JP4865615B2 - 金属屋根用断熱材 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィン系発泡体シートを用いた金属屋根用断熱材に関する。
従来、金属屋根用断熱材には、金属屋根の結露防止や、保温、保冷等の遮熱性能の点から、ポリオレフィン系発泡体シートが多用されている。
前記金属屋根用断熱材としては、例えば、ポリオレフィン系発泡体シートの片面に粘着加工面を有し、その粘着加工面と金属板および粘着加工自背面との粘着力や粘着加工面表皮強度を規定したものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−44142号公報
ところで、このような金属屋根用断熱材は、ポリオレフィン系発泡体シートを一端部側からロール状に巻取られた状態で施工先に供給され、使用されることがある。その際、ロール状に巻取られていた金属屋根用断熱材に巻き癖が残り、その反発力によって金属屋根と貼り合わせた金属屋根用断熱材の端部において剥がれが生じるといった問題があった。
この問題を解決するべく、金属屋根用断熱材と金属屋根材との貼り合わせ力を確保することを目的として粘着層の対金属屋根粘着力を単に高めると、ロール状に巻き取られた金属屋根用断熱材は前記粘着加工面が当該金属屋根用断熱材の反対面(他面)である粘着加工自背面に貼着された状態となっているため、使用分をロールから剥離させて解き出す際に要する剥離力も大きくなり、作業性が低下することが懸念される。また、金属屋根用断熱材の製造工程においても連続的に製造される金属屋根用断熱材をロール状に巻取って大ロールとし、その後、前記大ロールから任意の長さで剥離させて解き出し、スリットする場合があるが、その際の剥離力も大きくなってしまい、やはり生産性が低下することが懸念される。さらには、建築物の老朽化等により金属屋根を解体する際には、環境悪化を防止するリサイクルや分別収集の観点から、金属屋根用断熱材と金属屋根とを分別・解体することが容易であることが望まれる。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたもので、ポリオレフィン系発泡体シートを用いた金属屋根用断熱材であって、金属屋根に貼合された際には十分な粘着力を有し、製造時および作業時には取り扱い性に優れ、かつ、解体時における剥離やリサイクル時における分別が容易な金属屋根用断熱材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために種々検討を行った結果、ポリオレフィン系発泡体シートの一面にフィルムを介して形成された粘着層と金属屋根材との粘着力および前記粘着層と前記ポリオレフィン系発泡体シートの他面との粘着力をそれぞれ0.01〜1.0N/cmとし、さらに、前記粘着層と前記金属屋根材との加熱処理後の粘着力が4.0N/cm以下とすれば、金属屋根材に貼合された際には十分な粘着力を有し、製造時および作業時には取り扱い性に優れることを見出した。
請求項1に係る発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、この金属屋根用断熱材は、ポリオレフィン系発泡体シートと、前記ポリオレフィン系発泡体シートの一面に貼合されたフィルムと、前記フィルム上に形成された粘着層とを具備し、前記粘着層を金属屋根材に粘着させる金属屋根用断熱材であって、前記ポリオレフィン系発泡体シートの他面に互いに平行な筋状しぼ部を有し、前記粘着層と前記金属屋根材との粘着力および前記粘着層と前記ポリオレフィン系発泡体シートの他面との粘着力がそれぞれ0.01〜1.0N/cmであり、さらに、前記粘着層と前記金属屋根材との加熱処理後の粘着力が4.0N/cm以下であることを特徴とする。
前記粘着層と前記金属屋根材との粘着力が0.01N/cm以上であれば、金属屋根用断熱材と金属屋根材の粘着力を十分に得ることができ、剥離し難いためであり、1.0N/cm以下であれば、解体時に金属屋根用断熱材が金属屋根材から容易に剥離でき、分別もし易くなる。特に、前記粘着層と前記金属屋根材との加熱処理後の粘着力を4.0N/cm以下とすることで、解体時に金属屋根用断熱材が金属屋根材から容易に剥離でき、分別もし易くなる。
また、前記粘着層と前記ポリオレフィン発泡体との他面との粘着力が0.01N/cm以上であれば、粘着力を十分に得ることができ、また、当該金属屋根用断熱材をロール状に巻く場合にもそのロール状態を保持でき、1.0N/cm以下であれば、ロールから剥離させる、解き出しが容易にできる。
さらに、前記ポリオレフィン系発泡体シートの他面に互いに平行な筋状しぼ部が形成されることで、粘着層には金属屋根に貼合された際の前記金属屋根材との間の粘着力を十分に保持させたまま、該金属屋根用断熱材の接着層が形成された粘着加工面とポリオレフィン発泡体の粘着加工自背面との接触面積を減少させることができるので、該金属屋根用断熱材の製造時、供給時などの取り扱いの際にロール状に巻く場合にそのロール状態を保持でき、しかも、ロールからの剥離を容易なものとすることができる。
また、請求項2に係る金属屋根用断熱材は、請求項1に記載の金属屋根用断熱材であって、使用前の一態様において、前記筋状しぼ部の延在方向にロール状に巻かれていることを特徴とする。
当該金属屋根用断熱材の巻き方向を前記筋状しぼ部の延在方向とすることで、小さい一定の力で、前記ポリオレフィン系発泡体シートのロールから、さらに容易に剥離することができる。
さらに、請求項3に係る金属屋根用断熱材は、請求項1または2に記載の金属屋根用断熱材であって、前記粘着層と前記金属屋根材との粘着力の前記粘着層と前記ポリオレフィン系発泡体シートとの粘着力に対する比が、1.2〜5であることを特徴とする。
前記比をこの数値内におさめることで、金属屋根用断熱材は、当該金属屋根用断熱材をロール状に巻く場合にもそのロール状態を保持することができるとともに、解体時においては金属屋根からの剥離強度を低く抑え、容易に剥離することができる。
またさらに、請求項4に係る金属屋根用断熱材は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属屋根用断熱材であって、前記ポリオレフィン系発泡体シートの10%歪量に対する圧縮強度が2.5〜13.6kPaであることを特徴とする。
前記ポリオレフィン系発泡体シートの10%歪量に対する圧縮強度が2.5kPa以上であれば、しぼが変形し難く、形状を保持でき、13.6kPa以下であれば、当該金属屋根用断熱材をロール状に巻く場合に巻き易い。
このように構成された本発明に係る金属屋根用断熱材は、金属屋根材に貼合された際には十分な粘着力を以て貼着されて剥離することもなく、製造時および作業時には、当該金属屋根用断熱材をロール状で流通・供給する場合などには適当な粘着加工自背面との粘着力を以て取り扱い性に優れ、また、解体する場合などには金属屋根材から比較的容易に剥離させることができるといった優れた効果を奏するものである。
以下、本発明の金属屋根用断熱材についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の金属屋根用断熱材は、図1および図2に示すように、ポリオレフィン系発泡体シート10と、ポリオレフィン系発泡体シート10の一面12に貼合されたフィルム14と、フィルム14上に形成された粘着層16とを具備するとともに、前記ポリオレフィン系発泡体シート10の他面18には互いに平行な筋状しぼ部20を有している。
ポリオレフィン系発泡体シート10としては、例えばポリエチレン発泡体シートを好適に用いることができるが、これに限定されるものではない。また、ポリオレフィン系発泡体シート10としては、独立気泡構造を有するものが好ましい。独立気泡構造を有するポリオレフィン系発泡体シート10は、独立気泡層が空気層を形成し、安定した熱伝導率を維持するため、より効果的な断熱効果を発揮する。具体的には、独立気泡構造を有するポリオレフィン系発泡体シート10として、古河電気工業株式会社フォームエース、積水化学工業株式会社ソフトロン、日立化成工業株式会社ハイエチレンを例示することができる。なお、ポリオレフィン系発泡体シートの密度、厚さなどは、断熱材の目的等に応じて適宜選択することができる。また、本実施形態では、ポリオレフィン系発泡体シート10は、その10%歪量に対する圧縮強度が2.5〜13.6kPaであるものを用いる。前記ポリオレフィン系発泡体シートの10%歪量に対する圧縮強度が2.5kPaに満たないと筋状しぼ部20のしぼが変形しやすくなり、その形状を保持できなるからであり、13.6kPaを超えるとロール状に巻きにくくなるからである。
そして、本実施形態では、ポリオレフィン系発泡体シート10の一面にフィルム14を貼合することで、ポリオレフィン系発泡体シート10のフィルム14を貼合した面(フィルム貼合面)18の表皮強さが1000kPa以上となるようにした。これにより、ポリオレフィン系発泡体シート10の表皮強さを向上させて、当該金属屋根用該断熱材を金属屋根材から容易に剥離できるようにしている。上記フィルム貼合面18の表皮強さのより好ましい値は1100kPa以上、特に1200〜2500kPaである。
前記フィルム14の材質に特に限定はないが、例えばポリエチレン、EVA、ポリプロピレン、ポリエステル(PET)等からなるものを好適に用いることができる。また、フィルムの厚さにも限定はないが、10〜250μm、特に40〜100μmのものが好ましい。
なお、上述した表皮強さは以下の方法により測定される。まず、一面にフィルム14が貼合されたポリオレフィン系発泡体シート10をJISに規定された引張強さ測定用のダンベル片に打ち抜く。次いで、前記ポリオレフィン系発泡体シート10をスライス加工する。そのスライス加工の際には、スライス加工面を下に配置して、その両側に厚さ0.4mmの金属スペーサを配置する。この金属スペーサの厚さは、使用されるポリオレフィン系発泡体シート10によって適宜設定される。前記金属スペーサの厚さ方向に沿って刃を入れて金属スペーサと同じ厚さのダンベル状試験片を得る。前記試験片を引張速度500mm/分で切断させた時の最大荷重を、前記試験片の幅と厚さの積からなる断面積で除した切断応力を表皮強さとする。
また、本実施形態では、前述したフィルム14上に、粘着加工面となる粘着層16を形成し、粘着層16と金属屋根材との粘着力、および粘着層16と前記粘着加工面に対する粘着加工自背面となるポリオレフィン系発泡体シート10の他面20との粘着力がそれぞれ0.01〜1.0N/cm、好ましくは、0.05〜0.8N/cmとなるようにする。
粘着加工面となる粘着層16と金属屋根材との粘着力が0.01N/cmに満たないと、当該金属屋根用断熱材と金属屋根材の粘着力が不十分となり、剥離しやすくなるためであり、1.0N/cmを超えると解体時に金属屋根用断熱材が金属屋根材から容易に剥離しなくなるためである。また、前記粘着層16と粘着加工自背面となる前記ポリオレフィン発泡体シート10との他面18との粘着力が0.01N/cmに満たないと、粘着力が不十分となり、ロール状態を保持できなくなるおそれがあるからで、1.0N/cmを超えるとロールからの剥離が困難になるからである。
本実施形態においては、さらに、前記粘着層16と前記金属屋根材との加熱処理後の粘着力を4.0N/cm以下、好ましくは3.0N/cm以下とする。解体時において、金属屋根用断熱材を金属屋根材からさらに容易に剥離でき、分別もし易くなるためである。
これにより、金属屋根材に貼合して折り曲げ加工を行う際には十分な粘着力を有し、かつ、金属屋根を解体する際には該金属屋根用断熱材を金属屋根材から容易に剥離できるようにするとともに、離型シートの適用や離型処理を要することなく、当該金属屋根用断熱材をロール状で供給できるようにしている。
さらに、本実施形態では、粘着層16と金属屋根材との粘着力の粘着層16とポリオレフィン系発泡体シート10との粘着力に対する比が1.2〜5となるようにする。
粘着層16と金属屋根材との粘着力の前記粘着層と前記ポリオレフィン発泡体との他面との粘着力に対する比が1.2に満たないと、解体時に金属屋根材からの剥離強度が高くなり、剥離しにくくなるためであり、その比が5を超えるとロール状態を保持できなくなったり、解体時に金属屋根材からの剥離強度が高くなり、剥離しにくくなるおそれがあるためである。
なお、粘着層16を形成する粘着剤の材質に特に限定はないが、例えばアクリル系粘着剤を好適に用いることができる。本実施形態では、粘着剤の塗工量や材料を適宜選択して、前述した粘着力が所定の範囲となるようにすればよい。また、粘着剤とフィルム14との接合をより強固なものにするために、コロナ処理等の表面処理を施したフィルム14を使用してもよい。
なお、上述した粘着層16と金属屋根材との粘着力は以下の方法により測定される。すなわち、折板屋根として使用される金属板を用い、フィルム14上に粘着層16を形成したポリオレフィン系発泡体シート10を25mm幅に裁断して前記金属板に粘着層16を下にして載置し、質量2kgのゴムローラを用いて発泡体シートを金属板に圧着し、200mm/分の剥離速度にて剥離試験を行ったときの剥離強さを金属面に対する粘着力とする。
また、上述した粘着層16とポリオレフィン系発泡体シート10の他面18との粘着力は以下の方法により測定される。フィルム14上に粘着層16を形成したポリオレフィン系発泡体シート10を25mm幅に裁断した2枚の試験片を用意し、1枚目の試験片の粘着層16と、他の試験片の粘着層形成面の反対面とを重ね合せ、前記金属面に対する粘着力の測定方法と同条件で貼着した後、200mm/分の剥離速度にて剥離試験を行ったときの剥離強さをポリオレフィン系発泡体シート10の他面に対する粘着力とする。
なお、本実施形態の金属屋根用断熱材は、使用前においては、前記筋状しぼ部20の延在方向にロール状に巻かれた状態で供給される。その際、セパレータ(離型紙)を介在させずにロール状に巻くことが好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体シート10の他面に互いに平行な筋状しぼ部20が形成されているので、粘着層16には金属屋根に貼合された際の前記金属屋根材との間の粘着力を十分に保持させたまま、該金属屋根用断熱材の粘着加工面となる接着面20と粘着加工自背面となる前記ポリオレフィン系発泡体シート10の他面18との接触面積を減少させることができ、しかも、当該金属屋根用断熱材の巻き方向を前記筋状しぼ部20の延在方向とすることで、小さい力で前記ポリオレフィン系発泡体シート10をロールから剥離することができる。
本発明においては、以上のような構成を採用することにより、本願発明のポリオレフィン系発泡体シートは、粘着加工品としては従来必要であった粘着加工面への離型紙の適用や、粘着加工面の反対面への離型処理の付与をしなくても、断熱材をロール状で供給することができ、金属屋根材と円滑に貼合することができる。この場合、粘着加工面と金属面との粘着力の特定は、金属屋根材を折り曲げ加工し、また金属屋根を解体する際に必要であるのに対し、粘着加工面と粘着加工自背面との粘着力の特定は、断熱材をロール状に巻き取った際に粘着加工面の剥離を容易に行うために必要であり、本実施形態においてはいずれの場合にも問題を起こすことがない。
次に、本発明の金属屋根用断熱材の実施例を示すが、本発明は下記例に限定されるものではない。
[実施例]
厚さが4.0mm、10%圧縮強度が11.7kPaの架橋発泡ポリエチレンシート(商品名:フォームエース、古河電気工業株式会社製)の片面に、高さ0.8mm〜1.1mmの筋状しぼ部(断面は山型形状)を略平行させて形成し、さらにその架橋発泡ポリエチレンシートの背面にポリエチレンフィルムを熱貼合した。そのポリエチレンフィルムの表面にアクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製)を40、45、50g/mの塗布量で塗工して粘着加工面(粘着層)を形成して、表に示す3種の金属屋根用断熱材(実施例1乃至実施例3)を製造し、それぞれを一旦、前記筋状しぼ部の延在方向にロール状に巻取った。
さらに、実施例1乃至実施例3の3種の金属屋根用断熱材のロールからぞれぞれ所定長(長さ150mm、幅25mm)で金属屋根用断熱材を剥離しながら切り出し、各金属屋根用断熱材の粘着加工面を金属屋根材としてのカラー鋼鈑に貼合わせて、3種のサンプル(金属屋根用断熱材−カラー鋼鈑貼合わせサンプル)を作製した。
得られた3種のサンプルにつき、200mm/minの引張り速度にて180°ピーリング試験を行い、実施例1乃至実施例3の金属屋根用断熱材の剥離強度を常温で測定した。なお、剥離強度は、金属屋根用断熱材の粘着加工面と粘着加工自背面、および金属屋根用断熱材の粘着加工面とカラー鋼板について測定した。
また、3種の金属屋根用断熱材−カラー鋼鈑貼合わせサンプルについて、80℃の恒温槽に336時間放置したもの、および80℃の恒温槽における8時間放置と、−20℃の恒温槽における8時間放置とを移行時間4時間で10サイクル繰り返す、ヒートサイクル試験を行ったものについて、それぞれ剥離強度を測定した。
さらに、金属屋根用断熱材の粘着加工面とカラー鋼板のピーリング試験を行ったサンプルにつき、金属屋根用断熱材の粘着加工面の表面の材料破壊状態を目視にて観察した。これらの結果を表1に示す。なお、表中の○は材料破壊が観察されずきれいに剥離されたこと、×は材料破壊が観察されたことを示している。
またさらに、前記実施例について、上記試験の他、濡れ張力についての評価も行った。すなわち、10%圧縮強度が11.7kPaの架橋発泡ポリエチレンシートの表面張力をJIS K 6768に基づいて測定した。具体的には、温度23℃、相対湿度50%の標準試験室雰囲気にて、濡れ性試験用基準液(JIS規定液)を綿棒に浸し、試料としての前記架橋発泡ポリエチレンシートにぬり広げ、塗布した液膜が2秒経過後に破れることなく、塗布されたときの状態を保持しているものを以てその濡れ張力とした。その結果、実施例の3種のサンプルに用いられた前記架橋発泡ポリエチレンシートの表面張力は35mN/mであった。
[比較例]
厚さが4.0mm、10%圧縮強度が6.7kPaの架橋発泡ポリエチレンシート(商品名:フォームエース、古河電気工業株式会社製)の片面にコロナ処理を施し、そのコロナ処理面にアクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製)を35g/mの塗布量で塗工して粘着加工面(粘着層)を形成して、表に示す金属屋根用断熱材(比較例)を製造し、一旦、ロール状に巻取った。なお比較例の金属屋根用断熱材における粘着加工自背面は筋状しぼ部(断面は山型形状)等は具備しておらず、スライス面であった。
さらに、実施例と同様に金属屋根用断熱材のロールからぞれぞれ所定長(長さ150mm、幅25mm)で金属屋根用断熱材を剥離しながら切り出し、各金属屋根用断熱材の粘着加工面を金属屋根材としてのカラー鋼鈑に貼合わせてサンプル(金属屋根用断熱材−カラー鋼鈑貼合わせサンプル)を作製し、この比較例のサンプルにつき、実施例と同様に、剥離強度および材料破壊状態の観察を行った。なお、80℃の熱処理時間は実施例より短い264時間とした。結果を表1に示す。
またさらに、前記比較例について、上記試験の他、濡れ張力についての評価も行った。すなわち、10%圧縮強度が6.7kPaの架橋発泡ポリエチレンシートの表面張力をJIS K 6768に基づいて測定した。具体的には、温度23℃、相対湿度50%の標準試験室雰囲気にて、濡れ性試験用基準液(JIS規定液)を綿棒に浸し、試料としての前記架橋発泡ポリエチレンシートにぬり広げ、塗布した液膜が2秒経過後に破れることなく、塗布されたときの状態を保持しているものを以てその濡れ張力とした。その結果、実施例の3種のサンプルに用いられた前記架橋発泡ポリエチレンシートの表面張力は50〜54mN/mであった。
Figure 0004865615
[考 察]
各実施例のサンプルの対鋼板剥離強度初期値は比較例に比べて高く、対自背面剥離強度初期値は比較例のサンプルに比べて低いことから、各実施例のサンプルは使用時のロールからの剥離が容易で、金属屋根に対しては粘着力が高く、剥離しにくいことが分かる。
また、80℃加熱処理およびヒートサイクル試験等の加速試験後においては、各実施例のサンプルの対鋼板剥離強度は初期値の5〜7倍に上昇しているのに対して、比較例のサンプルの対鋼板剥離強度は初期値の30倍以上に上昇しており、それらの加速試験後の値を比べると、実施例のサンプルは1.2〜2.1N/cmに対して、比較例のサンプルは5.2N/cmと実施例の2倍以上の値となっている。
これらの加速試験後のサンプル(ピーリング試験前)を観察したところ各実施例、比較例のいずれのサンプルも、金属屋根用断熱材とカラー鋼鈑貼合わせ部分において剥離した部分は全く観察されなかった。また、ピーリング試験後の材料破壊状態の観察において、各実施例のサンプルは金属屋根用断熱材は全く破壊されず、カラー鋼板から原形をとどめてきれいに剥離されるが、比較例のサンプルは剥離時に金属屋根用断熱材の一部がカラー鋼板に残存してしまい、分別も困難なものとなった。
したがって、各実施例のサンプルは使用時においてロールからの剥離が容易であり、金属屋根材に貼り合せると長期に亘って剥離することなく粘着状態を保持し、それにもかかわらず解体時には容易に金属屋根材から剥離できることが分かる。
また、ポリオレフィン系発泡体シートとしての架橋発泡ポリエチレンシートの濡れ張力については、前記各実施例のサンプルに用いた10%圧縮強度が11.7kPaの架橋発泡ポリエチレンシートのほうが、前記比較例に用いた10%圧縮強度が6.7kPaの架橋発泡ポリエチレンシートよりも疎水性であり、そのことが、加熱後の金属屋根材との接着力に影響を与えていると考えられる。
本発明に係る金属屋根用断熱材の一例を示す模式図 図1の金属屋根用断熱材のA−A断面図
符号の説明
10 ポリオレフィン系発泡体シート
12 ポリオレフィン系発泡体シートの一面
14 フィルム
16 粘着層
18 ポリオレフィン系発泡体シートの他面
20 筋状しぼ部

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系発泡体シートと、前記ポリオレフィン系発泡体シートの一面に貼合されたフィルムと、前記フィルム上に形成された粘着層とを具備し、前記粘着層を金属屋根材に粘着させる金属屋根用断熱材であって、
    前記ポリオレフィン系発泡体シートの他面に互いに平行な筋状しぼ部を有し、前記粘着層と前記金属屋根材との粘着力および前記粘着層と前記ポリオレフィン系発泡体シートの他面との粘着力がそれぞれ0.01〜1.0N/cmであり、さらに、前記粘着層と前記金属屋根材との加熱処理後の粘着力が4.0N/cm以下であることを特徴とする金属屋根用断熱材。
  2. 使用前の一態様において、前記筋状しぼ部の延在方向にロール状に巻かれたことを特徴とする請求項1に記載の金属屋根用断熱材。
  3. 前記粘着層と前記金属屋根材との粘着力の、前記粘着層と前記ポリオレフィン系発泡体シートとの粘着力に対する比が、1.2〜5であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属屋根用断熱材。
  4. 前記ポリオレフィン系発泡体シートの10%歪量に対する圧縮強度が2.5〜13.6kPaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属屋根用断熱材。
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