JP4865592B2 - 工業用ロボット - Google Patents

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本発明は工業用ロボットに関する。特に、本発明は、ツールを備えるマニピュレータと、ワークを位置決めするポジショナやマニピュレータを移動させるスライダのような補助装置とを備える工業用ロボットに関する。
工業用ロボットのマニピュレータは複数の自由度を有し、この自由度により手首先端に取り付けた溶接トーチ、塗装ガン等のツール(加工具)を任意の位置及び姿勢に位置決めしてワーク(加工対象物)を加工する。工業用ロボットには、マニピュレータに加え、ワークの姿勢変更やツールの作業領域拡大のための補助装置を備えるものがある。この補助装置には、図10に示すワーク4を単一又は複数の軸周りに回転させるポジショナ(位置決め装置)2や、図11に示すマニピュレータ1を単一又は複数の軸方向に直進移動させるスライダ(移動装置)3がある。
作業時間短縮と加工品質の向上を図るには、マニピュレータ1と補助装置の動作を同期させ、両者を同時に動作させながら加工作業を行う必要がある。例えば、アーク溶接の場合、ワーク4に対してツール5(溶接トーチ)が最適な下向きの姿勢を維持するようにマニピュレータ1に対してポジショナ2を同期して動作させることで連続溶接が可能となり、溶接作業時間の短縮と溶接品質の向上を図ることができる。また、スライダ3とマニピュレータ1を同期して動作させることで、マニピュレータ1のみでは作業領域が不足するような大型のワーク4の連続溶接が可能となる。
例えば特許文献1,2には、PTP型の工業用ロボットについてマニピュレータと補助装置を同期運転する方法が開示されている。これらの方法はティーチングプレイバック型を基本としており、可搬型ペンダント等の教示装置を使用した教示操作によってマニピュレータと補助装置を同期制御するためのプログラムが作成される。
特許文献1,2に記載の制御方法(同期運転)を概説すると、教示位置としてツール先端の位置及び姿勢と補助装置(ポジショナやスライダ)の関節位置が与えられる。また、マニピュレータと補助装置の配置及び各リンク情報は既知である。さらに、ワークに設定されたワーク座標系(ポジショナによって回転・移動される)とマニピュレータについて設定された固定のベース座標系との間の座標変換手段を有している。ワーク座標系におけるツール先端の位置及び姿勢と補助装置の関節位置とについてそれぞれ経路(現在位置から教示位置までの補間経路)を計算し、ツール先端の位置及び姿勢(ワーク座標系)と補助装置の関節位置とを制御周期毎に更新する。そして、更新されたワーク座標系におけるツール先端の位置及び姿勢と更新された補助装置の目標の関節位置とに基づいて、前述の座標変換手段によって目標となるマニピュレータの関節位置を計算し、マニピュレータと補助装置の各関節位置を駆動する。
しかし、同期運転とは別に、補助装置をマニピュレータとは独立して動作させたい場合もある。例えば、図12を参照すると、2台のポジショナ2A,2Bのうち一方のポジショナ2Aはマニピュレータ1と同期して加工作業を実行中であるが、他方のポジショナ2Bは次に加工対象となるワーク4の搬入動作をマニピュレータとは無関係に独立して実行する必要がある。また、ポジショナ2Aで保持されたワーク4に対する加工が完了すると、ポジショナ2Aはマニピュレータ1とは独立して加工済みのワーク4の搬出動作を実行する一方、ポジショナ2Bは加工作業のためにマニピュレータ1との同期動作を開始する。このように補助装置はラインの稼動状態によってマニピュレータと共に動作する「同期モード」とロボットの動作とは無関係に動作する「独立モード」を切り換えて使用できることが要求される。
従来、補助装置をマニピュレータと独立して動作させる場合には、教示操作で作成されるロボット用プログラムとは別に補助装置専用プログラムを作成している。例えば、特許文献3には、教示操作によるプログラム作成方法とは別の手段により、マニピュレータに対して非同期に各補助装置を独立に制御するための「コンカレント入出力プログラム」を作成することが開示されている。
特公平7−12597号公報 特許第3098618号 特許第3287304号
しかしながら、従来の技術には以下の問題がある。
第1に、補助装置の独立動作時には、マニピュレータと補助装置の同期運転ができない。詳細には、前述のように従来のマニピュレータと補助装置の同期制御はティーチングプレイバック型を基本としており、教示位置としてマニピュレータの位置及び姿勢と補助装置の関節位置の両方が必要である。また、補間経路もマニピュレータの位置及び姿勢と補助装置の関節位置の両方について求める必要がある。そのため、マニピュレータと独立して補助装置が動作させている状態で、マニピュレータと補助装置の動作を同期させることは不可能である。換言すれば、マニピュレータと補助装置を同期して動作させる場合には、補助装置の動作をマニピュレータの動作に従属させる必要がある。また、補助装置を同期運転と独立運転で自由に切り換えることも不可能である。
第2に、従来のマニピュレータと補助装置を同期運転する制御方法は、1台のマニピュレータと1台の補助装置を同期させることが前提であり、1台の補助装置に対して2台以上のマニピュレータを同期させることは不可能であった。
第3に、補助装置を独立運転させるためのプログラムは、マニピュレータの制御用のプログラムとは全く異なる手法で作成する必要があった。詳細には、一般的にティーチングプレイバック型であるマニピュレータの制御用のプログラムは、前述の教示操作を使用する方法で作成される。一方、補助装置をマニピュレータと独立して動作させるには、PLC(Programmable Logic Controller)やコンカレントI/Oのラダープログラム等のプログラムが必要であり、これらのプログラムは教示操作を使用するマニピュレータの制御用のプログラムとは全く異なる方法で作成される。そのため、操作者は2つの異なるプログラミング方法を習得する必要がある。また、全く異なる手法で作成された2種類のプログラムが同時に1台の補助装置を駆動する「競合」が発生する可能性があり、この「競合」を回避するための複雑な処理が必要である。
前記工業用ロボットにおける従来の課題に鑑み、本発明は、補助装置の独立動作時にマニピュレータとの同期を可能とすること、補助装置の同期運転と独立運転を自由に切り換え可能とすること、1台の補助装置に対する複数台のマニピュレータの同期動作を実現すること、マニピュレータの制御プログラムと同様の手法で補助装置の独立制御用のプログラムを作成可能とすること、及び補助装置についてマニピュレータの同期制御用のプログラムと独立制御用のプログラムとの競合をなくすことを目的とする。
本発明は、先端にツールを備え、かつこのツールの位置及び姿勢を三次元空間内で変化させるマニピュレータと、前記ツールによって加工されるワーク及び/又は前記マニピュレータを前記三次元空間内で移動させる補助装置と、前記マニピュレータと前記補助装置を動作させる制御装置とを備える工業用ロボットであって、前記制御装置は、前記マニピュレータ自体に設定されたマニピュレータ座標系で与えられる前記マニピュレータの位置及び姿勢と、前記補助装置自体に設定された補助装置座標系で与えられる前記補助装置の位置及び姿勢として教示される第1の教示位置から、前記ワークに設定されたワーク座標系におけるツール先端の最終目標位置及び姿勢を計算する第1の演算手段と、第1の検出器で検出された前記マニピュレータ座標系における前記マニピュレータの位置及び姿勢と、第2の検出器で検出された前記補助装置座標系における前記補助装置の位置及び姿勢とである第1の現在位置及び姿勢から、前記ワーク座標系における前記ツール先端の現在位置及び姿勢を計算する第2の演算手段と、前記ワーク座標系におけるツール先端の最終目標位置及び姿勢と、前記ワーク座標系におけるツール先端の現在位置及び姿勢と、予め入力された前記ツール先端の移動特性とに基づいて、前記現在位置及び姿勢から前記最終目標位置及び姿勢までの前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢の時系列変化を規定するツール経路方程式を計算する第1の経路算出手段と、前記第1の教示位置とは別に前記補助装置座標系における前記補助装置の位置及び姿勢として教示される第2の最終目標位置及び姿勢と、前記第2の検出器で検出された前記補助装置座標系における前記補助装置の位置及び姿勢とである第2の現在位置及び姿勢と、予め入力された前記補助装置の移動特性とに基づいて、前記第2の現在位置及び姿勢から前記第2の最終目標位置及び姿勢までの前記補助装置の位置及び姿勢の時系列変化を規定する独立補助装置経路方程式を計算する第2の経路算出手段と、前記独立補助装置経路方程式によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢を使用して、前記ツール経路方程式から算出される前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢を、前記マニピュレータの基部に設定され、かつ前記三次元空間に対して固定されたベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢に変換する座標変換処理手段と、前記座標変換処理手段により算出された前記ベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢を前記マニピュレータ座標系におけるマニピュレータの位置及び姿勢に変換する逆キネマティクス処理手段と、前記逆キネマティクス処理手段により算出された前記マニピュレータ座標系におけるマニピュレータの位置及び姿勢に基づいて、前記マニピュレータを駆動するマニピュレータ駆動手段と、前記独立補助装置経路方程式によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢に基づいて、前記補助装置を駆動する補助装置駆動手段とを備えることを特徴とする工業用ロボットを提供する。
座標変換手段がツール経路方程式で算出されたワーク座標系におけるツール先端の位置及び姿勢をベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢に変換する際に、第2の経路算出手段で算出された独立補助装置経路方程式によって算出される補助装置の位置及び姿勢が使用される。換言すれば、ツール経路方程式によってツール先端の位置及び姿勢を算出する際に、ツール経路方程式とは別途に求めた独立補助装置経路方程式により算出された補助装置の位置及び姿勢を使用する。かかる制御により、補助装置がマニピュレータとは独立に動作している状態で、マニピュレータと補助装置を同期して動作させることが可能である。また、マニピュレータの制御プログラムと同様の手法、すなわち最終目標位置を教示すると共に移動特性を与えることにより、マニピュレータの制御プログラムとは別途に補助装置の独立制御用のプログラムを作成できる。
前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢の時系列変化と同期するように前記補助装置の位置及び姿勢の時系列変化を規定する従属補助装置経路方程式を計算する第3の経路算出手段を備え、前記座標変換手段は、前記独立補助装置経路方程式及び前記従属補助装置経路方程式のうちのいずれか一方によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢を使用して前記ツール経路方程式から算出される前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢を前記ベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢に変換可能であり、前記補助装置駆動手段は、前記独立補助装置経路方程式及び前記従属補助装置経路方程式のうちのいずれか一方によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢に基づいて、前記補助装置を駆動し、前記座標変換手段と前記補助装置駆動手段が前記独立補助装置経路方程式及び前記従属補助装置経路方程式のうちのいずれによって算出される前記補助装置の位置及び姿勢を使用するかを切り換える切換手段を備えることが好ましい。
切換手段で独立補助装置経路方程式と従属補助装置経路方程式のうちのいずれによって算出された補助装置の位置及び姿勢を使用するかを切り換えることにより、補助装置をマニピュレータとは独立に動作させている状態(補助装置をマニピュレータ制御用のプログラムとは別の独立制御用プログラムで動作させている状態)と、補助装置をマニピュレータに従属して動作させている状態(補助装置をマニピュレータ制御用のプログラムで動作させている状態)を自由に切り換えることができる。また、補助装置についてマニピュレータに対して独立制御用プログラムと同期制御用のプログラムとの競合も防止できる。
本発明により、1台の補助装置に対する複数台のマニピュレータの同期動作を実現することもできる。すなちわ、本発明に係る工業用ロボットは、前記補助装置を1台備え、前記マニピュレータを複数台備え、前記制御装置は、個々の前記複数のマニピュレータ毎に前記第1の演算手段、前記第2の演算手段、前記第1の経路算出手段、前記座標変換手段、前記逆キネマティクス処理手段、及び前記マニピュレータ駆動手段を備えるものであってもよい。
前記補助装置は、前記ワークを保持し、かつ前記ワークを単一又は複数の軸周りに回転させるポジショナであっても、前記マニピュレータを保持し、かつ前記マニピュレータを単一又は複数の軸線方向に直進移動させるスライダであってもよい。
本発明に係る工業用ロボットによれば、補助装置がマニピュレータとは独立して動作している状態で、マニピュレータと補助装置を同期して動作させることができる。また、補助装置をマニピュレータとは独立に動作させている状態と、補助装置をマニピュレータに従属して動作させている状態とを自由に切り換えることができる。さらに、補助装置についてマニピュレータに対する独立制御用プログラムと同期制御用のプログラムとの競合を防止できる。さらに、1台の補助装置に対する複数台のマニピュレータの同期動作をできる。さらにまた、マニピュレータの制御プログラムと同様の手法で補助装置の独立制御用のプログラムを作成できる。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図3に示す第1実施形態は、1台のマニピュレータと2台のポジショナを備えるPTP型の工業用ロボットに本発明を適用した例である。本実施形態の工業用ロボットは、1台のマニピュレータ11、2台のポジショナ12A,12B、制御装置13、及び教示装置14を備える。
マニピュレータ11は先端にツール16を備え、かつツール16の位置及び姿勢を三次元空間内で変化させる。マニピュレータ11は6個の回転関節RJm1,RJm2,RJm3,RJm4,RJm5,RJm6を有する。回転関節RJm1〜RJm6間はリンクで連結され、最も基端側の回転関節RJm1は台座11aに取り付けられている。各回転関節RJm1〜RJm6は、回転駆動のためのモータMOm1〜MOm6と、関節角度θm1〜θm2を検出するための角度センサSEm1〜SEm6を備える。
個々のポジショナ12A,12Bはワーク17を保持するテーブル12aと、ワーク17の位置及び姿勢を三次元空間内で変化させるための2個の回転関節RJp1,RJp2を備える。回転関節RJp1,RJp2は、回転駆動のためのモータMOp1,MOp2と、関節角度θp1,θp2を検出するための角度センサSEp1,SEp2を備える。
次に、マニピュレータ11及びポジショナ12A,12Bの制御に使用する座標を説明する。
マニピュレータ11に関し、2つの座標系を設定する。まず、6個の関節角度θm1〜θm6で与えられる回転関節座標系(マニピュレータ座標系)を設定する。マニピュレータ座標系でのマニピュレータ11の位置及び姿勢(ツール先端16aの位置及び姿勢)は、関節角度J(θm1,θm2,θm3,θm4,θm5,θm6)で表記する。また、原点がマニピュレータ11の台座11aに設定され、かつ三次元空間に対して固定された直交座標系(ベース座標系Σbase)を設定する。ベース座標系Σbaseにおけるマニピュレータ11の位置及び姿勢(ツール先端16aの位置及び姿勢)、すなわちベース座標系Σbaseでの座標と座標軸周りの回転角をbaseP(X,Y,Z,α,β,γ)で表記する。
ポジショナ12A,12Bに関しては、2個の関節角度θp1,θp1で与えられる回転関節座標系(ポジショナ座標系)を設定する。ポジショナ座標系でのポジショナ12の位置及び姿勢は、関節角度Jp(θp1,θp2)で表記する。
ワーク17に対して固定された直交座標系(ワーク座標系Σwork)を設定する。ワーク座標系Σworkにおける座標と座標軸周りの回転角をworkP(X,Y,Z,α,β,γ)で表記する。
制御装置13は、予め記憶されたプログラムに従って、教示装置14及び角度センサSEm1〜SEm6,SEp1,SEp2からの入力に基づいて、モータMOm1〜MOm6,MOp1,MOp2を駆動する。制御装置13からマニピュレータ11及びポジショナ12A,12BのモータMOm1〜MOm6,MOp1,MOp2に対して出力される指令は、関節角度J(θm1〜θm6),J(θp1,θp2)である。
図1及び図2を参照すると、制御装置13は、記憶部31、マニピュレータ制御部32、及びポジショナ制御部33A,33Bを備えている。制御部13はプロセッシングユニット、RAM、ROM等の種々の記憶装置、入出力ポート等のハードウェアと、それに実装されるソフトウェアとにより構築されている。
記憶部31には、マニピュレータ32を駆動するためのメインプログラム35と、それぞれポジショナ12A,12Bを駆動するためのポジショナ用プログラム36A,36Bとが記憶されている。
マニピュレータ制御部32はメインプログラム35を実行してマニピュレータ11を動作させる。個々のポジショナ制御部33A,33Bは、ポジショナ用プログラム36A,36B又はメインプログラム35を実行して対応するポジショナ12A,12Bを動作させる。
制御装置13は、一方のポジショナ制御部33Aがポジショナ用プログラム36Aとメインプログラム35のうちのいずれを実行するか(ポジショナ用プログラム36Aとメインプログラム35のうちのいずれに基づいてポジショナ12Aを動作させるか)を切り換えるためのプログラム切換手段を備えている(図1において符号41Aにより概念的に示す)。また、制御装置13は、他方のポジショナ制御部33Bがポジショナ用プログラム36Bとメインプログラム35のうちのいずれを実行するかを切り替えるためのプログラム切換手段41Bを備える。これらのプログラム切換手段41A,41Bは、物理的なスイッチではなく、メインプログラム35やポジショナ用プログラム36A,36Bを実行することにより実現されるソフトウェア的機能である。
制御装置13は、ポジショナ12A,12Bの位置情報である後述する目標関節角度Jp_nowを個々のポジショナ制御部33A,33Bからマニピュレータ制御部32に出力するか否か(マニピュレータ制御部32がポジショナ制御部33A,33Bで算出される目標関節角度Jp_nowを参照するか否か)を切り換える参照切換手段42A,42Bを備える。これらの参照切替手段42A,42Bも、物理的なスイッチではなく、メインプログラム35やポジショナ用プログラム36A,36Bを実行することにより実現されるソフトウェア的機能である。
プログラム切換手段41A,41Bや参照切換手段42A,42Bの操作等の分岐条件の実行に必要な情報を含む種々の情報や命令が、マニピュレータ制御部32と個々のポジショナ動作部33A,33Bとの間で送受信される。
教示装置14を使用して制御装置13に対して制御に必要な条件が入力され、前述のメインプログラム35とポジショナ用プログラム36A,36Bが作成される。作成されたプログラムは記憶部31に記憶される。メインプログラム35については、教示位置Pteに加え、ワーク座標系Σbaseにおけるツール先端16aの移動経路と移動速度Vsetを含む移動特性、及びその他のパラメータが教示装置14から入力される。教示位置Pteは、マニピュレータ11の関節角度Jmte(θmte1,θmte2,θmte3,θmte4,θmte5,θmte6)とポジショナ12A又は12Bの関節角度Jpte(θpte1,θpte2)として入力される。一方、ポジショナ用プログラム36A,36Bについては、教示位置Jpte(θpte1,θpte2)に加え、関節角度θp1,θp2の変化特性が含まれる。
本実施形態の工業用ロボットでは、以下の3種類のモードでマニピュレータ11とポジショナ12A,12Bを動作させることができる。以下の説明では、理解を容易にするため、ポジショナ12A,12Bを特に特に区別する必要がない場合、ポジショナ12Aにのみ言及する。
第1のモードとしては、メインプログラム35でマニピュレータ11とポジショナ12Aの両方を動作させる。このモードでは、マニピュレータ11とポジショナ12Aは同期して動作する。また、マニピュレータ11を制御するためのメインプログラム35でポジショナ12Aも併せて制御している点で、ポジショナ12Aの動作はマニピュレータ11の動作に従属している。図2に示すように、第1のモードでは、プログラム切換手段41Aはメインプログラム35側に切り換えられ、ポジショナ制御部33Aはメインプログラム35を実行する。また、参照切換手段42Aは、マニピュレータ制御部32(メインプログラム35)がポジショナ制御部33A(ポジショナ用プログラム36A)で算出された目標関節角度Jp_nowを参照しない状態に設定されている。
第2のモードとしては、メインプログラム35でマニピュレータ11を動作させる一方、ポジショナ用プログラム36Aでポジショナ12Aを動作させる。また、この第2のモードでは、メインプログラム35がポジショナ用プログラム36Aで算出されるポジショナ12Aの目標関節角度Jp_nowを参照することにより、マニピュレータ11とポジショナ12Aが同期して制御される。換言すれば、第2のモードでは、ポジショナ12Aとマニピュレータ11とは互いに独立に制御されているが、マニピュレータ11とポジショナ12Aは同期して動作する。図1に示すように、第2のモードでは、プログラム切換手段41Aはポジショナ用プログラム36Aに切り換えられ、ポジショナ制御部33Aはポジショナ用プログラム36Aを実行する。また、参照切換手段42Aは、マニピュレータ制御部32がポジショナ制御部33Aで算出された目標関節角度Jp_nowを参照する状態に設定されている。
第3のモードとしては、メインプログラム35でマニピュレータ11を動作させる一方、ポジショナ用プログラム36Aでポジショナ12Aを動作させる。また、この第3のモードでは、メインプログラム35はポジショナ用プログラム36Aで算出されるポジショナ12Aの目標関節角度Jp_nowを参照しない。換言すれば、第3のモードでは、ポジショナ12Aとマニピュレータ11とは互いに独立に制御され、かつポジショナ12Aの動作はマニピュレータ11の動作に対して非同期である。図1及び図2において、他方のポジショナ12Bについては、プログラム切換手段42Bがポジショナ用プログラム36Bに切り換えられ、ポジショナ制御部33Bはポジショナ用プログラム36Bを参照する。また、参照切換手段42Bはマニピュレータ制御部32がポジショナ制御部33Bで算出された目標関節角度Jp_nowを参照しない状態に設定されている。従って、マニピュレータ11とポジショナ12Bに着目した場合、図1及び図2は第3のモードを示している。この第3のモードでは、ポジショナ12A,12Bはマニピュレータ11に対して完全に独立して動作するため、図1及び図2において矢印Aで模式的に示すポジショナ12A,12Bへのワーク17の搬入動作や、矢印Bでポジショナ12A,12Bからの加工済みのワーク17の搬出動作の実行に適している。
次に、図5から図6Bのフローチャートを参照して、制御装置13により実行されるマニピュレータ11及びポジショナ12Aの制御を説明する。理解を容易にするために、図4に示すようにワーク17上の直線の作業線Lに沿ってツール先端16aが現在位置から目標位置まで等速で移動する場合を例に説明する。また、ポジショナ12A,12Bを特に特に区別する必要がない場合、ポジショナ12Aにのみ言及する。
図5は、ポジショナ制御部33A(ポジショナ用プログラム36A)による、ポジショナ12Aの動作の制御を示す。また、図6A,6Bはマニピュレータ制御部32(メインプログラム35)による、マニピュレータ11の動作の制御を示す。前述のように、第2及び第3のモードでは、ポジショナ制御部33Aが図5に示すポジショナ用プログラム36Bを実行することでポジショナ12Aを制御し、図5のフローと図6A,6Bのフローは同時に実行される。一方、第1のモードでは、マニピュレータ制御部32とポジショナ制御部33Aの両方が図6A,6Bのフローを実行し、図5のフローは実行されない。
ポジショナ用プログラム36Aについて説明すると、図5のステップS5−1において、教示位置Jpte(θpte1,θpte2)を取得する。次に、ステップS5−2において、ポジショナ12Aの現在の関節角度Jp0(θp10,θp20)を角度センサSEp1,SEp2から取得する。
続いて、ステップS5−3において、現在の関節角度Jp0からステップS5−1で取得した教示位置Jpte(第2の最終目標位置及び姿勢)までのポジショナ12Aの関節角度Jの時系列変化を規定する独立ポジショナ経路方程式Jpid(t)を計算する(符号tは時刻を示す。)。機能の面から見ると、ステップS5−3は本発明における第2の経路算出手段を構成している。
本実施形態では、現在の関節角度Jp0から教示位置Jpteまでポジショナ12Aの関節角度Jが等速度で変化するものとして独立ポジショナ経路方程式Jpid(t)を計算する。まず、現在の関節角度Jp0から教示位置Jpteまでのポジショナ12Aの関節角度の変化Dは以下の式(1)で表される。
また、ポジショナ座標系におけるポジショナ12Aの関節角度Jpの変化速度の設定値をVJpsetとすると、ポジショナ12Aが現在の関節角度Jp0から教示位置Jpteまで移動するのに要する時間(移動時間Tpn)は、以下の式(2)で表される。
式(1),(2)より、現在の関節角度Jp0から教示位置Jpteまでの、ポジショナ12Aの関節角度Jの変化速度ΔJは、以下の式(3)で表される。
従って、独立ポジショナ経路方程式Jpid(t)は以下の式(4)に示す通りである。
次に、ステップS5−4において、時刻tを初期化する(t=0)。
ステップS5−5からステップS5−10は、制御周期T毎に繰り返される。まず、ステップS5−5において時刻tを時刻t+Tに更新する。
次に、ステップS5−6において、ステップS5−5で更新した時刻t(現在の制御周期)におけるポジショナ12Aの関節角度Jの目標値(目標関節角度Jp_now)を独立ポジショナ経路方程式Jpid(t)により計算する。本実施形態では、更新した時刻tを式(4)に代入することで、目標関節角度Jp_nowが得られる。
次に、ステップS5−7において、マニピュレータ11とポジショナ12Aが同期中であるか、すなわちポジショナ制御部33A(ポジショナ用プログラム36A)で算出されるポジショナ12Aの目標関節角度Jp_nowをマニピュレータ制御部32(メインプログラム31)が参照切換手段42Aを介して参照中であるかを判断する。
ステップS5−7においてマニピュレータ11とポジショナ12Aが同期中であれば(第2のモード)、ステップS5−8において、目標関節角度Jp_nowをポジショナ制御部33Aからマニピュレータ制御部32に出力する。一方、ステップS5−7においてマニピュレータ11とポジショナ12Aが同期中でなければ(第3のモード)、ステップS5−9に移行する。
ステップS5−9では、目標関節角度Jp_nowを指令としてポジショナ12Aに出力する。この指令によりポジショナ12のモータMOp1,MOp2が作動し、ポジショナ12が動作する。このステップS5−9のポジショナ12Aへの指令の出力及び駆動は、後述するステップS6−16のマニピュレータ11への指令の出力及び駆動と同時に実行される。機能の面から見ると、ステップS5−9は本発明における補助装置駆動手段を構成している。
ステップS5−10において、教示位置Jpteに到着するまで、ステップS5−5からステップS5−9の処理が繰り返される。
次に、メインプログラム35について説明すると、まず、図6AのステップS6−1において、教示位置Pte(Jmte+Jpte)からワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの最終目標位置及び姿勢workPte(Xwte,Ywte,Zwte,αwte,βwte,γwte)を計算する。具体的には、まず、教示位置Pteでのマニピュレータ11の関節角度Jmteの順キネマティクスを計算し、ベース座標系Σbaseにおけるツール先端16aの位置及び姿勢basePte(Xbte,Ybte,Zbte,αbte,βbte,γbte)に変換する。次に、教示位置Pteにおけるポジショナ12Aの関節角度Jpteを使用し、ベース座標系Σbaseにおける教示位置Pteでのツール先端16aの位置及び姿勢basePteを、ワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの目標位置及び姿勢workPteに座標変換する。順キネマティクス及び座標変換は、それぞれ公知の算出式と座標変換手段で実行可能である。機能の面から見ると、ステップS6−1は本発明における第1の演算手段を構成している。
次に、ステップS6−2において、現在位置P0におけるマニピュレータ11の関節角度Jm0(θm10,θm20,θm30,θm40,θm50,θm60)とポジショナ12Aの関節角度Jp0(θp10,θp20)を角度センサSEm1〜SEm6,SEp1,SEp2から取得する。また、ステップS6−2と同様の順キネマティクスと座標変換により、現在位置P(Jm0+Jp0)からワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの現在位置及び姿勢workP(Xw0,Yw0,Zw0,αw0,βw0,γw0)を計算する。機能の面から見ると、ステップS6−2は本発明における第2の演算手段を構成している。
続いて、ステップS6−3において、ワーク座標系Σworkにおける現在位置及び姿勢workPから最終目標位置及び姿勢workPteまでのツール先端16aの位置及び姿勢workPの時系列変化を規定するツール経路方程式workP(t)を算出する。機能の面から見ると、ステップS6−3は本発明における第1の経路算出手段を構成している。
本実施形態では前述のようにツール先端16aは作業線L上を直線かつ等速で移動するので、ツール経路方程式workP(t)は以下のように計算される。まず、ワーク座標系Σworkにおける現在位置及び姿勢workPから最終目標位置及び姿勢workPteの間の距離Dは以下の式(5)で表される。
ワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの移動速度の設定値(設定速度)をVmsetとすると、ツール先端16aが作業線Lに沿って現在位置及び姿勢workPから目標位置及び姿勢workPteまで移動するのに要する時間(移動時間Tmn)は、以下の式(6)で表される。
また、ワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの位置及び姿勢workPの変化の速度ΔworkPは以下の式(7)で表される。
従って、ツール経路方程式workP(t)は以下の式(8)に示す通りである。
次に、ステップS6−4において、メインプログラム35でマニピュレータ11のみでなくポジショナ12Aも制御していれば(第1のモード)、ステップS6−5において、従属ポジショナ経路方程式Jpd(t)を計算する。一方、ステップS6−4においてメインプログラム35でポジショナ12Aを制御していなければ(第2又は第3のモード)、ステップS6−6に移行する。機能の面から見ると、ステップS6−5は本発明における第3の経路算出手段を構成している。
従属ポジショナ経路方程式Jpd(t)は、ツール経路方程式workP(t)で規定されるワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの位置及び姿勢の時系列変化と同期するように、ポジショナ座標系における現在位置Pから教示位置Pteまでのポジショナ12の関節角度Jの時系列変化を規定する。ポジショナ12Aの関節角度の変化の速度ΔJは、現在位置Pでのポジショナ12の関節角度Jp0、教示位置Pteでのポジショナ12の関節角度Jpte、及び移動時間Tmnを用いて以下の式(9)で表される。
従って、従属ポジショナ経路方程式Jpd(t)は、以下の式(10)に示す通りである。
ステップS6−6では、時刻tを初期化する(t=0)。
ステップS6−7からステップS6−18は、制御周期T毎に繰り返される。まず、ステップS6−7において時刻tを時刻t+Tに更新する。
次に、ステップS6−8において、ステップS6−7で更新した時刻tでのワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの目標位置及び姿勢workPを、ツール経路方程式workP(t)により計算する。本実施形態では、更新した時刻tを式(8)に代入することで、ツール先端16aの目標位置及び姿勢workPが得られる。
次に、ステップS6−9において、メインプログラム35でマニピュレータ11のみでなくポジショナ12Aも制御していれば(第1のモード)、ステップS6−10において従属ポジショナ経路方程式Jpd(t)からポジショナ12Aの目標関節角度Jp_nowを計算する。具体的には、ステップS6−7で更新した時刻tを式(10)に代入することで、目標関節角度Jp_nowが得られる。
一方、ステップS6−9においてメインプログラム35でポジショナ12Aを制御していないが、ステップS6−11においてマニピュレータ11とポジショナ12Aを同期制御していれば(第2のモード)、ステップS6−12においてポジショナ制御部33Aからポジショナ12Aの目標関節角度Jp_nowを取得する。
ステップSステップS6−9においてメインプログラム35でポジショナ12Aを制御しておらず、かつステップS6−11でマニピュレータ11とポジショナ12Aを同期制御していなければ(第3のモード)、ポジショナ制御部33Aからのポジショナ12Aの目標関節角度Jp_nowを取得は行わない。
次に、ステップS6−13において、ポジショナの目標関節角度Jp_nowを使用し、ワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの目標位置及び姿勢workPnowをベース座標系Σbaseにおけるツール先端16aの目標位置及び姿勢baseP_now(Xb_now,Yb_now,Zb_now,αb_now,βb_now,γb_now)に座標変換する。機能の面から見ると、ステップS6−13は本発明における座標変換手段を構成する。
続いて、ステップS6−14において、ベース座標系Σbaseにおけるツール先端16aの目標位置及び姿勢baseP_nowの逆キネマティクスを計算してマニピュレータ11の目標関節角度Jm_nowに変換する。機能の面から見ると、ステップS6−14は本発明における逆キネマティクス手段を構成する。
次に、ステップS6−15においてメインプログラム35でポジショナ12Aを制御していれば(第1のモード)、ステップS6−16において目標関節角度Jm_nowを指令としてマニピュレータ11に出力し、この指令によりマニピュレータのモータMOm1〜MOm6が作動し、マニピュレータ11が作動する。同時に、目標関節角度Jp_nowを指令としてポジショナ12Aに出力する。この指令によりポジショナ12AのモータMOp1,MOp2が作動し、ポジショナ12が動作する。
一方、ステップS6−15においてメインプログラム35でポジショナ12Aを制御していなければ(第2又は第3のモード)、ステップS6−17において、マニピュレータ11への目標関節角度Jm_nowの出力及び駆動のみを実行し、ポジショナ12Aへの目標関節角度Jp_nowの出力は実行しない。機能の面から見ると、ステップS6−16,S6−17は本発明におけるマニピュレータ駆動手段を構成する。
ステップS6−18において、教示位置Jpteに到着するまで、ステップS6−7からステップS6−17の処理が繰り返される。
以上詳説した本実施形態の工業用ロボットは、以下の特徴を有する。まず、ポジショナ制御部33A(ポジショナ用プログラム36A)で算出した目標関節角度Jp_nowをマニピュレータ制御部13(メインプログラム35)が参照し、ワーク座標系Σworkにおけるツール先端16aの目標位置及び姿勢workPnowをベース座標系Σbaseに座標変換する際に使用することにより(ステップS5−8,S6−12,S6−13)、ポジショナ12Aがマニピュレータ11とは独立して動作している状態で、マニピュレータ11とポジショナ12Aを同期して動作させることができる。また、ポジショナ12Aをマニピュレータ11とは独立に動作させている状態(第2又は第3のモード)と、ポジショナ12Aをマニピュレータ11に従属して動作させている状態(第1のモード)とを自由に切り換えることができる。さらに、ポジショナ12Aに対するポジショナ用プログラム36Aからの指令と、ポジショナ12Aに対するメインプログラム31からの指令が競合するのを防止できる。さらにまた、ポジショナ12Aを制御するためのポジショナ用プログラム36Aは、マニピュレータ11を制御するためのメインプログラム35と同様の手法、すなわち最終目標位置の教示や移動特性の入力等により作成可能である。
(第2実施形態)
図7及び図8に示す本発明の第2実施形態に係る工業用ロボットは、補助装置として1台のポジショナ12を備え、かつ2台のマニピュレータ11A,11Bを備える。制御装置33はポジショナ用プログラム36を実行して単一のポジショナ12を駆動するポジショナ制御部33に加え、別個のメインプログラム35A,35Bを実行してそれぞれ対応するマニピュレータ11A,11Bを制御する2つのマニピュレータ制御部32A,32Bを備える。換言すれば、個々のマニピュレータ11A,11Bに毎に前述の第1の演算手段(ステップS6−1)、第2の演算手段(ステップS6−2)、第1の経路算出手段(ステップS6−3)、座標変換手段(ステップS6−13)、逆キネマティクス処理手段(ステップS6−14)、及びマニピュレータ駆動手段(ステップS6−16,6−17)を備える
制御装置13は、ポジショナ制御部33がポジショナ用プログラム36と一方のマニピュレータ11Aのメインプログラム35Aのうちのいずれを実行するか(ポジショナ用プログラム36とメインプログラム35Aのうちのいずれに基づいてポジショナ12を動作させるか)を切り換えるためのプログラム切換手段41を備える。また、制御装置13は、ポジショナ12の目標関節角度Jp_nowをポジショナ制御部33から一方のマニピュレータ11Aのマニピュレータ制御部32Aに出力するか否か(マニピュレータ制御部32Aがポジショナ制御部33で算出される目標関節角度Jp_nowを参照するか否か)を切り換える参照切換手段42を備える。これに対して、制御装置13は他方のマニピュレータ11B用のプログラム切換手段と参照切換手段は備えていない。
ポジショナ12と一方のマニピュレータ11Aに着目した場合、第1実施形態と同様の制御(図5から図6B)により、前述の3種類のモードが実行可能である。まず、図7に示すように、プログラム切換手段41をメインプログラム35A側に設定し、かつ参照切換手段42をオフ(非参照)に設定することにより、ポジショナ制御部33がメインプログラムを参照してポジショナ12を駆動し、メインプログラム35でマニピュレータ11とポジショナ12Aの両方を動作させる第1のモードを実行できる。また、図8に示すように、プログラム切換手段41をポジショナ用プログラム36側に設定し、かつ参照切換手段42をオン(参照)に設定することにより、メインプログラム35Aでマニピュレータ11Aを動作させる一方、ポジショナ用プログラム36でポジショナ12を動作させつつ、マニピュレータ11とポジショナ12Aを同期して制御する第2のモードを実行できる。さらに、図8に示す状態から参照切換手段41をオフ(非参照)に設定すれば、メインプログラム35Aでマニピュレータ11Aを動作させる一方、ポジショナ用プログラム36でポジショナ12を動作させ、かつポジショナ12をマニピュレータ11Aに対して非同期とする第3のモードが実行可能である。
前述のようにポジショナ12と一方のマニピュレータ11Aについて3種類のモードのいずれかを実行するのと同時に、ポジショナ12と他方のマニピュレータ11Bについては、マニピュレータ制御部32B(メインプログラム35B)はポジショナ制御部33から目標関節角度Jp_nowを参照してポジショナ12と同期するようにマニピュレータ11Bを動作させる。換言すれば、マニピュレータ制御部32Bは一方のマニピュレータ11Aのプログラム切換手段41の設定(マニピュレータ制御部32Aがメインプログラム35Aとポジショナ用プログラム36のいずれを参照しているか)とは無関係に、常に目標関節角度Jp_nowを参照してポジショナ12と他方のマニピュレータ11Bしている。マニピュレータ制御部32Bの動作(メインプログラム35B)は、図6A,6BからステップS6−4、S6−5、S6−9〜S6−11、S6−15、及びS6−16を除去したフローで表される。
このように、本発明によって1台の補助装置に対する複数台のマニピュレータの同期動作を実現できる。
(第3実施形態)
本発明は、第1及び第2実施形態のように補助装置がポジショナ12〜12Bである場合に限定されず、図9に示すようなマニピュレータ11を保持して単一又は複数の軸線方向に直進移動させるスライダ22を補助装置として備える場合にも適用できる。
スライダ22は、互いに直交する方向に直進移動する3個の直動関節SJ,SJ,SJを備え、直動関節SJにマニピュレータ11の台座11aが保持されている。スライダ22に関し、座標軸がそれぞれ直動関節SJp1〜SJp3の移動方向に対応し、かつ三次元空間に固定された直交座標系(スライダ座標系)を設定する。スライダ座標系でのスライダ22の位置及び姿勢は、関節位置J(S,S,S)で表記する。スライダ座標系の各軸の向きはベース座標系Σbaseの各軸の向きと一致している。各直動関節SJp1〜SJp3は、それぞれ駆動用のモータMOs1〜MOS3と、関節位置Jを検出するための位置センサSEs1〜SEs3を備える。ワーク17は三次元空間に固定されている。ワーク座標系Σworkの各軸の向きは、ベース座標系Σbase及びスライダ座標系の各軸の向きと一致している。
教示装置14から制御装置13には、教示位置Pteに加え、ワーク座標系Σbaseにおけるツール先端16aの移動経路と移動速度Vset、スライダ22のモータMOs1〜MOs3の限界加減速度Ap等を含む制御に必要な条件が入力される。教示位置Pteは、マニピュレータ11の関節角度Jmte(θmte1,θmte2,θmte3,θmte4,θmte5,θmte6)とスライダ22の関節位置Jste(Sxte,Syte,Szte)として入力される。
ポジショナ12Aの回転関節RJp1,RJp2、モータMOp1,MOp2、関節角度θp1,θp2、及び角度センサSEp1,SEp2が、スライダ22の直動関節SJ,SJ,SJ、モータMOs1,MOs2,MOs3、関節位置J(S,S,S)、及び位置センサSEs1,SEs2,SEs3に置き換えられる点を除き、図5から図6Bのフローチャートで示す第1実施形態と同様の制御が実行される。この制御により、メインプログラムでマニピュレータ11とスライダ22の両方を動作させる第1のモード、メインプログラムでマニピュレータ11を動作させる一方、スライダ22を専用のプログラムで動作させ、かつこの専用のプログラムで算出されるスライダ22の目標位置及び姿勢を参照することによりマニピュレータ11とスライダ22を同期して制御する第2のモード、及びメインプログラムでマニピュレータ11を動作させる一方、スライダ22を専用のプログラムで動作させて両者を非同期とする第3のモードを実行できる。
本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットを示す模式図(ポジショナ12A,12Bは個々のポジショナ用プログラム36A,36Bによって駆動されている。)。 本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットを示す模式図(ポジショナ12Aはメインプログラム35により駆動され、ポジショナ12Bはポジショナ用プログラム36Bによって駆動されている)。 本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットが備える1台のマニピュレータと2台のポジショナの機構を示す模式的な斜視図。 本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットによるワークの加工の一例を示す模式図。 本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットが備えるポジショナの動作を説明するためのフローチャート。 本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットが備えるマニピュレータの動作を説明するためのフローチャート。 本発明の第1実施形態に係る工業用ロボットが備えるマニピュレータの動作を説明するためのフローチャート。 本発明の第2実施形態に係る工業用ロボットを示す模式図(ポジショナ12はマニピュレータ11Aのメインプログラム35Aで駆動されている。)。 本発明の第2実施形態に係る工業用ロボットを示す模式図(ポジショナ12はポジショナ用プログラム36によって駆動されている。)。 本発明の第3実施形態に係る工業用ロボットが備えるマニピュレータ11とスライダ22の機構を示す模式的な斜視図。 マニピュレータとポジショナを備える従来の工業用ロボットを示す模式的な斜視図。 マニピュレータとスライドを備える従来の工業用ロボットを示す模式的な斜視図。 1台のマニピュレータと2台のポジショナの同期及び非同期について説明するための工業用ロボットの模式的な平面図。
符号の説明
11,11A,11B マニピュレータ
11a 台座
12,12A,12B ポジショナ
12a テーブル
13 制御装置
14 教示装置
16 ツール
16a ツール先端
17 ワーク
22 スライダ
31 記憶部
32,32A,32B マニピュレータ制御部
33,33A,33B ポジショナ制御部
35,35A,35B メインプログラム
36A,36B ポジショナ用プログラム
41,41A,41B プログラム切換手段
42A,42B 参照切換手段

Claims (5)

  1. 先端にツールを備え、かつこのツールの位置及び姿勢を三次元空間内で変化させるマニピュレータと、前記ツールによって加工されるワーク及び/又は前記マニピュレータを前記三次元空間内で移動させる補助装置と、前記マニピュレータと前記補助装置を動作させる制御装置とを備える工業用ロボットであって、
    前記制御装置は、
    前記マニピュレータ自体に設定されたマニピュレータ座標系で与えられる前記マニピュレータの位置及び姿勢と、前記補助装置自体に設定された補助装置座標系で与えられる前記補助装置の位置及び姿勢として教示される第1の教示位置から、前記ワークに設定されたワーク座標系におけるツール先端の最終目標位置及び姿勢を計算する第1の演算手段と、
    第1の検出器で検出された前記マニピュレータ座標系における前記マニピュレータの位置及び姿勢と、第2の検出器で検出された前記補助装置座標系における前記補助装置の位置及び姿勢とである第1の現在位置及び姿勢から、前記ワーク座標系における前記ツール先端の現在位置及び姿勢を計算する第2の演算手段と、
    前記ワーク座標系におけるツール先端の最終目標位置及び姿勢と、前記ワーク座標系におけるツール先端の現在位置及び姿勢と、予め入力された前記ツール先端の移動特性とに基づいて、前記現在位置及び姿勢から前記最終目標位置及び姿勢までの前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢の時系列変化を規定するツール経路方程式を計算する第1の経路算出手段と、
    前記第1の教示位置とは別に前記補助装置座標系における前記補助装置の位置及び姿勢として教示される第2の最終目標位置及び姿勢と、前記第2の検出器で検出された前記補助装置座標系における前記補助装置の位置及び姿勢とである第2の現在位置及び姿勢と、予め入力された前記補助装置の移動特性とに基づいて、前記第2の現在位置及び姿勢から前記第2の最終目標位置及び姿勢までの前記補助装置の位置及び姿勢の時系列変化を規定する独立補助装置経路方程式を計算する第2の経路算出手段と、
    前記独立補助装置経路方程式によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢を使用して、前記ツール経路方程式から算出される前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢を、前記マニピュレータの基部に設定され、かつ前記三次元空間に対して固定されたベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢に変換する座標変換処理手段と、
    前記座標変換処理手段により算出された前記ベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢を前記マニピュレータ座標系におけるマニピュレータの位置及び姿勢に変換する逆キネマティクス処理手段と、
    前記逆キネマティクス処理手段により算出された前記マニピュレータ座標系におけるマニピュレータの位置及び姿勢に基づいて、前記マニピュレータを駆動するマニピュレータ駆動手段と、
    前記独立補助装置経路方程式によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢に基づいて、前記補助装置を駆動する補助装置駆動手段と
    を備えることを特徴とする工業用ロボット。
  2. 前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢の時系列変化と同期するように前記補助装置の位置及び姿勢の時系列変化を規定する従属補助装置経路方程式を計算する第3の経路算出手段を備え、
    前記座標変換手段は、前記独立補助装置経路方程式及び前記従属補助装置経路方程式のうちのいずれか一方によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢を使用して前記ツール経路方程式から算出される前記ワーク座標系における前記ツール先端の位置及び姿勢を前記ベース座標系におけるツール先端の位置及び姿勢に変換可能であり、
    前記補助装置駆動手段は、前記独立補助装置経路方程式及び前記従属補助装置経路方程式のうちのいずれか一方によって算出される前記補助装置の位置及び姿勢に基づいて、前記補助装置を駆動し、
    前記座標変換手段と前記補助装置駆動手段が前記独立補助装置経路方程式及び前記従属補助装置経路方程式のうちのいずれによって算出される前記補助装置の位置及び姿勢を使用するかを切り換える切換手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロボット。
  3. 前記補助装置を1台備え、前記マニピュレータを複数台備え、
    前記制御装置は、個々の前記複数のマニピュレータ毎に前記第1の演算手段、前記第2の演算手段、前記第1の経路算出手段、前記座標変換手段、前記逆キネマティクス処理手段、及び前記マニピュレータ駆動手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロボット。
  4. 前記補助装置として、前記ワークを保持し、かつ前記ワークを単一又は複数の軸周りに回転させるポジショナを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の工業用ロボット。
  5. 前記補助装置として、前記マニピュレータを保持し、かつ前記マニピュレータを単一又は複数の軸線方向に直進移動させるスライダを備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の工業用ロボット。
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