JP4864670B2 - 表面処理金属板及び表面処理金属板の製造方法 - Google Patents

表面処理金属板及び表面処理金属板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、6価クロムを使用しない表面処理金属板に関する。また、金属表面処理剤を使用した表面処理金属板の製造方法に関する。
容器、自動車、家電、建材等の種々の用途で使用されるめっき金属板や金属板には、意匠性、耐食性、絶縁性等の様々な特性発現を目的として、塗装、ラミネート等の処理が施される。
これら金属板表面には下地処理として、金属クロムとクロム水和酸化物の析出処理やクロメート処理等を施すことがある。前者は所謂ティンフリースチールで塗装密着性、耐食性、塗装後耐食性などの缶の要求性能をバランス良く満足させることから、飲料缶等の広い範囲で用いられている。また、後者は金属板を重クロム酸溶液中に浸漬もしくは電解し酸化クロム被膜が形成されることにより、塗装密着性、耐食性が向上することから幅広い分野、用途で用いられてきた。
しかしながら、近年、地球環境問題への関心が高まり、6価クロムを使用しないことが望まれるようになり、6価クロムを使用しない被膜で6価クロムを使用した被膜と同等の性能発現を目指して様々な処理が開発されているが、十分な特性が得られていない。なお、ここで6価クロムの使用とは、製造工程で6価クロムを使用すること、被膜中に6価クロムを含有することを意味する。
例えば、特許文献1には、ティンフリースチールを代替できるクロムフリー技術として、冷延鋼板を基材とし、鉄素地と反応し不働態被膜を形成させるタンニン酸と塗装密着性向上に寄与するシランカップリング剤とを含有する化成処理液中に基材を浸漬もしくはスプレーし、複合被膜を形成し、塗装密着性、耐食性の向上を図る技術が開示されている。しかしながら、冷延鋼板上に形成した複合被膜は、従来の6価クロムを用いて形成した被膜と比較して十分な性能とはいえない。
特許文献2には、アルミニウム用として、ジルコニウムの酸化物、酸素酸塩、有機酸塩及びフルオロ錯塩の少なくとも1種にジルコニウムと反応性を有する架橋性樹脂と親水性樹脂を含む防錆処理剤が開示されている。この処理剤の場合、親水性樹脂の耐水性不足を補うために架橋性樹脂が必須成分であり、これによって造膜性が付与されて非常に強固な樹脂被膜が形成される一方で、無機成分であるジルコニウム量の比率が下がるため耐食性が十分ではない。
これらの技術に対し、特許文献3に開示されている、金属イオンとフッ素イオンの錯イオンを含む溶液に金属材料を浸漬、あるいは電解することで形成される、クロムを含まない金属酸化物や金属水酸化物等の無機被膜は、耐食性に優れ、その上層に施す樹脂との密着性にも優れている。
特開2002−275641号公報 特開2000−282267号公報 WO2003/048416号公報
前述のように金属イオンとフッ素イオンの錯イオンから形成されるような金属酸化物や金属水酸化物の無機被膜を被覆した金属板は、耐食性および樹脂との密着性に優れているが、通常、金属酸化物や金属水酸化物は電気絶縁性が高く、そのために金属酸化物や金属水酸化物の無機被膜を被覆した金属板の溶接性が低くなる。
従来のティンフリースチール等のクロム水和酸化物を上層に有する金属板においても、その電気抵抗が大きいことにより、一般に溶接性が低く、溶接する際に機械的、化学的にクロム水和酸化物層を除去する必要があった。溶接性を向上させるためには、無機被膜を薄くすることが考えられるが、十分な耐食性が得られなくなる。もちろん、無機被膜を厚くすると耐食性に優れるが、溶接性が低下することになる。
すなわち、6価クロムを使用しない金属イオンとフッ素イオンの錯イオンから形成されるような金属酸化物や金属水酸化物の無機被膜を被覆した金属板は、耐食性および上層に形成する樹脂層との密着性に優れているが、さらに溶接性にも優れた無機被膜は開発されておらず早急な解決が望まれていた。
本発明は、このような状況を鑑みたものであり、6価クロムを使用しない無機被膜で優れた塗装密着性と耐食性を有するものであって、かつ優れた溶接性を有する被膜を持つ表面処理金属板を提供することを目的とし、さらには前記表面処理金属板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決する手段を鋭意検討した結果、クロムを除く金属aの金属層Aとその上層にクロム及び金属aを除く金属bの水酸化物、酸化物、あるいは前記水酸化物と前記酸化物の混合物からなる層Bを有し、該層Bに前記金属層Aと同種の金属aを含有するものが、高い塗装密着性と高い耐食性で、さらに優れた溶接性を有することを見出し、本発明に至った。
本発明の趣旨とするところは以下の通りである。
(1)金属板表面上に、クロムを除く金属aの金属層A、さらにその上層にクロム及び金属aを除く金属bの水酸化物、酸化物、あるいは前記水酸化物と前記酸化物の混合物からなる層Bを有し、該層Bに前記金属層Aと同種の金属aを含有する表面処理金属板であって、前記金属層Aと層Bは、クロムを除く金属b及び該金属bに対してモル比で少なくとも6倍のフッ素を含有する錯イオンと、クロムを除き、かつ該金属bと異なる金属aの金属イオンであって、該金属bに対してモル比で2倍以上10倍以下の金属イオンとを含む金属表面処理剤中で金属板をカソード電解して、金属板表面上に形成されたものであることを特徴とする表面処理金属板。
(2)前記金属層Aの平均厚さが、1nm以上1μm以下であることを特徴とする(1)に記載の表面処理金属板。
(3)前記金属層Aの金属aがコバルト、ニッケル、銅、スズから選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の表面処理金属板。
(4)前記層Bの平均厚さが、1nm以上1μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の表面処理金属板。
(5)前記層Bに含有する金属aが、層B中の総金属元素換算に対して0.1at%以上50at%未満含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の表面処理金属板。
(6)前記層Bの金属bが、ケイ素、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の表面処理金属板。
クロムを除く金属b及び該金属bに対してモル比で少なくとも6倍のフッ素を含有する錯イオンと、クロムを除き、かつ該金属bと異なる金属aの金属イオンであって、該金属bに対してモル比で2倍以上10倍以下の金属イオンとを含む金属表面処理剤中で金属基材をカソード電解して被膜を形成することを特徴とする表面処理金属板の製造方法。
(8)前記金属表面処理剤が、pHが2以上4以下であることを特徴する(7)に記載の表面処理金属板の製造方法。
(9)前記金属表面処理剤の前記フッ素を含有する錯イオンの金属bが、ケイ素、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする(7)又は(8)に記載の表面処理金属板の製造方法。
(10)前記金属表面処理剤の前記金属イオンの金属aがコバルト、ニッケル、銅、スズから選ばれる1種以上からなることを特徴とする(7)〜(9)のいずれかに記載の表面処理金属板の製造方法。
本発明によれば、6価クロムを使用しない環境負荷の低い被膜であって、塗装密着性と耐食性に優れ、さらに溶接性に優れた被膜を有する表面処理金属板を提供できる。また、本発明の前記表面処理金属板の製造方法によれば、金属層Aと金属酸化物や金属水酸化物の層Bの2層構造被膜を1工程で効率よく作製でき、さらに、金属層Aと同種の金属aを含む層Bが形成できる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明者らは、鋭意検討した結果、金属板の表面上に金属層A、該金属層Aと同種の金属aを含有する層Bを有する表面処理金属板が、塗料密着性および耐食性を低下させることなく、優れた溶接性が得られることを見出した。この機構については、次のように推定している。
水酸化物、酸化物、あるいは水酸化物と酸化物の混合物からなる層Bに下層の金属層Aと同種の金属aが含有されることで、次のような顕著な効果が生ずる。絶縁性の無機層Bに導電性の金属を分散して含有されることで、層Bに金属が存在しない場合に比べて、層Bの電気抵抗が低くなり、溶接性が向上するものである。
層Bの電気抵抗を単に下げるだけであれば、分散する金属はどのようなものでもよいが、金属層Aと異種の金属を上部層Bに分散すると局部セルが形成され、耐食性が低下する。すなわち、層Bに含まれる金属を金属層Aと同種の金属aにすることによって、局部セルの形成を防止でき、高い耐食性を示す。さらに局部セル形成の防止による耐食性に加えて、金属表面上に金属層Aがあることで優れた耐食性を示す。
また、その上層にある水酸化物、酸化物、あるいは水酸化物と酸化物の混合物からなる層Bは、必要に応じて、その上に形成される有機樹脂層と化学結合や水素結合等で強固な結合を形成できるために、優れた塗装密着性を示す。さらに、層Bは、バリヤ性の高い酸化物や水酸化物の無機膜であるために、耐食性の向上にも寄与している。なお層厚にも依るが、耐食性、溶接性、密着性をバランス良く発現するのは、金属aが無機層Bに無機層Bの平均厚さの1/10以下のサイズで微分散している場合である。
金属層Aの平均厚さは1nm以上1μm以下が好ましい。1nm以下では被覆率が100%未満の場合があり耐食性が不十分となることがある。また、1μm超の場合、耐食性が飽和し経済的ではない。ここで平均厚さとは1000倍〜20万倍程度の断面SEM観察又は断面TEM観察において、任意の10視野で測定された膜厚の平均値を意味する。
金属層Aを構成する金属aは、水系から電析可能な金属が好ましく、より好ましくは容易に電析するコバルト、ニッケル、銅、亜鉛、スズであり、さらに好ましくは標準電極電位が高いコバルト、ニッケル、銅、スズである。金属層Aには酸化物、フッ化物等の化合物が含まれていても良い。
水酸化物、酸化物、あるいは水酸化物と酸化物の混合物からなる層Bの平均厚さは1nm以上1μm以下が好ましい。1nm以下では被覆率が100%未満の場合があり塗装密着性が不十分となることがある。また、1μm超の場合、塗装密着性が飽和し経済的ではないし、低下する場合もある。なお、塗装密着性とは塗装やラミネート等により形成された有機樹脂層との密着性を意味する。
層Bに含有する金属aは、層B中の総金属元素換算に対して0.1at%〜50at%が好ましい。0.1at%未満では溶接性が不十分な場合があり、50at%超では塗装密着性を低下させる場合がある。
層Bを構成する水酸化物、酸化物の金属種は特に限定するものではないが、鉄、マグネシウム、ニオブ、タンタル、アルミニウム、ニッケル、コバルト、チタン、ジルコニウム、ケイ素等が挙げられる。また、1種類の金属で構成されていても良いし、2種類以上の複合系、混合系、積層でもよい。好適な金属は、ケイ素、チタン、ジルコニウムである。これらは耐食性が優れており、高バリヤ性に起因するものと推測されるが、その詳細な機構は不明である。
次に、金属板表面上に層AとBを形成するための金属表面処理剤について述べる。
金属bと該金属bに対してモル比で少なくとも6倍のフッ素を含有する錯イオンは、その金属酸化物と平衡反応を形成し、その平衡のずれにより層Bを形成する。前記フッ素が6倍未満では、後述する層Bを形成する錯イオンのpH緩衝作用が有効に働かずに金属aのイオンの還元により層Aが適切に形成されない場合がある。さらには、その上層に金属酸化物、金属水酸化物が適切に析出しない場合がある。6倍以上のフッ素であれば、成膜のためのpH緩衝作用、基材表面を活性化させる液中フッ素イオン濃度への効果等で、好適な金属酸化物や金属水酸化物被膜を形成できるとともに、共存する金属aのイオンの還元により層Aが形成される。
前記錯イオンとしては、例えば、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロニオブ酸、ヘキサフルオロタンタル酸、ヘキサフルオロジルコニウム酸等、あるいはこれらの塩、例えば、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等を用いることができ、これらに関して特に制約はない。さらに、金属とフッ素以外の元素が錯イオン中に含まれていてもよい。濃度範囲は適宜設定すればよい。
また、金属層Aを形成する金属aの金属イオンaは、金属bに比してモル比で2倍以上10倍以下が好ましい。2倍未満では層Bに金属aが含有されない場合がある。10倍より大きい場合は層Bの形成を阻害する場合がある。
金属表面処理剤のpHは2以上4以下が好ましい。処理液pHが2未満では水素発生反応が活発に起こり、成膜量が安定しない場合がある。一方、4より大きい場合は、金属イオンaと錯イオンが共存することが難しくなり、溶液が不安定で凝集したものが析出する場合がある。pH調整は、アンモニア水、フッ酸等を用いる等の周知の方法でよく、特に制約はない。
金属板を上述の金属表面処理剤に浸漬して電解する場合、電解条件は特に限定されず、反応温度や反応時間等の諸条件を適宜設定すればよい。例えば、電解する際の電流密度は、0.1A/dm2〜50A/dm2が好ましい。電解する際の反応温度は、常温〜80℃が好ましい。電解する際の反応時間は、目的とする成膜量に応じて設定すれば良いが生産性を考慮すると1秒〜60分間が好ましい。また、金属板の前処理等について特に制約はないが、脱脂した表面、スケールが除去された表面が好ましい。
層A及び層Bの成膜機構は推定ではあるが、次の通りである。まず、層Bを形成する錯イオンのpH緩衝作用が有効に働き、金属aのイオンの還元により層Aが形成される。その後、金属aのイオンの還元が起こりながら、錯イオンから層Bが形成され、金属aが層Bに取り込まれる。その結果、金属表面上に、金属aの金属層A、さらにその上層に金属bの水酸化物や酸化物の層Bが形成され、該層Bに前記金属層Aと同種の金属aが含有した被膜組織が形成される。したがって、本発明の金属表面処理剤を使用した製造方法では、金属表面に金属被膜と、金属酸化物や金属水酸化物被膜を1工程で製造できる。
本発明に適用できる金属板は、例えば、冷延鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム又はアルミニウム合金板、亜鉛メッキ鋼板等の例えば各種金属・合金、各種金属表面処理材等であり、特に限定されない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
表1、2に諸条件を示す。金属板はアセトン中で超音波脱脂処理を施した冷延鋼板を使用した。金属表面処理剤は、金属層A及び層Bに含有する金属aとしてニッケル、銅、亜鉛、スズ、スズ−コバルトの塩を用い、また、層Bの金属bとしてチタン、ジルコニウム、ケイ素、ニオブのヘキサフルオロ錯塩水溶液、タンタルのヘプタフルオロ錯塩水溶液を用いて、必要に応じてアンモニウム水、フッ酸を用いてpHを調整した処理剤を用いた。金属板を上記処理剤中で電流密度を0.1〜10A/dm2に制御して1〜100秒間カソード電解を行い、成膜後、水洗し乾燥した。
実験No.1は0.1mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液に基材を浸漬し、銅板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.2〜12は0.1mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム水溶液に0〜1mol/Lになるように硫酸銅を添加、基材を浸漬し、銅板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.13〜24は0.1mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液にニッケルのモル濃度が0.11〜1.1mol/Lになるように硫酸ニッケルと塩化ニッケルを添加し、pH2〜4に調整後、基材を浸漬し、ニッケル板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.25〜33は0.1mol/Lヘキサフルオロニオブ酸アンモニウム水溶液にニッケルのモル濃度が0.11mol/Lになるように硫酸ニッケルと塩化ニッケルを添加し、pH2〜4に調整後、基材を浸漬し、ニッケル板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.34〜42は0.01mol/Lヘプタフルオロタンタル酸アンモニウム水溶液にニッケルのモル濃度が0.011mol/Lになるように硫酸ニッケルと塩化ニッケルを添加し、pH2〜4に調整後、基材を浸漬し、ニッケル板を対極として電解を行い、成膜した。なお、硫酸ニッケルと塩化ニッケルのモル比は10:1とした。
実験No.43は0.001mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.001mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.44は0.01mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.001mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.45は0.1mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.001mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.46は0.001mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.01mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.47は0.01mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.01mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.48は0.1mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.01mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.49は0.001mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.1mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.50は0.01mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.1mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.51は0.1mol/Lヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム水溶液に0.1mol/Lになるように硫酸亜鉛を添加しpHを2に調整後、基材を浸漬し、亜鉛板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.52〜54は0.1mol/Lヘキサフルオロチタン酸アンモニウム水溶液に0.1mol/Lになるように硫酸スズを添加、基材を浸漬し、スズ板を対極として電解を行い、成膜した。
実験No.55〜57は0.1mol/Lヘキサフルオロチタン酸アンモニウム水溶液に0.3mol/Lの塩化コバルト及び0.3mol/Lのフッ化スズを添加、基材を浸漬し、スズ板を対極として電解を行い、成膜した。
これらの被膜の膜厚は成膜時間によって制御した。断面TEM(高分解能透過型電子顕微鏡)観察及びEDS(エネルギー分散型X線分析)測定により、A及びB層の積層構造及び金属aを確認した。なお、実験No.55〜57についてはA層及び金属aがコバルト及びスズの2種類からなることを確認した。膜中の含有元素はX線光電子分光法によって定量した。
断面TEM観察では、B層中に含有された金属aの平均サイズは、実施例No.2〜12では5〜50nmの範囲でそれぞれB層の膜厚の1/20〜1/40のサイズであり、実施例No.13〜33では10〜60nmの範囲でそれぞれB層の膜厚の1/10〜1/30のサイズであり、実施例No.34〜42では1〜5nmの範囲でそれぞれB層の膜厚の1/10〜1/20のサイズであった。また、実施例No.43〜51ではB層中に含有された金属aの平均サイズが0.5〜50nmの範囲、実施例No.52〜57ではB層中に含有された金属aの平均サイズが5〜50nmの範囲であった。
比較例として、No.58はクロム付着量が20mg/m2となるように塗布型クロメート処理剤を塗布、乾燥した。さらに、比較例としてNo.59、60はそれぞれティンフリースチール、冷延鋼板である。
平板部の耐食性試験は以下の条件で評価した。35℃、5質量%NaCl水溶液を噴霧し、72時間経過後の白錆発生率を測定し、4段階で評価した。
◎:錆発生率 0%
○:錆発生率 5%未満
△:錆発生率 5%以上、20%未満
×:錆発生率 20%以上
溶接性は、100mm×100mmの表面に対してロレスタ表面抵抗測定機を用いて表面抵抗を10回測定し、1mΩ以下の回数により4段階で評価した。
◎ : 10回
○ : 8〜9回
△ : 5〜7回
× : 0〜4回
有機樹脂層は以下のように形成した。No.1〜13、16、19、22〜25、28、31、34、37、40、43〜60はアクリル系エマルジョンを用いて塗装、乾燥してアクリル樹脂層を形成した。No.14、17、20、26、29、32、35、38、41はエポキシ樹脂エマルジョンを用いて塗装、乾燥してエポキシ樹脂層を形成した。No. 15、18、21、27、30、33、36、39、42はポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを熱圧着して形成した。なお、有機樹脂層は、形成後の厚さが15μmとなるように行った。
樹脂層との密着性は以下の条件で評価した。沸騰水に60分間浸漬した後、JIS K5400に記載されている碁盤目試験法に準拠して碁盤目を付けて、さらに7mmのエリクセン加工をした。その加工部に粘着テープ(セロハン(登録商標)テープ、ニチバン(株)製)を貼り付け、速やかに斜め45°の方向に引っ張って剥離させて、100個の碁盤目の内で剥離した碁盤目の数を数えた。剥離の程度により4段階で評価した。
樹脂層との密着性の評点は下記の通りである。
◎ : 剥離面積率25%未満
○ : 剥離面積率25%以上50%未満
△ : 剥離面積率50%以上75%未満
× : 剥離面積率75%以上
表1、2に得られた結果を示す。実験No.1の層Bに金属aが含有されない場合は、溶接性が不十分であるが、実験No.2〜57の層Bに金属aが存在する場合は、良好な溶接性を示した。また、本発明の金属板は、無処理、塗布クロメートとTFSに比して優れた性能バランスが確認された。また、本発明の金属板には6価クロムを含有していないので、クロメート処理に比べて環境負荷が小さいことは明らかである。
Figure 0004864670
Figure 0004864670

Claims (10)

  1. 金属板表面上に、クロムを除く金属aの金属層A、さらにその上層にクロム及び金属aを除く金属bの水酸化物、酸化物、あるいは前記水酸化物と前記酸化物の混合物からなる層Bを有し、該層Bに前記金属層Aと同種の金属aを含有する表面処理金属板であって、前記金属層Aと層Bは、クロムを除く金属b及び該金属bに対してモル比で少なくとも6倍のフッ素を含有する錯イオンと、クロムを除き、かつ該金属bと異なる金属aの金属イオンであって、該金属bに対してモル比で2倍以上10倍以下の金属イオンとを含む金属表面処理剤中で金属板をカソード電解して、金属板表面上に形成されたものであることを特徴とする表面処理金属板。
  2. 前記金属層Aの平均厚さが、1nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理金属板。
  3. 前記金属層Aの金属aがコバルト、ニッケル、銅、スズから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面処理金属板。
  4. 前記層Bの平均厚さが、1nm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面処理金属板。
  5. 前記層Bに含有される金属aが、層B中の総金属元素換算に対して0.1at%以上50at%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理金属板。
  6. 前記層Bの金属bが、ケイ素、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面処理金属板。
  7. クロムを除く金属b及び該金属bに対してモル比で少なくとも6倍のフッ素を含有する錯イオンと、クロムを除き、かつ該金属bと異なる金属aの金属イオンであって、該金属bに対してモル比で2倍以上10倍以下の金属イオンとを含む金属表面処理剤中で金属板をカソード電解して金属板表面上に被膜を形成することを特徴とする表面処理金属板の製造方法。
  8. 前記金属表面処理剤が、pHが2以上4以下であることを特徴する請求項7に記載の表面処理金属板の製造方法
  9. 前記金属表面処理剤の前記フッ素を含有する錯イオンの金属bが、ケイ素、チタン、ジルコニウムから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の表面処理金属板の製造方法
  10. 前記金属表面処理剤の前記金属イオンの金属aがコバルト、ニッケル、銅、スズから選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の表面処理金属板の製造方法
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