所望の印刷用紙サイズ(寸法)又は記録画像サイズ(画素数)に応じて、許容像ブレ量や許容ブレ量などを設定して、それに応じて、連写画像マルチプレーン加算による「ブレ軽減速写合成モード」への切替条件を自動的に可変設定するので、鑑賞時のサイズに合わせてブレの目立たない必要+分なブレ軽減撮影が行えるので、画質劣化なども最小限に抑えることができる。
なお、本実施の形態においては、ステップS411において、選択された印刷用紙又は画像サイズと露出時間に応じて、許容ブレ量、許容ブレ速度等の許容値を算出するようにしたが、印刷用紙や画像サイズに応じて、一定の許容値を自動的に設定するようにしてもよい。
また、前述した第1の実施の形態おける切替の所定条件の一つである、
c)検出されたブレ量又は像ブレ量が、所定のブレ量又は像ブレ量より大きい場合、d)設定露出時間における像移動量もしくは像移動速度が所定の像移動量もしくは像移動速度より大きい場合、
などにおける判断基準となる所定の条件を、選択や設定されている所望の印刷用紙サイズや画像サイズに相当する印刷用紙サイズに応じて自動的に算出して設定し、検出されたブレ量又は像ブレ量が、設定された条件と比較して大きいか否かを判断し、連写画像のマルチプレーン加算によるブレ軽減撮影動作に切り替えるように制御してもよい。印刷用紙の種別もしくは印刷用紙サイズ(寸法)を選択すると、プリンタ装置の印刷解像度(dpi)やモニター装置の表示解像度などに応じて、必要な解像度が得られる画像サイズ(横×縦の画素数)は算出して決定できる。
逆に、画像サイズを選択すると、200dpiや300dpi等、印刷装置の印刷解像度(dpi)に応じて、+分な解像度となる印刷用紙サイズの限度を決定できる。例えば、用紙サイズから必要+分な画像サイズを算出するには、フチ無し印刷の場合には、
式(5) 必要な画像サイズ(横又は縦の画素数)=用紙寸法(横又は縦)(mm)×印刷解像度(dpi)÷25.4(mm/inch)、
などで求めることができる。逆も逆算より求められる。また、許容できる像ブレ量などは、例えば、許容ボケ(許容錯乱円径)の大きさを基準に算出することができる。
一般に、人間の肉眼で細かなものを見分けられる能力は、角度にして1分(1’)程度とされるが、写真など連続して調子が変化している対象では、少しゆる目の角度2〜3分(2’〜3’)程度とされ、これより小さいものはボケていることが分からず、シャープに見えると言われる。これを基準に考えると、
1)肉眼の明視距離約25cm離れた距離から写真や印画紙を観察するとき、0.15〜0.22mm×(250mm×tan(2’)〜250mm×tan(3’))程度のボケまでは人間の眼にはボケていると気付かないことになる。
2)一方、写真はその大きさに応じて、用紙の寸法(例えば、対角寸法)に相当する距離から眺めるのが自然だという考え方もある。これを基準に、対角が27cmと明視距離(25cm)に近い八つ切り判の印画紙では約0.2mmのボケまでは許され、35mm判から八つ切り判への引き伸ばし倍率は6倍だから、0.2÷6=0.033mmが、一般的な35mm判(36×24mm)フィルムの「許容ボケ」(許容錯乱円径、Pemlissible Circle of Confusion)として採用されている。この方法では、逆に、用紙サイズや引き伸ばし倍率に関わらず、撮像素子のイメージサイズに相応して、所定の角度(2’〜3’)以内の許容錯乱円径であればよく、換算には便利であるが、印刷用紙が大きい場合ほど、荒いピントやボケ、ブレでも許されることになる。上記いずれの考え方にせよ、選択された印刷用紙の大きさと、撮像素子の撮像イメージサイズ(1/2型:対角8mm、1/3型:対角6mm、など)に応じて、許容ボケ(許容錯乱円径)δを自動的に算出して、それにあわせて、許容ブレや、許容できる像ブレ量、許容できるブレ角速度(又は、被写体移動の角速度)の目安などを設定することができる。すなわち、
1)印刷用紙によらず用紙サイズ(対角)相当の距離だけ離れて観察するときの許容ボケが所定値(例えば、35mm判の0.033mmに相当する角度=約0°02’40”)以下になるように設定する場合には、
式(6) 撮像面上の許容錯乱円径削:mm]={撮像サイズ(Y)/印刷用紙サイズ(S)}×印刷用紙サイズS[mm]xtan(2’40”)、=撮像サイズ(Y)[対角、mm]xtan(2’40”)、として算出して、許容ブレを設定できる。
2)また、どの用紙サイズの場合も、一定の明視距離(約25cm)から観察する場合には、
式(7)撮像面上の許容錯乱円径δ[mm]={撮像サイズ(Y)/印刷用紙サイズ(S)}×明視距離(250mm)xtan(2’40”)、として算出し、これを基準に許容ブレを設定できる。
3)あるいは、許容錯乱円径δ[mm]をユーザー所望の任意の値に設定してもよい。
また、許容できる像ブレ量(δB)は上記の許容錯乱円径(δ)に略等しいとすると、許容できる像移動速度(VB)、許容ブレ量(θS)、及び、露出時間(T)における許容ブレ角速度(ωS)は、上記で算出された撮像面上の許容ボケ(δ)[mm]と、撮影レンズの焦点距離(O[mm]、設定露出時間(T)[秒]とから、
式(8) 許容像ブレ量δB≒δ、又は、
許容像移動速度VB=δB/T≒δ/T、
許容ブレ量(又は被写体の見かけ上の移動角度)θS=2×tan−1(δB/2f)、
許容ブレ角速度(又は被写体の見かけ上の移動角速度)ωS=θS/T、
などと算出して、設定することができる。
あるいは、マクロ撮影などで、被写体距離Lが分かる場合には、
式(9) 被写体範囲X=撮像サイズYXL/ fとなるので、
式(10)被写体ブレ(又はカメラブレの許容変位)XB=許容像ブレ量δB×L/f 、又は、
許容できる被写体の移動速度VB=XB/T≒δBXL/(fxT)、
等として算出できる。これらを本例の印刷用紙に応じた所定のブレ量もしくは像ブレ量として、もしくは、前述の第1実施例のc)又はd)の所定のブレ量もしくは像ブレ量の条件として設定して、連写画像のマルチプレーン加算による「ブレ軽減速写合成モード」への切替条件の判断を行えばよい。
(第5の実施の形態)
図14及び図15は、本発明の第5の実施の形態における動作及び処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態は、ユーザー操作に応じて、手ブレ補正装置による手ブレ補正処理を行う「手ブレ補正モード」と、連写画像のマルチプレーン加算+位置合せ合成によるブレ軽減処理を行う「ブレ軽減速写合成モード」と、「オート撮影モード」とを選択して切替えられるようにするとともに、「オート撮影モード」においては、前記a)〜c)のような手ブレが大きいと判断される第1条件の場合には、「手振れ補正モード」に切り替え、d)〜f)のような被写体ブレが大きいと判断される第2条件の場合には、「ブレ軽減速写合成モード」に自動的に切り替え、その他の場合には、ブレ補正もブレ軽減撮影も行わないよう制御するものである。
フローチャートに示すように、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて撮影モードを選択し(ステップS501)、シャッタ速度等の撮影条件を設定するとともに、ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて、用紙サイズ又は画像サイズを選択する(ステップS502)。次に、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS503)、被写体像のスルー画像を表示部181に表示させる(ステップS504)。次いで、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS505)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS506)。
レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS507)、これにより得られた測光値と前記ステップS504で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS508)。次に、撮像素子157から出力される連続撮像信号から被写体の移動量を算出して(ステップS509)、ブレ量を検出し、順次記録する(ステップS510)。また、手ブレ補正撮影モードが設定されているか否かを判断し(ステップS511)、設定されている場合には、ブレ補正撮影を行うべくステップS512に進む。
このブレ撮影においては、撮像素子157及びDSP部164を単写撮影モードに設定し(ステップS512)、ブレ量を検出して順次記録する(ステップS513)。そして、この検出ブレ量に応じて、ブレ補正装置(ブレ補正駆動部134)を駆動して、光学的なブレ補正処理を実行するとともに(ステップS514)、設定撮影条件に応じて、露出及び撮影動作を行う(ステップS515)。次に、露出時間が終了したか否かを判断し(ステップS516)、経過するまでステップS513からの処理を繰り返す。
露出時間が終了したならば、露出及び撮影動作を停止し(ステップS517)、前記露出、撮影動作により得られた撮影画像データを読み出して(ステップS518)、これを圧縮、符号化する(ステップS519)。また、この圧縮、符号化した撮影画像データを前記メモリ媒体に記録するとともに(ステップS520)、表示装置6に撮影画像データに基づく撮影画像をレビュー表示させる(ステップS521)。
一方、前記ステップS511の判断がNOであって、手ブレ補正撮影モードが設定されていない場合には、図15のステップS522に進んで、ブレ軽減撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS522)。ブレ軽減撮影モード設定されている場合には、連写撮像の加算+位置合わせによるブレ軽減撮影を行うべくステップS523に進む。
この連写撮像の加算+位置合わせによるブレ軽減撮影においては、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定し(ステップS523)、前述と同様に、測光値と設定撮影条件に応じて、露出時間Tが短くなるように、加算画像数(n)と露出時間(T/n)を再設定する(ステップS524)。次に、撮影条件に応じて露出/撮影動作を開始し(ステップS525)、露出時間(T/n)が終了したか否かを判断する(ステップS526)。露出時間(T/n)が終了したならば、これにより得られた画像データを読み出し(ステップS527)、撮影された画像を、前の画像と位置合わせする位置合わせ処理を実行する(ステップS528)。次に、撮影された画像を前の画像と順次マルチプレーン加算合成するとともに(ステップS529)、補間処理、ノイズ除去処理を実行する(ステップS530)。また、加算画像数分連写済みか否かを判断し(ステップS531)、加算画像数分連写済みとなるまで、ステップS525からの処理を繰り返す。
したがって、ステップS525〜S531の処理がT/nの周期でn回繰り返されることとなり、これにより、連写されたn枚の画像が順次マルチプレーン加算合成されて、補間処理及びノイズ除去処理された1枚分の撮影画像データが生成されることとなる。しかる後に、前述した図14におけるステップS519以降の処理を実行する。
他方、ステップS522の判断がNOであって、ブレ軽減撮影モードが設定されていない場合には、ステップS522からステップS532に進み、オート撮影モードが設定されているか否かを判断する。オート撮影モードが設定されていない場合には、その他のモード処理に移行する(ステップS533)。オート撮影モードが設定されている場合には、以下の判断を行う。
(1)焦点距離が所定以上であるか否か(ステップS534)
(2)マクロ撮影であるか否か(ステップS535)
(3)検出回路142、144で検出されたブレ量が所定値を超えるか否か(ステップS536)
(4)像の移動量が所定を超えるか否か(ステップS537)
(5)測光値が所定値未満であるか否か(ステップS538)
(6)測光値が所定値未満である場合においてストロボ強制OFFとなっているか否か(ステップS539)
(7)設定露出時間(T)が所定時間(例えば、1/60s)を超えるか否か(ステップS540)。
そして、これら(1)〜(7)判断のうち、(1)〜(3)のいずれか1つでもYESであった場合には、図14のステップS512に進んで、ブレ補正撮影処理に移行する。また、(1)〜(7)のうち、(4)〜(6)のいずれか1つでもYESであった場合には、ステップS523に進んで、連写撮像の加算+位置合わせによるブレ軽減撮影に移行する。さらに、(1)〜(7)判断の全てがNOであった場合には、撮像素子157及びDSP部164を単写撮影モード(加算なし)に設定する(ステップS541)。これと同時に、撮影条件に応じて露出/撮影動作を開始し(ステップS542)、シャッタ速度に応じた露出時間が終了したか否かを判断し(ステップS543)、露出時間が終了となった時点で露出/撮影動作を停止させる(ステップS544)。また、この単写により得られた画像データを読み出して(ステップS545)、図15の519に進む。
したがって、本実施の形態によれば、手ブレ補正をOFFしたまま忘れてON操作しなかった場合であっても、手振れや被写体ブレによる像ブレを白動的かつ効果的に軽減して撮影することができる。
(第6の実施の形態)
図16及び図17は、本発明の第6の実施の形態における動作及び処理の手順を示すフローチャートである。レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS601)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS602)。レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS603)、これにより得られた測光値と設定撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS604)。次に、撮像素子157から出力される連続撮像信号から被写体の移動量を算出して(ステップS605)、ブレ量を検出し、順次記録する(ステップS606)。次に、オート撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS607)。オート撮影モードが設定されていない場合には、その他のモード処理に移行する(ステップS608)。
オート撮影モードが設定されている場合には、
(1)焦点距離が所定以上であるか否か(ステップS609)
(2)マクロ撮影であるか否か(ステップS610)
(3)検出回路142、144で検出されたブレ量が所定値を超えるか否か(ステップS611)
(4)像の移動量が所定を超えるか否か(ステップS612)
(5)測光値が所定値未満であるか否か(ステップS613)
(6)測光値が所定値未満である場合においてストロボ強制OFFとなっているか否か(ステップS614)
(7)設定露出時間(T)が所定時間(例えば、1/60s)を超えるか否か(ステップS615)。
そして、これら(1)〜(7)判断のうち、(1)〜(3)のいずれか1つでもYESであった場合には、後述するステップS616に進む。また、(1)〜(7)のうち、(4)〜(6)のいずれか1つでもYESであった場合には、連写撮像の加算+位置合わせによるブレ軽減撮影を行うべく、前述した図15のステップS523以降の処理を実行する。さらに、(1)〜(7)判断の全てがNOであった場合には、通常撮影を行うべく、図15のステップS541以降の処理を実行する。
また、(1)〜(3)のいずれか1つでもYESであってステップS616に進んだ場合には、以下の判断を行う
(5)測光値が所定値未満であるか否か(ステップS616)
(6)測光値が所定値未満である場合においてストロボ強制OFFとなっているか否か(ステップS617)
(7)設定露出時間(T)が所定時間(例えば、1/60s)を超えるか否か(ステップS618)。
(4)像の移動量が所定を超えるか否か(ステップS619)。
そして、これら(4)〜(7)判断が全てNOであった場合には、ブレ補正撮影を行うべく、前述した図14のステップS515以降の処理を実行する。また、いずれか1つでもYESであった場合には、図17のステップS620に進み、ブレ補正撮影+連写画像加算による増感撮影を実行する。
このブレ補正撮影+連写画像加算による増感撮影においては、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定し(ステップS620)、前述と同様に、測光値と設定撮影条件に応じて、露出時間Tが短くなるように、加算画像数(n)と露出時間(T/n)を再設定する(ステップS621)。次に、ブレ量を検出して順次記録する(ステップS622)。そして、この検出ブレ量に応じて、ブレ補正装置(ブレ補正駆動部134)を駆動して、光学的なブレ補正処理を実行するとともに(ステップS623)、設定撮影条件に応じて、露出及び撮影動作を行う(ステップS624)。次に、露出時間が終了したか否かを判断し(ステップS625)、経過するまでステップS623からの処理を繰り返す。露出時間(T/n)が終了したならば、これにより得られた画像データを読み出し(ステップS626)、撮影された画像を前の画像と順次マルチプレーン加算合成する(ステップS627)。また、加算画像数分連写済みか否かを判断し(ステップS628)、加算画像数分連写済みとなるまで、ステップS622からの処理を繰り返す。
したがって、ステップS622〜S628の処理がT/nの周期でn回繰り返されることとなり、これにより、連写されたn枚の画像が順次マルチプレーン加算合成されて、1枚分の撮影画像データが生成されることとなる。しかる後に、このマルチプレーン加算合成された1枚分の撮影画像データを圧縮、符号化して(ステップS629)、この圧縮、符号化した撮影画像データを前記メモリ媒体に記録する(ステップS630)。
すなわち、本実施の形態においては、前述した第5の実施の形態において、さらに、前記a)〜c)のいずれかのような第1の所定条件を満たし、かつ、d)〜f)のいずれかのような第2の所定条件を満たす場合には、ブレ量が大きく、かつ、被写体ブレを生じやすく高感度撮影が必要と判断して、光学式手ブレ補正装置による手ブレ補正処理を行いながら、連写画像のマルチプレーン加算による高感度撮影処理(この場合は位置合せによるブレ補正処理はしなくともよい)を同時に行うように制御する。これにより、手ブレ量が大きい場合にも、手ブレ補正処理とマルチプレーン加算による高感度撮影とを同時に実行してブレを軽減できる。
(第7の実施の形態)
図18及び図19は、本発明の第7の実施の形態における動作及び処理の手順を示す一連フローチャートである。ユーザによる操作入力部122での操作に応じて、撮影モードを選択するとともに撮影条件を設定する(ステップS701)。また、オート撮影モード、又はブレ軽減撮影モードが設定されたか否かを判断し(ステップS702)、いずれも設定されていない場合には、その他のモード処理に移行する(ステップS703)。オート撮影モード、又はブレ軽減撮影モードが設定されている場合には、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS704)、被写体像のスルー画像を表示部181に表示させる(ステップS705)。次いで、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS706)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS707)。
レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS708)、これにより得られた測光値と前記ステップS704で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS709)。次に、この露出条件により設定された設定露出時間が所定値(例えば1/60s)以下であるか否かを判断し(ステップS710)、所定値以下である場合には、撮像素子157及びDSP部164を単写撮影モード(加算なし)に設定する(ステップS714)。しかる後に、単写撮影動作を行うべく、図15のステップS541以降の処理を実行する。
しかし、ステップS710での判断の結果、設定露出時間が所定値を超える場合には、撮影感度値Svを1段上げ、シャッタ速度値Tvも1段上げる(ステップS711)。また、この1段上げた撮影感度が所定感度以上(ノイズが荒くならない程度の感度)であるか否か(ステップS712)、及び1段上げたシャッタ速度値Tvによる設定露出時間が所定時間以下であるか否か(ステップS713)を判断する。そして、1段上げた設定露出時間が所定時間を超える場合には、ステップS711からの処理を繰り返し、設定露出時間が所定時間以下となった時点で前述したステップS714に進んで、単写撮影動作に移行する。しかし、設定露出時間(シャッタ速度値T)が所定時間以下となる前に、1段上げた撮影感度が所定感度以上となった場合には、単写撮影してもノイズが荒くなることから、単写撮影動作に移行することなくステップS712から図19のステップS715に進む。
そして、前述のステップS711で上げた撮影感度値Sv及びシャッタ速度値Tvを元の値に戻す(ステップS715)。しかる後に、連写撮影によるマルチプレーン加算モードに設定し、加算画像数を1〜2段上げるとともに、シャッタ速度値Tvを1〜2段上げる(ステップS716)。また、この1〜2段上げた加算画像数が所定の加算画像数未満であるか否か(ステップS717)、及び1〜2段上げたシャッタ速度値Tvによる設定露出時間が所定時間(例えば1/60s)以下であるか否か(ステップS718)を判断する。そして、1〜2段上げた設定露出時間(シャッタ速度値Tv)が所定時間を超える場合には、ステップS716からの処理を繰り返し、設定露出時間(シャッタ速度値T)が所定時間以下となった時点で、連写画像加算による増感撮影を行うべく、ステップS720に進む。
しかし、設定露出時間(シャッタ速度値Tv)が所定時間以下となる前に、1〜2段上げた加算画像数が所定の加算画像数以上となった場合には、加算画像数及びシャッタ速度値Tvを今回のステップS716の処理が行われた直前の状態に戻して(加算画像数を1〜2段下げ、シャッタ速度値Tvを1〜2段下げる)(ステップS719)、連写画像加算による増感撮影を行うべく、ステップS720に進む。そして、撮像素子157及びDSP部164を連写撮影かつマルチプレーン加算モードに設定し(ステップS720)、前述と同様に、測光値と設定撮影条件に応じて、露出時間Tが短くなるように、加算画像数(n)と露出時間(T/n)を再設定する(ステップS721)。次に、撮影条件に応じて露出/撮影動作を開始し(ステップS722)、露出時間(T/n)が終了したか否かを判断する(ステップS723)。露出時間(T/n)が終了したならば、これにより得られた画像データを読み出し(ステップS724)、撮影された画像を前の画像と順次マルチプレーン加算合成するとともに(ステップS725)。また、加算画像数分連写済みか否かを判断し(ステップS726)、加算画像数分連写済みとなるまで、ステップS723からの処理を繰り返す。
したがって、ステップS722〜S726の処理がT/nの周期でn回繰り返されることとなり、これにより、連写されたn枚の画像が順次マルチプレーン加算合成された1枚分の撮影画像データが生成されることとなる。しかる後に、この撮影画像データを圧縮、符号化処理し(ステップS727)、この圧縮、符号化した撮影画像データを前記メモリ媒体に記録するとともに(ステップS728)、表示装置6に撮影画像データに基づく撮影画像をレビュー表示させる(ステップS729)。
つまり、本実施の形態においては、ISO相当撮影感度が予め設定された所定値より低い感度に設定されている場合には、まずISO相当感度をノイズが荒くならない程度に予め設定された所定の感度まで1〜2段程度づつ上げていき、露出条件を再設定して、露出時間(シヤッタ速度秒)が所定の露出時間(1/60秒など)よりも短くなるように設定する。それでも、露出時間が所定時間より長い場合には、1回のレリーズ操作に応じて、連写画像のマルチプレーン加算合成処理(位置合せ処理はしなくともよい)を行う「高感度速写合成モード」に自動的に切り替えて撮影する。また、「高感度速写合成モード」の連写画像のマルチプレーン加算においても、露出時間が所定時間(1/60秒など)より短くなるまで、速写及び加算する画像数を1〜2段づつ徐々に上げて、露出時間(シヤッタ速度秒)を再設定する。したがって、ノイズが荒くならない範囲でISO相当感度の設定による増態と、それを補うように、マルチプレーン加算による増感効果とを組合せて、露出時間を短縮することにより、効率的にブレ軽減しながら高感度撮影を行うことができる。
(第8の実施の形態)
図20は、本発明の第8の実施の形態における動作及び処理の手順を示す一連フローチャートである。ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて撮影モードを選択し(ステップS801)、シャッタ速度、感度等の撮影条件を設定する(ステップS802)。次に、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS803)、被写体像のスルー画像を表示部181に表示させる(ステップS804)。次いで、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS805)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS806)。
レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS807)、これにより得られた測光値と前記ステップS804で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS808)。次に、撮像素子157から出力される連続撮像信号から被写体の移動量を算出して(ステップS809)、ブレ量を検出し、順次記録する(ステップS810)。また、高感度撮影モードが設定されているか否かを判断し(ステップS811)、設定されている場合には、測光値と設定撮影条件に応じて、所定の撮影感度及び露出条件に再設定して(ステップS815)、ステップS816に進む。
高感度撮影モードが設定されていない場合には、オート撮影モードが設定されているか否かを判断し(ステップS812)、オート撮影モードも設定されていない場合には、その他のモード処理に移行する(ステップS813)。また、オート撮影モードが設定されている場合には、前記ステップS802で設定された感度が所定感度以上であるか否かを判断する(ステップS814)。所定感度以上である場合にはその他のモード処理に移行し(ステップS813)、所定感度未満である場合にはステップS816に進む。
そして、ステップS816〜ステップS824においては、以下の判断を行う。
(1)焦点距離が所定以上であるか否か(ステップS816)
(2)マクロ撮影であるか否か(ステップS817)
(3)ステップS810で検出されたブレ量が所定値を超えるか否か(ステップS818)
(4)ステップS810で順次記録した像の移動量が所定を超えるか否か(ステップS819)
(5)選択されたシーン別撮影プログラムにおける撮影シーン(あるいは認識した被写体)が子供、ペット、スポーツなどをであるか否か(ステップS820)
(6)測光値が所定値未満であるか否か(ステップS821)
(7)測光値が所定値未満である場合においてストロボ強制OFFとなっているか否か(ステップS822)
(8)設定露出時間(T)が所定時間(例えば、1/60s)を超えるか否か(ステップS823)。
(9)前記ステップS807でのWB処理によるWB設定が白熱電球又は蛍光灯であるか否か(ステップS824)。
これらの(1)〜(9)判断において、(1)〜(3)判断のいずれか一つでもYESであった場合には、高感度撮影+ブレ補正撮影を行うべく、図14の512以降の処理を実行する。(1)〜(3)判断が全てNOであって、(4)(5)のいずれかがYESであった場合には、高感度撮影+連写画像加算+位置合わせによるブレ軽減撮影を行うべく、図15のステップS523以降の処理を実行する。(1)〜(5)判断が全てNOであって、(7)〜(9)判断のいずれか一つでもYESであった場合には、高感度撮影+連写画像加算+連写画像加算による増感撮影を行うべく、図19のステップS721以降の処理を実行する。
本実施の形態においては、(1)〜(5)判断が全てNOであって、(7)〜(9)判断のいずれか一つでもYESであった場合には、高感度撮影+連写画像加算+連写画像加算による増感撮影を行うべく、図19のステップS721以降の処理を実行するようにしたが、高感度撮影+ブレ補正撮影を行うべく、図14の512以降の処理を実行するようにしてもよい。また、(1)〜(9)判断が全てNOであった場合には、高感度撮影+通常単写撮影を行うべく、図15のステップS514以降の処理を実行する。
つまり本実施の形態においては、「高感度撮影モード」、又は、ISO感度が所定値より高感度に設定されている場合に、前記a)〜c)のいずれかのような第1の所定条件の場合には、手ブレが大きくなると判断して、高感度撮影とともに、手ブレ補正装置による「手ブレ補正モード」を同時に行う。また、前記d)のような第2の所定条件の場合、もしくは、撮影シーンが「子供」や「ペット」、「スポーツ」などの場合には、被写体ブレが大きくなると判断して、ISO相当感度アップによる高感度撮影とともに、連写画像のマルチプレーン加算+位置合せ合成による「ブレ軽減速写合成モード」に自動的に切替える。また、前記e)、f)、g)のいずれかのような第3の所定条件の場合には、暗い被写体で長い露出時間を要すると判断して、ISO相当感度アップによる高感度撮影とともに、連写画像のマルチプレーン加算合成による増感処理(位置合せ処理はしなくともよい)を行う「高感度速写合成モード」に自働的に切替えて、撮影を行うよう制御する。したがて、本実施の形態によれば、高感度撮影では手振れしにくくなるが、それでも手振れや像ブレが特に大きい場合は、ISO感度アップによる増感とマルチプレーン加算による増感処理やブレ軽減処理、又は、ブレ補正装置による手ブレ補正処理とを組合せて、より効果的にブレを軽減できる。
(マルチプレーン加算における相関計算(位置合わせ方法))の切り替え)
図21は、所定の撮影条件に応じて、上述のマルチプレーン加算処理における位置合せ方法を、A)主要被写体の領域画像を基準に位置合せして合成するか、B)(主要被写体を除く)背景領域の画像を基準に位置合せして合成するか、のいずれかに切替えて撮影動作を行うように制御する例を示す。
本例では、マルチプレーン加算+位置合せ合成による高感度&ブレ補正処理を行う際に、主要被写体領域の輪郭形状や色特徴などの特徴を抽出する主要被写体の特徴抽出手段と、主要被写体領域の特微量の相関度が最も高くなる移動位置、あるいは、各輪郭形状の共通領域又は重心位置などを求める主要被写体の位置検出手段と、各連写画像から主要被写体を除いた背景画像の色分布もしくはテクスチャー特徴など背景の画像特徴の抽出手段とを設け、
A)主要被写体の領域画像を位置合せする場合に、連写画像の最初の画像の輝度パターンや輪郭形状、色分布など画像の特徴量から中央又は前景の主要被写体の領域(又はその共通領域や重心位置)を抽出するとともに、そのフレーム画像の主要被写体領域の画像特微量と、今回フレーム画像P1の当該領域の画像特微量との相関を計算し、最も相関が高くなる位置、もしくは、特微量の差(距離)が最も低くなる位置を求め、今回フレーム画像P1を求めた一致位置まで移動して、前回フレーム画像P2に順次重ね合せ合成する。
B)一方、背景領域の画像で位置合せする場合には、同様に、連写画像の最初の画像の特微量から中央又は前景の主要被写体の領域を抽出するとともに、そのフレーム画像から抽出された主要被写体領域を除いた背景領域の画像特微量と、今回フレーム画像P1の当該領域の画像特微量との相関を計算し、最も相関が高くなる位置、もしくは、特微量の差(距離)が最も低くなる位置を求め、今回フレーム画像P1を求めた一致位置まで移動して、前回フレーム画像P2に順次重ね合せ合成する。
また、いずれも、加算枚数分の連写画像の位置合せ及びマルチプレーン加算処理が終了した後、その共通領域の画像を所定のアスペクト比(縦横比)の方形に切り取るトリミング処理を行い、複数枚画像の合成により外郭にずれて凸凹出入りした部分を削除するとともに、トリミング処理により小さくなった画像サイズ(画素数)を、元の記録画像サイズに拡大する処理などを行うのが好ましい。
(位置合わせ)
図22に(a)主要被写体領域の画像を基準に位置合せする場合と、(b)背景領域の画像を基準に位置合せする場合の例を示す。
(a)主要被写体の領域画像で位置合せする場合には、連写画像の最初の被写体画像から輝度又は色差信号などに基づいて複数領域に分割し、その中から主要被写体の領域を選択し、その領域画像を2値化し、エッジを検出し、エッジ図形をN辺の等辺多角形などで近似し、輪郭線のP型フーリエ記述子、あるいは、そのフーリエスペクトルやDCT変換の低周波成分からn個の成分(係数)を取り出して、輪郭形状の特徴データとして抽出し、今回画像と重ねて、パターンマッチングなどにより順次移動した各位置において前回画像と今回画像との特徴データを比較して、相関や類似度が最も高い位置を検出して、位置合せを行い、マルチプレーン加算する。
(b)背景画像で位置合せする場合には、同様に複数領域に分割し、主要被写体の領域を除く背景の領域画像を選択し、その輝度パターン、又は、その代表色や色分布などの色特徴、テクスチャー特徴などを前回画像とパターンマッチングで比較して、相関や類似度が最も高い位置を一致位置として検出して、位置合せを行い、マルチプレーン加算する。
(位置合わせ+マルチプレーン加算合成処理)
図23は、位置合わせ+マルチプレーン加算合成処理の処理手順を示すサブルーチンである。被写体の連写画像の最初の画像を取り込み(ステップSA1、図(A))、輝度階調値又は色差信号に基づいて、複数領域に分割する(ステップSA2、図(B))。次に、主要被写体の位置合わせであるか否かを判断し(ステップSA3)、主要被写体の位置合わせである場合には、主要被写体の領域を選択する(ステップSA4、図(C))。引き続き、領域の画像を3値化し(ステップSA5、図(D))、エッジを検出する(ステップSA6、図(E))。このエッジを検出した画像をN辺の等辺多角形等で近似し(ステップSA7)、輪郭線のP型記述子などフーリエ記述子を求める(ステップSA8)。さらに、パワースペクトルを求め(ステップSA9、図(F))、低周波成分からn個の成分を取り出し、データ圧縮して、輪郭線特徴データとし(ステップSA10)、求めた輪郭線の特徴量データをメモリに記憶する(ステップSA11)。
引き続き、次の連写画像を順次取り込み(ステップSA12)、選択領域画像のテンブレートマッチング処理を行って、今回画像を前回画像上において、順次移動させ、各位置での特徴量の類似度又は距離を求める(ステップSA13、図(G)(J))。最も類似度が高い(又は距離が小さい)位置を一致する位置として出力し(ステップSA14)、今回画像データを一致する位置まで移動(位置合わせ)する(ステップSA15)。移動位置に応じて、縦線、斜めの補間処理を行って(ステップSA16)、補間処理された今回の画像データと前回画像データとを加算合成する(ステップSA17、図(H))。次に、全ての画像を加算したか否かを判断し(ステップSA18)、全ての画像を加算するまでステップSA12からの処理を繰り返す。全ての画像を加算したならば、共通領域の切り出し処理を行って、元のサイズに拡大処理する(ステップSA19)。
他方、ステップSA3の判断がNOである場合には、背景領域の位置合わせであるか否かを判断する(ステップSA20)。背景領域の位置合わせである場合には、主要被写体を除く背景領域を選択し(ステップSA21、図(I))、背景領域の位置合わせでない場合には、中央又はフォーカス枠周辺の所定サイズの領域を選択する(ステップSA22)。しかる後に、輝度パターン特徴で位置合わせするか否かを判断し(ステップSA23)、輝度パターン特徴で位置合わせする場合には、選択領域の輝度パターンの特徴量を抽出する(ステップSA25)。輝度パターン特徴で位置合わせしない場合には、代表色又は色分布で位置合わせするか否かを判断する(ステップSA24)。
代表色又は色分布で位置合わせする場合には、選択領域の特徴パターンの特徴量を抽出する(ステップSA27)。代表色又は色分布で位置合わせしない場合には、テクスチャー特徴で位置合わせするか否かを判断し(ステップSA26)、する場合には選択領域のテクスチャー特徴量を抽出する(ステップSA28)。そして、ステップSA25、SA27、SA28のいずれかに続くステップSA29においては、これらのステップで抽出された選択領域の特徴データをメモリに記憶した後(ステップSA29)、前述したステップSA12以降の処理を実行する。
(第9の実施の形態)
図25は、本発明の第9の実施の形態における動作及び処理の手順を示す一連フローチャートである。ユーザーによる操作入力部122での操作に応じて撮影モードを選択し(ステップS901)、シャッタ速度、感度等の撮影条件を設定する(ステップS902)。次に、ズーム処理、AF処理を実行し(ステップS903)、被写体像のスルー画像を表示部181に表示させる(ステップS904)。次いで、レリーズ釦が押されて撮影指示がなされたか否かを判断し(ステップS905)、押されない場合には、ユーザーにより操作入力部122で操作されたキーに応じたその他のキー処理を実行する(ステップS906)。
レリーズ釦が押されて撮影指示があると、測光処理、WB処理を行って(ステップS907)、これにより得られた測光値と前記ステップS904で設定された撮影条件とに応じて、露出条件を設定する(ステップS908)。次に、撮像素子157から出力される連続撮像信号から被写体の移動量を算出して(ステップS909)、ブレ量を検出し、順次記録する(ステップS910)。また、被写体ブレ軽減撮影モードが設定されているか否かを判断し(ステップS911)、設定されている場合には、主被写体を位置合わせするマルチプレーン加算によるブレ軽減撮影を行うべく、ステップS925〜S927の処理を実行する。すなわち、連写撮影において、主被写体の領域を選択し(ステップS925)、主被写体領域の特徴量を抽出して特徴データをメモリに記憶する(ステップS926)。また、主被写体の特徴量に基づいて、図23において説明した位置合わせ+マルチプレーン加算処理を実行する(ステップS927)。
また、ステップS911での判断の結果、被写体ブレ軽減撮影モードが設定されていない場合には、手ブレ軽減撮影モードが設定されているか否かを判断する(ステップS912)。手ブレ軽減撮影モードが設定されている場合には、背景を位置合わせするマルチプレーン加算によるブレ軽減撮影を行うべく、ステップS922〜S924の処理を実行する。すなわち、連写撮影において、主被写体を除く背景領域を選択し(ステップS922)、背景領域の特徴量を抽出して特徴データをメモリに記憶する(ステップS923)。また、背景領域の特徴量に基づいて、図23において説明した位置合わせ+マルチプレーン加算処理を実行する(ステップS924)。
他方、 また、ステップS912での判断の結果、手ブレ軽減撮影モードが設定されていない場合には、以下の各判断を行う。
(1)流し撮り撮影モードであるか否か(ステップS913)
(2)選択されたシーン別撮影プログラムにおける撮影シーン(あるいは認識した被写体)が子供、ペット、スポーツなどをであるか否か(ステップS914)
(3)焦点距離が所定以上であるか否か(ステップS915)
(4)マクロ撮影であるか否か(ステップS916)
(5)ステップS910で検出されたブレ量が所定値を超えるか否か(ステップS917)
(6)ステップS910で順次記録した像の移動量が所定を超えるか否か(ステップS918)
(7)測光値が所定値未満であるか否か(ステップS919)
(8)測光値が所定値未満である場合においてストロボ強制OFFとなっているか否か(ステップS920)
(9)設定露出時間(T)が所定時間(例えば、1/60s)を超えるか否か(ステップS921)。
これらの(1)〜(9)判断において、(3)(4)(5)判断のいずれか一つでもYESであった場合には、背景を位置合わせするマルチプレーン加算によるブレ軽減撮影を行うべく、前記ステップS922〜S924の処理を実行する。また、(1)(2)(6)(8)(9)判断のいずれか一つでもYESであった場合には、主被写体を位置合わせするマルチプレーン加算によるブレ軽減撮影を行うべく、前記ステップS925〜S927の処理を実行する。また、(1)〜(9)判断が全てNOであった場合には、前述した通常単写撮影を実行する。
つまり、本実施の形態においては、
1)前述のa)〜c)のように、手ブレが大きくなる撮影条件や撮影シーンなど、第1の所定の条件のときには、1回のレリーズ操作に応じて、高速で複数枚の画像を速写し、複数枚の速写画像の背景領域の画像の特微量を用いて位置合せして、順次速写画像をマルチプレーン加算するブレ軽減撮影処理を行う。
2)一方、前述のd)〜f)のように、被写体ブレが大きくなる撮影条件や撮影シーンなど、第2の所定の条件のときには、1回のレリーズ操作に応じて、高速で速写し、複数枚の速写画像の主要被写体領域の画像の特微量を用いて位置合せして、順次速写画像をマルチプレーン加算するブレ軽減撮影処理を行う。
3)その他の条件のときには、1回のレリーズ操作に応じて、速写やマルチプレーン加算は行わずに、1回の露光で1枚の画像を撮影記録する通常の撮影を行うように制御する。あるいは、さらに、撮影条件やシーンに応じて、位置合せ方法だけでなく、位置合せ時に比較する画像の特徴量などを切り替えるように制御することが好ましい。
(テンブレートマッチング処理)
図26は、テンブレートマッチング処理の手順を示すフローチャートであり、図27はテンブレート画像の説明図である。前画像g(i,j)から、m×nサイズの画像領域t[k,L]を抽出して、テンブレートメモリに記憶する(ステップSB1)。M×Nサイズの今回のフレーム画像f(i,j)を入力し(ステップSB2)、j←0、Rmax←0(又は、dmin←∞)とした後(ステップSB3)、i←0とする(ステップSB4)。予めプログラムメモリ123に記憶してあるテンブレート画像t[k,L]を、今回画像f(i,j)の点(i,j)に重ねる(ステップSB5)。
次に、下記例示式を用いて、t[k,L]とf(i,j)の重複部分の類似度R(i,j)又は、距離d(i,j)を計算する(ステップSB6)。
(例)類似度R(i,j)=ΣLΣKf[i−(m/2)+k,j−(n/2)+L]・t[k,L]、
距離d(i,j)=ΣLΣK|f[i−(m/2)+k,j−(n/2)+L]−t[k,L]|
(ただし、上式で、ΣKはΣK=0 (m−1)、ΣLはΣL=0 (N−1)を表す。)
引き続き、類似度R(i,j)>最大値Rmaxとを比較(又は、距離d(i,j)とそれまでの最小値dminとを比較)し(ステップSB7)、類似度R(i,j)>最大値Rmaxであるか否か(又は、距離d(i,j)<最小値dminであるか否か)を判断する(ステップSB8)。この判断がYESである場合には、(i,j)←(i,j)、Rmax←R(i,j)(又は、dmin←d(i,j))として、最大(最小)となる位置座標(i,j)と類似度(又は距離)を更新して記憶する(ステップSB9)。
次に、i≧M−1となったか否かを判断し(ステップSB10)、なっていない場合には、i←i+1としてt[k,L]を横移動し(ステップSB11)、ステップSB5からの処理を繰り返す。また、i≧M−1となったならば、i≧N−1となったか否かを判断する(ステップSB12)。なっていなければ、j←j+1としてt[k,L]を縦移動し(ステップSB13)、ステップSB4からの処理を繰り返す。そして、i≧M−1となってステップSB12の判断がYESとなったならば、Rmax(又はdmin)をとる位置座標(i,j)を出力して(ステップSB14)、リターンする。
(輪郭形状の特徴抽出)
また、前述した位置合せのために、画像の相関や類似度を求める場合に、比較する画像の特徴量として、主要被写体などの輪郭形状を用いる場合には、図28〜図30に示すように、対象領域の図形の輪郭特徴データを抽出すればよい。画像の類似や探索は、前述のように、領域内の画像からテンブレート画像と類似する画像の位置を順次探索するテンブレート・マッチング等の手法により、類似する画像や図形の探索ができる。また、輪郭形状の識別は、2値化や線図形化したテンブレート画像やその特微量を記憶しておき、それらと入力画像の2値化や線図形化した画像や特徴データとの相関度や類似度などを計算して、形状の識別や類似度の判別ができる。
輪郭形状の特徴データの抽出は、例えば、図28に示すように、図形の輪郭線に沿って、始点から順次、偏角θ(s)を求めて、一次元関数(偏角関数)に変換して、輪郭形状の特徴量として利用できる。あるいは、図29に示すように、輪郭線に沿って順次、位置座標x(s),y(s)、又は、z(s)=x(s)刊・y(s)を求めて、一次元の位置座標関数に変換して、輪郭形状の特徴量として利用できる。さらに、前述の偏角関数や位置座標関数などの一次元関数を離散フーリエ変換などを施し、その周波数成分やフーリエ係数を特徴量データとしてもよい。例えば、図30に示すように、偏角関数θ(s)を正規化して、正規化偏角関数θ(s)を求め、
式(13) 正規化偏角関数:θN(s)=θ(s)−θ(O)−2πs/L、
このθN(s)の離散化データφ[i]をフーリエ変換して、次のようなZ(Zahn)形フーリエ記述子を求め、輪郭形状の識別に利用できる。
式(14) θN(s)の離散化データ:φ[i]=θ[i]−θ[0]−2πi/N
式(15) θN(s)の離散フーリエ変換のフーリエ係数(Z型記述子):
Cz[k]=(1/N)Σφ[i]exp(−j2πki/N)
また、図31に示すように、折れ線近似した偏角θ[i]の指数関数w[i]を求め、w[i]をフーリエ変換した、P(Phase)形記述子を求め、輪郭形状の識別に利用してもよい。
式(16) w[i]=exp(jθ[iD=cosθ[i]+sinθ[i]=(z[i+1]−z[i])/δ、
ただし、線分長δ=|z[i+1]−z[i]|
式(17) w[i]の離散フーリエ変換のフーリエ係数(=P形記述子):
Cp[k]=(1/N)Σw[i]exp(−j2πki/N)
また、比較する主要被写体や背景の画像特徴量として、輝度パターンや輪郭形状などの特微量の代りに、領域画像の代表色や色分布などの色特徴情報を用いてもよい。
(代表色、色分布の抽出)
図32は、選択された領域画像のRGBヒストグラムから代表色やその分布の分散度合いを特徴抽出する処理手順例を示すフローチャートである。対象とする撮影画像を取り込み(ステップSC1)、輝度階調値又は色差信号に基づいて複数の輪郭領域に分割する(ステップSC2)。次に、面積の大きい領域、又は中央のフォーカス枠に近い領域から順に1〜n個の被写体領域を選択し(ステップSC3)、各分割領域毎にRGB別ヒストグラム分布Pr(i)、Pg(i)、Pb(i)を求める(ステップSC4)引き続き、このPr(i)、Pg(i)、Pb(i)をそれぞれ全体が1.0となるように正規化する(ステップSC5)。
そして、下記のようにRGBヒストグラムPr(i)、Pg(i)、Pb(i)の最頻値を求める(ステップSC6)。
μr=Max{Pr(i)},
μg=Max{Pg(i)},
μb=Max{Pb(i)},
また、下記のようにRGBヒストグラムPr(i)、Pg(i)、Pb(i)の平均μを求める(ステップSC7)。
μr=Σi・Pr(i),
μg=Σi・Pg(i),
μb=Σi・Pb(i),
また、下記のようにRGBヒストグラムPr(i)、Pg(i)、Pb(i)の分散σ2を求める(ステップSC8)。
σr2=Σ(i−μr)2・Pr(i),
σg2=Σ(i−μg)2・Pg(i),
σb2=Σ(i−μb)2・Pb(i),
次に、各領域のRGBヒストグラムの最頻値又は平均値を代表色とし、代表色とRGBの分散値を色の特徴データとして記述して出力する(ステップSC9)。
(色分布の抽出)
図33は、領域画像を複数ブロックに分割して、ブロック毎の平均色を求め、そのDCT変換したDCT係数の分布データなど、色分布や配色パターンの特徴を抽出する処理手順例を示すフローチャートである。対象とする撮影画像、又は、領域画像を取り込み(ステップSD1)、領域を縦m×横nの複数ブロック領域に分割する(ステップSD2)。次に、各分割ブロック領域の平均色を算出し(ステップSD3)、各分割ブロック領域の平均色をRGB又はYCbCr空間でDFT変換又はDCT変換で周波数に変換し、各係数を求める(ステップSD4)。そして、DFT又はDCTの低周波成分の係数をジグザグスキャンなどで走査して1次元化し(ステップSD5)、この1次元化した各係数を量子化(デジタル符号化)し(ステップSD6)、このデジタル符号化したDFT又はDCT係数列を、色分布の特徴データとし記述し出力する(ステップSD7)。
また、人間の肌色領域の抽出など、特定の色の画像領域や輪郭の抽出を行う場合、人間の肌の分光反射率特性、又は、撮影画像サンプル中の肌色領域のRGB値、もしくはHSV値(色相:Hue、彩度:Saturation、明度:Value of Brightness)などを元に、肌色の領域や人間の肌や顔の領域を抽出できる。例えば、肌色の色相(Hue)と彩度(Saturation)の分布データをとると、肌色の画像データの多くは、彩度は広い範囲で分布するが、色相(Hue)環では、約6°〜38°の範囲に多く分布することが知られている。これらを利用すれば、HSV値から、色相(Hue)が約6°〜38°の範囲の人間の顔の肌色とするなど、特定の色の被写体の領域を適宜抽出することができる。
(高次局所自己相関関数によるテクスチャー特徴抽出)
図34(a)は、高次局所自己相関関数によるテクスチャー特徴抽出例を示すフローチャートであり、同図(b)はその説明図である。図(a)に示すように、撮影画像を取り込み(ステップSE1)、各画像のRGB成分をYIQ成分に変換し、Y画像、I画像、Q画像を得る(ステップSE2)。次に、設定された特徴に応じて、同図(b)に示すように、(n×n)画素のマスクパターン1〜25(図(b)のNo.1〜25)を作成する(ステップSE3)。さらに、下記に示すように、各画像で、各参照点(i,j)にマスクパターン1〜25の参照点を重ね合わせ、各画素の輝度値f(i,j)tと掛け合わせ(論理積)、特徴ベクトルC1〜25を求める(ステップSE4)。
C1=ΣiΣj{f(i,j)}、
C2=ΣiΣj{f(i,j)f(i+1,j)}、
・・・
C5=ΣiΣj{f(i,j)f(i−1,j+1)}、
C6=ΣiΣj{f(i,j)f(i−1,j)f(i+1,j)}、
・・・
C25=ΣiΣj{f(i,j)f(i−1,j+1)f(i+1,j+1)}。
また、C(a1,・・・,aN)=Σr[n√{f(r)f(r+a1)・・・f(r+aN)}]により、上記のC1〜C25を加算(積和)し(ステップSE5)、Ci=Ci/Σj{Cj}(i,j=1〜25)により、各特徴量を特徴ベクトル全体の和Σj{Cj}で除算して、特徴ベクトルの絶対値が1となるように正規化する(ステップSE6)。そして、各YIQ画像毎に求めた局所自己相関による特徴ベクトルC1〜C25、又はその統計量を、テクスチャーの特徴データとして記述し出力する(ステップSE7)。
また、フーリエスペクトルからテクスチャー解析する方法として、離散2次元フーリエ変換(DFT)したフーリエスペクトル
F(u,v)=ΣΣf(x,y)W1xuW2yu(ただし、W1=exp(−j2π/M)を求め、
F(u,v)のパワースペクトルP(u,v)=|F(u,v)|2を算出し、
これを極座標形式のP(r,θ)に変換して、原点を中心としたドーナツ形領域のエネルギーの和p(r)、及び、角度θの扇形領域内のエネルギーの和q(r)を求め、
p(r)=2Σθ=0πP(r,θ)、
q(r)=2Σf=0W/2P(r,θ)。
そのヒストグラム分布のピーク、平均、分散など統計量から、例えばP(r)のピークよりテクスチャーのきめの大きさ、q(θ)のピークよりテクスチャー画素の方向性など、テクスチャーの特徴量を抽出して、特徴データを記述して、出力するようにしてもよい。
8−4)輝度の共起行列によるテクスチャー解析
また、輝度の共起行列を用いてテクスチャーの特徴を抽出してもよい。画像(x,y)において、画素f(x1、y1)から距離d、角度θの位置関係(d,θ)にある画素f(x2,y2)の輝度をd(1,2,・・・)、θ(0度、45度、90度、135度など)を変えて順次求め(ただし、距離d=max(|x1−x2|,|y1−y2|)
、位置関係(d,θ)にある2点の輝度がそれぞれ、f(x1,y1)=i,f(x2,y2)=jの対となる頻度(ヒストグラム)を集計して、輝度共起行列P(i,j;d,θ)を求め、正規化した共起行列p(i,j)=P(i,j)/ΣiΣj(i,j)から、・角2次モーメント(Angular second moment,全体の均一性を表す)f1=ΣΣ{p(i,j)}2、
・コントラスト(Contrast,局所変化を表す)f2=Σ{n2p(i,j)}、
・方向に関する相関(Correlation)f3=ΣΣ{(i,j)p(i,j−μ2)}/σ2、 ただし、μ=Σip(i)=1/g、(g;階調数)
σ=√{Σ{p(i)−μ}/(g−1)}
・平方和(Sum of Squares,局所同調性を表すf4=ΣΣ{(i−μ)2p(i,j)}、
・逆差分モーメント(Inverse difference Moment,複雑さの測度を表す)f5=ΣΣ[p(i,j)/{1+(1−j))}]、
などを求めて、テクスチャーの特徴データとすることができる。
(位置合わせ+マルチプレーン加算合成処理)
図35は、位置合わせ+マルチプレーン加算合成処理の他の処理手順を示すサブルーチンである。各連写画像を取り込み(ステップSF1)、各連写画像の輝度階調値又は色差信号に基づいて、複数領域に分割する(ステップSF2)。次に、オート撮影モードが設定されているか否かを判断し(ステップSF3)、設定されている場合には、選択された画像領域において、顔画像の認識処理を実行する(ステップSF4)。引き続き、対象画像内に顔の領域が検出されたか否かを判断し(ステップSF5)、検出された場合には、顔を含む領域を主要被写体の領域として選択する(ステップSF6)。しかる後に、主要被写体を位置合わせするマルチプレーン加算を行うべく、ステップSF7及びSF8の処理を実行する。すなわち、主要被写体領域の特徴量を抽出して特徴量データをメモリに記憶し(ステップSF7)、主要被写体の特徴量に基づいて、連写画像の位置合わせ+マルチプレーン加算処理を実行する(ステップSF8)。
前記ステップSF3の判断がNOであって、オート撮影モードが設定されていない場合には、ユーザにより選択された撮影シーンが「人物」、「人物+風景」、「子ども」など人物を含むシーンであるか否かを判断し(ステップSF9)、YESである場合には前記ステップSF4に進む。しかし、NOである場合には、さらに選択されたシーンが「ペット」、「オークション」、「花」であるか否を判断する(ステップSF10)。この判断がYESである場合、及び前記ステップSF5の判断がNOである場合には、中央又はフォーカス枠の領域を主要被写体の領域として選択する(ステップSF11)。しかる後に、主要被写体を位置合わせるマルチプレーン加算を行うべく、前記ステップSF7及びSF8の処理を実行する。
また、ステップSF10の判断がNOである場合には、選択された撮影シーンが「風景」、「夜景」「夕日」などの人物を含まないシーンであるか否かを判断する(ステップSF12)。この判断がYESである場合には、中央又はフォーカス枠の被写体を除く背景領域を選択する(ステップSF13)。しかる後に、背景を位置合わせするマルチプレーン加算を行うべく、ステップSF14及びSF15の処理を実行する。すなわち、背景領域の特徴量を抽出して特徴量データをメモリに記憶し(ステップSF14)、背景領域の特徴量に基づいて、連写画像の位置合わせ+マルチプレーン加算処理を実行する(ステップSF15)。
つまり、この位置合わせ+マルチプレーン加算合成処理においては、
1)撮影シーンが「人物」、「人物+風景」、「子供」、「スポーツ」など、人物が主な被写体と想定されるシーンの場合には、顔画像の認識手段により、人物の顔画像と認識された画像領域を抽出して、抽出された顔画像を含む主要被写体の位置が一致するように位置合せを行ってから、速写画像を順次マルチプレーン加算合成する。
2)領画像が認識されなかった場合、あるいは、撮影シーンが、「ペット」や「オークション」、「花」など、人物を主な被写体として含まないと想定される撮影シーンの場合には、顔画像の認識手段を用いず、輪郭特徴などの特微量により、中央やフォーカス枠の主要被写体の領域を抽出して、抽出された主要被写体の特微量の位置が一致するように位置合せを行ってから速写画像を順次加算合成する。
3)また、「風景」や「夕日」、「夜景」など、前景に明瞭な主要被写体を含まないことも想定される撮影シーンの場合には、各画像から抽出された主要被写体の輪郭の画像領域を除いた、背景領域の色分布やテクスチャーなど、所定の画像特微量の位置が一致するように位置合せを行ってから、速写画像を順次加算合成する。
したがって、選択されたシーンに応じて、顔認識処理と位置合せ方法を切替えて、マルチプレーン画像加算+位置合せ合成による高感度&手振れ補正処理(ブレ軽減速写合成モード)を行うように制御する。
したがって、本実施の形態においては、撮影シーン、及び、顔認識結果とに応じて、人物の顔が含まれると想定されるシーンの場合には、自動的に顔認識処理を行うとともに、顔が認識された場合には、顔画像が含まれる被写体を主要被写体の領域として、その位置が一致するように位置合する。また、顔が認識されなかった場合、あるいは、人物が含まれないと想定されるシーンでは、中央やフォーカス枠の被写体を基準に位置合せし、あるいは、主要被写体が含まれない場合も想定されるシーンでは、背景画像が一致するように位置合せする。しかる後に、マルチプレーン加算処理するように、自動的に切り替えるので、シーンの画像特性などに応じて、より最適で精密な位置合せ処理ができ、より画像品位の高い像感撮影や効果的なブレ軽減撮影ができる。
(色相の抽出、肌色の抽出)
図36は、所定の色の領域を抽出する例として、人間の肌色領域の抽出例を示す。図(a)は、人間の肌の分光反射率特性の例であり、(b)は、撮影画像サンプル中の肌色領域のRGB値、及びHSV値の例(色相:Hueを0〜360°、彩度:Saturationを0〜255、明度:Value of Brightnessを0〜255として場合)である。また、(c)は、肌色の色相:Hue:0〜360°、彩度:Saturation:0〜1分布の例で、肌色の画像データの多くは、色相環で6°〜38°の範囲に多く分布することが知られている(Skin Colour Analysis(by J.Sherrah and S.Gong)http://homepages.inf.ed.ac.uk/rbf/CVonline/LOCAL_COPLES/GONGI/cvOnline-skinColourAnalysis.html)。これらを利用すれば、HSV値から、色相で約6°〜38°の範囲の人間の顔の肌色とするなど、特定の色の被写体の領域を適宜抽出することができる。
(顔の認識処理)
前記の特徴抽出において、特定の被写体やシーン別撮影モードなどで注目する被写体別に専用の識別データや認識処理を必要とする場合がある。図37は、例えば「人物撮影シーン」などにおいて、人物の顔の領域における特徴データを抽出する場合の処理手順を子示すフロー説明図である。すなわち、ステップ(a)顔の位置検出では、顔の輪郭画像に様々なグラフを当てはめて、人物の顔部分を検出する。次に、ステップ(b)顔の特徴点の位置検出では、画像の顔部分を切り出し、顔の大きさを正規化して、顔の特徴点の位置を検出する。さらに、ステップ(c)特徴量の検出においては、各特徴点から、ウェーブレット変換等で、周波数成分など個人毎の特徴量を抽出する。
図38は、(a)は顔の眼の領域を抽出するためのマスクパターンの例で、これを参照パターンとして、テンブレートマッチング等を用いて検索して、入力画像から眼や顔のある画像領域を検索できる。(b)は、眼を認識するデータの例で、例えば、
眼の細長さ=b/aとして、α1≦b/a≦α2の条件に合致する、又は、
(眼の面積)S1≒π×a×b、(黒眼(瞳)の面積)S2=π×r2、黒眼(瞳)の比率S2/S1=r2/abとして、β1≦r2/ab≦β2などの条件に合致する被写体画像の領域を「眼の領域」と識別することができる。また、(c)は、人間の顔と認識するための条件データの設定で、例えば、(眉下〜鼻下までの長さ)h1≒(鼻下〜あごまでの長さ)h2、又は、(右眼の幅)W1≒(両眼の間)W2≒(左眼の幅)W3、などの条件を満たす被写体画像の領域を「顔の領域」であると識別できる。
図39は、人間の顔の簡易な識別処理手順を示すフローチャートである。先ず、対象となる画像を取り込み(ステップSG1)、輝度もしくは色差データに基づいて輪郭を抽出する(ステップSG2)。次に、前記画像をこの抽出した輪郭を境界とする領域に分割し(ステップSG3)、分割領域の中からいずれかの対象領域を選択する(ステップSG4)。そして、RGB又は色差データに基づいて、選択した領域の平均RGB又は平均色差データを算出し(ステップSG5)、この算出したRGB又は色差値をHSVに変換する(ステップSG6)。
引き続き、この変換したHSVが肌色の領域は否か、つまり、色相(Hue)が6〜38°か否かを判断し(ステップSG7)、この判断がNOである場合には、顔の領域でないと判断する(ステップSG15)。ステップSG7での判断がYESである場合には、顔のマスクパターンを設定し、前記対象領域において眼と瞳の領域を検索する(ステップSG8)。次に、眼の領域は検出できたか否かを判断し(ステップSG9)、検出できない場合には、顔の領域でないと判断する(ステップSG15)。検出できた場合には、眼の縦横比(b/a)、眼と瞳(黒眼)の面積比(r2/ab)を算出し(ステップSG10)、眼と瞳の比率は所定範囲内か否か、すなわち前記α1≦b/a≦α2の条件に合致するか否かを判断する(ステップSG11)。この判断がNOである場合には、顔の領域でないと判断する(ステップSG15)。
ステップSG11の判断がYESである場合には、眼と瞳の比率は所定範囲内であるか否か、すなわち前記β1≦r2/ab≦β2の条件に合致するか否かを判断する(ステップSG12)。この判断がNOである場合には、顔の領域でないと判断する(ステップSG15)。ステップSG12の判断がYESである場合には、右眼の幅W1、右眼と左眼の間隔W2、左眼の幅W3を算出し(ステップSG13)、W1とW2、W3は等しいか否か、すなわちW1−δ≦W2≦W1+δ、W1−δ≦W3≦W1+δであるか否かを判断する(ステップSG14)。この判断がNOである場合には、顔の領域でないと判断する(ステップSG15)。そして、この判断がYESである場合、つまり、ステップSG7、SG9、SG11、SG12、SG14の判断が全てYESである場合には、前記ステップSG4で選択した領域を、顔の領域として認識する(ステップSG16)。さらに、この認識された顔の領域の位置座標を記憶する(ステップSG17)。次に、今回選択した領域が、当該画像において最後の領域であるか否かを判断し(ステップSG18)、最後の領域でない場合には、ステップSG4に戻って次の領域を選択し、前述した処理を繰り返す。そして、最後の領域まで以上の処理が実行されると、ステップSG18の判断がYESとなり、認識結果、顔と認識された位置座標を出力する(ステップSG19)。
なお、実施の形態においては、種々判断を行いこれら判断の結果に応じて、主被写体の特徴量を背景領域の特徴量に基づいて、位置合わせ+マルチプレーン加算処理を行うようにしたが、前記種々判断を行うことなく、連写された画像の主被写体の特徴量を背景領域の特徴量に基づいて、位置合わせ+マルチプレーン加算処理を行うようにしてもよい。これにより、背景技術で説明した単に連続する複数の画像を撮影し各画像の対応する画素同士を加算する電子式手振れ補正方式よりも、明瞭な手ブレ補正された画像を得ることができる。よって、本発明は、電子式手振れ補正方式により補正される画像の画質を向上させることを目的とすることもできる。