本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本発明が適用される通信システムの基本的な構成例を示すブロック図である。図示のように、通信システム1は、サーバ2、第1のネットワーク3、ネットワーク中継装置4、ネットワーク管理装置(管理装置)5、第2のネットワーク6、および通信装置7を備える構成である。サーバ2は第1のネットワーク3を通してネットワーク中継装置4と接続されており、通信装置7は第2のネットワーク6を通してネットワーク中継装置4と接続されている。さらに、第2のネットワーク6にはネットワーク管理装置5が接続されている。
このような接続によって、サーバ2と通信装置7とは、ネットワーク中継装置4を介して接続された複数のネットワーク3・6(ネットワーク群)を経由してデータの送受信を行う。また、ネットワーク管理装置5は、例えば第2のネットワーク6における機器間の通信帯域を設定するなど、第2のネットワーク6における通信の管理を行う。
なお、本実施の形態においては、サーバ2と通信装置7とは、第1のネットワーク3と第2のネットワーク6との2つのネットワークを経由して通信を行うものとしているが、サーバ2と通信装置7とが1つ以上の任意の数のネットワークを経由して通信するものであってもよい。
〔実施の形態1〕
次に、図1に示した通信システム1のより具体的な構成について図2を用いて説明する。図2は、本発明が適用されるコンテンツ配信システム(データ伝送システム)11の構成を示す概略図である。なお、図2を参照すると、図1の簡略化した基本構成が実際にどのように構成されているかが容易に理解できる。但し、図2のシステムの構成は一例であり、他にも種々の構成が考えられる。
図2において、サーバ2はVoD(ビデオオンデマンド)サーバ12に対応し、第1のネットワーク3はNGN網13に対応し、ネットワーク中継装置4はホームゲートウェイ14に対応し、通信装置7はセットトップボックス17に対応し、ネットワーク管理装置5はPLC(Power Line Communication)親機15に対応し、第2のネットワーク6は電力線を介して通信を行うPLCネットワーク16に対応する。なお、以下では、ホームゲートウェイを「HGW」と表記する。なお、NGN網13ではなく、他のアクセスネットワークを用いてもよい。例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber to the Home)等でもよい。
さらに、PLCネットワーク16と各種機器との間には、PLCアダプタ18が設けられている。PLCアダプタ18は、イーサネット(登録商標)の信号とPLCの信号とを相互変換する機器である。HGW14、STB17、およびその他の機器19は、イーサネット(登録商標)用の端子を備えており、PLCアダプタ18とイーサネット(登録商標)ケーブルで接続されることにより、PLCアダプタ18およびPLCネットワーク16を介して相互に通信することが可能となる。なお、以下では、HGW14、およびSTB17に接続されたPLCアダプタ18のそれぞれを特に示す場合、図2に示すように、符号として18a・18b・18cをそれぞれ使用することにする。
また、STB17には、映像コンテンツなどの各種データを表示する表示装置の一例として、TV(television)受像機(以下「TV」と表記する。)20が接続されている。なお、TV20にSTB17の機能が内蔵されており、TV20とPLCアダプタ18とがイーサネット(登録商標)によって接続されていてもよい。
なお、図2の例では、HGW14、PLC親機15、STB17、および機器19は、それぞれ外付けのPLCアダプタ18を介してPLCネットワーク16に接続されているが、それぞれにPLCアダプタ18が内蔵されていても良い。
また、図2においては、PLCアダプタ18bにPLC親機15が外部的に接続されているように図示されているが、実際にはPLCアダプタ18bがPLC親機15の機能を含んでいる。また、PLC親機15の機能はPLCアダプタ18bだけでなく、他の全てのPLCアダプタ18にも含まれており、PLCネットワーク16の通信の状況に応じて複数のPLCアダプタ18の中の1台がPLC親機15として機能する。しかしながら、以下の実施形態では、本発明の理解を容易にするため、PLCアダプタ18から独立したPLC親機15が、特定のPLCアダプタ18bに接続されているとする。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の詳細について説明する。まず、VoDサーバ12は、使用者からの要求に基づいて、保存している映像コンテンツを配信するものである。VoDサーバ12は、使用者に提供する映像コンテンツのデータと、当該映像コンテンツに付随したビットレート、伝送所要時間、提供価格などの関連情報のデータとを記憶部(図示せず)に記憶している。
また、STB17は、使用者が或る映像コンテンツの視聴を所望する旨を、リモートコントローラ、操作ボタン(図示せず)などを介して使用者から取得すると、当該映像コンテンツの伝送を要求する伝送要求を、PLCネットワーク16およびNGN網13を介してVoDサーバ12に送信する。VoDサーバ12は、受信した伝送要求に対応する映像コンテンツをパケット形態でSTB17に伝送する。そして、STB17は、VoDサーバ12から受信した映像コンテンツのパケットを映像コンテンツとして再構築し、TV20において映像として使用者に提示する。
このように、本実施形態および後述の実施形態では、使用者が利用する通信装置が受信するデータの具体例として、映像コンテンツを利用している。以下では、映像コンテンツを単に「コンテンツ」と表記する。なお、上記データの例としては、静止画像データ、音声データ、テキストデータ、Webコンテンツのデータ等、種々のデータが挙げられる。
ところで、VoDサーバ12がコンテンツをSTB17に伝送するとき、伝送径路上のネットワーク13・16の伝送帯域がコンテンツの送信に必要な分だけ確保されていなければ、伝送径路上のネットワーク13・16において、パケットの消失やパケットの送信遅延が発生し、例えば最終的に提示される映像が乱れてしまうといった弊害が生じる。
図2のような形態では、VoDサーバ12は、自身が直接接続しているNGN網13については、そのネットワークにおける伝送帯域を管理するが、自身が直接接続していないネットワーク、すなわち、ネットワーク中継装置4であるHGW14以遠のネットワーク(本実施形態ではPLCネットワーク16)において、コンテンツの伝送を滞りなく行うために十分な伝送帯域が確保されているかどうかは一般的には関知し得ない。
そこで、PLCネットワーク16に関しては、使用者側の装置であるSTB17の要求により、PLC親機15が上記コンテンツの伝送に必要な伝送帯域を確保している。
図3は、コンテンツ配信システム11におけるSTB17の要部構成を示している。図示のように、STB17は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部34、出力部35、およびタイマー36を備える構成である。なお、図3では、本発明に関係する構成のみを示しているが、実際のSTB17にはその他の構成も含んでいる。
制御部31は、STB17内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部31の機能は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。なお、制御部31の詳細については後述する。
記憶部32は、例えばRAMやハードディスクドライブ(HDD)などの記憶装置を備えて、各種データおよびプログラムを記憶するものである。なお、本実施形態において記憶部32が記憶するデータの詳細については後述する。
通信部33は、PLCネットワーク16を介して、VoDサーバ12、PLC親機15などの各種機器とデータ通信を行うためのものである。
入力部34は、使用者から各種情報が入力されるためのものである。入力部34の例としては、操作ボタン、キーボードなどの操作入力デバイス、カメラなどの画像入力デバイス、リモートコントローラからの信号を受信する受信デバイスなどが挙げられる。入力部34は、入力された情報を所定のデータ形式に変換して制御部31に送信する。
出力部35は、制御部31から受信した各種情報を外部に出力するためのものである。出力部35の例としては、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイス、スピーカなどの音声出力デバイス、紙などに印刷を行う印刷デバイスなどが挙げられるが、本実施形態では、出力部35は、制御部31から受信したデータを、TV20への送信に適した形式に変換して、TVに送信する送信デバイスを含むものである。
タイマー36は、時間を計測するためのものである。具体的には、タイマー36は、制御部31の指示に基づき計時を開始し、制御部31が指定した時間に到達したときに、その旨を制御部31に通知するものである。
次に、制御部31および記憶部32の詳細について説明する。図3に示すように、制御部31は、関連情報取得部(関連情報取得手段、データ選択手段、提示手段)41、選択指示取得部(データ選択手段、受付手段)42、帯域設定要求部(帯域設定要求手段)43、コンテンツ取得部(データ伝送要求手段)44、および帯域解放要求部(帯域解放要求手段)45を備える構成である。また、記憶部32は、コンテンツの関連情報を記憶する関連情報記憶部46を含んでいる。
関連情報取得部41は、使用者から入力部34を介して取得した指示に基づき、コンテンツ自体の取得に先行して通信部33などを介してコンテンツの関連情報の提供をVoDサーバ12に要求し、VoDサーバ12が提供しているコンテンツの内で現在自装置において再生可能な全コンテンツの関連情報を一括して、通信部33などを介して取得するものである。関連情報取得部41は、取得した関連情報を関連情報記憶部46に記憶する。また、関連情報取得部41は、取得した関連情報の一部または全部を、出力部35を介してTV20に送信している。これにより、TV20に上記関連情報が表示される。
図4は、関連情報記憶部46に記憶されたコンテンツの関連情報の一例を示している。図示の例では、上記関連情報は、コンテンツを識別する情報であるタイトル名と、コンテンツの伝送帯域の情報であるビットレートと、コンテンツの伝送に必要な時間を示す所要時間とが、コンテンツごとに対応付けられている。例えば、タイトル名が「ABC」であるコンテンツは、伝送に必要なビットレートが10Mbpsであり、伝送に必要な時間が1時間であることを示している。
VoDサーバ12からコンテンツの関連情報として提供される情報は、本発明の実施のためには、少なくともタイトル名とビットレートとが含まれている必要があるが、使用者がコンテンツを選択する際に利便性を増すために他の情報を含んでいても良い。例えば、コンテンツのジャンル、出演している俳優の名前、内容の解説文などが考えられる。
なお、使用者が視聴可能なコンテンツの数が多い場合には、一度に全てのコンテンツの関連情報を提供せずに、一部のコンテンツの関連情報を提供することが考えられる。この場合、STB17からコンテンツの関連情報の要求を再度受信したときに、残りのコンテンツの関連情報の全部または一部を提供すればよい。例えば、視聴可能なコンテンツが100個あったとして、その内の10個のコンテンツの関連情報が最初に提供され、使用者が何らかの操作を行って、STB17からコンテンツの関連情報の要求を再度受信したときに、次の10個のコンテンツの関連情報が提供される。
なお、図4の例では、コンテンツを識別する情報としてタイトル名を利用しているが、ID番号など、コンテンツを一意に識別できるものであれば、任意の情報を利用できる。タイトル名でコンテンツを識別する場合は、同じタイトル名のコンテンツが存在する可能性もあるので、VoDサーバ12側でコンテンツを一意に識別可能なIDを各コンテンツに割り当てることが望ましいが、説明の簡単のため、以下では、タイトル名だけでコンテンツを一意に識別できるものとする。また、先に述べたようなコンテンツを選択する際に利便性を増すために他の更なる情報をタイトル名に対応付けて関連情報記憶部46に記憶してもよい。
また、関連情報取得部41は、使用者からの指示ごとに上記関連情報を要求して取得する代わりに、所定期間ごと、所定時刻ごと、またはSTB17の電源がオンになった際に要求して取得してもよい。また、コンテンツ配信がVoDサーバ12からではなく、IP放送サーバから行われる場合、そのIP放送サーバが提供する電子番組表(EPG)を、図4とは形式が異なるが、コンテンツの関連情報として関連情報取得部41が利用することができる。なお、電子番組表(EPG)を利用した実施形態は後述する。
また、関連情報取得部41は、使用者がコンテンツを選択する際に、上記関連情報のうち、少なくともタイトル名をTV20に送信し、表示させることが望ましい。この場合、使用者は、TV20に表示されるタイトル名から、コンテンツを容易に特定することができる。
タイトル名をTV20に表示させる際には、関連情報にビットレートが含まれているコンテンツと、ビットレートが含まれていないコンテンツとを使用者が区別可能な状態で提示することが好ましい。ビットレートを取得できなかった場合、帯域確保が行われず、データを受信した際に、映像や音声の乱れを生じる場合がある。使用者にとっては、事前にそのような可能性のあるコンテンツを区別できれば、意図せず映像や音声の乱れを生じるコンテンツを選択することを回避できるので、利便性が向上する。上記コンテンツを区別するための方法としては、例えば、コンテンツのタイトル名や、その背景部分の色を変化させたり、タイトル名の近傍に帯域情報が含まれている旨および/または帯域情報が含まれていない旨を示すアイコンを表示させたりすることが考えられる。また、帯域情報が含まれていないコンテンツが選択された場合には、その旨を示すメッセージを画面上に表示してユーザに警告することも考えられる。さらに、帯域情報が含まれていないコンテンツについては、そもそもタイトル名を表示しないようにして、使用者が選択できないようにすることも考えられる。また、上記関連情報を、コンテンツ自体を提供するサーバとは別のサーバが記憶している場合、関連情報取得部41は、当該別のサーバに上記関連情報を要求して取得すればよい。
図3に戻ると、選択指示取得部42は、使用者が視聴を所望するコンテンツの選択指示を、使用者から入力部34を介して取得するものである。選択指示取得部42は、取得した選択指示に対応するコンテンツの関連情報を、関連情報記憶部46から読み出して、帯域設定要求部43およびコンテンツ取得部44に送信する。なお、選択指示取得部42は、上記関連情報のビットレートのみを帯域設定要求部43に送信してもよいし、上記関連情報のタイトル名および所要時間のみをコンテンツ取得部44に送信してもよい。
帯域設定要求部43は、選択指示取得部42から受信した関連情報のビットレートに対応する伝送帯域を設定するように要求する帯域設定要求を、通信部33などを介してPLC親機15に送信するものである。帯域設定要求部43は、PLC親機15が上記伝送帯域の設定が完了した旨を示す設定完了通知を、PLC親機15から通信部33などを介して受信すると、受信した設定完了通知をコンテンツ取得部44に送信する。
コンテンツ取得部44は、選択指示取得部42から受信した関連情報のタイトル名に対応するコンテンツを、VoDサーバ12から通信部33などを介して取得するものである。具体的には、コンテンツ取得部44は、帯域設定要求部43から上記設定完了通知を受信すると、上記タイトル名に対応するコンテンツを伝送するように要求するコンテンツ伝送要求を、通信部33などを介してVoDサーバ12に送信することにより、上記コンテンツのパケットを受信する。コンテンツ取得部44は、受信したコンテンツのパケットをTV出力可能な映像信号に変換し、出力部35を介してTV20に送信する。これにより、TV20にコンテンツが表示される。
また、コンテンツ取得部44は、上記コンテンツの受信が終了すると、その旨を帯域解放要求部45に通知する。なお、コンテンツの受信が終了したか否かは、種々の条件に基づいて判断することができる。上記条件の例としては、コンテンツの最後までの伝送が完了した旨の通知をVoDサーバ12から受け取った場合、使用者からのコンテンツの受信終了操作を入力部34を介して受け取った場合、コンテンツの受信を開始してからの経過時間を、タイマー36を利用して計測し、上記経過時間が、選択指示取得部42から受信した関連情報の所要時間に達した場合、などが挙げられる。
帯域解放要求部45は、コンテンツ取得部44からのコンテンツの受信終了の通知を受け取ると、帯域設定要求部43の要求により設定された伝送帯域を解放するように要求する帯域解放要求を、通信部33などを介してPLC親機15に送信するものである。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図2〜図6を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態のコンテンツ配信システム11において伝送されるデータの流れを示すシーケンス図である。また、図6は、コンテンツ配信システム11のVoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図2から明らかなように、VoDサーバ12とSTB17との間の通信は、NGN網13、HGW14、PLCアダプタ18a・18c、およびPLCネットワーク16を介して行われる。一方、PLC親機15とSTB17との間の通信は、PLCアダプタ18b・18cおよびPLCネットワーク16を介して行われる。そこで、以下では、説明を簡略化するために、データを中継する機器の説明は省略する。
図5および図6に示すように、先ず、STB17では、VoDサーバ12が提供可能なコンテンツの関連情報を、関連情報取得部41が通信部33を介してVoDサーバ12に要求する(ステップS10)。
なお、提供可能なコンテンツとはVoDサーバ12から見た表現であり、STB17から見れば、使用者が選択可能なコンテンツといえる。また、STB17は、使用者が選択して視聴できる全コンテンツの関連情報を要求するのであるが、使用者の所望する条件を上記要求に追加して、当該条件に合致するコンテンツの関連情報だけを要求するようにしても良い。また、上記要求の送信は、前述のようにSTB17の電源がオンになったとき、所定の時刻に達したときなど、所定のタイミングで自動的に行っても良いし、使用者が入力部34を介して指示するタイミングで行っても良い。
一方、VoDサーバ12は、STB17からコンテンツの関連情報の要求を受け取ると、提供可能なコンテンツの関連情報を要求元のSTB17に送信する(ステップS20)。このとき、提供可能なコンテンツが複数存在する場合、これら複数のコンテンツの関連情報は、1つのリストに並べられて、一括して送信されることになる。
なお、VoDサーバ12は、保有するコンテンツの全てが提供可能である場合もあるし、保有するコンテンツの中から、所定の条件に合致するコンテンツを選別して提供する場合もある。上記所定の条件としては、コンテンツを提供するサービス事業者とコンテンツの提供を受ける使用者との契約に基づき設定されるものが考えられ、例えば、コンテンツの提供料金で視聴の可否が設定されたり、コンテンツの著作権を有する自然人または法人ごとに視聴の可否が設定されたり、コンテンツのジャンル(映画、スポーツ、ドラマ、アニメなど)ごとに視聴の可否が設定されたりすることが挙げられる。
また、STB17からの上記要求に、使用者の所望する条件、例えば所要時間が1時間以下などの条件が追加されている場合、VoDサーバ12は、さらに、該条件に合致するコンテンツを選別し、選別したコンテンツの関連情報を要求元のSTB17に送信することになる。
一方、STB17では、VoDサーバ12から送信されたコンテンツの関連情報を、関連情報取得部41が通信部33を介して取得して関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS11)。なお、STB17は、使用者からコンテンツの関連情報の再取得が指示されるまで、関連情報記憶部46に格納した関連情報を保持し続けてもよい。この場合、使用者は、コンテンツの視聴を所望する度に上記関連情報をVoDサーバ12に要求して取得する必要がないので、上記関連情報を迅速に提供することができる。
次に、STB17では、関連情報取得部41が上記関連情報を、出力部35を介してTV20に出力して表示させる、などの処理を行うことにより、使用者に上記関連情報を参照させる。そして、使用者が、視聴を所望するコンテンツのタイトル名を選択し、入力部34を介して指示することにより、選択指示取得部42が使用者からのコンテンツの選択指示を取得する(ステップS12)。
このとき、STB17では、使用者が選択したコンテンツのタイトル名に対応するビットレート(帯域情報)を、選択指示取得部42が関連情報記憶部46の関連情報から検索する。次に、検索したビットレートに対応する伝送帯域をPLCネットワーク16において確保するため、上記伝送帯域を設定するように要求する帯域設定要求を、帯域設定要求部43が通信部33を介してPLC親機15に送信する(ステップS13)。
例えば、図4に示す関連情報を参照して、タイトル名がABCであるコンテンツの視聴を使用者が選択した場合、当該タイトル名に対応するビットレート10Mbpsに対応する伝送帯域をSTB17のために設定するように、帯域設定要求部43がPLC親機15に要求することになる。
なお、使用者がコンテンツを選択する際に、TVに一度に表示可能なコンテンツの数よりも、VoDサーバ12が提供可能なコンテンツの数が多い場合、選択画面に一度に表示可能な数だけの関連情報を取得し、使用者が更なるコンテンツの表示要求を行った際(たとえば、コンテンツリストの次のページを表示させるような操作を行った場合)に、次の関連情報を提供しても良いし、最初にVoDサーバ12が提供可能な全てのコンテンツの関連情報を提供し、STB17の関連情報記憶部46に記憶しておき、使用者が更なるコンテンツの表示要求を行った際には、関連情報記憶部46から関連情報を取得してもよい。
一方、PLC親機15は、STB17から上記帯域設定要求を受信すると、PLCネットワーク16における伝送帯域の設定処理を開始し(ステップS30)、その設定結果を要求元のSTB17に通知する(ステップS31)。すなわち、PLC親機15は、他の機器によるPLCネットワーク16の使用状況を勘案して、例えば、伝送帯域が空いていない場合に「設定不可」、伝送帯域が空いていてSTB17から要求された帯域を確保できた場合に「設定完了」などといった設定結果を要求元のSTB17に通知することになる。
一方、STB17では、PLC親機15からの上記設定結果を、通信部33を介して帯域設定要求部43が受け取ると、上記伝送帯域の設定に成功したか否かを判断する(ステップS14)。上記設定に失敗した場合(ステップS14にてNO)、制御部31は、伝送帯域が設定できなかった旨を示す情報を、出力部35およびTV20を介して表示出力することにより、使用者に通知する(ステップS15)。その後、コンテンツ配信システム11の処理動作を終了する。なお、処理動作を終了する代わりに、所定時間待機した後にステップS13に戻って、上記動作を繰り返しても良い。
一方、上記設定に成功した場合(ステップS14にてYES)、コンテンツ取得部44が、使用者が選択したコンテンツの視聴要求(コンテンツ伝送要求)に、上記コンテンツに対応するタイトル名を含めて、VoDサーバ12に送信する(ステップS16)。
一方、VoDサーバ12は、STB17からの視聴要求を受信すると、該視聴要求に含まれるタイトル名に対応するコンテンツをパケット化し、要求元のSTB17に送信する(ステップS21)。このとき、STB17では、コンテンツ取得部44が、VoDサーバ12からのパケットを通信部33を介して受信し、受信したパケットを映像信号として再構築して、出力部35を介してTV20に送信し、表示させる(ステップS17)。
そして、VoDサーバ12は、上記コンテンツの送信が完了すると、その旨の通知をSTB17に送信する(ステップS22)。一方、STB17では、上記通知を通信部33を介してコンテンツ取得部44が取得すると(ステップS18)、ステップS30で設定された伝送帯域を解放するように要求する帯域解放要求を、帯域解放要求部45が通信部33を介してPLC親機15に送信する(ステップS19)。
一方、PLC親機15は、STB17から上記帯域解放要求を受信すると、STB17のために設定した上記伝送帯域を他の機器で利用できるように解放する(ステップS32)。そして、PLC親機15は、上記解放が完了した旨を示す解放完了通知を、要求元のSTB17に送信する(ステップS33)。その後、コンテンツ配信システム11における処理が終了する。或いは、使用者に次に視聴するコンテンツを選択させるために、再びコンテンツのリストをTVに表示させてもよい。(つまり、ステップS12に戻ってもよい。)
以上のような、コンテンツ配信システム11の処理動作を、前述のパラメータ保証型QoSの技術に従って整理すると、次のようになる。
PLC親機15は、PLCネットワーク16全体の伝送帯域を管理している。具体的には、親局であるPLC親機15は、子局であるPLCアダプタ18から要求されたQoSのパラメータに従い、PLCネットワーク16全体における伝送帯域の使用スケジュールを管理し、全てのPLCアダプタ18の送信回数および送信時間を集中管理している。
このような状況下で、視聴を希望するコンテンツを使用者が決定すると、該コンテンツをVoDサーバ12から遅滞なく受信するために、PLCネットワーク16において必要な伝送帯域を確保する必要がある。そこで、STB17は、予め取得している関連情報に含まれる上記コンテンツの帯域情報(ビットレート)に基づいて、帯域設定要求などのQoSパラメータが含まれているQoS伝送の要求信号(帯域要求)を、PLCアダプタ18cを介してPLC親機15に送信する。
このとき、PLC親機15は、STB17からPLCアダプタ18cを介して受信したQoSパラメータを解釈し、上記コンテンツの視聴時におけるPLCネットワーク16の利用状況を勘案して、要求されたQoSが実現可能かどうかを判断する。実現可能であればQoS伝送を許可し、実現不可能であれば拒否する。
例えば、上述のようにSTB17がQoS伝送の要求を行った場合、STB17が接続されているPLCアダプタ18c以外のPLCアダプタ18がQoS伝送を行っておらず、或いは行っていても要求されたビットレートに相当する伝送帯域が残っているとき、STB17(に接続されているPLCアダプタ18c)にQoS伝送を許可する。一方、既に他のPLCアダプタ18がQoS伝送を行っており、かつ十分な帯域が残っていないときなどには、PLC親機15は、STB17(に接続されているPLCアダプタ18c)に対してQoS伝送を拒否する。
このように、PLC親機15は、各PLCアダプタ18に対するQoSが保証されるように、伝送帯域の割当てのスケジュールを常に管理し、該スケジュールに従って送信許可信号を、該当のPLCアダプタ18に送信する。各PLCアダプタ18は、送信許可信号で通知された期間のみデータ通信を行うことができる。
このような仕組みにより、PLCネットワーク16全体におけるアクセス競合が無くなるので、STB17はQoS伝送が許可された場合に伝送遅延やジッタなどが特定の条件に収まる状態で所望のコンテンツを受信できるのである。特に、STB17は、視聴するコンテンツが変わる度に該コンテンツの帯域情報をVoDサーバ12から取得するのでは無く、上記帯域情報を含むコンテンツの関連情報を事前に一括して取得しており、この点が、従来のパラメータ保証型QoSとは相違している。この相違により、コンテンツを選択する度に選択されたコンテンツの関連情報を取得する必要がないので、帯域設定などを迅速に行うことができる。
そして、STB17は、コンテンツの送信が完了した旨を示す送信完了通知がVoDサーバ12から伝送されると、PLCアダプタ18cを介してPLC親機15に上記帯域解放要求を送信する。そして、PLC親機15は、STB17のために設定した伝送帯域を解放して、解放完了の通知をSTB17に送信する。なお、コンテンツの伝送が終了したことを示す情報が、VoDサーバ12から送信されなくても、STB17がコンテンツのパケットを受信しなくなってから一定時間経過した事を検出して、帯域解放要求を送信してもよい。また、コンテンツのデータパケットの内で最後に送信されるパケットに、コンテンツの終了を示す信号を含めておき、STB17にてその信号を検出することにより帯域解放要求を送信しても良い。
〔実施の形態2〕
次に、本発明の別の実施形態について図7を参照して説明する。図2〜図6に示すコンテンツ配信システム11では、STB17からPLC親機15への帯域解放の要求(図5および図6のステップS19)は、VoDサーバ12からのコンテンツの送信完了通知をSTB17が受信した場合に行っている。これに対し、本実施形態では、上記帯域解放の要求は、STB17がコンテンツの受信を開始してからの経過時間が、コンテンツの関連情報に含まれる所要時間に到達した場合に行っている。なお、その他の構成および処理動作は、図2〜図6に示すコンテンツ配信システム11と同様であるので、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4に示すように、コンテンツの関連情報にはコンテンツの伝送に要する時間情報が「所要時間」として含まれている。例えば、タイトル名がABCである関連情報には、1時間00分という所要時間が含まれている。そこで、本実施形態では、コンテンツの受信を開始してから上記所要時間で示される時間が経過した時に、STB17は、PLC親機15に帯域解放要求を送信するのである。
図7は、本実施形態のコンテンツ配信システム11のSTB17における処理の流れの要部を示すフローチャートである。なお、VoDサーバ12およびPLC親機15の処理は、図6に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。また、図7に示すように、コンテンツの関連情報を要求してから視聴要求を行うまでの処理(ステップS10〜ステップS16)は、図6に示す処理と同様であるので、その説明を省略する。
視聴要求の後、VoDサーバ12からコンテンツの受信を開始すると(ステップS40)、STB17のコンテンツ取得部44は、タイマー36をスタートさせる(ステップS41)。
次に、コンテンツ取得部44は、VoDサーバ12からコンテンツを含めたデータを受信しており(ステップS42にてYES)、かつ、該データがコンテンツの伝送完了の通知では無い場合(ステップS43にてNO)、受信したデータがコンテンツ用のパケットであるので、該パケットを映像信号として再構築して、出力部35を介してTV20に送信する(ステップS44)。これにより、コンテンツの表示、録画などが行われる。その後、ステップS42に戻る。
一方、受信したデータがコンテンツの伝送完了の通知である場合(ステップS43にてYES)、帯域解放要求部45は、図6と同様に、上記帯域解放要求をPLC親機15に送信し(ステップS19)、その後、STB17の処理動作を終了する。
一方、VoDサーバ12からコンテンツを含めたデータを受信していない場合(ステップS42にてNO)、コンテンツ取得部44は、タイマー36の値を調べ、タイマー36の値が、格納されている所要時間に若干のマージンαを追加した値に到達したか否かを判断する(ステップS45)。到達していない場合(ステップS45にてNO)、コンテンツ取得部44は、ステップS42に戻って上記動作を繰り返す。一方、到達した場合(ステップS45にてYES)、コンテンツ取得部44は、コンテンツの伝送完了通知を取得しないままタイマー36の値が所要時間+αに達したので、上記伝送完了通知の受信に何らかの不都合があったということを考慮する必要があると判断する。そして、帯域解放要求部45は、図6と同様に、上記帯域解放要求をPLC親機15に送信し(ステップS19)、その後、STB17の処理動作を終了する。
本実施形態によると、通信障害など何らかの原因でコンテンツの伝送が中途で停止され、コンテンツの伝送完了の通知がSTB17に届かなくなったとしても、PLCネットワーク16の或る帯域を不必要に占有するという不都合が解消される。また、通信障害が発生しない正常な伝送においてもSTB17は帯域解放を要求するためには必ずしも、VoDサーバ12からの上記コンテンツの伝送完了通知を受信する必要がなくなる。従って、VoDサーバ12は、上記コンテンツの伝送完了通知を必ずしも送信しなくても済む。
なお、本実施形態では、タイマー36を0(ゼロ)からスタートさせて、ステップS45にて、格納された所要時間+αに到達するまで待機するという手法を利用している。しかしながら、例えば、所要時間+αをタイマー36にセットし、それからタイマー36の値を減じていき、タイマー36の値が0(ゼロ)になるのを待機するという手法も可能である。
また、本実施形態における時間情報(所要時間)は、コンテンツ全体を伝送するトータル時間であるが、コンテンツを構成するパケットの伝送間隔であってもよい。この場合、ステップS45にて、或るパケットと次のパケットとの間の時間が、上記時間情報が示す値より大きくなれば帯域解放を行うことになる。
また、上記マージンαはアプリケーションやシステムに応じて適当に決定することができる。また、所要時間+αを関連情報記憶部46に格納してもよい。
〔実施の形態3〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図8〜図10を参照して説明する。本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図2〜図6に示すコンテンツ配信システム11に比べて、VoDサーバ12において、全コンテンツの中から所定の条件に基づいて選別されたコンテンツについてのみの関連情報を送信する点が異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態では、VoDサーバ12は、STB17からコンテンツの関連情報の要求を受け取ると、保有する全コンテンツについての関連情報を常に送信する代わりに、或る条件で選別したコンテンツについてのみ関連情報を送信する。以下、この条件をコンテンツ選別条件と称する。
上記コンテンツ選別条件は、VoDサーバ12の内部または外部に設けた記憶装置に、STB17の識別情報と対応付けて事前に記憶されている。また、上記コンテンツ選別条件は、契約時その他の任意のタイミングで決められて、上記記憶装置に保存されている。なお、上記コンテンツ選別条件は、随時更新できるものであってもよい。
上記コンテンツ選別条件としては、種々のものが考えられるが、本実施形態では、STB17の使用者とVoDサーバ12からコンテンツを提供する提供者との契約に基づいて、所要時間が2時間以内のコンテンツを上記選別の対象とするものである。その選別例を図8に示す。
図8は、VoDサーバ12により選別されたコンテンツの関連情報の構成を説明する説明図である。図8のA)は、VoDサーバ12が保有する全コンテンツの関連情報である。また、図8のB)は本実施形態におけるコンテンツ選別条件、すなわち所要時間が2時間以内のコンテンツという条件に合致したものを選別した例である。
図8のB)に示す関連情報では、所要時間が2時間を超えるコンテンツが排除され、所要時間2時間以内のコンテンツのみに関するリストになっている。すなわち、図8のA)の関連情報のうち、タイトル名GHI(所要時間:2時間10分)およびタイトル名XYZ(所要時間:2時間30分)が、図8のB)の関連情報では除外されている。
これにより、STB17は、契約に基づいて視聴可能なコンテンツのみの関連情報を保存するので、不要な関連情報を管理しなくて済み、使用者も、コンテンツの選別が容易となる。しかも、この選別は、VoDサーバ12が契約に基づいて自動的に行うので、STB17は、上記選別が行われていることには関知しないでよい。
次に、本実施形態におけるVoDサーバ12の動作を、図9を参照して説明する。図9は、本実施の形態に係るVoDサーバ12の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、VoDサーバ12は、STB17からコンテンツの関連情報の要求を受信する(ステップS50)。次に、上記要求を送信してきた要求元のSTB17を、そのアドレスなどを参照して特定する(ステップS51)。次に、VoDサーバ12は、特定したSTB17に対応するコンテンツ選別条件を、上記記憶装置から抽出する(ステップS52)。
次に、VoDサーバ12は、上記コンテンツ選別条件(所要時間2時間以内)に合致したコンテンツの関連情報を全コンテンツの関連情報の中から抽出する(ステップS53)。図8のA)の例で言えば、タイトル名がABC、DEF、およびPQRである3つのコンテンツの関連情報が抽出されることになる。
そして、VoDサーバ12は、抽出された3つのコンテンツの関連情報を、図9のB)のように整理してリストにまとめ、要求元のSTB17に一括して送信する(ステップS54)。その後、VoDサーバ12は、要求に基づくコンテンツの関連情報の送信処理を終了する。
なお、上記コンテンツ選別条件(フィルタリング条件)は、他にも様々なもの、例えば価格が或る値以下のコンテンツなどが考えられるが、同様の制御で実現できるのでその説明は省略する。
また、本実施形態では、契約時その他任意のタイミングで決められ、VoDサーバ12に保存されているコンテンツ選別条件に基づいて、VoDサーバ12がコンテンツの関連情報を自動的に選別(フィルタリング)しているが、STB17がコンテンツの関連情報を要求するコマンドに、コンテンツ選別条件を付加することもできる。この場合、上記コマンドに付加されたコンテンツ選別条件を、VoDサーバ12が勘案して、該条件に合致するコンテンツの関連情報を選別し、一括してSTB17に送信することになる。なお、STB17におけるコンテンツ選別条件の設定は、コンテンツの関連情報の要求時に行ってもよいし、該要求時以前に予め行ってもよい。上記コマンドの一例を図10に示す。
図10は、STB17がVoDサーバ12に対してコンテンツの関連情報を要求するコマンドを示す説明図である。図10のA)は、上記コマンドの形式を示しており、図10のB)は、上記コマンドの具体例を示している。図10のB)では、コマンド種別として「コンテンツ情報要求」を含み、条件として「所要時間2時間以内」を含む条件付の関連情報要求のコマンドとなっている。このコマンドを受信したVoDサーバ12は、保有する全コンテンツの関連情報の中から「所要時間2時間以内」に該当するものを選別して、一括して要求元のSTB17に送信することになる。
上記コマンドに上記コンテンツ選別条件を追加する上記手法の場合、STB17の使用者がコンテンツ選別条件を設定することができる。また、コンテンツの関連情報を要求する度にコンテンツ選別条件を設定できるので、契約時などに設定された固定的なコンテンツ選別条件に比べて、柔軟性に富むといえる。
〔実施の形態4〕
次に、本発明のさらに別の実施形態について図11〜図14を参照して説明する。図11は、本実施形態のコンテンツ配信システム11の構成を示す概略図である。図11に示すコンテンツ配信システム11は、図2〜図6に示すコンテンツ配信システム11に比べて、VoDサーバ12に代えて、コンテンツのIP放送を行うIP放送サーバ50が設けられている点と、STB17に接続する録画機51が追加されている点とが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
コンテンツを提供するサーバが、VoDサーバ12ではなく、IP放送を行うIP放送サーバ50である場合、視聴したいときにすぐに視聴できる訳ではなく、放送開始の時刻まで所望コンテンツの配信を待たねばならない。そこで、本実施形態では、IP放送サーバ50から提供されるEPG(電子番組表)において、コンテンツの伝送に要する帯域情報をコンテンツごとに追加している。このように、各コンテンツの帯域情報を含むEPGをIP放送サーバ50から予め取得しておくことにより、視聴または録画前に伝送帯域の設定が予め可能になり、利便性が向上する。
図11に戻ると、録画機51は、STB17からの指令に基づいて予約録画を行うことが可能である。IP放送サーバ110は、EPGに従って、使用者の視聴の如何に係らず番組が放送されているので、使用者は放送される時刻に合わせて録画できるように録画機51を設定する必要がある。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図11〜図14を参照しつつ説明する。図12は、本実施形態のコンテンツ配信システム11において伝送されるデータの流れを示すシーケンス図である。また、図13は、コンテンツ配信システム11のIP放送サーバ50、PLC親機15、およびSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。
なお、図11から明らかなように、IP放送サーバ50とSTB17との間の通信は、NGN網13、HGW14、PLCアダプタ18a・18c、およびPLCネットワーク16を介して行われる。一方、PLC親機15とSTB17との間の通信は、PLCアダプタ18b・18cおよびPLCネットワーク16を介して行われる。そこで、以下では、説明を簡略化するために、データを中継する機器の説明は省略する。
図12および図13に示すように、先ず、STB17では、IP放送サーバ50にEPGの送信を、関連情報取得部41が通信部33を介してIP放送サーバ50に要求する(ステップS60)。なお、上記要求の送信は、STB17の電源がオンになったとき、所定の時刻に達したときなど、所定のタイミングで自動的に行っても良いし、使用者が入力部34を介して指示するタイミングで行っても良い。
一方、IP放送サーバ50は、STB17からEPGの要求を受け取ると、要求元のSTB17に向けてEPGを送信する(ステップS80)。このEPGには、通常のチャンネル、番組のタイトル名、番組の放送時刻の他に、番組毎の帯域情報であるビットレートが含まれている。このビットレートは、コンテンツの圧縮方式、圧縮率などによって変わるものである。
図14は、上記EPGの一例を示す説明図である。図示の場合、「チャンネル1」(CH1)では、8時00分から9時00分までAAAというタイトル名の番組がビットレート15Mbpsで放送され、続いて9時00分から9時15分までBBBというタイトル名の番組がビットレート5Mbpsで放送されることを示している。また、「チャンネル2」(CH2)では、8時30分から11時00分までFFFというタイトル名の番組がビットレート10Mbpsで放送され、「チャンネル3」(CH3)では、10時10分から11時00分までHHHというタイトル名の番組がビットレート15Mbpsで放送されることなどを示している。なお、図14の他の欄についても同様に理解できるので説明は繰り返さない。但し、これらの数字は説明のための便宜上のものであり実際には放送コンテンツの圧縮方式、圧縮率などよって決まるものである。
図12および図13に戻ると、STB17では、IP放送サーバ50から送信されたEPGを、関連情報取得部41が通信部33を介して取得して関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS61)。なお、STB17は、使用者からEPGの再取得が指示されるまで、関連情報記憶部46に格納したEPGを保持し続けてもよい。この場合、使用者は、番組(コンテンツ)の視聴および/または録画を所望する度に上記EPGをIP放送サーバ50に要求して取得する必要がないので、上記EPGを迅速に提供することができる。
次に、STB17では、関連情報取得部41が上記EPGを、出力部35を介してTV20に出力して表示させる、などの処理を行うことにより、使用者に上記EPGを参照させる。そして、使用者が、視聴および/または録画を所望する番組のタイトル名を選択し、入力部34を介して指示することにより、選択指示取得部42が使用者からの番組の選択指示を取得する(ステップS62)。
このとき、STB17では、使用者が選択した番組のタイトル名に対応する放送開始時刻、放送終了時刻、およびビットレート(帯域情報)を、選択指示取得部42が関連情報記憶部46のEPGから検索する(ステップS63)。次に、検索した放送時間帯(放送開始時刻〜放送終了時刻)に、検索したビットレートに対応する伝送帯域をPLCネットワーク16において確保するため、上記放送時間帯およびビットレートを帯域設定要求部43が通信部33を介してPLC親機15に送信する。これにより、STB17は、PLC親機15に対し、所望の番組が放送される時間帯に伝送帯域の設定を要求することになる(ステップS64)。つまり、帯域設定要求部43は、放送開始時刻から放送終了時刻までの間で選択された番組の放送に必要な伝送帯域の予約を要求することになる。
一方、PLC親機15は、STB17から上記伝送帯域の予約要求を受信すると、PLCネットワーク16における伝送帯域の予約処理を行う(ステップS90)。従来はPLC親機は現時刻における帯域の使用状況のみを管理するものであるが、本実施形態におけるPLC親機15においては、未来の時間までの帯域予約状況を管理するものとする。そのために、PLC親機15は、日付および時間帯の情報と、その時間帯においてすでに予約されている帯域の総量とを記憶する機能を持つ。例えば、9月4日の午後6時から午後6時30分の時間帯に予約された帯域の総量は30Mbpsである、というような情報を記憶する。これらの情報は、帯域予約要求を受信する度に算出し、記録を更新する。そして、新たな帯域予約要求が行われた際には、要求された時間帯においてすでに予約されている帯域の大きさと、新たに要求された帯域の大きさとを比較し、要求を満たすことが可能かどうかを判定する。
PLC親機15は上記のような判定の結果を要求元のSTB17に通知する(ステップS91)。その後、PLC親機15は、上記放送終了時刻に達するまで、その他の一般処理を繰り返す(ステップS92・S93)。
一方、STB17では、PLC親機15からの上記予約結果を、通信部33を介して帯域設定要求部43が受け取ると、上記伝送帯域の予約設定に成功したか否かを判断する(ステップS65)。上記予約設定に失敗した場合(ステップS65にてNO)、制御部31は、上記伝送帯域の予約要求がリトライ回数に到達したか否かを判断する(ステップ66)。上記リトライ回数に到達していない場合(ステップS66でNO)、ステップS64に戻って、伝送帯域の予約要求を繰り返す。一方上記リトライ回数に到達した場合(ステップS66でYES)、制御部31は、伝送帯域を予約できなかった旨を示す情報を、出力部35およびTV20を介して表示出力することにより、使用者に通知する(ステップS67)。その後、コンテンツ配信システム11の処理動作を終了する。なお、一度帯域要求してからすぐにリトライした場合、帯域の使用状況が変わっておらず、同様に予約設定に失敗する可能性が高いので、リトライは一定の時間間隔で行うようにしても良い。
一方、上記予約設定に成功した場合(ステップS65にてYES)、制御部31は、録画機51に対して上記放送時間帯の録画予約を指示する(ステップS68)。その後、上記放送開始時刻に達するまで待機する(ステップS69)。なお、上記放送開始時刻に達するまでの期間、IP放送サーバ50は、使用者の利用状況に係らず放送を行っているが、STB17は使用者からの指示が無い限り視聴を行わない。
上記放送開始時刻に達すると(ステップS69にてYES)、IP放送サーバ50が上記番組の放送を開始する一方で(ステップS81)、STB17では、コンテンツ取得部44が、予約されたチャンネルを選択して、IP放送サーバ50からの放送データを録画機51に転送する(ステップS70)。一方、録画機51では、選択されたチャンネルに合わせて番組を受信して録画する。このとき、伝送帯域も予約されて確保されているので、映像の乱れた放送データが録画されることは無い。なお、上記番組の映像信号を、出力部35を介してTV20に送信することにより、上記番組の映像を表示してもよい。
その後、上記放送終了時刻に達するまで、番組の受信および録画(ステップS70)を繰り返す(ステップS71)。そして、上記放送終了時刻に達すると(ステップS71にてYES)、STB17が、録画機51に上記録画の停止を指示する(ステップS72)。その後、IP放送サーバ50およびSTB17における処理を終了する。また、録画機51は、STB17からの指示に基づき、上記録画を停止して処理を終了する。
一方、PLC親機15は、上記放送終了時刻に達すると(ステップS93にてYES)、STB17のために設定した上記伝送帯域を他の機器で利用できるように解放する(ステップS94)。その後、PLC親機15の処理を終了する。
なお、ステップS69において、上記放送開始時刻に達したか否かを判断し、ステップS71・S93において、上記放送終了時刻に達したか否かを判断しているが、時計の誤差などをカバーするため、ステップS69において、上記放送開始時刻よりも若干早い時刻に達したか否かを判断し、ステップS71・S93において、上記放送終了時刻よりも若干遅い時刻に達したか否かを判断するように、正規の放送時間帯にマージンを追加して判断することが、処理タイミングの連携ミスを防止する観点から望ましい。
なお、本実施形態では、PLC親機15は、上記放送開始時刻に達した時に伝送帯域を自動的に設定し、上記放送終了時刻に達した時に伝送帯域を自動的に解放しているが、上述の実施形態のように、STB17からの要求に基づいて伝送帯域を設定したり解放したりしてもよい。
また、本実施形態では、STB17は、番組が選択されると(ステップS62)、PLC親機15に伝送帯域の予約を要求し(ステップS64)、PLC親機15が未来の時間までの帯域予約状況を管理するものとしているが、使用者により指定された帯域予約の情報をSTB17において記憶しておき、放送開始時刻に達する一定時間前に、PLC親機15に伝送帯域を要求してもよい。ただし、この場合、予約時刻の直前にならなければ帯域が確保できるかどうか判定できないので、使用者としては、予約録画を行ったにも関わらず、帯域が確保されなかったために、録画した映像が乱れてしまうという問題が生じるため、PLC親機15にて未来の時間までの帯域予約状況を管理する事が望ましい。
〔実施の形態5〕
次に、本発明の他の実施形態について図15〜図17を参照して説明する。図15は、本実施形態のコンテンツ配信システム11の構成を示す概略図である。図15に示すコンテンツ配信システム11は、図2に示すコンテンツ配信システム11に比べて、コンテンツが複数のサーバに格納されている点と、コンテンツの関連情報がさらに別のサーバに格納されている点とが異なり、その他の構成は同様である。なお、上記実施形態で説明した構成と同様の機能を有する構成には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図15に示すように、本実施形態のコンテンツ配信システム11は、図2に示すコンテンツ配信システム11に比べて、VoDサーバ12の代わりに、VoDサーバA60、VoDサーバB61、および関連情報サーバ62が設けられている。
VoDサーバA60およびVoDサーバB61は、VoDサーバ12と同様に、コンテンツを記憶装置(図示せず)保存し、要求に応じてコンテンツを送信しているが、VoDサーバ12と異なり、コンテンツの関連情報は上記記憶装置に保存していない。コンテンツの関連情報は、関連情報サーバ62の記憶装置(図示せず)に保存されているので、関連情報サーバ62に対して要求されて取得されることになる。
図16は、本実施形態で利用されるコンテンツの関連情報の一例を示している。図16に示すコンテンツの関連情報は、図4に示すコンテンツの関連情報に比べて、サーバ名の欄が追加されている点が異なり、その他は同様である。上記サーバ名の欄には、コンテンツが実際に保存されているサーバ名が格納される。なお、サーバ名のAはVoDサーバA60に対応し、サーバ名のBはVoDサーバB61に対応している。また、VoDサーバA60およびVoDサーバB61に格納されているコンテンツの関連情報が、関連情報サーバ62に格納されていることは、予め知られているとする。
従って、STB17のコンテンツ取得部44は、コンテンツのタイトル名に対応するサーバ名を有するサーバに対しコンテンツの伝送を要求することになる。例えば、タイトル名がABCであるコンテンツが使用者によって選択されると、STB17は、PLC親機15に要求してPLCネットワーク16上で10Mbpsの伝送帯域が確保された後、VoDサーバA60にコンテンツの伝送を要求することになる。また、例えば、タイトル名がGHIであるコンテンツが使用者によって選択されると、STB17は、PLC親機15に要求してPLCネットワーク16上で15Mbpsの伝送帯域が確保された後、VoDサーバB61にコンテンツの伝送を要求することになる。
次に、上記構成のコンテンツ配信システム11の処理動作の流れを、図15〜図17を参照しつつ説明する。図17は、コンテンツ配信システム11のVoDサーバA60、VoDサーバB61、関連情報サーバ62、およびSTB17における処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施形態のコンテンツ配信システム11における伝送帯域の設定および解放に関する処理は、図6に示す処理と同様であるので、図17では省略している。
図17に示すように、先ず、STB17では、VoDサーバA60およびVoDサーバB61が提供可能なコンテンツの関連情報を、関連情報取得部41が通信部33を介して関連情報サーバ62に要求する(ステップS100)。
一方、関連情報サーバ62は、STB17からコンテンツの関連情報の要求を受け取ると、上記提供可能なコンテンツの関連情報(図16参照)を要求元のSTB17に送信する(ステップS110)。その後、関連情報サーバ62における処理を終了する。
一方、STB17では、関連情報サーバ62から送信されたコンテンツの関連情報を、関連情報取得部41が通信部33を介して取得して関連情報記憶部46に格納(記憶)する(ステップS101)。次に、STB17では、関連情報取得部41が上記関連情報を、出力部35を介してTV20に出力して表示させる、などの処理を行うことにより、使用者に上記関連情報を参照させる。そして、使用者が、視聴を所望するコンテンツのタイトル名を選択し、入力部34を介して指示することにより、選択指示取得部42が使用者からのコンテンツの選択指示を取得する(ステップS102)。
このとき、STB17では、使用者が選択したコンテンツのタイトル名に対応するビットレート(帯域情報)を、選択指示取得部42が関連情報記憶部46の関連情報から検索する。次に、検索したビットレートに対応する伝送帯域を設定するように要求する帯域設定要求を、帯域設定要求部43が通信部33を介してPLC親機15に送信することにより、上記伝送帯域がPLCネットワーク16上で確保される(ステップS103)。
次に、STB17では、使用者が選択したコンテンツのタイトル名に対応するサーバ情報(サーバ名)を、選択指示取得部42が関連情報記憶部46の関連情報から検索(抽出)する。抽出したサーバ情報がAである場合、ステップS105に進み、抽出したサーバ情報がBである場合、ステップS107へ進む。
ステップS105では、STB17のコンテンツ取得部44は、VoDサーバA60にコンテンツの送信を要求する。このとき、VoDサーバA60は、上記要求に基づくコンテンツを送信する(ステップS120)。そして、STB17のコンテンツ取得部44が、VoDサーバA60からのコンテンツを取得する(ステップS106)。
一方、ステップS107では、STB17のコンテンツ取得部44は、VoDサーバB61にコンテンツの送信を要求する。このとき、VoDサーバB61は、上記要求に基づくコンテンツを送信する(ステップS130)。そして、STB17のコンテンツ取得部44が、VoDサーバB61からのコンテンツを取得する(ステップS108)。その後の処理は、図6に示す処理と同様である。
なお、各実施の形態においては、サーバ2(VoDサーバ12、60、61、IP放送サーバ50、関連情報サーバ62など)が、第1のネットワーク3(NGN網13)に接続され、通信装置7(STB17等)との通信においては、第1のネットワーク3と第2のネットワーク6(PLCネットワーク16)との、2つのネットワークを経由して通信するものとしているが、サーバ2と通信装置7とが通信時に経由するネットワークの数は任意である。
例えば、図2においてVoDサーバ12がNGN網13ではなく、PLCネットワーク16に接続されていてもよい。この場合、VoDサーバ12とSTB17とはPLCネットワーク16のみを経由して通信を行うことになる。すなわち、サーバ2と通信装置7とは1つのネットワークだけを経由して通信を行うことになる。この場合、HGWは必要ない。
別の例として、図2において、NGN網13が別のネットワーク(たとえば、NGN網13と異なる業者により提供されているネットワーク)に接続されており、そのネットワークにVoDサーバ12が接続されていてもよい。この場合、VoDサーバ12とSTB17とはNGN網13とPLCネットワーク16とに加えてもう1つのネットワークを経由して通信を行うことになる。すなわち、サーバ2と通信装置7とは3つのネットワークを経由して通信を行うことになる。
さらに、図15に示すように複数のサーバ2が存在する場合には、各サーバ2が通信装置7と通信を行う際に経由するネットワークの数が異なっていてもよいし、経路が異なっていてもよい。
複数のサーバが、PLCネットワークに接続される場合、それぞれのサーバにPLCアダプタ18がイーサネット(登録商標)によって接続されてもよいし、複数のサーバと1つのPLCアダプタ18がイーサネットハブで接続され、複数のサーバが1つのPLCアダプタ18によってPLCネットワークに接続されていてもよい。
また、コンテンツ配信方法として、VoDやIP放送を想定しているが、他のコンテンツ配信方法を用いた場合にも本発明は適用可能である。例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)の定義するガイドラインに従ったコンテンツ配信方法でもよい。この場合、通信装置7としては、DLNAガイドラインに従ったTV、HDDレコーダ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、ゲーム機、PC(Personal Computer)、STBなどのDMP(Digital Media Player)機能を有する装置がこれに該当し、サーバ2としては、DLNAガイドラインに従ったHDDレコーダ、DVDレコーダ、ゲーム機、PC、STBなどのDMS(Digital Media Server)機能を有する装置がこれに該当する。DLNAは基本的には家庭内でのコンテンツ配信のために使用されるので、サーバ2と通信装置7とは第2のネットワーク6(PLCネットワーク)だけを介して通信するのが一般的である。
なお、各実施の形態においては、PLCネットワーク16にて用いられる通信プロトコルとして、HomePlugAV方式を想定しているが、別の通信プロトコルを用いる場合にも本発明は適用可能である。また、PLCネットワーク16の代わりに、別の通信媒体のネットワークを用いてもよい。例えば、無線LANの通信プロトコルであるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEE802.11e、IEEE802.11nを用いる場合にも本発明は適用可能である。
以上のように、コンテンツとその関連情報とは、1台のサーバに一括して保管する必要はなく、別々のサーバに保管することもできる。また、全てのコンテンツを1台のサーバに一括して保管する必要はなく、別々のサーバに保管することもできる。
以上説明したように本発明によれば、使用者によって受信するデータが選択される前に、選択可能なデータについてその帯域情報は一括して取得されるので、データ選択の都度、データ配信元あるいはデータの帯域情報の管理元に帯域情報を問い合わせて取得する必要はないので迅速に帯域設定を行なうことができる。
また、本発明は、使用者が選択可能なデータとそれに対応する帯域情報を一括して事前に取得するのでデータの配信を予約する場合、例えば典型的には映像コンテンツを録画予約する場合においても、予約発生の度に帯域情報の取得を行わずに済み、余計なトラフィックを生じさせることはない。
また、本発明によれば取得するデータ情報にはデータの送信に要する時間を示す時間情報が含まれているので、データの受信中に何かのトラブルで通信が停止しても、時間情報で示される時間が経過したら帯域の解放も行なうことができ、不要な帯域の占有が回避できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、映像コンテンツについて説明しているが、音声コンテンツ、AV(Audio-Visual)コンテンツなど、その他のデータにも適用可能である。
最後に、VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17の各ブロック、特に制御部31は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるVoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、VoDサーバ12、PLC親機15、およびSTB17を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送通信、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。