JP4867106B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどに代表される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ機等は、複数種類の図柄を変動表示可能な表示装置を備えており、遊技領域に打ち込まれた球が図柄作動口へ入賞することに基づいて変動表示を開始するように構成されている。そして、この変動表示が予め定められた図柄の組み合わせと一致すると、大当たりとなって、遊技者に所定の遊技価値が付与される。
【0003】
ところで、かかる大当たりの発生の有無は、球が図柄作動口へ入賞するタイミング即ち図柄表示器の始動条件が成立するタイミングで決定される。つまり、遊技機内において定期的に変化していく遊技条件と、始動条件が成立したタイミングに基づいて大当たりの発生を判定するのである。
【0004】
この様に構成することで、遊技客は始動条件の成立のタイミングに一喜一憂する事となる。また、遊技客の最も望むところである大当たりの成立にランダム性と公正性とを持たせ、ひいては興趣の向上を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば遊技中等に(例えば停電や閉店によって)遊技状態を初期の状態に戻すことが必要になることもある。この初期化処理によってそれまで継続的かつ定期的に変化してきた大当たり判定用の遊技条件も、それまでの変化状態とはまったく関係のない初期の条件に戻されてしまい、連続的に変化されるべき遊技条件のランダム性が途切れてしまう怖れがある。かかる場合には、遊技機の根幹たる大当たりのランダム性と公正性とが損なわれ、著しく興趣が低下することとなる。
【0006】
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、遊技機における特別遊技状態発生のランダム性と公正性とを保持することができる遊技機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、乱数カウンタと、その乱数カウンタの値を所定の範囲で更新する乱数更新処理を実行する乱数更新手段と、所定の契機に前記乱数カウンタの値を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記乱数カウンタの値に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を付与する制御手段と、その制御手段にて使用されるデータを記憶するための領域を複数有する記憶手段とを備え、前記乱数カウンタの値は、前記乱数更新処理により所定回数更新されることで一周するものであり、前記乱数更新処理は、所定条件が成立すると、前記所定の範囲のいずれかの値が更新の初期値として設定されて次の周の更新を行うものであり、前記遊技機は、前記次の周の更新における前記更新の初期値として設定される値を記憶する初期値メモリを備え、前記制御手段は、前記初期値メモリの値を前記所定の範囲と同じ範囲で更新する初期値更新処理を実行する初期値更新手段と、前記所定条件が成立する度に前記初期値メモリの値を前記更新の初期値として前記乱数カウンタに設定する初期値設定手段と、電源入後に前記所定条件が少なくとも1回成立するまで、前記取得手段による前記乱数カウンタの値の取得を非実行にする取得非実行手段とを備え、電源入時に所定時間実行され、且つ、前記記憶手段を初期化する初期化処理と前記初期値更新処理とを含む第1処理と、その第1処理が終了してから定期的に所定時間実行され、且つ、遊技の進行を制御する処理と前記乱数更新処理と前記初期値更新処理とを含む第2処理とを実行可能であり、前記初期化処理は、前記記憶手段の各領域に記憶されるデータの値が所定の値であるか否かを判定する判定処理と、前記記憶手段が有する複数の領域のうち記憶されるデータの値が前記判定処理によって所定の値でないと判定された領域を、1つずつ前記所定の値に書き換える書換処理とを含み、前記第1処理は、少なくとも前記初期化処理が実行された後に残余した該第1処理の残余時間で前記初期値更新処理を繰り返し実行して前記初期値メモリの値を前記所定の範囲内で更新するものであり、前記第2処理は、少なくとも前記遊技の進行を制御する処理が実行された後に残余した該第2処理の残余時間で前記初期値更新処理を繰り返し実行して前記初期値メモリの値を前記所定の範囲内で更新する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0009】
図1は、本発明の第1実施例におけるパチンコ機Pの遊技盤1の正面図である。遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(LCD)3が設けられている。このLCD3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0010】
LCD3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、球がこの図柄作動口4へ入賞することにより、前記したLCD3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、球が10個入賞するまで)開放される。
【0011】
この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0012】
図2は、パチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図であり、特に、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板Cと、LCD3の表示を制御する表示用制御基板Dとの電気的構成を示したブロック図である。
【0013】
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM12と、ワークメモリ等として使用されるRAM13と、時間を計時するリアルタイムクロック(RTC)19とを備えている。図3〜図6のフローチャートに示すプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。またRAM13には、乱数カウンタ13aと、現初期値メモリ13bと、次初期値メモリ13cとが設けられている。
【0014】
乱数カウンタ13aは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、図6の乱数カウンタ更新処理(S5)によって、「0〜630」の範囲で、2ms毎に1カウントずつ更新される。遊技盤1に打ち込まれた球が図柄作動口4へ入賞したときに取得した乱数カウンタ13aの値が例えば「7」であると、大当たりが発生する。大当たりが発生すると、大当たりコマンドが主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ送られる。表示用制御基板Dは、この大当たりコマンドに基づいて、LCD3の変動表示を大当たりの状態に制御する。また、主制御基板Cは、このLCD3で行われる大当たり表示に合わせて特定入賞口5を開放し、大当たりの遊技状態を制御する。
【0015】
現初期値メモリ13bは、乱数カウンタ13aの更新中の初期値を記憶するためのメモリであり、次初期値メモリ13cは、乱数カウンタ13aの次回の更新の初期値を記憶するためのメモリである。現初期値メモリ13b及び次初期値メモリ13cは、いずれも乱数カウンタ13aの更新範囲と同じ「0〜630」の範囲内で更新される。
【0016】
なお、次初期値メモリ13cの値の更新は、図3に示すリセット割込処理のS4及びS7の処理において、次回のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、繰り返し実行される。この残余時間は、初期化処理(S2)又は遊技の状態に応じて変化する不定な時間であるため、次初期値メモリ13cの値は、ランダムに更新される。よって、かかる次初期値メモリ13cの値を乱数カウンタ13aの更新の初期値として使用することにより、乱数カウンタ13aの更新の初期値をランダムに変更することができる。
【0017】
また、乱数カウンタ13aの更新の初期値は、乱数カウンタ13aの一周期毎に更新されるため、乱数カウンタ13aの更新の初期値を変更しても、乱数値の一様性(連続で取得した場合に同じ値をとることがなく、しかも、すべての値が同じ確率で取り出せること)が損なわれることがない。
【0018】
RTC19は、時刻等の時の計測を行うICであり、図4に示す初期化処理のS12からS14の各処理は、このRTC19から取得した計測値(時間データ)に基づいて実行される。ここで、RTC19は、1/100秒単位まで計測可能に構成されており、図4に示す初期化処理におけるS12の処理では、1/10秒および1/100秒の桁の値が時間データとして取得される。例えば、RTC19により計測される時刻が「8時34分23秒45」である場合に、そのタイミングで取得される時間データの値は「45」となる。
【0019】
また、RTC19は、バックアップ用の電池19aが接続されてバックアップ可能に構成されている。よって、停電の発生やホールの閉店等により電源がオフされても、時の計測を継続することができるので、RTC19の計測値は、遊技機Pの電源投入時においても固定値(例えば「0時0分0秒00」)となることがない。従って、停電の発生やホールの閉店等により電源がオフされても、取得するタイミングに応じて変化するランダムな値(時間データ)をRTC19から取得することができる。
【0020】
これらMPU11、ROM12、RAM13およびRTC19は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン14を介して相互に接続されている。バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。入出力ポート15は、後述する表示用制御基板Dに接続されるほか、図柄作動口スイッチ17と他の入出力装置18とにそれぞれ接続されている。主制御基板Cは、入出力ポート15を介して、表示用制御基板Dや他の入出力装置17へ動作コマンドを送り、これらを制御する。LCD3の変動表示や特定入賞口5の開閉動作も、この動作コマンドに基づいて制御される。
【0021】
図柄作動口スイッチ17は、図柄作動口4(図1参照)を通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4の近傍に設けられている。図柄作動口スイッチ17により球の通過が検出されると、その検出信号は入出力ポート15を介してMPU11へ入力される。MPU11は、検出信号に基づいて乱数カウンタ13aの値を取得し、大当たりか否かを判断する。
【0022】
表示用制御基板Dは、表示装置であるLCD3による図柄の変動表示を制御するための制御基板である。この表示用制御基板Dは、MPU21と、ROM22と、ワークRAM23と、ビデオRAM24と、キャラクタROM25と、画像コントローラ26と、入力ポート27と、出力ポート28とを備えている。入力ポート27の入力には、主制御基板Cの出力が接続され、その入力ポート27の出力は、MPU21、ROM22、ワークRAM23、画像コントローラ26を接続するバスライン29と接続されている。また、画像コントローラ26は出力ポート28の入力に接続されており、その出力ポート28の出力にはLCD3が接続されている。
【0023】
表示用制御基板DのMPU21は、主制御基板Cから送信される表示命令に基づいてLCD3の表示を制御するためのものである。ROM22は、そのMPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM23は、MPU21による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0024】
ビデオRAM24は、LCD3に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM24の内容を書き替えることにより、LCD3の表示内容が変更される。キャラクタROM25は、LCD3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ26は、MPU21、ビデオRAM24、出力ポート28のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM24に記憶される表示データを、MPU21の指示により、キャラクタROM25から所定のタイミングで読み出してLCD3に表示させるものである。
【0025】
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図3から図6を参照して説明する。図3は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて2ms毎に実行されるリセット割込処理を示すフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このリセット割込処理によって実行される。
【0026】
リセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、初期化処理が実行される(S2)。電源投入後、最初に実行された処理であるか否かは、RAM13の所定のエリアにキーワードが書き込まれているか否かにより判断する。キーワードは初期化処理(S2)における初期値の設定(S11)の際に書き込まれるので、キーワードが書き込まれている場合には電源投入後2回目以降に実行された処理と判断でき、逆にキーワードが書き込まれていない場合には、電源投入後、最初に実行された処理と判断することができる。
【0027】
ここで、図4のフローチャートを参照して、初期化処理(S2)について説明する。図4は、主制御基板Cのリセット割込処理の中で実行される初期化処理(S2)を示すフローチャートである。この初期化処理では、まず、RAM13を初期化する。即ち、RAM13の内容を一旦すべて「0」クリアした後に初期値を設定する(S11)。
【0028】
次に、RTC19から時間データをリードする(S12)。時間データは、上述したように、RTC19により計測された時刻から得られるものであり、例えば、RTC19により計測される時刻が「8時34分23秒45」である場合に、そのタイミングで取得される時間データの値は「45」となる。
【0029】
リードした時間データの値から「1」減算し(S13)、時間データの値が「0」であるか否かを調べる(S14)。時間データの値が「0」でなければ(S14:No)、処理をS13に移行し、時間データの値が「0」となるまで「1」減算する処理(S13)を繰り返す。一方、時間データの値が「0」であれば(S14:Yes)、この初期化処理を終了する。
【0030】
このように、初期化処理では、RTC19から取得した時間データの値が「0」になるまで繰り返し「1」ずつ減算している(S12〜S14)。時間データの値は、上述したように、RTC19からその時間データをリードする(初期化処理を実行する)タイミング、即ち、電源を投入するタイミングに応じて変化するランダムな値である。そのため、初期化処理に要する処理時間は、一定の時間ではなく、電源を投入するタイミングに応じて変化する不定な時間となる。よって、電源を投入し初期化処理を実行した後、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間が不定な時間となり、この不定な時間を使用して後述する次初期値メモリ13cを繰り返し更新する(S4)ことにより、電源投入後、最初に実行される処理においても、かかる次初期値メモリ13cの値をランダムに変更することができる。
【0031】
図3のフローチャートに戻って説明する。S2の初期化処理が終了した後は、発射基板に発射停止コマンドを送信すると共に、図柄作動口スイッチ17から出力される検出信号の受付を禁止して(S3)、遊技を待機状態とする。なお、この球の発射が禁止され、かつ、検出信号の受付が禁止された状態は、後述する乱数カウンタ13aの更新が電源投入後少なくとも1周期分終了した場合に(S34:Yes、図6参照)、解除される。
【0032】
なお、検出信号の受付の禁止とは、図柄作動口スイッチ17の読み込み処理または判定処理をスキップすることにより行われる。また、図柄作動口スイッチ17の信号線上にトランジスタなどのスイッチを配設してそのスイッチをオフすることにより、検出信号の受付受付を禁止するようにしても良い。この場合、該スイッチをオンすることにより、検出信号の受付の禁止が解除される。
【0033】
ここで、乱数カウンタ13aの値は、電源投入時、クリアされ初期値が設定されるため、例えば「0」等の固定値から更新が開始することとなり、かかる乱数カウンタ13aの値に基づいて大当たりを付与するか否かを判断すると、大当たり発生のランダム性と公平性とが損なわれる。そこで、電源投入後、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間、球の発射を禁止することにより、乱数カウンタ13aの更新の初期値が変更される(ランダムに更新された次初期値メモリ13cの値が書き込まれる)まで遊技を待機させるのである。その結果、ランダム性が保持された乱数カウンタ13aの値に基づいて大当たりを付与するか否かを判断することことができるので、大当たり発生のランダム性と公平性とを保持することができるのである。
【0034】
また、例えば、主制御基板Cと他の基板等との間に、不正な基板を取り付けて、その基板から不正に生成したクリア信号を主制御基板Cへ出力し、RAM13をクリアすることにより乱数カウンタ13aの更新を「0」等の固定値から開始させ、そのランダム性を不当に低下させる不正行為が考えられる。この場合、図柄作動口スイッチ17の検出信号を不正に生成し、その不正に生成した検出信号を大当たりのタイミングで出力したとしても、その検出信号の受付が禁止されているため、大当たりを不正に発生させることを防止することができる。また、検出信号の受付禁止状態が解除された場合には、乱数カウンタ13aの更新の初期値が少なくとも1回変更されているため、不正行為を行う者(不正な基板)は、その乱数カウンタ13aの値を把握することができず、大当たりを不正に発生させることができない。よって、いわゆる「ぶら下げ基板」等によって大当たりを不正に発生させる等の不正行為をも防止することができるのである。
【0035】
S3の処理が終了した後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、次初期値メモリ更新処理(S4)を不定回数だけ繰り返し実行する。次のリセット割込処理の発生するまでの残余時間は、上記したように、初期化処理の実行時間がRTC19からリードした時間データの値に応じて変化するため、不定な時間になる。よって、かかる不定な時間を使用して次初期値メモリ13cを繰り返し更新し、その次初期値メモリ13cの値を乱数カウンタ13aの更新の初期値として使用することにより、乱数カウンタ13aの更新の初期値をランダムに変更することができる。ここで、図5のフローチャートを参照して、次初期値メモリ更新処理(S4)について説明する。
【0036】
図5は、主制御基板Cのリセット割込処理の中で実行される次初期値メモリ更新処理(S4,S7)を示すフローチャートである。この次初期値メモリ更新処理(S4,S7)は、図3に示したリセット割込更新処理において残余時間を使用して繰り返し実行される処理であり、乱数カウンタ13aの更新の初期値を記憶する次初期値メモリ13cの値を、乱数カウンタ13aの更新範囲の「0」〜「630」の範囲内で「+1」ずつ更新する。
【0037】
まず、次初期値メモリ13cの値を「1」加算し(S21)、次初期値メモリ13cの値が「631」以上であるか否か、即ち、乱数カウンタ13aの更新範囲の値を超えているか否かを調べる(S22)。加算後の次初期値メモリ13cの値が「631」以上であれば(S22:Yes)、更新範囲の値を超えているので、次初期値メモリ13cの値を「0」クリアする(S23)。一方、加算後の次初期値メモリ13cの値が「630」以下であれば(S22:No)、更新範囲内の値であるので、加算後の値を維持すべくS23の処理をスキップして、この次初期値メモリ更新処理を終了する。
【0038】
図3のフローチャートに戻って説明する。S1の処理において電源投入後2回目以降に実行されたリセット割込処理であると判断された場合には(S1:No)、乱数カウンタ更新処理を実行する(S5)。ここで、図6のフローチャートを参照して、乱数カウンタ更新処理(S5)について説明する。
【0039】
図6は、主制御基板Cのリセット割込処理の中で実行される乱数カウンタ更新処理(S5)を示すフローチャートである。この処理では、乱数カウンタ13aの値を「0」〜「630」の範囲内で「+1」ずつ更新している。
【0040】
まず、乱数カウンタ13aの値を「1」加算し(S31)、乱数カウンタ13aの値が「631」以上であるか否か、即ち、乱数カウンタ13aの更新範囲の値を超えているか否かを調べる(S32)。加算後の乱数カウンタ13aの値が「631」以上であれば(S32:Yes)、更新範囲の値を超えているので、乱数カウンタ13aの値を「0」クリアする(S33)。一方、加算後の乱数カウンタ13aの値が「630」以下であれば(S32:No)、更新範囲内の値であるので、加算後の値を維持すべくS33の処理をスキップして、S34の処理へ移行する。
【0041】
S34の処理では、更新後の乱数カウンタ13aの値と現初期値メモリ13bの値とが比較される。現初期値メモリ13bには現在更新中の乱数カウンタ13aの更新の初期値が記憶されているので、両値が等しい場合には(S34:Yes)、乱数カウンタ13aは、1周期の更新が終了したということである。よって、かかる場合には、発射基板に発射許可コマンドを送信すると共に、図柄作動口スイッチ17からの検出信号の受付を許可し(S35)、球の発射の禁止状態および検出信号の受付禁止状態を解除すると共に、乱数カウンタ13aの次回の更新の初期値を記憶する次初期値メモリ13cの値を乱数カウンタ13a及び現初期値メモリ13bへ書き込み(S36,S37)、乱数カウンタ13aの更新の初期値を変更する。
【0042】
このように、乱数カウンタ13aは、一周期の更新が終了する毎にその更新の初期値を変更するため、乱数の一様性(連続で取得した場合に同じ値をとることがなく、しかも、すべての値が同じ確率で取り出せること)のある乱数値を得ることができる。更に、その更新の初期値である次初期値メモリ13cの値は、遊技の状態に応じて変化する不定な時間を使用して更新される為、乱数カウンタ13aの更新の初期値をランダムに変更することができる。
【0043】
また、S35の処理、即ち、球の発射を許可する発射許可コマンドの送信は、電源投入後、乱数カウンタ13aの少なくとも1周期の更新が終了した後に実行され、この場合には、次初期値メモリ13cの値が乱数カウンタ13aに書き込まれるので、乱数カウンタ13aの更新の初期値がランダムに変更される。そのため、大当たりを付与するか否かの判断は、ランダム性が保持された乱数カウンタ13aの値に基づいて行うことができ、大当たり発生のランダム性と公平性とを保持することができる。なお、発射許可コマンドの送信は、乱数カウンタ13aの一周期の更新毎に発信されるが、最初の一周期の更新が終了した場合にのみ、送信されるよう構成しても良い。
【0044】
同様に、図柄作動スイッチ17からの検出信号の受付禁止状態は、電源投入後、乱数カウンタ13aの少なくとも1周期の更新が終了した後に解除され、その際、次初期値メモリ13cの値が乱数カウンタ13aに書き込まれるので、乱数カウンタ13aの更新の初期値がランダムに変更される。そのため、図柄作動口スイッチ17の検出信号を不正に生成し、大当たりのタイミングで不正に出力する不正行為を行う者(不正な基板)は、その乱数カウンタ13aの値を把握することができず、大当たりを不正に発生させることができない。よって、いわゆる「ぶら下げ基板」等によって大当たりを不正に発生させる等の不正行為をも防止することができるのである。
【0045】
一方、更新後の乱数カウンタ13aの値と現初期値メモリ13bの値とが等しくない場合には(S34:No)、乱数カウンタ13aの更新は未だ一周期終了していないので、S35からS37の処理をスキップすることにより乱数カウンタ13a及び現初期値メモリ13bの値を維持しつつ、この乱数カウンタ更新処理を終了する。
【0046】
図3のフローチャートに戻って説明する。S5の処理により乱数カウンタ13aの更新が終了した後は、処理をS6へ移行し、主制御基板Cにおいて遊技の進行を制御するための各処理(S6)が実行される。
【0047】
各処理(S6)の終了後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、次初期値メモリ更新処理(S7)を繰り返し実行する。
【0048】
ここで、S5およびS6における処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間は、一定の時間ではなく、遊技の状況に応じて変化する不定な時間になる。よって、かかる不定な時間を使用して次初期値メモリ13cを繰り返し更新し、その次初期値メモリ13cの値を乱数カウンタ13aの更新の初期値として使用することにより、乱数カウンタ13aの更新の初期値をランダムに変更することができる。
【0049】
次に、図7を参照して第2実施例について説明する。第1実施例のパチンコ機Pでは、RTC19から取得した時間データを「1」ずつ減算することにより初期化処理の実行に要する時間をランダムに変更したのに対して、第2実施例のパチンコ機Pでは、RAM13の内容を「0」クリアするに際し、各データ毎に「0」を書き込むか否かを選択することにより初期化処理の実行に要する時間をランダムに変更している。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0050】
図7は、第2実施例におけるパチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行される初期化処理を示すフローチャートである。この初期化処理は、RAM13の内容を一旦すべて「0」クリアした後に初期値を設定する処理である。この処理では、まず、ポインタ(以下、「PT」と称す。)の値にRAM13の先頭アドレス(例えば、00H)をセットし(S42)、S43の処理に移行する。
【0051】
S43の処理では、PTにセットされたアドレスが指定する領域の値が「0」か否かを調べる(S43)。PTにセットされたアドレスが指定する領域の値が「0」でなければ(S43:No)、かかる領域を「0」クリアする必要があるので、その領域の値に「0」を書き込む(S44)。一方、S43の処理において、PTにセットされたアドレスが指定する領域の値が「0」であれば(S43:Yes)、かかる領域に重複して「0」を書き込むことを回避するため、S44の処理をスキップして処理をS45へ移行する。
【0052】
S45の処理では、PTの値を「1」加算してPTにセットされるアドレスの値を更新し(S45)、その更新されたPTの値(アドレス)がRAM13の最終アドレスよりも大きな値か否かを調べる(S46)。PTの値(アドレス)がRAM13の最終アドレスよりも大きな値でなければ(S46:No)、RAM13の値の「0」クリアは未だすべての領域について終了していないので、S43の処理に移行して、S43からS46の処理を繰り返し実行することにより、残りの領域を「0」クリアする。
【0053】
一方、S46の処理において、PTの値(アドレス)がRAM13の最終アドレスよりも大きな値であれば(S46:Yes)、RAM13の値の「0」クリアはすべての領域について終了したということであるので、RAM13に初期値を設定し(S47)、この初期化処理を終了する。
【0054】
このように、第2実施例における初期化処理では、RAM13のすべての領域を「0」クリアするのではなく、RAM13の先頭アドレスから各アドレス毎に順次「0」クリアするか否かを確認し、その内容が「0」でないアドレスにおいてのみ「0」を書き込んでいる(S42〜S46)。各アドレスの値は電源投入時は不定であるので、S44の処理において「0」を書き込む回数は、電源投入毎にランダムに変化する。よって、初期化処理に要する処理時間を、一定の時間ではなく、不定な時間とすることができる。従って、この不定な時間を使用して後述する次初期値メモリ13cを繰り返し更新する(図3参照)ことにより、電源投入後、最初に実行される処理においても、次初期値メモリ13cの値をランダムに変更することができる。
【0055】
なお、「0」クリアをするか否かは、PTの示すアドレスの値の特定のビットが「0」か否か(或いは、「1」か否か)により決定しても良い。また、RAM13のデータをビット単位で判断し、セットされているビットのみをクリアして、RAMクリアを行うようにしても良い。
【0056】
次に、図8を参照して第3実施例について説明する。第1実施例のパチンコ機Pでは、電源投入後、乱数カウンタ13aの更新が最初の一周期終了するまでの間、球の発射を禁止して遊技を待機したのに対し、第2実施例のパチンコ機Pでは、電源投入後、乱数カウンタ13aの更新が最初の一周期終了するまでの間に図柄作動口4に球が入賞した場合、その入賞を無効とするように構成されている。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0057】
図8は、第3実施例におけるパチンコ機Pの主制御基板Cにおいて2ms毎に実行されるリセット割込処理を示すフローチャートである。リセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、RAM13の内容を一旦すべて「0」クリアした後に初期値を設定する等といった初期化処理を実行する(S51)。
【0058】
S1の処理において電源投入後2回目以降に実行されたリセット割込処理であると判断された場合には(S1:No)、球が図柄作動口4に入賞したか否か、即ち、図柄作動口スイッチ17により球の通過が検出されたか否かを調べる(S52)。球が図柄作動口4に入賞した場合には(S52:Yes)、乱数カウンタ13aが、電源投入後、一周期の更新を終了したか否かを調べる(S53)。乱数カウンタ13aが、電源投入後、一周期の更新を終了していれば(S53:Yes)、少なくとも一回は乱数カウンタ13aの更新の初期値が変更されているため、乱数カウンタ13aのランダム性が保持されていると判断し、大当たり判定処理を実行する(S54)。
【0059】
大当たり判定処理(S54)は、大当たりを発生させる(付与する)か否かを決定するための処理であり、図柄作動口スイッチ17により球の通過が検出されたタイミングで乱数カウンタ13aの値を取得する。取得した乱数カウンタ13aの値が予め定められた値の1つと一致する場合には、大当たりが発生する。
【0060】
一方、S52の処理において、球が図柄作動口4に入賞しなかった場合、即ち、図柄作動口スイッチ17により球の通過が検出されなかった場合には(S52:No)、大当たりを発生させるか否かを判定する必要がないため、S53およびS54の処理をスキップして、S5の処理へ移行する。
【0061】
また、S52およびS53の処理において、球が図柄作動口4に入賞したが(S52:Yes)、乱数カウンタ13aが、電源投入後、未だ一周期の更新を終了していなければ(S53:No)、図柄作動口4への入賞を無効とする。即ち、大当たりを発生させるか否かの決定をすることなく(S54の処理をスキップして)、処理をS5に移行する。
【0062】
このように、第3実施例における遊技機Pは、球が図柄作動口4に入賞した場合に、乱数カウンタ13aが、電源投入後、1周期の更新を終了していなければ、図柄作動口4への入賞を無効として大当たりを発生させない。いいかえれば、大当たりを発生させるか否かの判断は、乱数カウンタ13aの更新の初期値が少なくとも一回変更された場合に限り行われる。よって、大当たりを付与するか否かの判断は、ランダム性が保持された乱数カウンタ13aの値に基づいて行われるので、大当たり発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0063】
また、例えば、主制御基板Cと他の基板等との間に、不正な基板を取り付けて、その基板から不正に生成したクリア信号を主制御基板Cへ出力し、RAM13をクリアすることにより乱数カウンタ13aのランダム性を不当に低下させる不正行為が考えられる。しかし、第3実施例のパチンコ機Pによれば、かかるクリア信号が不正に生成されRAM13がクリアされた場合でも、乱数カウンタ13aの更新の初期値が少なくとも1回変更されるまでの間、即ち、乱数カウンタ13aの値のランダム性が保持されるまでの間は、大当たりを付与するか否かの判定を行わない。そのため、不正行為を行う者(不正な基板)は、不正に大当たりを発生させることができず、いわゆる「ぶら下げ基板」等によって大当たりを不正に発生させる等の不正行為をも防止することができるのである。
【0064】
S52からS54の処理が終了した後は、S5の処理を実行する。ここで、S5以降の処理は第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。なお、第3実施例において、S53の処理をS52の処理の前に事項するように構成しても良い。かかる場合には、乱数カウンタ13aが少なくとも1周期更新された後に限り、球の図柄作動口4への入賞がチェックされる。
【0065】
次に、図9から図13を参照して第4実施例について説明する。第4実施例における遊技機Pは、電源断後においても乱数カウンタ30aの値を保持(バックアップ)可能に構成されており、この点で第1実施例と異なる。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0066】
図13は、第4実施例におけるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。主制御基板Cは、上記した第1実施例と同様に、MPU11と、ROM12と、RTC19とを備え、第1実施例におけるRAM13に代えて第1RAM30を備えると共に、EEPROM40とを更に備えている。なお、第1RAM30には、乱数カウンタ30a、現初期値メモリ30b及び初期値カウンタ30cが設けられており、EEPROM40には次初期値メモリ40aが設けられている。また、次初期値メモリ40aに記憶される情報は2バイトで構成されるデータである。
【0067】
これらMPU11、ROM12、RTC19、第1RAM30及びEEPROM40は、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン14を介して相互に接続されている。バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。
【0068】
MPU11及び第1RAM30は、バックアップ端子VBBを有しており、電源断時においてもそのバックアップ端子VBBからバックアップ電圧が供給されている。また、EEPROM40は、電源投入時において書換可能であると共に、電源断後においてもその内容を保持可能な不揮発性のメモリである。よって、停電の発生やホールの閉店等により電源がオフされても、第1RAM30およびEEPROM40の内容は保持(バックアップ)される。
【0069】
初期値カウンタ30cは、乱数カウンタ30aの次回の更新の初期値を決定するためのカウンタであり、その乱数カウンタ30aの更新範囲と同じ「0〜630」の範囲内で更新される。この初期値カウンタ30cの値は、大当たりが発生した場合に、その時点における更新値がEEPROM40の次初期値メモリ40aに書き込まれる。
【0070】
また、次初期値メモリ40aも、初期値カウンタ30cと同様に、乱数カウンタ30aの次回の更新の初期値を記憶するためのメモリであり、上記した初期値カウンタ30cの値が書き込まれるので、結果的に「0〜630」の範囲内で更新される。ここで、上記した初期値カウンタ30cの値は、不定な時間を利用してランダムに更新される値であり、その初期値カウンタ30cの値を次初期値メモリ40aへの書き込むタイミング(大当たり発生タイミング)も遊技の状態に応じて不定に到来する。そのため、次初期値メモリ40aの値もランダムに更新される。
【0071】
電源基板Sは、各制御基板や入出力装置等へ駆動電力を供給する電源部20を備えており、その電源部20には、電源基板クリアスイッチ20aが設けられている。電源基板クリアスイッチ20aは、主制御基板Cの第1RAM30に記憶されている内容を「0」クリアした後に初期値を設定することを指示するためのスイッチである。例えば、確率変動状態で閉店してしまうと、翌日の開店時に確率変動状態の遊技機が存在してしまい、遊技状態の不平等が生じてしまう等の不具合が発生してしまう。そのため、かかる状態を解消するためには、各基板のメモリ(例えば、主制御基板Cの第1RAM30等)にバックアップされた内容をクリアする必要がある。そこで、電源基板クリアスイッチ20aを設けることにより、バックアップされた内容を必要なタイミングでクリアすることができ、上記のような不具合を解消することができるのである。
【0072】
電源基板クリアスイッチ20aが押下されると、電源基板Sから主制御基板Cへ、その押下を知らせるクリア信号が出力され、このクリア信号は、主制御基板Cの入出力ポート15を介してMPU11へ入力される。主制御基板CのMPU11は、そのクリア信号によって、電源基板クリアスイッチ20aが所定条件下で押下されたか否かを判断し、電源基板クリアスイッチ20aが所定条件下で押下されたと判断すると、第1RAM30に記憶された内容を「0」クリアし、その後初期値を設定する。なお、クリア信号は、表示用制御基板Dや他の入出力装置にも出力される。
【0073】
また、電源部20は、バックアップ用の電池20bを有しており、この電池20bから出力される電圧が、主制御基板CのMPU11及び第1RAM30をバックアップする為のバックアップ電圧(+VBB)として、MPU11及び第1RAM30のバックアップ端子VBBに入力される。
【0074】
図10は、第4実施例におけるパチンコ機Pの主制御基板Cにおいて実行されるリセット割込処理を示すフローチャートである。リセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、初期化処理が実行される(S61)。ここで、図11のフローチャートを参照して、初期化処理(S61)について説明する。
【0075】
図11は、主制御基板Cのメイン処理の中で実行される初期化処理(S61)を示すフローチャートである。この初期化処理は、電源投入後、最初に実行される処理であり、まず、EEPROM40に記憶されている次初期値メモリ40aの値が、「0〜630」の範囲内にあるか否か、即ち、電源をオフする直前の値を適正に記憶しているか否かを確認する(S71)。その結果、次初期値メモリ40aの値が「0〜630」の範囲内にある場合には(S71:Yes)、EEPROM40には適正な値が記憶(バックアップ)されているので、処理をS72へ移行する。
【0076】
S72の処理では、電源基板クリアスイッチ20aが所定条件下で押下されているかを確認し(S72)、所定条件下で押下されていれば(S72:Yes)、第1RAM30をクリアすることが指示されているので、S73の処理をスキップし、処理をS74に移行する。
【0077】
一方、電源基板クリアスイッチ20aが所定条件下で押下されていなければ(S72:No)、第1RAM30のバックアップが有効であるか否かを確認する(S73)。この確認は、第1RAM30の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく記憶されているか否かにより判断する。なお、第1RAM30のバックアップが有効か否かの確認は、MPU11のVBB端子に印加されているバックアップ用電圧をチェックして、その電圧値が所定値以上であるか否かによって判断しても良い。また、キーワードと電圧値の双方をチェックして、双方とも正常である場合に限り、第1RAM30のバックアップが有効であると判断するようにしても良い。
【0078】
確認の結果、キーワードが正しく記憶されていればバックアップは有効であり、逆に、キーワードが正しくなければバックアップデータは破壊されているので、バックアップは有効ではない。第1RAM30のバックアップが有効である場合には(S73:Yes)、乱数カウンタ30a、現初期値メモリ30b及び初期値メモリ13cに電源をオフする直前の値が適切にバックアップされているので、この初期化処理(S61)を終了する。
【0079】
第1RAM30のバックアップが有効でない場合には(S73:No)、第1RAM30の内容が破壊されている。また、電源基板クリアスイッチ20aが所定条件下で押下されている場合には(S72:Yes)、第1RAM30のクリアが指示されている。よって、これらの場合には、第1RAM30の内容を「0」クリアした後に初期値を設定し(S74)、第1RAM30の乱数カウンタ30a及び現初期値メモリ30bへEEPROM40に記憶された次初期値メモリ40aの値を書き込み(S75,S76)、この初期化処理(S61)を終了する。
【0080】
このように、電源基板クリアスイッチ20aが押下された場合、即ち、第1RAM30をクリアする必要が生じた場合、或いは、第1RAM30のバックアップが有効になされなかった場合には、乱数カウンタ30a(及び、現初期値メモリ30b)にEEPROM40の次初期値メモリ40aの値が更新の初期値として設定される。次初期値メモリ40aの値は、不定な時間を利用して「0〜630」の範囲でランダムに更新された値がバックアップされたものであると共に、その範囲内にあることがS71の処理において既に確認されている。よって、この乱数カウンタ30aに次初期値メモリ40aの値を書き込むことにより、乱数カウンタ30aの更新の初期値を固定値とすることなく、「0〜630」のうちからランダムに選択された値とすることができる。その結果、第1RAM30の内容をクリアする必要が生じた場合、或いは、第1RAM30のバックアップが有効になされず、その内容が破壊された場合でも、乱数カウンタ30aの更新の初期値が特定の固定値(例えば、「0」)に偏ることを回避することができ、乱数値のランダム性を保持することができる。
【0081】
一方、S71の処理において、EEPROM40に記憶された次初期値メモリ40aの値が「0〜630」の範囲内にない場合には(S71:No)、EEPROM40に何らかのバックアップ不良や、ノイズ等の影響による書き込み時エラー等が発生しているおそれがあり、そのまま処理を続行した場合には、遊技に支障をきたすおそれがあるばかりか、大当たり発生のランダム性が低下するおそれがある。よって、この場合には(S71:No)、次初期値メモリ40aの値を適正な範囲内の値に修正するべく、第1RAM30及びEEPROM40の内容を一旦「0」クリアした後に初期値を設定する(S77,S78)。
【0082】
S77およびS78の処理を実行した後は、発射基板に発射停止コマンドを送信すると共に、図柄作動口スイッチ17から出力される検出信号の受付を禁止して(S79)、遊技を待機状態とする。なお、この球の発射が禁止され、かつ、検出信号の受付が禁止された状態は、後述する乱数カウンタ更新処理(S65、図13参照)において、乱数カウンタ13aの更新が電源投入後少なくとも1周期分終了した場合に(S34:Yes)、解除される。
【0083】
このように、乱数カウンタ13aの値が初期化された場合には、かかる乱数カウンタ13aが、例えば「0」等の固定値から更新を開始することとなる。そのため、かかる乱数カウンタ13aの値に基づいて大当たりを付与するか否かを判断すると、大当たり発生のランダム性と公平性とが損なわれる。そこで、電源投入後、即ち、乱数カウンタ13aの初期化後、かかる乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間、球の発射を禁止することにより、乱数カウンタ13aの更新の初期値が変更される(ランダムに変更された次初期値メモリ13cの値が書き込まれる)まで遊技を待機させるのである。その結果、ランダム性が保持された乱数カウンタ13aの値に基づいて大当たりを付与するか否かを判断することができ、大当たり発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0084】
また、例えば、主制御基板Cと他の基板等との間に不正に取り付けた基板によってEEPROM40を不正にクリアし、大当たり発生のランダム性を低下させる不正行為が考えられる。この場合には、第1RAM30の内容も初期化されるので(S77)、乱数カウンタ13aの更新が「0」等の固定値から開始し、そのランダム性が低下する。しかし、図柄作動口スイッチ17の検出信号を不正に生成し、大当たりのタイミングで不正に出力したとしても、その検出信号の受付が禁止されているため、大当たりを不正に発生させることを防止することができる。また、検出信号の受付禁止状態が解除された場合には、乱数カウンタ13aの更新の初期値が少なくとも1回変更されているため、不正行為を行う者(不正な基板)は、その乱数カウンタ13aの値を把握することができず、大当たりを不正に発生させることができない。よって、いわゆる「ぶら下げ基板」等によって大当たりを不正に発生させる等の不正行為をも防止することができる。
【0085】
遊技を待機状態にした後は、RTC19から時間データをリードする(S80)。そして、リードした時間データの値から「1」減算し(S81)、時間データの値が「0」であるか否かを調べる(S82)。時間データの値が「0」でなければ(S82:No)、処理をS81に移行し、時間データの値が「0」となるまで「1」減算する処理(S81)を繰り返す。一方、時間データの値が「0」であれば(S82:Yes)、この初期化処理を終了する。
【0086】
このように、RTC19から取得した時間データの値が「0」になるまで繰り返し「1」ずつ減算することにより(S80〜S82)、第1実施例と同様に、初期化処理に要する処理時間を、不定な時間とすることができる。
【0087】
図10のフローチャートに戻って説明する。S61の初期化処理が終了した後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、初期値カウンタ更新処理(S62)を不定回数だけ繰り返し実行する。上述したように、初期化処理には、不定な時間を要するため、電源を投入し初期化処理を実行した後、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間が不定な時間となる。よって、この不定な時間を使用して次初期値メモリ13cを繰り返し更新する(S62)ことにより、電源投入後、最初に実行される処理においても、かかる次初期値メモリ13cの値をランダムに変更することができる。ここで、図12のフローチャートを参照して、初期値カウンタ更新処理(S62,S67)について説明する。
【0088】
図12は、主制御基板Cのリセット割込処理の中で実行される初期値カウンタ更新処理(S62,S67)を示すフローチャートである。第1実施例では、次初期値メモリ13cの値を「+1」ずつ更新したが、第4実施例では、初期値カウンタ30cの値を「+1」ずつ更新する。
【0089】
まず、初期値カウンタ30cの値を「1」加算し(S91)、初期値カウンタ30cの値が「631」以上であるか否か、即ち、乱数カウンタ30aの更新範囲の値を超えているか否かを調べる(S92)。加算後の初期値カウンタ30cの値が「631」以上であれば(S92:Yes)、更新範囲の値を超えているので、初期値カウンタ30cの値を「0」クリアする(S93)。一方、加算後の初期値カウンタ30cの値が「630」以下であれば(S92:No)、更新範囲内の値であるので、加算後の値を維持すべくS93の処理をスキップして、この次初期値メモリ更新処理を終了する。
【0090】
図10のフローチャートに戻って説明する。S1の処理において電源投入後2回目以降に実行されたリセット割込処理であると判断された場合には(S1:No)、大当たりが発生しているか否かを確認し(S63)、大当たりが発生している場合には(S63:Yes)、第1RAM30の初期値カウンタ30cの値をEEPROM40の次初期値メモリ40aに書き込む(S64)。
【0091】
一方、大当たりが発生していない場合には(S63:No)、S64の処理をスキップし、処理をS65に移行する。
【0092】
このように、次初期値メモリ40aへの書き込みを遊技中の所定の条件成立時(大当たり発生時)のみに行うように構成することで、毎処理ごとに書き込みを行う場合と比較して書き込みの頻度(回数)を低減すると共にその間隔を長くすることができる。よって、比較的書き込みに時間のかかるEEPROM40を使用してもゆとりをもって書き込み処理を行うことができる。その結果、μs単位で行われる制御にかかる負担を低減でき、停電や不正等の不慮の事態でかかる書き込みを正常に行うことができないという機会を減らすことができる。
【0093】
また、次初期値メモリ40aへの書き込みのタイミングを大当たり発生時とすることで、不正実行者が不正を行い難くすることができ、「ぶら下げ基板」のような不正基板に対する抑制効果をも有するのである。つまり、かかる書き込みが停電処理時等のタイミングで行われる場合は、不正に停電処理を頻発させることで比較的時間のかかる書き込み処理を適正に実行させなくすることで遊技状態を初期化して、それに伴い不正を試みることも考えられるが、当該実施例の方法ではせっかくの大当たりを初期化してしまうおそれもある。よって、かかる行為は自己の大当りを無効化させる行為に直結し、このような不正行為を無意味なものとするため、不正に対しての抑制効果は大である。
【0094】
ここで、大当たりの発生は、上述したように、遊技者の遊技操作に基づき発射された球が図柄作動口4に入賞した時の乱数カウンタ30aの値に基づいて決定される。即ち、大当たり発生の有無は、遊技者の遊技操作によって発射された球と、その球が図柄作動口4へ入賞するタイミングと、そのタイミングにおける乱数カウンタ30aの値とに基づいて、予測不可能に決定される。よって、次初期値メモリ40aの値を大当たり発生タイミングで決定することにより、次初期値メモリ40aの値のランダム性がより顕著となり、その結果、乱数カウンタ30aの更新の初期値をよりランダムに変更することができるのである。
【0095】
S65の処理では、乱数カウンタ更新処理を実行する(S65)。ここで、図13のフローチャートを参照して、乱数カウンタ更新処理(S65)について説明する。
【0096】
図13は、主制御基板Cのメイン処理の中で実行される乱数カウンタ更新処理(S65)を示すフローチャートである。なお、第1実施例における乱数カウンタ更新処理(S5、図6参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。第1実施例では、S36およびS37の処理において、次初期値メモリ13cの値を乱数カウンタ13a及び現初期値メモリ13bへ書き込んだが(S36,S37)、第4実施例では、EEPROM40に記憶される次初期値メモリ40aの値ではなく、第1RAM30に記憶される初期値カウンタ30cの値が乱数カウンタ30a及び現初期値メモリ30bへ書き込まれる(S101,S102)。
【0097】
図10のフローチャートに戻って説明する。S65の処理により乱数カウンタ30aの更新が終了した後は、第1実施例と同様に、主制御基板Cにおいて遊技の進行を制御するための各処理(S6)が実行され、各処理(S6)の終了後は、次回のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、初期値カウンタ更新処理(S66)を繰り返し実行する。
【0098】
S63からS66の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間は不定な時間になる。よって、かかる不定な時間を使用して初期値カウンタ30cを繰り返し更新し、その初期値カウンタ30cの値を乱数カウンタ30aの更新の初期値として使用することによって、乱数カウンタ30aの更新の初期値をランダムに変更することができる。
【0099】
このように、第4実施例におけるパチンコ機Pによれば、EEPROM40の内容が適正にバックアップされていれば、第1RAM30をクリアする必要が生じた場合、或いは、第1RAM30のバックアップが有効になされなかった場合でも、乱数カウンタ30a(及び、現初期値メモリ30b)にEEPROM40の次初期値メモリ40aの値を更新の初期値として設定することができ、ランダム性が保持された乱数カウンタ30aの値に基づいて大当たりを付与するか否かを判断することことができる。
【0100】
一方、EEPROM40のバックアップが有効になされなかった場合には、乱数カウンタ30aのランダム性が保持されるまでの間、即ち、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間、球の発射を禁止し且つ検出信号の受付を禁止して、遊技を待機させる。その結果、ランダム性が保持された乱数カウンタ13aの値に基づいて大当たりを付与するか否かを判断することができ、大当たり発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0101】
なお、初期値カウンタ30cの値を次初期値メモリ40aへ書き込むタイミングは、必ずしも大当たり発生時に限られるものではなく、例えば、電源の断により実行される停電処理時や終了処理時等に行うようにしても良い。ここで停電処理とは、遊技の進行中に電源が断された場合にも、電源の再入後に、電源断時の状態から遊技を再開(続行)できるようにするための処理であり、電源断時に実行される。また、終了処理は、電源断時に実行される処理であり、次回の電源投入時に正常に処理を実行できるようにするためのものである。
【0102】
まず、制御系の駆動電圧(+5V)より大きなモータ等の駆動電圧(例えば+22V)を監視し、その駆動電圧(監視電圧)が所定値未満(例えば+18V未満)になった場合に電源断(停電の発生)を検出し、停電処理(または終了処理)を実行する。そして、かかる停電処理(または終了処理)を制御系の駆動電圧が正常動作範囲の電圧値を維持する期間内に完了し、次回の電源投入に備えるのである。具体的には、監視電圧が所定電圧値未満になった場合に、主制御基板CのMPU11へ(例えばMPU11のNMI(Non Maskable Interruput)端子へ)停電信号を出力するように構成し、MPU11はその停電信号を受信すると、停電処理(または終了処理)を実行するのである。
【0103】
停電処理(または終了処理)は、制御系の駆動電圧が正常動作範囲の電圧値を維持する期間内に完了する必要がある。電源断の検出から制御系の駆動電圧が正常動作範囲の電圧値を維持する期間は、短時間である。そこで、本実施例のパチンコ機Pでは、停電処理(または終了処理)として第1RAM30の初期値カウンタ30cの2バイトの値を、EEPROM40の次初期値メモリ40aへ書き込むようにしている。停電処理(または終了処理)が、かかる書き込み以外の処理を有する場合には、かかる書き込みは他の処理に優先して実行される。特に、制御系の駆動電圧が正常動作範囲の電圧値を十分に維持する期間内に実行される。これにより、電源断のタイミング、即ち停電処理(または終了処理)の実行中(または実行タイミング)に、初期値カウンタ30cの値を次初期値メモリ40aへ書き込むように構成しても、かかる書き込みを確実に行って、停電処理(または終了処理)により、EEPROM40に記憶される次初期値メモリ40aの値を破壊することがない。なお、初期値カウンタ30cの値の次初期値メモリ40aへの書き込みは、電源断時にのみ行われるものではなく、大当たり発生時や他のタイミングと併用して行うようにしても良い。
【0104】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0105】
例えば、第1実施例では、電源投入後、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間は、球の発射が禁止されると共に図柄作動口17から出力される検出信号の受付が禁止された。しかし、少なくとも球の発射が禁止されていれば、必ずしも検出信号の受付を禁止する必要はなく、電源投入後、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間に検出信号が入力された場合には、エラー処理を実行し遊技を中断(待機)するように構成しても良い。即ち、電源投入後、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間は、球の発射が禁止されているので、図柄作動口17からの検出信号が入力されるということは、何らかのトラブルが発生しているおそれがある。例えば、図柄作動口スイッチ17の故障、或いは、いわゆる「ぶら下げ基板」による不正行為等である。よって、このように構成することにより、トラブルの発生を遊技者やホールの店員へ知らせることができる。
【0106】
なお、電源投入後、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの間に検出信号が入力されればエラー処理を実行し遊技を中断(待機)するが、球の発射はその間も許可するように構成しても良い。例えば、乱数カウンタの値が「0〜630」の範囲で「+1」ずつ更新され、リセット割込処理が2ms毎に実行される場合には、電源投入後、乱数カウンタ13aの値が最初の1周期分更新されるまでの時間は、略1.2秒である。かかる時間内に検出信号が入力された場合には、球が図柄作動口4に入賞したと判断するよりも、上記したトラブルが発生したと判断するのである。
【0107】
また、第1実施例では、乱数カウンタ13aが一周期更新されるまでの間、球の発射を禁止した状態で遊技を待機したが、この場合には、同時に、LCD3への表示をオフした状態としても良い。このように構成することにより、遊技者やホールの店員は、遊技が待機状態であることを知ることができる。
【0108】
また、第4実施例では、次初期値メモリ40aの値はEEPROM40によってバックアップされたが、次初期値メモリ40aのバックアップは必ずしもEEPROM40に限られるものではなく、例えば、電池や大容量のコンデンサによりバックアップ電圧が供給されたスタティックRAMや、フラッシュメモリなどでバックアップするようにしても良い。なお、大容量のコンデンサとしては、スーパーキャパシタが例示される。
【0109】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0110】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0111】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0112】
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記乱数カウンタの値は、所定の範囲内で繰り返し更新されると共に所定周期毎に更新の初期値が変更されるものであり、前記判断手段による特別遊技状態を付与するか否かの判断は、電源投入から少なくとも最小周期の更新が終了した後の乱数カウンタの値に基づいて行われるものであることを特徴とする遊技機1。乱数カウンタの値は、電源投入時、クリアされ初期値が設定されるため、乱数カウンタの更新の初期値が固定値となる。即ち、乱数カウンタの更新は、例えば「0」等の固定値から開始することとなり、乱数カウンタのランダム性が低下する。しかし、遊技機1によれば、乱数カウンタは、所定周期毎に更新の初期値が変更されるので、少なくとも最小周期の更新が終了した後の乱数カウンタの値は、そのランダム性が保持される。よって、かかる最小周期の更新が終了した後の乱数カウンタの値に基づいて特別遊技状態を付与するか否かを判断することにより、特別遊技状態発生のランダム性と公平性とを保持することができる。なお、所定周期の所定とは自然数を意味しているので、所定周期とは、例えば、1周期、2周期、3周期、・・・である。よって、最小周期は1周期となる。
【0113】
請求項1記載の遊技機または遊技機1において、前記乱数カウンタの更新の初期値を記憶する初期値メモリと、その初期値メモリの値を他の処理が実行されるまでの残余時間の間に繰り返し更新する更新手段とを備えていることを特徴とする遊技機2。
【0114】
遊技機2において、定期的に実行される割込手段を備え、前記更新手段は、前記初期値メモリの値を前記割込手段によって次回のその割込手段が実行されるまでの残余時間の間に繰り返し更新するものであることを特徴とする遊技機3。
【0115】
遊技機2において、一の処理の実行開始から所定時間が経過した場合に、実行する処理を前記一の処理に変更する変更手段を備え、前記更新手段は、前記初期値メモリの値を前記変更手段によって実行する処理が前記一の処理に変更されるまでの残余時間の間に繰り返し更新するものであることを特徴とする遊技機4。遊技機2、3および4によれば、残余時間は遊技の状態に応じて変化する不定な時間であるので、初期値メモリの値は、ランダムに更新される。よって、かかる初期値メモリの値を乱数カウンタの更新の初期値として使用することにより乱数カウンタの更新の初期値をランダムに変更することができ、その結果、特別遊技状態発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0116】
遊技機2から4のいずれかにおいて、時間の計時を行う計時手段と、その計時手段により計時される時間データの値を取得する時間取得手段と、その時間取得手段により取得した時間データの値が所定値以上または以下になるまで一定値を繰り返し加算または減算するループ手段とを備えており、前記更新手段による初期値メモリの更新は、少なくとも前記ループ手段の処理を実行した後に残余した残余時間の間繰り返し行われることを特徴とする遊技機5。遊技機5によれば、時間データは取得するタイミングに応じて変化するランダムな値であるので、ループ手段の実行に要する時間もランダムに変化する。よって、かかるループ手段を実行することにより、その分だけ残余時間の長さの決定において不確定の要素が増加することになり、残余時間の長さをよりランダムに変化させることができる。従って、かかる残余時間の間に繰り返し初期値メモリの値を更新することにより、その初期値メモリの値のランダム性をより向上させることができる。
【0117】
遊技機2から4のいずれかにおいて、データを記憶する記憶手段と、その記憶手段の所定領域に記憶される各データの値が所定の値であるか否かを判定する判定手段と、その判定手段により所定の値でないと判定されたデータの値を所定の値に書き換える書換手段とを備えており、前記更新手段による初期値メモリの更新は、少なくとも前記書換手段による書換処理を実行した後に残余した残余時間の間繰り返し行われることを特徴とする遊技機6。遊技機6によれば、判定手段により所定の値でないと判定されるデータ数は記憶手段に記憶される内容等に応じて変化する不定な数となるので、書換手段の実行に要する時間もランダムに変化する。よって、かかる書換手段を実行することにより、その分だけ残余時間の長さの決定において不確定の要素が増加することになり、残余時間の長さをよりランダムに変化させることができる。従って、かかる残余時間の間に繰り返し初期値メモリの値を更新することにより、その初期値メモリの値のランダム性をより向上させることができる。
【0118】
遊技機5または6において、前記ループ手段による時間データへの加算または減算および前記書換手段によるデータの書き換えは、電源投入時に実行される1回目の前記割込手段または変更手段において行われることを特徴とする遊技機7。電源投入時に実行される1回目の割込手段(又は変更手段)は、2回目以降に実行される割込手段と比較して実行される処理(例えば、初期化処理等)の数が少ないため、時間的な余裕を有している。そのため、ループ手段または書換手段によって割込手段における処理時間を消費してしまい、他の処理を実行できなくなる等の不具合を回避することができる。
【0119】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から7のいずれかにおいて、遊技媒体の発射を制御する発射制御手段と、その発射制御手段による遊技媒体の発射を電源投入から所定の条件が成立するまでの間待機する発射待機手段とを備えていることを特徴とする遊技機8。遊技機8によれば、電源投入から所定の条件が成立するまでの間は、発射待機手段によって遊技媒体の発射が待機されるので、特別遊技状態発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0120】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から8のいずれかにおいて、遊技に伴う識別情報の動的表示を制御する表示用制御手段と、その表示用制御手段による識別情報の動的表示を電源投入から所定の条件が成立するまでの間待機する表示待機手段とを備えていることを特徴とする遊技機9。遊技機9によれば、電源投入から所定の条件が成立するまでの間は、表示待機手段によって識別情報の動的表示が待機されるので、遊技者やホールの店員等に遊技の待機を知らせることができる。
【0121】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から9のいずれかにおいて、始動条件の成立を検出する検出手段と、その検出手段による始動条件の検出を電源投入から所定の条件が成立するまでの間待機する検出待機手段とを備えていることを特徴とする遊技機10。遊技機10によれば、電源投入から所定の条件が成立するまでの間は、検出待機手段によって遊技媒体の発射が待機されるので、いわゆる「ぶら下げ基板」等による不正行為を抑制することができる。なお、検出待機手段によって検出を待機するとは、始動条件が成立したか否かの検出処理自体を実行しないという場合だけでなく、検出手段によって検出された検出結果に基づいて他の処理を実行しないということをも含む趣旨である。
【0122】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から10のいずれかにおいて、遊技の進行を制御する制御手段と、始動条件の成立を検出する検出手段と、電源投入から所定の条件が成立するまでの間に前記検出手段によって始動条件の成立が検出された場合に前記制御手段で実行される処理を待機させる遊技待機手段とを備えていることを特徴とする遊技機11。遊技機11によれば、電源投入から所定の条件が成立するまでの間に前記検出手段によって始動条件の成立が検出された場合には、制御手段の処理が待機されるので、遊技の進行自体を待機させることができる。
【0123】
遊技機8から11のいずれかにおいて、前記発射待機手段による遊技媒体の発射の待機、表示待機手段による識別情報の動的表示の待機、検出待機手段による始動条件の検出の待機、又は、前記遊技待機手段による制御手段で実行される処理の待機は、少なくとも前記乱数カウンタの最小周期の更新が終了した場合に解除されることを特徴とする遊技機12。遊技機12によれば、乱数カウンタの少なくとも最小周期の更新が終了するまで、遊技を待機状態にすることができる。即ち、少なくとも最小周期の更新が終了したことによりランダム性が保持された乱数カウンタの値に基づいて特別遊技状態を付与するか否かを判断することができるので、特別遊技状態発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0124】
遊技機8から12のいずれかにおいて、前記発射待機手段または表示待機手段による遊技媒体の発射または識別情報の動的表示の待機は、電源投入後、前記乱数カウンタの値が初期化された場合に限り行われることを特徴とする遊技機13。遊技機13によれば、例えば、バックアップ手段等を有し乱数カウンタの値を電源断後においても保持可能な遊技機の場合には、そのバックアップされた乱数カウンタの値を使用することにより乱数カウンタのランダム性を保持することができる。一方、かかる遊技機においてバックアップ不良等により乱数カウンタの値を適正に保持することができなかった場合、或いは、何らかの理由によりバックアップされた乱数カウンタの値を初期化する必要がある場合には、発射待機手段または表示待機手段によって遊技を待機することにより、乱数カウンタのランダム性を保持することができる。
【0125】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から13のいずれかにおいて、始動条件が成立した場合に始動信号を出力する出力手段と、その出力手段による始動信号が入力された場合に前記乱数カウンタの値を取得する取得手段とを備え、前記判断手段は、その取得手段により取得された乱数カウンタの値に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を付与するか否かを判断するものであり、前記取得手段は、前記乱数カウンタの少なくとも最小周期の更新が終了する前に前記始動信号が入力された場合、その始動信号を無効とすることを特徴とする遊技機14。遊技機14によれば、乱数カウンタの所定周期の更新が終了する前に始動条件が成立した場合には、取得手段が始動信号を無効とするため、判断手段が特別遊技状態を付与するか否かを判断することがない。よって、所定周期の更新が終了した乱数カウンタの値に基づいて、即ち、ランダム性が保持された乱数カウンタの値に基づいて特別遊技状態を付与するか否かを判断することができるので、特別遊技状態発生のランダム性と公平性とを保持することができる。
【0126】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機15。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0127】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から14のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機16。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0128】
請求項1記載の遊技機または遊技機1から14のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機17。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0129】
【発明の効果】
請求項1記載の遊技機によれば、乱数カウンタと、その乱数カウンタの値を所定の範囲で更新する乱数更新処理を実行する乱数更新手段と、所定の契機に前記乱数カウンタの値を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記乱数カウンタの値に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を付与する制御手段と、その制御手段にて使用されるデータを記憶するための領域を複数有する記憶手段とを備え、前記乱数カウンタの値は、前記乱数更新処理により所定回数更新されることで一周するものであり、前記乱数更新処理は、所定条件が成立すると、前記所定の範囲のいずれかの値が更新の初期値として設定されて次の周の更新を行うものであり、前記遊技機は、前記次の周の更新における前記更新の初期値として設定される値を記憶する初期値メモリを備え、前記制御手段は、前記初期値メモリの値を前記所定の範囲と同じ範囲で更新する初期値更新処理を実行する初期値更新手段と、前記所定条件が成立する度に前記初期値メモリの値を前記更新の初期値として前記乱数カウンタに設定する初期値設定手段と、電源入後に前記所定条件が少なくとも1回成立するまで、前記取得手段による前記乱数カウンタの値の取得を非実行にする取得非実行手段とを備え、電源入時に所定時間実行され、且つ、前記記憶手段を初期化する初期化処理と前記初期値更新処理とを含む第1処理と、その第1処理が終了してから定期的に所定時間実行され、且つ、遊技の進行を制御する処理と前記乱数更新処理と前記初期値更新処理とを含む第2処理とを実行可能であり、前記初期化処理は、前記記憶手段の各領域に記憶されるデータの値が所定の値であるか否かを判定する判定処理と、前記記憶手段が有する複数の領域のうち記憶されるデータの値が前記判定処理によって所定の値でないと判定された領域を、1つずつ前記所定の値に書き換える書換処理とを含み、前記第1処理は、少なくとも前記初期化処理が実行された後に残余した該第1処理の残余時間で前記初期値更新処理を繰り返し実行して前記初期値メモリの値を前記所定の範囲内で更新するものであり、前記第2処理は、少なくとも前記遊技の進行を制御する処理が実行された後に残余した該第2処理の残余時間で前記初期値更新処理を繰り返し実行して前記初期値メモリの値を前記所定の範囲内で更新する。よって、特別遊技状態発生のランダム性と公正性とを保持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図2】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図3】 リセット割込処理を示すフローチャートである。
【図4】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図5】 次初期値メモリ更新処理を示すフローチャートである。
【図6】 乱数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
【図7】 第2実施例における初期化処理を示すフローチャートである。
【図8】 第3実施例におけるリセット割込処理を示すフローチャートである。
【図9】 第4実施例におけるパチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図10】 リセット割込処理を示すフローチャートである。
【図11】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図12】 初期値カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
【図13】 乱数カウンタ更新処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 MPU(取得手段)
13 RAM(記憶手段)
13a,30a 乱数カウンタ
13c,40a 次初期値メモリ(初期値メモリ)
P パチンコ機(遊技機)
C 主制御基板(制御手段)
S3,S34 取得非実行手段
S4,S7 次初期値メモリ更新処理(初期値更新処理)
S5 乱数カウンタ更新処理(乱数更新処理)
S6 遊技の進行を制御する処理
S36 初期値設定手段
S41 初期化処理
S42,S43,S45,S46 判定処理
S42,S44,S45,S46 書換処理
Claims (1)
- 乱数カウンタと、その乱数カウンタの値を所定の範囲で更新する乱数更新処理を実行する乱数更新手段と、所定の契機に前記乱数カウンタの値を取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記乱数カウンタの値に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態を付与する制御手段と、その制御手段にて使用されるデータを記憶するための領域を複数有する記憶手段とを備えた遊技機において、
前記乱数カウンタの値は、前記乱数更新処理により所定回数更新されることで一周するものであり、
前記乱数更新処理は、所定条件が成立すると、前記所定の範囲のいずれかの値が更新の初期値として設定されて次の周の更新を行うものであり、
前記遊技機は、前記次の周の更新における前記更新の初期値として設定される値を記憶する初期値メモリを備え、
前記制御手段は、
前記初期値メモリの値を前記所定の範囲と同じ範囲で更新する初期値更新処理を実行する初期値更新手段と、
前記所定条件が成立する度に前記初期値メモリの値を前記更新の初期値として前記乱数カウンタに設定する初期値設定手段と、
電源入後に前記所定条件が少なくとも1回成立するまで、前記取得手段による前記乱数カウンタの値の取得を非実行にする取得非実行手段とを備え、
電源入時に所定時間実行され、且つ、前記記憶手段を初期化する初期化処理と前記初期値更新処理とを含む第1処理と、
その第1処理が終了してから定期的に所定時間実行され、且つ、遊技の進行を制御する処理と前記乱数更新処理と前記初期値更新処理とを含む第2処理とを実行可能であり、
前記初期化処理は、
前記記憶手段の各領域に記憶されるデータの値が所定の値であるか否かを判定する判定処理と、
前記記憶手段が有する複数の領域のうち記憶されるデータの値が前記判定処理によって所定の値でないと判定された領域を、1つずつ前記所定の値に書き換える書換処理とを含み、
前記第1処理は、
少なくとも前記初期化処理が実行された後に残余した該第1処理の残余時間で前記初期値更新処理を繰り返し実行して前記初期値メモリの値を前記所定の範囲内で更新するものであり、
前記第2処理は、
少なくとも前記遊技の進行を制御する処理が実行された後に残余した該第2処理の残余時間で前記初期値更新処理を繰り返し実行して前記初期値メモリの値を前記所定の範囲内で更新するものであることを特徴とする遊技機。
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