しかしながら、従来の遊技機では、振分装置における案内部材や回転体が所定の周期で移動(回転)しているので、その周期で遊技媒体が特定入賞口に振り分けられ易くなる。そのため、遊技媒体が始動口へ受入れられてから、開閉片が開いて進入した遊技媒体が振分装置に到達するまでの時間を基に、始動口に遊技媒体を受入れさせるタイミングを計り、そのタイミングで始動口に遊技媒体を受入れさせることで、遊技媒体が特定入賞口に振り分けられ易くして遊技を有利に進行させることが可能となるが、熟練者と初心者とでは、そのタイミングの取り方や遊技媒体の打ち込み操作等の技能レベルに差があるため、遊技者の技能レベルによって遊技に不公平感が生じる問題があった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、遊技者の技能レベルに関係なく公平に有利遊技状態を得られるようにして興趣が低下するのを防止することのできる遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域内に配置され前記遊技媒体が入賞可能とされた特定始動口と、
該特定始動口に前記遊技媒体が入賞したことを検出する特定始動検出手段と、
該特定始動検出手段による前記特定始動口への入賞検出に応じて、所定の特定抽選結果を抽選する特定抽選手段と、
該特定抽選手段の前記特定抽選結果に応じて複数の所要時間から所定の該所要時間を選択する所要時間選択手段と、
該所要時間選択手段により選択された前記所要時間に対応した長さの特定演出を少なくとも出力可能な演出出力手段と、
該演出出力手段により前記特定演出が出力され前記所要時間選択手段により選択された所定の前記所要時間が経過すると、前記特定抽選結果に応じて前記遊技媒体が入賞可能とされると共に前記遊技領域内の前記特定始動口とは異なる位置に配置された進入口と、
該進入口から進入した前記遊技媒体を受入れると前記遊技領域内へ戻すことなく外部へ排出可能とされた第一受入口及び第二受入口と、
前記第一受入口への前記遊技媒体の受入れにより遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
前記第一受入口及び前記第二受入口の何れかに前記遊技媒体を誘導するものとされ、所定の周期、且つ、所定の誘導確率で前記遊技媒体を前記第一受入口へ誘導可能とされた誘導手段と
を具備し、
前記遊技媒体が前記特定始動口に入賞した時点での前記第一受入口へ受入れられる確率を、前記誘導手段における前記第一受入口への誘導確率と略同じ確率とされている」ものであることを特徴とする。
ここで、「所要時間」としては、「少なくとも、誘導手段における第一受入口へ遊技媒体を誘導する所定の周期と、所定の誘導確率とに基づいて導かれる時間」、「誘導手段における所定の周期や、所定の誘導確率とは無関係に導かれる(設定された)時間」、等が挙げられ、予め記憶手段に記憶させたものでも良いし、所要時間選択手段により選択される際に演算して求めるものでも良い。
また、「特定演出」としては、演出画像、演出音響(例えば音楽)、演出画像と演出音響とを合わせたもの、等があり、特定演出を所定の演出音響(音楽)とした場合、「演奏する音楽の小節やフレーズで区切ることで、複数の各所要時間と対応するようにしたもの」、「演奏する音楽の前後に長さの異なるMC(Master of Ceremonies:コンサート等で曲と曲との間に入れるトーク)を挿入することで、複数の各所要時間と対応するようにしたもの」、等が挙げられる。また、特定演出を所定の演出画像とした場合、「キャラクタ等の動きに区切りを設けることで、複数の各所要時間と対応するようにしたもの」、「ストーリー性を持たせそのストーリーの区切りにより、複数の各所要時間と対応するようにしたもの」、等が挙げられる。
また、「演出出力手段」としては、「音楽、効果音、及び骨導音等の演出音響を出力するもの」、「キャラクタ、背景、及び図柄等を用いた演出画像を出力するもの」、等が挙げられ、「スピーカ」、「骨伝導ヘッドフォン」、「液晶ディスプレイ(LCD)」、「CRT」、「ドットマトリックス」、「発光ダイオード(LED)」、「7セグメントLED」、「エレクトロルミネセンス(EL)」、「蛍光表示管」、「白熱ランプ」、「プラズマディスプレイ(PDP)」、「レーザーディスプレイ」、等が挙げられる。
更に、「遊技媒体が入賞可能とされた進入口」としては、「進入口の上流側に一つの羽根片(開閉片)を設け、その羽根片を回動することで入賞可能とするもの」、「進入口の上流側に一対の羽根片を設け、それら一対の羽根片の自由端を互いに離反させることで入賞可能とし、互いに接近させることで入賞不能となるもの(例えば、チューリップ等)」、「進入口の上流側にスライド部材を設け、そのスライド部材がスライドすることで入賞可能となるもの」、等が挙げられる。
また、「誘導手段」としては、「第一受入口及び第二受入口に夫々対応し、遊技媒体を収容又は通過可能な溝若しくは孔を周方向に複数有した回転体からなるもの」、「第一受入口及び第二受入口を適宜(例えば列状)配置し、第一受入口等の何れか一つに遊技媒体を案内可能な案内部材を設け、第一受入口等と案内部材とをその配列方向に互いに相対移動させるようにしたもの」、等が挙げられる。
また、「遊技媒体が特定始動口に受入れられた時点での第一受入口へ受入れられる確率を、誘導手段における第一受入口への誘導確率と略同じ確率とする」ものとしては、「所要時間選択手段により選択対象となる複数の所要時間の数を誘導手段における誘導確率に対応した数とすると共に、夫々の所要時間を誘導手段における第一受入口へ遊技媒体を誘導する所定の周期と、所定の誘導確率とに基づいて導かれるものとし、複数の所要時間から均等な確率で所要時間選択手段により選択させるもの」、「遊技媒体が始動口に受入れられた時点での誘導手段の相対位置に基づいて、夫々の所要時間の選択確率を異ならせて所要時間選択手段により選択させるもの」、等が挙げられる。
更に、「有利遊技状態」とは、通常の遊技状態よりも遊技者に有利となる状態を意味するものであり、以下のような種々の状態を例示できる。
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される進入口(入賞口)を、所定回数繰返し開閉させたり、所定時間、あるいは遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させたりして、遊技媒体(遊技球)が多量に進入口に進入し易くした状態(所謂「大当り状態」)。
(2)パチンコ等の遊技機において、大当りに関する抽選の当選確率を通常よりも高確率として、大当り状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体の進入(入賞)や通過により大当り状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の抽選始動装置を、通常よりも遊技媒体が進入し易い状態とし、大当りの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
(4)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲームの間、遊技媒体であるメダルの払出しを行う態様にてリールが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
(5)パチスロ機等の遊技機において、次回以降のゲーム状態をボーナスゲーム状態にさせるための条件であるボーナス図柄にてリールを停止可能とした状態、所謂「ボーナス成立状態」。
(6)パチスロ機等の遊技機において、所定ゲーム数の間、役を成立させるためのリールの停止順序や図柄を案内する等して、役の成立を手助けする状態、所謂「アシストゲーム状態」。
(7)パチスロ機等の遊技機において、ボーナスゲーム状態、ボーナス成立状態、アシストゲーム状態等の特典状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
ところで、従来の遊技機では、振分装置において、所定の周期で遊技媒体が特定入賞口(第一受入口)に振り分けられ易くなっているので、始動口へ遊技媒体を打ち込むタイミングとなった時や、羽根が開いて進入口への入賞が可能となった時に、遊技媒体の打ち込み操作を行い、その他の時には打ち込み操作をしない(所謂、止め打ち)場合があり、これにより、単位時間当たりの遊技媒体の消費量(打ち込み量)が減少すると共に、第一受入口に入り易くなるため遊技者への遊技媒体の払い出し量が多くなり、連続して打ち込み操作を行う通常の遊技と比較して、遊技機を設置するホール側の負担が大きくなる問題がある。
そこで、遊技媒体が始動口に入賞してから進入口が入賞可能となるまでの所要時間を複数用意して、始動口に遊技媒体が入賞した際に複数の所要時間から所定の所要時間を選択して進入口が開状態となるのを待機させることで、進入口の入賞可能タイミングを増やすことが可能となり、始動口を狙った止め打ちをし難くすることができる。しかしながら、例えば、所要時間を二つとした場合、何れの所要時間が選択されるかを予想し、その予想したタイミングで遊技媒体の打ち込み操作をすることができ、所要時間を更に増やしても確率は下がるものの同様の打ち込み操作が可能であり、止め打ちが行われる恐れがある。
一方、所要時間を複数用意した場合、所要時間の長いものもあることとなり、所要時間が長いと、進入口が入賞可能となるまで遊技者は単に待つだけとなり、遊技者によっては、興趣を低下させてしまう恐れがある。また、所要時間が複数あると、進入口が入賞可能となるタイミングが判らなくなり、進入口が入賞可能となってから遊技媒体の打ち込み操作を進入口を狙った操作に変更していては間に合い難く、特に技能レベルの低い遊技者では、そのタイミングに間に合わず、興趣を低下させてしまう問題がある。
手段1の構成によると、遊技領域の所定位置に配置された特定始動口と、特定始動口に遊技媒体が入賞したのを検出する特定始動検出手段と、特定始動検出手段による入賞検出に応じて特定抽選結果を抽選する特定抽選手段と、抽選された特定抽選結果に応じて所定の所要時間を選択する所要時間選択手段と、選択された所要時間に対応した長さの特定演出を出力する演出出力手段と、特定演出の出力が開始され選択された所要時間が経過すると遊技媒体が入賞可能となる進入口と、進入口に入賞した遊技媒体を遊技領域に戻すことなく外部へ排出可能な第一受入口及び第二受入口と、遊技媒体を第一受入口及び第二受入口の何れかに誘導し、所定の周期、且つ、所定の誘導確率で第一受入口に誘導可能な誘導手段と、第一受入口に遊技媒体が受入れられると有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、が備えられている。また、遊技媒体が特定始動口に入賞した時点での第一受入口へ遊技媒体が受入れられる確率を、誘導手段における第一受入口への誘導確率と略同じ確率とされており、特定始動口への遊技媒体の入賞により所要時間選択手段によって選択された所要時間の間、特定演出が出力されると共にその所要時間が経過すると進入口が開状態となり、その開状態の時に進入口に入賞した遊技媒体が誘導手段によって第一受入口及び第二受入口の何れかに誘導され、特定受入口に受入れられると有利遊技状態が発生するものである。
これにより、所定周期で可動する誘導手段の相対位置と無関係に、どのタイミングで遊技媒体が特定始動口に入賞しても、誘導手段により第一受入口へ誘導される誘導確率を略同じとすることができるので、遊技者の技能レベルに関係なく第一受入口へ遊技媒体を受入れさせるチャンスを与えることが可能となり、技能レベル等により不公平感が生じるのを抑制して、興趣が低下するのを防止することができる。
また、どのタイミングで遊技媒体が特定始動口に入賞しても、誘導手段による第一受入口への誘導確率が略一定とされているので、従来の遊技機のように止め打ちを行っても第一受入口への受入確率を高めることができず、止め打ちを無意味なものとすることができるので、止め打ちするのを防止することが可能となり、遊技媒体を連続して打ち込み操作をさせることができ、ホール側の負担が大きくなるのを防止することができる。
更に、複数の所要時間から所定の所要時間を選択しているので、何れの所要時間が選択されるのかを、熟練者と言えども容易に予測することを困難なものとすることが可能となり、止め打ちを防止することができるとと共に、初心者との格差を可及的に少なくすることが可能となり、不公平感を無くし興趣が低下するのを防止することができる。
また、所要時間に対応した長さの特定演出を遊技者に出力する演出出力手段を備えているので、時間の長い所要時間が選択されても、その所要時間の間、特定演出が出力されるので、その特定演出により遊技者を楽しませることが可能となり、興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、所要時間の長さに対応した特定演出としており、特定演出が終了すると進入口が入賞可能となるので、出力される特定演出の進行状況を認識させることで、進入口が入賞可能となるタイミングを或る程度認識させることができ、進入口を狙った遊技媒体の打ち込み操作を遅滞無く的確に行なわせることができ、興趣を高められることができると共に、技能レベルの差による不公平感を解消して興趣が低下するのを防止することができる。
なお、特定演出として、所要時間が経過するまでをカウントダウンするような演出を出力するようにしても良く、これにより、所要時間の経過、つまり、進入口が開状態となるタイミングを容易に認識させることができ、進入口を狙った遊技媒体の打ち込み操作の準備をさせながら、そのタイミングに向けて興趣を徐々に高められるようにすることができる。
また、進入口を、特定抽選結果に応じて遊技媒体が入賞可能としているので、例えば、特定抽選結果に、進入口への入賞を許容する「開放当り」と、進入口への入賞を許容しない「閉鎖当り」とを少なくとも含むようにしても良い。これにより、特定始動口に入賞しても必ずしも進入口に遊技媒体が入賞可能とはならないので、進入口が入賞可能となる価値を高めることができると共に、進入口が入賞可能となったり不能となったりすることが可能となるので、遊技に抑揚を付けることができ、飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。
また、進入口として、その上流側に開閉片の回動により進入口を開状態、又は閉状態とすることの可能な進入口開閉手段を備えたものとしても良く、これにより、上記構成をより具現化し易くすることができると共に、容易に進入口を開閉させることができ、上記の作用効果を確実に得ることができる。
更に、複数の所要時間は、予め記憶手段に記憶させたものから選択するようにしても良いし、特定始動口に遊技媒体が入賞したのを契機として演算手段により演算して導くようにしても良く、予め記憶手段に記憶させたものを選択するようにした方が、主基板等のCPU(中央演算装置)にかかる負荷を軽減させることができる。
また、少なくとも、第一受入口、第二受入口、及び誘導手段を一つの役物(例えば、中央役物)内に備えるようにし、その役物内へは進入口から遊技媒体が進入して入賞するようにして、役物内において、誘導手段を用いた遊技が行われるようにしても良い。
手段2:手段1の構成において、
「前記遊技領域内の前記特定始動口、前記進入口、前記第一受入口、及び前記第二受入口とは異なる位置に配置され前記遊技媒体を検出可能な普通始動検出手段と、
該普通始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、所定の普通抽選結果を抽選する普通抽選手段と、
該普通抽選手段の前記普通抽選結果に応じて前記特定始動口へ前記遊技媒体が入賞可能又は不能となるように前記特定始動口を開閉する特定始動口開閉手段と
を更に具備し、
前記特定始動口開閉手段は、
前記普通抽選手段の前記普通抽選結果に応じた所定の普通演出が前記演出出力手段により出力されて前記普通抽選結果が示唆されると、該抽選結果に応じて前記特定始動口を開閉させる」ものであることを特徴とする。
ここで、「普通始動検出手段」としては、「遊技媒体が所定領域を通過したことを検出するもの(例えば、普通始動ゲートと普通始動センサの組合せ)」、「遊技媒体が受入れられて入賞したのを検出するもの(例えば、普通入賞口と普通始動センサの組合せ)」、等が挙げられ、遊技媒体の通過を検出するものとした場合、遊技媒体の払い出しが行われないので、普通始動による普通抽選結果の抽選を遊技者が有利となる普通抽選結果の抽選確率を高くすることができ、遊技者の興趣を高めることができる。また、普通始動口とした場合、入賞により遊技媒体が払い出されるので、始動入賞による普通抽選結果の抽選確率を高くすることができないが、所定数の遊技媒体が払い出されるので遊技者が不利となるのを抑制し、興趣が低下するのを防止することができる。
また、「普通演出」としては、演出画像、演出音響(例えば音楽)、演出画像と演出音響とを合わせたもの、等があり、「普通図柄を変動表示させた上で停止表示させ、停止表示された図柄の組合せにより、普通抽選結果を示唆するような演出をするもの」、「キャラクタ等を動的に表示させ、停止した画像により普通抽選結果が示唆されるような演出をするもの」、等を挙げることができる。なお、特定演出と同様に、普通演出の演出時間(所要時間)を複数用意し、何れかの長さの普通演出を出力するようにしても良い。
ところで、特定始動口に遊技媒体を入賞させることで進入口が入賞可能となり、進入口に入賞した遊技媒体が誘導手段により所定の誘導確率で第一受入口に受入れられる上記のような遊技内容では、遊技媒体の打ち込み操作としては、特定始動口と進入口の何れかを狙う遊技のため、単純な操作の繰り返しとなり易く、遊技者によっては、興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段2の構成によると、遊技領域内の特定始動口及び進入口等とは異なる位置に配置し遊技媒体を検出可能な普通始動検出手段と、普通始動検出手段による遊技媒体の検出に応じて所定の普通抽選結果を抽選する普通抽選手段と、普通抽選結果に応じて特定始動口を開閉する特定始動口開閉手段とを備え、普通抽選結果に応じた普通演出を演出出力手段から出力させると共に、普通抽選結果が示唆されると普通抽選結果に応じて特定始動口が開状態又は閉状態となるようにしたものである。
これにより、特定始動口に遊技媒体を入賞させるためには、まず、普通始動検出手段に遊技媒体を検出させて、所定の普通抽選結果が抽選されると、特定始動口が開状態となり、特定始動口へ遊技媒体を入賞させることができるようになるので、特定始動口に遊技媒体を入賞させて進入口を開状態とさせる遊技内容の前段階として、普通始動検出手段に遊技媒体を検出させた上で抽選により特定始動口を閉鎖する特定始動口開閉手段を開かせる遊技が追加されることとなり、第一受入口に遊技媒体を受入れさせて有利遊技状態を発生させるまでに、多段階の障壁を設けることが可能となり、遊技内容にある程度の難易度を持たせることで、遊技の意欲を高めることができると共に、より興趣の高められるものとすることができる。
また、普通抽選手段による普通抽選結果を演出音響や演出画像等からなる普通演出により出力するようにしているので、普通抽選結果を示唆する前に、例えば、所定の演出音響(例えば、演出音楽)を鳴動させると共に、演出画像として図柄等を変動表示させた上で、普通抽選結果を示唆する図柄で停止表示させるようにすることができ、これにより、普通抽選結果を遊技者に確実に認識させることができると共に、変動表示させることで所望の普通抽選結果か否かでハラハラ、ドキドキさせて興趣の高められるものとすることができる。
また、普通抽選結果に、例えば、特定始動口を開状態とする「普通当り」と、普通当りよりも特定始動口への入賞確率が高い「有利当り」とを少なくとも含ませるようにしても良く、これにより、特定始動口への入賞確率が変化するので、「普通当り」、「有利当り」の何れが抽選されるかで、遊技者をワクワクさせることができ、興趣を高めることができる。なお、普通抽選結果に特定始動口を開状態としない「ハズレ」を含ませても良い。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記進入口の下流側、且つ、前記誘導手段の上流側に配置され、所定数の前記遊技媒体を滞留可能とし、滞留した該遊技媒体を前記誘導手段に供給可能な滞留手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ところで、遊技者の技能レベルが高いと、進入口が入賞可能となった時に、より多くの遊技媒体を進入口に入賞させて誘導手段に供給させることができるので、技能レベルが高いほど誘導手段によって第一受入口に受入れられる確率が高くなり、初心者等の技能レベルの低い遊技者の場合、進入口が入賞可能となった時に、進入口に多くの遊技媒体を入賞させることができないため、誘導手段に供給される遊技媒体の数が少なくなり、第一受入口に受入れられる確率が低くなるので、興趣を低下させてしまう恐れがあると共に、技能レベルの差により不公平感が生じる問題がある。
手段3の構成によると、進入口と誘導手段との間に、所定数の遊技媒体を滞留させて誘導手段に供給する滞留手段を備えたものである。これにより、進入口が入賞可能となった時に進入口に多くの遊技媒体を入賞させても、誘導手段に供給される遊技媒体の数を限定することができるので、より多くの遊技媒体を進入口に入賞させることのできる技能レベルの高い遊技者であっても、多くの遊技媒体を進入口に入賞させることが困難な初心者等の技能レベルの低い遊技者であっても、誘導手段に誘導される遊技媒体の数が略同じような数となり、遊技者の技能レベルの差に関わらず、有利遊技状態が発生するチャンスを略均等に与えることが可能となり、不公平感が生じるのを抑制することができると共に、第一受入口に受入れられる確率が無用に高くなるのを防止して、ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。
また、滞留手段により誘導手段に供給される遊技媒体が滞留させられるので、滞留している遊技媒体の数を遊技者に認識させることができ、遊技者自身がその技能レベルに応じた遊技媒体の打ち込み操作をすることができ、興趣の高められる遊技をさせることができる。詳述すると、技能レベルの高い遊技者の場合は、多くの遊技媒体を進入口に入賞させることができるので、滞留手段による遊技媒体の滞留数に容易に達することが可能となり、余裕で遊技媒体の打ち込み操作をすることができると共に、打ち込み操作により打ち込まれる遊技媒体の数が、可及的に少ない数で滞留数に達するような技能を用いた遊技をさせることもでき、遊技者の技能の見せ所となって興趣を高められるものとすることができる。また、技能レベルの低い遊技者の場合は、滞留手段によって滞留させられた遊技媒体の数が容易にその上限に達しないので、上限に達するのを目指して遊技媒体の打ち込み操作をさせることができ、目標の設定により興趣の高められるものとすることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「遊技者の操作により変化する遊技状態が所定条件を満たすと、前記特定演出の実行を所定留保数まで留保可能な留保手段を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「遊技状態が所定条件を満たす」とは、「有利遊技状態の発生中」、「特定演出の出力中」、「進入口へ遊技媒体が入賞可能となってから誘導手段による遊技媒体の誘導が確定するまでの間」、「特定演出の出力が開始されてから、進入口へ遊技媒体が入賞可能となり誘導手段による遊技媒体の誘導が確定するまでの間」、等が挙げられる。
また、「特定演出の実行を留保可能」とは、「特定始動検出手段により入賞検出したことを留保することで、特定演出の実行を留保するもの」、「特定始動検出手段による入賞検出により抽選される特定抽選結果を留保することで、特定演出の実行を留保するもの」、「特定始動検出手段による入賞検出により所要時間選択手段によって選択された所定の所要時間を留保することで、特定演出の実行を留保するもの」、等が挙げられる。
ところで、遊技媒体が特定始動口に入賞すると、進入口が開いて振分装置を介して特定入賞口(第一受入口)に遊技媒体を受入れさせるような従来の遊技機では、第一入賞口に遊技媒体が受入れられて有利遊技状態が発生すると、その有利遊技状態中に遊技媒体が特定始動口に入賞しても、進入口が開状態となることが無く、せっかく入賞しても、チャンスが得られないので、遊技者が不利となって興趣を低下させてしまう恐れがある。
手段4の構成によると、遊技状態が所定条件を満たした時に、特定始動口に遊技媒体が入賞すると、特定演出を実行するのを所定数まで留保可能な留保手段を備えたものである。つまり、留保手段は、遊技状態が所定条件を満たしている時に、特定始動口に遊技媒体が入賞して特定始動検出手段に入賞検出されると、留保手段により留保されている留保数が所定数に達していない場合に留保すると共に、遊技状態が所定条件を満たさなくなると、先に留保したものを実行するようにしたものである。
これにより、遊技状態が所定条件を満たすように、複数の遊技媒体が短時間の間に特定始動口に入賞したり、有利遊技状態の発生中に遊技媒体が特定始動口に入賞したり等しても、それらの入賞が所定数まで留保され、遊技状態が所定条件を満たさなくなると、留保が解除されて、先に留保されたものから実行されて、特定演出の出力が開始され、その所要時間が経過すると進入口への入賞が可能となるので、従来のように、入賞が無効になる等の不利な条件を緩和することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、留保手段により所定数まで留保されており、その所定の数だけ連続して特定演出の出力、つまり、所要時間の経過後に特定抽選結果に応じて進入口への入賞が可能となるチャンスを連続して遊技者に与えることができるので、進入口に入賞させて誘導手段により第一受入口へ誘導される可能性が高くなり、遊技者の興趣をより高められる効果を期待することができる。
なお、留保手段により留保される数は、1〜10の間、望ましくは2〜6の間、とすることが望ましく、その数が多いほど遊技者の興趣を高められる反面ホール側の負担が増加し、その数が少ないほど遊技者の興趣が低下する反面ホール側の負担が軽減されるので、適宜の数とすることが望ましい。
手段5:手段1から手段4までの何れか一つの構成において、
「前記誘導手段は、
前記遊技媒体を収容可能とされ、前記第一受入口に誘導する第一収容部、及び前記第二受入口に誘導する第二収容部を有し、前記第一収容部を周方向に一つ、又は等間隔に複数配置すると共に、前記第二収容部を前記第一収容部とは異なる周方向の位置に少なくとも一つ配置した回転体を備えている」ものであることを特徴とする。
ここで、「第一収容部及び第二収容部」としては、「回転体の外周方向に開放部を有したもの」、「回転体の軸方向の一方側に開放部を有したもの」、「回転体の軸方向の両側に開放部を有し、回転体を貫通するもの」、「回転体の外周方向及び軸方向に開放部を有したもの」、等が挙げられる。
また、「第一収容部を周方向に等間隔に、複数配置」とは、回転体の回転により第一収容部が周方向の所定位置を、同じ時間間隔で通過するように配置したものであり、例えば、「回転体の周方向に対して第一収容部を等距離又は等角度の間隔で配置し、回転体を一定速度で回転させるもの」、「回転体の周方向に対して第一収容部を不等距離又は不等角度の間隔で配置し、遊技媒体を収容可能となる所定の収容位置に第一収容部が位置する周期が一定となるように、隣接する第一収容部間の距離又は角度に応じて回転体の回転速度を変化させてるもの」、等が挙げられる。
手段5の構成によると、誘導手段として、第一受入口及び第二受入口に誘導するための第一収容部及び第二収容部を周方向に有し、周方向に第一収容部を一つ又は等間隔で複数配置した回転体としたものである。これにより、回転体を回転させることで何れかの収容部に遊技媒体を収容させ、その収容部に対応した受入口(第一受入口又は第二受入口)に遊技媒体を誘導させることができ、誘導手段を容易に構築することができる。
また、第一受入口に対応した第一収容部を、周方向に一つ又は、等距離又は等角度間隔に複数備えた場合、回転体を一定速度で回転させるだけで、遊技媒体の第一受入口への誘導を所定の周期でさせることが可能となり、誘導手段の駆動にかかる制御を簡単なものとすることができ、制御にかかる負荷を軽減させて、遊技に支障を来たすのを防止することができる。
なお、回転体の軸方向は、上下方向としても良いし、遊技領域に対して略垂直方向としても良く、遊技領域に対して略垂直方向としするのが望ましい。これにより、全ての収容部が遊技者側に向くので、第一受入口に対応した第一収容部の回転位置を把握し易くなり、遊技媒体が第一収容部に収容されるか否かを明確に視認することができ、より興趣の高められるものとすることができる。また、遊技領域の後方に演出表示手段等の各種機器を配置した場合、回転体の軸方向を遊技領域に対して略垂直方向とすることで、誘導手段の占める奥行きを少なくすることができ、各種機器を容易に配置することができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記所要時間選択手段により選択対象となる複数の前記所要時間の数を前記誘導手段における前記誘導確率に対応した数とすると共に、夫々の前記所要時間を少なくとも前記誘導手段における所定の前記周期と、所定の前記誘導確率とに基づいて導かれるものとし、複数の前記所要時間から均等な確率で前記所要時間選択手段により選択させる」ものであることを特徴とする。
ここで、「誘導確率に対応した数」とは、例えば誘導確率を1/Kで現した場合、待機時間の数をKの自然数倍(待機時間の数=K×n :nは任意の自然数)とするものである(換言すると、誘導確率の逆数の自然数倍)。なお、自然数としては1〜3の範囲内が望ましい。
ところで、遊技媒体が特定始動口に入賞した時点での第一受入口へ受入れられる確率を、誘導手段における第一受入口への誘導確率と略同じ確率とする方法として、遊技媒体が特定始動口に入賞した時点での誘導手段の相対位置に基づいて、夫々の所要時間の選択確率を異ならせて、所要時間選択手段により選択させる方法が考えられるが、予め記憶手段に記憶させて選択させる場合、所要時間に、誘導手段の相対位置に応じた選択確率を関連付けて記憶させる必要があり、記憶容量を多く必要とすると共に、選択時に選択速度が低下し、遊技の進行を妨げる恐れがある。また、CPUの演算により導くようにした場合、所要時間の他に誘導手段の相対位置に応じた選択確率も演算しなければならず、CPUにかかる負荷が大きくなって遊技の制御に支障をきたす恐れがある。
手段6の構成によると、複数の所要時間の数を、誘導手段における誘導確率に対応した数とすると共に、夫々の所要時間を、少なくとも誘導手段における所定の周期と所定の誘導確率とに基づいて導き、所要時間選択手段により複数の所要時間から所定の所要時間を夫々均等な確率で選択させるようにしたものである。
これにより、複数の所要時間が夫々同じ選択確率となっているので所要時間と選択確率とを関連付ける必要が無く、予め所要時間を記憶手段に記憶させる場合では、その記憶容量が増加するのを抑制することができると共に、選択速度が低下するのを抑制し、遊技の進行を妨げるのを防止することができる。また、CPUにより演算する場合は、選択確率を演算する必要が無いので、演算にかかる負荷を軽減させることができ、遊技の制御を円滑に行わせて、不具合の発生を防止し興趣が低下するのを防止することができる。
また、複数の所要時間に夫々異なる選択確率を関連付ける必要が無いので、所要時間を容易に導くことができ、どのタイミングで遊技媒体が特定始動口に入賞しても、誘導手段により第一受入口に誘導される誘導確率を略同じ確率とすることができる。詳述すると、特定始動口に遊技媒体が入賞した時に、所定の周期で相対移動する誘導手段の相対位置は様々な位置にあり、選択された所要時間によって第一受入口へ受入れられる確率が変化することとなる。
そこで、選択対象となる所要時間の数を増やすことで第一受入口へ受入れられる確率を低下させることができるが、例えば、選択対象となる所要時間の数を4(選択確率1/4)、誘導手段において一周期で第一受入口へ誘導される誘導確率を1/5(例として、第一受入口1つ,第二受入口4つ)、とした場合、4つの所要時間のうち或る一つの所要時間では二つの受入口の何れかに受入れ可能となり、その所要時間が選択されると受入口への誘導確率が半減することとなる。つまり、選択される所要時間によっては誘導確率が異なることとなり、第一受入口への誘導確率が高くなるのを待って止め打ちをされたり、技能レベル等の差による不公平感が生じたりする問題が生じる。
しかしながら、所要時間の数を誘導確率と対応した数(誘導確率の逆数:ここでは5)とすることで、全ての所要時間において一つに受入口に対応することとなり、第一受入口への誘導される確率を均一なものとすることができ、止め打ちしたり、不公平感が生じたりするのを防止することができる。なお、上記の例において、所要時間の数を6とした場合、選択される或る二つの所要時間では、同じ受入口に誘導されてしまい一つの受入口だけ誘導確率が高くなり上記と同様の問題が発生するが、所要時間の数を10(5×2)とすると、全ての受入口に対して同様に誘導確率が高くなり、誘導確率を均一化することができる。つまり、所要時間の数を、誘導確率と対応した数の自然数倍としても本手段の効果を奏することができる。
ところで、例えば、上記と同様に誘導手段の誘導確率を1/5、誘導手段の第一受入口へ誘導する所定の周期を5secとすると共に、所要時間の数を5とし、夫々の所要時間を、1sec,1.5sec,2sec,2.5sec,3sec、とした場合、第一受入口に受入れられるタイミング(相対位置)が3.5〜5secの間にあると、何れの所要時間が選択されても第一受入口に誘導されず誘導確率が0となる問題がある。また、第一受入口に受入れられるタイミングが1.4〜2.4secの間にあると、5つの所要時間のうち2つの所要時間(1.5sec,2sec,)の何れかが選択されると第一受入口に誘導されることとなる。つまり誘導確率が2/5となり、第一受入口に受入れられるタイミング即ち誘導手段の相対位置によって誘導確率が異なるものとなり、その確率が高くなる時を狙って止め打ちされ易くなって、技能レベル等の違いにより不公平感が生ずる恐れがある。
一方、複数の所要時間を例えば、3sec,3.5sec,4sec,4.5sec,5sec、とした場合、第一受入口に受入れられるタイミングが0〜2.5secの間にあると、上記と同様に誘導確率が0となる問題がある。
このことから、複数の所要時間のうち何れか一つは、第一受入口に受入れられるタイミング(所定の周期内の時間)に対応した時間とする必要がある。換言すると、複数の所要時間を所定の周期(ここでは5sec)内において均等に分散させることで、第一受入口に受入れられる何れのタイミングにも対応することができるようになり、上記の例では、複数の所要時間の数を5とし、所定の周期(5sec)に対して均等に分散するように、1sec,2sec,3sec,4sec,5secとすることで、何れのタイミングにおいても1/5の選択確率で第一受入口に誘導させることができ、選択確率と誘導確率と同じ確率とすることができる。
これにより、どのタイミングでも第一受入口へ受入れられる確率が同じとなるので、止め打ちされるのを防止することができ、ホール側の負担が増加するのを軽減することができると共に、遊技者の技能レベル等の違い関係なく第一受入口へ受入れられる確率が同じであるので、不公平感が生じるのを防止することができ、興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、上記例において用いた各数値は、本手段を理解し易いように例示したものであり、それらの数値に限定するものではなく、本手段の理論に従った適宜の数値を用いることができる。
手段7:手段1から手段6までの何れか一つの構成において、
「複数の前記所要時間は、下記式(1)により導かれる」ものであることを特徴とする。
Tn=A+(S×n)/K・・・・式(1)
但し、所定の前記所要時間をTn(sec)、任意の定数をA(sec)、前記誘導手段における所定の前記周期をS(sec)、前記誘導手段における所定の前記誘導確率を1/K、及びnを1〜Kまでの自然数とする。
ここで、「任意の定数:A」とは、任意の定数Aの無い状態で導かれた所要時間が、短時間(例えば、0.5sec以下)であると、遊技者が、特定始動口を狙った遊技媒体の打ち込み操作から、進入口を狙った打ち込み操作に変更することができず、進入口に遊技媒体を入賞させることができなくなって興趣を低下させてしまうのを防止するために付加されるもので、0.5sec以上とすることが望ましい。
手段7の構成によると、所要時間を上記の式(1)により導くと共に、複数の所要時間の数をn個(1〜K)、つまり、所定の誘導確率(1/K)に基づくものとしたものである。これにより、遊技媒体が特定始動口に受入れられた時点での第一受入口へ受入れられる確率を、誘導手段における第一受入口への誘導確率と略同じ確率とするための複数の所要時間を、簡単な演算によって求めることができるので、所要時間を決定する手間を簡略化することができる。
手段8:手段1から手段7までの何れか一つの構成において、
「前記特定抽選手段による前記特定抽選結果には、
少なくとも、前記進入口への前記遊技媒体の入賞を許容する開放当りと、前記進入口への前記遊技媒体の入賞を許容しない閉鎖当りとを含む」ものであることを特徴とする。
ここで、「開放当り」とは、進入口へ遊技媒体が入賞可能となる当りのことであり、単に入賞可能となるだけでなく、「開放当り」に複数の当りを含めるようにしても良く、例えば、「進入口への入賞確率が異なるもの(開状態となる時間、開状態となる回数、等が異なるもの)」、「進入口に入賞して第一受入口に受入れられた後に発生する有利遊技状態が異なるもの(大当り遊技のラウンド回数が異なるもの等)」、が挙げられる。
また、「閉鎖当り」とは、進入口に遊技媒体が入賞できなくなる当りのことであり、単に入賞不能となるだけでなく、「閉鎖当り」に複数の当りを含めるようにしても良く、例えば、「誘導手段での第一受入口への誘導確率を変化させるもの」、「所要時間選択手段による所要時間の選択確率を変化させるもの」、「進入口に入賞しなくても(第一受入口に受入れられなくても)有利遊技状態が発生するもの」、等が挙げられる。
手段8の構成によると、特定抽選手段により抽選される特定抽選結果に、「開放当り」と「閉鎖当り」とを少なくも含むようにしたものである。これにより、特定始動口に遊技媒体が入賞しても、抽選される特定抽選結果によっては、進入口への遊技媒体の入賞ができない場合があるので、入賞が可能となる「開放当り」が抽選されるか否かにより遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、興趣を高めることができると共に、「閉鎖当り」が抽選されることで興趣を低下させることもできるので、興趣を高めたり低下させたりして、抑揚のある遊技をさせてより面白味のあるものとすることができる。
なお、演出出力手段により出力する特定演出として、所要時間に対応したものだけでなく、「開放当り」又は「閉鎖当り」にも対応した特定演出を出力するようにしても良く、出力する特定演出の内容を適宜なものとすることで、より興趣を高められるようにすることができたり、「閉鎖当り」が抽選されても興趣が低下するのを抑制したりすることができる。
手段9:手段2から手段8までの何れか一つの構成において、
「前記普通抽選手段なよる前記普通抽選結果には、
少なくとも、前記特定始動口開閉手段により前記特定始動口への前記遊技媒体の入賞を可能とする普通当りと、該普通当りよりも前記特定入賞口への前記遊技媒体の入賞確率の高い有利当りとを含む」ものであることを特徴とする。
ここで、「普通当り」及び「有利当り」とは、特定始動口への遊技媒体の入賞確率の異なる当りであり、例えば、「特定始動口開閉手段により特定始動口を開状態とする開状態の時間が異なるもの」、「特定始動口開閉手段により特定始動口を開状態とする回数(開閉回数)が異なるもの」、等が挙げられる。
手段9の構成によると、普通抽選手段により抽選される普通抽選結果に、「普通当り」と「有利当り」とを少なくとも含むようにしたものである。これにより、「普通当り」及び「有利当り」の何れの普通抽選結果が抽選されても、特定始動口への遊技媒体の入賞が可能となり、遊技者の興趣を高めることができる上に、「有利当り」が抽選されると、特定始動口への入賞確率が特に高くなるので、更に興趣を高めることができる。
また、「普通当り」及び「有利当り」に対応した普通演出を、演出出力手段により出力させるようにしても良い。具体的には、例えば、所定の図柄を変動表示させた上で、停止表示された図柄が「普通当り」又は「有利当り」の何れかを示唆するようにしても良く、これにより、何れの普通抽選結果が抽選されるかで、遊技者をハラハラ、ドキドキさせることが可能となり、興趣を高められるものとすることができる。
更に、特定始動口への入賞による始動入賞等を留保する留保手段を備えたものの場合、特に、「有利当り」が抽選されると、特定始動口への入賞が高くなり、多くの遊技媒体が入賞する可能性が高くなる。これにより、遊技者がその技能を発揮して、多くの遊技媒体を特定始動口に入賞させることで、それらの始動入賞を留保させることができるので、所定数留保されることで、連続して進入口への入賞チャンスを得ることができ、より興趣を高めることができる。
手段10:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
遊技演出としての演出画像及び演出音響の少なくとも一つを出力可能な演出出力手段と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技媒体を検出可能な普通始動検出手段と、
該普通始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、普通当り及び有利当りを少なくとも含む所定の普通抽選結果を抽選する普通抽選手段と、
該普通抽選手段の前記普通抽選結果に応じて所定の普通演出を前記演出出力手段に出力させる普通演出制御手段と、
前記遊技領域内の前記普通始動検出手段とは異なる位置に配置され前記遊技媒体が入賞可能とされた特定始動口と、
該特定始動口へ前記遊技媒体が入賞可能又は不能となるように前記特定始動口を開閉可能とすると共に、前記普通演出制御手段により所定の前記普通演出が前記演出出力手段により出力されて前記普通抽選結果が示唆されると、該普通抽選結果が普通当りであれば前記特定始動口への前記遊技媒体の入賞を可能とするように開動作し、前記普通抽選結果が有利当りであれば前記普通当りよりも前記特定始動口への前記遊技媒体の入賞確率が高くなるように開動作する特定始動口開閉手段と、
該特定始動口開閉手段により前記特定始動口へ前記遊技媒体が入賞可能とされた際に、前記特定始動口に前記遊技媒体が入賞したことを検出する特定始動検出手段と、
該特定始動検出手段による前記特定始動口への入賞検出に応じて、開放当り及び閉鎖当りを少なくとも含む所定の特定抽選結果を抽選する特定抽選手段と、
該特定抽選手段の前記特定抽選結果に応じて複数の所要時間から所定の該所要時間を選択する所要時間選択手段と、
該所要時間選択手段により選択された前記所要時間に対応した長さの特定演出を前記演出出力手段に出力させる特定演出制御手段と、
前記遊技領域内の前記普通始動検出手段及び前記特定始動口とは異なる位置に配置されると共に、前記特定演出制御手段により所定の前記特定演出が前記演出出力手段によって出力され、前記所要時間選択手段により選択された所定の前記所要時間が経過すると、前記特定抽選結果が開放当りであると前記遊技媒体の入賞を許容し、前記特定抽選結果が閉鎖当りであると前記遊技媒体の入賞を許容しない進入口と、
該進入口に入賞した所定数の前記遊技媒体を滞留可能な滞留手段と、
該滞留手段により滞留された前記遊技媒体を受入可能とされ、該遊技媒体を受入れると前記遊技領域内へ戻すことなく外部へ排出可能とされた第一受入口及び第二受入口と、
前記滞留手段と前記第一受入口及び第二受入口との間に配置され、前記遊技媒体を収容可能とされた前記第一受入口に誘導する第一収容部、及び前記第二受入口に誘導する第二収容部を有し、前記第一収容部を周方向に一つ、又は等間隔に複数配置すると共に、前記第二収容部を前記第一収容部とは異なる周方向の位置に少なくとも一つ配置した回転体を備え、該回転体の回転により所定の周期、且つ、所定の誘導確率で前記遊技媒体を前記第一受入口へ誘導可能とされた誘導手段と、
前記第一受入口への前記遊技媒体の受入れにより遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段による前記有利遊技状態の発生により所定条件を満たすように前記遊技媒体が入賞可能又は不能とされる大入賞口と、
該大入賞口に前記遊技媒体が入賞したことを検出する大入賞検出手段と、
少なくとも前記特定始動検出手段、及び前記大入賞検出手段による入賞検出に応じて所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と
を具備し、
前記遊技媒体が前記特定始動口に入賞した時点での前記第一受入口へ受入れられる確率を、前記誘導手段における前記第一受入口への誘導確率と略同じ確率とするために、前記所要時間選択手段により選択対象となる複数の前記所要時間の数を前記誘導手段における前記誘導確率に対応した数とすると共に、夫々の前記所要時間を少なくとも前記誘導手段における所定の前記周期と、所定の前記誘導確率とに基づいて導かれるものとし、複数の前記所要時間から均等な確率で前記所要時間選択手段により選択させる」ものであることを特徴とする。
手段10の構成によると、演出画像や演出音響等の遊技演出を出力可能な演出出力手段と、遊技領域内の所定位置に配置され遊技媒体を検出可能な普通始動検出手段と、普通始動検出手段の検出を契機に「普通当り」又は「有利当り」の何れかの普通抽選結果を抽選する普通抽選手段と、普通抽選結果に応じた普通演出を演出出力手段に出力させる普通演出制御手段と、遊技領域内の普通始動検出手段とは異なる位置に配置された特定始動口と、特定始動口を開閉可能とし普通演出の出力により普通抽選結果が示唆されその普通抽選結果が「普通当り」であれば開動作し、「有利当り」であれば「普通当り」よりも開時間を長くしたり開閉回数を多くしたりして入賞確率が高くなるように開動作する特定始動口開閉手段と、特定始動口への遊技媒体の入賞を検出する特定始動検出手段と、特定始動検出手段の入賞検出に応じて(契機として)「開放当り」、「閉鎖当り」を含む所定の特定抽選結果を抽選する特定抽選手段と、特定抽選結果に応じた所要時間を選択する所要時間選択手段と、選択された所要時間に応じた特定演出を演出出力手段に出力させる特定演出制御手段と、遊技領域内の普通始動検出手段及び特定始動口とは異なる位置に配置され特定演出が出力されてその所要時間が経過した時に特定抽選結果が「開放当り」であれば入賞可能とし、「閉鎖当り」であれば入賞不能とする進入口と、進入口に入賞した遊技媒体を所定数滞留可能な滞留手段と、滞留された遊技媒体を受入可能とされた第一受入口及び第二受入口と、滞留手段と第一受入口及び第二受入口との間に配置され第一受入口及び第二受入口に誘導するための第一収容部及び第二収容部を周方向に備えると共に周方向に第一収容部を一つ又は等間隔で複数配置した回転体を有し、所定の周期且つ誘導確率で遊技媒体を第一収容部に収容させて第一受入口に誘導可能な誘導手段と、第一受入口への遊技媒体の受入れにより有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、有利遊技状態の発生により遊技媒体が入賞可能又は不能とされた大入賞口と、大入賞口への入賞を検出する大入検出手段と、入賞検出に応じて所定数の遊技媒体を払い出す払出手段とを具備させ、所要時間の数を誘導確率に対応した数とすると共に、所要時間を所定の周期及び誘導確率に基づいて夫々導き、所要時間選択手段により所定の所要時間を均等な確率で選択させることで、特定始動口に入賞した時点での第一受入口に遊技媒体が受入れられる確率を、回転体における第一収容部の回転位置が何れの位置(タイミング)であっても略同じ確率としたものである。
これにより、普通始動検出手段に遊技媒体が検出されると、普通演出が出力された後に特定始動口が開状態となり、その時に特定始動口に遊技媒体を入賞させると、所定数の遊技媒体が払い出されると共に、抽選が行われて特定演出が出力されその所要時間が経過した時に抽選の結果が「開放当り」であると、進入口への遊技媒体の入賞が可能となり、その時に進入口へ遊技媒体を入賞させて回転体に遊技媒体を供給し、回転体に供給された遊技媒体が第一受入口に誘導されて受入れられると、有利遊技状態が発生する。加えて、遊技状態に応じて特定始動口への始動入賞が所定数まで留保され遊技者が不利となるのを緩和させると共に、回転体の回転位置に無関係にどのタイミングで特定始動口へ入賞しても第一受入口に受入れられる確率が同じとされ遊技者の技能レベルの差を無くすような遊技内容とすることができ、有利遊技状態が発生するまでに多くの障害があり、遊技内容にある程度の難易度があるので、遊技する意欲や興趣を高められる効果を期待することができると共に、遊技者の技能レベルの差による不公平感の発生を抑制することができる。
また、遊技の進行に伴って、遊技媒体の打ち込み操作により狙う位置が、遊技領域内の異なる位置に夫々配置された普通始動検出手段、特定始動口、進入口、等に変化するので、単調な遊技となるのを防止することができ、飽き難く興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
また、遊技媒体が普通始動検出手段に検出されると、「普通当り」又は「有利当り」の何れかを抽選する抽選が行われるので、何れが抽選されるかでハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができると共に、普通演出が出力されるので、その演出により「有利当り」が抽選されるのではないかと期待感を高めさせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、「有利当り」が抽選されると、特定始動口への入賞が高くなり、多くの遊技媒体を特定始動口に入賞させて、それらの始動入賞を留保させることができるので、所定数留保されることで、連続して進入口への入賞チャンスを得ることができ、より興趣を高めることができる。
また、特定始動口に入賞すると、「開放当り」又は「閉鎖当り」の何れかを抽選する抽選が行われるので、進入口への遊技媒体の入賞が可能となる「開放当り」が抽選されるか否かで遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、興趣を高めることができると共に、「閉鎖当り」が抽選されることで、進入口への遊技媒体の入賞が可能とならないので、興趣を低下させることもでき、興趣を高めたり低下させたりして、抑揚のある遊技をさせてより面白味のあるものとすることができる。
また、特定始動口への入賞による「開放当り」又は「閉鎖当り」の抽選結果の確定までの所要時間の間、特定演出が出力されるので、その特定演出により遊技者を楽しませることができると共に、興趣が低下するのを防止することができる。
また、どのタイミングで遊技媒体が特定始動口に入賞しても、誘導手段による第一受入口への誘導確率が略一定とされているので、従来の遊技機のように止め打ちを行っても第一受入口への受入確率を高めることができず、止め打ちを無意味なものとすることができるので、止め打ちするのを防止することが可能となり、遊技媒体を連続して打ち込み操作をさせることができ、ホール側の負担が大きくなるのを防止することができる。
更に、「開放当り」が抽選されて進入口への遊技媒体の入賞が可能となり、多くの遊技媒体を進入口に入賞させても、滞留手段により所定数までしか回転体に供給されないので、より多くの遊技媒体を進入口に入賞させることのできる技能レベルの高い遊技者であっても、多くの遊技媒体を進入口に入賞させることが困難な初心者等の技能レベルの低い遊技者であっても、回転体に供給される遊技媒体の数が略同じような数となり、遊技者の技能レベルの差に関わらず、有利遊技状態が発生するチャンスを略均等に与えることが可能となり、不公平感が生じるのを抑制することができると共に、第一受入口に受入れられる確率が無用に高くなるのを防止して、ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。なお、滞留手段としては、「進入口に入賞した複数の遊技媒体の一つを滞留可能とすると共に、他の遊技媒体を遊技領域内に戻すことなく外部に排出し、滞留された遊技媒体を誘導手段へ供給可能としたもの」としても良く、これにより、確実に特定始動口に入賞した時点での第一受入口へ受入れられる確率を、誘導手段における第一受入口への誘導確率と略同じ確率とすることができる。
手段11:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
遊技演出としての演出画像及び演出音響の少なくとも一つを出力可能な演出出力手段と、
前記遊技領域内に配置され前記遊技媒体を検出可能な普通始動検出手段と、
該普通始動検出手段による前記遊技媒体の検出に応じて、普通当り及び有利当りを少なくとも含む所定の普通抽選結果を抽選する普通抽選手段と、
該普通抽選手段の前記普通抽選結果に応じて所定の普通演出を前記演出出力手段に出力させる普通演出制御手段と、
前記遊技領域内の前記普通始動検出手段とは異なる位置に配置され前記遊技媒体が入賞可能とされた特定始動口と、
該特定始動口へ前記遊技媒体が入賞可能又は不能となるように前記特定始動口を開閉可能とすると共に、前記普通演出制御手段により所定の前記普通演出が前記演出出力手段により出力されて前記普通抽選結果が示唆されると、該普通抽選結果が普通当りであれば前記特定始動口への前記遊技媒体の入賞を可能とするように開動作し、前記普通抽選結果が有利当りであれば前記普通当りよりも前記特定始動口への前記遊技媒体の入賞確率が高くなるように開動作する特定始動口開閉手段と、
該特定始動口開閉手段により前記特定始動口へ前記遊技媒体が入賞可能とされた際に、前記特定始動口に前記遊技媒体が入賞したことを検出する特定始動検出手段と、
該特定始動検出手段による入賞検出を、遊技者の操作により変化する遊技状態に応じて、所定留保数まで留保可能な留保手段と、
該留保手段により留保された入賞検出に応じて、開放当り及び閉鎖当りを少なくとも含む所定の特定抽選結果を抽選する特定抽選手段と、
該特定抽選手段の前記特定抽選結果に応じて複数の所要時間から所定の該所要時間を選択する所要時間選択手段と、
該所要時間選択手段により選択された前記所要時間に対応した長さの特定演出を前記演出出力手段に出力させる特定演出制御手段と、
前記遊技領域内の前記普通始動検出手段及び前記特定始動口とは異なる位置に配置されると共に、前記特定演出制御手段により所定の前記特定演出が前記演出出力手段によって出力され、前記所要時間選択手段により選択された所定の前記所要時間が経過すると、前記特定抽選結果が開放当りであると前記遊技媒体の入賞を許容し、前記特定抽選結果が閉鎖当りであると前記遊技媒体の入賞を許容しない進入口と、
該進入口に入賞した所定数の前記遊技媒体を滞留可能な滞留手段と、
該滞留手段により滞留された前記遊技媒体を受入可能とされ、該遊技媒体を受入れると前記遊技領域内へ戻すことなく外部へ排出可能とされた第一受入口及び第二受入口と、
前記滞留手段と前記第一受入口及び第二受入口との間に配置され、前記遊技媒体を収容可能とされた前記第一受入口に誘導する第一収容部、及び前記第二受入口に誘導する第二収容部を有し、前記第一収容部を周方向に一つ、又は等間隔に複数配置すると共に、前記第二収容部を前記第一収容部とは異なる周方向の位置に少なくとも一つ配置した回転体を備え、該回転体の回転により所定の周期、且つ、所定の誘導確率で前記遊技媒体を前記第一受入口へ誘導可能とされた誘導手段と、
前記第一受入口への前記遊技媒体の受入れにより遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、
該有利遊技状態発生手段による前記有利遊技状態の発生により所定条件を満たすように前記遊技媒体が入賞可能又は不能とされる大入賞口と、
該大入賞口に前記遊技媒体が入賞したことを検出する大入賞検出手段と、
少なくとも前記特定始動検出手段、及び前記大入賞検出手段による入賞検出に応じて所定数の遊技媒体を払い出す払出手段と
を具備し、
前記遊技媒体が前記特定始動口に入賞した時点での前記第一受入口へ受入れられる確率を、前記誘導手段における前記第一受入口への誘導確率と略同じ確率とするために、前記所要時間選択手段により選択対象となる複数の前記所要時間の数を前記誘導手段における前記誘導確率に対応した数とすると共に、夫々の前記所要時間を少なくとも前記誘導手段における所定の前記周期と、所定の前記誘導確率とに基づいて導かれるものとし、複数の前記所要時間から均等な確率で前記所要時間選択手段により選択させる」ものであることを特徴とする。
手段11の構成によると、演出画像や演出音響等の遊技演出を出力可能な演出出力手段と、遊技領域内の所定位置に配置され遊技媒体を検出可能な普通始動検出手段と、普通始動検出手段の検出を契機に「普通当り」又は「有利当り」の何れかの普通抽選結果を抽選する普通抽選手段と、普通抽選結果に応じた普通演出を演出出力手段に出力させる普通演出制御手段と、遊技領域内の普通始動検出手段とは異なる位置に配置された特定始動口と、特定始動口を開閉可能とし普通演出の出力により普通抽選結果が示唆されその普通抽選結果が「普通当り」であれば開動作し、「有利当り」であれば「普通当り」よりも開時間を長くしたり開閉回数を多くしたりして入賞確率が高くなるように開動作する特定始動口開閉手段と、特定始動口への遊技媒体の入賞を検出する特定始動検出手段と、特定始動検出手段の入賞検出を遊技状態に応じて所定数まで留保可能な留保手段と、留保手段により留保された入賞検出に応じて(契機として)「開放当り」、「閉鎖当り」を含む所定の特定抽選結果を抽選する特定抽選手段と、特定抽選結果に応じた所要時間を選択する所要時間選択手段と、選択された所要時間に応じた特定演出を演出出力手段に出力させる特定演出制御手段と、遊技領域内の普通始動検出手段及び特定始動口とは異なる位置に配置され特定演出が出力されてその所要時間が経過した時に特定抽選結果が「開放当り」であれば入賞可能とし、「閉鎖当り」であれば入賞不能とする進入口と、進入口に入賞した遊技媒体を所定数滞留可能な滞留手段と、滞留された遊技媒体を受入可能とされた第一受入口及び第二受入口と、滞留手段と第一受入口及び第二受入口との間に配置され第一受入口及び第二受入口に誘導するための第一収容部及び第二収容部を周方向に備えると共に周方向に第一収容部を一つ又は等間隔で複数配置した回転体を有し、所定の周期且つ誘導確率で遊技媒体を第一収容部に収容させて第一受入口に誘導可能な誘導手段と、第一受入口への遊技媒体の受入れにより有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段と、有利遊技状態の発生により遊技媒体が入賞可能又は不能とされた大入賞口と、大入賞口への入賞を検出する大入検出手段と、入賞検出に応じて所定数の遊技媒体を払い出す払出手段とを具備させ、所要時間の数を誘導確率に対応した数とすると共に、所要時間を所定の周期及び誘導確率に基づいて夫々導き、所要時間選択手段により所定の所要時間を均等な確率で選択させることで、特定始動口に入賞した時点での第一受入口に遊技媒体が受入れられる確率を、回転体における第一収容部の回転位置が何れの位置(タイミング)であっても略同じ確率としたものである。
これにより、普通始動検出手段に遊技媒体が検出されると、普通演出が出力された後に特定始動口が開状態となり、その時に特定始動口に遊技媒体を入賞させると、所定数の遊技媒体が払い出されると共に、抽選が行われて特定演出が出力されその所要時間が経過した時に抽選の結果が「開放当り」であると、進入口への遊技媒体の入賞が可能となり、その時に進入口へ遊技媒体を入賞させて回転体に遊技媒体を供給し、回転体に供給された遊技媒体が第一受入口に誘導されて受入れられると、有利遊技状態が発生する。加えて、遊技状態に応じて特定始動口への始動入賞が所定数まで留保され遊技者が不利となるのを緩和させると共に、回転体の回転位置に無関係にどのタイミングで特定始動口へ入賞しても第一受入口に受入れられる確率が同じとされ遊技者の技能レベルの差を無くすような遊技内容とすることができ、有利遊技状態が発生するまでに多くの障害があり、遊技内容にある程度の難易度があるので、遊技する意欲や興趣を高められる効果を期待することができると共に、遊技者の技能レベルの差による不公平感の発生を抑制することができる。
また、遊技の進行に伴って、遊技媒体の打ち込み操作により狙う位置が、遊技領域内の異なる位置に夫々配置された普通始動検出手段、特定始動口、進入口、等に変化するので、単調な遊技となるのを防止することができ、飽き難く興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
また、遊技媒体が普通始動検出手段に検出されると、「普通当り」又は「有利当り」の何れかを抽選する抽選が行われるので、何れが抽選されるかでハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができると共に、普通演出が出力されるので、その演出により「有利当り」が抽選されるのではないかと期待感を高めさせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、「有利当り」が抽選されると、特定始動口への入賞が高くなり、多くの遊技媒体を特定始動口に入賞させて、それらの始動入賞を留保させることができるので、所定数留保されることで、連続して進入口への入賞チャンスを得ることができ、より興趣を高めることができる。
また、特定始動口に入賞すると、「開放当り」又は「閉鎖当り」の何れかを抽選する抽選が行われるので、進入口への遊技媒体の入賞が可能となる「開放当り」が抽選されるか否かで遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、興趣を高めることができると共に、「閉鎖当り」が抽選されることで、進入口への遊技媒体の入賞が可能とならないので、興趣を低下させることもでき、興趣を高めたり低下させたりして、抑揚のある遊技をさせてより面白味のあるものとすることができる。
また、特定始動口への入賞による「開放当り」又は「閉鎖当り」の抽選結果の確定までの所要時間の間、特定演出が出力されるので、その特定演出により遊技者を楽しませることができると共に、興趣が低下するのを防止することができる。
また、どのタイミングで遊技媒体が特定始動口に入賞しても、誘導手段による第一受入口への誘導確率が略一定とされているので、従来の遊技機のように止め打ちを行っても第一受入口への受入確率を高めることができず、止め打ちを無意味なものとすることができるので、止め打ちするのを防止することが可能となり、遊技媒体を連続して打ち込み操作をさせることができ、ホール側の負担が大きくなるのを防止することができる。
更に、「開放当り」が抽選されて進入口への遊技媒体の入賞が可能となり、多くの遊技媒体を進入口に入賞させても、滞留手段により所定数までしか回転体に供給されないので、より多くの遊技媒体を進入口に入賞させることのできる技能レベルの高い遊技者であっても、多くの遊技媒体を進入口に入賞させることが困難な初心者等の技能レベルの低い遊技者であっても、回転体に供給される遊技媒体の数が略同じような数となり、遊技者の技能レベルの差に関わらず、有利遊技状態が発生するチャンスを略均等に与えることが可能となり、不公平感が生じるのを抑制することができると共に、第一受入口に受入れられる確率が無用に高くなるのを防止して、ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。なお、滞留手段としては、「進入口に入賞した複数の遊技媒体の一つを滞留可能とすると共に、他の遊技媒体を遊技領域内に戻すことなく外部に排出し、滞留された遊技媒体を誘導手段へ供給可能としたもの」としても良く、これにより、確実に特定始動口に入賞した時点での第一受入口へ受入れられる確率を、誘導手段における第一受入口への誘導確率と略同じ確率とすることができる。
また、遊技状態として、複数の遊技媒体が短時間の間に特定始動口に入賞したり、有利遊技状態の発生中に遊技媒体が特定始動口に入賞したりなどしても、それらの始動入賞が所定数まで留保され、遊技状態が所定条件を満たさなくなると、留保が解除されて、先に留保されたものから実行されて、特定演出の出力が開始されので、遊技者が不利となるのを緩和することができ、興趣を高めることができると共に、留保手段により所定数まで留保することができるので、その所定数だけ連続して進入口への入賞が可能となるチャンスを与えることができ、進入口に入賞させて誘導手段により第一受入口へ誘導される可能性が高くなり、遊技者の興趣をより高められる効果を期待することができる。
手段12:手段1から手段11までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し、表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段12の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段13:手段1から手段11までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段13の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段14:手段1から手段11までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合わせが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段14の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、遊技者の技能レベルに関係なく公平に有利遊技状態を得られるようにして興趣が低下するのを防止することのできる遊技機を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について] 図1に基づき説明する。
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について] 図2及び図5に基づき説明する。
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図5はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について] 図1及び図2に基づき説明する。
前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。また、上皿51の左側には、遊技者が操作可能なボタン60が設けられている。
[施錠装置の構成について] 図1及び図5に基づき説明する。
前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について] 図1、図3、図4、図5、及び図6に基づき説明する。
図3は遊技盤の構成を示す拡大正面図であり、図4は遊技盤を左前方から示す斜視図であり、図6はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図1及び図5に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3及び図4に示すように、遊技盤5の遊技領域37内には多数の障害釘(図示しない)が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車(図示しない)が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、中央役物81が配設されており、この中央役物81のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
中央役物81は、全体として額縁状の装飾体から構成されており、その中央には後方に配置された演出表示装置115(後述する)を前方から視認することができるようになっている。この中央役物81には、その上部に役物進入口82が形成されていると共に役物進入口82を閉鎖する開閉片83が備えられており、この開閉片83が開状態となると役物進入口82から遊技球が中央役物81内に進入するようになっている。
中央役物81における役物進入口82内には、通常時は閉状態とされた滞留シャッター84が備えられており、閉状態となった滞留シャッター84により所定数の遊技球が滞留させれると共に、所定数を超えた遊技球は図示しない排出口から遊技領域37外へ排出されるようになっている。なお、本例では、滞留シャッター84により滞留される遊技球の数が1つとされている。この滞留シャッター84は、開閉片83が開状態から閉状態となった後に所定時間経過すると、所定時間開状態となるようになっている。
この中央役物81内の滞留シャッター84の下流側には、滞留シャッター84を介して供給される遊技球を収容可能な複数の収容部85を周方向に略等間隔配置した円盤状の回転体86が配置されている。この回転体86に形成された収容部85には、特定収容部85aと普通収容部85bとがあり、特定収容部85aは、回転体86の周方向に等間隔で配置されており、本例では約180゜の間隔で二つ配置されている。また、普通収容部85bは、特定収容部85aの間で等間隔に複数(本例では、片側5、全体で10)配置されており、回転体86が半回転する毎に特定収容部85aが任意の周方向位置を通過するようになっている。
図示するように、この回転体86は、その回転軸方向が遊技領域37に対して略垂直方向となるように配置されており、回転体86の円盤面が遊技領域37の面と略平行となっている。これにより、回転体86の全ての収容部85がパチンコ機1の前方から容易に視認できるようになっている。なお、本例の回転体86は、時計回りに一定速度で回転するようになっている。
回転体86の特定収容部85aは、図示は省略するが所定の位置に遊技球が通過可能な通孔が形成されていると共に、回転体86の後方及び側面を覆う仕切部材の所定位置に遊技球を受入可能な特定入賞口87が開口しており、回転体86の回転により通孔と特定入賞口87とが互いに一致するような位置に夫々形成されている。これにより、回転体86が回転して特定収容部85aの通孔と特定入賞口87とが一致すると特定収容部85a内の遊技球が特定入賞口87に受入れられるようになっている。
また、回転体86の普通収容部85bにも特定収容部85aとは異なる位置に通孔(図示は省略する)が形成されていると共に、仕切部材には、特定入賞口87とは異なる位置で、普通収容部85bの通孔と対応したハズレ入賞口88が形成されており、回転体86の回転により普通収容部85bの通孔とハズレ入賞口88とが一致すると、普通収容部85b内の遊技球がハズレ入賞口88に受入れられるようになっている。
なお、本例では、例えば、回転体86において特定収容部85aへの遊技球の収容確率が1/6、回転体86の半周期が約3000msとされている。また、これら数値は適宜変更することができる。
遊技領域37内には、中央役物81の下方且つ左右方向略中央に配置された普通始動ゲート91と、普通始動ゲート91の下方に配置され閉鎖片92を有したアタッカ装置93と、遊技領域37内の上下方向略中央で、中央役物81の左側に配置され開閉部材94により閉鎖された特定始動口95とが備えられている。アタッカ装置93及び特定始動口95は、通常時では閉鎖片92や開閉部材94により閉状態となっており、その閉状態ではアタッカ装置93や特定始動口95の前面を遊技球が流下可能となっている。
このアタッカ装置93は、例えば、特定入賞口87への遊技球の入賞等を契機として、閉鎖片92が所定の開閉動作をするようになっており、アタッカ装置93が開閉動作をすることで有利遊技状態となるようになっている。また、特定始動口95は、普通始動ゲート91の遊技球の通過に応じて、その開閉部材94が所定時間開状態となるものである。更に、中央役物81の開閉片83は、開閉部材94が開状態の時に特定始動口95への遊技球の入賞に応じて所定時間開状態となるようになっている。
また、遊技領域37には、その最下部に、流下していずれの入賞口や入賞装置にも入賞しなかった遊技球を遊技領域37から排出するアウト口96が設けられている。また、遊技領域37には、上方から遊技球が入賞可能な複数の一般入賞口97も適宜位置に設けられ、一般入賞口97に遊技球が入賞したことに基づいて所定数の遊技球の払い出しが行われるようになっている。
なお、図3中符号98は、LED等からなる留保ランプであり、短時間の間に特定始動口95に複数の遊技球が入賞したり、有利遊技状態の発生中に遊技球が特定始動口95に入賞したりした場合に、特定始動口95への入賞に基づく処理(後述する特別図柄の変動開始処理)を留保した数を所定数まで表示することができるようになっている。
また、演出表示装置115は、キャラクタ、背景、及び図柄(普通図柄、特別図柄等)などからなる演出画像を表示するものであり、液晶表示装置、EL表示装置、プラズマ表示装置、CRT等のような表示装置により構成されている。この演出表示装置115の表示面は、額縁状に形成された中央役物81の後側においてその開口を通してパチンコ機1の前方から視認可能となるように装着されており、中央役物81は、遊技盤5の中央部に貫設された組付孔に嵌込まれ、中央役物81の後部及び演出表示装置115の表示装置制御基板(図示しない)を有する表示装置制御基板ボックス117が、遊技盤5の後側に突出して配設されている(図11参照)。
更に、本例の役物進入口82は本発明の進入口に、本例の滞留シャッター84は本発明の滞留手段に、本例の特定収容部85a及び普通収容部85bは本発明の第一収容部及び第二収容部に、本例の回転体86は本発明の誘導手段に夫々相当している。また、本例の特定入賞口87が本発明の第一受入口に、本例のハズレ入賞口88が本発明の第二受入口に、本例のスピーカ18,57及び演出表示装置115は本発明の演出出力手段に夫々相当している。
また、普通始動ゲート91の下側に、普通始動ゲート91を通過した遊技球が入賞し易いような入賞口を配置しても良く、普通始動ゲート91を通過すると、遊技球の払い出しが行われる可能性が高くなり、遊技者の興趣が高められるようになっている。
一方、図6に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について] 図9及び図10に基づき説明する。
図9はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図10は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図10に向かって左端)から他端(図10に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えば中央役物81)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間に中央役物81の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について] 図9及び図10に基づき説明する。
本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図5参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について] 図5及び図6に基づき説明する。
本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図6に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成について] 図6及び図7に基づき説明する。
図7はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図11参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図11参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について] 図2及び図8に基づき説明する。
図8は、図7に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インタフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インタフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[主基板及び周辺基板の機能的構成について] 図12に基づき説明する。
図12は制御構成を概略的に示すブロック図である。
パチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板310のグループと周辺基板311のグループとで分担されており、このうち主基板310のグループが遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板311のグループが演出動作(発光装飾や音響出力、液晶表示等)を制御している。
主基板310は、主制御基板131と払出制御基板197とから構成されている。主制御基板131は、中央演算装置としてのCPU314、読み出し専用メモリとしてのROM315、読み書き可能メモリとしてのRAM316を備えている。CPU314は、ROM315に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板311や払出制御基板197に出力するコマンド信号を作成したりする。RAM316には、主制御基板131で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。主制御基板131には、普通始動ゲート91を通過した遊技球を検出する普通始動センサ317、特定始動口95へ受入れられた遊技球を検出する特定始動口センサ318、特定入賞口87に受入れられた遊技球を検出する特定入賞センサ319、ハズレ入賞口88に受入れられた遊技球を検出するハズレ入賞センサ320、アタッカ装置93内に受入れられた遊技球を検出するカウントセンサ321、一般入賞口97に受入れられた遊技球を検出する一般入賞センサ322、等からの検出信号が入力される。
また、主制御基板131は一方、特定始動口95の開閉部材94を開閉動作させるための始動口ソレノイド325、開閉片83を開閉動作させるための役物進入口ソレノイド326、滞留シャッター84を開閉動作させるための滞留ソレノイド327、アタッカ装置93の閉鎖片92を開閉動作させるための大入賞口ソレノイド328、回転体86を回転駆動させるためのモータ329、留保ランプ98、特別図柄表示器330、等へ駆動信号を出力する。
主基板310の払出制御基板197は、中央演算装置としてのCPU333、読み出し専用メモリとしてのROM334、読み書き可能メモリとしてのRAM335を備えている。そして、払出制御基板197は、主制御基板131から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170に駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出す。
主制御基板131と払出制御基板197との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、例えば主制御基板131が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板197から主制御基板131にACK信号が返される。
一方、周辺基板311には、サブ統合基板336のほかに例えば複数の電飾制御基板337,338や波形制御基板339等が含まれる。上記の主制御基板131とサブ統合基板336との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板131からサブ統合基板336へのコマンドの送信はあっても、その逆は行われない。
サブ統合基板336もまた、CPU350をはじめROM351やRAM352等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することができる。サブ統合基板336とその他の電飾制御基板337,338や波形制御基板339との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。1つ目の電飾制御基板337には主にサイド装飾装置52等を含む装飾ランプ353とが接続されており、サブ統合基板336から電飾制御基板337に対して装飾ランプ353の点灯信号が送信されると、これを受けて電飾制御基板337が装飾ランプ353を点灯させる処理を行う。2つ目の電飾制御基板338には演出表示装置115とともに演出ランプ354が接続されている。例えばサブ統合基板336から演出表示装置115に対する表示コマンドが電飾制御基板338に送信されると、これを受けて電飾制御基板338は実際に演出表示装置115を作動させる処理を行う。
波形制御基板339は、音響出力としての可聴音波のほか、不可聴である超音波等の波形信号を生成・送受信する処理を実行している。例えば、サブ統合基板336から音響出力コマンドが波形制御基板339に送信されると、これを受けて波形制御基板339は上記のスピーカ18,57を駆動する処理を行う。このほかにも、波形制御基板339には超音波送受信装置356が接続されており、この超音波送受信装置356は、複数の台間で超音波による通信を可能とする。通常、ホールの島設備には複数台のパチンコ機1が並べて設置されるが、超音波送受信装置356を装備しているパチンコ機1同士の間では、相互に超音波通信が可能となる。この通信機能を用いて、複数のパチンコ機1で演出動作をシンクロナイズさせたり、特定の台間で遊技情報の交換を行ったりすることができる。
なお、電飾制御基板337,338、及び波形制御基板339にも、それぞれ中央演算装置としてのCPU357,358,359、読み出し専用メモリとしてのROM370,371,372、及び読み書き可能メモリとしてのRAM373,374,375を夫々備えている。
また、本例の普通始動ゲート91及び普通始動センサ317が本発明の普通始動検出手段に、本例の特定始動口センサ318が本発明の特定始動検出手段に、本例の開閉部材94及び始動口ソレノイド325が本発明の特定始動口開閉手段に、夫々相当している。
[遊技処理について]
次に、本実施形態における遊技処理について図12〜図16に基づいて詳細に説明する。図13は遊技処理における主基板の機能的な構成を示すブロック図であり、図14は遊技処理における周辺基板の機能的な構成を示すブロック図である。図15は変動パターンテーブルの一例を示す図であり、図16は大当り遊技処理の一例を示すフローチャートである。
(遊技処理における機能的構成について)
遊技プログラムとして実現される機能的な構成と、それらの構成を用いた具体的な遊技内容の一例を説明する。図13に示すように、主基板310には、普通始動ゲート91を通過した遊技球を検出する普通始動センサ317からの検出信号に基づいて乱数発生手段401によって発生する所定の普通乱数(普通図柄変動パターン乱数、当り判定乱数、等)により所定の普通抽選結果を抽選する普通抽選手段402を備えている。この普通抽選手段401の普通抽選結果に応じて始動口ソレノイド325を駆動させて開閉部材94を開動作させて特定始動口95を所定時間開状態とする。本例では普通抽選結果が「チャンス当り」であると、約2sec間開状態とし、「ボーナス当り」であると約5.8sec間開状態となる。また、普通抽選手段402の普通抽選結果はコマンド送信手段403によって周辺基板311へと送信されるようになっている。
また、主基板310には、特定始動口95に入賞した遊技球を検出する特定始動口センサ318からの検出信号に基づいて乱数発生手段404によって発生する所定の特定乱数(例えば、変動パターン乱数、大当り判定乱数、特別図柄用乱数、継続回数判定乱数、等)により所定の特定抽選結果を抽選する特定抽選手段405と、開閉片82やアタッカ装置93等が開閉処理中に特定始動口センサ318から検出信号が送られてくると特定抽選結果を所定する留保する留保手段406と、留保手段406により留保される特定乱数や特定抽選結果等を記憶する記憶手段407(RAM316に相当)と、記憶手段407に記憶された留保数を基に留保ランプ98に留保数を表示させる留保数表示制御手段408とを更に備えている。なお、本例では特定抽選結果として、開閉片83を開状態とする「開放当り」と、開閉片83を開状態としない「閉鎖当り」とがある。
また、主基板310には、留保手段406による留保が解除された特定抽選結果に基づいてROM315等に予め記憶された変動パターンテーブルから対応する変動時間を含む変動パターンを選択する変動時間選択手段409と、変動時間選択手段409により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄表示器330に特定演出として特別図柄を変動表示させる特別図柄制御手段410と、特別図柄の変動が開始されてから、変動時間選択手段409により選択された変動時間が経過し、特定抽選結果が「開放当り」であると、役物進入口ソレノイド326を駆動して開閉片83を開動作させて役物進入口82を所定時間(例えば、約1.7sec間)開状態とした後に、役物進入口82を開閉片83により閉鎖し、その後、滞留ソレノイド327を駆動して滞留シャッター84を開状態とする中央役物開閉制御手段411とを更に備えている。
なお、変動時間選択手段409により選択された変動パターンは、コマンド送信手段403を介して周辺基板311へと送信されるようになっている。また、特定抽選結果が「閉鎖当り」である場合は、開閉片83は、開動作せず閉状態のままとなる。
更に、主基板310には、特定入賞口87に入賞した遊技球を検出する特定入賞センサ319の検出信号等に基づいて、遊技者に有利な例えば大当り遊技等の有利遊技状態を発生させる有利遊技状態発生手段412を更に備え、有利遊技状態発生手段412により、アタッカ装置93の大入賞口ソレノイド328が駆動して閉鎖片92が所定の開閉動作を繰り返すことで、有利遊技状態となるようになっている。なお、特定入賞センサ319からの検出信号もまたコマンド送信手段403によって周辺基板311へと送信されるようになっている。
一方、図14に示すように、周辺基板311には、主基板310から送信される各種コマンドを受信するコマンド受信手段421と、コマンド受信手段421により受信されたコマンドに基づいて、演出表示装置115に表示される所定の演出画像を制御する演出表示制御手段422と、スピーカ18,57から出力される所定の演出音(演出音響)を制御する演出音響制御手段423とが備えられている。
周辺基板311の演出表示制御手段422には、キャラクタを動的に表示させるキャラクタ制御手段424と、背景を動的に表示させる背景制御手段425と、図柄を動的に表示させる図柄制御手段426とを備えている。そして、主基板310からのコマンドに応じて、キャラクタ制御手段424、背景制御手段425、及び図柄制御手段426によって、例えば、サブ統合基板336や電飾制御基板338のROM351やROM371等に予め記憶されているキャラクタや背景等の静止画や動画等の画像から所定の画像を呼出して、所定の演出画像として演出表示装置115に表示させるものである。つまり、遊技状態に応じた所定の演出画像を表示するようになっている。
なお、本例の変動時間が本発明の所要時間に相当すると共に、本例の変動時間選択手段409が本発明の所要時間選択手段に、夫々相当している。また、本例の特別図柄制御手段410、演出表示制御手段422、及び演出音響制御手段423が本発明の特定演出制御手段に、本例の演出表示制御手段422及び演出音響制御手段423が本発明の普通演出制御手段に、夫々含まれている。更に、本例の「チャンス当り」及び「ボーナス当り」が、本発明の「普通当り」及び「有利当り」に夫々相当している。
本実施形態のパチンコ機1では、遊技領域37内に打ち込まれた遊技球が、普通始動ゲート91を通過すると普通始動センサ317に検出され、その検出信号に基づいて主基板310の普通抽選手段402では、所定の普通抽選結果が抽選される。普通抽選結果が抽選されると、演出表示装置115では、演出表示制御手段422により普通演出として図柄等の変動表示が開始された後に、普通抽選結果に応じた図柄等が停止表示されることで遊技者に普通抽選結果を認識させるようになっている。この普通抽選結果には「チャンス当り」と、「ボーナス当り」とが有り、何れが抽選されても、始動口ソレノイド325が駆動されて特定始動口95が所定時間開状態となるようになっている。なお、「チャンス当り」よりも「ボーナス当り」の方が、特定入賞口95への遊技球の入賞確率が高くなるようになっている。
なお、「チャンス当り」、「ボーナス当り」としては、始動口ソレノイド325による開閉部材94の開閉回数の異なるもとしても良い。また、普通抽選結果の種類を、「チャンス当り」、「ボーナス当り」の他にも、複数用意しても良い。
具体的には、普通抽選手段402において「チャンス当り」が抽選されると、始動口ソレノイド325の駆動により開閉部材94が開動作をし、特定始動口95を約2sec間開状態とする。一方、普通抽選手段402において「ボーナス当り」が抽選されると、同じく始動口ソレノイド325の駆動により開閉部材94が開動作をし、特定始動口95を約5.8sec間開状態とする。
なお、「チャンス当り」、「ボーナス当り」としては、始動口ソレノイド325による開閉部材94の開閉回数の異なるもとしても良い。また、普通抽選結果の種類を、「チャンス当り」、「ボーナス当り」の他にも、複数用意しても良い。
そして、普通抽選手段402により抽選された「チャンス当り」又は「ボーナス当り」に応じた時間の間、特定始動口95が開状態となり、遊技球を特定始動口95に入賞させることができ、「チャンス当り」よりも時間の長い「ボーナス当り」が抽選されると、より多くの遊技球を入賞させることができるようになっている。
ところで、本例では、遊技球の特定始動口95への始動入賞を留保する留保手段406を備えており、この留保手段406によって、短時間(後述の変動時間の実行中を含む)に複数の遊技球が特定始動口95に入賞したり、大当り遊技中(後述の大当り遊技処理中)に遊技球が特定始動口95に入賞したりした場合、その入賞が無効となって遊技者が不利となるのを抑制するために、所定数(本例では4)まで始動入賞を留保するようになっている。
この留保手段406による留保処理では、特定始動口95への遊技球の入賞により特定始動口センサ318から検出信号が入力されると、特定始動入賞有りと判断し、記憶手段407(RAM316)において既に始動留保が最大数(ここでは4)に達していれば、特定始動入賞が無効となり棄却される。一方、留保数が最大数よりも少なければ、留保格納処理として、例えば、留保数表示制御手段408では、RAM316内に確保されている留保数カウンタに「1」が加算され、合わせてLED等からなる留保球ランプ98の点灯個数が1つ増加される。
また、留保格納処理では、特定抽選手段405において、乱数発生手段404により乱数値の取得が行われる。このとき取得される乱数値には、例えば、変動パターン乱数、大当り判定乱数、特別図柄用乱数、等が含まれている。このうち大当り判定乱数は、開閉片83を開状態とする「開放当り」か開状態としない「閉鎖当り」の何れかであるかを決定するための乱数である。特別図柄用乱数は、大当り判定乱数によって当りと判別された場合に使用されるものであり、具体的には、特別図柄表示器330によって停止表示される表示パターン(四つのLEDにおける点灯状態の組合わせパターン)を特定するための乱数である。また、変動パターン乱数は、演出表示装置115に表示される演出画像や、スピーカ18,57から出力される演出音響等の変動パターン(変動時間)を特定するための乱数である。以上の各乱数値が取得され、これらが例えばRAM316に格納する処理が行われる。
そして、遊技状態が変化して、留保格納処理によって記憶手段407に格納された始動入賞が実行可能(例えば、大当り遊技状態の終了、役物進入口82が入賞可能となってから所定時間経過後(回転体86に供給された遊技球が確定するまで)、など)となると、記憶手段407に格納された始動入賞の古いものから読み出され、その読み出された始動入賞(各乱数値)、つまり、特定抽選結果に基づいた遊技処理が実行される。
留保手段406により留保された始動入賞が実行されると、その始動入賞に含まれた特定抽選結果に基づいて、変動時間選択手段409によりROM315等に予め記憶された変動パターンテーブルを用いて、変動パターン(変動時間を含む)が選択される。そして、選択された変動パターンに応じて、特別図柄表示器330では特別図柄の変動表示が、演出表示装置115では演出表示制御手段422によりキャラクタ等からなる演出画像が、スピーカ18,57では演出音響制御手段423により演出音楽等からなる演出音響の出力が夫々開始され、対応する変動時間が経過して特定抽選結果が「開放当り」であると、開閉片83が開動作して役物進入口82開状態となり、役物進入口82内に進入した遊技球が滞留シャッター84により滞留し、その後滞留シャッター84が開くことで遊技球が回転体86へ供給されるようになっている。
なお、本例では、特定抽選結果が「閉鎖当り」であると、進入口82を単に閉鎖したままの状態とするものを示しているが、例えば、この「閉鎖当り」を「閉鎖小当り」と「閉鎖ハズレ」とに分割し、「閉鎖ハズレ」が抽選されると単に進入口82を閉鎖したままとして遊技者が有利とはならないものとし、「閉鎖小当り」が抽選されると進入口82は閉鎖したままでアタッカ装置83を開閉させて遊技者に有利となるものとするようにしてもよい。但し、「閉鎖小当り」の場合、特定入賞口87への遊技球の入賞により発生する大当り遊技によって有利となる度合よりも、低い度合の大当り遊技を発生させることが望ましい。具体的には、例えば、大当り遊技におけるラウンド数(継続回数)を少なくする(例えば、特定入賞口87への入賞では15回、「閉鎖小当り」では2回)。
ところで、この変動パターンテーブルは、その変動パターン数や、変動時間が、中央役物81における回転体86と関係させられている。具体的には、回転体86による特定入賞口87への誘導確率や、回転体86における特定入賞口87への誘導周期と関係している。因みに、本例では、中央役物81における回転体86による特定収容部85aへの収容確率、つまり、特定入賞口87への誘導確率が1/6とされていると共に、回転体86の回転により特定収容部85aが周方向の同一位置に位置する周期が3000ms、また、回転体86に配置された収容部85の数が12とされている。なお、本例では、特定収容部85aが180゜の間隔で配置されているので、上記の周期は回転体86の半周期に相当し、回転体86が一回転するのに要する時間は、6000ms(6sec)となっている。なお、上記の数値は、それらの数値に限定するものではなく、適宜変更しても良い。
図15に示すように、本例の変動パターンテーブルでは、その変動パターン数が、T1〜T6までの6つとされており、これは、回転体86の特定入賞口87への誘導確率の逆数と同じ値となっている。詳述すると、特定始動口95に遊技球が受入れられた時に、所定の周期で回転する回転体86における特定収容部85aの位置は様々な位置にあり、選択された変動時間によって特定収容部85a(特定入賞口87)へ受入れられる確率が変化することとなる。
そこで、選択対象となる変動時間(変動パターン)の数を増やすことで特定収容部85aへ収容される確率を低下させることができるが、例えば、選択対象となる変動時間の数を5(選択確率1/5)、回転体86において一周期で特定収容部85aへ収容される確率(誘導確率)を1/6(一周期で、特定収容部85aを1つ、普通収容部85bを5つ)、とした場合、5つの変動時間のうち或る一つの変動時間では二つの収容部85の何れかに受入れ可能となり、その変動時間が選択されると収容部85への誘導確率が半減することとなる。つまり、選択される変動時間によっては誘導確率が異なることとなり、特定収容部85aつまり特定入賞口87への誘導確率が高くなるのを待って止め打ちをされたり、技能レベル等の差による不公平感が生じたりする問題が生じることとなる。
しかしながら、変動時間の数を誘導確率と対応した数(誘導確率の逆数:ここでは6)とすることで、全ての変動時間において一つに収容部85に対応することとなり、特定始始動口95が開状態となった時に、中央役物81内の特定入賞口87へ遊技球が誘導される確率を均一なものとすることができ、止め打ちしたり、不公平感が生じたりするのを防止することができるようになっている。なお、上記の例において、変動時間の数を7とした場合、選択される或る二つの変動時間では、同じ収容部85に収容されてしまい一つの収容部85だけ誘導確率が高くなり上記と同様の問題が発生するが、変動時間の数を12(6×2)とすると、全ての収容部85に対して同様に誘導確率が高くなり、誘導確率を均一化することができる。つまり、変動時間の数を、誘導確率の逆数の自然数倍としても同様の効果を奏することができる。
而して、上記のような理由により、本例の変動パターンテーブルにおける変動パターンの数は、回転体86における特定収容部85a、即ち、特定入賞口87への誘導確率の逆数により決定されているものである。なお、本例では、回転体86における収容部85の数が、特定収容部85aへの誘導確率の逆数と同じ数とされている。つまり、変動パターンの数と同じ数とされている。
また、本例の変動パターンテーブルでは、各変動パターンにおける変動時間についても顕著な特徴を有しており、図示するように、変動パターンT1〜T6までの変動時間において、T1との差分が夫々、0,500,1000,1500,2000,2500となっている。つまり、変動パターンの前後の変動時間の差が、何れも500となっており、変動時間の数列が、等差数列となっている。
つまり、所定の変動パターンの変動時間をTn、回転体86における特定収容部85aの周期をS、その収容確率(誘導確率)を1/K、nを1〜Kまでの自然数、Aを任意の定数とした場合、所定の変動時間Tnを、Tn=A+(S×n)/K によって表すことができ、本例では、Tn=A+500×n で表されている。
その理由を詳述すると、本例では、回転体86の周方向に配置された複数の収容部85が夫々等間隔で配置されており、回転体86が一回転にかかる時間が6000ms、収容部85の数が12なので、回転体86の回転により、ある収容部85から次の収容部85に移動する時間が、6000/12=500msかかることとなる。つまり、500ms毎に収容部85が移り変わるので、並んだ変動時間の差が500msよりも少ないと、二つの変動時間に対して一つの収容部85が対応することとなり、その対応した収容部85への遊技球の収容確率(誘導確率)が高くなってしまい、その収容部85が特定収容部85aとなるように特定始動口95を狙い打ちすることが可能となり、止め打ちをされる可能性が生ずることとなる。
また、一方、並んだ変動時間の差を500msよりも大きくした場合、回転体86の回転位置のタイミングによっては、遊技球が収容されことの無い収容部85が出現し、その収容部85が特定収容部85aの場合、遊技者が不利な状態となり興趣を低下させてしまう恐れがあると共に、各収容部85への収容確率が異なるものとなり、止め打ちされる可能性が生じ、遊技者の技能レベルの差により不公平感が生じる問題がある。
このように、並べた変動時間の差が500msでないと、つまり、等差でないと、特定始動口95が開状態となった時の、回転体86による特定入賞口97への誘導確率がそのタイミングによって変化することとなり、止め打ちされたり、不公平感が生じたりするのに対して、並べた変動時間の差を等差とすることで、特定始動口95が開状態となり遊技球を受入れた時に、回転体86の回転位置つまり特定収容部85aの回転位置がどの位置にあっても、特定収容部85aに収容されて特定入賞口87へ導かれる誘導確率を均一なものとすることができるようになっている。これにより、止め打ちが行われたり、技能レベル等の差による不公平感が生じたりするのを抑制して、興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
なお、変動時間選択手段409により選択される変動パターンの選択確率は、夫々同じ確率とされており、本例では、一つの変動パターンテーブルに6つの変動パターンが用意されているので、選択確率は1/6であり、先の、回転体86による特定入賞口87への誘導確率1/6と同じ確率となっている。
そして、変動時間選択手段409により所定の変動時間及び変動パターンが選択されると、その選択された変動時間等を所定のコマンドとしてコマンド送信手段403から、周辺基板311へと送信し、周辺基板311では、コマンド受信手段421によりそれらのコマンドを受信すると、演出表示制御手段422にあってはROM371等から対応する演出画像を呼び出して演出表示装置115に表示させ、演出音響制御手段423にあってはROM372等から対応する演出音響を呼び出してスピーカ18,57から出力させるようになっており、変動時間に対応した長さの演出画像と演出音響を出力することで遊技者の興趣を高められるようになっていると共に、開閉片83が開閉動作するタイミングをある程度遊技者に認識させることができるようになっている。
その後、変動時間が経過すると、開閉片83が所定時間開状態となり、役物進入口82に進入した遊技球のうち本例では一つだけ滞留シャッター84により滞留させられ、残りの遊技球は図示しない排出口から遊技領域37外へ排出されるようになっている。そして、開閉片83が閉状態となると続いて滞留シャッター84が開状態となり、滞留させられていた遊技球が回転体86へと供給され、回転体86の何れかの収容部85に収容されるようになっている。
そして、回転体86へ供給された遊技球は、普通収容部85bに収容されると、ハズレ入賞口88へと受入れられ、遊技領域37外へ排出される。一方、特定収容部85aに収容されると、特定入賞口87に受入れられ、特定入賞センサ319によって検出された後に遊技領域37内から外部へ排出されると共に、特定入賞センサ319による遊技球の検出によって、有利遊技状態発生手段412により、有利遊技状態として本例では「大当り遊技」が発生する。
図16に示すように、本例の「大当り遊技」は、大当り遊技処理の実行により発生するもので、内部的に条件装置が作動して大当り遊技処理が実行されると、先ず、ステップS1001において所定のラウンドカウンタが初期化される。このラウンドカウンタは例えばRAM316内等に確保されており、この初期化に伴ってラウンドカウンタの値はリセットされる。なお、ラウンドカウンタは大当り遊技中のラウンド数をカウントするためのものであり、その値が設定最大回数に達すると大当り処理が終了となる。
上記のラウンドカウンタが初期化された後、ステップS1002において、所定の入賞球数カウンタに「0」がセットされ、続いてステップS1003では大入賞口(アタッカ装置93)が開放される。そして、次のステップS1004では大入賞口の開放期間が設定最大期間(例えば30秒)内であるか否かが判断される。開放期間が設定最大期間内であれば(YES)、次のステップS1005へと進み、入賞球カウンタの値が10未満であるか否かが判断される。このとき入賞球カウンタの値が10に満たなければ(YES)、ステップS1006へと進み、大入賞口に対応するカウントセンサ321の検出信号がONになったか否かが判断される。
そして、ステップS1006において、大入賞口への入賞によりカウントセンサ321がONになると(YES)、次のステップS1007で入賞球数カウンタに「1」が加算され、再度ステップS1004の判断が行われる。あるいは、ステップS1006で大入賞口への入賞がなく、カウントセンサ321がONになっていなければ(NO)、入賞球数カウンタが加算されることなくステップS1004の判断が行われる。
「通常大当り」または「確変大当り」の場合、通常は設定最大期間である30秒が経過するか、あるいは入賞球が10カウントに達するかのいずれかの条件が満たされると1ラウンドが終了となる。これら2つの条件のいずれかが満たされると、ステップS1004またはステップS1005の判断が否定(NO)されるので、ステップS1008へと進み、ラウンド終了のために大入賞口(アタッカ装置93)が閉止される。そして、次のステップS1009でラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(特定抽選手段405の乱数発生手段404により発生させられる継続回数判定乱数によって決められるものであり、例えば、特定入賞口87へ入賞した場合は15ラウンド、「閉鎖小当り」を引いた場合は2ラウンド)に達したか否かが判断される。
このステップS1009において、ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達していなければ(NO)、ステップS1010へ進み、ラウンドカウンタの値に「1」が加算されて、ステップS1002へと戻り、入賞球数カウンタが「0」にリセットされる。
上記の処理は「通常大当り」または「確変大当り」中における1ラウンド目の処理に相当する内容である。この後、ラウンド動作が繰り返されて、ステップS1009において、ラウンドカウンタの値が設定最大継続回数(15ラウンド)に達したと判断されると(YES)、そこで大当り遊技処理は終了となる。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、普通始動ゲート91を遊技球が通過すると、普通演出として演出表示装置115に図柄等が変動表示された後に特定始動口95が開状態となり、その時に特定始動口95に遊技球を入賞させると、所定数の遊技球が払い出されると共に、抽選が行われて特定演出として特別図柄表示器330で特別図柄が変動表示されたり、演出表示装置115及びスピーカ18,57から演出画像及び演出音響が出力されその変動時間が経過した時に抽選の結果が「開放当り」であると、役物進入口82への遊技球の入賞が可能となり、その時に役物進入口82へ遊技球を入賞させて回転体86に遊技球を供給し、回転体86に供給された遊技球が特定収容部85aに収容されて特定入賞口87に誘導されて受入れられると、有利遊技状態として大当り遊技が発生する。加えて、遊技状態に応じて特定始動口87への始動入賞が所定数まで留保され遊技者が不利となるのを緩和させると共に、回転体86の回転位置に無関係にどのタイミングで特定始動口95へ入賞しても特定入賞口87に受入れられる確率が同じとされ遊技者の技能レベルの差を無くすような遊技内容とすることができ、大当り遊技が発生するまでに多くの障害があり、遊技内容にある程度の難易度があるので、遊技する意欲や興趣を高められる効果を期待することができると共に、遊技者の技能レベルの差による不公平感の発生を抑制することができる。
また、遊技の進行に伴って、遊技球の打ち込み操作により狙う位置が、遊技領域37内の異なる位置に夫々配置された普通始動ゲート91、特定始動口95、役物進入口82、等に変化するので、単調な遊技となるのを防止することができ、飽き難く興趣を低下させてしまうのを防止することができる。
また、普通始動ゲート91を通過すると、「チャンス当り」又は「ボーナス当り」の何れかを抽選する抽選が行われるので、何れが抽選されるかでハラハラ、ドキドキさせて興趣を高めることができると共に、図柄が変動表示する普通演出が表示されるので、その演出により「ボーナス当り」が抽選されるのではないかと期待感を高めさせることが可能となり、より興趣の高められるものとすることができる。
更に、「ボーナス当り」が抽選されると、特定始動口95への入賞が高くなり、多くの遊技球を特定始動口95に入賞させて、それらの始動入賞を留保させることができるので、所定数留保されることで、連続して役物進入口82への入賞チャンスを得ることができ、より興趣を高めることができる。
また、特定始動口95に入賞すると、「開放当り」又は「閉鎖当り」の何れかを抽選する抽選が行われるので、役物進入口82への遊技球の入賞が可能となる「開放当り」が抽選されるか否かで遊技者をハラハラ、ドキドキさせることができ、興趣を高めることができると共に、「閉鎖当り」が抽選されることで役物進入口82への遊技球の入賞が可能とならないので、興趣を低下させることもでき、興趣を高めたり低下させたりして、抑揚のある遊技をさせてより面白味のあるものとすることができる。
また、特定始動口95への入賞による「開放当り」又は「閉鎖当り」の抽選結果の確定までの変動時間の間、特定演出として、演出表示装置115及びスピーカ18,57から演出画像及び演出音響が出力されるので、その特定演出により遊技者を楽しませることができると共に、興趣が低下するのを防止することができる。
また、どのタイミングで遊技球が特定始動口95に入賞しても、回転体86による特定入賞口87への誘導確率が略一定とされているので、従来のパチンコ機のように止め打ちを行っても特定入賞口87への受入確率を高めることができず、止め打ちを無意味なものとすることができるので、止め打ちするのを防止することが可能となり、遊技球を連続して打ち込み操作をさせることができ、ホール側の負担が大きくなるのを防止することができる。また、開閉片83が開状態となって役物進入口82へ遊技球が入賞可能となるまでの間、特定演出が出力されない場合、開閉片83が開状態となるタイミングが不明確なため、遊技者によっては、苛立ちの原因となり興趣を低下させる恐れがあるが、演出表示装置115等には特定演出が出力(表示)されるので、その特定演出によって開閉片83の開閉タイミングを認識させ易くすることができると共に、特定演出により楽しませることができ、興趣が低下するのを防止することができる。
更に、「開放当り」が抽選されて役物進入口82への遊技球の入賞が可能となり、多くの遊技球を役物進入口82に入賞させても、滞留シャッター84により所定数までしか回転体86に供給されないので、より多くの遊技球を役物進入口82に入賞させることのできる技能レベルの高い遊技者であっても、多くの遊技球を役物進入口82に入賞させることが困難な初心者等の技能レベルの低い遊技者であっても、回転体86に供給される遊技球の数が略同じような数となり、遊技者の技能レベルの差に関わらず、大当り遊技が発生するチャンスを略均等に与えることが可能となり、不公平感が生じるのを抑制することができると共に、特定入賞口87に受入れられる確率が無用に高くなるのを防止して、ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。
また、複数の遊技球が短時間の間に特定始動口95に入賞したり、大当り遊技の発生中に遊技球が特定始動口95に入賞したり等しても、それらの始動入賞が留保手段406によって所定数まで留保され、遊技状態が所定条件を満たさなくなると、留保が解除されて、先に留保されたものから実行されて、特定演出の出力が開始されので、遊技者が不利となるのを緩和することができ、興趣を高めることができると共に、留保手段406により所定数まで留保することができるので、その所定数だけ連続して役物進入口82への入賞が可能となるチャンスを与えることができ、役物進入口82に入賞させて回転体86により特定入賞口87へ誘導される可能性が高くなり、遊技者の興趣をより高められる効果を期待することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、特定始動口95を開閉部材94により閉鎖して、普通始動ゲート91を遊技球が通過するのに応じて特定始動口95を開状態とするものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、特定始動口95を常時開状態とすると共に、開閉部材94に代えて拡開可能な羽根を備え、普通始動口(普通始動ゲート)への遊技球の入賞により羽根を拡開させて、特定始動口95への遊技球の入賞確率を変化させるようにしたものとしても良い。また、特定始動口95を常時開状態とすると共に、開閉部材94、普通始動ゲート91、及び普通抽選手段402等を廃止して、遊技球で最初に特定始動口95を狙うようなものとしても良く、いずれの場合も、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、変動時間選択手段409によって変動パターンテーブルから選択される変動パターン(変動時間)の選択確率を全て同じ確率としたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、回転体86における特定収容部85aの回転位置を検出する回転位置検出手段を設けて、特定始動口95への遊技球の入賞と、回転位置検出手段による回転体86つまり特定収容部85aの回転位置とに基づいて、回転体86の回転位置が如何なる位置で特定入賞口95に遊技球が受入れられても、特定収容部85aに収容される収容確率(誘導確率)を均等なものとすることができるように、変動パターンテーブルにおける各変動パターンの選択確率を夫々異ならせるようにしても良く、これによっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記の実施形態では、大当り遊技中等の遊技状態の時に、特定始動口95へ遊技球が入賞すると、留保手段406により始動留保するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、特定始動口95での始動留保と同様に、普通図柄の変動表示中や、大当り遊技中などに、普通始動ゲート91を遊技球が通過した場合、普通図柄の始動を所定数まで留保するようにしても良く、これにより、特定始動口95が開状態となるチャンスが確保されるので、遊技者が不利となるのを緩和することができ、興趣を高めることができる。