JP4861647B2 - 医用画像診断装置及び画像再構成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被検体の医用画像を形成するX線CT装置、MRI装置、核医学診断装置などの医用画像診断装置及び医用画像の画像再構成方法に関し、特に、3次元の医用画像を形成するために有効な技術に関するものである。
被検体内部の状態を表す医用画像は、患者の診断に不可欠なものになっている。医用画像は、たとえばX線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、核医学診断装置(SPECT、PET等)などの医用画像診断装置を用いて取得される。医用画像診断装置は、被検体内の状態を反映するデータを収集し、収集されたデータから医用画像を再構成するものである。
医用画像診断装置における再構成処理の高速化に関する技術が従来から提案されている。たとえばX線CT装置の分野においては、検出器を複数列備えたマルチスライスX線CT装置の登場などに伴って再構成処理に関わるデータ量が増大している現状がある一方で、運用上の利便性などから処理高速化の要望が高いのも現状である。
特許文献1や特許文献2は、X線CT装置に適用される再構成処理の高速化に関する手法を開示するものである。特許文献1の手法は、BP(バックプロジェクション)係数が同一になる複数のビュー角度に対するBP係数の乗算処理を実質的に動じに行うことにより再構成処理を高速化するものであり、特許文献2の手法は、被検体を撮影した各所定ビューの投影データと空気のX線吸収係数に対応する空気レベルとを比較して投影データが空気レベルを超えるX線検出チャネル方向の範囲を検出し、その検出された範囲の両側に所定の余裕範囲を加えて再構成範囲を設定することにより、被検体のサイズ等に応じて必要最小限の範囲で再構成処理を行って高速化を図るものである。
しかし、このような従来の手法は、再構成アルゴリズムの改良に過ぎないため、再構成処理に関わるデータ量の増大という問題を根本的に解決するのは困難である。特に、近年では、マルチスライスX線CT装置の多列化(多チャンネル化)や、被検体内の3次元の対象領域(ボリューム)の画像を再構成する3次元X線CT装置の登場などにより、再構成処理に関わるデータ量が急激に増大しているが、上記のような従来の手法では、そのような状況に有効に対処することは難しい。
なお、多列のマルチスライスX線CT装置については特許文献3に、3次元CT装置については特許文献4にそれぞれ開示されている。特許文献3では、8列以上の検出器列を有するX線CT装置について言及しているが、近年では32列や64列といった検出器列を有するものも実用化されている。
また、X線CT装置の処理高速化を図るために、再構成用プロセッサの処理速度を向上させるなどのハードウェアの改良や、再構成ソフトウェアの改良などが提案されているが、これらはハードウェアやソフトウェアの局所的な改良に過ぎず、多列数のマルチスライスX線CT装置や3次元X線CT装置に関する高速化の要求を満たすのに十分とは言い難い。
以下、従来のX線CT装置の一般的な構成について、図15〜図17を参照して説明する。図15はX線CT装置の外観構成を表し、図16はその内部構成を表し、図17はコンピュータ装置内の画像処理部の構成を表している。
X線CT装置100は、図15に示すように、架台110、寝台120、コンピュータ装置130、モニタ140及び入力デバイス150を有する。X線CT装置100は、図17に示すワークステーション200に接続されている。このワークステーション200は、X線CT装置100が取得したCT画像を医者等が読影するためなどに使用される。
モニタ140及び入力デバイス150は、X線CT装置100のコンソール160として使用される。モニタ140は、LCDやCRT等の任意のディスプレイ機器により構成される。入力デバイス150は、キーボード、マウス、トラックボール、コントロールパネル、タッチパネル等の任意の入力機器により構成される。
架台110は、図16に示すように回動可能な支持体111を内蔵している。この支持体111は、開口部110A内に位置する被検体Pに向けてX線のファンビームやコーンビームを照射するX線管112と、被検体Pを透過したX線の線量を検出する検出器が複数列配置されたX線検出器113とを対向配置に支持している。X線管112は、高電圧発生部114により印加される所定の管電圧と管電流に基づいてX線を出力する。支持体111は、支持体駆動部115により開口部110A周りに回転され、その回転に伴ってX線管112とともに回転されるX線検出器113が被検体Pの透過X線量を様々な方向から検出する。検出された透過X線量のデータは、データ収集部116により収集され、増幅処理やA/D変換処理などが施されたのちにコンピュータ装置130に送られる。なお、支持体駆動部115は、支持体111を被検体Pに対して傾斜(チルト)させるようにも動作する。
寝台120は、被検体Pが載置される天板121と、この天板121を指支持する寝台基部122とを備える。寝台基部122には、天板121を前後方向(図15中の矢印方向;水平方向)及び上下方向に移動させる天板駆動部123(図16を参照)が設けられている。
コンピュータ装置130は、支持体111の回転動作やチルト動作の制御や、X線管112やX線検出器113の制御や、寝台120の天板121の移動動作の制御などを行う装置制御部131を有する。また、コンピュータ装置130は、架台110が収集したデータに画像処理を施す画像処理部132を備えている。
画像処理部132は、図17に示すように、再構成処理等の画像処理を実行する画像処理ユニット133と、架台110が収集したデータ(純生データ)や投影データ(生データ)を記憶する生データ記憶部135と、画像処理ユニット133により再構成された画像データを記憶する再構成画像記憶部136とを備える。
画像処理ユニット133は、再構成ユニットなどとも呼ばれ、そのシャーシ内に複数(N枚)の画像処理基板134−1〜134−N(まとめて「画像処理基板134」と称することがある。)を格納している。各画像処理基板134は、バックプレーン(図示せず)に装着されて互いに接続されている。
画像処理基板134−1〜134−Nには、再構成処理基板及びI/O(Input/Output)処理基板が含まれている。再構成処理基板は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)などにより構成され、純生データを投影データに変換する前処理や、投影データから被検体PのCT画像を再構成するバックプロジェクション(逆投影)やコンボリューション(畳み込み)等の再構成処理や、再構成されたCT画像を補正する画像補正処理などを実行する。また、I/O処理基板は、生データ記憶部135や再構成画像記憶部136に対するデータの入出力処理を行う。
生データ記憶部135及び再構成画像記憶部136は、それぞれ、複数のハードディスク等の記憶媒体からなる大容量の記憶装置である。
このような構成の画像処理部132は、次のように動作する。架台110により収集された純生データは、生データ記憶部135に記憶される。画像処理ユニット133のI/O処理基板は、生データ記憶部135から純生データを取得し、バックプレーンを介して再構成処理基板に送る。再構成処理基板は、この純生データを投影データに変換する。この投影データは、必要に応じてI/O処理基板により生データ記憶部135に送られて保存される。再構成処理基板は、更に、投影データから画像を再構成する。なお、前処理と再構成処理とを並行して実行することもある。すなわち、複数の再構成処理基板のうちのいくつかが前処理を行って投影データを生成するとともに、他の再構成処理基板がその投影データから画像を再構成することもできる。再構成された画像は、I/O処理基板により再構成画像記憶部136に送られて保存される。ワークステーション200の操作者は、保存された再構成画像を閲覧できる。
さて、多列数のマルチスライスX線CT装置や3次元X線CT装置に対する高速化の要求を満足するには、つまり、X線CT装置の処理速度を飛躍的に高速化するには、従来のX線CT装置100のハードウェア構成を抜本的に改良する必要がある。
その手法としては、画像処理基板134の枚数を大幅に増加させることにより、多数の基板で処理を行うことが考えられる。しかし、画像処理基板134の枚数を増加させると、バックプレーンに多数の基板が装着されることとなるため、高速データ転送を必須とされる多列化システム用再構成システムとしては、基板間の接続距離が増大してしまうため接続距離に限界がある。また、制御可能な基板枚数の制限や、シャーシの大きさの制限なども勘案すると、画像処理基板134の枚数の大幅な増加は困難であった。
このように、従来の技術では、多列数のマルチスライスX線CT装置や3次元X線CT装置などにより、大量のデータを処理する必要がある医用画像診断装置の処理速度を十分に高速化することができなかった。また、たとえば被検体の3次元の医用画像を実質的にリアルタイムで再構成するような処理の実現も困難であった。
また、従来の多列数のマルチスライスX線CT装置等の医用画像診断装置においては、大量のデータに基づいて前処理や再構成処理を実行している最中に、緊急に処理すべきジョブ(ジョブ:1スキャンで得られたデータに基づく画像形成処理)など優先的に処理すべき他のジョブを割り込ませる場合に、現行ジョブに関わるデータと割込ジョブに関わるデータとを明確に識別することができなかったため、現行ジョブに関わるデータと割込ジョブに関わるデータとが混入してしまうなど、割込処理を確実かつ円滑に行うことができなかった。このような問題は、割込処理を行う場合には限定されず、複数のジョブに関わるデータを同時に処理するような様々な状況下において問題となっていた。
特開2004−41675号公報 特開2002−200073号公報 特開2004−181069号公報 特開2004−187896号公報
本発明は、そのような事情に鑑みてなされたもので、医用画像形成処理の高速化を図りつつ、他のジョブに関わるデータの混入を防止して確実かつ円滑に処理を行える医用画像診断装置及び画像再構成方法を提供することを目的とする。
特に、複数のジョブに関わるデータを同時に処理する状況下であっても、確実かつ円滑に処理を実行できる医用画像診断装置及び画像再構成方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集手段と、前記収集されたデータに基づいて投影データを生成する前処理手段と、前記生成された投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す画像を再構成する再構成手段とを有する医用画像診断装置であって、複数の前記再構成手段を備え、前記収集手段により収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割手段と、前記分割により得られた2以上の部分データに基づいて前記前処理手段により生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与手段と、前記投影データ識別情報がそれぞれ付与された前記2以上の部分投影データを前記複数の再構成手段に分配する分配手段と、前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記複数の再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与手段と、前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集手段と、前記収集されたデータに基づいて投影データを生成する前処理手段と、前記生成された投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す画像を再構成する再構成手段とを有する医用画像診断装置であって、複数の前記前処理手段を備え、前記収集手段により収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割手段と、前記分割により得られた2以上の部分データを前記複数の前処理手段に分配する分配手段と、前記分配された2以上の部分データに基づいて前記複数の前処理手段により生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与手段と、前記2以上の部分投影データに基づいて前記再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与手段と、前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集手段と、前記収集されたデータに基づいて投影データを生成する前処理手段と、前記生成された投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す画像を再構成する再構成手段とを有する医用画像診断装置であって、複数の前記前処理手段と複数の前記再構成手段とを備え、前記収集手段により収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割手段と、前記分割により得られた2以上の部分データを前記複数の前処理手段に分配するとともに、前記2以上の部分データに基づいて前記複数の前処理手段により生成された2以上の部分投影データを前記複数の再構成手段に分配する分配手段と、前記分配された2以上の部分データに基づいて前記複数の前処理手段により生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与手段と、前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記複数の再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与手段と、前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記収集手段により収集されるデータに対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の収集データ識別情報を付与する第3の識別情報付与手段を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報は、前記被検体を特定する被検体特定情報の少なくとも一部の情報、前記収集手段による前記データの収集日時、前記収集手段による前記データの収集条件、及び、前記再構成手段による前記部分画像の再構成条件の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の医用画像診断装置であって、前記再構成条件は、前記再構成手段による前記部分画像の再構成方向を特定する情報を含むことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の医用画像診断装置であって、前記画像識別情報は、前記再構成方向を特定する情報を含み、前記合成手段は、前記再構成方向を特定する情報を参照し、前記2以上の部分画像を合成する方向を合わせる、ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記分割手段は、前記収集手段により収集されたデータの分割部分に所定の重複範囲を持たせるようにして、前記収集されたデータを2以上の部分データに分割し、前記第1の識別情報付与手段は、同一の前記重複範囲に相当する部分を有する2つの前記部分投影データに対し、同一の文字列を含む投影データ識別情報を付与する、ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記分割手段は、前記収集手段により収集されたデータの分割部分に所定の重複範囲を持たせるようにして、前記収集されたデータを2以上の部分データに分割し、前記第2の識別情報付与手段は、同一の前記重複範囲に相当する部分を有する2つの前記部分画像に対し、同一の文字列を含む画像識別情報を付与する、ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記第1の識別情報付与手段は、前記2以上の部分投影データの内、同一の前記再構成手段に分配される部分投影データに対し、同一の文字列を含む投影データ識別情報を付与することを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記第2の識別情報付与手段は、前記2以上の部分画像の内、同一の前記再構成手段により再構成される部分画像に対し、同一の文字列を含む画像識別情報を付与することを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記第1の識別情報付与手段は、前記2以上の部分投影データの内、同一の前記前処理手段により生成される部分投影データに対し、同一の文字列を含む投影データ識別情報を付与することを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記第2の識別情報付与手段は、前記2以上の部分画像の内、同一の前記前処理手段より生成された部分投影データに基づいて前記再構成手段により再構成される部分画像に対し、同一の文字列を含む画像識別情報を付与することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記前処理手段により生成された部分投影データを保存する投影データ保存手段と、前記保存された部分投影データを逐次に消去するための自動消去手段と、前記部分投影データを前記自動消去手段による消去処理の対象から除外するように指示するためのデータ保護操作手段と、前記データ保護操作手段により1つ以上の部分投影データを前記除外するように指示されたことに対応し、前記保存された部分投影データの内、前記1つ以上の部分投影データの投影データ識別情報と前記少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報が付与された全ての部分投影データを、前記消去処理の対象から除外するデータ保護処理手段と、を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記前処理手段により生成された部分投影データを保存する投影データ保存手段と、前記保存された部分投影データを消去するように指示するためのデータ消去操作手段と、前記データ消去操作手段により1つ以上の部分投影データを消去するように指示されたことに対応し、前記保存された部分投影データの内、前記1つ以上の部分投影データの投影データ識別情報と前記少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報が付与された全ての部分投影データを消去するデータ消去処理手段と、を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、請求項1ないし請求項15のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記合成手段により合成された画像に対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の合成画像識別情報を付与する第4の識別情報付与手段を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項17に記載の発明は、請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記再構成手段による再構成処理の実行中に、再構成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記実行中の再構成処理を中断させ、前記投影データ識別情報及び前記画像識別情報を参照して、前記中断前に前記前処理手段により生成された部分投影データと前記再構成手段により再構成された部分画像とを所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記前処理手段及び前記再構成手段に実行させる割込処理手段と、を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項18に記載の発明は、請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記前処理手段による投影データ生成処理の実行中に、投影データ生成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記実行中の投影データ生成処理を中断させ、前記投影データ識別情報を参照して、前記中断前に前記生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記前処理手段及び前記再構成手段に実行させる割込処理手段と、を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項19に記載の発明は、請求項17又は請求項18に記載の医用画像診断装置であって、前記実行中の処理の処理状況を取得する処理状況取得手段を更に備え、前記割込制御手段は、前記新たな処理の終了後に、前記取得された処理状況を参照して、前記中断された前記実行中の処理を前記中断時の段階から再開させる、ことを特徴とする。
また、請求項20に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記複数の再構成手段による再構成処理の実行中に、再構成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、前記実行中の再構成処理の処理状況を取得する処理状況取得手段と、前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記取得された処理状況を参照して、前記複数の再構成手段の内から再構成処理の残存処理量が相対的に少ない1つ以上の再構成手段を選択し、その選択された再構成手段が実行している再構成処理を中断させ、前記選択された再構成手段により前記中断前に再構成された部分画像を所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記選択された再構成手段に実行させる割込処理手段と、を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項21に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記複数の前処理手段による投影データ生成処理の実行中に、投影データ生成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、前記実行中の処理の処理状況を取得する処理状況取得手段と、前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記取得された処理状況を参照して、前記複数の前処理手段の内から処理の残存処理量が相対的に少ない1つ以上の前処理手段を選択し、その選択された前処理手段が実行している処理を中断させ、前記選択された前処理手段により前記中断前に生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記選択された前処理手段に実行させる割込処理手段と、を更に備えていることを特徴とする。
また、請求項22に記載の発明は、請求項1ないし請求項21のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記再構成手段により再構成された画像に後処理を施す複数の後処理手段を更に備え、前記分配手段は、前記再構成された前記2以上の部分画像を前記複数の後処理手段に分配し、前記合成手段は、前記複数の後処理手段により後処理が施された前記2以上の部分画像を合成する、ことを特徴とする。
また、請求項23に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記分配手段は、前記前処理手段により逐次生成される部分投影データを前記複数の再構成手段に逐次分配して、前記前処理手段による処理と前記再構成手段による処理とを並行して実行させることを特徴とする。
また、請求項24に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置であって、前記分配手段は、前記収集手段により逐次収集されるデータを前記複数の前処理手段に逐次分配することを特徴とする。
また、請求項25に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを一度に収集する2以上の収集手段と、前記一度に収集される2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与手段と、前記2以上のデータに基づいて2以上の投影データを生成する前処理手段と、前記生成される2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて記憶する1以上のデータ記憶手段と、前記2以上の投影データの分配を受けて、2以上の画像を再構成する複数の再構成手段と、前記再構成される2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて記憶する画像記憶手段と、を備えていることを特徴とする医用画像診断装置である。
また、請求項26に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを一度に収集する2以上の収集手段と、前記一度に収集される2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与手段と、前記2以上のデータの分配を受けて、2以上の投影データを生成する複数の前処理手段と、前記生成される2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて記憶する1以上のデータ記憶手段と、前記2以上の投影データに基づいて2以上の画像を再構成する再構成手段と、前記再構成される2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて記憶する画像記憶手段と、を備えていることを特徴とする医用画像診断装置である。
また、請求項27に記載の発明は、請求項1ないし請求項26のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、被検体が載置される載置手段と、この天板を所定方向に駆動して前記被検体を移動させる駆動手段とを含む寝台を更に備え、前記収集手段は、前記移動される前記被検体に向けて放射線を照射する照射手段と、前記被検体を透過した前記放射線の放射線量を検出する検出器が2次元的に配置された検出手段とを備え、前記放射線量の3次元分布データを前記データとして収集し、前記分割手段は、前記収集された3次元分布データを、前記被検体の前記移動の方向に又は前記移動の方向に直交する方向に分割する、ことを特徴とする。
また、請求項28に記載の発明は、請求項1ないし請求項27のいずれか一項に記載の医用画像診断装置であって、前記再構成手段により再構成される画像は、複数のボクセルデータが3次元的に集合して形成されるボリューム画像であることを特徴とする。
また、請求項29に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集ステップと、前記収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割ステップと、前処理手段が、前記分割により得られた2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成する前処理ステップと、前記生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与ステップと、前記投影データ識別情報がそれぞれ付与された前記2以上の部分投影データを複数の再構成手段に分配する分配ステップと、前記複数の再構成手段が、前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す2以上の部分画像を再構成する再構成ステップと、前記複数の再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与ステップと、前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成ステップと、を含んでいることを特徴とする画像再構成方法である。
また、請求項30に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集ステップと、前記収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割ステップと、前記分割により得られた2以上の部分データを複数の前処理手段に分配する分配ステップと、前記複数の前処理手段が、前記分配された2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成する前処理ステップと、前記生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与ステップと、再構成手段が、前記2以上の部分投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す2以上の部分画像を再構成する再構成ステップと、前記再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与ステップと、前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成ステップと、を含んでいることを特徴とする画像再構成方法である。
また、請求項31に記載の発明は、被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集ステップと、
前記収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割ステップと、
前記分割により得られた2以上の部分データを複数の前処理手段に分配する第1の分配ステップと、前記複数の前処理手段が、前記分配された2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成する前処理ステップと、前記生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与ステップと、前記投影データ識別情報がそれぞれ付与された前記2以上の部分投影データを複数の再構成手段に分配する第2の分配ステップと、前記複数の再構成手段が、前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す2以上の部分画像を再構成する再構成ステップと、前記再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与ステップと、前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成ステップと、を含んでいることを特徴とする画像再構成方法である。
また、請求項32に記載の発明は、請求項29ないし請求項31のいずれか一項に記載の画像再構成方法であって、前記収集ステップにて収集されるデータに対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の収集データ識別情報を付与する第3の識別情報付与ステップを更に備えていることを特徴とする。
また、請求項33に記載の発明は、請求項29ないし請求項32のいずれか一項に記載の画像再構成方法であって、前記合成ステップにて合成された画像に対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の合成画像識別情報を付与する第4の識別情報付与ステップを更に含んでいることを特徴とする。
また、請求項34に記載の発明は、請求項29ないし請求項33のいずれか一項に記載の画像再構成方法であって、前記再構成手段による再構成処理の実行中に、再構成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込要求が入力されたことに対応して、前記実行中の再構成処理を中断させる中断ステップと、前記投影データ識別情報及び前記画像識別情報を参照して、前記中断前に前記前処理ステップにて生成された部分投影データと前記再構成ステップにて再構成された部分画像とを所定の記憶手段に記憶させる記憶ステップと、前記新たな処理を実行させる割込実行ステップと、を更に含んでいることを特徴とする。
また、請求項35に記載の発明は、請求項29ないし請求項33のいずれか一項に記載の画像再構成方法であって、前記前処理手段による投影データ生成処理の実行中に、投影データ生成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込要求が入力されたことに対応して、前記実行中の投影データ生成処理を中断させる中断ステップと、前記投影データ識別情報を参照して、前記中断前に前記前処理ステップにて生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させる記憶ステップと、前記新たな処理を実行させる割込実行ステップと、を更に含んでいることを特徴とする。
また、請求項36に記載の発明は、請求項34又は請求項35に記載の画像再構成方法であって、前記中断ステップにて実行中の処理が中断されたときの処理状況を取得する処理状況取得ステップと、前記割込実行ステップの後に、前記取得された処理状況を参照して、前記中断された処理を前記中断時の段階から再開させる再開ステップと、を更に含んでいることを特徴とする。
また、請求項37に記載の発明は、被検体の内部形態を反映する2以上のデータを一度に収集する収集ステップと、前記一度に収集される前記2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与ステップと、前記2以上のデータに基づいて2以上の投影データを生成する前処理ステップと、前記生成された2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて1以上のデータ記憶手段に記憶させる第1の記憶ステップと、複数の再構成手段が、前記2以上の投影データの分配を受けて、2以上の画像を再構成する再構成ステップと、前記再構成された2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶させる第2の記憶ステップと、を含んでいることを特徴とする画像再構成方法である。
また、請求項38に記載の発明は、被検体の内部形態を反映する2以上のデータを一度に収集する収集ステップと、前記一度に収集される前記2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与ステップと、複数の前処理手段が、前記2以上のデータに基づいて2以上の投影データを生成する前処理ステップと、前記生成された2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて1以上のデータ記憶手段に記憶させる第1の記憶ステップと、前記2以上の投影データに基づいて2以上の画像を再構成する再構成ステップと、前記再構成された2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶させる第2の記憶ステップと、を含んでいることを特徴とする画像再構成方法である。
請求項1、請求項3、請求項29又は請求項31に記載の本発明によれば、収集されたデータを2以上の部分データに分割し、その2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成し、その2以上の部分投影データに対して少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与するとともに、その2以上の部分投影データを複数の再構成手段に分配して2以上の部分画像を再構成し、その2以上の部分画像のそれぞれに対して、その基となった部分投影データの投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与し、その画像識別情報を参照して2以上の部分画像を合成して画像を形成するように構成されているので、収集されたデータに対する全ての処理を単一の再構成手段で行う従来の構成と比較して、画像再構成処理に要する時間を大幅に短縮でき、したがって、画像形成処理の高速化を図ることが可能となる。
更に、再構成処理に供される各部分投影データには、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報が付与されるので、この識別情報の同一部分を参照することにより、これらの部分投影データが1つのジョブに関わるものであることを識別できる。したがって、再構成処理時に、他のジョブに関わるデータの混入を防止でき、目的の部分画像を確実にかつ円滑に形成することが可能である。また、再構成された各部分画像についても、画像識別情報によって識別可能とされるので、部分画像の合成時における他のジョブに関わるデータ混入を防止でき、目的の画像を確実にかつ円滑に取得することが可能である。
請求項2、請求項3、請求項30又は請求項31に記載の本発明によれば、収集されたデータを2以上の部分データに分割し、その2以上の部分データを複数の前処理手段に分配して2以上の部分投影データを生成し、その2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与するとともに、その2以上の部分投影データに基づいて2以上の部分画像を再構成し、その2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった部分投影データの投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与し、その画像識別情報を参照して2以上の部分画像を合成して画像を形成するように構成されているので、収集されたデータに対する全ての処理を単一の前処理手段で行う従来の構成と比較して、前処理に要する時間を大幅に短縮でき、したがって、画像形成処理の高速化を図ることが可能となる。
更に、前処理にて生成される各部分投影データには、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報が付与されるので、再構成処理時に、他のジョブに関わるデータの混入を防止でき、目的の部分画像を確実にかつ円滑に形成することが可能である。また、再構成された各部分画像についても、画像識別情報によって識別可能とされるので、部分画像の合成時における他のジョブに関わるデータ混入を防止でき、目的の画像を確実にかつ円滑に取得することが可能である。
請求項17又は請求項34に記載の本発明によれば、再構成手段が再構成処理を実行しているときに新たな処理(ジョブ)の割込要求が入力されたことに対応して、その実行中の再構成処理を中断するとともに、投影データ識別情報及び画像識別情報を参照して、中断前に生成された部分投影データと中断前に再構成された部分画像とを所定の記憶手段に記憶させた後に、割り込みが要求された新たな処理を実行するように構成されているので、複数のジョブに関わるデータを同時に処理する状況下であっても、投影データ識別情報及び画像識別情報を利用して確実かつ円滑に処理を実行することが可能である。
請求項18又は請求項35に記載の本発明によれば、前処理手段が投影データ生成処理を実行しているときに、新たな処理(ジョブ)の割込要求が入力されたことに対応して、その実行中の投影データ生成処理を中断するとともに、投影データ識別情報を参照して、中断前に生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させた後に、新たな処理を実行するように構成されているので、複数のジョブに関わるデータを同時に処理する状況下であっても、投影データ識別情報及び画像識別情報を利用して確実かつ円滑に処理を実行することが可能である。
本発明に係る医用画像診断装置及びそれにより実行される画像再構成方法の好適な実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明に係る医用画像診断装置の一例であるX線CT装置についてのみ詳しく説明するが、一般に、被検体の内部形態を反映するデータを収集し、その収集されたデータに所定の前処理を施して投影データを生成し、その投影データから画像を再構成することにより医用画像を形成する機能を備えた任意の医用画像診断装置、たとえばMRI装置や核医学診断装置などについても、以下で説明する構成は適用可能である。
[装置構成]
まず、本実施形態の医用画像診断装置の構成について図1〜図3を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る医用画像診断装置の一例であるX線CT装置の内部構成の一例を表し、図2、図3は、このX線CT装置に含まれるコンピュータ装置の構成の一例を表している。
図1に示す本実施形態のX線CT装置1は、前述した従来のX線CT装置と同様の外観構成を備えており(図15参照)、特に、架台2と、寝台(図1では図示省略)と、コンピュータ装置3と、コンソール6を構成するモニタ4及び入力デバイス5とを含んで構成されている。
被検体Pは、寝台の天板13上に載置された状態で検査に供される。天板13は、天板駆動部14によって水平方向及び垂直方向に移動される。被検体Pは、天板13とともに架台2の開口部内において水平移動される。なお、寝台の天板13は本発明の「載置手段」の一例に相当し、天板駆動部14は「駆動手段」の一例に相当する。
架台2は、被検体Pの内部形態を反映するデータ、たとえば被検体Pを透過したX線量の3次元分布データを収集するための装置であり、本発明の「収集手段」の一例に相当する。この架台2は支持体7を内蔵している。支持体7には、架台2の開口部内に位置する被検体Pに向けてX線を照射するX線管8と、被検体Pを透過したX線の線量を検出する検出器が2次元配置されて検出面を形成するX線検出器9とが支持されている。X線管8とX線検出器9とは、被検体Pを挟んで対峙する位置に配置されている。X線管8は、高電圧発生部10により印加される所定の管電圧と管電流に基づいてX線を出力する。なお、X線管8は本発明の「照射手段」の一例に相当し、X線検出器9は「検出手段」に相当する。
支持体駆動部11は、架台2の開口部周りに支持体7を所定方向に回転させる。それにより、X線管8とX線検出器9とは、互いに対峙した状態で被検体Pの周囲を回転しながら、様々な方向における透過X線量のデータを検出する。また、支持体駆動部11は、支持体7を傾斜(チルト)させるように動作する。
X線検出器9が検出した様々な方向における透過X線量のデータは、データ収集部12により収集される。このデータ収集部12は、収集したデータに対して増幅処理やA/D変換を施してコンピュータ装置3に伝送する。
モニタ4は、LCDやCRT等の任意の表示装置によって構成され、コンピュータ装置3の制御に基づいて各種の画像や画面を表示する。また、入力デバイス5は、キーボード、マウス、コントロールキー、トラックボールなどの任意の入力用・操作用のデバイスによって構成される。
入力デバイス5は、たとえば、架台2がデータ収集を行うときの条件(収集条件)や、コンピュータ装置3が画像を再構成するときの条件(再構成条件)や、再構成画像の出力条件(処理画像出力条件)などの各種条件を入力するために操作される。また、複数のデータを一度に収集する場合の処理順序の設定や実行中のジョブに他のジョブを割り込ませる場合の設定などの処理の優先順位に関する入力操作や、診断において特に注目する部位(心臓、頭部等;注目部位)の入力操作などについても入力デバイス5を用いて行う。更に、入力デバイス5は、各種データをプロテクト(自動消去から保護)するための操作や、各種データを手動で消去するための操作などにも使用される。
収集条件としては、データの収集範囲(天板13の移動範囲)、X線検出器9の複数の検出器列の内の使用列数、X線管8の管電圧や管電流、架台2によるスキャン態様(ヘリカルスキャン、コンベンショナルスキャン等)、支持体7の回転速度やチルト角度、X線の照射時間などの条件が指定入力される。
また、再構成条件としては、たとえば、画像を再構成する範囲、再構成の種類(コーンビーム再構成/ファンビーム再構成、ハーフ再構成/フル再構成など)、再構成関数の種類、スライス画像の分解能(部位毎に設定可能)、再構成画像の間隔、画像厚(スライス厚)などの条件が指定入力される。また、3次元のボリューム画像を再構成する場合には、その再構成方向、すなわち、スキャン方向をZ方向とするときに、再構成処理をX方向に行うか又はY方向に行うか、についても再構成条件として考慮する。
以上に例示したような収集条件や再構成条件は、たとえば被検体Pのスキャノグラムなどを参照して指定される。また、収集条件や再構成条件のデフォルト値をあらかじめ設定しておき、そのデフォルト値をそのまま適用することも可能である。
また、処理画像出力条件としては、2次元画像表示、3次元画像表示、4次元画像表示(3次元画像の時間変化表示)等の画像の表示態様などが指定入力される。また、診断における注目部位の指定入力は、たとえばスキャノグラムなどを参照して行う。
なお、ファンビーム再構成とは、被検体Pの体軸方向におけるX線パスの傾きが無い、つまりX線ビームが平行ビームであると仮定して行う再構成手法を意味し、コーンビーム再構成とは、被検体Pの体軸方向におけるX線パスの傾きに忠実に逆投影パスを算出して行う再構成手法を意味する。また、フル再構成とは、被検体Pの周囲360度分の投影データから画像を再構成する手法を意味し、ハーフ再構成とは、被検体Pの周囲180度分の投影データにX線ビームのファン角度分の投影データを加えて画像を再構成する手法を意味する。
[コンピュータ装置の構成]
図1〜図3に示すように、コンピュータ装置3には、X線CT装置1の全体制御を行う装置制御部15と、架台2が収集したデータに基づいて医用画像を形成する画像処理部16とが設けられている。
〔装置制御部のハードウェア構成〕
装置制御部15は、コンピュータ装置3に内蔵のCPUやメモリやハードディスクドライブ等を含んで構成され、ハードディスクドライブ等に記憶された制御プログラムをCPUが実行することにより、高電圧発生部10、支持体駆動部11、天板駆動部14及び画像処理部16の動作を制御する。また、装置制御部15は、モニタ4による各種画面の表示処理を制御するとともに、入力デバイス5からの入力操作を受けて装置各部を制御する。
〔画像処理部のハードウェア構成〕
画像処理部16は、図2、図3に示すように、再構成処理に関するデータ処理を実行する複数の画像処理ユニット17A〜17N(N個;N≧2)と、架台2が収集したデータ(純生データ)や投影データ(生データ)を記憶する生データ記憶部18と、画像処理ユニット16により再構成された画像データを記憶する再構成画像記憶部19とを備える。生データ記憶部18及び再構成画像記憶部19は、従来と同様に、複数枚のハードディスク等の記憶媒体からなる大容量記憶装置である。
各画像処理ユニット17A〜17Nは、図2に示すように、そのシャーシ内に複数の画像処理基板を格納している:画像処理ユニット17Aには17A−1〜17A−kのk枚、画像処理ユニット17Bには17B−1〜17B−lのl枚、画像処理ユニット17Cには17C−1〜17C−mのm枚、画像処理ユニット17Nには17N−1〜17N−nのn枚の画像処理基板がそれぞれ格納されている。
各画像処理ユニット17A〜17Nの画像処理基板には、再構成処理基板とI/O処理基板とが含まれている。
再構成処理基板は、FPGA基板やCPU基板などにより構成されている。FPGA基板は複数枚設けられており、たとえば、純生データの対数変換やリファレンス補正や水処理などを施して投影データを生成する前処理、投影データに対するバックプロジェクションやコンボリューション等の再構成処理などを実行する。また、CPU基板は複数枚設けられており、投影データに対するビームハードニング補正や体動補正などの再構成前処理や、再構成された画像を補正する画像補正処理などの後処理を実行する。なお、再構成基板としては、DSP基板やGPU基板などを適宜に使用することが可能である。
I/O処理基板には、装置制御部15や生データ記憶部18や再構成画像記憶部19等との間におけるデータ通信処理や各種の制御処理を行うRTM(リアルタイムマネジャ)−IO基板や、他の画像処理ユニットとの間のデータ通信処理を行う基板などが含まれている。
なお、複数の画像処理ユニット17A〜17Nのうちの少なくとも1つ(たとえば画像ユニット17A)には、後述のデータ分割部、ユニット指定部、画像合成部、処理状況取得部などとして動作するCPU等の基板が格納されている。
各画像処理ユニット17A〜17N内の画像処理基板は、図示しないバックプレーンに装着されて互いに接続されている。その接続態様としては、cPCI、PCI Express、高速データLinkなどの転送インターフェイスを使用できる。なお、転送速度を考慮すると、高速データLink等の高速な転送インターフェイスを使用することが望ましい。また、画像処理ユニット17A〜17N間の接続態様や、生データ記憶部18や再構成画像記憶部19に対する接続態様についても、同様の転送インターフェイスが用いられる。
架台2とコンピュータ装置3とは、たとえば光ファイバにより接続されており、コンピュータ装置3とワークステーション200とは、たとえばEthernet(登録商標)等によりLAN接続されている。なお、このワークステーション200は、X線CT装置1により取得されたCT画像を医者等が読影するためなどに使用される。
〔機能的構成〕
続いて、このようなハードウェア構成を有するコンピュータ装置3の機能的構成について主に図3を参照しつつ説明する。以下、まず画像処理部16の画像処理ユニット17A〜17Nの機能的構成について説明し、続いて装置制御部15の機能的構成について説明する。
〔画像処理ユニットの機能的構成〕
画像処理部16の各画像処理ユニット17A〜17Nには、データ送受信部41A〜41N、前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N、画像補正部44A〜44N及び記憶部45A〜45Nがそれぞれ設けられている。
なお、本実施形態に係るX線CT装置1においては、複数の画像処理ユニット17A〜17Nに、前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N及び画像補正部44A〜44Nをそれぞれ設けた構成を採用しているが、これら3つの内の1つ又は2つのみを有する画像処理ユニットを適用することも可能である。その場合であっても、前処理部及び再構成部の内の少なくとも一方を画像処理ユニット17A〜17Nの内の2つ以上が備えている必要がある。また、画像補正部についても画像処理ユニット17A〜17Nの内の2つ以上に設けられていることが望ましい。
(データ送受信部)
さて、データ送受信部41A〜41Nは、前述のI/O処理基板を含んで構成され、装置制御部15、生データ記憶部18、再構成画像記憶部19、他の画像処理ユニットとの間におけるデータの送受信を司っている。
(前処理部)
前処理部42A〜42Nは、前述のFPGA基板を含んで構成され、架台2が収集したデータに前処理を施して投影データを生成する処理を行う。この前処理部42A〜42Nの内、後述の「前処理ユニット」に指定された画像処理ユニット17A〜17Nに搭載されたものは、本発明の「前処理手段」の一例を構成する。
(再構成部)
再構成部43A〜43Nは、前述のFPGA基板によって構成され、前処理部42A〜42Nにより生成された投影データに基づいて被検体Pの内部形態を表す画像を再構成する処理を行う。再構成部43A〜43Nは、たとえば、Feldkamp法に代表される3次元画像再構成アルゴリズムによる再構成処理を実行し、複数のボクセルデータが3次元的に集合して形成されるボリューム画像を再構成する。また、再構成部43A〜43Nは、一般的な2次元画像再構成アルゴリズムを用いて、投影データに基づく被検体のPの2次元断層画像を再構成することもできる。このような再構成部43A〜43Nの内、後述の「再構成処理ユニット」に指定された画像処理ユニット17A〜17Nに搭載されたものは、本発明の「再構成手段」の一例を構成する。
(画像補正部)
画像補正部44A〜44Nは、前述のCPU基板によって構成され、再構成部43A〜43Nにより再構成された画像の画像補正処理などの後処理を施すものであり、それらの内、後述の「後処理ユニット」に指定された画像処理ユニット17A〜17Nに搭載されたものは、本発明の「後処理手段」の一例を構成する。
(記憶部)
記憶部45A〜45Nは、データの書き込み及び読み出しが可能なメモリ装置等の記憶媒体によって構成される。
〔主たる画像処理ユニット17A〕
画像処理ユニット17Aは、複数の画像処理ユニット17A〜17Nによる処理を統括する主たる画像処理ユニットであり、そのための構成として、データ分割部31、ユニット指定部32、画像合成部33、処理状況取得部34、ID管理部35及びデータ管理部36を更に備えている。
(データ分割部)
データ分割部31は、本発明の「分割手段」の一例に相当するもので、架台2が被検体Pをスキャンして収集したデータ(純生データ)を2以上の部分データに分割する処理を実行する。
このデータ分割部31は、たとえば画像処理ユニット17A〜17Nの個数や、前処理ユニット、再構成処理ユニット、後処理ユニットの個数、更には、各画像処理ユニット17A〜17N(前処理ユニット、再構成処理ユニット、後処理ユニット)の処理能力や、収集された純生データのデータ量などに応じて、純生データを分割する個数(つまり部分データの個数)を決定する。たとえば画像処理ユニットが4個設けられている場合、データ分割部31は、画像処理ユニットと同数の4つの部分データに純生データを分割する。なお、純生データの分割個数については、あらかじめパラメータを保持しておき、画像処理ユニット等の個数に対応するパラメータを自動的に読み出して決定することができる。
なお、前処理部及び/又は再構成部を有さない画像処理ユニットがある場合や(前述)、ユニット指定部32により指定された後述の前処理ユニットや再構成処理ユニットの個数が画像処理ユニット17A〜17Nの個数と異なる場合には、データ分割部31は、前処理部の個数や再構成部の個数に応じて純生データを分割する個数を決定する。
図4は、架台2がヘリカルスキャン(架台2の支持体7の回転と天板13の移動とを同期させて行うスキャン方法)により収集したデータの分割態様の一例を表している。データ分割部31は、ヘリカルスキャンにより収集された純生データDをM個の部分データd1〜dMに分割する。このとき、連続する部分データdiと部分データd(i+1)との分割部分fiに重複範囲eiを持たせるようにして、部分データdi、d(i+1)を形成する(i=1〜M−1)。すなわち、分割により得られる連続する部分データdi、d(i+1)は、それらの分割部分において所定範囲の重複を有している。重複範囲e1〜e(M−1)の幅は、装置制御部15により設定される。
なお、この図4には、架台2が収集した純生データD(X線量の3次元分布データ)を、被検体Pの体軸方向、つまり天板13の移動方向(「Z方向」と呼ぶことがある。)に並ぶ部分データd1〜dMに分割する手法が示されているが、純生データDの分割態様はこれに限定されるものではない。たとえば、被検体Pの体軸方向に直交する面上の2次元直交座標系(水平方向を「X座標」、垂直方向を「Y座標」と呼ぶことがある。)における各座標軸の方向に並ぶ部分データを生成するようにしてもよい。
また、部分データd1〜dMのデータ量は、それぞれ等しくてもよいし、異なっていてもよい。たとえば、純生データDのデータ量に応じて分割する場合には、各部分データd1〜dMのデータ量を等しくするように分割することができるし、また、純生データDを所定のデータ量毎に逐次分割する場合には、データ量が等しい部分データd1〜d(M−1)と、それらよりもデータ量の少ない最後の部分データdMとからなる部分データd1〜dMに分割することができる。
(ユニット指定部)
ユニット指定部32は、画像処理ユニット17A〜17Nのそれぞれについて、その前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N及び画像補正部44A〜44Nの内の少なくともを1つを選択的に動作させるように指定する処理を行う。以下、このユニット指定部32により前処理部42A〜42Nを動作させるように指定された各画像処理ユニット17A〜17Nを前処理ユニットと称し、再構成部43A〜43Nを動作させるように指定された各画像処理ユニット17A〜17Nを再構成処理ユニットと称し、画像補正部43A〜44Nを動作させるように指定された各画像処理ユニット17A〜17Nを後処理ユニットと称することがある。
ここで、単一の画像処理ユニット17iについて、前処理部42i、再構成部43i及び画像補正部44iの内の2つ又は3つを動作させるように指定することも可能である。たとえば、前処理部42iと再構成部43iとの2つを動作させるように指定された画像処理ユニット17iは、前処理ユニットかつ再構成処理ユニットとして扱われ、また、前処理部42i、再構成部43i及び画像補正部44iの3つを動作させるように指定された画像処理ユニット17iは、前処理ユニットかつ再構成処理ユニットかつ後処理ユニットとして扱われることとなる。
また、ユニット指定部32は、一旦前処理ユニットや再構成処理ユニットに指定された画像処理ユニットを異なる目的のユニットに新たに指定するように、つまり指定を変更するように動作することもできる。たとえば、前処理ユニットに指定されている画像処理ユニット17iの指定を変更して再構成処理ユニットや後処理ユニットとして動作させることが可能である。
ここで、データ送受信部41Aは、データ分割部31により得られた2以上の部分データを、ユニット指定部32が指定した前処理ユニットに送信する。複数の画像処理ユニットが前処理ユニットに指定されている場合、2以上の部分データは、その複数の前処理ユニットに分散して送信される。また、データ送受信部41Aは、これら部分データから各前処理ユニットが生成した投影データ(部分投影データ;部分データと同数ある)を、ユニット指定部32が指定した再構成処理ユニットに送信する。また、複数の画像処理ユニットが再構成処理ユニットに指定されている場合、2以上の部分投影データは、その複数の再構成処理ユニットに分散して送信される。更に、データ送受信部41Aは、これら部分投影データから各再構成処理ユニットが再構成した画像(部分画像;部分投影データと同数ある)を後処理ユニットに送信する。また、複数の画像処理ユニットが後処理ユニットに指定されている場合、2以上の部分画像は、その複数の後処理ユニットに分散して送信される。
なお、或る画像処理ユニット17iが、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットの内の2つ又は3つに指定された場合、データ送受信部41Aによるデータ送信処理の形態としては複数のケースがある。たとえば、画像処理ユニット17iが前処理ユニット及び再構成処理ユニットの双方に指定された場合において、当該画像処理ユニット17iの前処理部42iが生成した部分投影データの再構成処理を同じく再構成部43iにて行う場合、データ送受信部41Aによるデータ送信処理としては次の2つのケースがある。
(第1のケース)部分データのみを送信するケース:データ送受信部41Aは、画像処理ユニット17iに部分データを送信する。画像処理ユニット17iの前処理部42iが、当該部分データから部分投影データを生成する。生成された部分投影データは記憶部44iに記憶される。再構成部43iは、記憶された部分投影データを読み出して部分画像を再構成する。再構成された部分画像は、データ送受信部41iにより再構成画像記憶部19に伝送されて保存される。このように、第1のケースにおいては、データ送受信部41Aは、部分投影データの送信処理を実際には実行しないが、この部分投影データの送信を行ったものとみなす。
(第2のケース)部分データ及び部分投影データを送信するケース:データ送受信部41Aは、画像処理ユニット17iに部分データを送信する。画像処理ユニット17iの前処理部42iが、当該部分データから部分投影データを生成する。生成された部分投影データは、データ送受信部41iにより生データ記憶部18に伝送されて保存される。データ送受信部41Aは、保存された当該部分投影データを、画像処理ユニット17iに送信する。再構成部43iは、この部分投影データを再構成して部分画像を形成する。再構成された部分画像は、データ送受信部41iにより再構成画像記憶部19に伝送されて保存される。
以上のように、ユニット指定部32とデータ送受信部41Aとは、2以上の部分データを複数の前処理部42A〜42Nに分配する処理を行うとともに、これら2以上の部分データに基づいて前処理手段42A〜42Nがそれぞれ生成した2以上の部分投影データを、複数の再構成部43A〜43Nに分配するように作用するものであり、本発明の「分配手段」の一例に相当する。ユニット指定部32(及びデータ送受信部41A)による画像処理ユニット指定処理とデータ分配処理との詳細については、装置の動作説明中において述べる。
なお、本実施形態においては、画像処理ユニット17A〜17Nのそれぞれに前処理部42A〜42N及び再構成部43A〜43Nが設けられているので、ユニット指定部32は、各画像処理ユニット17A〜17Nを、前処理ユニット及び再構成処理ユニットの双方に同時に指定できる。前処理ユニット及び再構成処理ユニットの双方に指定された画像処理ユニットは、たとえば、その前処理部にて部分投影データを生成するとともに、その再構成部により当該部分投影データに基づく画像の再構成を行うことができる。もちろん、当該画像処理ユニットの前処理部が生成した部分投影データに基づく再構成処理を他の画像処理ユニットにて行ってもよいし、逆に、他の画像処理ユニットの前処理部にて生成された部分投影データの再構成処理を当該画像処理ユニットにて行ってもよい。また、後処理ユニットについても、画像処理ユニット17A〜17Nの内から任意に指定することができる。
(画像合成部)
画像合成部33は、本発明の「合成手段」の一例に相当し、再構成処理ユニットに指定された画像処理ユニットが2以上の部分投影データのそれぞれに基づいて再構成した2以上の部分画像を合成する。この画像合成部33は、データ分割部31による純生データの分割部分(図4の分割部分fi)を合わせるようにして2以上の部分画像を合成する。そのために、たとえば後述するIDが好適に利用される(詳細は後述する)。
なお、分割部分の適合処理は、後述のIDを用いなくても実行可能である。たとえば、複数個形成される部分画像d1〜dMのそれぞれの重複範囲e1〜e(M−1)に対応する画像(画素値)を比較し、それらが一致する部分画像を連続する部分画像gi、g(i+1)と判断する。そして、一致した重複範囲の画像が重なる位置を部分画像gi、g(i+1)の合成位置として決定するとともに、部分画像gi、g(i+1)の重複範囲eiに対応する画像範囲の内の任意の一方を選択して、当該重複範囲eiに対応する画像として採用する。それにより、共通の重複範囲eiを有する2つの部分画像gi、g(i+1)を判別でき、それらを順につなぎ合わせて部分画像を合成することができる。
(処理状況取得部)
処理状況取得部34は、各画像処理ユニット17A〜17Nの前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N及び画像補正部44A〜44Nによる処理状況を監視して、それらの処理状況を表す情報(処理状況情報と称することがある。)を取得する。ここで「処理状況情報とは、前処理や再構成処理や画像補正処理の実行の有無(たとえば「処理開始前」、「処理中」「処理終了」など)を表す情報や、処理実行中においてはその進捗状況(たとえば「処理の60%が終了」など)、更には、その処理を実行する画像処理ユニット17A〜17Nを識別する情報など、当該処理の実行に関わる各種情報を含むものである。
処理状況取得部34は、たとえば、データ送受信部41Aを制御して、処理状況情報(の内の処理の実行状況に関わる情報)の送信を要求する信号(情報送信要求信号)を、各画像処理ユニット17B〜17Nに定期的に又は不定期的に送信する。各画像処理ユニット17B〜17Nは、処理状況取得部34からの情報送信要求信号を受けると、前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N及び画像補正部44A〜44Nのそれぞれの処理状況情報を収集して画像処理ユニット17Aに返信する。
また、画像処理ユニット17A自身が実行する処理の処理状況については、たとえば処理状況取得部34が前処理部42A、再構成部43A及び画像補正部44Aに直接にアクセスして情報を取得する。
処理状況情報の他の取得態様としては、たとえば、各画像処理ユニット17A〜17Nの前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N及び画像補正部44A〜44Nが、その処理状況を定期的に又は不定期的に処理状況取得部34に送信するようにしてもよい。以上のように動作する処理状況取得部34は、本発明の「処理情報取得手段」の一例に相当するものである。
(ID管理部)
ID管理部35は、本発明の「第1〜4の識別情報付与手段」の一例に相当するもので、装置制御部15の後述のID管理制御部24による制御にしたがって次の(1)〜(4)のような動作を実行する。なお、(1)、(2)の動作は、それぞれ本発明において必須の動作であり、(3)、(4)の動作は、それぞれ選択的に適用される動作である。
(1)ID管理部35の第1の動作は、「第1の識別情報付与手段」としての動作に相当し、画像処理ユニット17A〜17Nに分配されたM個の部分データに基づいて前処理部42A〜42N(の内の少なくとも1つ)が生成したM個の部分投影データのそれぞれに対して同一のIDを付与するものである。ここで付与されるIDは、本発明の「投影データ識別情報」に相当する。
(2)ID管理部35の第2の動作は、「第2の識別情報付与手段」としての動作に相当し、画像処理ユニット17A〜17Nに分配されたM個の部分投影データに基づいて再構成部43A〜43Nが再構成したM個の部分画像のそれぞれに対し、その部分画像の基となった部分投影データに付与されたIDと同一のIDを付与するものである。ここで付与されるIDは、本発明の「画像識別情報」に相当する。
(3)ID管理部35の第3の動作は、「第3の識別情報付与手段」としての動作に相当し、架台2により収集された純生データに対し、上記IDと同一のIDを付与するものである。ここで付与されるIDは、本発明の「収集データ識別情報」に相当する。
(4)ID管理部35の第4の動作は、「第4の識別情報付与手段」としての動作に相当し、画像合成部33により合成された画像(合成画像)に対し、その合成画像の基となった部分投影データや部分画像に付与された上記IDと同一のIDを付与するものである。ここで付与されるIDは、本発明の「合成画像識別情報」に相当する。
以上の(1)〜(4)の動作により、架台2が収集した純生データと、その純生データに基づく投影データを分割して得られるM個の部分投影データのそれぞれと、そのM個の部分投影データに基づくM個の部分画像のそれぞれと、そのM個の部分画像の合成画像とに、同一のIDが付与されることとなる。それにより、架台2が収集した各純生データ毎に、それに関連するデータや画像を一元管理することが可能となる。
なお、ID管理部35が(1)〜(4)において付与するIDは、上記のように全て同一である必要はない。たとえば、(1)においてM個の部分投影データに付与される投影データ識別情報は、少なくとも一部の情報が同一であればよく、(2)においてM個の部分画像に付与される画像識別情報は、(1)の投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一であればよい。また、(3)において純生データに付与される収集データ識別情報は、(1)の投影データ識別情報や(2)の画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一であればよく、(4)において合成画像に付与される合成画像識別情報は、(1)の投影データ識別情報や(2)の画像識別情報や(3)の収集データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一であればよい。
このように異なるIDを使用することで、識別対象である各データや画像に固有の情報をIDに含ませるとともに、そのIDを参照して当該固有の情報を取得することが可能となる。そのような固有の情報を含むIDの具体例及びそのIDを用いた処理態様の詳細については後述する。
ID管理部35は、架台2が1回のスキャンで収集する一連のデータ(純生データ)毎に異なるIDを付与する。そのために、このIDは、たとえば、患者IDなど被検体を特定する被検体特定情報もしくはその一部の情報や、架台2による純生データの収集日時や、架台2による純生データの収集条件(前述)や、再構成部43A〜43Nによる部分画像の再構成条件(前述)などを含む文字列として構成される。
患者ID等の被検体特定情報は、任意の方法によって取得され、たとえば、コンソール6から入力してもよいし、後述のID管理制御部24が患者情報を管理するサーバにネットワーク経由でアクセスして取得することもできる。また、純生データの収集日時は、たとえば、コンピュータ装置3搭載のCPU等の計時機能などを参照して取得される。また、収集条件や再構成条件は、あらかじめコンソール6等から設定入力された条件や、デフォルト設定された条件などを参照して取得される。また、X線CT装置1の設置場所やシリアルナンバーなどの情報をIDに含めることもできる(それらの情報はあらかじめ入力される)。
ここで、再構成条件をIDに含める場合において、前述の再構成方向を特定する情報をIDに含めることができる。このとき、再構成方向がX方向であるときにはたとえば文字列「X」などを上記特定する情報として使用でき、Y方向であるときにたとえば文字列「Y」などを使用できる。なお、詳細については後述するが(第2の処理態様を参照)、このような情報を含むIDは、再構成部43A〜43Nにより形成されるボリューム画像の分解能が方向(X方向、Y方向)に応じて異なる場合に、M個の部分画像の方向を揃えて分解能が均一な合成画像を形成するために有効に用いられる。
(1)においてM個の部分投影データにそれぞれ異なるID(投影データ識別情報)を付与すれば、そのM個の部分投影データは互いに識別可能とされる。また、(2)においてM個の部分画像にそれぞれ異なるID(画像識別情報)を付与すれば、そのM個の部分画像は互いに識別可能とされる。同様に、純生データが分割されて形成されるM個の部分データにそれぞれ異なるID(部分データ識別情報と呼ぶ。)を付与することもでき、それにより、そのM個の部分データを互いに識別可能にすることができる。そのようなIDを付与することで、M個の部分画像のつなぎ目処理を簡便に行うことが可能となる(第3の処理態様を参照)。
(データ管理部)
データ管理部36は、本発明の「データ保護処理手段」及び「データ消去処理手段」の一例に相当するものであり、装置制御部15の後述の保護/消去制御部25による制御にしたがって、部分投影データの保護処理や消去処理など、各種データの管理に関する処理を行う。部分投影データの保護処理や消去処理は、上記のIDを活用して実行される(第5の処理態様を参照)。なお、生データ記憶部18に記憶されているデータの自動消去処理は、本発明の「自動消去手段」としてのデータ管理部36によって行われる。
また、データ管理部36は、本発明の「割込処理手段」の一例に相当するものであって、装置制御部15の後述の割込処理制御部23による制御にしたがって、画像処理ユニット17A〜17Nが処理を実行しているときに新たな処理の割り込みが発生した場合における、当該新たな処理の優先処理(割込処理)を実行する。この割込処理の具体的処理内容については、第4の処理態様にて詳述する。
〔装置制御部の機能的構成〕
装置制御部15には、データ処理制御部20、重複範囲設定部21、ユニット指定制御部22、割込処理制御部23、ID管理制御部24及び保護/消去制御部25が設けられている。
(データ処理制御部)
データ処理制御部20は、架台2が収集した純生データに対する処理(前処理、再構成処理、画像補正処理など)の方向を指定して画像処理部16による処理を制御する。処理方向は、たとえば、被検体Pの体軸方向(Z方向)に沿って頭部側から足側に向かう方向に指定される場合や、体軸方向に直交する方向(X方向、Y方向)に沿った方向に指定される場合などがある。純生データDの部分データd1〜dMの処理順序は、データ処理制御部20が指定した処理方向に応じて決定される。
また、データ処理制御部20は、診断における注目部位が事前に指定された場合には(前述)、当該注目部位(及びその周辺部位)に相当する範囲について収集されたデータを優先的に処理させるように画像処理部16を制御する。たとえば、スキャノグラムを用いて心臓を注目部位に指定した場合、データ処理制御部20は、当該スキャノグラムに定義された座標と純生データの座標(ボリューム上に定義された座標)とを参照して、指定された範囲に対応する純生データの範囲を判別し、その範囲の純生データに対して前処理、再構成処理、画像補正処理等を優先的に実行するように制御する。
(重複範囲設定部)
重複範囲設定部21は、データ分割部31が純生データを分割するときの、2以上の部分データの重複範囲(図4の重複範囲e1〜e(M−1))の幅を設定する。この重複範囲e1〜e(M−1)は、たとえば再構成条件の画像厚や、画像処理ユニット17A〜17Nの個数、あるいは前処理ユニット、再構成処理ユニット、後処理ユニットの個数などに基づいて設定され、連続する分割データの分割部分における画像の再構成が可能な範囲として設定される。また、重複範囲のパラメータをあらかじめ保持しておき、画像処理ユニット等の個数に対応するパラメータ(View番号:Z位置に反映される)を自動的に読み出して決定するように構成してもよい。
(ユニット指定制御部)
ユニット指定制御部22は、コンソール6から指定入力された各種条件(前述)を参照し、画像処理ユニット17Aのユニット指定部32やデータ送受信部41Aを制御して、2以上の部分データに基づく前処理を担う画像処理ユニット17A〜17N(前処理ユニット)を決定させるとともに、各前処理ユニットに対する部分データの送信処理を制御する。同様に、ユニット指定部32やデータ送受信部41Aを制御して、2以上の部分投影データに基づく再構成処理を担う画像処理ユニット17A〜17N(再構成処理ユニット)を決定させるとともに、各再構成処理ユニットに対する部分投影データの送信処理を制御する。また、再構成された部分画像に画像処理を施す画像処理ユニット17A〜17N(後処理ユニット)の決定、及び、再構成された部分画像の送信処理についても同様に制御する。このように、ユニット指定制御部22は、複数の画像処理ユニット17A〜17Nに対するデータの分配処理の制御を司っている。
(割込処理制御部)
割込処理制御部23は、コンソール6から指定入力された処理(ジョブ)の優先順位を管理するとともに、画像処理ユニット17Aのデータ管理部36を制御して、当該優先順位にしたがって処理を実行させる。
たとえば、或る被検者をスキャンしたデータに基づくジョブの実行中に、他の被検者をスキャンしたデータに基づくジョブの割り込みが発生した場合、割込処理制御部23は、データ管理部36等を制御して、現に実行されている現行ジョブに関するデータ(部分データ、部分投影データ、部分画像、各種条件設定など)をたとえば生データ記憶部18や再構成画像記憶部19等の記憶装置に退避させるとともに、割込ジョブに関わるデータ処理を優先的に実行させる。また、割込ジョブの終了後に、退避されたデータを再度読み出して上記現行ジョブの処理を再開させる。なお、現行ジョブに関するデータが退避される上記記憶装置は、本発明の「所定の記憶手段」の一例に相当する。
(ID管理制御部)
ID管理制御部24は、ID管理部35によるID付与処理を制御し、たとえば、IDに含まれる文字列等の情報の取得処理やその情報の管理、更には、IDとその付与対象(処理、データ、画像等)とを関連付ける情報の管理などを行う。
(保護/消去制御部)
保護/消去制御部25は、コンソール6からデータ(部分投影データなど)の保護や消去が指示されたことに対応し、画像処理ユニット17Aのデータ管理部36等を制御して、当該データの保護処理や消去処理を実行させる。この保護処理や消去処理については、後述の第5の処理態様にて説明する。
〔操作系の構成〕
コンソール6は、本実施形態の操作系(の一部)を形成する。コンソール6は、図1に示したように、モニタ4と入力デバイス5とを含んで構成されている。なお、コンソール6は、タッチパネル型の液晶モニタなど、モニタ4と入力デバイス5とを統合した形態の機器であってもよい。コンソール6には、保護操作部6a、消去操作部6b及び割込操作部6cを含む各種の操作部が設けられている。
保護操作部6aは、本発明の「データ保護操作手段」の一例に相当し、部分投影データ等のデータを自動消去の対象から除外してそのデータを保護(プロテクト)するように指示するために操作される。消去操作部6bは、本発明の「データ消去操作手段」の一例に相当し、部分投影データ等のデータを消去するように指示するために操作される。
保護操作部6aや消去操作部6bは、たとえば、処理のステータス(実行中、実行待ち、実行終了など)を示す情報を含む画面をモニタ4に表示させるとともに、表示されたデータの内から保護/消去するデータを入力デバイス5にて選択できるように構成される。ここで、保護/消去するデータの選択は、たとえば、M個の部分投影データの内の1つ以上を指定するようになっている。なお、保護操作部6aが操作された場合、その保護対象のデータは、生データ記憶部18等の記憶装置(投影データ保存手段)に、自動消去処理の対象から除外された状態で保存される。
割込操作部6cは、本発明の「割込操作手段」の一例に相当し、前処理部42A〜42Nによる投影データ生成処理、再構成部43A〜43Nによる再構成処理、画像補正部44A〜44Nによる画像補正処理など、画像処理ユニット17A〜17Nが何らかの処理を実行している最中に、他の処理を割り込ませて優先的に実行させるために操作される。この割込操作部6cは、たとえば、複数の処理のステータスや優先順位(処理順序)を示す情報を含む画面をモニタ4に表示させるとともに、入力デバイス5により優先順位を変更できるように構成される。割り込みの要求は、たとえば、割り込ませる処理を選択してチェックマーク等を付与して行う。
[処理態様]
以上のような構成を有する本実施形態のX線CT装置1が実行する処理態様の一例(第1〜第5の処理態様)について、図5〜図9を参照しつつ説明する。
以下、説明の煩雑化を避けて本発明の特徴の説明に集中するために、N個の画像処理ユニット17A〜17Nの全てを前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットに指定するとともに、収集された純生データをN個の部分データに分割し、そのN個の部分データを画像処理ユニット17A〜17Nが1つずつ処理すると仮定する。なお、N個の画像処理ユニット17A〜17Nの内のいくつか(N個未満)を前処理専用のユニットとして初期指定するとともに、前処理が終了したものを再構成ユニットに指定変更して処理を行ってもよいし、また、画像処理ユニット17A〜17Nの前処理部42A〜42Nや再構成部43A〜43Nの処理能力に応じて純生データを分割して分散処理を行ってもよい。
ここで、以下に詳述する各処理態様について簡単に説明しておく。第1の処理態様では、ID付与処理の一例として、単一ジョブに関わるデータや画像に同一のIDを付与する場合の処理を説明する。第2の処理態様では、再構成部43A〜43Nによる再構成方向を特定する情報を含むIDを用いる場合の処理の一例を説明する。第3の処理態様では、純生データを図4に示したような重複範囲を有する部分データに分割する場合において、部分画像のつなぎ目をIDを用いて判別して合成画像を形成する処理の一例を説明する。第4の処理態様では、割込処理の2つの例を説明する。第5の処理態様では、データ(部分投影データ等)の保護処理と消去処理の一例を説明する。
〔第1の処理態様〕
図5のフローチャートに示す第1の処理態様では、被検体特定情報(患者ID)と収集日時とからIDを生成している。他の情報(収集条件、再構成条件等)を用いてIDを生成する場合の処理態様は、これと同様であるので説明を省略する。
まず、被検体特定情報を取得する(S1)。そのために、操作者は、コンソール6を操作して被検体特定情報(たとえば文字列「abcde」)を入力する。装置制御部15のID管理制御部24は、入力された被検体特定情報を記憶しておく。なお、被検体特定情報を自動取得する構成を採用する場合には、ID管理制御部24がサーバにアクセスして目的の被検体特定情報を取得する。
次に、架台2が純生データDを収集する(S2)。このとき、ID管理制御部24は、前述のCPU等の計時機能を参照して、純生データDの収集日時を取得する(S3)。この収集日時は、たとえばデータ収集開始時間とされ、2005年4月1日の午前10時00分00秒にデータ収集が開始された場合、ID管理制御部24は、文字列「20050401100000」を取得することとなる。ID管理制御部24は、被検体特定情報の文字列と収集日時の文字列とを組み合わせてID「abcde20050401100000」を生成する(S4)。
ステップS2のデータ収集が終了すると、収集された純生データDは、画像処理部16に送られ、ID管理部35によってID「abcde20050401100000」が付与され(S5)、生データ記憶部18に格納される(S6)。このIDは、たとえば純生データDのヘッダ部分に付与される(他のデータや画像でも同様とする。)。
ユニット指定部32が、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットをそれぞれ指定する(S7)。ここでは、画像処理ユニット17A〜17Nのそれぞれを、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットに指定する。
画像処理ユニット17Aのデータ分割部31が、収集された純生データDを2以上の部分データに分割する(S8)。ここでは、画像処理ユニット17A〜17Nと同数のN個の部分データd1〜dNに分割する。
画像処理ユニット17Aのデータ送受信部41Aが、画像処理ユニット17A〜17Nに部分データd1〜dNを分配する(S9)。より詳しく説明すると、データ送受信部41Aは、生データ記憶部18に記憶された純生データDについて、部分データd1に相当する範囲を受信するとともに、部分データd2に相当する範囲を画像処理ユニット17Bに、部分データd3に相当する範囲を画像処理ユニット17Cに、・・・、部分データdNに相当する範囲を画像処理ユニット17Nにそれぞれ送信する。分配された部分データd1〜dNは、分配先の画像処理ユニット17A〜17Nの記憶部45A〜45Nにそれぞれ記憶される。以下、「純生データDの部分データdiに相当する範囲」と「部分データdi」とを同一視する(i=1〜N)。
各画像処理ユニット17iの前処理部42iは、分配された部分データdiに基づいて部分投影データpiを生成する(S10)。生成された部分投影データpiは記憶部45iに記憶される。ID管理部35は、その部分投影データpiにID「abcde20050401100000」を付与する(S11)。ここで、ID管理部35は、たとえば、処理情報取得部34が取得する前処理部42iの処理状況を参照して部分投影データpiの生成終了を検知してIDを付与するようになっている。以上により、同一のIDが付与されたN個の部分投影データp1〜pNが得られる。なお、部分投影データpj、p(j+1)は、部分データdj、d(j+1)の重複範囲ejに対応する重複範囲を有している(j=1〜N−1)。
次に、各画像処理ユニット17iの再構成部43iは、部分投影データpiに基づいて部分画像giを再構成する(S12)。再構成された部分画像giは記憶部45iに記憶される。ID管理部35は、上記と同様にして再構成処理終了を検知し、部分画像giにID「abcde20050401100000」を付与する(S13)。それにより、同一のIDが付与されたN個の部分画像g1〜gNが得られる。部分画像gj、g(j+1)は、部分データdj、d(j+1)の重複範囲ejに対応する重複範囲を有している。
続いて、各画像処理ユニット17iの画像補正部44iは、部分画像giに画像補正を施す(S14)。
画像処理ユニット17B〜17Nは、画像補正後の部分画像g2〜gNを画像処理ユニット17Aに送信する。それにより、同一のIDが付与された部分画像g1〜gNが画像処理ユニット17A(親ユニット)に集合する(S15)。部分画像g1〜gNは、記憶部45Aに記憶される。
画像合成部33は、N個の部分画像g1〜gNを逐次合成して、収集された純生データD全体に対応する画像G(合成画像)を形成する(S16)。ID管理部35は、この画像GにID「abcde20050401100000」を付与する(S17)。データ送受信部41Aは、この画像Gを再構成画像記憶部19に送って記憶させる(S18)。
再構成画像記憶部19に記憶された画像Gは、要求に応じて、コンソール6のモニタ4やワークステーション200のモニタなどに表示される。以上で、第1の処理態様は終了となる。
〔第2の処理態様〕
図6のフローチャートに示す第2の処理形態は、部分画像を再構成するときの再構成方向を特定する情報を含むIDを使用するときの処理の一例である。
まず、ID管理制御部24が再構成方向を取得する(S21)。再構成方向は、操作者が手入力で設定してもよいし、デフォルトの再構成方向を用いてもよい。ID管理制御部24が被検体特定情報を取得する(S22)。ここで、ステップS21とS22の順序は任意である。
架台2が純生データDの収集を開始すると(S23)、ID管理制御部24がその収集日時を取得する(S24)。ID管理制御部24は、再構成方向を特定する情報と被検体特定情報の文字列と収集日時の文字列とを組み合わせてIDを生成する(S25)。再構成方向がX方向の場合には、たとえばID「Xabcde20050401100000」を生成し、Y方向の場合には、たとえばID「Yabcde20050401100000」を生成する。
なお、本処理態様では、再構成方向を特定する情報「X」、「Y」をIDの先頭部分に配置させているが、それに限定されるものではなく、IDの文字列中の任意の位置に配置することが可能である。以下、再構成方向としてX方向が選択されたものとする。
ID管理部35が、収集された純生データDにID「Xabcde20050401100000」を付与する(S26)。この純生データDは、生データ記憶部18に格納される(S27)。
ユニット指定部32が、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットをそれぞれ指定する(S28)。ここでは、画像処理ユニット17A〜17Nのそれぞれを、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットに指定する。
画像処理ユニット17Aのデータ分割部31が、収集された純生データDを2以上の部分データに分割する(S29)。ここでは、画像処理ユニット17A〜17Nと同数のN個の部分データd1〜dNに分割する。データ送受信部41Aが、画像処理ユニット17A〜17Nに部分データd1〜dNを分配する(S30)。
各画像処理ユニット17iの前処理部42iは、分配された部分データdiに基づいて部分投影データpiを生成する(S31)。ID管理部35は、その部分投影データpiにID「Xabcde20050401100000」を付与する(S32)。
各画像処理ユニット17iの再構成部43iは、部分投影データpiに基づいて部分画像giを再構成する(S33)。ID管理部35は、その部分画像giにID「Xabcde20050401100000」を付与する(S34)。
各画像処理ユニット17iの画像補正部44iは、部分画像giに画像補正を施す(S35)。
画像処理ユニット17B〜17Nは、画像補正後の部分画像g2〜gNを画像処理ユニット17Aに送信して部分画像g1〜gNを画像処理ユニット17A(親ユニット)に集める(S36)。
画像合成部33は、各部分画像g1〜gNに付与されたID「Xabcde20050401100000」の先頭部分を参照して、各部分画像g1〜gNの再構成方向を取得し(S37)、その取得した再構成方向に基づいてN個の部分画像g1〜gNを逐次合成して、収集された純生データD全体に対応する画像G(合成画像)を形成する(S38)。ID管理部35は、この画像GにID「Xabcde20050401100000」を付与する(S39)。データ送受信部41Aは、この画像Gを再構成画像記憶部19に送って記憶させる(S40)。
再構成画像記憶部19に記憶された画像Gは、要求に応じて、コンソール6のモニタ4やワークステーション200のモニタなどに表示される。以上で、第2の処理態様は終了となる。
〔第3の処理態様〕
図7のフローチャートに示す第3の処理態様は、2以上の部分画像の各重複範囲を特定する情報をIDに含めることで、部分画像の合成を簡便化する処理態様の一例である。
まず、ID管理制御部24が被検体特定情報を取得する(S41)。また、重複範囲設定部21がデータの分割部分における重複範囲の幅を設定する(S42)。ここで、ステップS41とS42の順序は任意である。
架台2が純生データDの収集を開始すると(S43)、ID管理制御部24がその収集日時を取得する(S44)。ID管理制御部24は、被検体特定情報の文字列と収集日時の文字列とを組み合わせてID「abcde20050401100000」を生成し、収集された純生データDに付与する(S45)。純生データDは、生データ記憶部18に格納される(S46)。
ユニット指定部32が、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットをそれぞれ指定する(S47)。ここでは、画像処理ユニット17A〜17Nのそれぞれを、前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットに指定する。
画像処理ユニット17Aのデータ分割部31が、純生データDのデータ量や画像処理ユニット17A〜17Nの個数などに基づいて、純生データDを2以上の部分データに分割する(S48)。ここでは、画像処理ユニット17A〜17Nと同数のN個の部分データd1〜dNに分割する。
ID管理制御部24は、被検体特定情報の文字列と、収集日時の文字列と、部分データd1〜dNの重複範囲e1〜eNのそれぞれを特定する情報とを組み合わせてIDを生成し、各部分データd1〜dNに付与する(S49)。
このとき、各重複範囲ei(i=1〜N)を特定する情報(重複範囲情報)としてたとえば「i」を用いることができる。その場合、たとえば、最初の部分データd1のIDとして「s−abcde20050401100000−1」、2番目の部分データd2のIDとして「1−abcde20050401100000−2」、・・・、i番目の部分データdiのIDとして「(i−1)−abcde20050401100000−i」、・・・、N番目の部分データdNのIDとして「(N−1)−abcde20050401100000−e」等の文字列からなるIDを採用することができる。
ここで、各部分データd2〜dNのIDの先頭部分(「1」〜「N−1」)は、その部分データのスキャン開始側(スキャンの上流側)の重複範囲に関連付けられており、各部分データd1〜d(N−1)のIDの末尾部分(「1」〜「N−1」)は、その部分データのスキャン終了側(スキャンの下流側)の重複範囲に関連付けられている。たとえば、部分データd2について、そのID「1−abcde20050401100000−2」の先頭部分の「1」は、スキャン開始側の分割部分f1における重複範囲e1(図4参照)に関連付けられ、その末尾部分の「2」は、スキャン終了側の分割部分f2における重複範囲e2に関連付けられる。なお、部分データd1の先頭の「s」は、この部分データd1がスキャンを開始(Start)した位置を含む部分データであることを示し、部分データdNの末尾の「e」は、この部分データdNがスキャンを終了(End)した位置を含む部分データであることを示ものである。
各部分データd1〜dNにIDが付与されたら、データ送受信部41Aは、これらの部分データd1〜dNを画像処理ユニット17A〜17Nに分配する(S50)。
各画像処理ユニット17iの前処理部42iは、分配された部分データdiに基づいて部分投影データpiを生成する(S51)。ID管理部35は、その部分投影データpiに、その基となった部分データdiと同じID「(i−1)−abcde20050401100000−i」を付与する(S52)。
再構成部43iは、生成された部分投影データpiに基づいて部分画像giを再構成する(S53)。ID管理部35は、その部分画像giに、その基となった部分投影データpiと同じID「(i−1)−abcde20050401100000−i」を付与する(S54)。
各画像処理ユニット17iの画像補正部44iは、部分画像giに画像補正を施す(S55)。
画像処理ユニット17B〜17Nは、画像補正後の部分画像g2〜gNを画像処理ユニット17Aに送信して部分画像g1〜gNを画像処理ユニット17A(親ユニット)に集合させる(S56)。
画像合成部33は、各部分画像gi(i=1〜N)に付与されたID「(i−1)−abcde20050401100000−i」のたとえば先頭部分(「0」〜「N−1」)を参照し、各部分画像giの順序(第1番目〜第N番目)を認識する(S57)。
更に、画像合成部33は、IDの先頭部分と末尾部分とを照合して、部分画像giの重複範囲(部分データdiの重複範囲e1〜e(N−1)に相当)を関連付ける(S58)。すなわち、前述のように(ステップS49)、IDの先頭部分はスキャン開始側の重複範囲に関連付けられ、末尾部分はスキャン終了側の重複範囲に関連付けられているので、文字列「i」(i=1〜N−1)を末尾部分に有するIDと、当該文字列「i」を先頭部分に有するIDとを照合することにより、前者のIDが付与された部分画像giのスキャン終了側の重複範囲(重複範囲eiに相当)と、後者のIDが付与された部分画像g(i+1)のスキャン開始側の重複範囲(同じく重複範囲eiに相当)とを関連付けることができる。たとえば、文字列「1」について照合する場合、末尾部分が「1」のID「s−abcde20050401100000−1」と、先頭部分が「1」のID「1−abcde20050401100000−2」とが照合され、前者のIDが付与された部分画像g1の重複範囲(重複範囲e1に相当)と、後者のIDが付与された部分画像g2の重複範囲(同じく重複範囲e1に相当)とが関連付けられることとなる。
そして、画像合成部33は、各i=1〜N−1について関連付けられた、同一の重複範囲(重複範囲eiに相当)を有する2つの部分画像gi、g(i+1)を、互いの重複範囲を重ね合わせるようにして逐次合成することにより、収集された純生データD全体に対応する画像G(合成画像)を形成する(S59)。
ID管理部35は、この画像GにIDを付与する(S60)。なお、画像GのこのIDは、たとえば、純生データDのID「abcde20050401100000」と同じ文字列からなる。データ送受信部41Aは、画像Gを再構成画像記憶部19に送って記憶させる(S61)。以上で、第3の処理態様は終了となる。
〔第4の処理態様〕
第4の処理形態は割込処理に関するものである。ここでは、次のような2種類の割込処理について説明する:(割込処理1)現在実行中のジョブに新たなジョブをそのまま割り込ませる通常の割込処理である;(割込処理2)画像処理ユニット17A〜17Nの処理状況に応じて新たなジョブを割り込ませる割込処理である。
(割込処理1)
図8、図9のフローチャートは、上記の割込処理1の一例を示している。両図に示す割込処理は、第1の処理態様(各データや画像に同一IDを付与する処理態様)において割込処理を適用したものである。以下、現在実行中のジョブ(現行ジョブ)に関わるデータや画像には既にID「abcde20050401100000」が付与されているものとする。
画像処理ユニット17A〜17N(の前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N、画像補正部44A〜44N)が処理(ジョブ)を実行しているときに(S71)、コンソール6の割込操作部6cから新たなジョブの割込が要求されると(S72)、次のような割込処理が実行される。なお、各画像処理ユニット17A〜17Nが生成/再構成/画像補正した部分投影データpiや部分画像giは、その記憶部45A〜45Nに保存されている。
まず、データ管理部36が、割込要求に対応して、各画像処理ユニット17A〜17Nが現に実行している処理(前処理、再構成処理、画像補正処理等)を中断させる(S73)。そのために、たとえば、データ管理部36自身が収納されている画像処理ユニット17Aの前処理部42Aや再構成部43A等を制御してその処理を中断させるとともに、画像処理ユニット17B〜17Nについては、データ送受信部41Aを介して制御信号を送信して処理を中断させる。
ここで、処理状況取得部34は、処理中断時における各画像処理ユニット17A〜17Nの処理状況を取得する(S74)。
データ管理部36は、処理中断前に各画像処理ユニット17iによって生成/再構成/画像補正された部分投影データpiや部分画像giと、処理中断時における処理状況情報とを、生データ記憶部18や再構成画像記憶部19等の所定の記憶手段に記憶させるとともに(S75)、記憶部45iに記憶されている当該部分投影データpiや部分画像giを消去する(S76)。また、データ管理部36は、所定の記憶手段に退避されたデータや画像に付与されているID「abcde20050401100000」を保持しておく(S77)。以上で、現行ジョブの退避処理が完了となる。
続いて、割り込ませる新たなジョブの優先処理を行う。ID管理制御部24が、新たなジョブ(割込ジョブ)の被検体特定情報(たとえば「fghij」とする)を取得するとともに(S78)、架台2が割込ジョブの純生データD′を収集し(S79)、ID管理制御部24がその収集日時(たとえば2005年4月1日午前10時30分00秒とする)を取得する(S80)。ID管理制御部24は、この被検体特定情報の文字列と収集日時の文字列とを組み合わせてID「fghij20050401103000」を生成し、割込ジョブの純生データD′に付与する(S81)。この純生データD′は、生データ記憶部18に格納される(S82)。
次に、ユニット指定部32が、割込ジョブを実行する前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットをそれぞれ指定する(S83)。データ分割部31が、割込ジョブの純生データD′をたとえばN個の部分データd′1〜d′Nに分割し(S84)、データ送受信部41Aが画像処理ユニット17A〜17Nに分配する(S85)。
各画像処理ユニット17iの前処理部42iは、分配された割込ジョブの部分データd′iに基づいて部分投影データp′iを生成し(S86)、ID管理部35が、その部分投影データp′iにID「fghij20050401103000」を付与し(S87)、再構成部43iが、この部分投影データp′iに基づいて部分画像g′iを再構成し(S88)、ID管理部35が、その部分画像g′iにID「fghij20050401103000」を付与し(S89)、画像補正部44iが、この部分画像g′iに画像補正を施す(S90)。画像処理ユニット17B〜17Nは、画像補正後の部分画像g′2〜g′Nを画像処理ユニット17Aに送信して、割込ジョブの部分画像g′1〜g′Nを画像処理ユニット17A(親ユニット)に集合させる(S91)。データ管理部36は、各画像処理ユニット17B〜17Nの記憶部45B〜45Nに記憶されているデータや画像を消去する(S92)。親ユニット17Aに集合されたN個の部分画像g′1〜g′Nには、同一のID「fghij20050401103000」が付与されている。
画像合成部33は、N個の部分画像g′1〜g′Nを逐次合成して、収集された純生データD′全体に対応する画像G′(合成画像)を形成し(S93)、ID管理部35が、この画像G′にID「fghij20050401103000」を付与する(S94)。データ送受信部41Aは、この画像G′を再構成画像記憶部19に送って記憶させる(S95)。データ管理部36は、画像処理ユニット17Aの記憶部45Aに記憶されているデータや画像を消去する(S96)。以上で、割込ジョブの優先処理が完了となる。
続いて、割込ジョブの割込要求に対応して退避されたジョブ(上記現行ジョブ)を再開する。そのために、まず、データ管理部36が、退避されたジョブのID「abcde20050401100000」が付与されたデータや画像と、その処理状況情報とを、退避先の生データ記憶部18等から読み出して記憶部45Aに記憶させる(S97)。データ管理部36は、読み出した処理状況情報を参照して、ステップS73の処理中断時におけるデータや画像の処理状況、すなわち、画像処理ユニット17A〜17Nに対する部分データや部分投影データや部分画像の分配状況と、各画像処理ユニット17A〜17Nによる処理の実行状況と、を取得する(S98)。そして、この取得した処理状況を参照し、データ送受信部41Aを介してデータや画像を画像処理ユニット17A〜17Nに分配して、処理中断時における分配状況を再現する(S99)。
分配されたデータや画像は、各画像処理ユニット17A〜17Nの記憶部45A〜45Nに記憶される(S100)。そして、データ管理部36は、処理中断時における各画像処理ユニット17A〜17Nの処理実行状況を参照し、前処理部42A〜42N、再構成部43A〜43N、画像補正部44A〜44Nを制御して、中断時に実行されていた段階から処理を再開させる(S101)。以上で、第4の処理態様の割込処理1は終了となる。
なお、ステップS101以降の処理は、図5のフローチャートに示したものと同様である。すなわち、前処理段階において中断された場合にはステップS10から再開され、再構成処理段階において中断された場合にはステップS12から再開され、画像補正処理段階において中断された場合にはステップS14から再開されることとなる。
(割込処理2)
図10、図11は、本処理態様の割込処理2の一例を示すフローチャートである。
画像処理ユニット17A〜17Nの前処理部42A〜42Nや再構成部43A〜43Nや画像補正部44A〜44Nがジョブを実行しているときに(S111)、新たなジョブの割込が要求されると(S112)、処理状況取得部34は、各画像処理ユニット17A〜17Nの処理状況情報を取得する(S113)。
データ管理部36は、取得された処理状況情報を参照して、各画像処理ユニット17A〜17Nが実行している処理の残存処理量を求め(S114)、その残存処理量が相対的に少ない1つ以上の画像処理ユニット17r(r=1〜R;1≦R≦N)を選択する(S115)。以下に、このステップS114、S115にて行う処理について詳しく説明する。
まず、「残存処理量」とは、実行中の処理(前処理、再構成処理、画像補正処理)について、或る時点までに実行された処理量をその全処理量から差し引いて得られる処理量であり、たとえば、全処理量が100の処理について、処理状況取得時点までに60の処理量が実行された場合、その残存処理量は40となる。なお、「処理量」とは、処理実行に要する時間であってもよいし、当該処理に係るデータ量であってもよい。
ステップS114における残存処理量の算出は、再構成処理についてはたとえば次のようにして実行される(前処理、画像補正処理も同様である)。画像処理ユニット17iにより再構成される部分投影データpiのデータ量をBiとし、再構成部43iの処理能力をbi(/秒)とする。これらのデータは既知とする。ステップS113の処理状況取得時までにデータ量Ciの再構成処理が実行されたとすると(これは処理状況情報より得られる。)、データ管理部36は、全データ量Biから処理済みのデータ量Ciを除算して、残存データ量(残存処理量)Ei=Bi−Ciを得る。また、再構成部43iの処理能力biを考慮すると、残存処理時間Ei′=(Bi−Ci)/biが得られる。
データ管理部36は、各画像処理ユニット17i(i=A〜N)について残存処理量Ei(Ei′)を算出し(ステップS114)、それらを比較してN個の残存処理量Eiの大小関係を求め、残存処理量Eiの小さい1つ以上の画像処理ユニット17rを選択する(ステップS115)。
続いて、データ管理部36は、選択された各画像処理ユニット17rが実行している処理を中断させ(S116)、処理状況取得部34が、そのときの各画像処理ユニット17rの処理状況情報を取得する(S117)。データ管理部36は、処理中断前に各画像処理ユニット17rにより得られた部分投影データprや部分画像grと、処理中断時における処理状況情報とを、所定の記憶手段に記憶させるとともに(S118)、各記憶部45rに記憶されている部分投影データpi等を消去する(S119)。また、上記記憶手段に退避されたデータ等に付与されているIDを保持しておく(S120)。以上で、現行ジョブの退避処理は完了する。
続いて、割り込ませる新たなジョブの優先処理を行う。ID管理制御部24が割込ジョブの被検体特定情報を取得し(S121)、架台2が割込ジョブの純生データD′を収集し(S122)、ID管理制御部24がその収集日時を取得すると(S123)、ID管理制御部24は、被検体特定情報の文字列と収集日時の文字列とを組み合わせてIDを生成し、収集された純生データD′に付与する(S124)。純生データD′は、生データ記憶部18に格納される(S125)。なお、ステップS124にて生成されたIDは、当該割込ジョブに関わる以下の各データや画像にも付与されるものである。
次に、ユニット指定部32が、当該割込ジョブを実行する前処理ユニット、再構成処理ユニット及び後処理ユニットを、ステップS115にて選択された画像処理ユニット17rのうちから指定する(S126)。データ分割部31が、割込ジョブの純生データD′をたとえばR個の部分データd′1〜d′Rに分割し(S127)、データ送受信部41Aが各画像処理ユニット17r(r=1〜R)に分配する(S128)。
各画像処理ユニット17rの前処理部42rは、分配された割込ジョブの部分データd′rに基づいて部分投影データp′rを生成し(S129)、ID管理部35が、その部分投影データp′rにIDを付与し(S130)、再構成部43rが、この部分投影データp′rに基づいて部分画像g′rを再構成し(S131)、ID管理部35が、その部分画像g′rにIDを付与し(S132)、画像補正部44iが、この部分画像g′rに画像補正を施す(S133)。各画像処理ユニット17rは、画像補正後の部分画像g′rを画像処理ユニット17Aに送信して、割込ジョブの全部分画像g′rを画像処理ユニット17A(親ユニット)に集合させる(S134)。データ管理部36は、各画像処理ユニット17r(親ユニット17Aを除く。)の記憶部45rに記憶されているデータや画像を消去する(S135)。親ユニット17Aに集合されたR個の部分画像g′rには、ステップS124にて生成された同一のIDが付与されている。
画像合成部33は、R個の部分画像g′rを逐次合成して、収集された純生データD′全体に対応する画像G′(合成画像)を形成し(S136)、ID管理部35が、この画像G′に同一のIDを付与する(S137)。データ送受信部41Aは、この画像G′を再構成画像記憶部19に送って記憶させる(S138)。データ管理部36は、画像処理ユニット17Aの記憶部45Aに記憶されている、当該割込ジョブに関わるデータや画像を消去する(S139)。以上で、割込ジョブの優先処理が完了となる。
更に、割込ジョブの割込要求に対応して退避されたジョブを再開するために、データ管理部36が、退避されたジョブのIDが付与されたデータや画像と、その処理状況情報とを、退避先から読み出して記憶部45Aに記憶させる(S140)。データ管理部36は、読み出した処理状況情報を参照し、処理中断時におけるデータや画像の処理状況を取得する(S141)。そして、この取得した処理状況を参照し、データ送受信部41Aを介してデータや画像をR個の画像処理ユニット17rに分配する(S142)。
分配されたデータや画像は、各画像処理ユニット17rの記憶部45rに記憶される(S143)。そして、データ管理部36は、処理中断時における各画像処理ユニット17rの処理実行状況を参照し、前処理部42r、再構成部43r、画像補正部44rを制御して、中断時に実行されていた段階から処理を再開させる(S144)。以上で、第4の処理態様の割込処理2は終了となる。
〔第5の処理態様〕
第5の処理形態は、部分投影データ等の保護処理及び消去処理に関するものである。図12のフローチャートは、部分投影データの保護処理の一例を表し、図13のフローチャートは、部分投影データの消去処理の一例を表している。
部分投影データは生データ記憶部18に記憶される。生データ記憶部18には、架台2により収集される純生データも逐次格納されるが、記憶容量が制限されているため、その記憶内容は、たとえばFIFO(First−In−First−Out)方式で逐次に自動消去される。
しかしながら、重要な部分投影データや後の使用に供される部分投影データなどについては、このような自動消去からプロテクト(保護)する必要がある。逆に、不要な部分投影データについては、それを積極的に消去して生データ記憶部18の空き容量の増加を図ることが望ましい。そこで、本処理態様は、このようなデータのプロテクトや消去を好適に行うための処理を提供する。なお、部分投影データ以外のデータ、たとえば再構成画像記憶部19に記憶される合成画像等のデータについても、このような保護処理や消去処理は有効である。
(データ保護処理)
操作者が、コンソール6の保護操作部6aを操作して、プロテクトを要求する1以上の部分投影データを指定入力すると(S151)、装置制御部15の保護/消去制御部25は、ID管理制御部24が管理している当該部分投影データのIDを検索し(S152)、画像処理ユニット17Aのデータ管理部36に送信する(S153)。
データ管理部36は、このIDが付与された全ての部分投影データを生データ記憶部18から検索する(S154)。そして、検索された部分投影データのそれぞれに対し、自動消去の対象から除外されたことを示すフラグを付与する(S155)。データ管理部36は、このフラグが付与されたデータ(部分投影データ)を選択的に消去しないようにして、生データ記憶部18に記憶されたデータの自動消去処理を実行する。
(データ消去処理)
操作者が、コンソール6の消去操作部6bを操作して、消去を要求する1以上の部分投影データを指定入力すると(S161)、装置制御部15の保護/消去制御部25は、ID管理制御部24が管理している当該部分投影データのIDを検索し(S162)、画像処理ユニット17Aのデータ管理部36に送信する(S163)。
データ管理部36は、このIDが付与された全ての部分投影データを生データ記憶部18から検索する(S164)。そして、検索された部分投影データのそれぞれを生データ記憶部18から消去する(S165)。
[作用効果]
以上のような本実施形態のX線CT装置1(医用画像診断装置)の作用効果について説明する。このX線CT装置1は、前処理、再構成処理及び画像補正処理を実行可能な複数の画像処理ユニット17A〜17Nを備え、それらに分配されるデータをIDで管理する点が特徴的である。
X線CT装置1の第1の処理態様(図5参照)においては、架台2により収集された純生データを2以上の部分データに分割してN個の画像処理ユニット17A〜17Nに分配するとともに、各画像処理ユニット17A〜17Nが、分配された部分データに基づく前処理、再構成処理及び画像補正処理を実行する。このとき、2以上の部分データ、前処理により生成される2以上の部分投影データ、そして再構成される2以上の部分画像には、同一のIDが付与される。
このような第1の処理態様によれば、収集された純生データに対する全ての処理を単一の画像処理ユニットで行う従来の場合と比較して、画像の取得までに要する処理時間を大幅に短縮することができる。特に、多数の画像処理ユニットを搭載することにより、従来よりも極めて短い時間で画像を取得することが可能となる。
また、1回のスキャンで得られる純生データ毎に(つまり各再構成ジョブ毎に)異なるIDを付与することで、各ジョブのデータや画像を他のジョブのデータ等と区別することができるので、各ジョブ毎のデータ等を好適に管理することが可能である。特に、再構成処理時や部分画像の合成時に、他のジョブのデータや画像が混入することがなく、目的の画像を確実にかつ円滑に形成することができる。したがって、本実施形態によれば、上記のような画像形成処理の高速化を図りつつ、複数のジョブに関わるデータを同時に処理する状況下であっても、それらの処理を確実にそして円滑に実行することができる。
X線CT装置1の第2の処理態様(図6参照)は、再構成処理における画像の再構成方向を特定する情報を含めてIDを生成し、2以上の部分投影データや部分画像のそれぞれに付与する。そして、部分画像を合成するときに、IDに含まれる当該情報を参照して画像の向きを合わせるようになっている。それにより、特に再構成部43A〜43Nが形成するボリューム画像の分解能が再構成方向(X方向、Y方向)に応じて異なる場合において、各部分画像の方向を揃えて均一な分解能の合成画像を容易に形成することができる。
X線CT装置1の第3の処理態様(図7参照)は、収集された純生データを2以上の部分データに分割するときに、連続する部分データの分割部分に重複範囲を形成し(図4参照)、共通の重複範囲を有する2つの部分データに付与するIDに同じ文字列を含めるようになっている。そして、その文字列を参照して共通の重複範囲を関連付けて部分画像を合成するようになっている。それにより、分割部分の画像を確実かつ円滑につなぎ合わせることが可能である。
X線CT装置1の第4の処理態様(図8〜図11参照)は、ジョブの実行中に新たなジョブの割り込みが要求されたときの処理をIDで管理するものである。割込ジョブは、緊急患者に関するジョブなど、緊急性が高いことが多い。実行中のジョブに関わる各データ等には同じIDが付与されている。割り込みが発生すると、実行中のジョブに関わるデータを退避させて割込ジョブを実行する。このとき、割込ジョブに関わるデータ等には、同一のIDが付与される。この割込ジョブのIDは、退避されたジョブのIDとは異なる文字列からなる。割込ジョブの終了後、退避されたジョブのIDが付されたデータ等を読み出して処理を再開するようになっている。
それにより、割込ジョブについては、ID管理によって確実にかつ円滑に実行でき、緊急性の高いジョブの迅速化を図ることができる。また、退避されたジョブについては、それに関わるデータ等に同じIDが付与されているので、処理再開時に他のジョブのデータ等が混入する事態を回避することができ、処理の確実化、円滑化を図ることができる。
なお、(割込処理2)は、複数の画像処理ユニットの内、残存処理量が相対的に小さなユニットの処理が選択的に中断され、そのユニットで割込ジョブを処理するようになっている。このとき、選択されなかったユニット、すなわち残存処理量が比較的大きなユニットは、現行のジョブを継続して処理する。それにより、中断された処理の再開後における処理時間が短くなるという効果が奏される。
X線CT装置1の第5処理態様(図12、図13参照)は、IDを利用したデータの保護処理及び消去処理に関するものである。本処理態様によれば、保護(消去)を望むデータを1つ又は複数指定するだけで、そのデータと同じIDを有する全てのデータが自動的に選択されて保護(消去)されるので、保護(消去)のための操作の簡便化を図ることができる。
なお、本実施形態のX線CT装置1において、上記の第1〜5の処理態様を任意に組み合わせた処理態様を実行することが可能である。また、コンソール6からの手動設定入力や自動設定により、第1〜5の処理態様(それらの任意の組み合わせを含む)を選択的に実行できるようにすることも可能である。
[変形例]
以上で詳述した実施形態の各種変形例について説明する。
〔IDに関する変形例〕
本発明に係る構成においては、部分投影データと部分画像とにIDを付与するものであれば十分であり、上記実施形態のように、純生データや部分データや合成画像にIDを付与する必要はない。実用上、収集された純生データは、そのまま直ちに分割されて複数の画像処理ユニットに分配され、各ユニットにて前処理から後処理まで実行されることが多いため、部分投影データとそれに基づく部分画像とがIDで関連付けられていれば、部分画像の再構成時や部分画像の合成時における他ジョブのデータ等の混入を防止でき、結果として目的の画像を確実かつ円滑に取得できる上に、万一他ジョブのデータ等の混入が発生した場合でも、当該ジョブの部分投影データから目的の部分画像を再構成して所望の合成画像を取得することができる。
純生データや部分データにもIDを付与する構成を適用する場合、純生データや部分データもID管理できるので、部分データや部分投影データや部分画像に混入が生じたときに、その混入部分のデータや画像を容易に再形成できる。それにより、目的の画像を確実に取得することが可能となる。
また、合成画像にもIDを付与する構成を適用する場合、合成画像もID管理することができるので、合成画像を再び形成するときにその基となるデータを容易に取得することができるなどの利点がある。
上記実施形態の〔第1の処理態様〕等では、1つのジョブに関わるデータや画像に同一のIDを付与するようになっているがその必要はない。本発明においては、1つのジョブに関わるデータや画像に対し、少なくとも一部の情報が同一のIDを付与すれば十分である。その場合、各データ等は、それらに共通の「少なくとも一部の情報」を参照することで、1つのジョブに関わるものであると識別される。
たとえば、IDの「少なくとも一部の情報」を前述の「abcde200504011000」とするとともに、純生データにはID「1−abcde200504011000」を、部分画像にはID「2−abcde200504011000」を、部分投影データにはID「3−abcde200504011000」を、部分画像にはID「4−abcde200504011000」を、合成画像にはID「5−abcde200504011000」を、それぞれ付与するように構成できる。このとき、各IDの文字列「abcde200504011000」によって、それらが1つのジョブに関わるものであることを識別できる。また、各IDの先頭部分の文字列を参照して、データや画像の種類(純生データ、部分画像等)を識別できる。
上記実施形態においては、データや画像を取得した後にIDを付与するようになっているが、データや画像を取得する前もしくは取得している最中にIDを付与するように構成することも可能である。データ等の取得前にIDを付与するには、たとえば、当該データ等を格納する記憶領域を記憶装置(生データ記憶部18、再構成画像記憶部19、記憶部45i等)にまず設定し、その記憶領域にIDを付与する。そして、当該データ等が取得されたら、それを当該記憶領域に格納するとともに、当該記憶領域に付与されたIDを当該データ等に付与する。データ取得中のID付与も同様にして実行できる。
そのようなタイミングでのID付与は、上記〔第4の処理態様〕のような割込処理などに有効である。たとえば部分画像の形成前にIDを付与する場合において、再構成処理の途中で割り込みが発生した場合、割込発生時に形成途中の部分画像にはIDが既に付与されている。したがって、どの段階で再構成処理が中断されたとしても、そのIDにより当該部分画像を特定でき、処理状況情報を参照して、厳密に中断部分から処理を再開することができる。
〔前処理部や再構成部の個数等に関する変形例〕
上記実施形態では、前処理、再構成処理及び後処理を実行可能な画像処理ユニットを複数個設けられているが、前処理、再構成処理及び後処理の内の1つ又は2つの処理のみを実行可能な画像処理ユニットを設けることができる。また、複数の画像処理ユニットは、単一のコンピュータ装置に搭載されている必要はなく、2台以上のコンピュータ装置に複数の画像処理ユニットを設けるように構成してもよい。
また、前処理部、再構成部、画像補正部の個数は同数である必要はなく、それぞれ任意の個数であってよい。なお、前処理部及び再構成部の少なくとも一方(望ましくは双方)は、複数個搭載されている必要がある。画像補正部については複数個搭載されていることが望ましい。一般に、本発明に係る医用画像診断装置は、収集されたデータから投影データを生成する前処理手段と、その投影データに基づいて画像を再構成する再構成手段とを備えるものであって、前処理手段及び再構成手段の少なくとも一方が複数個設けられていれば十分である。
複数個の再構成手段が設けられている場合、収集された純生データは、再構成手段の個数等に応じて2以上の部分データに分割される。(1個或いは複数の)前処理手段は、各部分データから2以上の部分投影データを生成する。各部分投影データにはIDが付与される。更に、この2以上の部分投影データを複数の再構成手段に分配し、各部分投影データから部分画像を再構成する。各部分画像にはIDが付与される。そして、再構成された2以上の部分画像を合成して、純生データ全体に対応する画像を形成する。それにより、再構成処理に掛かる時間を大幅に短縮することができ、結果として画像形成に掛かる時間を大幅に短縮することができる。更に、部分投影データや部分画像をID管理することで、処理の確実化、円滑化が図られる。なお、当該構成は、再構成処理に時間を要する場合などに特に有効である。
一方、複数個の前処理手段が設けられている場合、収集された純生データは、前処理手段の個数等に応じて2以上の部分データに分割されて分配される。各前処理手段は、分配された部分データに前処理から部分投影データを生成する。各部分投影データにはIDが付与される。(1個或いは複数の)再構成手段が2以上の部分投影データのそれぞれに基づいて部分画像を再構成する。各部分画像にはIDが付与される。そして、再構成された2以上の部分画像を合成して、純生データ全体に対応する画像を形成する。それにより、前処理に掛かる時間を大幅に短縮することができ、結果として画像形成に掛かる時間を大幅に短縮することができる。更に、部分投影データや部分画像をID管理することで、処理の確実化、円滑化が図られる。なお、当該構成は、前処理に時間を要する場合などに特に有効である。
なお、これら2種類の構成において、前処理手段により逐次生成される部分投影データを再構成手段に逐次送ることにより、処理全体の高速化を図ることが望ましい。
また、複数個の再構成手段が設けられている場合において、最初の分配時に部分投影データの一部のみを分配する場合には、処理状況取得手段によって各再構成手段の処理状況を取得し、それに基づいて分配先を新たに指定して、未だ分配されていない部分投影データ(つまり未だ再構成されていない部分投影データ)を新たに分配して再構成処理を実行させることができる。それにより、たとえば、再構成手段の個数よりも多くの部分データに分割された場合などに、再構成処理を効率的に行うことができ、処理時間の短縮を図ることができる。
一方、複数個の前処理手段が設けられている場合において、最初の分配時に部分データの一部のみを分配する場合には、処理状況取得手段によって各前処理手段の処理状況を取得し、それに基づいて分配先を新たに指定して、未だ分配されていない部分データ(つまり未だ前処理が施されていない部分データ)を新たに分配して前処理を実行させることができる。それにより、たとえば、前処理手段の個数よりも多くの部分データに分割された場合などに、前処理を効率的に行うことができ、処理時間短縮を図ることができる。
〔ID付与態様の変形例〕
上記実施形態では、被検体特定情報やデータ収集日時などに基づいてIDを生成して付与しているが、他のID付与態様を採用することも可能である。その一例として、装置構成を反映したIDを付与することが可能である。
複数の再構成手段が設けられている場合において、各再構成手段に対し、IDの一部の情報となる文字列をあらかじめ割り当てておく。このとき、複数の再構成手段のそれぞれに、互いに異なる文字列を割り当てる。そして、各部分投影データに対し、それが分配された再構成手段に割り当てられた文字列を含むIDを付与する。なお、1つのジョブの部分投影データに付与されるIDは、同一の文字列からなる部分を含んでいる。たとえば、N個の再構成手段が設けられている場合、i番目の再構成手段に文字列「i」を割り当てる(i=1〜N)。そして、i番目の再構成手段に分配される部分投影データに対し、たとえばID「i−abcde200504011000」を付与する。
それにより、各部分投影データがどの再構成手段に分配されたかをIDから識別でき、たとえば或る部分投影データにエラーが発見された場合などに、どの再構成手段が処理ミスを行ったかを判別できるので、メンテナンスが容易になるなどの利点がある。
同様に、複数の再構成手段が設けられている場合において、各再構成手段に対し、IDの一部の情報となる互いに異なる文字列をあらかじめ割り当てておく。そして、各部分画像に対し、それを再構成した再構成手段に割り当てられた文字列を含むIDを付与する。なお、1つのジョブの部分画像に付与されるIDは、同一の文字列からなる部分を含んでいる。
また、複数の前処理手段が設けられている場合において、各前処理手段に対し、IDの一部の情報となる互いに異なる文字列をあらかじめ割り当てておく。そして、各部分データに対し、それが分配された前処理手段に割り当てられた文字列を含むIDを付与する。なお、1つのジョブの部分データに付与されるIDは、同一の文字列からなる部分を含んでいる。
また、複数の前処理手段が設けられている場合において、各前処理手段に対し、IDの一部の情報となる互いに異なる文字列をあらかじめ割り当てておく。そして、各部分投影データに対し、それを生成した前処理手段に割り当てられた文字列を含むIDを付与する。なお、1つのジョブの部分投影データに付与されるIDは、同一の文字列からなる部分を含んでいる。
図14に示すX線CT装置1′は、上記実施形態とは異なるID付与態様を有するものである。このX線CT装置1′は、2以上(3個)のX線検出器9a、9b、9cを搭載しており、2以上のデータを一度に収集することが可能な架台2′と、少なくとも1個(ここでは3個とする。)の前処理装置51、52、53とを有する。X線検出器9a、9b、9cは、被検体に対してそれぞれ異なる方向におけるデータを一度に収集するようになっている。
X線検出器9a、9b、9cにより検出され収集されたデータは、それぞれID付与装置71、72、73に転送される。ID付与装置71、72、73は、それぞれX線検出器9a、9b、9cから転送されたデータに対して、一部の情報のみが異なるIDを付与し、そのIDとともに前処理装置51、52、53に転送する。
各ID付与装置71、72、73は、所定の情報からIDを生成する処理を実行するCPU等を含んで構成されており、図示は省略するが、制御用コンピュータ61に接続されている。制御用コンピュータ61は、たとえば、被検体特定情報と、架台2′によるデータ収集日時とを各ID付与装置71、72、73に送信する。ID付与装置71、72、73は、受信した被検体特定情報及びデータ収集日時にそれぞれ異なる文字列を付加してIDを生成する。
たとえば、ID付与装置71、72、73は、それぞれ、ID「abcde200504011000−1」、「abcde200504011000−2」、「abcde200504011000−3」を生成し、X線検出器9a、9b、9cから転送されたデータに対して付与する。ここで、各IDの末尾の文字列が、上述の異なる文字列に相当する。この異なる文字列は、どのX線検出器9a、9b、9cによってデータが収集されたか識別するためのものである。
このように、X線CT装置1′は、架台2′により一度に収集された全データを、各X線検出器9a、9b、9cによる検出結果毎に分割して出力するものであると言える。そこで、上記実施形態における用語と同様に、架台2′が収集した全データを「純生データD」と称し、X線検出器9a、9b、9cのそれぞれにより検出されて収集されたデータを「部分データda、db、dc」と称することとする。
前処理装置51は、ID付与装置71から転送された部分データdaに前処理を施して部分投影データpaを生成する。生成された部分投影データpaは、部分データdaと同一のIDが付与されて生データ記憶媒体54に格納される。
また、前処理装置52は、ID付与装置72から転送された部分データdbに前処理を施して部分投影データpbを生成する。生成された部分投影データpbは、2つの部分投影データpb1、pb2に分割され、それぞれに部分データdbと同一のIDが付与される。部分投影データpb1、pb2は、それぞれ生データ記憶媒体55、56に格納される。
また、前処理装置53は、ID付与装置73から転送された部分データdcに前処理を施して部分投影データpcを生成し、生成された部分投影データpaは、部分データdaと同一のIDが付与されて生データ記憶媒体54に格納される。生データ記憶媒体54、55、56、57は、それぞれ、部分投影データpa、pb1、pb2、pcを、それに付与されたIDに関連付けて記憶する。
X線CT装置1′には複数(ここでは2個とする。)の再構成装置58、59が設けられている。再構成装置58は、生データ記憶媒体54、57に格納された部分投影データpa、pcに基づいて部分画像ga、gcをそれぞれ再構成するとともに、各部分画像ga、gcに対し、部分投影データpa、pcにそれぞれ関連付けられたIDを付与する。
また、再構成装置59は、生データ記憶媒体55、56に格納された部分投影データpb1、pb2に基づいて部分画像gb1、gb2をそれぞれ再構成するとともに、各部分画像gb1、gb2に対し、部分投影データpb1、pb2にそれぞれ関連付けられたIDを付与する。
再構成装置58、59によりそれぞれ再構成された部分画像ga、gb1、gb2、gcは、付与されたIDと関連付けられて画像記憶媒体60に格納される。
制御用コンピュータ61は、各部分画像ga、gb1、gb2、gcに付与されたIDを参照して、どの部分画像がどのX線検出器9a、9b、9cにより得られたものかを識別して、これらの部分画像ga、gb1、gb2、gcを合成し、純生データD全体に対応する画像Gを形成する。形成された画像Gは画像記憶媒体60に格納される。
なお、部分画像の合成処理は、ワークステーション200あるいは再構成装置58、59などにより行うようにしてもよい。ワークステーション200の操作者は、画像記憶媒体60に格納された画像Gを閲覧することができる。
制御用コンピュータ61は、前述したID付与装置71、72、73の制御に加え、前処理装置51、52、53の動作制御、再構成装置58、59の動作制御、画像記憶媒体60に格納された画像Gのワークステーション200への送信処理の制御、架台2や寝台(図示せず)の動作制御など、X線CT装置1′の全体制御を司っている。
このようなX線CT装置1′によれば、架台2′により収集される純生データDを複数の部分データda、db、dcに分割するとともに、この複数の部分データda、db、dcに対する前処理を3個の前処理装置51、52、53によって分散処理できる。それにより、前処理に掛かる時間が短縮され、結果として画像Gの形成処理に要する時間が短縮される。また、各部分データda、db、dcは、一部の情報が同一とされたIDによって1つのジョブに関わるデータであると識別できるので、前処理段階における他ジョブのデータ混入を防止できる。
また、複数の再構成装置58、59によって画像の再構成を分散して処理するので、再構成処理に掛かる時間が短縮され、結果として画像Gの形成処理に要する時間が短縮される。各部分投影データpa、pb1、pb2、pcは、一部の情報が同一とされたIDによって1つのジョブに関わるデータであると識別できるので、再構成処理段階における他ジョブのデータ混入を防止できる。
また、前処理装置51、52、53が部分投影データpa、pb1、pb2、pcを生成しているときに、生成されたデータを生データ記憶媒体54、55、56、57にそれぞれ逐次格納するように制御することが望ましい。更に、逐次格納されたデータを再構成装置58、59に逐次転送して部分画像ga、gb1、gb2、gcを逐次再構成するように制御することが望ましい。それにより、画像形成時間の短縮を図ることが可能となる。
また、前処理装置、生データ記憶媒体、再構成装置及び画像記憶媒体は、それぞれ任意の個数だけ搭載することが可能である。なお、前処理装置が1個だけであったとしても、複数の再構成装置により再構成処理を分散して行うことができるので、処理時間を全体として短縮することが可能である。同様に、再構成装置が1個だけであったとしても、複数の前処理装置を搭載することにより前処理を分散して行うことができるので、処理時間を全体として短縮することが可能である。
なお、図14に示すX線CT装置1′において、架台2′は、複数のデータ(部分データda、db、dc)を一度に収集する「収集手段」の一例に相当し、ID付与装置71、72、73は、一部の情報が異なる識別情報(ID)を付与する「識別情報付与手段」の一例に相当し、前処理装置51、52、53は、「前処理手段」の一例に相当し、生データ記憶媒体54、55、56、57は、「データ記憶手段」の一例に相当し、再構成装置58、59は、「再構成手段」の一例に相当し、制御用コンピュータ61(又はワークステーション200もしくは再構成装置58、59)は、「合成手段」の一例に相当するものである。
〔その他の変形例〕
上記実施形態では、図4に示したように、収集された純生データDの各分割部分fiにおいて、連続する部分データdi、d(i+1)の双方に重複範囲eiを持たせるようになっているが、その一方(たとえばdi側)のみに重複範囲を持たせるように純生データDを分割し、当該重複範囲の画素値と他方の部分データの画素値とを比較して部分画像gi、g(i+1)の合成位置を決定するようにしてもよい。
また、保存データの高速読み出しが可能な生データ記憶部18を使用する場合、データ分割部31により逐次分割される部分データを前処理部42A〜42Nに逐次分配して前処理を行うように構成してもよい。同様に、前処理部42A〜42Nにより逐次生成される部分投影データを生データ記憶部18に逐次伝送して記憶するとともに、再構成部43A〜43Nに逐次分配して再構成処理を行うようにしてもよい。それにより、画像形成処理の高速化を図ることができる。
上記実施形態においては、あらかじめ設定された再構成条件に基づいて各部分投影データの再構成処理を実行するように構成されているが、たとえば臨床目的によっては、異なる再構成関数を用いて或る部分投影データに対する再構成処理を行うようにしてもよい。その場合には、スキャン前の再構成条件設定時や、バッチ再構成(角度を指定して行う再構成処理)時などに、再構成範囲の指定を行う。
また、上記実施形態では、画像処理ユニット17A〜17Nの個数や、前処理ユニット、再構成処理ユニット、後処理ユニットの個数に応じて、純生データの分割個数や、部分データの重複範囲を決定しているが、たとえば各画像処理ユニット17A〜17Nに搭載される画像処理基板の枚数が異なる場合などにおいては、前処理部42A〜42Nや再構成部43A〜43Nや画像補正部44A〜44Nのそれぞれを構成する画像処理基板の枚数に応じて、純生データの分割個数や部分データの重複範囲を決定するように構成することができる。
たとえば、2つの再構成処理ユニットが指定されている場合において、第1の再構成処理ユニットの再構成部はα枚の画像処理基板から構成され、第2の再構成処理ユニットの再構成部はβ枚の画像処理基板から構成されている場合、純生データDをα+β個の部分データd1〜d(α+β)に分割することができる。そして、部分データd1〜dαに基づく部分投影データp1〜pαを第1の再構成処理ユニットに分配するとともに、部分データd(α+1)〜d(α+β)に基づく部分投影データp(α+1)〜p(α+β)を第2の再構成処理ユニットに分配する。第1の再構成処理ユニットは、α個の部分投影データp1〜pαをα枚の画像処理基板に1枚ずつ分配して再構成処理を行い、第2の再構成処理ユニットは、β個の部分投影データp(α+1)〜p(α+β)をβ枚の画像処理基板に1枚ずつ分配して再構成処理を行う。
また、上記実施形態では、純生データや生データ(投影データ)を記憶する生データ記憶部18を1つしか設けていないが、複数個の生データ記憶部を搭載した構成を適用することもできる。
また、上記実施形態においては、単一のコンピュータ装置3に複数の画像処理ユニット17A〜17Nを設けて前処理や再構成処理を分散処理する構成を適用したが、図14の構成のように、前処理や再構成処理を実行するプログラムを搭載したコンピュータ装置からなる前処理装置や再構成装置を複数設けて分散処理を行う構成を採用することも可能である。
上記実施形態のX線CT装置1や図14のX線CT装置1′においては、前処理や再構成処理の大幅な高速化が実現されているため、被検体をスキャンしてデータを収集しつつ、そのデータを部分データに逐次分割して部分投影データを逐次生成し、更に、その部分投影データを逐次再構成して部分画像を形成して表示させることが可能である。したがって、X線CT装置1、1′によれば、被検体をスキャンしながらその医用画像を再構成する処理、つまり実質的なリアルタイム再構成が可能となる。
特に、3次元医用画像の実質的リアルタイム再構成を実現するためには、前処理や再構成処理等を行う画像処理基板として処理能力の高い画像処理基板を搭載させたり、画像処理基板やユニット間の接続に高速データLinkなどの高速転送インターフェイスを採用したり、X線CT装置1の第2の処理態様のように前処理を終了したユニットに再構成処理を実行させるよう制御したりして、装置としての処理能力を向上させることが望ましい。
このようなリアルタイム再構成を実行可能な医用画像診断装置を構成する場合、通常の再構成モードやリアルタイム再構成モードなど複数の再構成モードを選択設定できるように構成することが望ましい。再構成モードの選択設定は、たとえば入力デバイス5を操作して行う。
また、リアルタイム再構成を行う場合において、前処理を終了したユニットに再構成処理を実行させる構成を適用する場合には、処理順序が最後の方の部分投影データを、前処理を終了したユニットに分配することで、処理の円滑化を図ることができる。
また、リアルタイム再構成を行う場合において、複数の再構成処理ユニットの処理能力が異なる場合には、各再構成処理ユニットの処理能力に応じて純生データを分割するように構成することが望ましい。これは、前処理ユニットや後処理ユニットについても同様である。
また、各ユニットの処理能力が同等である場合などには、各ユニットに前処理、再構成処理及び画像補正処理を行わせるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、ヘリカルスキャンの場合における分散処理について説明したが、ダイナミックスキャンやラピッドシーケンススキャン等のコンベンショナルスキャン(スキャン中に被検体を体軸方向に移動させないスキャン方法)を行う場合においても本発明に係る構成を適用することが可能である。
ここで、ダイナミックスキャンとは、被検体の一定位置を連続的に複数回スキャンしてその位置の断面の時間的変化などを見るためのスキャン方法であり、ラピッドシーケンススキャンとは、被検体の或る位置をスキャンして位置を変更し、スキャンして位置を変更し、・・・を繰り返して複数位置の断面画像を取得するスキャン方法を意味する。
ダイナミックスキャンにおいて一定位置に対するスキャン回数が多数である場合や、ラピッドシーケンススキャンにおいて多くの位置をスキャンする場合などには、前述のヘリカルスキャンの場合と同様に、ボリューム再構成に要する時間が増大するおそれがある。
そこで、このようなコンベンショナルスキャンを行う場合に(スキャン数=ガントリ回転数=Nとする。)、全回転数を1〜i回転分、i+1〜i回転分、・・・、ih〜N回転分のh+1個の部分に分割し、各部分に関する前処理及び/又は再構成処理を画像処理ユニット17A〜17Nに分散処理させるように構成する。それにより、スキャン数の大きなコンベンショナルスキャンを行う場合に、その処理時間を短縮することが可能となる。
以上で詳述した構成は、本発明を実施するための一具体例に過ぎないものである。したがって、本発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜施すことが可能である。
本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態の内部構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態の内部構成(特にハードウェア構成)の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態の機能的構成の一例を表す概略ブロック図である。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により収集されたデータの分割態様の一例を表す説明図である。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の実施形態により実行される処理態様の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る医用画像診断装置(X線CT装置)の変形例の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。 医用画像診断装置(X線CT装置)の全体構成の一例を表す概略図である。 従来の医用画像診断装置(X線CT装置)の内部構成を表す概略ブロック図である。 従来の医用画像診断装置(X線CT装置)の内部構成(特にハードウェア構成)を表す概略ブロック図である。
符号の説明
1、1′ X線CT装置(医用画像診断装置)
2、2′ 架台
3 コンピュータ装置
4 モニタ
5 入力デバイス
6 コンソール
6a 保護操作部
6b 消去操作部
6c 割込操作部
7 支持体
8 X線管
9、9a、9b、9c X線検出器
10 高電圧発生部
11 支持体駆動部
12 データ収集部
13 天板
14 天板駆動部
15 装置制御部
16 画像処理部
17A〜17N 画像処理ユニット
17A−1〜17A−k、・・・・、17N−1〜17N−n 画像処理基板
18 生データ記憶部
19 再構成画像記憶部
20 データ処理制御部
21 重複範囲設定部
22 ユニット指定制御部
23 割込処理制御部
24 ID管理制御部
25 保護/消去制御部
31 データ分割部
32 ユニット指定部
33 画像合成部
34 処理状況取得部
35 ID管理部
36 データ管理部
41A〜41N データ送受信部
42A〜42N 前処理部
43A〜43N 再構成部
44A〜44N 画像補正部
45A〜45N 記憶部
51、52、53 前処理装置
54、55、56、57 生データ記憶媒体
58、59 再構成装置
60 画像記憶媒体
61 制御用コンピュータ
71、72、73 ID付与装置
200 ワークステーション
D 純生データ
d1〜dM 部分データ
e1〜e(M−1) 重複範囲
f1〜f(M−1) 分割部分
P 被検体

Claims (38)

  1. 被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集手段と、前記収集されたデータに基づいて投影データを生成する前処理手段と、前記生成された投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す画像を再構成する再構成手段とを有する医用画像診断装置であって、
    複数の前記再構成手段を備え、
    前記収集手段により収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割手段と、
    前記分割により得られた2以上の部分データに基づいて前記前処理手段により生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与手段と、
    前記投影データ識別情報がそれぞれ付与された前記2以上の部分投影データを前記複数の再構成手段に分配する分配手段と、
    前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記複数の再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与手段と、
    前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成手段と、
    を備えていることを特徴とする医用画像診断装置。
  2. 被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集手段と、前記収集されたデータに基づいて投影データを生成する前処理手段と、前記生成された投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す画像を再構成する再構成手段とを有する医用画像診断装置であって、
    複数の前記前処理手段を備え、
    前記収集手段により収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割手段と、
    前記分割により得られた2以上の部分データを前記複数の前処理手段に分配する分配手段と、
    前記分配された2以上の部分データに基づいて前記複数の前処理手段により生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与手段と、
    前記2以上の部分投影データに基づいて前記再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与手段と、
    前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成手段と、
    を備えていることを特徴とする医用画像診断装置。
  3. 被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集手段と、前記収集されたデータに基づいて投影データを生成する前処理手段と、前記生成された投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す画像を再構成する再構成手段とを有する医用画像診断装置であって、
    複数の前記前処理手段と複数の前記再構成手段とを備え、
    前記収集手段により収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割手段と、
    前記分割により得られた2以上の部分データを前記複数の前処理手段に分配するとともに、前記2以上の部分データに基づいて前記複数の前処理手段により生成された2以上の部分投影データを前記複数の再構成手段に分配する分配手段と、
    前記分配された2以上の部分データに基づいて前記複数の前処理手段により生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与手段と、
    前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記複数の再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与手段と、
    前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成手段と、
    を備えていることを特徴とする医用画像診断装置。
  4. 前記収集手段により収集されるデータに対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の収集データ識別情報を付与する第3の識別情報付与手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  5. 前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報は、前記被検体を特定する被検体特定情報の少なくとも一部の情報、前記収集手段による前記データの収集日時、前記収集手段による前記データの収集条件、及び、前記再構成手段による前記部分画像の再構成条件の内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  6. 前記再構成条件は、前記再構成手段による前記部分画像の再構成方向を特定する情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の医用画像診断装置。
  7. 前記画像識別情報は、前記再構成方向を特定する情報を含み、
    前記合成手段は、前記再構成方向を特定する情報を参照し、前記2以上の部分画像を合成する方向を合わせる、
    ことを特徴とする請求項6に記載の医用画像診断装置。
  8. 前記分割手段は、前記収集手段により収集されたデータの分割部分に所定の重複範囲を持たせるようにして、前記収集されたデータを2以上の部分データに分割し、
    前記第1の識別情報付与手段は、同一の前記重複範囲に相当する部分を有する2つの前記部分投影データに対し、同一の文字列を含む投影データ識別情報を付与する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  9. 前記分割手段は、前記収集手段により収集されたデータの分割部分に所定の重複範囲を持たせるようにして、前記収集されたデータを2以上の部分データに分割し、
    前記第2の識別情報付与手段は、同一の前記重複範囲に相当する部分を有する2つの前記部分画像に対し、同一の文字列を含む画像識別情報を付与する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  10. 前記第1の識別情報付与手段は、前記2以上の部分投影データの内、同一の前記再構成手段に分配される部分投影データに対し、同一の文字列を含む投影データ識別情報を付与することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  11. 前記第2の識別情報付与手段は、前記2以上の部分画像の内、同一の前記再構成手段により再構成される部分画像に対し、同一の文字列を含む画像識別情報を付与することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  12. 前記第1の識別情報付与手段は、前記2以上の部分投影データの内、同一の前記前処理手段により生成される部分投影データに対し、同一の文字列を含む投影データ識別情報を付与することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  13. 前記第2の識別情報付与手段は、前記2以上の部分画像の内、同一の前記前処理手段より生成された部分投影データに基づいて前記再構成手段により再構成される部分画像に対し、同一の文字列を含む画像識別情報を付与することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  14. 前記前処理手段により生成された部分投影データを保存する投影データ保存手段と、
    前記保存された部分投影データを逐次に消去するための自動消去手段と、
    前記部分投影データを前記自動消去手段による消去処理の対象から除外するように指示するためのデータ保護操作手段と、
    前記データ保護操作手段により1つ以上の部分投影データを前記除外するように指示されたことに対応し、前記保存された部分投影データの内、前記1つ以上の部分投影データの投影データ識別情報と前記少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報が付与された全ての部分投影データを、前記消去処理の対象から除外するデータ保護処理手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  15. 前記前処理手段により生成された部分投影データを保存する投影データ保存手段と、
    前記保存された部分投影データを消去するように指示するためのデータ消去操作手段と、
    前記データ消去操作手段により1つ以上の部分投影データを消去するように指示されたことに対応し、前記保存された部分投影データの内、前記1つ以上の部分投影データの投影データ識別情報と前記少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報が付与された全ての部分投影データを消去するデータ消去処理手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  16. 前記合成手段により合成された画像に対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の合成画像識別情報を付与する第4の識別情報付与手段を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  17. 前記再構成手段による再構成処理の実行中に、再構成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、
    前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記実行中の再構成処理を中断させ、前記投影データ識別情報及び前記画像識別情報を参照して、前記中断前に前記前処理手段により生成された部分投影データと前記再構成手段により再構成された部分画像とを所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記前処理手段及び前記再構成手段に実行させる割込処理手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  18. 前記前処理手段による投影データ生成処理の実行中に、投影データ生成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、
    前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記実行中の投影データ生成処理を中断させ、前記投影データ識別情報を参照して、前記中断前に前記生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記前処理手段及び前記再構成手段に実行させる割込処理手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  19. 前記実行中の処理の処理状況を取得する処理状況取得手段を更に備え、
    前記割込制御手段は、前記新たな処理の終了後に、前記取得された処理状況を参照して、前記中断された前記実行中の処理を前記中断時の段階から再開させる、
    ことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の医用画像診断装置。
  20. 前記複数の再構成手段による再構成処理の実行中に、再構成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、
    前記実行中の再構成処理の処理状況を取得する処理状況取得手段と、
    前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記取得された処理状況を参照して、前記複数の再構成手段の内から再構成処理の残存処理量が相対的に少ない1つ以上の再構成手段を選択し、その選択された再構成手段が実行している再構成処理を中断させ、前記選択された再構成手段により前記中断前に再構成された部分画像を所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記選択された再構成手段に実行させる割込処理手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  21. 前記複数の前処理手段による投影データ生成処理の実行中に、投影データ生成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込操作手段と、
    前記実行中の処理の処理状況を取得する処理状況取得手段と、
    前記割込操作手段が操作されたことに対応し、前記取得された処理状況を参照して、前記複数の前処理手段の内から処理の残存処理量が相対的に少ない1つ以上の前処理手段を選択し、その選択された前処理手段が実行している処理を中断させ、前記選択された前処理手段により前記中断前に生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させた後に、前記新たな処理を前記選択された前処理手段に実行させる割込処理手段と、
    を更に備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  22. 前記再構成手段により再構成された画像に後処理を施す複数の後処理手段を更に備え、
    前記分配手段は、前記再構成された前記2以上の部分画像を前記複数の後処理手段に分配し、
    前記合成手段は、前記複数の後処理手段により後処理が施された前記2以上の部分画像を合成する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項21のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  23. 前記分配手段は、前記前処理手段により逐次生成される部分投影データを前記複数の再構成手段に逐次分配して、前記前処理手段による処理と前記再構成手段による処理とを並行して実行させることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  24. 前記分配手段は、前記収集手段により逐次収集されるデータを前記複数の前処理手段に逐次分配することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の医用画像診断装置。
  25. 被検体の内部形態を反映するデータを一度に収集する2以上の収集手段と、
    前記一度に収集される2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与手段と、
    前記2以上のデータに基づいて2以上の投影データを生成する前処理手段と、
    前記生成される2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて記憶する1以上のデータ記憶手段と、
    前記2以上の投影データの分配を受けて、2以上の画像を再構成する複数の再構成手段と、
    前記再構成される2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて記憶する画像記憶手段と、
    を備えていることを特徴とする医用画像診断装置。
  26. 被検体の内部形態を反映するデータを一度に収集する2以上の収集手段と、
    前記一度に収集される2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与手段と、
    前記2以上のデータの分配を受けて、2以上の投影データを生成する複数の前処理手段と、
    前記生成される2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて記憶する1以上のデータ記憶手段と、
    前記2以上の投影データに基づいて2以上の画像を再構成する再構成手段と、
    前記再構成される2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて記憶する画像記憶手段と、
    を備えていることを特徴とする医用画像診断装置。
  27. 被検体が載置される載置手段と、この天板を所定方向に駆動して前記被検体を移動させる駆動手段とを含む寝台を更に備え、
    前記収集手段は、前記移動される前記被検体に向けて放射線を照射する照射手段と、前記被検体を透過した前記放射線の放射線量を検出する検出器が2次元的に配置された検出手段とを備え、前記放射線量の3次元分布データを前記データとして収集し、
    前記分割手段は、前記収集された3次元分布データを、前記被検体の前記移動の方向に又は前記移動の方向に直交する方向に分割する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項26のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  28. 前記再構成手段により再構成される画像は、複数のボクセルデータが3次元的に集合して形成されるボリューム画像であることを特徴とする請求項1ないし請求項27のいずれか一項に記載の医用画像診断装置。
  29. 被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集ステップと、
    前記収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割ステップと、
    前処理手段が、前記分割により得られた2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成する前処理ステップと、
    前記生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与ステップと、
    前記投影データ識別情報がそれぞれ付与された前記2以上の部分投影データを複数の再構成手段に分配する分配ステップと、
    前記複数の再構成手段が、前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す2以上の部分画像を再構成する再構成ステップと、
    前記複数の再構成手段により再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与ステップと、
    前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成ステップと、
    を含んでいることを特徴とする画像再構成方法。
  30. 被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集ステップと、
    前記収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割ステップと、
    前記分割により得られた2以上の部分データを複数の前処理手段に分配する分配ステップと、
    前記複数の前処理手段が、前記分配された2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成する前処理ステップと、
    前記生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与ステップと、
    再構成手段が、前記2以上の部分投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す2以上の部分画像を再構成する再構成ステップと、
    前記再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与ステップと、
    前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成ステップと、
    を含んでいることを特徴とする画像再構成方法。
  31. 被検体の内部形態を反映するデータを収集する収集ステップと、
    前記収集されたデータを2以上の部分データに分割する分割ステップと、
    前記分割により得られた2以上の部分データを複数の前処理手段に分配する第1の分配ステップと、
    前記複数の前処理手段が、前記分配された2以上の部分データに基づいて2以上の部分投影データを生成する前処理ステップと、
    前記生成される2以上の部分投影データに対し、少なくとも一部の情報が同一の投影データ識別情報を付与する第1の識別情報付与ステップと、
    前記投影データ識別情報がそれぞれ付与された前記2以上の部分投影データを複数の再構成手段に分配する第2の分配ステップと、
    前記複数の再構成手段が、前記分配された2以上の部分投影データに基づいて前記被検体の内部形態を表す2以上の部分画像を再構成する再構成ステップと、
    前記再構成される2以上の部分画像のそれぞれに対し、その基となった前記部分投影データに付与された前記投影データ識別情報と少なくとも一部の情報が同一の画像識別情報を付与する第2の識別情報付与ステップと、
    前記付与された画像識別情報を参照して前記2以上の部分画像を合成する合成ステップと、
    を含んでいることを特徴とする画像再構成方法。
  32. 前記収集ステップにて収集されるデータに対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の収集データ識別情報を付与する第3の識別情報付与ステップを更に備えていることを特徴とする請求項29ないし請求項31のいずれか一項に記載の画像再構成方法。
  33. 前記合成ステップにて合成された画像に対し、前記投影データ識別情報及び/又は前記画像識別情報と少なくとも一部の情報が同一の合成画像識別情報を付与する第4の識別情報付与ステップを更に含んでいることを特徴とする請求項29ないし請求項32のいずれか一項に記載の画像再構成方法。
  34. 前記再構成手段による再構成処理の実行中に、再構成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込要求が入力されたことに対応して、前記実行中の再構成処理を中断させる中断ステップと、
    前記投影データ識別情報及び前記画像識別情報を参照して、前記中断前に前記前処理ステップにて生成された部分投影データと前記再構成ステップにて再構成された部分画像とを所定の記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
    前記新たな処理を実行させる割込実行ステップと、
    を更に含んでいることを特徴とする請求項29ないし請求項33のいずれか一項に記載の画像再構成方法。
  35. 前記前処理手段による投影データ生成処理の実行中に、投影データ生成処理を含む新たな処理を割り込ませるための割込要求が入力されたことに対応して、前記実行中の投影データ生成処理を中断させる中断ステップと、
    前記投影データ識別情報を参照して、前記中断前に前記前処理ステップにて生成された部分投影データを所定の記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
    前記新たな処理を実行させる割込実行ステップと、
    を更に含んでいることを特徴とする請求項29ないし請求項33のいずれか一項に記載の画像再構成方法。
  36. 前記中断ステップにて実行中の処理が中断されたときの処理状況を取得する処理状況取得ステップと、
    前記割込実行ステップの後に、前記取得された処理状況を参照して、前記中断された処理を前記中断時の段階から再開させる再開ステップと、
    を更に含んでいることを特徴とする請求項34又は請求項35に記載の画像再構成方法。
  37. 被検体の内部形態を反映する2以上のデータを一度に収集する収集ステップと、
    前記一度に収集される前記2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与ステップと、
    前記2以上のデータに基づいて2以上の投影データを生成する前処理ステップと、
    前記生成された2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて1以上のデータ記憶手段に記憶させる第1の記憶ステップと、
    複数の再構成手段が、前記2以上の投影データの分配を受けて、2以上の画像を再構成する再構成ステップと、
    前記再構成された2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶させる第2の記憶ステップと、
    を含んでいることを特徴とする画像再構成方法。
  38. 被検体の内部形態を反映する2以上のデータを一度に収集する収集ステップと、
    前記一度に収集される前記2以上のデータのそれぞれに、一部の情報のみが異なる識別情報を付与する識別情報付与ステップと、
    複数の前処理手段が、前記2以上のデータに基づいて2以上の投影データを生成する前処理ステップと、
    前記生成された2以上の投影データと前記識別情報とを関連付けて1以上のデータ記憶手段に記憶させる第1の記憶ステップと、
    前記2以上の投影データに基づいて2以上の画像を再構成する再構成ステップと、
    前記再構成された2以上の画像と前記識別情報とを関連付けて画像記憶手段に記憶させる第2の記憶ステップと、
    を含んでいることを特徴とする画像再構成方法。

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