JP4864685B2 - スピーカ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スピーカユニットの背面側に放射される再生音を案内するための音道を備えたスピーカ装置に関する。
振動板の往復運動によって音波を発生させる形式のスピーカユニットは、スピーカユニット(振動板)の前面と背面に180度位相の異なる音波を放射する。このために双方の音波は空間において互いに干渉し合い、特に音波の波長の長い低音周波数領域では音圧が著しく低下して不自然な再生音となる。
スピーカユニットを備えたスピーカボックスは、この現象を回避するためにスピーカユニット前面と背面の双方に放射された音波の干渉を防ぐための手段であり、従来、平面バッフル形式、密閉箱形式、バスレフレックス形式及びバックロードホーン形式が代表的に製作されてきた。しかしながら、前述した各々の形式においても必ずしも満足な結果が得られているとは言えず、いくつかの課題がある。
平面バッフル形式は、低音域(数十ヘルツ〜百ヘルツ程度)の再生周波数帯域で満足できる音圧を得ようとすると、スピーカユニット前面と背面の双方の空間に放射された音波の干渉を防ぐために、その再生周波数の波長に見合うだけの長さを持った大面積の平面板(数メートル四方)を必要とし巨大化する。
この欠点を回避して実用的な大きさで満足できる再生帯域を得る方法として、スピーカユニット背面の空間を密閉する密閉箱形式のスピーカボックスが考案されてきた。しかし密閉箱形式のものは低音域から高音域まで比較的に自然な音色が得られるものの、低音域部の再生周波数帯域においては共振の原理から密閉箱の容積が重要な要素となり、人の耳を満足させる音を得るためには大容積を必要とする。
そこで密閉箱のスピーカボックスにバスレフポートと呼ばれる共振管を設けることで、特定の周波数でボックス内を共振させて位相を反転した低音を放射させる、密閉箱形式よりは小体積で低音域部の再生を行うことができるバスレフレックス形式が開発された。
一方、前述とは別の方法で低音域部の音圧を高くする方式として、スピーカユニット背面に放射される音波の低音域を積極的に利用するためにスピーカユニット背面にホーンを設けて前面に導き、スピーカユニット前面から直接音と合成するバックロードホーン形式のスピーカボックスが開発されてきた。
密閉箱形式とバスレフレックス形式はスピーカユニット背面から放射される音波をスピーカボックス内に閉じ込めて外部に出ないようにするため、スピーカボックス内において音波の反射の抑制と減衰をさせる必要があり大量の吸音材例えばグラスウールやフェルト等の使用が不可欠となる。しかしこの吸音材はスピーカボックス内の一部を占有して内容積を減少させて低音域部の再生を不利にし、スピーカボックス自体の自然な減衰振動を阻害し、さらに本来放射されるべき音のエネルギーも吸収されることから音楽全体のディテールを損なうなどの弊害がある。
また、バックロードホーン形式はスピーカユニットの背面から放出される低音域の音波をホーンによって大きくし、スピーカユニット前面から放出される直接音に加えることで低域音の量感(音圧)を向上させている(非特許文献1)。しかしながら、充分な低域音の音圧を得るためには再生しようとする周波数の波長以上の長さのホーン(3〜5メートル)、及び音波を拡散放出するための大きな開口部が必要となり、小型化が困難となるだけでなくホーンを通って来る音波とスピーカユニット前面から放出される直接音との位相差も問題となってくる。
また、単にスピーカユニット背面にホーンを設けただけではスピーカユニットの背面から放出される中・高音域の音波もホーンを通ってスピーカボックス前面に放出されるために、スピーカユニット前面から放出される直接音と干渉して中・高域音の音質が損なわれてしまうことから、スピーカユニット背面及びホーン内壁面に吸音材を使用して中・高音域の音の放出を抑制するようにしている。
しかし、スピーカユニットの背面から放出された中・高音域の音波を吸音材によって完全に吸収することができず、吸収されなかった中・高音域の音波がホーン内で反射してホーンから出力されてスピーカユニット前面から放出される直接音と干渉するため、あるいは反射された音波による背圧でスピーカユニットがスムーズに動作できなくなるため、スピーカユニットから出力される本来の音質を聴くことができないという問題がある。また、吸音材を用いることは前述の密閉箱形式とバスレフレックス形式の場合と同様の弊害がある。
また、特許文献1には、具体的にホーンをボックス内で折り曲げた構成のバックロードホーン形式のスピーカボックスが開示されているが、上述の課題を解決するものではない。
長岡 鉄男、"バックロードホーン・スピーカとは何か"、〔online〕、〔平成18年6月5日検索〕、インターネット<URL:http://store.yahoo.co.jp/ryobi/backroadho.html> 特開平6−105385(段落0014、図1)
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸音材を用いることによる弊害(音質の低下)を改善すると共に、よりコンパクトな形で低音部の再生周波数帯域も拡大して、音楽のディテールを含む、より再現性の高い音を聴くことができるスピーカ装置を提供することにある。
本発明のスピーカ装置は、前面にスピーカユニットが設けられたスピーカボックスと、
前記スピーカユニットの背面側から放射される再生音を案内するために前記スピーカボックス内に屈曲して形成されている音道と、を備え、
前記音道は、先端に向かうほど横断面積が小さくなるように構成されると共に、前記スピーカユニットの最低共振周波数の音波に共鳴してその音圧を増大させるために前記最低共振周波数に見合う長さに設定されていることを特徴とする。
また他の発明のスピーカ装置は、前面にスピーカユニットを備えたスピーカボックスと、
前記スピーカユニットの背面側の再生音を案内するために前記スピーカボックス内に屈曲して形成されている音道と、を備え、
前記音道は、先端に向かうほど横断面積が小さくなるように構成され、
前記音道の上流側を構成する部材の比重は、前記音道の下流側を構成する部材の比重よりも小さいことを特徴とする。
前記音道は、先端に近づくにつれて横断面積の減少率が小さくなるように構成することが好ましい。この場合、前記減少率が指数関数的に減少するように構成してもよいし、段階的に減少するように構成してもよい。
本発明の具体的な態様としては、前記音道は、長さ方向に複数に分割され、各分割領域における前記横断面積の減少率は一律な値に設定され、下流側の分割領域ものほど当該減少率が小さく設定されている例を挙げることができる。より具体的な態様としては、前記音道は、直線状に伸びる音道を複数回折り曲げて形成され、折曲部位同士または折曲部位と先端口との間における直線状の音道が前記各分割領域に相当する構成を挙げることができる。また前記音道の上流側を構成する部材の比重は、前記音道の下流側を構成する部材の比重よりも小さくすることが好ましい。また前記音道の先端部に吸音材を設けた構成とすることが好ましい。
本発明によれば、スピーカユニットの背面側の再生音を案内する先細りの音道を設けている。この音道は電気的にはローパスフィルタに相当し、その効果は流体力学でも知られている流体(空気)の粘性により生ずるもので、音道の径を先細りに小さくすると流体(空気)の粘性が無視できなくなり、音道壁にへばりついている流体(空気)との間で粘性による摩擦でエネルギーの散逸が生ずることから、音波吸収としての性質を持つようになる。この性質により音波は音道内を進行する内に徐々に中・高域音が減衰して行くことから、吸音材を使用しないかまたは少量の使用で不要なスピーカボックス内における中・高域音の反射を抑えることができる。
また、多量の吸音材を用いるとスピーカボックス自体の自然な減衰振動(響き)を阻害し、さらに本来放射されるべき音のエネルギーも吸収されてしまうことから、吸音材の使用量が少ないかあるいは使用しなければ結果として良好な音質が得られる。
また、この音道は低域音を共鳴させる共鳴管としても機能し、使用するスピーカユニットの最低共振周波数近傍の周波数に合わせて適切な長さに設定することにより、最低共鳴周波数の整数倍で生じる気柱共鳴による音道内の音圧増大を利用して、スピーカユニットからの音波の放出が増強されることで、低音域部の再生周波数帯域拡大にも寄与する。例えば、音道の最低共鳴周波数を100Hzとするためにはfx(共鳴周波数)=音速/4L(Lは音道の長さ)の式により音道の長さLを0.85mとすればよい。
また、音道の先端部に例えばグラスウールやフェルト等の吸音材を設けているので、音道の先端部に到達する音道内で完全に濾波しきれなかった位相遅れを伴う音波は、この吸音材によって吸収することができる。そのため音道の先端部が開口している場合には、スピーカユニット前面から放出される直接音に干渉する音波は音道の先端開口部から漏れ出るといったおそれがないことから、より再現性の高い音を聴くことができる。
また、音道は、先端に近づくにつれて横断面積の減少率が指数関数的に小さくなるように構成しているが、これは共鳴管として機能する際に、音道全体の横断面積の減少率を一律にして構成した場合よりも短い長さで同等の効果が得られる。そしてこの音道はスピーカボックス内に屈曲して形成されているため、スピーカボックスをコンパクトに構成することができる。
本発明の実施の形態であるスピーカ装置について図1から図3を参照しながら説明する。図1中の20は直方体形状のスピーカボックスであり、当該スピーカボックス20はバッフル板21と、天板22と、2個の側板23と、底板24と、背板25とから構成されている。前記バッフル板21の上部側には再生音を出力するスピーカユニット3が設けられている。
前記スピーカボックス20内には、スピーカユニット3の背面側から放射される再生音を案内するための音道8が形成されている。
この音道8の概ねの形状については、スピーカユニット3の背面側から後方に横に伸び、次いで下方に下り曲がってスピーカボックス20の底部に向かい、更に前方側に折れ曲がって上方に向かい、そして再び前方に折れ曲がって下方に向かい、先端がスピーカボックス20の前面にて外部に開口する形状になっている。このような形状の音道8を形成するために、スピーカボックス20内には前記スピーカユニット3の背面側から放射された再生音を導くための音導部材である案内部材が設けられている。
これら案内部材について図1及び図3を参照しながら述べると、バッフル板21におけるスピーカユニット3の少し下方側から横幅一杯に第1案内部材40が水平よりも少し上向きに後方側(スピーカボックス20の背面側)に伸び、バッフル板21とスピーカボックス20の背面との間の略中央位置にて下方側に屈曲し、第2案内部材50としてスピーカボックス20の底板24付近まで下方側に向かって伸びている。そして第2案内部材50の下端から前方側に屈曲してバッフル板21に向かって第3案内部材51として少し伸び、更に上方側に屈曲して第4案内部材52として前記第1案内部材40の後端近傍まで伸びている。さらにバッフル板21と第4の案内部材52との間には、スピーカボックス20の底板24から第1の案内部材40の近傍まで延びる第5案内部材53が設けられている。
従って、スピーカボックス20の天板22、背板25及び底板24と、第1案内部材40、第2案内部材50及び第3案内部材51との間で、スピーカユニット3の背面側から後方に横に伸び、次いで下方に折れ曲がってスピーカボックス20の底部に向かい、更に前方側に折れ曲がる音道8が形成される。さらに第4案内部材52、第5の案内部材53、第1案内部材40の裏面及びバッフル板21によって、第3案内部材51の下方側の音道8が、更に上方に向かい、そして再び前方側に折れ曲がって下方に向かい、先端がスピーカボックス20の前面の下方側にて外部に開口する構成となる。この例では音道8の先端を開口した構成としているため図2に示すようにバッフル板21の下方側に開口部71が形成さるが、この開口部71は後述するように低域音の拡散放射を目的としたものではないため、前記開口部71を塞ぐことによって音道8の先端を閉口した構成としてもよい。
またこの音道8の折り曲げ部位であって、外周側の各隅部には、スピーカユニット3の背面から放出される音である進行波を概ね90度向きを変えるように方向規制用の案内面部60,61,62,63,64が傾斜して夫々設けられている。また図1に示すようにこの例では前記バフル板21の下部に形成された前記開口部71を塞ぐようにして例えばグラスウールやフェルト等の吸音材26が設けられており、このような構成にすることで後述するようにスピーカボックス20前面の下部の開口部71から漏れ出る音道8内で濾波しきれなかった位相遅れを伴う音波の直接音への干渉を防いでいる。なお、この吸音材26は前記開口部71から覗く第5案内部材53の壁面に設けてもよい。このようにして上述した音道8の先端部に吸音材26が設けられることになる。
また既述のようにスピーカボックス20内にはスピーカユニット3の背面側から略水平に後方に向かう音道8からスタートして、音道8が順次屈曲し、こうして折り畳まれることにより直線領域が分割された形態となっている。そこで分割された各直線領域(分割領域)を図4に示すように上流側から順次N0、N1、N2、N3、N4の符号を割り当てることにする。なお、音道8が屈曲している部分は、これら直線領域から除かれている。これら直線領域N0〜N4は、全体として下流側に進むにつれて音道8の横断面積が小さくなるように、且つその横断面積の減少率が小さくなるように案内部材40,50,51,52,53の傾斜の度合が設定されている。
ここで図4に示すようにN0領域の入口側の横断面S0の面積は例えば685cm、N0領域の出口側の横断面S0´の面積は例えば627cm、N1領域の入口側の横断面S1の面積は例えば551cm、N1領域の出口側の横断面S1´の面積は例えば326cm、N2領域の入口側の横断面S2の面積は例えば298cm、N2領域の出口側の横断面S2´の面積は例えば282cm、N3領域の入口側の横断面S3の面積は例えば260cm、N3領域の出口側の横断面S3´の面積は例えば164cm、N4領域の入口側の横断面S4の面積は例えば151cm、N4領域の出口側の横断面S4´の面積は例えば91cmに設定されている。また各直線領域N0〜N4における各々の横断面積の減少率は、N0=5.8cm/cm、N1=3.75cm/cm、N2=2.0cm/cm、N3=1.83cm/cm、N4=1.03cm/cmである。この減少率の求め方については、各直線領域N0〜N4の入口の横断面S1〜S4の面積と出口の横断面S0´〜S4´の面積の差を求め、この差を、入口の横断面から出口の横断面までの距離で割ることにより計算している。例えば直線領域N0であれば(S0´−S0)/L0、直線領域N1であれば(S1´−S1)/L1として求めている。なお、横断面及びその面積は便宜上同符号としてある。
また図5は、直線領域N0の入口つまりスピーカユニット3の背後から直線領域だけを繋げたときの音道8の道のりを横軸に取り、各直線領域N0〜N4の横断面積を縦軸に取って表した概念的なグラフである。この図5から分かるように各直線領域N0〜N4は各々直線的に横断面積が減少していると共に、その減少の程度が下流側の直線領域のものほど小さくなっている。即ち、各領域における音道8の横断面積の減少率は指数関数を直線近似した一律な値に設定されており、下流側の領域ものほど音道8の横断面積の減少率が小さく設定されている。
またこの例では、音道8の直線領域N0〜N4と音道8の屈曲している部分とを合わせた音道8の長さLを例えば2.4mに設定してある。この音道8の長さLは、案内部材40,50,51,52,53及び案内面部60,61,62,63,64の長さ及び傾斜角度を調整することで決定される。音道8の長さLを調整することで、後述するように共鳴周波数を任意に設定することができる。例えば共鳴周波数を100Hz以下とするためには、fx(共鳴周波数)=音速/4L(Lは音道の長さ)の式により音道8の長さLを0.85m以上とする必要がある。このように使用するスピーカユニット3の最低共振周波数近傍の周波数に合わせて音道8を適切な長さに設定することで、最低共鳴周波数の整数倍で生じる気柱共鳴の最も音圧の高い第1次共鳴周波数から数次の共鳴周波数を利用し、音道8内の音圧を増大させて、スピーカユニット3からの最低共振周波数近傍の音波放出量の増強により低音域部の再生周波数帯域を拡大させることができる。
またスピーカユニット3の背面から放出される中・高域音は、スピーカユニットの背面近傍では大きなエネルギーを有しているため、案内面部60として比重が例えば0.3〜0.5の部材を使用することで、最も上流側の直線領域N0の音道8を通った中・高域音を案内面部60によって向きを下向きに変える際に、当該エネルギーを適切な吸収率で吸収し、中・高域音の反射を抑えるようにしている。また音道8の下流側の領域を構成する部材に関しては、後述するように中・高域音は音道8の下流側に向かうに従って徐々に減衰していくことから、低域音の吸収が少ない部材が好ましく、例えば比重が0.5〜0.8の部材が用いられる。
また、スピーカボックス20を構成する部材はどんなに密度が高く比重の大きな硬いものでも、共振による音を出さないものは皆無と言って過言ではなく、特有の音質、音色が伴う。そこで、バッフル板21と、音道8の上流側の領域を構成する部材、具体的には天板22、第1案内部材40、案内面部60、第2案内部材50及び背板25と、音道8の下流側の領域を構成する部材、具体的には案内面部61、底板24、第3案内部材51、案内面部62、第4案内部材52及び第5案内部材53と、の3つの部材群に分け、部材群別に部材の比重を調整することで、部材固有の音質、音色を分散させスピーカ装置から出る音が自然な響きとなるように最適な反射と吸収が行われるようにすることが望ましい。この例では、具体的には、前記バッフル板21の比重は例えば0.45〜0.55、音道8の上流側の領域を構成する部材の比重は例えば0.3〜0.5、音道8の下流側の領域を構成する部材の比重は例えば0.5〜0.8にある。
次に上述の実施の形態の作用について説明する。先ず、前記スピーカユニット3の前面から再生音が出力されるに伴って前記スピーカユニット3の背面からは、前面とは180度位相が異なる低域音例えば最低共振周波数〜100Hz、中・高域音例えば100Hz以上が放出される。
前記音道8の径は上述したように音道8の上流側から下流側に向かうに従って小さくなっている。音道8の径が小さくなると流体の粘性により音道8の壁面に摩擦抵抗が生じてくる。つまり音道8の径が小さくなるに従って音道8の壁面に生じる摩擦抵抗が大きくなる。この効果は音波吸収としての性質を持っているため、音道8の径が小さいほど低い帯域の音波が吸収される。従って前記音道8を電気的に示すと図6のように多段のローパスフィルタが構成された格好となり、音道8の位置によって周波数帯の吸収反応が異なることになる。また音道8が長ければ長いほど低い帯域までも吸収される。そのため前記スピーカユニット3の背面から放出された音波が奥に進んで行くと、先ず、音道8の上流側で中・高域音の音波が吸収され、続いて音道8の下流側で低域音の音波が吸収される。また前記音道8は共鳴管としても機能するため、この例では使用するスピーカユニット3の最低共振周波数36Hzに合わせて、指数関数的に横断面積が減少する長さ2.4mの音道8に設定してあるので、最も音圧の高い第1次の気柱共鳴周波数36Hz及び72Hz、108Hz等による音道8内の音圧増大を利用して、スピーカユニット3からの最低共振周波数近傍の音波放出を増強することから、低音域部の再生周波数帯域の拡大がなされる。また音道8内で完全に濾波しきれなかった音波は音道8の先端開口部71に到達し、当該音波は前記吸音材26によって吸収される。
以上のことから上述の実施の形態によれば、スピーカユニット3の背面音の進行方向出口側に向かって先細りにする音道8を設けることで、流体の粘性がもたらす効果によって生じるエネルギーの散逸を利用して背面からの中・高域音を吸収し、中・高域音の反射が起こらないようにしているため、スピーカユニット3から出力される直接音に中・高域音が干渉するといったおそれもなく、またスピーカユニット3が反射してきた音波の影響を受けずにスムーズに動作することから、音楽のディテールを含む、より再現性の高い音を聴くことができる。
また、部材群別に異なる比重の部材を組み合わせることで部材固有音を分散させ、響きの良さを考慮に入れた音道8にはグラスウールやフェルト等といったバックロードホーンでは不可欠な多量の吸音材を使用していないため、スピーカボックス20自体の自然な減衰振動(響き)を確保でき、本来放射されるべき音のエネルギーが吸収されるといったおそれもないことから、結果として良好な音質が得られる。
また、この音道はローパスフィルタとして機能するので低域音(例えば100Hz以下)を減衰させることなく、逆に低域音を共鳴させる共鳴管としても機能し、使用するスピーカユニット3の最低共振周波数近傍の周波数に合わせて適切な長さに設定することにより、最も音圧の高い第1次の気柱共鳴周波数36Hz及び72Hz、108Hz等による音道8内の音圧増大を利用して、スピーカユニット3からの最低共振周波数近傍の音波放出を増強することから、低音域部の再生周波数帯域拡大にも寄与することができる。
また、図1に示すようにバッフル板21の下部に形成された前記開口部71を塞ぐようにして例えばグラスウールやフェルト等の吸音材26を設けているので、音道8の先端開口部71に到達する音道8内で完全に濾波しきれなかった位相遅れを伴う音波はこの吸音材26によって吸収することができる。そのためスピーカユニット前面から放出される直接音に干渉する音波は音道8の先端開口部71から放出されるといったおそれがないことから、より再現性の高い音を聴くことができる。
また前記音道8は、スピーカボックス20内にて、直線状に伸びる音道8を複数回折り曲げ、音道8の道のりと横断面積の減少率との関係において、指数関数を直線近似して各直線領域N0〜N4における横断面積の減少率を設定しているため、前記音道8が共鳴管として機能する際に、音道8全体の横断面積の減少率を一律にして構成した場合よりも短い長さで同等の効果が得られると共に、スピーカボックス20をコンパクトに構成することができる。
また上述の実施の形態では、上述した部材を用いて音道8を5つの直線領域(N0,N1,N2,N3,N4)に分割して形成することで、音道8の横断面積の減少率を段階的に減少させているが、さらに多数の案内部材を用いて前記音道8を分割する直線領域を増やすことで、音道8の横断面積の減少率を連続して小さくするようにしてもよい。また音道8を分割する5つの直線領域を構成する案内部材40,50,51,52,53及び案内面部60,61,62,63,64を湾曲させることで音道8の横断面積の減少率を指数関数的に小さくするようにしてもよい。
本発明は、実際に図1及び図2の構成のスピーカ装置を組み立て、当該発明者及びパネラーに頼んで当該スピーカ装置のスピーカユニット3から出力される再生音を聴いてもらったところ、従来のスピーカ装置よりも良質な音が得られることを確認している。
本発明の実施の形態に係るスピーカ装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係るスピーカ装置を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係るスピーカ装置を示す概略横断面図である。 上記スピーカ装置において、音道の横断面積を示す説明図である。 上記スピーカ装置において、各領域における音道の横断面積の減少率を示す説明図である。 上記スピーカ装置において、音道の機能について説明した説明図である。
符号の説明
20 スピーカボックス
21 バッフル板
22 天板
23 側板
24 底板
25 背板
26 吸音材
3 スピーカユニット
40 第1案内部材
50 第2案内部材
51 第3案内部材
52 第4案内部材
53 第5案内部材
60,61,62,63,64 案内面部
71 開口部
8 音道

Claims (6)

  1. 前面にスピーカユニットを備えたスピーカボックスと、
    前記スピーカユニットの背面側の再生音を案内するために前記スピーカボックス内に屈曲して形成されている音道と、を備え、
    前記音道は、先端に向かうほど横断面積が小さくなるように構成されると共に、前記スピーカユニットの最低共振周波数の音波に共鳴してその音圧を増大させるために前記最低共振周波数に見合う長さに設定されていることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 前記音道は、先端に近づくにつれて横断面積の減少率が小さくなることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  3. 前記音道は、長さ方向に複数に分割され、各分割領域における前記横断面積の減少率は一律な値に設定され、下流側の分割領域ものほど当該減少率が小さく設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ装置。
  4. 前記音道は、直線状に伸びる音道を複数回折り曲げて形成され、折曲部位同士または折曲部位と先端口との間における直線状の音道が前記各分割領域に相当することを特徴とする請求項3に記載のスピーカ装置。
  5. 前面にスピーカユニットを備えたスピーカボックスと、
    前記スピーカユニットの背面側の再生音を案内するために前記スピーカボックス内に屈曲して形成されている音道と、を備え、
    前記音道は、先端に向かうほど横断面積が小さくなるように構成され、
    前記音道の上流側を構成する部材の比重は、前記音道の下流側を構成する部材の比重よりも小さいことを特徴とするスピーカ装置。
  6. 前記音道の先端部に吸音材を設けたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載のスピーカ装置。
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