JP4860455B2 - シリンジ用ガスケットとこれを用いたシリンジならびにガスケット用摺動フィルム - Google Patents
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Description
PTFEモールディングパウダー(ダイキン工業社製M12)25kgを、ビレット金型(115φ×265φ)に投入後、プランジャー速度10mm/分、加圧圧力15MPa、保持時間30分にて上記パウダーを圧縮成形し、圧縮成形体を得た。次に、この圧縮成形体を360℃で16時間焼成した後、切削旋盤を用いて切削加工し、厚さ25μmのPTFEスカイブフィルムを得た。
実施例1で作製した、粗面加工後のPTFEスカイブフィルムにおける当該加工を施した表面に、市販のPFAフィルム(ダイキン工業社製ネオフロンPFA、厚さ25μm)を第2のフッ素樹脂フィルム15として積層した後、全体を、温度340℃、圧力3MPaのプレス条件下で15分プレス融着して、PTFEフィルムとPFAフィルムとが積層された摺動フィルムを得た。
実施例1で作製した、粗面加工後のPTFEスカイブフィルムにおける当該加工を施した表面に、市販のETFEフィルム(ダイキン工業社製ネオフロンETFE、厚さ25μm)を第2のフッ素樹脂フィルム15として積層した後、全体を、温度320℃、圧力3MPaのプレス条件下で15分プレス融着して、PTFEフィルムとETFEフィルムとが積層された摺動フィルムを得た。
変性PTFEモールディングパウダー(3M社製ダイオニンTFM)25kgを、ビレット金型(115φ×265φ)に投入後、プランジャー速度10mm/分、加圧圧力15MPa、保持時間30分にて上記パウダーを圧縮成形し、圧縮成形体を得た。次に、この圧縮成形体を360℃で16時間焼成した後、切削旋盤を用いて切削加工し、厚さ25μmの変性PTFEスカイブフィルムを得た。
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製カプトン200H)の表面に、PTFEディスパージョン(ダイキン工業社製ポリフロンD−71)をディッピング方式により塗布し、180℃に保持したオーブン内にて5分間乾燥させた後、380℃で5分焼成して、厚さ5μmのPTFEキャストフィルムを得た。
圧縮成形体の切削加工時における切削量を調整することで、厚さ50nmのPTFEスカイブフィルムとし、このスカイブフィルムに積層するFEPフィルム(ダイキン工業社製ネオフロンFEP)の厚さを150μmとした以外は、実施例1と同様にして、PTFEフィルムとFEPフィルムとが積層された摺動フィルムを得た。
実施例6で形成した厚さ50μmのPTFEスカイブフィルムを、そのまま比較例1とした。比較例1は、第1のフッ素樹脂膜14のみからなるサンプルである。
市販のFEPフィルム(ダイキン工業社製ネオフロンFEP、厚さ50μm)を、そのまま比較例2とした。比較例2および以降の比較例3、4は、第2のフッ素樹脂膜15のみからなるサンプルである。
市販のPFAフィルム(ダイキン工業社製ネオフロンPFA、厚さ50μm)を、そのまま比較例3とした。
市販のETFEフィルム(ダイキン工業社製ネオフロンETFE、厚さ50μm)を、そのまま比較例4とした。
各摺動フィルムサンプルに対して、Co60を放射源とするγ線を、線量にして25kGy照射して、放射線処理とした。この処理条件は、メディカル用途のシリンジに対する滅菌処理として一般的な条件である。
各摺動フィルムサンプルの破断伸びの測定は、オートグラフ(島津製作所社製、AG−1型)を用い、JIS K7137−2:2001の規定に基づき行った。
各摺動フィルムサンプルの動摩擦係数の測定は、バウデン−レーベン型往復動摩擦試験器(オリエンテック社製、AFT−15B)を用いて行った。具体的には、接触子として、表面にポリイミドフィルムを貼付した鋼球(直径10mmφ)を用い、接触子に印加する荷重を2N(200gf)、サンプルの移動速度を150mm/分、サンプルのストローク量を50mmとして測定した。
2 ガスケット
7 バレル
8 プランジャーロッド
11 芯材
12 摺動フィルム
13 摺動部
14 第1のフッ素樹脂膜
15 第2のフッ素樹脂膜
16 (プランジャーロッドとの)接続部分
Claims (12)
- シリンジバレル内に摺動可能に収容されて用いられ、摺動時におけるシリンジバレルとの間の摺動抵抗を低減させる摺動フィルムによって芯材の摺動部が被覆されたシリンジ用ガスケットであって、
前記摺動フィルムは、ポリテトラフルオロエチレン、または、ポリテトラフルオロエチレンの構成単位の一部をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で置換した変性ポリテトラフルオロエチレンからなる第1のフッ素樹脂膜と、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、および、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種からなる第2のフッ素樹脂膜と、が積層された構造を有し、
前記摺動部は、前記第2のフッ素樹脂膜が前記芯材と接し、かつ、シリンジバレル内に収容されたときに前記第1のフッ素樹脂膜が該バレルと接するように、前記摺動フィルムによって被覆されている、前記第2のフッ素樹脂膜により耐放射線特性が向上したシリンジ用ガスケット。 - 前記摺動フィルムの厚さが、0.015〜0.2mmの範囲である請求項1に記載のシリンジ用ガスケット。
- 前記第1のフッ素樹脂膜の厚さが、0.005〜0.05mmの範囲である請求項1に記載のシリンジ用ガスケット。
- 前記第1のフッ素樹脂膜の厚さt1と、前記第2のフッ素樹脂膜の厚さt2との比t1:t2が、1:2〜1:3の範囲である請求項1に記載のシリンジ用ガスケット。
- シリンジバレルと、前記シリンジバレル内に摺動可能に収容されたガスケットと、前記ガスケットに接続され、前記ガスケットに摺動力を伝えるプランジャーロッドと、を備え、
前記ガスケットが、請求項1に記載のシリンジ用ガスケットであるシリンジ。 - プレフィラブルシリンジである請求項5に記載のシリンジ。
- シリンジ用ガスケットにおける芯材の摺動部を被覆した状態で、シリンジバレルとガスケットとの間の摺動抵抗を低減させるガスケット用摺動フィルムであって、
ポリテトラフルオロエチレン、または、ポリテトラフルオロエチレンの構成単位の一部をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で置換した変性ポリテトラフルオロエチレンからなる第1のフッ素樹脂膜と、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、および、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種からなる第2のフッ素樹脂膜と、が積層された構造を有する、前記第2のフッ素樹脂膜により耐放射線特性が向上したガスケット用摺動フィルム。 - 厚さが0.015〜0.2mmの範囲である請求項7に記載のガスケット用摺動フィルム。
- 前記第1のフッ素樹脂膜の厚さが、0.005〜0.05mmの範囲である請求項7に記載のガスケット用摺動フィルム。
- 前記第2のフッ素樹脂膜における一方の主面が露出しており、
前記主面が粗面加工されている請求項7に記載のガスケット用摺動フィルム。 - 前記第1のフッ素樹脂膜の厚さt1と、前記第2のフッ素樹脂膜の厚さt2との比t1:t2が、1:2〜1:3の範囲である請求項7に記載のガスケット用摺動フィルム。
- シリンジ用ガスケットにおける芯材の摺動部を被覆した状態で、シリンジバレルとガスケットとの間の摺動抵抗を低減させるガスケット用摺動フィルムとしてのフッ素樹脂フィルムの使用方法であって、
ポリテトラフルオロエチレン、または、ポリテトラフルオロエチレンの構成単位の一部をテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で置換した変性ポリテトラフルオロエチレンからなる第1のフッ素樹脂膜と、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、および、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体から選ばれる少なくとも1種からなる第2のフッ素樹脂膜と、が積層された構造を有するフッ素樹脂フィルムを、
前記第2のフッ素樹脂膜が前記芯材と接し、かつ、シリンジバレル内にガスケットが収容されたときに前記第1のフッ素樹脂膜が該バレルと接するように、前記摺動部を被覆した状態で用いる、前記第2のフッ素樹脂膜により耐放射線特性が向上したガスケット用摺動フィルムとしてのフッ素樹脂フィルムの使用方法。
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