JP4867234B2 - 高粘度低臭気エマルションの製造方法 - Google Patents

高粘度低臭気エマルションの製造方法 Download PDF

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本発明は、乳化重合法により得られる高粘度の乳化分散体、又は低粘度の乳化分散体と粘度調整剤との混合物より揮発性有機化合物を除去して、低臭気のエマルションを製造する方法に関するものである。
スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ブタジエン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル(以下、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルを総称して(メタ)アクリル酸エステルという)等の単量体を水性媒体中で乳化重合法により共重合して得られる乳化分散体は、塗料、接着剤、粘着剤等の原料として広く利用されている。
かかる乳化分散体には、通常未重合の単量体や重合中に発生する分解物を主成分とする揮発性有機化合物が微量含まれており、悪臭を発生して環境を汚染したり、毒性を有するため取り扱い作業者の健康問題を引き起こしたりしていた。
乳化分散体から揮発性有機化合物を除去する方法としては、加圧水蒸気を吹き込み、水蒸気とともに揮発性有機化合物を追い出す方法(特許文献1、特許文献2)、段塔型ストリッパーの上部から乳化分散体を供給しながら下方から加圧水蒸気を供給する方法(特許文献3)、及びエチレン系共重合体より未重合単量体を除去する方法(特許文献4)等が提案されている。
特開2002−60415公報 特開昭53−41387号公報 特開昭58−213003号公報 特開昭59−187009号公報 特許文献1は、酢酸ビニル単量体を乳化重合して得られる乳化分散体を対象として、揮発性成分の含有量を測定機器の検出下限以下にまで低減できる方法が開示されている。特許文献2、3に記載の発明は、揮発性有機化合物の含有量が数千ppm程度の水準にある乳化分散体を処理対象とし、揮発性有機化合物の含有量を1000ppm以下に低減させることを目的としている。更に特許文献3は、段搭型ストリッパーという特殊な装置を用いて除去する方法を開示している。一方、特許文献4には低沸点であって常温でガス状の単量体であるエチレンを共重合した乳化分散体の処理方法が開示されている。
一般に、乳化重合法によって得られた乳化分散体は、固形分が高い割に低粘度であるため攪拌による熱伝導が高く、かつ揮発性有機化合物が分離・蒸発しやいため、高温で加圧水蒸気を吹き込むことによって、効率よく揮発性有機化合物を除去することができる。例えば、特許文献1における処理温度は90〜95℃であり、特許文献2における処理温度は110〜150℃が記載されている。一方、特許文献4の実施例における処理温度は50℃が記載されているが、これは揮発性有機物が常温でガス状のエチレン単量体(沸点が−103℃)、塩化ビニル単量体(−14℃)であり低温でも除去が容易なことと高温で処理すると突沸するために必然的に設定されたものである。
乳化分散体を塗料、接着剤、粘着剤やシーリング剤に使用する場合は、被塗物に塗装、塗布などの作業をおこなうため、乳化分散体の粘度が低い場合は、粘度調整剤を添加して高粘度にする必要がある(以下、本発明では高粘度の乳化分散体または粘度調整剤を添加して高粘度化した乳化分散体を高粘度エマルションという)。
かかる高粘度エマルションから揮発性有機化合物を除去しようとする場合、揮発成分の除去が困難であったり、処理容器の壁面で該エマルションが乾き著しい皮張り現象が発生して、該エマルションの品質劣化や生産性低下という問題があった。
本発明においては、高粘度エマルションの処理に高温・長時間の熱履歴をかけることなく、かつ特殊な処理装置を用いることなく、処理後の揮発性有機化合物濃度を700ppm以下に低減した品質の良い高粘度エマルションの製造方法を提供することを課題とした。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
〔1〕沸点が室温以上の単量体のみからなる単量体混合物を乳化重合することによって得られた乳化分散体、又は該乳化分散体と粘度調整剤の混合物であって、25℃でBM型粘度計にて測定した時の粘度が40,000mPa・s以上である高粘度エマルションを容器に仕込み、温度40〜85℃に加熱しながら、圧力7.3〜57KPaの範囲で、かつ該容器内を水が沸騰する状態に維持して、該容器内の高粘度エマルションに加圧水蒸気を供給することにより、揮発性有機化合物を除去することを特徴とする高粘度低臭気エマルションの製造方法。
〔2〕除去後における高粘度エマルション中の揮発性有機化合物の濃度が700ppm以下である〔1〕に記載の高粘度低臭気エマルションの製造方法。
〔3〕高粘度エマルションが、酢酸ビニルを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた乳化分散体、又は該乳化分散体と粘度調整剤との混合物である〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の高粘度低臭気エマルションの製造方法。
〔4〕高粘度エマルションが、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた乳化分散体と粘度調整剤の混合物である〔1〕又は〔2〕のいずれかに記載の高粘度低臭気エマルションの製造方法。
である。
本発明によれば、特殊な処理装置を用いることなく、処理時間が10時間以内という短期間に、揮発性有機化合物の濃度が700ppm以下の高粘度エマルションを製造することができる。さらに、本発明によって製造された高粘度エマルションは、臭気がほとんどないために環境問題や安全衛生問題に優れ、品質が良いのみならず、生産性や製造コストにも優れている。
本発明において揮発性有機化合物を除去する対象の高粘度エマルションとしては、沸点が室温以上の単量体のみからなる単量体混合物を通常の方法により乳化重合して得られる乳化重合体であって、25℃におけるBM型粘度計にて測定した時の粘度が40,000mPa・s以上のものが挙げられる。さらに、粘度が40,000mPa・s未満の乳化分散体は、粘度調整剤によって増粘して40,000mPa・sにしたものが挙げられる。粘度が40,000mPa・s未満の低粘度エマルションの場合は、既知の方法が採用できるため、あえて本発明の方法を使用する必要はない。
使用する単量体の沸点が室温未満、特に0℃以下であると、該エマルションの処理中に未反応単量体が突沸し、配管が閉塞して処理ができなくなる恐れがあり好ましくない。本発明においては、使用する単量体はすべて室温以上の沸点を持つことが必要である。
本発明で使用する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、酢酸ビニル、マレイン酸エステル、バーサチック酸ビニルなどの高級ビニルエステル等のビニル単量体であって沸点が室温以上のものが例示される。
本発明の乳化分散体は、該単量体を水性媒体中で乳化重合して得られる。
塗料や接着剤等の塗装作業に使用される乳化重合体としては、ガラス転移温度が−80℃〜80℃の共重合体が使用される。光沢、接着性や塗装時の伸びが良い点から酢酸ビニルを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた乳化分散体が好ましい。また、光沢、耐水性や耐候性が良い点から(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた乳化分散体が好ましい。酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸エステルの共重合体も接着性が良い点から使用可能である。
乳化分散体における固形分濃度は、15〜70質量%が好ましい。固形分が少ないと粘度調整剤を使用しても高粘度化し難く、高すぎると揮発性有機化合物が除去し難い。接着剤や塗料にした際の作業性等の点から、30〜60質量%がより好ましい。
乳化分散体に含まれる揮発性有機化合物としては、未重合単量体および重合中に加水分解等によって生成したアルコール類が挙げられる。
乳化重合終了後の乳化分散体に含まれる揮発性有機化合物の濃度は、通常2000〜5000ppmである。
上記の酢酸ビニル系乳化分散体は、重合条件や単量体組成にによって粘度が変化する。高粘度になる場合はそのまま使用し、低粘度になる場合は粘度調整剤を添加して使用する。(メタ)アクリル酸エステル系乳化分散体の場合は、低粘度であるため粘度調整剤を添加して使用するのが好ましい。
本発明に使用する粘度調整剤としては、増粘効果が認められるものであれば適宜選択して使用可能であり、自製しても良いし市販品を使用しても良い。市販品を使用する場合は塗料や接着剤用のものが好適である。商品名としては、メチルセルロース系ではマーポロールMシリーズ(松本油脂(株)製)やメトローズSMシリーズ(信越化学(株)製)、ヒドロキシプロピルセルロース系ではマーポロールMPシリーズ(松本油脂(株)製)やメトロ−ズSHシリーズ(信越化学(株)製)、ポリアクリル酸塩系ではレオレート101(レオレックス社製)やプライマルTT615(ローム&ハース社製)、ポリエーテル系ではレオレート300(レオレックス社製)やSNシックナーA800シリーズ(ザンノプコ(株)製)、ポリウレタン系ではプライマルPM1020(ローム&ハース社製)やアデカノールUHシリーズ(旭電化工業(株)製)が例示される。
ジオクチルフタレートのような可塑剤も、乳化分散体の重合体微粒子に吸収され粘度上昇効果をもたらすものであれば、粘度調整剤として使用することができる。
粘度調整剤の使用量は、高粘度エマルションの粘度が40,000mPa・sになるように使用すればよい。通常は乳化分散体100質量部に対し0.1〜20質量部使用される。
本発明においては、高粘度エマルションに加圧水蒸気を吹き込む操作(以下、水蒸気処理という)のために、加圧水蒸気吹込み管、排気ポンプ及び攪拌機を備えた処理槽を用いる。必要により高粘度エマルションを該エマルションの溜まった液層部(処理槽の下部)より抜き出し、循環ポンプによって循環し、気相部(処理槽の上部)よりフラッシュ噴霧しても良い。
処理槽内に加圧水蒸気を導入する際には、槽内に溜められた該エマルション中に直接吹き込むことが好ましい。これにより該エマルションの重合体微粒子を破壊せずに、該微粒子中の揮発性有機化合物を効率よく除去することができる。
上記水蒸気処理中は高粘度エマルションを槽内で均一に滞ることなく攪拌する必要があるため、攪拌翼には3枚後退翼、パドル翼など高粘度攪拌に適したものを使用するのが好ましい。
槽内に溜められた該エマルション中に加圧水蒸気を吹き込み、これによって分離した揮発性有機化合物及び供給分と等量の水蒸気を系外に除去する。このためには、処理槽には排気ポンプが備えてあり、該ポンプで処理槽の上部の気相部より排気して減圧にすることが好ましい。除外される揮発性有機化合物及び水蒸気の除去方法は、特に限定されないが、処理槽と排気ポンプの中間の位置に設けられるコンデーサーで凝縮して除去することが好ましい。
本発明において処理槽内の高粘度エマルションは、水蒸気処理の期間一定の温度を維持するために、加温用ジャケットで加熱されることが必要である。かかる際の処理槽内の温度は40〜85℃にする。槽内温度が85℃を超えると槽内壁面、特に気液相の界面で大量の重合体皮膜が発生し、槽内の温度が不均一になって温度コントロールができなくなる。更に攪拌不良が生じて揮発性有機化合物の除去ができなくなったり、エマルションの分散安定性が破壊されて品質低下や固形分低下を生ずる。槽内温度が40℃未満であると、粘度上昇によって攪拌不良が起こり、揮発性有機化合物が高沸点の場合には除去効率が低下して臭気を除くことができなくなる。好ましい温度は50〜80℃である。
本発明においては、前記のように、水蒸気処理中に処理槽内の気体を排気ポンプで系外に排気することにより、上記の槽内温度において槽内が飽和水蒸気圧すなわち槽内の水分が沸騰している状態となるようにすることが必要である。処理槽内の気相部の具体的な圧力は、7.3KPa(55mmHg)〜57KPa(430mmHg)の範囲、好ましくは、12KPa(90mmHg)〜39KPa(290mmHg)程度である。
本発明の水蒸気処理は、回分式、連続式のいずれも使用することができる。
水蒸気処理で使用する加圧水蒸気としては、圧力49KPa(0.5Kg/cm2)〜150KPa(1.5Kg/cm2)、温度120〜150℃程度の水蒸気が好ましく使用できる。
高粘度エマルションと加圧水蒸気の好ましい割合は、連続式の場合、該エマルション100質量部当たり、加圧水蒸気5〜60質量部である。さらに好ましい加圧水蒸気の量は、15〜50質量部である。加圧水蒸気の量が多量になるとコストが高くなり実用的でなく、一方、加圧水蒸気の量が少なすぎると揮発性物質の除去が困難になる。
本発明において高粘度エマルションの処理時間は10時間以下が好ましく、より好ましくは1〜8時間であり、さらに好ましくは2〜6時間である。処理時間が10時間を越えるとエマルションの品質が低下する。一方、処理時間が少なすぎると、揮発性物質の除去が不十分である。連続式の場合は、処理槽の内容積に対してエマルションの供給速度を選択することにより、処理槽におけるエマルションの平均滞留時間(以下単に滞留時間という)を適宜選択することができる。
水蒸気処理における加熱水蒸気の供給時間は1〜8時間が好ましい。供給時間が長すぎるとエマルションの品質低下を招き、不足する場合は揮発性有機化合物の除去効果が十分得られない。
本発明においては、処理後における高粘度エマルション中の揮発性有機化合物の濃度が700ppm以下となるように水蒸気処理をおこなう。かかる処理によってもなお該エマルション中に残留する揮発性有機化合物はガスクロマトグラフィーを用いて分析することができる。該エマルション中の好ましい揮発性物質の濃度は600ppm以下、より好ましくは500ppm以下である。
処理槽内はエマルションと加圧水蒸気の接触効率を高め、揮発性有機化合物の除去効果を上げるために撹拌機で撹拌することが好ましいが、過剰な撹拌は発泡を招く。泡を抑制するために消泡剤を適量使用してもよく、好ましい消泡剤としては、例えばサンノプコ(株)商品名SNデフォーマーPC等のポリエーテル系消泡剤およびシリコーン系消泡剤が挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下における「部」は「質量部」を意味する。
○製造例
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を装着した反応容器に、水31部を投入し、85℃に維持した。滴下槽には、水30部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.4部、メタクリル酸メチル2部、アクリル酸ブチル96部およびメタクリル酸1部を投入し撹拌して乳化液を作成した。この乳化液と重合開始剤(過硫酸アンモニウム)5%水溶液10部を、反応容器に4時間かけて連続滴下して乳化重合させた後、さらに2時間熟成した。熟成中には過硫酸アンモニウム3%水溶液を3.3部添加し、固形分57質量%の乳化分散体を得た。
該乳化分散体の揮発性有機化合物の含有量は2,590ppm(ガスクロマトグラフ測定)であり、主な物質はアクリル酸ブチルおよびブタノールであった。
○調整例
製造例で得られた乳化分散体に、メタクリル酸、アクリル酸エチルを共重合して得られた粘度調整剤を添加し、50,000mPa・s(BM型粘度計,ローターNo.4,回転数:12rpm,測定温度:25℃)の高粘度エマルションを得た。
この重合体エマルションを用いて以下の水蒸気処理を行った。
○実施例1
処理槽は、撹拌機と排気装置、温度計を備えた3リットルの内容積を有するフラスコを用い、処理槽の内温(エマルション温度)において槽内圧力が飽和水蒸気圧になるように排気装置を稼動させ、槽内における水分を沸騰状態にさせた。その他の水蒸気処理条件(エマルションの滞留時間、水蒸気の供給量およびエマルション温度等)は表1、処理によって得られるエマルション中の揮発性有機化合物の濃度は表2に記載に記載した。なお、水蒸気に関しては、供給量と同量を槽外に排出し、コンデンサーで水へと凝縮させて除去した。
○実施例2
製造例で得られた乳化分散体に、調整例と同様の粘度調整剤を増量して添加し、80,000mPa・s(BM型粘度計,ローターNo.4,回転数:6rpm,測定温度:25℃)の高粘度エマルションを得た後、実施例1と同様の方法で水蒸気処理を行った。水蒸気処理条件は表1、処理によって得られるエマルション中の揮発性有機化合物濃度は表2に記載のとおりである。
○実施例3
撹拌機と排気装置、温度計を備えた3リットルの内容積を有する槽に、調整例によって得られた高粘度エマルションを連続的に供給し、処理後のエマルションを同量だけ槽外に抜き出して連続的に水蒸気処理を行った。水蒸気処理条件は表1、処理によって得られるエマルション中の揮発性有機化合物濃度は表2に記載のとおりである。
○実施例4
酢酸ビニル90部、アクリル酸2−エチルヘキシル5部、アクリル酸ブチル5部を単量体として、ポリビニルアルコールを乳化剤として、通常の方法に従い乳化重合して得られた固形分40%、粘度75,000mPa・sの乳化分散体を用い実施例1と同様の方法で水蒸気処理を行った。水蒸気処理条件は表1、処理によって得られるエマルション中の揮発性有機化合物濃度は表3に記載のとおりである。
◇比較例1
調整例の方法によって得られた乳化分散体を用いて、処理温度を95℃にして実施例1と同様な水蒸気処理を行った。水蒸気処理条件は表1に記載のとおりである。
◇比較例2
水蒸気の吹込みを行わなかったことを除き、全て実施例1の方法と同様に操作を行った。処理条件は表1、処理によって得られるエマルション中の揮発性有機化合物濃度は表2に記載のとおりである。
Figure 0004867234
Figure 0004867234
Figure 0004867234
表2および表3から明らかなように、本発明によれば、通常の装置により、エマルション中の揮発性有機化合物が低減され、皮膜形成や凝集等も発生せずに、高粘度エマルションが容易に得られる。
本発明によれば、人体に有害な揮発性有機化合物の含有量が少なく環境に優しくかつ安全であって、品質も良好な高粘度エマルションが安価かつ容易に得られる。かかるエマルションは、塗料や接着剤、粘着剤、シーリング剤等の塗装、塗布作業が必要な用途に使用するエマルション原料として、広範囲に使用できる。

Claims (4)

  1. 沸点が室温以上の単量体のみからなる単量体混合物を乳化重合することによって得られた乳化分散体、又は該乳化分散体と粘度調整剤の混合物であって、25℃でBM型粘度計にて測定した時の粘度が40,000mPas・s以上である高粘度エマルションを容器に仕込み、温度40〜85℃に加熱しながら、圧力7.3〜57KPaの範囲で、かつ該容器内を水が沸騰する状態に維持して、該容器内の高粘度エマルションに加圧水蒸気を供給することにより、揮発性有機化合物を除去することを特徴とする高粘度低臭気エマルションの製造方法。
  2. 除去後における高粘度エマルション中の揮発性有機化合物の濃度が700ppm以下である請求項1に記載の高粘度低臭気エマルションの製造方法。
  3. 高粘度エマルションが、酢酸ビニルを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた乳化分散体、又は該乳化分散体と粘度調整剤との混合物である請求項1又は2のいずれかに記載の高粘度低臭気エマルションの製造方法。
  4. 高粘度エマルションが、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを含む単量体成分を乳化重合することによって得られた乳化分散体と粘度調整剤の混合物である請求項1又は2のいずれかに記載の高粘度低臭気エマルションの製造方法。
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