本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。本実施形態は、本発明を適用した半導体製造装置の遠隔保守システムである。本システムは、保守の内容に応じた木目の細かい課金を可能とするものである。本発明が扱える産業用機器には、計算機を内蔵していること以外に制限はないが、本実施の形態の説明では、産業用機器として半導体製造工場で使用する露光装置,塗布現像装置,熱処理装置,組み立て装置,検査装置などの半導体製造に用いられる各種装置やシステムを想定する。ここでは、これら装置やシステムを総称して、以下、半導体製造装置とよぶ。
図1は、本発明を適用した半導体製造装置の遠隔保守システムの構成の一例を示すブロック図である。110は、半導体製造装置を供給する会社(以下、装置供給ベンダと記す)の保守センタである。120は、半導体製造装置を使用して半導体デバイスを製造する会社(以下、半導体製造メーカと記す)の製造工場である。図1に示したシステムでは2つの製造工場120が示されているが、実際には2つ以上の製造工場120があっても構わない。また、製造工場120は、互いに異なる半導体製造メーカに属する工場であっても同一の半導体製造メーカに属する工場であってもよい。
保守センタ110には、半導体製造装置の保守を行う1つ以上の作業装置113と、保守センタ110への通信を管理する管理装置112とが設けられている。各作業装置113と管理装置112はイントラネット111を介して接続されている。各製造工場120には、半導体デバイスを製造する1つ以上の半導体製造装置123と、製造工場120への通信を管理する管理装置122とが設けられている。各半導体製造装置123と管理装置122はイントラネット121を介して接続されている。保守センタ110に設けられた管理装置112は、各製造工場120に設けられた管理装置122とインターネット100を介して接続されている。図1の各装置はいずれも単一の計算機を利用した装置であるが、実際には単一の装置を複数台の計算機で構成しても複数の装置を単一の計算機を利用して構成してもよい。
保守センタ110に設けられた作業装置113は、保守センタ110の保守員が遠隔で半導体製造装置123の保守を行う装置である。作業装置113は、管理装置112から保守の依頼を表すメッセージ(以下、保守依頼と記す)を受信すると、この保守依頼に含まれる情報を例えばディスプレイに表示する機能も有する。保守依頼に含まれる情報には、トラブルの症状を特定するデータ(以下、ステータスと記す)と保守作業の状況を半導体装置に出力する態様を特定するデータ(以下、出力モードと記す)とがある。なお、保守依頼には、例えばトラブル検知日時,半導体製造工場の識別子,半導体製造装置の識別子,半導体製造装置の機種などがある。
保守員は、表示された情報を見た上で、トラブルへの対処がオンラインで必要であるか否かを判断する。オンラインでの対処が必要であると判断した保守員は、保守作業を開始する旨を通知するために、キーボードを用いて保守員の識別子とパスワードを入力し、マウスを用いて着手通知送信ボタンを押下する。作業装置113は、保守員が入力した保守員の識別子とパスワードと、保守依頼から取り出した出力モードから構成されるメッセージ(以下、着手通知と記す)を管理装置112と管理装置122とを介してオンラインで半導体製造装置123に送信する機能も有する。半導体製造装置123は、着手通知を受信すると保守員の認証を行う。保守員は、この認証により例えばD1,D2,・・・などのユニークな識別子で識別される。
認証を済ませた保守員は、半導体製造装置123に命令を送信するために、半導体製造装置123で実行するプログラムの識別子とプログラムに与えるパラメータとから構成されるコマンドと、プログラムの実行結果を格納するファイルの識別子とをキーボードを用いて入力し、保守操作送信ボタンをマウスを用いて押下する。なお、保守員は複数のコマンドとファイルの識別子を入力してもよい。作業装置113は、保守員が入力した1つ以上のコマンドから構成されるメッセージ(以下、保守操作と記す)を管理装置112と管理装置122とを介してオンラインで半導体製造装置123に送信する機能も有する。
半導体製造装置123は、作業装置113から保守操作を受信すると、保守操作から全てのコマンドを取り出し、各コマンドで指定されているプログラムをそれぞれに対応付けられているパラメータを用いて実行し、全てのコマンドで指定されているプログラムを実行し終えたら、プログラムの実行結果から構成されるコマンド応答をそれぞれのコマンドごとに生成し、これらのコマンド応答から構成されるメッセージ(以下、保守操作応答と記す)を作業装置113に一括して送信する。
作業装置113は、半導体製造装置123から保守操作応答を受信すると、保守操作応答に格納されている全てのコマンド応答を取り出し、それぞれのコマンド応答に格納されているプログラムの実行結果をそれぞれのコマンドに対応付けられているファイルに格納し、保守操作応答を受信した旨をディスプレイに表示する機能も有する。
表示された情報を見た保守員は、プログラムの実行結果を確認するために、マウスを用いてプログラムの実行結果が格納されているファイルの識別子を押下する。作業装置113は、押下されたファイルの内容をディスプレイに表示する機能も有する。表示された内容を見た保守員は、トラブルへの更なる対処が必要か否かを判断し、必要がある場合には、マウスを用いて継続ボタンを押下し、キーボードを用いて新たなコマンドとファイルの識別子を入力し、マウスを用いて保守操作送信ボタンを押下する。保守員は、保守操作の送信をトラブルへの対処が終わるまで繰り返す。
保守員は、トラブルへの対処を終えると、マウスを用いて完了通知送信ボタンを押下する。作業装置113は、保守作業を完了した旨を表すメッセージ(以下、完了通知と記す)を管理装置112と管理装置122とを介してオンラインで半導体製造装置123に送信する機能も有する。半導体製造装置123は、完了通知を受信すると、着手通知を受信してから完了通知を受信するまでの間に実行したプログラムの処理の内容に応じて当該保守についての保守料金を算出し、算出した保守料金を例えばディスプレイに表示する。なお、この保守料金の算出は、半導体製造装置123内部でなく、管理装置122や外部に設けられた算出装置(図示せず)で実行してもよい。本実施の形態では、着手通知を送信してから完了通知を送信するまでが1回の保守作業である。
保守センタ110に設けられた管理装置112は、保守センタ110への通信を管理する装置である。管理装置112は、各製造工場120に設けられた管理装置122から保守依頼を受信しているか否かを定期的に監視し、保守依頼を受信している場合には、この保守依頼を所定の規則に従って特定の保守員が使用している作業装置113に送信する機能を有する。また、管理装置112は、保守依頼に応答して作業装置113から送信される着手通知,保守操作,完了通知の各メッセージを保守依頼を送信してきた製造工場120の管理装置122に送信する機能も有する。
製造工場120に設けられた管理装置122は、製造工場120への通信を管理する装置である。管理装置122は、各半導体製造装置123から保守依頼を受信しているか否かを定期的に監視し、保守依頼を受信している場合には、この保守依頼を保守センタ110の管理装置122に送信する機能を有する。また、管理装置122は、保守依頼に応答して保守センタ110の管理装置112から送信される着手通知,保守操作,完了通知の各メッセージを保守依頼を送信してきた半導体製造装置123に送信する機能も有する。
製造工場120に設けられた半導体製造装置123は、製造工場120の技師が半導体デバイスを製造する装置である。図2は、半導体製造装置123の構成を示すブロック図である。半導体製造装置123は、技師が半導体デバイスの製造に必要なデータ(以下、製造操作と記す)を入力する入出力部130と、管理装置122との間で保守依頼,着手通知,保守操作,完了通知の各メッセージを送受信する通信部131と、保守操作と製造操作に応じてプログラムを実行する制御部132と、制御部132によって制御される各部位133とから構成される。
入出力部130は、技師が半導体製造装置123の使用を開始するたびに技師を認証する機能を有する。技師は、この認証により例えばU1,U2,・・・などのユニークな識別子で識別される。技師は、認証を済ませると、半導体デバイスの製造を行うために製造操作を入出力部130に入力する。
入出力部130は、入力された製造操作に応じて、プログラムの識別子とパラメータから構成されるデータ(以下、実行要求と記す)を制御部132に送信し、制御部132からプログラムの実行結果を格納したデータ(以下、実行要求応答と記す)を受信すると、実行要求応答からプログラムの実行結果を取り出し、このプログラムの実行結果をディスプレイに表示する機能も有する。
入出力部130は、保守作業の状況を出力するために必要な出力モードの条件を表すデータ(以下、状況出力権限と記す)を出力権限管理テーブルに記録する機能も有する。状況出力権限は、出荷時に装置供給ベンダの工場で入力される。状況出力権限には、保守作業の状況を半導体装置に出力する態様を特定する出力モードに応じて制御部132で実行されたプログラムの実行日時,識別子,パラメータの各項目の表示を許可するか否かを表すデータを格納する。
入出力部130は、制御部132からプログラムの実行日時,プログラムの識別子,パラメータから構成されるデータ(以下、実行状況と記す)と、保守作業の状況を半導体製造装置123に出力する態様を特定する出力モードとを受信すると、出力権限管理テーブルから状況出力権限を読み出し、受信した出力モードを基に、実行状況の各項目の出力権限が与えられているか否かを確認し、出力権限が与えられている実行状況の項目を例えばディスプレイに表示する機能も有する。
通信部131は、半導体製造装置123の稼動状況を定期的に監視し、トラブルが発生していることを検知した場合には、ステータスと出力モードから構成される保守依頼を生成し、生成した保守依頼を管理装置122を介して保守センタ110の管理装置122に送信する機能も有する。トラブルの内容とステータスの対応関係は予め対応付けられている。また、出力モードの値は予め技師によって入力されている。なお、保守依頼には、前述のようにステータスと出力モードの他に、例えばトラブル検知日時,半導体製造工場の識別子,半導体製造装置の識別子,半導体製造装置の機種などを含めてもよい。
通信部131は、保守員の属性を表すデータ(以下、保守員属性と記す)を保守員属性管理テーブルに記録する機能も有する。保守員属性データは、技師により予め入力される。保守員属性データには、保守員のパスワードと保守員の技術レベルを格納する。
通信部131は、プログラムの実行権限を表すデータ(以下、プログラム実行権限と記す)を実行権限管理テーブルに記録する機能も有する。実行権限データは、技師により予め入力される。実行権限データには、保守員の属性を表す保守員属性と、その時点の装置の状態を表すデータ(以下、装置状態と記す)に応じてプログラムの実行を許可するか否かを表すデータを格納する。装置状態には、例えば生産,待機,エンジニアリング,計画ダウンタイム,計画外ダウンタイム,非計画時間,不定などの値を格納する。
通信部131は、保守員が行う保守作業を例えばO1,O2,・・・などのユニークな識別子で識別し、管理装置122から着手通知,保守操作,完了通知の各メッセージを受信するたびに、これらのメッセージの内容を表すデータ(以下、保守実績と記す)を特定の識別子に対応付けて保守実績管理テーブルに記録する機能も有する。保守実績には、いつ,どの技術レベルのどの保守員が,装置がどの状態の時に,どの出力モードで,どういう内容のメッセージを送信したかという情報を記録する。
通信部131は、保守に対する対価の額を指定するデータ(以下、保守料金表と記す)を保守料金表管理テーブルに記録する機能も有する。保守料金表は、出荷時に装置供給ベンダの工場で入力される。保守料金表には、保守員の技術レベル,プログラムを実行した時点の装置状態,読み出した使用履歴情報の種別,出力モードなどに応じて、装置ベンダが半導体製造メーカにいくらの対価を請求するかという情報を記録する。保守に対する対価の額は、保守員の技術レベルが高いほど高く、半導体製造メーカの製造プロセスに悪影響を与える可能性が高いほど高く、プログラムが半導体製造メーカの機密情報を多く読み出すほど低く、保守作業の状況を詳細に表示するほど高く設定する。
通信部131は、管理装置122から着手通知を受信すると、着手通知から取り出したパスワードと保守員属性管理テーブルから読み出した保守員属性を比較して保守員を認証する機能も有する。前述の通り、保守員は、この認証により例えばD1,D2,・・・などのユニークな識別子で識別される。
通信部131は、管理装置122から着手通知を受信すると、着手通知から取り出した出力モードを、完了通知を受信するまで記憶する機能を有する。
通信部131は、管理装置122から保守操作を受信すると、保守操作から全てのコマンドを取り出し、各コマンドで指定されているプログラムを実行し、各プログラムの実行を終了するとプログラムの実行結果から構成されるコマンド応答をそれぞれのコマンドごとに生成し、これらのコマンド応答から構成される保守操作応答を作業装置113に送信する機能も有する。
通信部131は、各コマンドで指定されているプログラムを実行するために、保守員属性管理テーブルから保守員の保守員属性を読み出し、制御部132からその時点の装置状態を読み出し、実行権限管理テーブルから各コマンドで指定されているプログラムのプログラム実行権限を読み出し、保守員属性と装置状態を基に各コマンドで指定されているプログラムの実行権限が保守員に与えられているか否かを確認し、プログラムの実行権限が与えられている場合に限って、このプログラムの識別子とパラメータから構成される実行要求と、記憶している出力モードとを制御部132に送信し、制御部132からプログラムの実行結果を格納した実行要求応答を受信する機能も有する。
通信部131は、管理装置122から完了通知を受信すると、保守実績管理テーブルと保守料金表管理テーブルからそれぞれ保守実績と保守料金表を読み出し、この保守料金表データと保守実績データを用いて、当該保守についての保守料金を算出し、この保守料金に関する情報を例えばディスプレイに表示するように制御部132を介して入出力部130に要求する機能も有する。
制御部132は、制御部132が実行する処理の条件と手続きを表すプログラムをプログラム管理テーブルに蓄積する機能を有する。プログラムには、どのような条件の下で、どのような手続きに従って処理を実行するかという情報を格納する。
制御部132は、入出力部130から実行要求を受信すると、実行要求で指定されているプログラムをこれに対応付けられているパラメータを用いて実行する機能も有する。
制御部132は、通信部131から実行要求を受信すると、実行要求で指定されているプログラムをこれに対応付けられているパラメータを用いて実行し、プログラムの実行日時,プログラムの識別子,パラメータから構成される実行状況と、実行要求で指定されている出力モードを入出力部130に送信し、プログラムの実行結果を格納した実行要求応答を通信部131に送信する機能も有する。
制御部132は、入出力部130から受信した実行要求に応じて実行されたプログラムの履歴を表すデータ(以下、プログラム実行履歴と記す)をプログラム実行履歴管理テーブルに記録する機能も有する。プログラム実行履歴には、いつ,どの技師が,どのプログラムを,どのパラメータを用いて実行したかという情報を格納する。
制御部132は、制御部132により制御される各部位134の状態を表すデータ(以下、センサ状態履歴と記す)をセンサ状態履歴管理テーブルに記録する機能も有する。センサ状態履歴には、いつ,どの部位が,どの状態に遷移したかという情報を格納する。
制御部132は、各部位134によって処理されたウェーハの状態を表すデータ(以下、処理結果と記す)を処理結果管理テーブルに記録する機能も有する。処理結果には、どのウェーハが、どのような状態になったかという情報を格納する。
制御部132は、装置の状態の履歴を表すデータ(以下、装置状態履歴と記す)を装置状態履歴管理テーブルに記録する機能も有する。装置状態履歴には、いつ,どの状態に遷移したかという情報を格納する。装置の状態には、例えば生産,待機,エンジニアリング,計画ダウンタイム,計画外ダウンタイム,非計画時間,不定などがある。
制御部132は、通信部131からの要求があった場合には、装置状態履歴管理テーブルからその時点の装置の状態を表す装置状態を読み出して通信部131に提供する機能も有する。
続いて、半導体製造装置123が管理するテーブルの構造について説明する。図3は、半導体製造装置123の通信部131が管理する保守員属性管理テーブルの例を示している。保守員属性管理テーブル140の各行は、先頭の保守員IDの値によって識別される保守員の属性を表す保守員属性を格納する。保守員属性は、「保守員ID」,「パスワード」,「技術レベル」の各項目から構成される。
「保守員ID」の項目は、保守員の識別子を表すデータを格納する。「パスワード」の項目は、保守員のパスワードを表すデータを格納する。「技術レベル」の項目は、保守員の技術レベルを表すデータを格納する。この例では、保守員D1のパスワードは1234であり技術レベルは上級であること、保守員D2のパスワードは5678であり技術レベルは中級であることを表している。
図4は、半導体製造装置123の制御部132が管理する装置状態管理テーブルの例を示している。装置状態管理テーブル141の各行は、装置の状態の履歴を表す装置状態履歴を格納する。装置状態履歴は、「遷移日時」と「装置状態」の各項目から構成される。「遷移日時」の項目は、装置の状態が遷移した日時を表すデータを格納する。「装置状態」の項目は、遷移した装置の状態を表すデータを格納する。この例では、2001年01月02日10時10分10秒に装置が生産状態に遷移し、2001年01月02日10時15分10秒に装置が待機状態に遷移したことを表している。なお、「装置状態」の項目には、生産,待機,エンジニアリング,計画ダウンタイム,計画外ダウンタイム,非計画時間,不定などの値を設定してもよい。
図5は、半導体製造装置123の制御部132が管理するプログラム管理テーブルの例を示している。プログラム管理テーブル142の各行は、制御部132が実行する処理の条件と手続きを表すプログラムを格納する。プログラムは、「プログラムID」,「プログラム種別」,「名称」,「処理条件」,「処理手続」の各項目から構成される。
「プログラムID」の項目は、個々のプログラムごとに割り当てられるユニークな識別子を表すデータである。「プログラム種別」の項目は、プログラムの種別を表すデータである。「名称」の項目は、プログラムの名称を表すデータである。「処理条件」の項目は、制御部132が行う処理の条件を表すデータである。「処理手続」の項目は、制御部
132が行う処理の手続を表すデータである。なお、処理条件の設定を必要としないプログラムが存在してもよい。
この例では、プログラムP1は、プログラムを読み出すためのプログラムであり、使用履歴読み出しの種別をもち、プログラムリードという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP2は、プログラム実行履歴を読み出すためのプログラムであり、使用履歴読み出しの種別をもち、プログラム実行履歴リードという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP3は、センサ状態履歴を読み出すためのプログラムであり、使用履歴読み出しの種別をもち、センサ状態履歴リードという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP4は、処理結果を読み出すためのプログラムであり、使用履歴読み出しの種別をもち、処理結果リードという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP5は、プログラムを生成するためのプログラムであり、プログラム操作の種別をもち、プログラムクリエートという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP6は、プログラムを編集するためのプログラムであり、プログラム操作の種別をもち、プログラムエディットという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP7は、プログラムを削除するためのプログラムであり、プログラム操作の種別をもち、プログラムデリートという名称の手続きを実行することを表している。
プログラムP8は、自動モードでウェーハを処理するためのプログラムであり、ウェーハ処理の種別をもち、自動でウェーハの処理を行い、番号1のスロットを使用し、ウェーハ単位で処理を行い、測定したウェーハ画像は画像1に格納することを処理条件とし、ウェーハロード,ウェーハアラインメント,アドレッシング,測定,ウェーハアンロードという名称の手続きを順に実行することを表している。
プログラムP9は、手動モードでウェーハを処理するためのプログラムであり、手動でウェーハの処理を行い、ウェーハ処理の種別をもち、番号2のスロットを使用し、カセット単位で処理を行い、測定したウェーハ画像は画像2に格納することを処理条件とし、プログラムP8と同じ手続を実行することを表している。
図6は、半導体製造装置123の通信部131が管理する実行権限管理テーブルの例を示している。実行権限管理テーブル143の各行は、先頭のプログラムIDの値によって識別されるプログラムの実行権限を表すプログラム実行権限を格納する。プログラム実行権限は、「プログラムID」と「実行権限」の各項目から構成される。
「プログラムID」の項目は、プログラムの識別子を表すデータを格納する。「実行権限」の項目は、プログラムの実行を要求した保守員の保守員属性とその時点の装置の装置状態とに応じて保守員にプログラムの実行を許可するか否かを表すデータを格納する。
この例では、実行権限を4文字の文字列で表記している。最初の2文字は、保守員属性の「技術レベル」の項目の値が上級である保守員に対する実行権限を表しており、「XX」の場合には、装置状態の値に関わらず実行を許可することを、「X−」の場合には、装置状態の値が生産状態の場合には実行を許可し、その他の状態の場合には実行を許可しないことを、「−X」の場合には、装置状態の値が生産状態の場合には実行を許可せず、その他の状態の場合には実行を許可することを、「−−」の場合には、装置状態の値に関わらず実行を許可しないことを意味している。
次の2文字は、保守員属性の「技術レベル」の項目の値が中級である保守員に対する実行権限を表しており、意味は最初の2文字と同様である。
プログラムP1とP4は、装置状態の値に関わらず保守員属性の「技術レベル」の項目の値が上級である保守員には実行を許可し、保守員属性の「技術レベル」の項目の値が中級である保守員には実行を許可しないことを表している。
また、プログラムP2,3,5,6,7は、保守員属性の「技術レベル」の項目の値が上級である保守員には、装置状態の値が「生産」の場合には実行を許可せず、装置状態の値が「その他」の場合には実行を許可し、保守員属性の「技術レベル」の項目の値が中級である保守員には、装置状態の値に関わらず実行を許可しないことを表している。
また、プログラムP8,9は、いずれの保守員にも実行を許可しないことを表している。
図7は、半導体製造装置123の制御部132が管理するプログラム実行履歴管理テーブルの例を示している。プログラム実行履歴管理テーブル144の各行は、実行されたプログラムの履歴を表すプログラム実行履歴を格納する。プログラム実行履歴は、「実行日時」,「技師ID」,「プログラムID」,「パラメータ」の各項目から構成される。
「実行日時」の項目は、プログラムが実行された日時を表すデータを格納する。「技師ID」の項目は、プログラムを実行した技師の識別子を表すデータを格納する。「プログラムID」の項目は、実行されたプログラムの識別子を表すデータを格納する。「パラメータ」の項目は、実行されたプログラムに与えたパラメータを表すデータを格納する。この例では、2001年01月02日10時10分10秒に技師U1がプログラムP8を実行し、2001年01月02日10時15分10秒に技師U1がプログラムP9を実行したことを表している。
図8は、半導体製造装置123の制御部132が管理するセンサ状態管理テーブルの例を示している。センサ状態履歴管理テーブル145の各行は、各部位133の状態の履歴を表すセンサ状態履歴を格納する。センサ状態履歴は、「記録日時」,「センサS1」,「センサS2」,・・・の各項目から構成される。「記録日時」の項目は、各部位127の状態値が記録された日時を表すデータを格納する。
「センサS1」,「センサS2」,・・・の各項目は、それぞれセンサを用いて測定した各部位133の状態を表すデータを格納する。この例では、2001年01月02日
10時10分10秒に各部位133の状態値がそれぞれ0.01,0.10,・・・であり、2001年01月02日10時10分11秒に各部位133の状態値がそれぞれ0.02,0.20,・・・であったことを表している。
図9は、半導体製造装置123の制御部132が管理する処理結果管理テーブルの例を示している。処理結果管理テーブル146の各行は、先頭のウェーハIDの値によって識別されるウェーハの処理結果を表す処理結果を格納する。処理結果は、「ウェーハID」と「ウェーハ画像」の各項目から構成される。
「ウェーハID」の項目は、個々のウェーハごとに割り当てられるユニークな識別子を表すデータを格納する。「ウェーハ画像」の項目は、ウェーハの表面の状態を表す画像データを格納する。この例では、ウェーハW1の表面の状態は正常なパターンであり、ウェーハW2の表面の状態は異常なパターンであることを表している。
図10は、半導体製造装置123の入出力部130が管理する出力権限管理テーブルの例を示している。出力権限管理テーブル147の各行は、保守作業の状況の出力権限を表す状況出力制限を格納する。出力制限は、「項目」と「出力権限」の各項目から構成される。
「項目」の項目は、実行状況の各項目を表すデータである。「出力権限」の項目は、出力モードに応じて実行状況の各項目の表示を許可するか否かを表すデータを格納する。この例では、出力制限を2文字の文字列で表記している。この文字列は、「XX」の場合には、出力モードに関わらず出力を許可することを、「X−」の場合には、出力モードの値が全表示の場合には出力を許可し、部分表示の場合には出力を許可しないことを、「−X」の場合には、出力モードの値が全表示の場合には出力を許可せず、部分表示の場合には出力を許可することを、「−−」の場合には、出力モードに関わらず出力を許可しないことを意味している。
実行日時とプログラム種別の項目は、出力モードの値に関わらず出力を許可し、プログラムIDとパラメータの項目は、出力モードの値が全表示の場合には出力を許可し、出力モードの値が部分表示の場合には出力を許可しないことを表している。
図11は、半導体製造装置123の通信部131が管理する保守実績管理テーブルの例を示している。保守実績管理テーブル148の各行は、管理装置122から受信したメッセージの内容を表す保守実績を格納する。保守実績は、「作業ID」,「記録日時」,
「技術レベル」,「保守員ID」,「作業状態」,「プログラムID」,「パラメータ」,「装置状態」,「出力モード」の各項目から構成される。
「作業ID」の項目は、保守作業の識別子を表すデータを格納する。「記録日時」の項目は、保守実績が記録された日時を表すデータを格納する。「技術レベル」の項目は、保守操作を送信した保守員の技術レベルを表すデータを格納する。「保守員ID」の項目は、メッセージを送信した保守員の識別子を表すデータを格納する。「作業状態」の項目は、保守作業の進捗状態を表すデータを格納する。「プログラムID」の項目は、保守操作によって実行されるプログラムの識別子を表すデータを格納する。「パラメータ」の項目は、プログラムへ与えるパラメータを表すデータを格納する。「装置状態」の項目は、プログラムが実行された時の装置状態を格納する。「出力モード」の項目は、保守作業の出力モードを格納する。
この例では、保守員は保守員D1であり、技術レベルは上級であり、出力モードは部分表示であることを示している。また、半導体製造装置123の通信部131は、2001年01月03日11時10分10秒に着手通知を受信し、2001年01月03日11時15分10秒にプログラム実行履歴の読み出し(P2)を要求する保守操作を受信し、
2001年01月03日11時20分10秒にセンサ状態履歴の読み出し(P3)を要求する保守操作を受信し、2001年01月03日11時25分10秒に処理結果の読み出し(P4)を要求する保守操作を受信し、2001年01月03日11時30分10秒にプログラムP8の読み出し(P1)を要求する保守操作を受信し、2001年01月03日11時35分10秒にプログラムP8の編集(P6)を要求する保守操作を受信し、
2001年01月03日11時40分10秒にプログラムP8の実行(P8)を要求する保守操作を受信し、2001年01月03日11時45分10秒に処理結果の読み出し
(P4)を要求する保守操作を受信し、2001年01月03日11時50分10秒に完了通知を受信したことを表している。また、着手通知を受信した時と最初の保守操作を受信した時の装置状態の値は生産状態であり、残りの保守操作を受信した時の装置状態の値は待機状態であったことを表している。
図12は、半導体製造装置123の通信部131が管理する保守料金表管理テーブルの例を示している。保守料金表管理テーブル149を構成する各テーブルは、保守作業の見返りとして装置ベンダが半導体製造メーカに請求する対価の額を表す保守料金表を格納する。保守料金表管理テーブル149は、定価料金管理テーブル150と割引料金管理テーブル151と割増料金管理テーブル152とから構成される。
定価料金管理テーブル150は保守作業を各保守センタに保守作業を依頼した場合の1回の保守作業あたりの保守作業の定価料金を表すデータを格納する。割引料金管理テーブル151は、保守作業で各プログラムを実行した場合の1回あたりのプログラムの実行の割引料金を表すデータを格納する。割増料金管理テーブル152は、出力モードを各値にした場合の1回あたりの保守作業の割増料金を表すデータを格納する。この例では、上級の保守員は中級の保守員よりも短時間で保守を完了することができるため、技術レベルが上級の保守員が保守を行った場合には、技術レベルが中級の保守員が保守を行った場合よりも高い定価料金を半導体製造メーカに請求することを表している。
また、プログラムや処理結果データにはプログラム実行履歴データやセンサ状態履歴データよりも半導体製造メーカの機密情報が多く含まれるため、プログラムP1,P4,
P6を実行した場合には、プログラムP2とP3を実行した場合よりも大きい割引幅で割引きを行うことを表している。
また、装置が生産状態の場合にはその他の状態の場合よりも保守が困難になるため、装置状態データの値が生産状態のときに保守を行う場合には、その他の状態のときに保守を行う場合よりも小さい割引幅で割引きを行うことを表している。
また、出力モードに全表示を指定した場合には部分表示を指定した場合よりも多くの保守に関するノウハウを半導体製造メーカに見せることになるため、出力モードに全表示を指定して保守を行う場合には、部分表示を指定して保守を行う場合よりも大きい割増幅で割増を行うことを表している。
次に、半導体製造装置123と作業装置113の間で送受信するメッセージの構造について説明する。図13は、半導体製造装置123と作業装置113の間で送受信する保守依頼,着手通知,保守操作,保守操作応答,完了通知の各メッセージの例を示している。保守依頼160は、半導体製造装置123が作業装置113に保守を依頼するために送信するメッセージであり、「トラブル検知日時」,「半導体製造工場ID」,「半導体製造装置ID」,「半導体製造装置種別」,「ステータス」,「出力モード」の各項目から構成される。
「トラブル検知日時」の項目は、トラブルの発生を検出した日時を表すデータを格納する。「半導体製造工場ID」の項目は、トラブルの発生を検出した半導体製造装置が設けられている工場の識別子を表すデータを格納する。「半導体製造装置ID」の項目は、トラブルの発生を検出した半導体製造装置の識別子を表すデータを格納する。「半導体製造装置種別」の項目は、トラブルの発生を検出した半導体製造装置の種別を表すデータを格納する。「ステータス」の項目は、トラブルの症状を特定するステータスを格納する。
「出力モード」の項目は、保守作業の状況を半導体装置に出力する態様を特定する出力モードを格納する。
着手通知161は、作業装置113が半導体製造装置123に保守作業を着手する旨を伝えるために送信するメッセージであり、「保守員ID」,「パスワード」,「出力モード」の各項目から構成される。
「保守員ID」の項目は、保守作業を行う保守員の識別子を表すデータを格納する。
「パスワード」の項目は、保守作業を行う保守員のパスワードを表すデータを格納する。「出力モード」の項目は、保守依頼で指定された出力モードを格納する。
保守操作162は、作業装置113が半導体製造装置123に命令を伝えるために送信するメッセージであり、「コマンド数」,「プログラムID」,「パラメータ」,「プログラムID」,「パラメータ」,・・・の各項目から構成される。「コマンド数」の項目は、保守操作に格納されているコマンドの数を表すデータである。「プログラムID」の項目は、半導体製造装置で実行するプログラムの識別子を表すデータである。「パラメータ」の項目は、半導体製造装置で実行するプログラムに渡すパラメータである。
保守操作応答163は、半導体製造装置123が作業装置113に命令の結果を伝えるために送信するメッセージであり、「結果数」,「結果」,「結果」,・・・の各項目から構成される。「結果数」の項目は、保守操作応答に格納されているコマンド応答の数を表すデータである。「結果」の項目は、プログラムの実行結果を表すデータである。
完了通知164は、作業装置113が半導体製造装置123に保守作業を完了する旨を伝えるためのメッセージであり、「総コマンド数」の項目から構成される。「総コマンド数」の項目は、着手通知を送信してから完了通知を送信するまでに送信したコマンドの数を表すデータである。
続いて、図1の半導体製造装置123と作業装置113の処理フローについて説明する。図14は、半導体製造装置123の通信部131の動作を示すフローチャートである。通信部131は、このフローチャートに示す処理を定期的に実行することにより、半導体製造装置123の稼動状況を定期的に監視する。
まず、通信部131は、半導体製造装置123でトラブルが発生していることを検出したか否かを確認する(ステップ201)。通信部131は、トラブルが発生していることを検出した場合にはトラブルの症状を特定するステータと保守作業の状況を半導体装置に出力する態様を特定する出力モードから構成される保守依頼160を生成し(ステップ
203)、トラブルが発生していることを検出しなかった場合には処理を終了する(ステップ205)。次に、通信部131は、保守センタ110の管理装置112に保守依頼
160を送信し(ステップ204)、処理を終了する(ステップ205)。
図15は、作業装置113の動作を示すフローチャートである。作業装置113は、このフローチャートに示す処理を定期的に実行することにより、トラブルが検出された半導体製造装置123との間で保守依頼160,着手通知161,保守操作162,保守操作応答163,完了通知164の各メッセージの送受信を行う。
まず、作業装置113は、半導体製造装置123から保守依頼160を受信しているか否かを確認する(ステップ211)。作業装置113は、保守依頼160を受信している場合にはこの保守依頼160に含まれる情報を例えばディスプレイに表示し(ステップ213)、保守依頼160を受信していない場合には処理を終了する(ステップ224)。次に、作業装置113は、オンラインでの対処が必要であると判断した保守員がキーボードを用いて入力する保守員の識別子とパスワードを受け付ける(ステップ214)。次に、作業装置113は、保守員がマウスを用いて着手通知送信ボタンを押下すると、保守員が入力した保守員の識別子とパスワードと、保守依頼から取り出した出力モードから構成される着手通知161を、保守依頼160を送信してきた半導体製造装置123に送信する(ステップ215)。次に、作業装置113は、保守員が半導体製造装置123に命令を送信するためにキーボードを用いて入力するコマンドと、プログラムの実行結果を格納するファイルの識別子を受け付ける(ステップ216)。なお、ステップ216では、作業装置113は複数のコマンドとファイルの識別子を保守員から受け付けてもよい。
次に、作業装置113は、保守員がマウスを用いて保守操作送信ボタンを押下すると、保守員が入力したコマンドから構成される保守操作162を、保守依頼160を送信してきた半導体製造装置123に送信する(ステップ217)。次に、作業装置113は、送信した保守操作162に応答して半導体製造装置123から送信される保守操作応答163を受信する(ステップ218)。次に、作業装置113は、保守操作応答163に格納されている全てのコマンド応答を取り出し、それぞれのコマンド応答に格納されているプログラムの実行結果をそれぞれに対応付けられているファイルに格納する(ステップ219)。次に、作業装置113は、保守操作応答163を受信した旨をディスプレイに表示する(ステップ220)。次に、作業装置113は、保守員からの入力を受け付ける(ステップ221)。
作業装置113は、保守員がマウスを用いて継続ボタンを押下した場合には、ステップ216に戻って処理を継続し、保守員が完了通知送信ボタンを押下した場合には、保守依頼160を送信してきた半導体製造装置123に完了通知164を送信し(ステップ223)、処理を終了する(ステップ224)。
図16は、半導体製造装置123の通信部131の動作を示すフローチャートである。通信部131は、このフローチャートに示す処理を定期的に実行することにより、着手通知161,保守操作162,完了通知164の各メッセージに応じた処理を実行する。
まず、通信部131は、作業装置113からメッセージが到着しているか否かを確認する(ステップ231)。通信部131は、メッセージが到着している場合には、このメッセージが着手通知161,保守操作162,完了通知164のいずれであるかを確認し
(ステップ233)、メッセージが到着していない場合には、処理を終了する(ステップ250)。
通信部131は、ステップ233で確認したメッセージが着手通知161である場合には、保守員属性管理テーブル140から保守員属性を読み出し(ステップ235)、読み出した保守員属性を用いて保守員を認証し(ステップ236)、着手通知から取り出した出力モードを記憶し(ステップ237)、着手通知の内容を保守実績管理テーブル147に記録し(ステップ249)、処理を終了する(ステップ250)。通信部131は、ステップ233で確認したメッセージが保守操作162である場合には、保守操作162から全てのコマンドを取り出す(ステップ238)。通信部131は、取り出した各コマンドについてステップ239から245を繰り返す(ステップ246,247)。まず、通信部131は、制御部132からその時点の装置の状態を表す装置状態を読み出す(ステップ239)。次に、通信部131は、実行権限管理テーブル143からコマンドで指定されているプログラムの実行権限を読み出す(ステップ240)。次に、通信部131は、保守員属性と装置状態を基に、コマンドで指定されているプログラムの実行権限が保守員に与えられているか否かを確認する(ステップ241)。
通信部131は、実行権限が与えられている場合には、コマンドで指定されているプログラムとパラメータとから構成される実行要求と、記憶してる出力モードを制御部132に送信し(ステップ243)、制御部132から実行要求応答を受信し(ステップ244)、実行要求応答から取り出したプログラムの実行結果を保守操作応答163に格納し(ステップ245)、実行権限が与えられていない場合には、その旨を保守操作応答163に格納する(ステップ245)。通信部131は、取り出した各コマンドについてステップ239から245を繰り返すと、保守操作応答163を作業装置113に送信し(ステップ248)、保守操作162の内容を保守実績管理テーブル147に記録し(ステップ
249)、処理を終了する(ステップ250)。通信部131は、ステップ233で確認したメッセージが完了通知164である場合には、保守実績管理テーブル147から保守実績を読み出し(ステップ251)、保守料金表管理テーブル148から保守料金表を読み出し(ステップ252)、この保守料金表と保守実績を用いて当該保守についての保守料金を算出し(ステップ253)、この保守料金に関する情報を例えばディスプレイに表示するように制御部132を介して入出力部130に要求し(ステップ254)、完了通知164の内容を保守実績管理テーブル147に記録し(ステップ249)、処理を終了する(ステップ250)。なお、ステップ239と240は処理の順序を入れ替えてもよい。また、ステップ251と252も処理の順序を入れ替えてもよい。
図17は、半導体製造装置123の制御部132の動作を示すフローチャートである。制御部132は、このフローチャートに示す処理を定期的に実行することにより、通信部131から受信した実行要求に応じてプログラムを実行する。
まず、制御部132は、通信部131から実行要求と出力モードを受信しているか否かを確認する(ステップ261)。制御部132は、実行要求と出力モードを受信している場合には、実行要求で指定されているプログラムをこれに対応付けられているパラメータを用いて実行し(ステップ263)、プログラム実行要求が到着していない場合には、処理を終了する(ステップ266)。次に、制御部132は、プログラムの実行日時,プログラムの識別子,パラメータから構成される実行状況と、制御部132から受信した出力モードとを入出力部130に送信する(ステップ264)。次に、制御部132は、プログラムの実行結果から構成される実行要求応答を通信部に送信し(ステップ265)、処理を終了する(ステップ266)。
図18は、半導体製造装置123の入出力部130の動作を示すフローチャートである。入出力部130は、このフローチャートに示す処理を定期的に実行することにより、実行状況を例えばディスプレイに出力する。
まず、入出力部130は、制御部132から実行状況と出力モードを受信しているか否かを確認する(ステップ271)。入出力部130は、実行状況と出力モードを受信している場合には出力権限管理テーブルから状況出力権限を読み出し(ステップ273)、実行状況と出力モードを受信していない場合には処理を終了する(ステップ276)。次に、入出力部130は、受信した出力モードを基に、実行状況の各項目の出力権限が与えられているか否かを確認する(ステップ274)。次に、入出力部130は、出力権限が与えられている実行状況の項目を例えばディスプレイに表示し(ステップ275)、処理を終了する(ステップ276)。
続いて、図1の半導体製造装置123と作業装置113のディスプレイに表示する画面について説明する。図19は、図15に示した処理フローのステップ213で作業装置
113のディスプレイに表示する保守作業画面の例を示している。
保守作業画面280は、ステータスと出力モードを含む保守依頼160の内容を保守員に示し、保守員から着手通知161の送信,保守操作162の送信,保守操作162の送信の継続,完了通知164の送信などの指示を受け付ける画面であり、保守依頼パネル
281,アクションパネル282,着手通知パネル287,保守操作パネル290から構成される。
保守依頼パネル281は、半導体製造装置123から受信した保守依頼160の内容を保守員に表示するパネルである。この例では、トラブル検知日時は2001:0102:10:15:10であり、半導体製造工場の識別子はF1であり、半導体製造装置の識別子はE1であり、半導体製造装置の種別は検査装置であり、ステータスは01234であり、出力モードは部分表示であることを示している。
アクションパネル282は、着手通知161の送信,保守操作162の送信,保守操作162の送信の継続,完了通知164の送信を保守員が指示するパネルであり、着手通知送信ボタン283,保守操作送信ボタン284,保守操作継続ボタン285,完了通知ボタン286から構成される。着手通知送信ボタン283は、保守員が着手通知152の送信を指示するボタンであり、保守員がマウスを用いてこのボタンを押下すると、保守員が着手通知パネル287で入力した保守員IDとパスワードと、保守依頼160から取り出した出力モードから構成される着手通知161を、保守依頼160を送信してきた半導体製造装置123に送信する。保守操作送信ボタン284は、保守員が保守操作162の送信を指示するボタンであり、保守員がマウスを用いてこのボタンを押下すると、保守員が保守操作パネル290で入力した1つ以上のコマンドから構成される保守操作162を保守依頼160を送信してきた半導体製造装置123に送信する。保守操作継続ボタン285は、保守員が保守操作162の送信の継続を指示するボタンであり、保守員がマウスを用いてこのボタンを押下すると、保守員が保守操作パネル290で入力した命令データをクリアする。保守員は、クリアされた保守操作パネル290で新たなコマンドを入力することができる。完了通知ボタン286は、保守員が完了通知164の送信を指示するボタンであり、保守員がマウスを用いてこのボタンを押下すると、着手通知161を送信してから完了通知164を送信するまでに送信したコマンドの数を表すデータから構成される完了通知164を保守依頼160を送信してきた半導体製造装置123に送信する。
着手通知パネル287は、着手通知161に格納する保守員の識別子とパスワードを保守員が入力するパネルであり、保守員IDフィールド288とパスワードフィールド289から構成される。
保守員IDフィールド288は、保守員が自分の保守員IDをキーボードを用いて入力するフィールドであり、パスワードフィールド289は、保守員が自分のパスワードをキーボードを用いて入力するフィールドである。
保守操作パネル290は、保守操作162に格納する1つ以上のコマンドと、プログラムの実行結果を格納するファイルの識別子を保守員が入力し、保守操作応答163が受信された場合にその旨を表示するパネルであり、コマンドリスト291とステータスパネル296から構成される。コマンドリスト291は、保守操作153に格納する1つ以上のコマンドを保守員が入力するリストであり、No.フィールド292,プログラムIDフィールド293,パラメータフィールド294,結果ファイルIDフィールド295から構成される。No.フィールド292は、コマンドの実行順序を保守員がキーボードを用いて入力するフィールドであり、プログラムIDフィールド293は、半導体製造装置123で実行するプログラムの識別子を保守員がキーボードを用いて入力するフィールドであり、パラメータフィールド294は、半導体製造装置123で実行するプログラムに渡すパラメータを保守員がキーボードを用いて入力するフィールドであり、結果ファイルIDフィールド295は、プログラムの実行結果を格納するファイルの識別子を保守員がキーボードを用いて入力するフィールドである。
ステータスパネル296は、保守操作応答163が受信された場合にその旨を表示するパネルであり、保守員が保守操作送信ボタンを押下した場合には、例えば「保守操作を送信しました」などの文字列を表示し、半導体製造装置123から保守操作応答163を受信した場合には、例えば「保守操作応答を受信しました」などの文字列を表示する。
図20は、図18に示した処理フローのステップ275で半導体製造装置123のディスプレイに表示する実行状況出力画面の例を示している。実行状況出力画面300は、保守作業の状況を技師に表示する画面であり、実行状況パネル301から構成される。実行状況パネル301は、保守作業の状況を技師に表示するパネルであり、実行状況リスト
302から構成される。
実行状況リスト302は、保守作業の状況を技師に表示するリストであり、実行日時フィールド303,プログラム種別フィールド304,プログラムIDフィールド305,パラメータフィールド306から構成される。実行日時フィールド303は、プログラムが実行された日時を表すデータを表示する。プログラム種別フィールド304は、プログラムの種別を表すデータを表示する。プログラムIDフィールド305,保守操作によって実行されるプログラムの識別子を表すデータを表示する。パラメータフィールド306,プログラムへ与えるパラメータを表すデータを表示する。この例では、出力モードが部分表示である場合の表示例を示している。実際には、2001年01月03日11時15分10秒にプログラム実行履歴の読み出し(P2)が実行され、2001年01月03日11時20分10秒にセンサ状態履歴の読み出し(P3)が実行され、2001年01月03日11時25分10秒に処理結果の読み出し(P4)が実行され、2001年01月03日11時30分10秒にプログラムP8の読み出し(P1)が実行され、2001年01月03日11時35分10秒にプログラムP8の編集(P6)が実行され、2001年01月03日11時40分10秒にプログラムP8の実行(P8)が実行され、2001年01月03日11時45分10秒に処理結果の読み出し(P4)が実行されているが、実行日時とプログラム種別のみしか表示されていない。
図21は、図16に示した処理フローのステップ254で半導体製造装置123のディスプレイに表示する保守料金通知画面の例を示している。保守料金通知画面310は、保守料金に関する情報を技師に示す画面であり、保守料金通知パネル311から構成される。
保守料金通知パネル311は、装置ベンダが半導体製造メーカに請求する対価の額を技師に表示するパネルである。この例では、保守料金が6,000 円であること、定価料金が30,000円であり、割引料金が25,000円であり、割増料金が1,000 円であることを示している。また、保守員の技術レベルが上級であったため定価料金が30,000円であること、生産状態でのプログラム実行履歴読み出しを行ったため2,000 円割り引くこと、生産状態でのセンサ状態履歴読み出しを行ったため2,000 円割り引くこと、待機状態で処理結果読み出しを行ったのでさらに7,000 円割り引くこと、待機状態でプログラム読み出しを行ったので7,000 円割り引くこと、待機状態でプログラム編集を行ったので7,000円割り引くこと、出力モードに部分表示を指定したので1,000円割り増すことを表している。
以上のように、本実施の形態のシステムにおいては、半導体製造装置と作業装置とをインターネットを介して接続し、作業装置は、保守操作を半導体製造装置に送信し、半導体製造装置は、受信した保守操作に従って処理を実行し、実行した処理の内容に応じて保守の料金情報を生成し、生成した料金情報を半導体製造装置の画面に出力するようにしたので、半導体製造装置で行った保守作業の内容に応じた制御,木目の細かいサービス,課金を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、保守員の技術レベルを表すデータを保守員属性に保持し、保守操作を送信した保守員の保守属性データに応じて保守の料金情報を生成するようにしたので、保守員が保持する技術の程度に応じた制御,木目の細かいサービス,課金を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、半導体製造装置の処理の状態を示すデータを装置状態データに保持し、処理を実行した時点の装置状態データに応じて保守の料金情報を生成するようにしたので、半導体製造メーカの製造プロセスに悪影響を与える可能性に応じた制御,木目の細かいサービス,課金を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、半導体製造装置が使用された履歴を表す使用履歴情報を蓄積し、保守操作に従って読み出した使用履歴情報の種別に応じて保守の料金情報を生成するようにしたので、半導体製造メーカから取得する機密情報に応じた制御,木目の細かいサービス,課金を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、保守操作に従って実行した処理の状況を技師に出力し、出力した状況の内容に応じて保守の料金情報を生成するようにしたので、装置供給ベンダが提供する保守に関するノウハウに応じた制御,木目の細かいサービス,課金を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、保守員の属性を表す保守員属性と、処理の実行に必要な属性の条件を表すプログラム実行権限とを保持し、保守操作を作業装置から受信した場合には、保守員属性とプログラム実行権限とを読み出し、保守員属性にある属性がプログラム実行条件にある条件を満たしている場合に限って、保守操作に従った処理を実行するようにしたので、保守員の属性に応じたアクセスの制限を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、半導体製造装置の状態を表す装置状態と、処理の実行に必要な状態の条件を表すプログラム実行権限とを保持し、保守操作を作業装置から受信した場合には、その時点の装置状態とプログラム実行権限とを読み出し、装置状態にある状態がプログラム実行条件にある条件を満たしている場合に限って、保守操作に従った処理を実行するようにしたので、装置の状態に応じたアクセスの制限を行うことが可能となる。
また、半導体製造装置は、保守作業の状況を半導体装置に出力する態様を特定する出力モードと、保守作業の状況を出力するために必要な出力モードの条件を表す状況出力権限とを保持し、保守操作を作業装置から受信した場合には、出力モードと状況出力権限とを読み出し、出力モードにある態様が状況出力権限にある条件を満たしている場合に限って、保守作業の状況を半導体装置に出力するようにしたので、出力モードに応じた出力の制限を行うことが可能となる。