JP4860295B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents
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(1)表面にトランジスタのゲート電極形成を目的とした導電膜が製膜されたガラス基板。この導電膜としては、たとえばアルミニウム、クロム、またはアルミニウムとクロムとの合金などが用いられる。
(2)(1)のガラス基板の導電膜の製膜側の表面にトランジスタのゲート絶縁膜形成を目的とした絶縁膜が製膜されたガラス基板。この絶縁膜としては、たとえば窒化シリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンまたは窒化シリコンと酸化シリコンとの複合膜などが用いられる。
(3)(2)のガラス基板の絶縁膜の製膜側の表面にトランジスタのソース・ドレイン電極形成を目的とした導電膜が製膜されたガラス基板。この導電膜としては、たとえばアルミニウム、クロム、またはアルミニウムとクロムとの合金などが用いられる。
(4)(3)のガラス基板の導電膜の製膜側の表面にトランジスタの保護絶縁膜形成を目的とした絶縁膜が製膜されたガラス基板。この絶縁膜としては、たとえば窒化シリコン、酸化シリコン、ポリシリコン(多結晶シリコン)または窒化シリコンと酸化シリコンとの複合膜などが用いられる。
(5)(4)のガラス基板の絶縁膜の製膜側の表面にトランジスタの画素電極形成を目的として導電膜を製膜したガラス基板。この導電膜としては、ITO(Indium Tin Oxide)などが用いられる。
図2の模式的断面図に示すように、口径が8インチの円板状のシリコン基板7上に、LOCOS(Local Oxidation of Silicon)法を用いて8nmの厚さの酸化シリコン膜からなるゲート酸化膜8および400nmの厚さの酸化シリコン膜からなるフィールド酸化膜9を形成し、さらにこれらの膜上に厚さ400nmのポリシリコン膜10を所定のパターン状に形成した後に幅10mm×長さ10mmの大きさに分割することによってダメージ評価用の試料を複数作製した。なお、これらのダメージ評価用のそれぞれの試料には、アンテナ比(ポリシリコン膜10の面積A/ゲート酸化膜8の面積G)をそれぞれ700000、500000、350000および35000に設定した素子P1(アンテナ比:700000)、素子S1(アンテナ比:500000)、素子A1(アンテナ比:350000)および素子A2(アンテナ比:35000)をそれぞれ形成した。また、洗浄能力評価用の試料として素ガラスからなる幅370mm×長さ470mm×厚さ0.7mmの直方体状のガラス基板を複数用意した。
図3の模式的断面図に示すプラズマ処理装置を用いて、上記のダメージ評価用の試料を上記の洗浄能力評価用の試料であるガラス基板上の一部に設置したものを被処理物6としてプラズマ処理を行なった。なお、図3において被処理物6としては、図面の簡略化のため、ガラス基板のみを表示している。図3に示すプラズマ処理装置は、長方形状の開口部14を両端に備えたチャンバ11と、チャンバ11の内部において互いに向かい合っている第1電極1aおよび第2電極2aならびに第1電極1bおよび第2電極2bと、チャンバ11の上部に設置されたガス導入管12と、チャンバ11の下部に設置されたガス排出管13とを含んでいる。ここで、チャンバ11の大きさは横幅Dが238mm、高さHが118mmおよび奥行き(紙面に対して垂直な方向の長さ;以下同じ)が450mmである。また、第1電極1a、第2電極2a、第1電極1bおよび第2電極2bの大きさはそれぞれ横幅d1が50mm、高さh1が20mmおよび奥行きが590mmである。また、第1電極1aと第2電極2aとの間の間隔および第1電極1bと第2電極2bとの間の間隔は6mmであった。さらに、開口部14の大きさはそれぞれ高さh2が6mmおよび奥行きが380mmである。また、第1電極1a、第1電極1b、第2電極2aおよび第2電極2bはそれぞれステンレス製であって、表面にはそれぞれ溶射によってアルミナ膜が設置されている。
図3に示す第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が13.56MHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。実施例2におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示す第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が40.68MHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。実施例3におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示すチャンバ11の内部にアルゴン(Ar)ガス3(アルゴンガスの体積比率100%)を導入し、第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が13.56MHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。実施例4におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示すチャンバ11の内部にアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス3(アルゴンガスの体積:酸素ガスの体積=99.8:0.2)を導入し、第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が13.56MHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。実施例5におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示す第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が5kHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。比較例1におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示す第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が100kHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。比較例2におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示す第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が900kHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。比較例3におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
図3に示すチャンバ11の内部にヘリウムガスと酸素ガスと水蒸気(H2O)とからなる混合ガス3(ヘリウムガスの体積:酸素ガスの体積:水蒸気の体積=96.8:2:1.2)を導入し、第1電極1aと第2電極2aとの間および第1電極1bと第2電極2bとの間にそれぞれ周波数が5kHzの高周波電圧を印加したこと以外は実施例1と同一の方法で、上記のダメージ評価用の試料および洗浄能力評価用の試料についてプラズマ処理を行なった。そして、プラズマ処理後の試料について実施例1と同一の方法でダメージ評価および洗浄能力評価をそれぞれ行なった。比較例4におけるこれらの評価結果をそれぞれ表1に示す。
表1に示されるように、実施例1〜5におけるプラズマ処理は高い洗浄能力を有し、また素子に与えるダメージも比較例1〜4におけるプラズマ処理と比べて大きく抑制できていることがわかった。
Claims (1)
- 大気圧近傍の圧力下の放電プラズマにより被処理物を処理する方法であって、互いに向き合って配置されている第1電極と第2電極との間にヘリウムガスおよびアルゴンガスの少なくとも一方を含むとともに水蒸気を含まないガスを導入する工程と、前記第1電極と前記第2電極との間に周波数が1.4MHz以上40.68MHz以下の高周波電圧を印加することによって前記放電プラズマを発生させる工程と、前記発生させた放電プラズマに前記被処理物を直接接触させることによって前記被処理物をダイレクト方式によって処理する工程と、を含み、前記被処理物は、シリコン基板と、前記シリコン基板上に形成された酸化シリコン膜からなるゲート酸化膜およびフィールド酸化膜と、前記ゲート酸化膜および前記フィールド酸化膜上に形成されたポリシリコン膜と、からなり、前記ガスは、ヘリウムガスと酸素ガスとの混合ガス、アルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス、またはアルゴンガスである、プラズマ処理方法。
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