JP4862974B2 - パラレルメカニズム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベースと移動テーブルとの間に複数の脚を並列的に配置したパラレルメカニズムに係り、特に空間6自由度を有するパラレルメカニズムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械の工具やロボットハンドなどのエンドエフェクタに空間6自由度を与える場合、複数のベースのそれぞれと工具やハンドとをリンクによって直列に連鎖したシリアルな機構となっており、シリアルメカニズムと呼ばれている。すなわち、従来のエンドエフェクタの駆動機構は、スライドガイドを用いた直交型のアクチュエータによって、エンドエフェクタを直交したXYZ軸に沿って移動させて3自由度を得、さらに3つのアクチュエータを直列的に配置していわゆるピッチング、ヨーイング、ローリングの3自由度を実現していた。
【0003】
この機構は、アクチュエータの駆動量とエンドエフェクタの変位量との関係を表すことが容易であり、各移動軸ごとに運動精度を高めることも容易である。そして、工作機械や測定器においては、要求される運動軌跡が直線運動であったために、最も多く普及している。しかし、従来のシリアルメカニズムは、(イ)片持ち梁や両端支持梁などの梁構造をとっている場合が多く、構造部材に自重や外力による曲げモーメントが加わり、撓みが発生しやすい。(ロ)直列的な積み重ね構造であるため、各移動軸の運動誤差や位置決め誤差が累積される。(ハ)構造部材、アクチュエータなどの質量が積み重ねられるため、装置が大型化するとともに、慣性質量が増大してエンドエフェクタの移動速度を大きくできない。(ニ)各軸のアクチュエータへの負荷が異なり、各軸の構造を統一することができず、ユニット化が困難でコストが増大する。(ホ)出力節を各移動軸のスケールや駆動ユニットの延長線上に配置することが難しく、出力節の位置決めや精度が各軸の運動誤差の影響を受けやすい。などの欠点がある。そこで、装置の軽量化が図れ、大きな出力が得られるパラレルメカニズムが注目されている。
【0004】
パラレルメカニズムは、現在、図7〜図9に示した3つの形態が考えられている。図7は、伸縮型パラレルメカニズムの構造を模式的に示したものである。図7に示したように、パラレルメカニズム10は、ベース12に対面して移動テーブル(プラットフォーム)14が配置してある。そして、ベース12と移動テーブル14との間に、シリンダやボールネジなどのような伸縮自在な6つのアクチュエータ16(16a〜16f)が並列的に配置してある。これらのアクチュエータ16は、下端が球面軸受を介してベース12に取り付けられ、上端が球面軸受を介して移動テーブルに取り付けてある。また、各アクチュエータ16は、ベース12、移動テーブル14の面とトラスを形成するように配置してある。
【0005】
すなわち、例えば、アクチュエータ16aのベース12への接続部18aは、このアクチュエータ16aの一側に隣接しているアクチュエータ16bのベース12への接続部18bに近接している。一方、アクチュエータ16aの移動テーブル14への接続部20aは、このアクチュエータ16aの他側に隣接しているアクチュエータ16fの移動テーブル12への接続部20fに近接している。他のアクチュエータについても同様であって、アクチュエータ16aとアクチュエータ16bと移動テーブル14の面とで略三角形が形成される。また、アクチュエータ16bとアクチュエータ16cとベース12の面とで略三角形が形成される。
【0006】
このように構成してあるパラレルメカニズム10は、各アクチュエータ16が相互に独立して作動するようになっていて、各アクチュエータ16を矢印22(22a〜22f)のように伸縮させることにより、移動テーブル14に取り付けた工具やハンドなどのエンドエフェクタに空間6自由度を与えることができる。また、パラレルメカニズム10は、複数のベースを直列的に配置していないため、誤差の累積がないため、姿勢や位置の制御精度を向上することができる。しかも、6つのアクチュエータによって工具などを支えるために大きな剛性が得られ、大型の工具やワークを取り扱ったとしても、ほとんど変形することがなく、大きな出力が得られる。
【0007】
図8に模式的に示したパラレルメカニズム30は、屈曲型と称されるものである。このパラレルメカニズム30は、ベース12とベース14とを連結している6本の脚部32が、上端を移動テーブル14に連結した直線状のリンク34と、ベース12側のL字状に屈曲したリンク36とからなっていて、両者を回転自在に連結するとともに、L字状リンク36をベース12に設けたモータ38によって、矢印39のように回転できるようにしてある。そして、リンク36を回転させることにより、移動テーブル14に空間6自由度を与えるようにしている。
【0008】
また、図9に模式的に示したパラレルメカニズム40は、スライド型または開閉型と称されるものである。このパラレルメカニズム40は、ベース12と移動テーブル14とを連結している脚部42が直線状のリンクからなっている。また、脚部42のベース側の支点が矢印44に示したように直線的に移動させることができるように形成してある。そして、脚部42のベース側の支点を平面移動させることにより、移動テーブル14に空間6自由度を与えるようにしてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図7に示した従来のパラレルメカニズム10は、工作機械などに利用して精密加工を行なおうとすると、高速動作が困難となる欠点がある。これは、移動テーブル14の支持の仕方に起因する。すなわち、アクチュエータ16aの支持点20aと、アクチュエータ16fの支持点20fとは、異なった位置となっており、両者間にある距離が存在する。このことは、ベース12側においても同様である。すなわち、パラレルメカニズム10は、合計12の支点を有している。
【0010】
このような構造においては、例えば、移動テーブル14を図10(1)の実線に示したように水平に保持した初期状態から、同図の2点鎖線に示したように、水平を維持して移動テーブル14を上昇させた場合、各アクチュエータ16の伸長量が同じである。そして、2本のアクチュエータ(例えばアクチュエータ16a、16f)の延長線上に三角形の仮想頂点a、d、gが存在する。このとき、アクチュエータ16a、16fの支点b(18a)、c(20a)、e(20f)、f(18f)は、三角形adfの辺上に存在し、仮想頂点a、支点b、c、仮想頂点dが一直線上にあり、仮想頂点d、支点e、f、仮想頂点gが一直線上にある。このことは、移動テーブル14を水平に保持して平行移動させる限り同じである。
【0011】
ところが、アクチュエータ16a、16fの伸長量を同じにした場合であっても、同図(2)に示したように、移動テーブル14を傾斜させたとき、アクチュエータ16a、16fが形成する三角形は二等辺三角形にならず、移動テーブル12側の仮想頂点が二等辺三角形のときのdからd′にずれる。このことは、ベース12側の仮想頂点a、gについても同様である。
【0012】
パラレルメカニズムは、運動軌跡がシリアルメカニズムのように直線運動ではない。このため、パラレルメカニズム10の移動テーブル14の運動軌跡を求める場合、まず各三角形の頂点の座標位置を決定したのち、次に脚(アクチュエータ)の長さを複雑な計算により求める必要がある。そして、移動テーブル14を図10(2)に示したように傾斜させた場合にも、二等辺三角形の仮想頂点dを基準にして支点c、eなどの座標を求めるようになっている。このため、移動テーブル14が傾斜した状態においては、アクチュエータ16aについての仮想頂点a、支点b、c、仮想頂点dが同一直線上に存在せず、アクチュエータ16fについての仮想頂点d、支点e、f、仮想頂点gが同一直線上に存在しないため、さらに複雑な計算が必要となり、計算に多くの時間がかかる。したがって、パラレルメカニズム10を工作機械などに適用して精密な加工をしようとする場合、移動テーブル14を高速移動することが困難となる。そして、移動テーブル14を高速移動させるときには、仮想頂点の位置を近似計算によって求めなければならず、加工精度が低下する。このため、従来のパラレルメカニズム10を用いた実用的な工作機械においては、50〜100μm程度の加工精度しか得ることができない。
【0013】
そこで、このような問題を解決するために、一対のアクチュエータの端部を1つの球面軸受に接続し、この球面軸受を介して移動テーブル14を支持する構造が提案されている(例えば、「パラレルメカニズムが機械を変える」、日経メカニカル、1995年3月20日号)。この球面軸受は、大きさの異なる半球状のリグを入れ子式に組み合わせるとともに、各半球状リグのそれぞれにアクチュエータの一端を結合し、さらに組み合わせたリグを球面状凹部が設けてあるソケットに挿入し、磁力によってリグをソケットに保持する構造となっている。このため、軸受に作用する圧縮力に対しては充分な強度を得ることができる。しかし、軸受に大きな引張り力が作用すると、リグがソケットから抜けるおそれがあり、重量物を扱うことが困難である。
【0014】
本発明は、前記従来の欠点を解消するためになされたもので、エンドエフェクタを高精度で高速駆動させることがきるようにすることなどを目的としている。
また、本発明は、引張り力に対しても充分は強度を有するようにすることなどを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
発明者は、パラレルメカニズムについて研究した結果、三角形の3つの頂点が同一の平面上に存在する点に着目した。すなわち、一対の脚の支点が一点にない場合であっても、三角形を形成している平面上に存在していれば、球面軸受などを用いる必要がないことを見出した。本発明は、上記の知見に基づいてなされたもので、上記の目的を達成するために、本発明に係るパラレルメカニズムは、ベースと、このベースに対面して配置した移動テーブルと、この移動テーブルと前記ベースとの間に設けられて両者を連結し、前記移動テーブルを作動する並列的に配置した複数の脚部とを備え、隣接して対をなす前記脚部の移動テーブル側端部は、継手ユニットを介して前記移動テーブルに接続されており、前記継手ユニットは、前記隣接して対をなす脚部の移動テーブル側端部それぞれに連結されたフォーク部と、このフォーク部を枢着した軸部と、この軸部に前記移動テーブルの接続凸部を連結する球面軸受と、を有し、前記各脚部は伸縮自在であって、前記移動テーブル側において対をなした側と反対側に隣接して対をなす脚部は、第2継手ユニットを介して前記ベースに接続されており、前記第2継手ユニットは、前記反対側に隣接して対をなす脚部のベース側端部それぞれに連結された第2フォーク部と、この第2フォーク部を枢着する第2軸部と、この第2軸部に前記ベースの接続凸部を連結する第2球面軸受と、を有することを特徴としている。
【0016】
また、各脚部は、モータによって回転して二方向に作動流体を吐出するポンプと、ベースと移動テーブルとに接続され、ポンプが吐出した作動流体を受ける複動型片ロッドシリンダとを有する構造にすることができる。
【0017】
【作用】
上記のごとくなっている本発明に係るパラレルメカニズムは、一対の脚部の軸部への結合部を、これらの脚部によって形成される三角形の作る面と同じ面上に配置し、軸部に設けた自在継手部を介して移動テーブルを取り付けることにより、一対の脚部を一点において連結したのと同様の作用を得ることができる。したがって、移動テーブルを傾斜させた場合であっても、支点の位置を求める演算を迅速に行なうことが可能となり、工具やロボットハンドなどのエンドエフェクタを高速移動させることが可能となる。しかも、構造の簡素化が図れるとともに、引張り力に対しても充分な強度を得ることができる。
【0018】
脚部が伸縮自在である場合、各脚部のベース側も移動テーブル側と同様の機構を介してベースに連結することにより、高速作動を実現することができる。また、モータに直結した二方向(双方向)吐出型のポンプと、このポンプから受ける作動流体によって作動する複動型片ロッドシリンダとによって脚部を形成することにより、高価な方向制御弁やサーボ弁などを省略することができ、簡素な構造であって安価なものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係るパラレルメカニズムの好ましい実施の形態を、添付図面にしたがって詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るパラレルメカニズムの説明図であって、伸縮型パラレルメカニズムの展開図の一部を模式的に示したものである。図1において、パラレルメカニズム50は、ベース12と移動テーブル14との間に6つの脚部52(52a〜52f)が配設してあって、これらの脚部52によってベース12と移動テーブル14とが連結してある。これらの脚部52は、詳細を後述するように、複動型片ロッドシリンダからなるアクチュエータ部54(54a〜54f)と、アクチュエータ部54と一体の駆動部56(56a〜56f)とからなっている。そして、各アクチュエータ部54のロッド58(58a〜58f)は、一側に隣接しているアクチュエータ部54のロッド58とともに、継手ユニット60(60a〜60c)を介して移動テーブル14に接続してある。すなわち、アクチュエータ部54a、54bのロッド58a、58bは、継手ユニット60aを介して移動テーブル14に接続してあり、アクチュエータ部54c、54dのロッド58c、58dが継手ユニット60bを介して移動テーブル14に接続してあり、アクチュエータ部54e、54fのロッド58e、58fが継手ユニット60c(図示せず)を介して移動テーブル14に接続してある。
【0020】
一方、各アクチュエータ部54のボトム側は、他方側において隣接するアクチュエータ部54のボトム側とともに、継手ユニット62a〜62cを介してベース12に接続してある。すなわち、継手ユニット62aには、アクチュエータ部54aとアクチュエータ部54fとのボトム部が連結しており、継手ユニット62bにはアクチュエータ部54b、54cのボトム部が、継手ユニット62c(図示せず)にはアクチュエータ部54d、54eのボトム部が連結している。したがって、各脚部52は、ベース12または移動テーブル14とともに三角形を形成し、トラス構造となっている。そして、各継手ユニット60、62は、同一の構造に形成してあって、各脚部52がベース12と移動テーブル14との面に対して任意の方向に傾斜できるようになっている。
【0021】
すなわち、各継手ユニット60、62は、図2に継手ユニット60aを例にして示したようになっている。継手ユニット60aは、同図(1)に示したように、ロッド58a、58bの先端部に取り付けたフォーク部64a、64bを有している。そして、一方のフォーク部(実施形態の場合、フォーク部64a)が他方のフォーク部64より小さく形成してあり、より小さいフォーク部64aが大きなフォーク部64bの内側に配置してある。また、これらのフォーク部64(64a、64b)は、パイプやロッドによって形成した軸部66に枢着してある。すなわち、フォーク部64のそれぞれは、図2(2)に示したように、一対の軸受68a、68bを介して軸部66に回転自在に取り付けてある。さらに、軸部66の長手方向中央部には、自在継手部70を介して移動テーブル14の接続凸部72が連結してある。この実施形態の場合、自在継手部70は、球面軸受によって構成してある。
【0022】
なお、軸部66は、ベース12側の継手ユニット62における第2軸部に相当する。また、自在継手部70は、継手ユニット62における第2自在継手部に相当する。
【0023】
脚部52は、図3に示したように、アクチュエータ部54がチューブ74に対して進退するロッド58を有する複動型片ロッドシリンダからなっていて、伸縮自在となっている。そして、アクチュエータ部54は、チューブ74の側方にタイロッド76が設けてあって、このタイロッド76に駆動部56が固定してある。駆動部56は、正、逆回転可能な可変速モータ78と、このモータ78の出力軸に直結した二方向吐出型の可変容量ポンプ(油圧ポンプ)80とを備えている。また、油圧ポンプ80のモータ78側と反対側には、作動流体である作動油を封入したタンク部84が設けてある。そして、油圧モータ80の一方の吐出口は、図4に示したように、配管86を介してアクチュエータ部54のロッド側室88に接続してあり、他方の吐出口が配管90を介してアクチュエータ部54のボトム側室92に接続してある。
【0024】
さらに、駆動部56は、モータ78の油圧ポンプ80側と反対側に制御部82が設けてあって、制御部82によってモータ78の駆動を制御し、アクチュエータ部54のロッド58の伸縮量(進退量)、伸縮速度(進退速度)を制御できるようになっている。また、アクチュエータ部54は、チューブ74のボトム部にストロークセンサ94が取り付けてあって、ロッド58の進退量(位置)を検出できるようにしてある。さらに、モータ78には、ロータリエンコーダ96が設けてあって、モータ78の回転状態を検出できるようにしてある。これらのストロークセンサ94とロータリエンコーダ96との出力信号は、制御部82に入力するようにしてある。そして、制御部82は、ストロークセンサ94とロータリエンコーダ96の出力信号に基づいて、モータ78をフィードバック制御する。
【0025】
なお、配管86と配管90との間には、マイクロシャトル弁からなる油量補償部98が油圧ポンプ80と並列に設けてある。この油量補償部98は、ロッド側室88とボトム側室92とにおけるロッド58の有無による容積の相違に基づく作動油の過不足を調整するために設けてある。すなわち、油量補償部98は、ロッド58が伸長する場合、ロッド側室88から吐出される作動油の量が、ボトム側室92に供給すべき作動油の量より少ないため、図4の実線の矢印に示したように、油圧ポンプ80が両者の差の不足分を油量補償部98を介してタンク部84から吸引し、ボトム側室92に供給する。一方、ロッド58がチューブ74内に後退する場合、ボトム側室92から吐出される作動油の量が、ロッド側室88に供給すべき作動油の量より多くなるため、同図の破線の矢印に示したように、過剰な作動油が油量補償部98を介してタンク部84に戻される。
【0026】
このように構成した実施の形態においては、一対のアクチュエータ部54(例えば、アクチュエータ部54a、54b)のロッド58が同一の継手ユニット60を介して移動テーブル14に連結していあるとともに、一対のアクチュエータ部54(例えば、アクチュエータ部54b、54c)のチューブ74のボトム側が同一の継手ユニット62を介してベース12に連結してあり、これらの継手ユニット60、62の自在継手部70に移動テーブル14またはベース12が連結してあるため、一対のアクチュエータ部54とベース12または移動テーブル14とによって形成される三角形の頂点が、移動テーブル14を水平面に対して傾斜させたとしてもずれることがなく、各アクチュエータ部54を任意に作動させたとしても、三角形の頂点の座標を容易に求めることができる。したがって、移動テーブル(エンドエフェクタ)14の位置、姿勢を迅速に求めることが可能で、パラレルメカニズムを用いた高速加工が可能な精度の高い工作機械などを実現することができる。また、実施形態においては、脚部52の駆動部56がモータ78と、モータ78によって直接駆動される二方向吐出型の油圧ポンプ80とによって構成したことにより、高価な方向制御弁やサーボ弁などを必要とせず、簡素な構造とすることができるとともに、安価なものとすることができる。しかも、脚部52は、アクチュエータ部54と駆動部56とを一体化してあるため、複雑な配管を省略することができる。
【0027】
なお、前記実施の形態においては、継手ユニット60を伸縮型のパラレルメカニズム50に適用した場合について説明したが、屈曲型やスライド型のパラレルメカニズムにも適用することができる。また、前記実施の形態においては、油量補償部98をマイクロシャトル弁を用いて形成した場合について説明したが、例えばパイロット操作チェック弁を対向させて配置したものなど、他の構造であってもよい。さらに、前記実施の形態においては、パラレルメカニズム50を工作機械に適用する場合について説明したが、例えばフライトシミュレータなど、他の装置にも適用することができる。そして、前記実施形態においては、作動流体が作動油である場合について説明したが、作動流体は水などであってもよい。
【0028】
図5は、他の実施形態に係る継手ユニットの自在継手部の説明図である。この実施形態に係る自在継手部100は、本図に図示しない一対のフォーク部64a、64bを枢着した軸部102が円筒体によって形成してある。また、移動テーブル14の接続凸部104の先端は、球状接続部106となっていて、この球状接続部106が軸部102に設けた嵌合孔部108と嵌合している。
【0029】
このように形成した自在継手部100を用いても前記実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、この実施形態においては、円筒体を用いて軸部102を形成した場合について説明したが、軸部102は中実のロッドであってもよい。また、ベース12側の継手ユニットの自在継手部についても同様に形成することができる。
【0030】
図6は、さらに他の実施形態に係る継手ユニットの自在継手部の説明図である。図6において、自在継手部110は、自在継手から構成してあって、移動テーブル14の下面に形成した円柱状の接続凸部112に取り付けたブラケット114を有している。ブラケット114は、図6(2)に示したように、スラスト玉軸受116を介して接続凸部112に取り付けてあって、接続凸部112を中心にして回転自在となっている。そして、ブラケット114の下端には、一対の脚部118が設けてある。これらの脚部118は、本図に図示しないフォーク部64を枢着した軸部66の両側に配置してある。また脚部118は、軸部66を貫通し、軸部66に対して回転自在となっている結合ピン120に取り付けてある。
【0031】
このように形成した自在継手部110を有する継手ユニットにおいても前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、この実施形態においては、軸部66をロッドによって形成した場合を示したが、軸部66は円筒体であってもよい。そして、本発明は、上記に説明した各実施形態に限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、一対の脚部を連結した軸部に設けた自在継手部を介して移動テーブルを取り付けることにより、一対の脚部を一点において連結したのと同様の作用を得ることができる。したがって、移動テーブルを傾斜させた場合であっても、支点を求める演算を迅速に行なうことが可能となり、工具やロボットハンドなどのエンドエフェクタを高速移動させることが可能となる。しかも、構造の簡素化が図れるとともに、引張り力に対しても充分な強度を得ることができる。
【0033】
脚部が伸縮自在である場合、各脚部のベース側も移動テーブル側と同様の機構を介してベースに連結することにより、高速作動を実現することができる。また、モータに直結した二方向吐出型のポンプと、このポンプから受ける作動流体によって作動する複動型片ロッドシリンダとによって脚部を形成することにより、高価な方向制御弁やサーボ弁などを省略することができ、簡素な構造であって安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る伸縮型パラレルメカニズムの展開図の一部を模式的に示した図である。
【図2】実施の形態に係る継手ユニットの詳細説明図である。
【図3】実施の形態に係る脚部の詳細説明図である。
【図4】実施の形態に係る脚部の油圧回路を示す図である。
【図5】他の実施の形態に係る自在継手部の説明図である。
【図6】さらに他の実施の形態に係る自在継手部の説明図である。
【図7】従来の伸縮型パラレルメカニズムの説明図である。
【図8】従来の屈曲型パラレルメカニズムの説明図である。
【図9】従来のスライド型パラレルメカニズムの説明図である。
【図10】従来の伸縮型パラレルメカニズムの作用を説明する図である。
【符号の説明】
12……ベース、14……移動テーブル、50……パラレルメカニズム、
52a〜52c……脚部、54a〜54c……アクチュエータ部、
56a〜56c……駆動部、66、102……軸部、70、100、
110……自在継手部。
Claims (2)
- ベースと、このベースに対面して配置した移動テーブルと、この移動テーブルと前記ベースとの間に設けられて両者を連結し、前記移動テーブルを作動する並列的に配置した複数の脚部とを備え、
隣接して対をなす前記脚部の移動テーブル側端部は、継手ユニットを介して前記移動テーブルに接続されており、
前記継手ユニットは、
前記隣接して対をなす脚部の移動テーブル側端部それぞれに連結されたフォーク部と、
このフォーク部を枢着した軸部と、
この軸部に前記移動テーブルの接続凸部を連結する球面軸受と、
を有し、
前記各脚部は伸縮自在であって、
前記移動テーブル側において対をなした側と反対側に隣接して対をなす脚部は、第2継手ユニットを介して前記ベースに接続されており、
前記第2継手ユニットは、
前記反対側に隣接して対をなす脚部のベース側端部それぞれに連結された第2フォーク部と、
この第2フォーク部を枢着する第2軸部と、
この第2軸部に前記ベースの接続凸部を連結する第2球面軸受と、
を有することを特徴とするパラレルメカニズム。 - 前記各脚部は、モータによって回転して二方向に作動流体を吐出するポンプと、前記ベースと前記移動テーブルとに接続され、前記ポンプが吐出した作動流体を受ける複動型片ロッドシリンダとを有することを特徴とする請求項1に記載のパラレルメカニズム。
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