JP2002126965A - パラレルメカニズム - Google Patents

パラレルメカニズム

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JP2002126965A JP2000317854A JP2000317854A JP2002126965A JP 2002126965 A JP2002126965 A JP 2002126965A JP 2000317854 A JP2000317854 A JP 2000317854A JP 2000317854 A JP2000317854 A JP 2000317854A JP 2002126965 A JP2002126965 A JP 2002126965A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンドエフェクタを高精度で高速駆動できる
ようにする。 【解決手段】 軸受ユニット60aは、軸部66に軸受
68a、68bを介して枢着したフォーク部64a、6
4bを有する。フォーク部64a、64bには、一対の
脚部を形成しているアクチュエータ部のロッド58a、
58bが接続してある。軸部66の長手方向中央部に
は、球面軸受からなる自在継手部70が設けてあって、
この自在継手部70に移動テーブル14の接続凸部72
が取り付けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベースと移動テー
ブルとの間に複数の脚を並列的に配置したパラレルメカ
ニズムに係り、特に空間6自由度を有するパラレルメカ
ニズムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工作機械の工具やロボットハンド
などのエンドエフェクタに空間6自由度を与える場合、
複数のベースのそれぞれと工具やハンドとをリンクによ
って直列に連鎖したシリアルな機構となっており、シリ
アルメカニズムと呼ばれている。すなわち、従来のエン
ドエフェクタの駆動機構は、スライドガイドを用いた直
交型のアクチュエータによって、エンドエフェクタを直
交したXYZ軸に沿って移動させて3自由度を得、さら
に3つのアクチュエータを直列的に配置していわゆるピ
ッチング、ヨーイング、ローリングの3自由度を実現し
ていた。
【0003】この機構は、アクチュエータの駆動量とエ
ンドエフェクタの変位量との関係を表すことが容易であ
り、各移動軸ごとに運動精度を高めることも容易であ
る。そして、工作機械や測定器においては、要求される
運動軌跡が直線運動であったために、最も多く普及して
いる。しかし、従来のシリアルメカニズムは、(イ)片
持ち梁や両端支持梁などの梁構造をとっている場合が多
く、構造部材に自重や外力による曲げモーメントが加わ
り、撓みが発生しやすい。(ロ)直列的な積み重ね構造
であるため、各移動軸の運動誤差や位置決め誤差が累積
される。(ハ)構造部材、アクチュエータなどの質量が
積み重ねられるため、装置が大型化するとともに、慣性
質量が増大してエンドエフェクタの移動速度を大きくで
きない。(ニ)各軸のアクチュエータへの負荷が異な
り、各軸の構造を統一することができず、ユニット化が
困難でコストが増大する。(ホ)出力節を各移動軸のス
ケールや駆動ユニットの延長線上に配置することが難し
く、出力節の位置決めや精度が各軸の運動誤差の影響を
受けやすい。などの欠点がある。そこで、装置の軽量化
が図れ、大きな出力が得られるパラレルメカニズムが注
目されている。
【0004】パラレルメカニズムは、現在、図7〜図9
に示した3つの形態が考えられている。図7は、伸縮型
パラレルメカニズムの構造を模式的に示したものであ
る。図7に示したように、パラレルメカニズム10は、
ベース12に対面して移動テーブル(プラットフォー
ム)14が配置してある。そして、ベース12と移動テ
ーブル14との間に、シリンダやボールネジなどのよう
な伸縮自在な6つのアクチュエータ16(16a〜16
f)が並列的に配置してある。これらのアクチュエータ
16は、下端が球面軸受を介してベース12に取り付け
られ、上端が球面軸受を介して移動テーブルに取り付け
てある。また、各アクチュエータ16は、ベース12、
移動テーブル14の面とトラスを形成するように配置し
てある。
【0005】すなわち、例えば、アクチュエータ16a
のベース12への接続部18aは、このアクチュエータ
16aの一側に隣接しているアクチュエータ16bのベ
ース12への接続部18bに近接している。一方、アク
チュエータ16aの移動テーブル14への接続部20a
は、このアクチュエータ16aの他側に隣接しているア
クチュエータ16fの移動テーブル12への接続部20
fに近接している。他のアクチュエータについても同様
であって、アクチュエータ16aとアクチュエータ16
bと移動テーブル14の面とで略三角形が形成される。
また、アクチュエータ16bとアクチュエータ16cと
ベース12の面とで略三角形が形成される。
【0006】このように構成してあるパラレルメカニズ
ム10は、各アクチュエータ16が相互に独立して作動
するようになっていて、各アクチュエータ16を矢印2
2(22a〜22f)のように伸縮させることにより、
移動テーブル14に取り付けた工具やハンドなどのエン
ドエフェクタに空間6自由度を与えることができる。ま
た、パラレルメカニズム10は、複数のベースを直列的
に配置していないため、誤差の累積がないため、姿勢や
位置の制御精度を向上することができる。しかも、6つ
のアクチュエータによって工具などを支えるために大き
な剛性が得られ、大型の工具やワークを取り扱ったとし
ても、ほとんど変形することがなく、大きな出力が得ら
れる。
【0007】図8に模式的に示したパラレルメカニズム
30は、屈曲型と称されるものである。このパラレルメ
カニズム30は、ベース12とベース14とを連結して
いる6本の脚部32が、上端を移動テーブル14に連結
した直線状のリンク34と、ベース12側のL字状に屈
曲したリンク36とからなっていて、両者を回転自在に
連結するとともに、L字状リンク36をベース12に設
けたモータ38によって、矢印39のように回転できる
ようにしてある。そして、リンク36を回転させること
により、移動テーブル14に空間6自由度を与えるよう
にしている。
【0008】また、図9に模式的に示したパラレルメカ
ニズム40は、スライド型または開閉型と称されるもの
である。このパラレルメカニズム40は、ベース12と
移動テーブル14とを連結している脚部42が直線状の
リンクからなっている。また、脚部42のベース側の支
点が矢印44に示したように直線的に移動させることが
できるように形成してある。そして、脚部42のベース
側の支点を平面移動させることにより、移動テーブル1
4に空間6自由度を与えるようにしてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図7に示し
た従来のパラレルメカニズム10は、工作機械などに利
用して精密加工を行なおうとすると、高速動作が困難と
なる欠点がある。これは、移動テーブル14の支持の仕
方に起因する。すなわち、アクチュエータ16aの支持
点20aと、アクチュエータ16fの支持点20fと
は、異なった位置となっており、両者間にある距離が存
在する。このことは、ベース12側においても同様であ
る。すなわち、パラレルメカニズム10は、合計12の
支点を有している。
【0010】このような構造においては、例えば、移動
テーブル14を図10(1)の実線に示したように水平
に保持した初期状態から、同図の2点鎖線に示したよう
に、水平を維持して移動テーブル14を上昇させた場
合、各アクチュエータ16の伸長量が同じである。そし
て、2本のアクチュエータ(例えばアクチュエータ16
a、16f)の延長線上に三角形の仮想頂点a、d、g
が存在する。このとき、アクチュエータ16a、16f
の支点b(18a)、c(20a)、e(20f)、f
(18f)は、三角形adfの辺上に存在し、仮想頂点
a、支点b、c、仮想頂点dが一直線上にあり、仮想頂
点d、支点e、f、仮想頂点gが一直線上にある。この
ことは、移動テーブル14を水平に保持して平行移動さ
せる限り同じである。
【0011】ところが、アクチュエータ16a、16f
の伸長量を同じにした場合であっても、同図(2)に示
したように、移動テーブル14を傾斜させたとき、アク
チュエータ16a、16fが形成する三角形は二等辺三
角形にならず、移動テーブル12側の仮想頂点が二等辺
三角形のときのdからd′にずれる。このことは、ベー
ス12側の仮想頂点a、gについても同様である。
【0012】パラレルメカニズムは、運動軌跡がシリア
ルメカニズムのように直線運動ではない。このため、パ
ラレルメカニズム10の移動テーブル14の運動軌跡を
求める場合、まず各三角形の頂点の座標位置を決定した
のち、次に脚(アクチュエータ)の長さを複雑な計算に
より求める必要がある。そして、移動テーブル14を図
10(2)に示したように傾斜させた場合にも、二等辺
三角形の仮想頂点dを基準にして支点c、eなどの座標
を求めるようになっている。このため、移動テーブル1
4が傾斜した状態においては、アクチュエータ16aに
ついての仮想頂点a、支点b、c、仮想頂点dが同一直
線上に存在せず、アクチュエータ16fについての仮想
頂点d、支点e、f、仮想頂点gが同一直線上に存在し
ないため、さらに複雑な計算が必要となり、計算に多く
の時間がかかる。したがって、パラレルメカニズム10
を工作機械などに適用して精密な加工をしようとする場
合、移動テーブル14を高速移動することが困難とな
る。そして、移動テーブル14を高速移動させるときに
は、仮想頂点の位置を近似計算によって求めなければな
らず、加工精度が低下する。このため、従来のパラレル
メカニズム10を用いた実用的な工作機械においては、
50〜100μm程度の加工精度しか得ることができな
い。
【0013】そこで、このような問題を解決するため
に、一対のアクチュエータの端部を1つの球面軸受に接
続し、この球面軸受を介して移動テーブル14を支持す
る構造が提案されている(例えば、「パラレルメカニズ
ムが機械を変える」、日経メカニカル、1995年3月
20日号)。この球面軸受は、大きさの異なる半球状の
リグを入れ子式に組み合わせるとともに、各半球状リグ
のそれぞれにアクチュエータの一端を結合し、さらに組
み合わせたリグを球面状凹部が設けてあるソケットに挿
入し、磁力によってリグをソケットに保持する構造とな
っている。このため、軸受に作用する圧縮力に対しては
充分な強度を得ることができる。しかし、軸受に大きな
引張り力が作用すると、リグがソケットから抜けるおそ
れがあり、重量物を扱うことが困難である。
【0014】本発明は、前記従来の欠点を解消するため
になされたもので、エンドエフェクタを高精度で高速駆
動させることがきるようにすることなどを目的としてい
る。また、本発明は、引張り力に対しても充分は強度を
有するようにすることなどを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】発明者は、パラレルメカ
ニズムについて研究した結果、三角形の3つの頂点が同
一の平面上に存在する点に着目した。すなわち、一対の
脚の支点が一点にない場合であっても、三角形を形成し
ている平面上に存在していれば、球面軸受などを用いる
必要がないことを見出した。本発明は、上記の知見に基
づいてなされたもので、上記の目的を達成するために、
本発明に係るパラレルメカニズムは、ベースと、このベ
ースに対面して配置した移動テーブルと、この移動テー
ブルと前記ベースとの間に設けられて両者を連結し、前
記移動テーブルを作動する並列的に配置した複数の脚部
とを備え、隣接して対をなす前記脚部の移動テーブル側
端部を相互に揺動可能に連結した軸部と、この軸部に設
けられて前記移動テーブルを接続した自在継手部と、を
有することを特徴としている。
【0016】そして、各脚部は伸縮自在であって、前記
移動テーブル側において対をなした側と反対側に隣接し
て対をなす脚部を相互に揺動自在に連結する第2軸部
と、この第2軸部に設けられて前記ベースを接続する第
2自在継手部と、を有することを特徴としている。ま
た、各脚部は、モータによって回転して二方向に作動流
体を吐出するポンプと、ベースと移動テーブルとに接続
され、ポンプが吐出した作動流体を受ける複動型片ロッ
ドシリンダとを有する構造にすることができる。
【0017】
【作用】上記のごとくなっている本発明に係るパラレル
メカニズムは、一対の脚部の軸部への結合部を、これら
の脚部によって形成される三角形の作る面と同じ面上に
配置し、軸部に設けた自在継手部を介して移動テーブル
を取り付けることにより、一対の脚部を一点において連
結したのと同様の作用を得ることができる。したがっ
て、移動テーブルを傾斜させた場合であっても、支点の
位置を求める演算を迅速に行なうことが可能となり、工
具やロボットハンドなどのエンドエフェクタを高速移動
させることが可能となる。しかも、構造の簡素化が図れ
るとともに、引張り力に対しても充分な強度を得ること
ができる。
【0018】脚部が伸縮自在である場合、各脚部のベー
ス側も移動テーブル側と同様の機構を介してベースに連
結することにより、高速作動を実現することができる。
また、モータに直結した二方向(双方向)吐出型のポン
プと、このポンプから受ける作動流体によって作動する
複動型片ロッドシリンダとによって脚部を形成すること
により、高価な方向制御弁やサーボ弁などを省略するこ
とができ、簡素な構造であって安価なものとすることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るパラレルメカニズム
の好ましい実施の形態を、添付図面にしたがって詳細に
説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るパラレル
メカニズムの説明図であって、伸縮型パラレルメカニズ
ムの展開図の一部を模式的に示したものである。図1に
おいて、パラレルメカニズム50は、ベース12と移動
テーブル14との間に6つの脚部52(52a〜52
f)が配設してあって、これらの脚部52によってベー
ス12と移動テーブル14とが連結してある。これらの
脚部52は、詳細を後述するように、複動型片ロッドシ
リンダからなるアクチュエータ部54(54a〜54
f)と、アクチュエータ部54と一体の駆動部56(5
6a〜56f)とからなっている。そして、各アクチュ
エータ部54のロッド58(58a〜58f)は、一側
に隣接しているアクチュエータ部54のロッド58とと
もに、継手ユニット60(60a〜60c)を介して移
動テーブル14に接続してある。すなわち、アクチュエ
ータ部54a、54bのロッド58a、58bは、継手
ユニット60aを介して移動テーブル14に接続してあ
り、アクチュエータ部54c、54dのロッド58c、
58dが継手ユニット60bを介して移動テーブル14
に接続してあり、アクチュエータ部54e、54fのロ
ッド58e、58fが継手ユニット60c(図示せず)
を介して移動テーブル14に接続してある。
【0020】一方、各アクチュエータ部54のボトム側
は、他方側において隣接するアクチュエータ部54のボ
トム側とともに、継手ユニット62a〜62cを介して
ベース12に接続してある。すなわち、継手ユニット6
2aには、アクチュエータ部54aとアクチュエータ部
54fとのボトム部が連結しており、継手ユニット62
bにはアクチュエータ部54b、54cのボトム部が、
継手ユニット62c(図示せず)にはアクチュエータ部
54d、54eのボトム部が連結している。したがっ
て、各脚部52は、ベース12または移動テーブル14
とともに三角形を形成し、トラス構造となっている。そ
して、各継手ユニット60、62は、同一の構造に形成
してあって、各脚部52がベース12と移動テーブル1
4との面に対して任意の方向に傾斜できるようになって
いる。
【0021】すなわち、各継手ユニット60、62は、
図2に継手ユニット60aを例にして示したようになっ
ている。継手ユニット60aは、同図(1)に示したよ
うに、ロッド58a、58bの先端部に取り付けたフォ
ーク部64a、64bを有している。そして、一方のフ
ォーク部(実施形態の場合、フォーク部64a)が他方
のフォーク部64より小さく形成してあり、より小さい
フォーク部64aが大きなフォーク部64bの内側に配
置してある。また、これらのフォーク部64(64a、
64b)は、パイプやロッドによって形成した軸部66
に枢着してある。すなわち、フォーク部64のそれぞれ
は、図2(2)に示したように、一対の軸受68a、6
8bを介して軸部66に回転自在に取り付けてある。さ
らに、軸部66の長手方向中央部には、自在継手部70
を介して移動テーブル14の接続凸部72が連結してあ
る。この実施形態の場合、自在継手部70は、球面軸受
によって構成してある。
【0022】なお、軸部66は、ベース12側の継手ユ
ニット62における第2軸部に相当する。また、自在継
手部70は、継手ユニット62における第2自在継手部
に相当する。
【0023】脚部52は、図3に示したように、アクチ
ュエータ部54がチューブ74に対して進退するロッド
58を有する複動型片ロッドシリンダからなっていて、
伸縮自在となっている。そして、アクチュエータ部54
は、チューブ74の側方にタイロッド76が設けてあっ
て、このタイロッド76に駆動部56が固定してある。
駆動部56は、正、逆回転可能な可変速モータ78と、
このモータ78の出力軸に直結した二方向吐出型の可変
容量ポンプ(油圧ポンプ)80とを備えている。また、
油圧ポンプ80のモータ78側と反対側には、作動流体
である作動油を封入したタンク部84が設けてある。そ
して、油圧モータ80の一方の吐出口は、図4に示した
ように、配管86を介してアクチュエータ部54のロッ
ド側室88に接続してあり、他方の吐出口が配管90を
介してアクチュエータ部54のボトム側室92に接続し
てある。
【0024】さらに、駆動部56は、モータ78の油圧
ポンプ80側と反対側に制御部82が設けてあって、制
御部82によってモータ78の駆動を制御し、アクチュ
エータ部54のロッド58の伸縮量(進退量)、伸縮速
度(進退速度)を制御できるようになっている。また、
アクチュエータ部54は、チューブ74のボトム部にス
トロークセンサ94が取り付けてあって、ロッド58の
進退量(位置)を検出できるようにしてある。さらに、
モータ78には、ロータリエンコーダ96が設けてあっ
て、モータ78の回転状態を検出できるようにしてあ
る。これらのストロークセンサ94とロータリエンコー
ダ96との出力信号は、制御部82に入力するようにし
てある。そして、制御部82は、ストロークセンサ94
とロータリエンコーダ96の出力信号に基づいて、モー
タ78をフィードバック制御する。
【0025】なお、配管86と配管90との間には、マ
イクロシャトル弁からなる油量補償部98が油圧ポンプ
80と並列に設けてある。この油量補償部98は、ロッ
ド側室88とボトム側室92とにおけるロッド58の有
無による容積の相違に基づく作動油の過不足を調整する
ために設けてある。すなわち、油量補償部98は、ロッ
ド58が伸長する場合、ロッド側室88から吐出される
作動油の量が、ボトム側室92に供給すべき作動油の量
より少ないため、図4の実線の矢印に示したように、油
圧ポンプ80が両者の差の不足分を油量補償部98を介
してタンク部84から吸引し、ボトム側室92に供給す
る。一方、ロッド58がチューブ74内に後退する場
合、ボトム側室92から吐出される作動油の量が、ロッ
ド側室88に供給すべき作動油の量より多くなるため、
同図の破線の矢印に示したように、過剰な作動油が油量
補償部98を介してタンク部84に戻される。
【0026】このように構成した実施の形態において
は、一対のアクチュエータ部54(例えば、アクチュエ
ータ部54a、54b)のロッド58が同一の継手ユニ
ット60を介して移動テーブル14に連結していあると
ともに、一対のアクチュエータ部54(例えば、アクチ
ュエータ部54b、54c)のチューブ74のボトム側
が同一の継手ユニット62を介してベース12に連結し
てあり、これらの継手ユニット60、62の自在継手部
70に移動テーブル14またはベース12が連結してあ
るため、一対のアクチュエータ部54とベース12また
は移動テーブル14とによって形成される三角形の頂点
が、移動テーブル14を水平面に対して傾斜させたとし
てもずれることがなく、各アクチュエータ部54を任意
に作動させたとしても、三角形の頂点の座標を容易に求
めることができる。したがって、移動テーブル(エンド
エフェクタ)14の位置、姿勢を迅速に求めることが可
能で、パラレルメカニズムを用いた高速加工が可能な精
度の高い工作機械などを実現することができる。また、
実施形態においては、脚部52の駆動部56がモータ7
8と、モータ78によって直接駆動される二方向吐出型
の油圧ポンプ80とによって構成したことにより、高価
な方向制御弁やサーボ弁などを必要とせず、簡素な構造
とすることができるとともに、安価なものとすることが
できる。しかも、脚部52は、アクチュエータ部54と
駆動部56とを一体化してあるため、複雑な配管を省略
することができる。
【0027】なお、前記実施の形態においては、継手ユ
ニット60を伸縮型のパラレルメカニズム50に適用し
た場合について説明したが、屈曲型やスライド型のパラ
レルメカニズムにも適用することができる。また、前記
実施の形態においては、油量補償部98をマイクロシャ
トル弁を用いて形成した場合について説明したが、例え
ばパイロット操作チェック弁を対向させて配置したもの
など、他の構造であってもよい。さらに、前記実施の形
態においては、パラレルメカニズム50を工作機械に適
用する場合について説明したが、例えばフライトシミュ
レータなど、他の装置にも適用することができる。そし
て、前記実施形態においては、作動流体が作動油である
場合について説明したが、作動流体は水などであっても
よい。
【0028】図5は、他の実施形態に係る継手ユニット
の自在継手部の説明図である。この実施形態に係る自在
継手部100は、本図に図示しない一対のフォーク部6
4a、64bを枢着した軸部102が円筒体によって形
成してある。また、移動テーブル14の接続凸部104
の先端は、球状接続部106となっていて、この球状接
続部106が軸部102に設けた嵌合孔部108と嵌合
している。
【0029】このように形成した自在継手部100を用
いても前記実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、この実施形態においては、円筒体を用いて軸部1
02を形成した場合について説明したが、軸部102は
中実のロッドであってもよい。また、ベース12側の継
手ユニットの自在継手部についても同様に形成すること
ができる。
【0030】図6は、さらに他の実施形態に係る継手ユ
ニットの自在継手部の説明図である。図6において、自
在継手部110は、自在継手から構成してあって、移動
テーブル14の下面に形成した円柱状の接続凸部112
に取り付けたブラケット114を有している。ブラケッ
ト114は、図6(2)に示したように、スラスト玉軸
受116を介して接続凸部112に取り付けてあって、
接続凸部112を中心にして回転自在となっている。そ
して、ブラケット114の下端には、一対の脚部118
が設けてある。これらの脚部118は、本図に図示しな
いフォーク部64を枢着した軸部66の両側に配置して
ある。また脚部118は、軸部66を貫通し、軸部66
に対して回転自在となっている結合ピン120に取り付
けてある。
【0031】このように形成した自在継手部110を有
する継手ユニットにおいても前記実施形態と同様の効果
を得ることができる。なお、この実施形態においては、
軸部66をロッドによって形成した場合を示したが、軸
部66は円筒体であってもよい。そして、本発明は、上
記に説明した各実施形態に限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、一対の脚部を連結した軸部に設けた自在継手部を介
して移動テーブルを取り付けることにより、一対の脚部
を一点において連結したのと同様の作用を得ることがで
きる。したがって、移動テーブルを傾斜させた場合であ
っても、支点を求める演算を迅速に行なうことが可能と
なり、工具やロボットハンドなどのエンドエフェクタを
高速移動させることが可能となる。しかも、構造の簡素
化が図れるとともに、引張り力に対しても充分な強度を
得ることができる。
【0033】脚部が伸縮自在である場合、各脚部のベー
ス側も移動テーブル側と同様の機構を介してベースに連
結することにより、高速作動を実現することができる。
また、モータに直結した二方向吐出型のポンプと、この
ポンプから受ける作動流体によって作動する複動型片ロ
ッドシリンダとによって脚部を形成することにより、高
価な方向制御弁やサーボ弁などを省略することができ、
簡素な構造であって安価なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る伸縮型パラレルメカ
ニズムの展開図の一部を模式的に示した図である。
【図2】実施の形態に係る継手ユニットの詳細説明図で
ある。
【図3】実施の形態に係る脚部の詳細説明図である。
【図4】実施の形態に係る脚部の油圧回路を示す図であ
る。
【図5】他の実施の形態に係る自在継手部の説明図であ
る。
【図6】さらに他の実施の形態に係る自在継手部の説明
図である。
【図7】従来の伸縮型パラレルメカニズムの説明図であ
る。
【図8】従来の屈曲型パラレルメカニズムの説明図であ
る。
【図9】従来のスライド型パラレルメカニズムの説明図
である。
【図10】従来の伸縮型パラレルメカニズムの作用を説
明する図である。
【符号の説明】
12……ベース、14……移動テーブル、50……パラ
レルメカニズム、52a〜52c……脚部、54a〜5
4c……アクチュエータ部、56a〜56c……駆動
部、66、102……軸部、70、100、110……
自在継手部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、このベースに対面して配置し
    た移動テーブルと、この移動テーブルと前記ベースとの
    間に設けられて両者を連結し、前記移動テーブルを作動
    する並列的に配置した複数の脚部とを備え、 隣接して対をなす前記脚部の移動テーブル側端部を相互
    に揺動可能に連結した軸部と、 この軸部に設けられて前記移動テーブルを接続した自在
    継手部と、 を有することを特徴とするパラレルメカニズム。
  2. 【請求項2】 前記各脚部は伸縮自在であって、 前記移動テーブル側において対をなした側と反対側に隣
    接して対をなす脚部を相互に揺動自在に連結する第2軸
    部と、 この第2軸部に設けられて前記ベースを接続する第2自
    在継手部と、 を有することを特徴とする請求項1に記載のパラレルメ
    カニズム。
  3. 【請求項3】 前記各脚部は、モータによって回転して
    二方向に作動流体を吐出するポンプと、前記ベースと前
    記移動テーブルとに接続され、前記ポンプが吐出した作
    動流体を受ける複動型片ロッドシリンダとを有すること
    を特徴とする請求項2に記載のパラレルメカニズム。
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