JP2008194789A - 力覚提示装置、および、それを備えたパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置 - Google Patents

力覚提示装置、および、それを備えたパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】精度の高い力覚提示装置、それを備えた多段式のパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置を提供する。
【解決手段】関節部力覚提示装置27は、第1の油圧シリンダ111と第1のレバー112とを有する第1油圧アクチュエータ110と、第2の油圧シリンダ121と第2のレバー122とを有する第2の油圧アクチュエータ120とを備えている。第1の油圧シリンダ111は、軸113aに揺動可能に支持されたシリンダ113と、シリンダ113内を第1空間114と第2空間115とに仕切るピストン116と、ピストンロッド117とを備えている。第2の油圧シリンダ121は、軸123aに揺動自在に支持されたシリンダ123と、シリンダ123内を第3空間124と第4空間125とに仕切るピストン126と、ピストンロッド127とを備えている。両油圧シリンダ111,121は、第1および第2配管118,119により接続されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、動作部における力覚を操作者に提示する力覚提示装置、および、それを備えたパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置に関するものである。
従来より、人の力では行うことができない作業や危険な作業を行う作業装置として、パワーアシスト装置やマニピュレータが用いられている。これらの装置は、人が操作する操作部と、人の操作に応じて動作を行う動作部と、操作部の操作量に基づき動作部を駆動する駆動機構と、動作部の動作量を操作部に伝達する力覚提示装置とを備えている。上記装置の操作者は、上記力覚提示装置により、動作部における力覚を享受することができ、精度のよい操作を行うことが可能となる。
ところで、力覚提示装置には、マニピュレータのように、電気的な機構により構成されたもの(例えば、特許文献1参照)と、機械的な機構により構成されたものとがある。電気的な機構による場合、動作部には種々のセンサが設けられ、各センサは制御装置に接続されている。また、制御装置は操作部を駆動するアクチュエータに接続されている。これにより、各センサによって検知された動作部にかかる負荷に基づき、制御装置が操作部に与える負荷量を演算し、アクチュエータを運転させる。このようにして、動作部における力覚が操作部に精度よく提供される。一方、機械的な機構による場合、操作部と動作部とはリンク機構等により接続されている。これにより、動作部の動作が操作部に円滑に伝達され、操作者はあたかも直接動作しているかのような操作感を得ることができる。
特開平8−224246号公報
しかしながら、上述のように、特許文献1に記載された電気的な機構により構成された力覚提示装置では、センサや制御装置等を設けなければならない。そのため、装置全体が高価かつ複雑となる。また、上記力覚提示装置では、センサによって検出された負荷は、一旦、制御装置において演算され、操作部に伝達される。そのため、機械的な要素により構成された力覚提示装置に比べ、円滑性に欠ける。一方、リンク機構による力覚提示装置では、動作部と操作部とを直接リンクさせるため、配置の自由度が低くなる。そのため、伸縮や曲げ等の種々の動作部を備え、他種類の動作を行う多段式のパワーアシストアームに用いることは難しく、好ましくない。
そこで、本発明者らは、液圧アクチュエータを用いて動作部における力覚を操作部に提示する力覚提示装置を発明した。その一つとして、油圧ロータリアクチュエータを用いてパワーアシストアームのいわゆる関節部の力覚を操作部に伝達する力覚提示装置が挙げられる。このような力覚提示装置の油圧ロータリアクチュエータにはベーンやラックおよびピニオン等が用いられている。そして、これらにより動作部の回転動作をスラスト方向の運動に変換し、また、作動油によるスラスト方向の動作を操作部の回転動作に変換する。
ところが、例えば、油圧ロータリアクチュエータにラックおよびピニオンが用いられている場合、噛み合う歯のバックラッシが大きいためにガタが生じてしまうことがあり、上述の変換をスムーズに行うことができない。そのため、このような油圧ロータリアクチュエータを用いた場合、回転機構の力覚を伝達する際、操作部においてガタが生じてしまうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、精度の高い力覚提示装置、および、それを備えた多段式のパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置を提供することにある。
本発明に係る力覚提示装置は、操作者によって操作され、操作回転軸回りに正逆回転自在な操作部回転機構を有する操作部と、前記操作部の操作入力に従動し、動作回転軸回りに正逆回転自在な動作部回転機構を有する動作部との間に設けられ、前記動作部における力覚を前記操作部に伝達する力覚提示装置であって、前記動作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記動作部回転機構と相対回転不能に接続された第1回転部材と、前記動作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第1のシリンダと、前記第1のシリンダ内を第1空間と第2空間とに仕切る第1ピストンと、一端部が前記第1ピストンに取り付けられ、他端部が前記第1回転部材の前記動作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第1空間を貫く第1ピストンロッドと、を有する第1液圧シリンダと、を有する第1の液圧アクチュエータと、前記操作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記操作部回転機構と相対回転不能に接続された第2回転部材と、前記操作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第2のシリンダと、前記第2のシリンダ内を第3空間と第4空間とに仕切る第2ピストンと、一端部が前記第2ピストンに取り付けられ、他端部が前記第2回転部材の前記操作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第3空間を貫く第2ピストンロッドと、を有する第2液圧シリンダと、を有する第2の液圧アクチュエータと、を少なくとも備え、前記第1空間と前記第3空間とは第1配管を介して接続され、前記第2空間と前記第4空間とは第2配管を介して接続されているものである。
ここで力覚とは、動作部の動作感覚をいい、力覚提示とは、例えば、動作部の回転動作に応じた回転速度、回転角度、反力等を操作部において再現することをいう。
上記力覚提示装置は、液圧ロータリアクチュエータではなく、第1液圧シリンダおよび第2液圧シリンダを備えている。このことにより、液圧ロータリアクチュエータを用いた場合よりも小型のシリンダを用いることができる。したがって、上記力覚提示装置によれば、回転機構用の力覚提示装置をよりコンパクトに形成することができる。また、このことにより、力覚提示に関し、応答性を向上させることができる。
また、一般的に、液圧シリンダは液圧ロータリアクチュエータよりも安価である。そのため、上記力覚提示装置によれば、精度のよい力覚提示装置を安価に提供することができる。また、液圧シリンダは液圧ロータリアクチュエータよりもバリエーションが豊富である。そのため、液圧シリンダを変更することにより、力覚提示量を容易に変更することが可能となる。
さらに、上記力覚提示装置の液圧アクチュエータは、ラックおよびピニオンを用いた液圧ロータリアクチュエータではなく、液圧シリンダと回転部材とを用いて動作部における力覚を操作部に伝達することとしている。そのため、ラックおよびピニオンの噛み合う歯のバックラッシが大きいためにガタが生じてしまうおそれもなく、液圧アクチュエータをスムーズに動作させることができる。したがって、上記力覚提示装置によれば、力覚提示の精度を向上させることができる。
ところで、上記力覚提示装置では、第1液圧シリンダと第2液圧シリンダとを第1配管および第2配管によって接続する際、それぞれのピストンロッド(第1ピストンロッドと第2ピストンロッドと)が貫く第1空間と第3空間とを接続する必要がある。ピストンロッドが貫く空間とそうでない空間とを接続すると、ピストンロッド分の容積差が発生するため、両シリンダ間において第1配管および第2配管を介して作動液を上手く受け渡しすることができなくなり、両液圧シリンダは動作できなくなる。そこで、発明者らは以下のような力覚提示装置を提案する。
本発明に係る力覚提示装置は、操作者によって操作され、操作回転軸回りに正逆回転自在な操作部回転機構を有する操作部と、前記操作部の操作入力に従動し、動作回転軸回りに正逆回転自在な動作部回転機構を有する動作部との間に設けられ、前記動作部における力覚を前記操作部に伝達する力覚提示装置であって、前記動作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記動作部回転機構と相対回転不能に接続された第1回転部材と、前記動作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第1のシリンダと、前記第1のシリンダ内を第1空間と第2空間とに仕切る第1ピストンと、一端部が前記第1ピストンに取り付けられ、他端部が前記第1回転部材の前記動作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第1空間を貫く第1ピストンロッドと、一端部が前記第1ピストンの前記第1ピストンロッドの一端部が取り付けられた面と反対側の面に取り付けられた第3ピストンロッドと、を有する第1液圧シリンダと、を有する第1の液圧アクチュエータと、前記操作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記操作部回転機構と相対回転不能に接続された第2回転部材と、前記操作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第2のシリンダと、前記第2のシリンダ内を第3空間と第4空間とに仕切る第2ピストンと、一端部が前記第2ピストンに取り付けられ、他端部が前記第2回転部材の前記操作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第3空間を貫く第2ピストンロッドと、一端部が前記第2ピストンの前記第2ピストンロッドの一端部が取り付けられた面と反対側の面に取り付けられた第4ピストンロッドと、を有する第2液圧シリンダと、を有する第2の液圧アクチュエータと、を少なくとも備え、前記第1空間は、前記第3空間または前記第4空間と第1配管を介して接続され、前記第2空間は、前記第3空間および前記第4空間のうち、前記第1配管が接続されていない側の空間に、第2配管を介して接続されているものである。
上記力覚提示装置によれば、第1液圧シリンダの第1ピストンは、一方側の面に第1ピストンロッドが取り付けられており、他方側の面に第3ピストンロッドが取り付けられている。また、第2液圧シリンダの第2ピストンも、一方側の面に第2ピストンロッドが取り付けられており、他方側の面に第4ピストンロッドが取り付けられている。つまり、第1液圧シリンダおよび第2液圧シリンダは、いわゆる両ロッドシリンダである。そのため、上記力覚提示装置によれば、第1空間と第3空間とを接続し、第2空間と第4空間とを接続してもよく、また、第1空間と第4空間とを接続し、第2空間と第3空間とを接続してもよい。いずれのような接続であっても、ピストンロッドが貫く空間どうしを接続することとなるため、第1液圧シリンダおよび第2液圧シリンダ間において、作動液をスムーズに受け渡しすることができる。また、上記力覚提示装置によっても上記効果と同様の効果を奏することができる。
前記第1回転部材は、前記動作回転軸から前記第1ピストンロッドの他端部に向かって延びる棒状体からなり、前記第2回転部材は、前記操作回転軸から前記第2ピストンロッドの他端部に向かって延びる棒状体からなることが好ましい。
このことにより、より簡単な構成により、精度の高い力覚提示装置を提供することができる。また、精度の高い力覚提示装置を安価に提供することができる。
前記第1の液圧アクチュエータおよび第2の液圧アクチュエータは、油圧アクチュエータであることが好ましい。
油圧アクチュエータを用いることにより、動作部の動作をより操作部に円滑に伝達することが可能となる。そのため、精度のよい力覚提示装置を提供することができる。
前記第1のシリンダの直径は、前記第2のシリンダの直径と差異があってもよい。
このことにより、第2のシリンダの直径が第1のシリンダの直径よりも大きいときは、動作部回転機構が大きく回動した場合であっても、操作部回転機構の動作量を低減することができる。したがって、このような力覚提示装置によれば、操作者に過大な力覚を伝達することを防止することができ、適度な力覚を提示することができる。一方、第2のシリンダの直径が第1のシリンダの直径よりも小さいときは、動作部回転機構が小さく回動した場合であっても、操作部回転機構の動作量を増加させることができる。したがって、このような力覚提示装置によれば、動作部の微細な動作感覚を操作部において増幅して再現することができるため、動作部のより微妙な操作が可能となる。
本発明に係るパワーアシストアームは、操作者によって操作される操作部と、第1の部材および第2の部材と、前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられ、前記第1の部材と前記第2の部材とを相対回転自在に接続する関節部と、前記操作部と前記関節部との間に設けられ、前記操作部の操作入力に応じて前記関節部を回転駆動する駆動装置と、前記力覚提示装置と、を備え、前記関節部は前記動作部回転機構を有し、前記操作部は前記操作部回転機構を有しているものである。
上記パワーアシストアームによれば、関節部の回転動作を操作部に円滑に伝達することができる。そのため、操作者は、関節部における力覚を精度よく享受することができる。したがって、上記パワーアシストアームによれば、操作者は、関節部を精度よく回転操作することができる。
本発明に係るパワーアシスト装置は、前記パワーアシストアームを2つ備えたものである。
このことにより、双腕の力覚提示型パワーアシストアームを備えたパワーアシスト装置を提供することができる。
以上のように、本発明によれば、精度の高い力覚提示装置、および、それを備えた多段式のパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらは実施例の一例であって本発明はこれらに限定されるものではない。
図1に示すように、実施形態1に係るパワーアシストアーム1は、操作者によって操作される操作部2と、操作部2の操作入力に従動する動作部3と、操作部2および動作部3を支持する支持部7とを備えている。なお、以下の説明では、図1の左側を前側、右側を後側と称する。
動作部3は、支持部7に支持される伸縮自在なアーム部4と、アーム部4の先端部に取り付けられた関節部5と、関節部5に回転自在に取り付けられたハンド部6とを備えている。
アーム部4は、後端部が支持部7に固定された固定部4aと、前端部が関節部5に取り付けられている可動部4bとにより構成されている。可動部4bの後端部は固定部4aにスライド自在に支持されている。このような構成により、固定部4aと可動部4bとは、所定方向に往復運動する直線運動機構を構成する。そして、可動部4bが固定部4aに対して前後方向にスライドすることにより、アーム部4は伸縮する。
関節部5は、シャフト5a(図3参照)回りに正逆回転自在な回転機構5bを有している。本実施形態では、本発明に係る「第1の部材および第2の部材」は、アーム部4およびハンド部6により構成されている。つまり、関節部5は、アーム部4とハンド部6との間に設けられ、アーム部4とハンド部6とを相対回転自在に接続する。
ハンド部6は、基端部が関節部5に取り付けられたハンド6aと、ハンド6aの先端部に取り付けられた把持部6bとからなる。また、把持部6bは、ハンド6aの先端部に固定された断面略L字状の板状体からなる固定部6dと、可動部6cとにより構成されている。可動部6cは、固定部6dの一方の面と対峙し、固定部6dにスライド自在に接続されている。このような構成により、固定部6dと可動部6cとは、所定方向に往復運動する直線運動機構を構成する。そして、把持部6bは、可動部6cが固定部6dに対してスライドすることにより、開閉することとなる。このような動作により、把持部6bは対象物を把持することとなる。
なお、固定部6dの形状は、L字状に限定されず、把持することが可能となるようないかなる形状であってもよい。また、把持部6bは、開閉動作により対象物を挟むだけでなく、例えば、つまむ、握る等の動作を行うものであってもよい。さらに、把持部6bは、固定部6dと可動部6cとにより構成されることに限定されない。そのため、可動部と可動部とにより構成されていてもよい。
操作部2は、操作ハンドル11を備えている。操作ハンドル11は、固定プレート13にスライド自在かつ回転自在に取り付けられている。つまり、操作ハンドル11は、所定方向(図1中の矢印Aの方向)に往復運動する直線運動機構を構成すると共に、回転軸11a(図3参照)回りに正逆回転自在な回転機構を構成している。固定プレート13は、アーム部4に固定されている。操作ハンドル11の周囲には、6軸センサ12が取り付けられている。6軸センサ12は、操作者によって操作ハンドル11に前後方向または回転方向の力が加えられると、その負荷された力の大きさおよび方向を検知する。
また、操作部2は、把持操作部14を備えている。把持操作部14は、水平方向に延びる板状体14bと、板状体14bの後端部の上面に設けられた筒状体からなる指入れ14aとにより構成されている。板状体14bは、回転プレート15に所定方向(図1中の矢印Bの方向)にスライド自在に取り付けられている。つまり、板状体14bは、所定方向(B方向)に往復運動する直線運動機構を構成している。回転プレート15は、操作ハンドル11に取り付けられており、操作ハンドル11の回転に伴って回転する。また、板状体14bの指入れ14aよりも前側には歪みゲージ16が取り付けられている。歪みゲージ16は、操作者により把持操作部14に所定のB方向の力が加えられると、その力と方向とを検知する。
支持部7は、鉛直方向に延びる支柱7aと、水平方向に延び、支柱7aの下端部が固定された支持台7bとを備えている。支柱7aにはアーム部4の固定部4aが取り付けられている。なお、本実施形態ではアーム部4の固定部4aは支柱7aに固定されているが、アーム部4は関節部を介して支柱7aに回転自在に接続されていてもよい。また、支柱7aは、支持台7bに回転自在に接続されていてもよい。
アーム部4と操作部2との間には、操作部2の操作(操作ハンドル11に対し、A方向に力を負荷する操作)に応じてアーム部4を伸縮させるアーム部駆動装置22と、アーム部4の伸縮動作に応じた力覚(伸縮速度、伸縮長さ、反力等)を操作部2に伝達するアーム部力覚提示装置21とが設けられている。アーム部力覚提示装置21は、操作ハンドル11を、アーム部4の伸縮速度および反力に応じた速度および力で、アーム部4の伸縮長さに応じた長さ分だけA方向にスライドさせることにより、操作部2に力覚を提示する。
関節部5と操作部2との間には、操作部2の操作(操作ハンドル11に対し、C方向に力を負荷する操作)に応じて関節部5を回転させる関節部駆動装置24と、関節部5の回転動作に応じた力覚(回転速度、回転角度、反力等)を操作部2に伝達する関節部力覚提示装置27とが設けられている。関節部力覚提示装置27は、操作ハンドル11を、関節部5の回転速度および反力に応じた回転速度および力で、関節部5の回転角度に応じた回転角度分だけC方向に回転させることにより、操作部2に力覚を提示する。
ハンド部6の把持部6bと操作部2との間には、操作部2の操作(把持操作部14に対し、B方向に力を負荷する操作)に応じて把持部6bを開閉させる把持部駆動装置26と、把持部6bの開閉動作に応じた力覚(開閉速度、開閉度合い、反力等)を操作部2に伝達する把持部力覚提示装置25とが設けられている。把持部力覚提示装置25は、把持操作部14を、把持部6bの開閉速度および反力に応じた速度および力で、把持部6bの開閉度合いに応じた分だけB方向にスライドさせることにより、操作部2に力覚を提示する。
以上がパワーアシストアーム1の全体構成である。次に、各力覚提示装置21,27、25について詳述する。
図2に示すように、アーム部力覚提示装置21は、第1の油圧シリンダ31および第2の油圧シリンダ41を備えている。第1の油圧シリンダ31は、シリンダ33と、シリンダ33内部を第1空間34と第2空間35とに仕切るピストン36と、ピストン36に取り付けられたピストンロッド37により構成されている。第2の油圧シリンダ41も第1の油圧シリンダと同様に、シリンダ43と、シリンダ43内部を第3空間44と第4空間45とに仕切るピストン46と、ピストン46に取り付けられたピストンロッド47により構成されている。第1および第2の油圧シリンダ31,41のシリンダ33,43内には作動油が封入されている。
また、第1の油圧シリンダ31の第1空間34と第2の油圧シリンダ41の第3空間44とには第1配管38が接続されており、第1空間34と第3空間44とは連通している。一方、第1の油圧シリンダ31の第2空間35と第2の油圧シリンダ41の第4空間45とには第2配管39が接続されており、第2空間35と第4空間45とは連通している。また、ピストンロッド37とアーム部4の可動部4bとは、図示しないリンク機構等を介して接続されている。また、ピストンロッド47と操作ハンドル11とは、図示しないリンク機構等を介して接続されている。
図3および図4に示すように、関節部力覚提示装置27は、第1の油圧アクチュエータ110と、第2の油圧アクチュエータ120とを備えている。第1の油圧アクチュエータ110は、第1の油圧シリンダ111と、第1のレバー112とを備えている。一方、第2の油圧アクチュエータ120は、第2の油圧シリンダ121と、第2のレバー122とを備えている。
第1の油圧シリンダ111は、シリンダ113と、シリンダ113内部を第1空間114と第2空間115とに仕切るピストン116と、ピストン116に取り付けられたピストンロッド117により構成されている。本実施形態では、ピストンロッド117は、第1空間114を貫く様に設けられている。シリンダ113は、関節部5のシャフト5aと平行な方向に延びる軸113aに揺動自在に支持されている。シリンダ113内には作動油が封入されている。
第2の油圧シリンダ121は、シリンダ123と、シリンダ123内部を第3空間124と第4空間125とに仕切るピストン126と、ピストン126に取り付けられたピストンロッド127により構成されている。本実施形態では、ピストンロッド127は、第3空間を貫くように設けられている。シリンダ123は、操作ハンドル11の回転軸11aと平行な方向に延びる軸123aに揺動自在に支持されている。シリンダ123内には作動油が封入されている。
第1の油圧シリンダ111の第1空間114と第2の油圧シリンダ121の第3空間124とには第1配管118が接続されており、第1空間114と第3空間124とは連通している。一方、第1の油圧シリンダ111の第2空間115と第2の油圧シリンダ121の第4空間125とには第2配管119が接続されており、第2空間115と第4空間125とは連通している。
図3に示すように、第1のレバー112は棒状体からなり、関節部5のシャフト5aからピストンロッド117に向かって延びている。第1のレバー112は、ピストンロッド117にピン112aを介して相対回転可能に接合されている。また、第1のレバー112は、関節部5の回転機構5bに相対回転不能に接続されている。
一方、第2のレバー122は棒状体からなり、操作ハンドル11の回転軸11aからピストンロッド127に向かって延びている。第2のレバー122は、ピストンロッド127にピン122aを介して相対回転可能に接合されている。また、第2のレバー122は、回転軸11a回りに正逆回転自在な回転機構を構成する操作ハンドル11に相対回転不能に接続されている。
なお、図3および図4では、第1のレバー112の端部とピストンロッド117の端部とが接合されている状態を示しているが、第1のレバー112とピストンロッド117とはそれぞれ端部ではなく中途部において接合されていてもよい。また、第2のレバー122とピストンロッド127とも同様に中途部において接合されていてもよい。
図5に示すように、把持部力覚提示装置25は、第1の油圧シリンダ71および第2の油圧シリンダ81を備えている。第1の油圧シリンダ71は、シリンダ73と、シリンダ73内部を第1空間74と第2空間75とに仕切るピストン76と、ピストン76に取り付けられたピストンロッド77とにより構成されている。第2の油圧シリンダ81も第1の油圧シリンダ71と同様に、シリンダ83と、シリンダ83内部を第3空間84と第4空間85とに仕切るピストン86と、ピストン86に取り付けられたピストンロッド87とにより構成されている。
また、第1の油圧シリンダ71の第1空間74と第2の油圧シリンダ81の第3空間84とは第1配管78を介して接続されている。第1の油圧シリンダ71の第2空間75と第2の油圧シリンダ81の第4空間85とは第2配管79を介して接続されている。ピストンロッド77と把持部6bの可動部6cとは、図示しないリンク機構等を介して接続されている。また、ピストンロッド87は操作部2の把持操作部14の板状体14bに接続されている。
以上が各力覚提示装置21,23、25の構成である。次に、パワーアシストアーム1の動作について説明する。
パワーアシストアーム1は、重量物の運搬等に用いられる。そのため、まず、アーム部4を伸縮させ、関節部5を回転させることにより、把持部6bを重量物に近接させる。その後、把持部6bを開閉させて重量物を把持し、再度、アーム部4を伸縮させ、関節部5を回転させることにより、把持部6bを所定の位置まで移動させる。そして、所定の位置において把持部6bを開くと、重量物は把持部6bから離れ、所定の位置に載置される。このような動作により、重量物は所定の位置まで運搬される。
次に、動作部3のアーム部4、関節部5、ハンド部6と、操作部2との間における動作について具体的に説明する。
まず、アーム部4と操作部2との動作について説明する。まず、操作者により操作ハンドル11に対してA方向(前方または後方)に力が負荷されると、操作ハンドル11に取り付けられた6軸センサ12によりその力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータはアーム部駆動装置22に伝達される。アーム部駆動装置22は、このデータに基づき、アーム部4の伸縮速度および伸縮長さを決定し、アーム部4の可動部4bを前方または後方に移動させる。これにより、アーム部4は伸縮することとなる。
一方、アーム部4が伸縮すると、アーム部力覚提示装置21が駆動され、操作ハンドル11がA方向(前方または後方)にスライド移動する。これにより、操作者にアーム部4における力覚(伸縮の速度、伸縮長さ、反力等)を提示することができる。具体的には、アーム部4が伸縮すると、第1の油圧シリンダ31のピストンロッド37がアーム部4の可動部4bにリンクしてシリンダ33の一方側または他方側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ31が伸縮する。第1の油圧シリンダ31が伸縮すると、第1配管38および第2配管39を介して、第1の油圧シリンダ31の一方の空間から第2の油圧シリンダ41の一方の空間に作動油が圧送されると共に、第2の油圧シリンダ41の他方の空間から第1の油圧シリンダ31の他方の空間に作動油が圧送される。これにより、ピストン46およびピストンロッド47が油圧によって第2の油圧シリンダ41の他方の空間側へ押圧される。ここで、ピストンロッド47は、操作ハンドル11とリンク機構等を介して接続されている。そのため、操作ハンドル11は、ピストンロッド47の移動にリンクしてA方向(前方または後方)にスライド移動することとなる。
次に、把持部6bと操作部2との動作について説明する。まず、操作者により把持操作部14の板状体14bに対してB方向(上方または下方)に力が負荷されると、板状体14bに取り付けられた歪みゲージ16により力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは、把持部駆動装置26に伝達される。把持部駆動装置26は、このデータに基づき、把持部6bの開閉速度および開閉度合いを決定し、把持部6bの可動部6cをスライド移動させる。これにより、把持部6bは開閉することとなる。
一方、把持部6bが開閉すると、把持部力覚提示装置25が駆動され、把持操作部14の板状体14bがB方向(上方または下方)にスライド移動する。これにより、操作者に把持部6bにおける力覚(開閉の速度、開閉度合い、反力等)を提示することができる。具体的には、把持部6bが開閉すると、第1の油圧シリンダ71のピストンロッド77が把持部6bの可動部6cにリンクしてシリンダ73の一方側または他方側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ71が伸縮する。第1の油圧シリンダ71が伸縮すると、第1配管78および第2配管79を介して、第1の油圧シリンダ71の一方の空間から第2の油圧シリンダ81の一方の空間に作動油が圧送されると共に、第2の油圧シリンダ81の他方の空間から第1の油圧シリンダ71の他方の空間に作動油が圧送される。これにより、ピストン86およびピストンロッド87が油圧によって第2の油圧シリンダ81の他方の空間側へ押圧される。ここで、ピストンロッド87は、把持操作部14の板状体14bに接続されている。そのため、把持操作部14は、ピストンロッド87の移動によりB方向(上方または下方)にスライド移動することとなる。
次に、関節部5と操作部2との動作について説明する。まず、操作者により操作ハンドル11に対してC方向(周方向)に力が負荷されると、操作ハンドル11に取り付けられた6軸センサ12により力の向および大きさ等が検知される。これらのデータは関節部駆動装置24(図1参照)に伝達される。関節部駆動装置24は、このデータに基づき、関節部5の回転速度および回転角度等を決定し、関節部5の回転機構5bを回転駆動する。これにより、関節部5に接続されたハンド部6が旋回することとなる。
一方、関節部5の回転機構5bが回転すると、関節部力覚提示装置27が駆動され、操作ハンドル11がC方向(周方向)に回転する。これにより、操作者に関節部5における力覚(回転の速度、回転角度、反力等)を提示することができる。
具体的には、回転機構5bが回転すると、第1のレバー112が回転機構5bと共に回転する。第1の油圧シリンダ111のピストンロッド117は、第1のレバー112の回転にリンクしてシリンダ113の一方側または他方側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ111が伸縮することとなる。第1の油圧シリンダ111が伸縮すると、第1配管118および第2配管119を介して、第1の油圧シリンダ111の一方の空間から第2の油圧シリンダ121の一方の空間に作動油が圧送されると共に、第2の油圧シリンダ121の他方の空間から第1の油圧シリンダ111の他方の空間に作動油が圧送される。
第2の油圧シリンダ121の一方の空間に作動油が圧送されると、ピストン126およびピストンロッド127は、油圧によって他方の空間側へ押圧されて移動する。これに伴い、第2のレバー122は、ピストンロッド127にリンクして回転する。前述したように、第2のレバー122は回転機構を構成する操作ハンドル11に相対回転不能に接続されている。そのため、第2のレバー122の回転に伴い、操作ハンドル11はC方向に回転することとなる。
以下、第1および第2の油圧アクチュエータ110,120の詳細な動作について説明する。
上述したように、第1の油圧シリンダ111のシリンダ113は、関節部5のシャフト5aと平行な方向に延びる軸113aに揺動自在に支持されている。そのため、第1の油圧シリンダ111は、第1のレバー112の回転に伴って伸縮する際、軸113a回りに揺動する。一方、第2の油圧シリンダ121のシリンダ123は、操作ハンドル11の回転軸11aと平行な方向に延びる軸123aに揺動自在に支持されている。そのため、第2の油圧シリンダ121は、作動油によって駆動されて伸縮し、伸縮により第2のレバー122を回転駆動する際、軸123a回りに揺動する。なお、第1のレバー112の回転と第1の油圧シリンダ111の揺動との関係と、第2のレバー122の回転と第2の油圧シリンダ121の揺動との関係とは、ほぼ同様であるので、以下、第2のレバー122の回転と第2の油圧シリンダ121の揺動との関係についてのみ説明する。
図6(a),(b),(c)は、第2の油圧シリンダ121の揺動と第2のレバー122の回転との関係を表した図である。まず、作動油が第1の油圧シリンダ111から第2配管119を介して第4空間125に圧送された場合について説明する。第4空間125に作動油が圧送されると、ピストン126およびピストンロッド127が油圧により第3空間124側(図中右側)へ押圧され、第3空間124側へ移動する。これにより、第2のレバー122は、ピストンロッド127から力を受け、シリンダ123と離れる方向へ回転する(図6(a)の二点鎖線部分を参照)。このとき、第2のレバー122とピストンロッド127とを接合するピン122aは、回転軸11aを中心とする円軌道上を移動する。このようにピン122aが円運動することにより、ピストンロッド127は、シリンダ123と共に軸123a回りを矢印X方向に揺動する(図6(a)の二点鎖線部分を参照)。
さらに第4空間125に作動油が圧送され続けると、ピストン126およびピストンロッド127は第3空間124側へ移動し続ける。これにより、第2のレバー122は、シリンダ123とさらに離れる方向へ回転する(図6(b)参照)。これに伴い、ピストンロッド127は、シリンダ123と共に軸123a回りをX方向にさらに揺動する。そして、ピストンロッド127は、第2のレバー122が直立したところで、X方向への揺動を止め(図6(b)参照)、X方向と逆方向のY方向へ揺動を開始する(図6(c)の二点鎖線部分を参照)。このとき、第2のレバー122は、シリンダ123と離れる方向へ継続して回転し続ける。そして、ピストン126およびピストンロッド127が所定の可動限界位置まで移動すると、第2のレバー122は回転しなくなり、シリンダ123の揺動も停止する(図6(c)の実線部分を参照)。
一方、作動油が第1の油圧シリンダ111から第1配管118を介して第3空間124に圧送された場合、第2の油圧シリンダ121および第2のレバー122は、上述の作動油が第4空間125に圧送された場合と全く逆方向に動作する。
つまり、第3空間124に作動油が圧送されると、ピストン126およびピストンロッド127が油圧により第4空間125側(図中左側)へ押圧され、第4空間125側へ移動する(図6(c)の二点鎖線部分を参照)。第2のレバー122は、ピストンロッド127から力を受け、シリンダ123と近づく方向(図6(c)の矢印と逆方向)へ回転する。これに伴い、ピストンロッド127は、シリンダ123と共に軸123a回りを矢印Yと逆方向のX方向(図6(a)参照)に揺動する(図6(c)の二点鎖線部分を参照)。
さらに第3空間124に作動油が圧送され続けると、ピストン126およびピストンロッド127は第4空間125側へ移動し続ける。これにより、第2のレバー122は、シリンダ123とさらに近づく方向へ回転する(図6(b)参照)。これに伴い、ピストンロッド127は、シリンダ123と共に軸123a回りをX方向にさらに揺動する。そして、ピストンロッド127は、第2のレバー122が直立したところで、X方向への揺動を止め(図6(b)参照)、X方向と逆方向のY方向へ揺動を開始する(図6(c)参照)。このとき、第2のレバー122は、シリンダ123と近づく方向(図6(a)の矢印と逆方向)へ継続して回転し続ける。そして、ピストン126およびピストンロッド127が所定の可動限界位置まで移動すると、第2のレバー122は回転しなくなり、シリンダ123の揺動も停止する(図6(a)の実線部分を参照)。
このような動作により、第1の油圧アクチュエータ110では、第1のレバー112による正逆回転運動が、第1の油圧シリンダ111の直線往復運動に変換される。一方、第2の油圧アクチュエータ120では、第2の油圧シリンダ121の直線往復運動が、第2のレバー122の正逆回転運動に変換される。
以上のように、本関節部力覚提示装置27では、油圧ロータリアクチュエータではなく、直動式の第1の油圧シリンダ111と第2の油圧シリンダ121とを備えている。そのため、油圧ロータリアクチュエータを用いた場合よりも小型のシリンダ(シリンダ113,123)を用いることができる。したがって、本力覚提示装置27によれば、回転機構用の力覚提示装置をよりコンパクトに形成することができる。また、このことにより、力覚提示に関し、応答性を向上させることができる。
また、一般的に、油圧シリンダは油圧ロータリアクチュエータよりも安価である。そのため、本力覚提示装置27によれば、精度のよい力覚提示装置を安価に提供することができる。また、油圧シリンダは油圧ロータリアクチュエータよりもバリエーションが豊富である。そのため、第1および第2油圧シリンダ111,121を変更することにより、力覚提示量を容易に変更することができる。
さらに、本力覚提示装置27の第1および第2の油圧アクチュエータ110,120は、ラックおよびピニオンを用いた油圧ロータリアクチュエータではなく、第1および第2油圧シリンダ111,121と第1および第2のレバー112,122とを用いて関節部5における力覚を操作部に伝達することとしている。そのため、ラックおよびピニオンの噛み合う歯のバックラッシが大きいためにガタが生じてしまうおそれもなく、第1および第2の油圧アクチュエータ110,120をスムーズに動作させることができる。したがって、本力覚提示装置27によれば、力覚提示の精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第1の油圧シリンダ111と第2の油圧シリンダ121とは、それぞれ反対方向向きに並ぶ様に配置されていた。しかし、図7に示すように、第1の油圧シリンダ111と第2の油圧シリンダ121とは、同一の方向向きに並ぶ様に配置されていてもよい。このような場合、両油圧シリンダ111,121として、ピストン116,126のピストンロッド117,127の一端部が取り付けられた面と反対側の面に、それぞれピストンロッド117a,127aの一端部が取り付けられたいわゆる両ロッドシリンダを用いる。また、第1空間114と第4空間125とを第1配管128によって接続し、第2空間115と第3空間124とを第2配管129によって接続する。このように構成することで、両油圧シリンダ111,121を同一の方向向きに並ぶ様に配置しても上記効果と同様の効果を奏することができる。
また、第1および第2油圧シリンダ111,121としていわゆる両ロッドシリンダを用いた場合、両油圧シリンダ111,121を上述のような向きに配置するだけでなく、それぞれ反対方向向きに並ぶ様に配置することも勿論可能である。つまり、両ロッドシリンダを用いた場合、第1空間114と第3空間124とを接続し、第2空間115と第4空間125とを接続することも、第1空間114と第4空間125とを接続し、第2空間115と第3空間124とを接続することも可能となる。いずれのような接続であっても、ピストンロッドが貫く空間どうしを接続することとなるため、第1の油圧シリンダ111および第2の油圧シリンダ121間において、作動油をスムーズに受け渡しすることができる。
本力覚提示装置27の第1および第2の油圧アクチュエータ110,120では、レバー112,122により本発明に係る第1回転部材および第2回転部材を構成している。そのため、簡単な構成により、第1および第2の油圧アクチュエータ110,120を形成することができる。したがって、本力覚提示装置27によれば、簡単な構成により精度の高い力覚提示装置を提供することができる。また、精度の高い力覚提示装置を安価に提供することができる。
なお、本発明に係る第1および第2回転部材は第1および第2のレバー112,122に限られない。例えば、第1および第2回転部材を円盤形状または扇形に形成し、それぞれにピン112a,122aを用いてピストンロッド117,127を接合することとしてもよい。
また、本実施形態では、操作ハンドル11が回転軸11a回りに正逆回転自在な回転機構を構成していたが、操作ハンドル11の一部分が回転軸11a回りに正逆回転自在な回転機構を構成していてもよい。
本実施形態では、力覚の提示に際し、作動液として油を用いる油圧アクチュエータ(第1および第2の油圧シリンダ111,121)を用いている。そのため、関節部5の回転動作をより操作ハンドル11に円滑に伝達することが可能となる。これにより、精度のよい力覚提示装置27を提供することができる。
なお、作動液は油に限定されない。そのため、油圧アクチュエータではなく、他の液体を用いた液圧アクチュエータを用いてもよい。
また、本実施形態では、第1および第2の油圧シリンダ111,121ではボア径の等しいシリンダ113,123を用いることとしていた。しかし、第1および第2の油圧シリンダ111,121に、それぞれボア径の異なるシリンダを用いてもよい。例えば、図8に示すように、第2の油圧シリンダ121のシリンダ123を、第1の油圧シリンダ111のシリンダ113よりもボア径の大きなシリンダにより構成してもよい。このようなシリンダ123を用いることにより、操作部2の動作量(操作ハンドル11の回転量)を低減することが可能となる。したがって、このような力覚提示装置27によれば、操作者に過大な力覚を伝達することを防止することができ、適度な力覚を提示することができる。また、図示を省略するが、第2の油圧シリンダ121のシリンダ123を、第1の油圧シリンダ111のシリンダ113よりもボア径の小さなシリンダにより構成してもよい。このようなシリンダ123を用いることにより、操作部2の動作量(操作ハンドル11の回転量)を増加させることが可能となる。したがって、このような力覚提示装置27によれば、関節部5の微細な動作感覚を操作部2において増幅して再現することができるため、関節部5のより微妙な操作が可能となる。
本パワーアシストアーム1は、以上のような効果を奏する関節部力覚提示装置27を備えることにより、関節部5の回転動作を操作部2の操作ハンドル11に円滑に伝達することができる。そのため、操作者は、関節部5における力覚(回転速度、回転角度、反力等)を精度よく享受することができる。したがって、本パワーアシストアーム1によれば、操作者は、関節部5を好適に回転操作することができる。
なお、本実施形態に係るパワーアシストアーム1は、動作部3としてアーム部4、関節部5、把持部6bを備えていた。しかし、動作部3はこれらに限定されない。例えば、図9に示すように、動作部3としてアーム部4を捻るための捻り機構91や、アーム部4を上下方向に回動してアーム部4を起伏させるための関節部92や、アーム部4を水平方向に旋回させるための旋回機構93を加え、これらの動作部3と操作部2との間に駆動装置および油圧アクチュエータを用いた力覚提示装置を備えていてもよい。このようなパワーアシストアーム1によれば、把持部6bの可動範囲が広がるため、重量物の運搬等だけでなく、組み立て作業、除去・撤去作業等、他目的に使用可能となる。
また、本実施形態では、本発明に係る「第1の部材および第2の部材」は、アーム部4およびハンド部6により構成されていた。しかし、本発明に係る第1および第2の部材はこれらに限られない。つまり、関節部5は、アーム部4とハンド部6とを接続するものに限られない。関節部5は、例えば、アーム部4を複数備えたパワーアシストアーム1においてアーム部4とアーム部4とを接続するものであってももちろんよい。この場合、第1および第2の部材はいずれもアーム部4により構成されることとなる。
さらに、本実施形態に係るパワーアシストアーム1では、支持部7は地面に固定されていた。しかし、支持部7は可動式の支持台であってもよい。また、駆動装置を設け、支持部7を自走可能としてもよい。このようなパワーアシストアーム1によれば、決まった現場だけでなく、事故現場や災害現場等の外部の任意の現場において使用することが可能となる。
また、本実施形態に係るパワーアシストアーム1によれば、力覚提示装置21,25,27の全てにおいて油圧シリンダを用いている。そのため、同種の部材を用いることにより、全体としてコストの軽減を図ることが可能となる。
さらに、図10に示すように、本発明によれば、本パワーアシストアーム1を2つ用いることにより、双腕のパワーアシストアーム1を備えたパワーアシスト装置100を提供することができる。当該パワーアシスト装置100によれば、両アーム1を用いることにより、より人間の動作に近い動作を行うことが可能となる。したがって、当該パワーアシスト装置100は、幅広い用途に用いることができる。
以上説明したように、本発明は、力覚提示装置、および、それを備えた多段式のパワーアシストアームおよびパワーアシスト装置について有用である。
実施形態に係るパワーアシストアームの構成図である。 図1のアーム部力覚提示装置の詳細を示す図である。 図1の関節部力覚提示装置を示す図である。 図3の関節部力覚提示装置の詳細図である。 図1の把持部力覚提示装置の詳細を示す図である。 (a),(b),(c)は、第2の油圧シリンダの揺動と第2のレバーの回転との関係を表した図である。 変形例に係る関節部力覚提示装置の詳細図である。 変形例に係る関節部力覚提示装置の詳細図である。 変形例に係るパワーアシストアームの構成図である。 実施形態に係るパワーアシスト装置の構成図である。
符号の説明
1 パワーアシストアーム
2 操作部
3 動作部
4 アーム部
5 関節部
5a シャフト(動作回転軸)
5b 回転機構(動作部回転機構)
6 ハンド部
6b 把持部
11 操作ハンドル(操作部、操作部回転機構)
11a 回転軸(操作回転軸)
24 関節部駆動装置
27 関節部力覚提示装置
100 パワーアシスト装置
110 第1の油圧アクチュエータ(第1の液圧アクチュエータ)
111 第1の油圧シリンダ(第1液圧シリンダ)
112 第1のレバー(第1回転部材)
113 シリンダ(第1のシリンダ)
113a 軸
114 第1空間
115 第2空間
116 ピストン(第1ピストン)
117 ピストンロッド(第1ピストンロッド)
117 ピストンロッド(第3ピストンロッド)
118 第1配管
119 第2配管
120 第2の油圧アクチュエータ(第2の液圧アクチュエータ)
121 第2の油圧シリンダ(第2液圧シリンダ)
122 第2のレバー(第2回転部材)
123 シリンダ(第2のシリンダ)
123a 軸
124 第3空間
125 第4空間
126 ピストン(第2ピストン)
127 ピストンロッド(第2ピストンロッド)
127a ピストンロッド(第4ピストンロッド)
128 第1配管
129 第2配管

Claims (7)

  1. 操作者によって操作され、操作回転軸回りに正逆回転自在な操作部回転機構を有する操作部と、前記操作部の操作入力に従動し、動作回転軸回りに正逆回転自在な動作部回転機構を有する動作部との間に設けられ、前記動作部における力覚を前記操作部に伝達する力覚提示装置であって、
    前記動作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記動作部回転機構と相対回転不能に接続された第1回転部材と、
    前記動作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第1のシリンダと、前記第1のシリンダ内を第1空間と第2空間とに仕切る第1ピストンと、一端部が前記第1ピストンに取り付けられ、他端部が前記第1回転部材の前記動作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第1空間を貫く第1ピストンロッドと、を有する第1液圧シリンダと、
    を有する第1の液圧アクチュエータと、
    前記操作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記操作部回転機構と相対回転不能に接続された第2回転部材と、
    前記操作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第2のシリンダと、前記第2のシリンダ内を第3空間と第4空間とに仕切る第2ピストンと、一端部が前記第2ピストンに取り付けられ、他端部が前記第2回転部材の前記操作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第3空間を貫く第2ピストンロッドと、を有する第2液圧シリンダと、
    を有する第2の液圧アクチュエータと、を少なくとも備え、
    前記第1空間と前記第3空間とは第1配管を介して接続され、
    前記第2空間と前記第4空間とは第2配管を介して接続されている力覚提示装置。
  2. 操作者によって操作され、操作回転軸回りに正逆回転自在な操作部回転機構を有する操作部と、前記操作部の操作入力に従動し、動作回転軸回りに正逆回転自在な動作部回転機構を有する動作部との間に設けられ、前記動作部における力覚を前記操作部に伝達する力覚提示装置であって、
    前記動作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記動作部回転機構と相対回転不能に接続された第1回転部材と、
    前記動作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第1のシリンダと、前記第1のシリンダ内を第1空間と第2空間とに仕切る第1ピストンと、一端部が前記第1ピストンに取り付けられ、他端部が前記第1回転部材の前記動作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第1空間を貫く第1ピストンロッドと、一端部が前記第1ピストンの前記第1ピストンロッドの一端部が取り付けられた面と反対側の面に取り付けられた第3ピストンロッドと、を有する第1液圧シリンダと、
    を有する第1の液圧アクチュエータと、
    前記操作回転軸回りに正逆回転自在に形成され、前記操作部回転機構と相対回転不能に接続された第2回転部材と、
    前記操作回転軸と平行な方向に延びる軸に揺動自在に接続され、作動液を封入するための第2のシリンダと、前記第2のシリンダ内を第3空間と第4空間とに仕切る第2ピストンと、一端部が前記第2ピストンに取り付けられ、他端部が前記第2回転部材の前記操作回転軸よりも外周側にピン接合され、前記第3空間を貫く第2ピストンロッドと、一端部が前記第2ピストンの前記第2ピストンロッドの一端部が取り付けられた面と反対側の面に取り付けられた第4ピストンロッドと、を有する第2液圧シリンダと、
    を有する第2の液圧アクチュエータと、を少なくとも備え、
    前記第1空間は、前記第3空間または前記第4空間と第1配管を介して接続され、
    前記第2空間は、前記第3空間および前記第4空間のうち、前記第1配管が接続されていない側の空間に、第2配管を介して接続されている力覚提示装置。
  3. 請求項1または2に記載の力覚提示装置であって、
    前記第1回転部材は、前記動作回転軸から前記第1ピストンロッドの他端部に向かって延びる棒状体からなり、
    前記第2回転部材は、前記操作回転軸から前記第2ピストンロッドの他端部に向かって延びる棒状体からなる力覚提示装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の力覚提示装置であって、
    前記第1の液圧アクチュエータおよび第2の液圧アクチュエータは、油圧アクチュエータである力覚提示装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つに記載の力覚提示装置であって、
    前記第1のシリンダの直径は、前記第2のシリンダの直径と差異がある力覚提示装置。
  6. 操作者によって操作される操作部と、
    第1の部材および第2の部材と、
    前記第1の部材と前記第2の部材との間に設けられ、前記第1の部材と前記第2の部材とを相対回転自在に接続する関節部と、
    前記操作部と前記関節部との間に設けられ、前記操作部の操作入力に応じて前記関節部を回転駆動する駆動装置と、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の力覚提示装置と、を備え、
    前記関節部は前記動作部回転機構を有し、
    前記操作部は前記操作部回転機構を有している、パワーアシストアーム。
  7. 請求項6に記載のパワーアシストアームを2つ備えたパワーアシスト装置。
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