JP4866757B2 - 流体式トルク伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体式トルク伝達装置、特に、エンジンとトランスミッションとの間に設けられた流体式トルク伝達装置に関する。
従来から、エンジンとトランスミッションとの間に設けられる流体式トルク伝達装置としてトルクコンバータや流体継手が知られている。例えば、流体継手は、トルクが入力されるフロントカバーと、フロントカバーに固定されたインペラと、インペラに対向して配置されたタービンと、フロントカバーとタービンとを機械的に連結するロックアップ装置と、を有している。インペラは、環状のインペラシェルと、このインペラシェルに固定された複数のインペラブレードと、インペラシェルの内周側に設けられたインペラハブと、を有している。タービンは、環状のタービンシェルと、このタービンシェルに固定された複数のタービンブレードと、タービンシェルの内周側に設けられたタービンハブと、を有している。フロントカバーおよびインペラにより、作動流体が充填される流体室が形成されている。
この流体継手では、インペラがフロントカバーを介してエンジン側の部材であるクランク軸に連結され、タービンがトランスミッション側の入力軸に連結される。フロントカバーおよびインペラが回転すると、インペラからタービンへ作動流体を介してトルクが伝達される(例えば、特許文献1を参照)。
特開昭63−72964号公報
しかし、この種の流体式トルク伝達装置では、ダンパー機構のスプリングはリティニングプレートにより保持されている。リティニングプレートはピストンの外周部に形成された外周筒状部により半径方向に支持されている場合がある。この場合、遠心力によりピストンが変形しないように、リティニングプレートやピストンの強度向上を図る必要がある。特に、ピストンの外周部はフロントカバーと摩擦係合するため、ピストンの摩擦面が弾性変形により傾くのを防止する必要がある。このため、リティニングプレートやピストンの強度を向上させるために、板厚を大きくしたり、あるいは硬化処理を施したりする必要がある。すなわち、従来の構造では製造コストが増大する。
本発明の課題は、流体式トルク伝達装置において製造コストの低減を図ることにある。
第1の発明に係る流体式トルク伝達装置は、流体を介してトルクを伝達するための装置である。この流体式トルク伝達装置は、トルクが入力されるフロントカバーと、インペラと、タービンと、ピストンと、ダンパー機構と、を備えている。インペラは、フロントカバーに固定され、流体が充填された流体室を形成し、インペラシェルとインペラシェルに固定された複数のインペラブレードとを有している。タービンは、流体室内においてインペラに対向して配置され、タービンシェルとタービンシェルに固定された複数のタービンブレードとを有している。ピストンは、フロントカバーに対して回転可能にかつ軸方向へ移動可能に設けられ、フロントカバーと摩擦係合する。ダンパー機構は、ピストンおよびタービンを回転方向に弾性的に連結する。ダンパー機構の外周部は、タービンシェルにより半径方向に支持されている。
この流体式トルク伝達装置では、タービンシェルによりダンパー機構の外周部が半径方向に支持されている。このため、タービンシェルによりダンパー機構の半径方向外側への弾性変形が抑制される。これにより、ピストンおよびダンパー機構を構成する部材の強度を向上させる必要がなくなり、製造コストの低減を図ることができる。
第2の発明に係る流体式トルク伝達装置は、第1の発明に係る流体継手において、ダンパー機構が、ピストンに固定されるドライブ部材と、タービンシェルに固定されるドリブン部材と、ドリブン部材に保持されドライブ部材およびドリブン部材の間で回転方向に弾性変形可能に配置された複数の弾性部材と、を有している。ドリブン部材の外周部は、タービンシェルにより半径方向に支持されている。
第3の発明に係る流体式トルク伝達装置は、第2の発明に係る流体継手において、タービンシェルが、タービンブレードに対して半径方向内側に配置されドリブン部材の外周部を半径方向に支持する筒状部を有している。
第4の発明に係る流体式トルク伝達装置は、第3の発明に係る流体継手において、タービンシェルが、筒状部の外周側に形成され半径方向外側へ延びる補強部を有している。
ここで、補強部は、軸方向に湾曲している部分または折り曲げられている部分を含んでいてもよい。
本発明に係る流体式トルク伝達装置では、上記の構成を有しているため、製造コストの低減を図ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。ここでは、流体式トルク伝達装置として流体継手を例に説明する。
<流体継手の構成>
図1および図2を用いて流体継手1の構成について説明する。図1は流体継手1の縦断面概略図である。図2はダンパー機構6およびその周辺の部分断面図である。図1および図2の線O−Oは流体継手1の回転軸である。
流体継手1は、図1の左側に配置されるエンジン(図示せず)のトルクを図1の右側に配置されるトランスミッション(図示せず)へと伝達するための装置である。具体的には図1に示すように、流体継手1は主に、入力側部材としてのフロントカバー2およびインペラ3と、出力側部材としてのタービン4と、フロントカバー2およびタービン4を機械的に連結するロックアップ装置5と、を有している。
フロントカバー2は、例えばエンジン(図示せず)側のクランクシャフトに連結されており、エンジンからクランクシャフトを介してトルクが入力される。フロントカバー2の外周部には、トランスミッション(図示せず)側に延びる外周筒状部21が設けられている。
インペラ3は主に、環状のインペラシェル31と、インペラシェル31に固定された複数のインペラブレード32と、インペラシェル31の内周部に固定されるインペラハブ33と、を有している。インペラシェル31は、フロントカバー2の外周筒状部21に固定されている。インペラシェル31とフロントカバー2とにより、その内部に作動流体が充填された流体室が形成されている。
タービン4は、流体室内においてインペラ3に対向して配置されており、インペラ3とともにトーラスTを構成している。タービン4は主に、環状のタービンシェル41と、タービンシェル41に固定された複数のタービンブレード42と、タービンシェル41の内周部に固定されたタービンハブ43と、を有している。タービンハブ43は、筒状のタービンハブ本体43aと、タービンハブ本体43aから半径方向外側へ延びる円板部43bと、を有している。タービンシェル41は、後述するドリブンプレート62とともに、円板部43bに対して複数のリベット44により固定されている。
タービンハブ43とフロントカバー2の内周部との軸方向間には、第1スラストワッシャ71が設けられている。第1スラストワッシャ71は固定プレート72によりフロントカバー2へ押さえつけられている。タービンハブ43とインペラハブ33との軸方向間には、第2スラストベアリング73が設けられている。第1スラストワッシャ71および第2スラストベアリング73により、タービン4は、軸方向に位置決めされた状態で、フロントカバー2およびインペラ3に対して回転可能となっている。
図1に示すように、ロックアップ装置5は、フロントカバー2とタービン4との間に配置されており、主に、ピストン51と、ピストン51とタービン4とを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構6と、を有している。
ピストン51は、フロントカバー2と摩擦係合するための部材であり、タービンハブ43によりタービン4に対して回転可能にかつ軸方向へ移動可能に支持されている。ピストン51の外周部には環状の摩擦フェーシング52が設けられている。ダンパー機構6の構成については後述する。
<トーラスの構成>
図1に示すように、インペラ3およびタービン4により形成されるトーラスTは、内周側に環状の流路Pを有している。具体的には、流路Pは、インペラブレード32およびタービンブレード42の内周側であってインペラシェル31およびタービンシェル41の軸方向間に配置されている。
図1に示すように、インペラシェル31は主に、インペラブレード32が固定される環状の第1固定部31aと、第1固定部31aの内周縁から半径方向内側へ延びる環状の第1流路形成部31bと、第1流路形成部31bの内周縁から半径方向内側へ延びる環状の第1支持部31cと、を有している。第1流路形成部31bは、全周にわたり軸方向フロントカバー2側に突出するように湾曲している。ここで、第1固定部31aとは、インペラシェル31のうちインペラブレード32に沿って形成された部分を意味している。
図1に示すように、タービンシェル41は主に、タービンブレード42が固定される環状の第2固定部41aと、第2固定部41aの内周縁から半径方向内側へ延びる環状の第2流路形成部41b(第1部分、補強部)と、第2流路形成部41bの内周縁から半径方向内側へ延びる環状の第2支持部41cと、を有している。第2支持部41cには、複数の孔41dが形成されている。ここで、第2固定部41aとは、タービンシェル41のうちタービンブレード42に沿って形成された部分を意味している。
図2に示すように、第2流路形成部41bは、湾曲部41e(第2部分)と、湾曲部41eの内周縁から軸方向に延びる筒状部41fと、を有している。湾曲部41eは、第2固定部41aの内周縁からインペラシェル31側へ突出するように湾曲しており、さらにフロントカバー2側へ突出するように湾曲している。湾曲部41eは第1流路形成部31bと軸方向に対向している。
第1流路形成部31bおよび第2流路形成部41bの形状により、流路Pの軸方向寸法は、インペラブレード32およびタービンブレード42から半径方向内側へいくにしたがって徐々に小さくなり、さらに半径方向内側へいくにしたがって徐々に大きくなっている。
このように、この流体継手1では、第1流路形成部31bおよび第2流路形成部41bの軸方向間であって、筒状部41fの外周側に流路Pが形成されている。このため、従来の流体継手に比べて、タービン4の出口からインペラ3の入口までの軸方向距離が長くなっており、タービン4から流れ出た作動流体が滞留できる領域が従来よりも広くなっている。
<ダンパー機構の構成>
流路Pの内周側にはダンパー機構6が配置されている。具体的には図2に示すように、ダンパー機構6は主に、ピストン51に固定されたドライブ部材としての環状のドライブプレート61と、タービン4に固定されたドリブン部材としての環状のドリブンプレート62と、ドリブンプレート62に保持された複数のスプリング63と、を有している。
ドライブプレート61は主に、円板状のドライブプレート本体61aと、ドライブプレート本体61aの内周部から軸方向に延びる複数の突出部61bと、を有している。ドライブプレート本体61aは、ピストン51に対して複数のリベット53により固定されている。スプリング63は突出部61b同士の回転方向間に配置されている。
ドリブンプレート62は主に、円板状のドリブンプレート本体62cと、ドリブンプレート本体62cの外周部から軸方向に延びる筒状部62aと、ドリブンプレート本体62cの内周部から半径方向内側へ延びる環状の固定部62dと、を有している。固定部62dは、第2支持部41cとともに、円板部43bに対してリベット44により固定されている。
筒状部62aは、タービンシェル41の筒状部41fの内周部に嵌め込まれている。つまり、筒状部62aは、筒状部41fと半径方向に当接している、あるいは筒状部41fとの半径方向間にわずかな隙間を介して配置されている。また、筒状部62aの軸方向端部には、複数の第1保持部62gと、半径方向内側へ折り曲げられた複数の第1爪部62bと、が形成されている。第1爪部62bは半径方向内側へ延びている。
ドリブンプレート本体62cの内周部周辺には、軸方向に折り曲げられた複数の第2爪部62eが形成されている。第2爪部62eはフロントカバー2側に延びている。固定部62dには、軸方向に折り曲げられた複数の第2保持部62fが形成されている。ドライブプレート61とドリブンプレート62との相対回転は、ストッパ(図示せず)により所定角度の範囲内に制限されている。
スプリング63は、筒状部62aの内周側に配置されており、第1保持部62gおよびドリブンプレート本体62cにより軸方向に保持されており、筒状部62aおよび第2保持部62fにより半径方向に保持されている。スプリング63は、第1爪部62b同士の回転方向間および第2爪部62e同士の回転方向間に配置されている。第1爪部62bおよび第2爪部62eの半径方向間には、ドライブプレート61の突出部61bが挿入されている。スプリング63の中心は、タービンシェル41の第2流路形成部41bと軸方向の位置が概ね一致している。
このように、この流体継手1では、トーラスTの内周側に配置されたダンパー機構6が、タービンシェル41により支持されている。
<寸法関係>
ここで、図1を用いて各部の寸法関係について説明する。
軸方向におけるトーラスTの最大寸法(第1固定部31aおよび第2固定部41aの軸方向間の最大距離)をL、軸方向における流路Pの最小寸法(第1流路形成部31bおよび第2流路形成部41bの軸方向間の最小距離)をSとした場合、流体継手1は以下の関係式(1)を満たしている。
S/L≧0.3 ・・・(1)
この関係式(1)は、トーラスTの軸方向寸法に対する流路Pの軸方向寸法の割合を示している。
また、インペラブレード32の半径方向における最大寸法およびタービンブレード42の半径方向における最大寸法のうち大きい方をHとした場合、流体継手1は以下の関係式(2)を満たしている。
0.8≦L/H≦1.0 ・・・(2)
この関係式(2)は、トーラスTの扁平率を示しており、トーラスTが半径方向に長い扁平形状を有していることを意味している。
また、環状のトーラスTの外径をDとした場合、流体継手1は以下の関係式(3)を満たしている。
0.1≦L/D≦0.15 ・・・(3)
この関係式(3)は、トーラスTの薄型率を示しており、トーラスTの軸方向寸法に対してトーラスTの外径位置が比較的半径方向外側にあることを意味している。
また、インペラブレード32がタービンブレード42と軸方向に対向する端部の半径方向寸法およびタービンブレード42がインペラブレード32と軸方向に対向する端部の半径方向寸法のうち大きい方をB2とした場合、流体継手1は以下の関係式(4)を満たしている。
B2/L≦1.0 ・・・(4)
この関係式(4)は、流路Pが広く確保されていることを意味している。
また、タービンブレード42がインペラブレード32と軸方向に対向するテーパ部42aを半径方向外側に有している。テーパ部42aが回転軸O−Oに直交する平面となす角度をθとした場合、流体継手1は以下の関係式(5)を満たしている。
10°≦θ≦30° ・・・(5)
さらに、半径方向におけるテーパ部42aの最大寸法をB1とした場合、流体継手1は以下の関係式(6)を満たしている。
0.15≦B1/H≦0.3 ・・・(6)
これらの関係式(5)、(6)は、タービンブレード42の半径方向外側部分が斜めに切り欠かれていることを意味している。
<動作>
図1を用いて流体継手1の動作について説明する。
ロックアップ装置5の連結時においては、ピストン51とフロントカバー2との間の作動油が排出される。この結果、ピストン51のタービン4側の油圧がフロントカバー2側よりも高くなり、ピストン51がフロントカバー2側へ移動する。これにより、ピストン51の摩擦フェーシング52がフロントカバー2に押し付けられ、フロントカバー2に入力されたトルクがピストン51を介してダンパー機構6に入力される。
ダンパー機構6では、ピストン51に固定されたドライブプレート61とタービン4に固定されたドリブンプレート62との間で複数のスプリング63が圧縮され、連結時に発生する捩り振動などが吸収される。ピストン51がタービン4に対して所定角度だけ回転すると、ダンパー機構6のストッパ(図示せず)が作動し、ピストン51に入力されたトルクがダンパー機構6を介してタービン4に伝達される。
一方、ロックアップ装置5の連結解除時においては、ピストン51とフロントカバー2との間に油圧ポンプ(図示せず)から作動油が供給される。この結果、ピストン51のフロントカバー2側の油圧がタービン4側よりも高くなり、ピストン51がタービン4側へ移動する。これにより、ピストン51とフロントカバー2との摩擦係合が解除され、ピストン51がフロントカバー2に対して回転可能となる。
この場合、インペラ3からタービン4へ作動流体を介してトルクが伝達される。具体的には図1に示すように、インペラ3の出口(外周部)からタービン4の入口(外周部)に作動流体が流れる。このとき、作動流体がタービンブレード42に衝突し、タービン4にトルクが伝達される。タービン4に流れ込んだ作動流体は、タービンブレード42間を流れ、タービン4の出口(タービンブレード42の半径方向内側周辺)からインペラ3の入口(インペラブレード32の半径方向内側周辺)へ流れる。この作動流体の流れにより、インペラ3からタービン4へトルクが伝達される。
<作動流体の流れ>
ここで、図3および図4を用いて、トーラスT内での作動流体の流れについてより詳細に説明する。図3はトーラス内の状態をCFD(Computational Fluid Dynamic:数値流動解析)により解析した結果を示している。具体的には、図3(a)は流体継手1の場合、図3(b)は従来の流体継手の場合を示している。図3において、トーラス内の作動流体の流れ方向が矢印で示されており、作動流体の圧力分布が色により示されている。具体的には、図3において、緑の領域A1を基準とした場合、青の領域A2は緑の領域A1よりも圧力が低く、オレンジの領域A3は緑の領域A1よりも圧力が高い。図4は図3(a)および図3(b)の各速度比(Speed Ratio)における容量係数(Capacity Factor)を示している。
図3(a)および図3(b)に示すように、トーラスの内周側の領域(タービンの出口周辺およびインペラの入口周辺)において作動流体の圧力は他の領域に比べて高くなる。なぜなら、タービン出口からインペラ入口までの領域では、作動流体に対して主に遠心力しか作用せず、作動流体の流速が低下するためである。
図3(b)に示すように、従来の流体継手では、タービンの出口からインペラの入口にかけて作動流体の圧力が高くなる。この圧力が高い領域H11およびH12にタービンブレードおよびインペラブレードが配置されている。このため、タービンから作動流体が流れ出る際、あるいは、インペラに作動流体が流れ込む際に、各ブレードに作用する圧力の変動が大きくなる。ブレードの圧力変動が大きくなると、流体音の発生やインペラブレードの破損を引き起こす。
一方、図3(a)に示すように、この流体継手1では、トーラスTの内周部に流路Pが設けられており、タービン4出口からインペラ3入口までの距離が従来品よりも長い。この結果、圧力が高い領域H1およびH2にタービンブレード42やインペラブレード32が存在しない構成を実現することができ、また、タービン4から流れ出た作動流体がインペラ3入口の圧力状態に与える影響を小さくできる。これにより、従来品よりもタービンブレード42およびインペラブレード32の圧力変動が抑制される。
そして、圧力変動が抑制されることにより、タービン4からインペラ3への作動流体の流れが円滑になる。これにより、例えば図4に示すように、従来品に比べて容量係数が向上する。さらには、コアリングを設けなくても、タービンおよびインペラにコアリングが設けられている従来品と同等あるいはそれ以上の容量係数を実現できる。
<効果>
流体継手1により得られる効果は以下の通りである。
(1)容量係数の向上
この流体継手1では、タービン4出口からインペラ3入口までの軸方向距離を確保するために、トーラスTの内周部に流路Pが形成されている。この結果、前述のように従来品よりもインペラブレード32の圧力変動が抑制される。これにより、この流体継手1ではタービン4からインペラ3への作動流体の流れが円滑になり、従来品に比べて容量係数が向上する。さらに、この流体継手1では、コアリングを設けなくても、タービンおよびインペラにコアリングが設けられている従来品と同等あるいはそれ以上の容量係数が得られる。
また、この流体継手1は、以下の関係式(1)〜(3)を満たしている。
S/L≧0.3 ・・・(1)
0.8≦L/H≦1.0 ・・・(2)
0.1≦L/D≦0.15 ・・・(3)
B2/L≦1.0 ・・・(4)
これらの関係式(1)〜(4)は、この流体継手1が、トーラスTの内周側に軸方向寸法の大きい流路Pを有していること、および、従来品に比べてトーラスTが扁平かつ薄型であること、を意味している。これらの関係式を満たすことにより、より確実に容量係数が向上する。
(2)小型化
a)
この流体継手1では、タービンブレード42が半径方向外側にインペラブレード32と軸方向に対向するテーパ部42aを有している。これにより、よりインペラ3の近くにタービン4を配置することができ、トーラスTの軸方向寸法を短縮することができる。すなわち、流体継手1の小型化を図ることができる。
特に、流体継手1は以下の関係式(5)および(6)を満たしている。
10°≦θ≦30° ・・・(5)
0.15≦B1/H≦0.3 ・・・(6)
これらの関係式を満たすことにより、流体継手1の容量係数に影響を及ぼさない範囲で小型化を図ることができる。
b)
この流体継手1では、ダンパー機構6がトーラスTの内周側に配置されている。このため、トーラスTの内周側の空間を有効利用でき、小型化を実現できる。
(3)製造コストの低減
この流体継手1では、タービンシェル41により、ダンパー機構6の外周部が半径方向に支持されている。具体的には、ドリブンプレート62の筒状部62aがタービンシェル41の筒状部41fにより支持されている。この結果、遠心力によるドリブンプレート62の半径方向外側への弾性変形をタービンシェル41により防止できる。また、タービンシェル41の許容変形量は、ピストン51の許容変形量よりもが大きく、タービンシェル41の強度を高める必要はない。
このように、この流体継手1では、ダンパー機構の外周部がピストンに支持されている場合に比べて、ダンパー機構6を構成する部材(例えば、ドリブンプレート62)の強度を向上させる必要がなくなり、製造コストの低減を図ることができる。
また、タービンシェル41の第2流路形成部41bは、スプリング63の中心と軸方向の位置が概ね一致している。スプリング63の中心は、ドリブンプレート62の外周部分およびスプリング63の重心と概ね一致している。このため、ダンパー機構6を半径方向に効率よく支持することができる。
さらに、第2流路形成部41bは、半径方向に延びる概ね円板状の部分であるため、半径方向の剛性が高い。これにより、タービンシェル41の弾性変形を抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
(1)
前述の実施形態では、流体式トルク伝達装置の一例として流体継手1が挙げられている。しかし、ロックアップ装置5が搭載される装置はこれに限定されない。例えば、流体式トルク伝達装置はトルクコンバータであってもよい。
(2)
第2流路形成部41bは、軸方向に湾曲しているが、この形状に限定されない。例えば、第2流路形成部41bが半径方向にまっすぐ延びる円板状の部分であってもよい。この場合、流路Pが確保されていれば容量係数が向上し、またタービンシェル41の強度が確保されるため製造コストの低減を図ることができる。
流体継手の縦断面概略図(第1実施形態) ダンパー機構6およびその周辺の部分断面図(第1実施形態) 作動流体の流れおよび圧力分布の比較図(第1実施形態および従来技術) 容量係数を示すグラフ(第1実施形態および従来技術)
符号の説明
1 流体継手(流体式トルク伝達装置)
2 フロントカバー
3 インペラ
4 タービン
5 ロックアップ装置
6 ダンパー機構
31 インペラシェル
31a 第1固定部
31b 第1流路形成部
31c 第1支持部
32 インペラブレード
33 インペラハブ
41 タービンシェル
41a 第2固定部
41b 第2流路形成部(第1部分、補強部)
41c 第2支持部
41d 孔
41e 湾曲部(第2部分)
41f 筒状部
42 タービンブレード
43 タービンハブ
44 リベット
51 ピストン
61 ドライブプレート(ドライブ部材)
61a ドライブプレート本体
61b 突出部
62 ドリブンプレート(ドリブン部材)
62a 筒状部
62b 第1爪部
62c ドリブンプレート本体
62d 固定部
63 スプリング(弾性部材)
T トーラス
P 流路

Claims (4)

  1. 流体を介してトルクを伝達するための流体式トルク伝達装置であって、
    前記トルクが入力されるフロントカバーと、
    前記フロントカバーに固定され、前記流体が充填された流体室を形成し、インペラシェルと前記インペラシェルに固定された複数のインペラブレードとを有するインペラと、
    前記流体室内において前記インペラに対向して配置され、タービンシェルと前記タービンシェルに固定された複数のタービンブレードとを有するタービンと、
    前記フロントカバーに対して回転可能にかつ軸方向へ移動可能に設けられ、前記フロントカバーと摩擦係合するピストンと、
    前記ピストンおよびタービンを回転方向に弾性的に連結するダンパー機構と、を備え、
    前記ダンパー機構の外周部は、前記タービンシェルにより半径方向に支持されている、
    流体式トルク伝達装置。
  2. 前記ダンパー機構は、前記ピストンに固定されるドライブ部材と、前記タービンシェルに固定されるドリブン部材と、前記ドリブン部材に保持され前記ドライブ部材およびドリブン部材の間で回転方向に弾性変形可能に配置された複数の弾性部材と、を有しており、
    前記ドリブン部材の外周部は、前記タービンシェルにより半径方向に支持されている、
    請求項1に記載の流体式トルク伝達装置。
  3. 前記タービンシェルは、前記タービンブレードに対して半径方向内側に配置され前記ドリブン部材の外周部を半径方向に支持する筒状部を有している、
    請求項2に記載の流体式トルク伝達装置。
  4. 前記タービンシェルは、前記筒状部の外周側に形成され半径方向外側へ延びる補強部を有している、
    請求項3に記載の流体式トルク伝達装置。
JP2007049620A 2007-02-28 2007-02-28 流体式トルク伝達装置 Expired - Fee Related JP4866757B2 (ja)

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