JP4858919B2 - 記憶装置、記憶装置の制御回路およびサーボライト方式識別方法 - Google Patents

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本発明は、内蔵する記憶媒体に書き込まれている、サーボ制御に使用するサーボ情報(サーボ・データ)と呼ばれる信号パターンを識別する記憶装置、記憶装置の制御回路およびサーボライト方式識別方法に関する。
近年、磁気ディスク装置、光磁気ディスク装置、光ディスク装置などの記憶装置の需要が拡大している。記憶装置は、ヘッドを介して情報を読み書きするための円盤状の記憶媒体が内蔵される。記憶媒体は、記憶装置の需要の拡大とともに、情報の記録密度が格段に向上してきている。
このように高密度化された記憶媒体において、目標とするトラックにヘッドを正確に位置付けるために、サーボ制御と呼ばれる自動制御が利用されている。記憶媒体には、サーボ制御に使用するサーボ情報(サーボ・データ)と呼ばれる信号パターンが書き込まれている。
サーボ情報は、STW(Servo Track Writer)と呼ばれる装置を使用したSTW方式(例えば、後述するセルフSTW方式、単板STW方式、コピーSTW方式など)、あるいは、磁気転写方式によって記憶媒体に書き込まれる。すなわち、サーボ情報の書き込み方式は、複数あり、いずれの方式を使用して記憶媒体にサーボ情報を書き込むかは、記憶媒体の製造者の任意である。
しかし、これら複数のサーボ情報書き込み方式は、記憶装置の製造工程の中において、それぞれ長所、短所がある。例えば、単板STW方式は、サーボ情報書き込み工程の前段準備に時間を要さず、10枚程度の記憶媒体に一度にサーボ情報を書き込むことができるものの、サーボ情報の書き込み自体に時間を要する。
他方、磁気転写は、サーボ情報の書き込みに時間を要さず、一度に大量の記憶媒体にサーボ情報を書き込むことが可能である代わりに、マスタ・スタンパと呼ばれるサーボ情報のサーボパターンのひな形を作成するために多くの時間とコストを要する。
ところで、記憶装置を製造する製造者は、顧客から受注した記憶装置の受注数と、記憶媒体の製造歩留まりとを勘案して記憶装置の生産計画を立て、部品在庫を管理する必要がある。記憶媒体を過剰に製造してしまったことによる在庫増加は、製造コスト上、望ましくない。よって、顧客から記憶装置の受注を受けてから、サーボパターンを作成し、出荷前の製品検査を経て顧客へ出荷するまでの全製造工程は、極力短期間で完了させることが望まれる。
そのため、記憶装置の受注数と、記憶媒体の製造歩留まりとを考慮して、上記の各サーボ情報書き込み方式を適宜組み合わせて、記憶媒体にサーボ情報を書き込むことによって、全製造工程の期間を最適化する生産計画が立てられることとなる。すなわち、同一の記憶装置の製造工程に、異なる方式でサーボ情報が書き込まれた記憶媒体を有する記憶装置が混在することとなる。
一般に、異なる方式で書き込まれたサーボ情報は、あらかじめ、出荷検査の実施者が、いずれのサーボ情報書き込み方式によってサーボ情報が書き込まれた記憶媒体であるかを認識した上で、それぞれに応じた方式で、出荷時の検査工程をおこなわれなければならない。
しかし、上記の理由によって、記憶装置の製造工程に、異なる方式でサーボ情報が書き込まれた記憶装置が混在する状況であっては、出荷時の検査工程を行うために、記憶装置ごとに、サーボ情報書き込み方式を正確に識別する必要がある。
サーボ情報書き込み方式を識別する従来技術としては、同一記憶媒体に書き込まれた複数種類のサーボ情報のなかから、記憶媒体に記憶されている情報を読み出すヘッドが、最もヘッドの特性と相性がよく、正確に情報を読み出すことができるサーボ情報を選択する記憶装置が提案されていた。また、記憶媒体状に保護領域を設け、サーボ情報の記録を記憶媒体に対しておこなった装置を識別するための情報を記憶させている記憶装置が提案されていた。
特開2006−147104号公報 特開2006−221771号公報
しかしながら、上記従来技術では、記憶装置に記憶媒体を組み込んでおこなわれる出荷時の検査工程の際に、検査作業者が、いずれのサーボ情報書き込み方式によってサーボ情報が書き込まれているかをあらかじめ認識し、サーボ情報書き込み方式ごとの検査プログラムを使用して検査をおこなわなければならなかった。
そのため、従来技術では、検査工程において、サーボ情報書き込み方式が異なる記憶装置が混在することが許容されなかった。すなわち、サーボ情報書き込み方式が異なる記憶装置ごとに、対応する検査プログラムを切り替えなければならず、製造ラインの一時停止を伴うことから、生産効率を低下させる要因となっていた。
また、異なるサーボ情報書き込み方式によって書き込まれたサーボ情報が記録された記憶媒体を有する記憶装置は、異なる制御プログラムによって動作制御され、異なるテストプログラムによってテストされる。よって、サーボ書き込み方式ごとに異なる制御プログラムを作成しなければならず、記憶装置の製造工数の増大を招き、記憶装置の製造コストダウン、製造時間の短縮を阻害する要因となっていた。
本発明は、上記問題点(課題)を解消するためになされたものであって、記憶装置の製造工数を抑制し、記憶装置の製造コストダウン、製造時間の短縮を図ることが可能な記憶装置、記憶装置の制御回路およびサーボライト方式識別方法を提供することを目的とする。
上述した問題を解決し、目的を達成するため、記憶装置、記憶装置の制御回路およびサーボライト方式識別方法の一観点において、記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定し、判定されたサーボライト方式を識別するための識別情報を記憶することを要件とする。
開示の記憶装置、記憶装置の制御回路およびサーボライト方式識別方法によれば、記憶装置の製造工数を抑制し、記憶装置の製造コストダウン、製造時間の短縮を図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照し、記憶装置、記憶装置の制御回路およびサーボライト方式識別方法にかかる実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下に示す第一〜第四実施形態の一例では、記憶媒体を磁気ディスクとし、記憶装置を磁気ディスク装置とした場合の実施形態の一例を示すこととするが、これに限らず、他の記憶媒体およびディスク装置、例えば、光ディスクおよび光ディスク装置、もしくは光磁気ディスクおよび光磁気ディスク装置などにも適用可能である。
先ず、実施形態の一例を説明する前に、実施形態の一例の前提である、磁気ディスクのサーボ情報および磁気ディスク装置の製造工程について説明する。図1は、磁気ディスクに書き込まれるサーボ情報を説明するための説明図である。
図1は、磁気ディスク装置の内部の磁気ディスク収納空間に収納される磁気ディスク11の表面にパターンニングされるサーボ情報の概略を示す図である。サーボ情報とは、磁気ヘッドを位置付ける位置決め制御するために使用される情報である。同図に示すように、磁気ディスク11には、回転中心から半径方向に円弧状に延びるサーボ情報が、複数のサーボパターンとして記録されている。
図1に示すように、磁気ディスク11の表面において、サーボパターンは、磁気ディスク11の中心から外周へ、半径方向に沿った円弧として等間隔に配置されている。サーボパターンが円弧状となるのは、次の理由による。すなわち、先端に磁気ヘッドを有する浮上ヘッドスライダが取り付けられたヘッドアクチュエータは、支軸の中心軸を回転軸として揺動する。このため、磁気ヘッドが、サーボパターンの両端の間のサーボパターンをなぞる場合に、中心軸から磁気ヘッドまでの距離が一定となるようにするためである。
このようなサーボパターンで記録されるサーボ情報は、複数のフレームを含む。図1に示すように、1フレームのサーボ情報は、サーボ領域とデータ領域とを含む。サーボ領域は、さらに、プリアンブルと、サーボマークと、トラック番号と、位置決め情報とを含む。サーボマークは、例えば、二桁の16進数で表現され、当該フレームがサーボ情報のフレームであることを示す識別情報である。
図2は、磁気ディスク装置の製造工程の概略を説明するための説明図である。同図に示すように、磁気ディスクにサーボパターンを書き込むサーボライト処理を施し、磁気ディスク以外の部品とともに、組み立てられる。
ここで、磁気ディスクへサーボパターンを書き込むサーボライト方式には、セルフSTW方式と、単板STW方式と、コピーSTW方式と、磁気転写方式がある。セルフSTW方式は、磁気ディスク装置自身の磁気ヘッドにてサーボパターンを書き込む方式である。
単板STW方式は、専用のSTW装置を使用して、複数の磁気ディスクへ同時にサーボパターンを書き込む方式である。また、コピーSTW方式は、次のような方式である。先ず、複数の磁気ディスクの組を磁気ディスク装置内に組み込む前に、複数の磁気ディスクの内の1枚の片面の全面にサーボパターンを書き込んでおく。
そして、サーボパターンが書き込まれているディスクのサーボパターンによって位置決め制御しながら、RRO(Repeatable Run Out)補正値を測定し、このRRO補正値を使用して、サーボパターンが書き込まれていない磁気ディスクの面に、サーボパターンを書き込む方式である。なお、RROとは、スピンドルモータの回転の振動によって発生する位置外乱である偏心の回転同期成分である。
磁気転写方式は、サーボパターンのひな形であるマスタ・スタンパをあらかじめ作成し、マスタ・スタンパを磁気ディスクに押し当てて磁界を印可することによって、マスタ・スタンパのサーボパターンを、磁気ディスクに転写する方式である。
その後、例えば、ATA規格のインターフェースを介して接続されるATAホストコンピュータから磁気ディスク装置へ、磁気ディスク装置の回路や装置を制御するファームウェアおよび後述の出荷前試験のテストプログラムがダウンロードされる。ダウンロードされたファームウェアおよびテストプログラムは、磁気ディスク装置が有するMCU(Micro Controller Unit)の不揮発メモリ(例えば、フラッシュメモリなど)に書き込まれることとなる。
このようにして製造された磁気ディスク装置に対して、出荷前試験がおこなわれる。出荷前試験においては、磁気ディスク装置内で前述のテストプログラムを実行して、例えば、磁気ディスク装置の自装置によるキャリブレーション、磁気ディスクへのテストデータ書き込み、書き込まれたテストデータの読み取り、書き込まれたテストデータの削除などのテストがおこなわれる。
なお、磁気ディスクのサーボライト方式がセルフSTW、コピーSTWである場合は、出荷前試験の前段処理として、サーボライト処理がおこなわれる。そして、出荷前試験に合格した磁気ディスク装置のみが、出荷されることとなる。
[第一実施形態の一例]
図3〜図6を参照して、第一実施形態の一例を説明する。第一実施形態の一例は、サーボライト方式と、サーボライト方式の識別情報と、サーボ情報に含まれるサーボマークとの対応関係を示すサーボマーク情報をあらかじめ用意しておく。そして、サーボマーク情報におけるサーボマークと一致するサーボマークが磁気ディスク11において検出された場合に、検出されたサーボマークに対応するサーボライト識別情報を、磁気ディスク装置100a内の不揮発メモリ23に記憶する実施形態である。
図3は、第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100aは、磁気ディスク11と、磁気ディスク11を、回転軸を中心に回転させるSPM(SPindle Motor)12と、インナストッパ13と、アウタストッパ14と、ヘッドアクチュエータ15と、ヘッドアクチュエータ15の先端に取り付けられた磁気ヘッド16と、VCM(Voice Coil Motor)17とを有する。
また、SPM12を駆動するSPM駆動回路18と、VCM17を駆動させるVCM駆動回路19とを有する。また、磁気ヘッド16によって、磁気ディスク11から読み出された信号および磁気ディスク11へ書き込む信号を増幅するプリアンプ20と、磁気ディスク11に書き込む情報をエンコードし、磁気ディスク11から読み取った信号をデコードするRDC(Read Write Channel)21とを有する。
さらに、磁気ディスク装置100aは、自装置の制御を行うMCU(Micro Controller Unit)22と、MCU22に接続される書き換え可能な不揮発メモリ23を有する。また、磁気ディスク装置100aのホストコンピュータ200との間で送受信するデータの誤り訂正などを行うHDC(Hard Disk Controller)24と、HDC24がホストコンピュータ200との間で送受信するデータをバッファリングするバッファ25と、ホストコンピュータ200との接続インターフェースであるホストインターフェース26とを有する。
次に、第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成について説明する。図4は、第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。なお、同図で示す磁気ディスク装置100aは、MCU22および不揮発メモリ23以外の構成の図示を省略している。
MCU22は、サーボライト方式識別コマンド発行部22aと、不揮発メモリ管理部22bと、サーボマーク候補選択部22cと、サーボマークサーチ制御部22dとを有する。また、不揮発メモリ23は、サーボパターンテーブル格納部23aと、サーボライト方式識別情報記憶部23bとを有する。
サーボライト方式識別コマンド発行部22aは、不揮発メモリ管理部22bに対して、サーボパターンテーブルからサーボパターンを読み取って、サーボマーク候補選択部22cへ受け渡すよう指示するサーボライト方式識別コマンドを発行する。
不揮発メモリ管理部22bは、サーボライト方式識別コマンド発行部22aによって発行されたサーボライト方式識別コマンドを受け付ける。そして、不揮発メモリ23のサーボパターンテーブル格納部23aに格納されるサーボパターンテーブル(図5参照)からサーボマークを読み取って、サーボマーク候補選択部22cへ受け渡す。
サーボマーク候補選択部22cは、不揮発メモリ管理部22bから受け渡されたサーボパターンから一つのサーボマークを、磁気ディスク11に書き込まれているサーボマークの候補として選択し、サーボマークサーチ制御部22dに対して、選択されたサーボマークと一致するサーボマークを、磁気ディスク11において検出を試みるよう指示する。
サーボマークサーチ制御部22dは、SPM12の回転による磁気ディスク11の回転と、ヘッドアクチュエータ15の揺動による磁気ヘッド16の揺動とによって、磁気ディスク11の全面にわたって、サーボマーク候補選択部22cによって選択されたサーボマークと一致するサーボマークを探索する。
そして、サーボマークサーチ制御部22dは、サーボマーク候補選択部22cによって選択されたサーボマークと一致するサーボマークを、磁気ディスク11において検出する。この場合に、不揮発メモリ管理部22bに対して、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bに、検出したサーボマークに対応するサーボライト方式識別情報を書き込むサーボライト方式識別情報書き込み指示を発行する。
不揮発メモリ管理部22bは、サーボマークサーチ制御部22dからのサーボライト方式識別情報書き込み指示を受ける。そして、サーボマーク候補選択部22cによって選択されたサーボマークと一致するサーボマークに対応するサーボライト方式識別情報を、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bに書き込む。
次に、第一実施形態の一例にかかるサーボパターンテーブルについて説明する。図5は、第一実施形態の一例にかかるサーボパターンテーブルの一例を示す図である。同図に示すように、サーボパターンテーブルは、サーボライト方式の識別情報を示す「サーボライト方式識別ID(IDsw)」と、サーボサイト方式の名称を示す「サーボサイト方式」と、サーボマークの値を2桁の16進数で示す「サーボマーク」とのカラムを有する。なお、サーボパターンテーブルのエントリを、「サーボパターン」と呼ぶ。
図5を参照すると、例えば、「サーボライト方式識別ID」が『1』である「サーボライト方式」は、『セルフSTW』であり、「サーボマーク」は、『1Ch』である。また、同様に、例えば、「サーボライト方式識別ID」が『2』、『3』、『4』である「サーボライト方式」は、それぞれ『単板STW』方式、『コピーSTW』方式、『磁気転写』方式であり、「サーボマーク」は、それぞれ『17h』、『14h』、『12h』である。
次に、第一実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理について説明する。図6は、第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100aのMCU22が行うサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。
なお、サーボライト方式識別処理は、磁気ディスク装置100aの出荷検査時におこなわれる処理である。サーボライト方式識別処理は、出荷検査のテストプログラム実行直後に実行される。ここでのテストプログラムは、磁気ディスク装置100aが、自装置で、自装置の磁気ディスク11のサーボライト方式を識別することから、サーボライト方式に依存しない汎用のテストプログラムである。
また、サーボライト方式識別処理を含む出荷検査時では、磁気ディスク装置100aに接続されるホストコンピュータ200は、出荷検査プログラムを実行する出荷検査用ホストコンピュータである。
図6に示すように、先ず、ステップS101では、サーボライト方式識別コマンド発行部22aは、サーボライト方式識別コマンドを発行する。続いて、ステップS102では、不揮発メモリ管理部22bは、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bを初期化するため、サーボライト方式識別情報の設定パラメータである「IDsw」に、16進数『FFh』を書き込む。続いて、ステップS103では、サーボマーク候補選択部22cは、MCU22内で使用するインデックス変数「i」に『0』をセットして初期化する。
続いて、ステップS104では、不揮発メモリ管理部22bは、サーボパターンテーブルから、すべてのサーボパターンを読み出す。この際、サーボパターンの数を計数して、MCU22内で管理される設定パラメータ「Nsw」にセットする。また、MCU22内で管理される、サイズが「Nsw」の設定パラメータの配列X[i](1≦i≦Nsw)に、サーボライト方式識別ID「i」に対応する「サーボマーク」の値をそれぞれセットする。
続いて、ステップS105では、サーボマーク候補選択部22cは、インデックス変数「i」に『1』を加算する。続いて、ステップS106では、サーボマーク候補選択部22cは、「i≦Nsw」が成り立つか否かを判定する。「i≦Nsw」が成り立つと判定された場合に(ステップS106肯定)、ステップS107へ移り、「i≦Nsw」が成り立つと判定されなかった場合に(ステップS106否定)、ステップS112へ移る。
続いて、ステップS107では、サーボマーク候補選択部22cは、サーボマーク候補を示す、MCU22内で管理される変数「x」に「X[i]」をセットする。続いて、ステップS108では、サーボマークサーチ制御部22dは、磁気ヘッド16をロードさせ、磁気ディスク11の全面において、「x=X[i]」であるサーボマークをサーチ(探索)する。
続いて、ステップS109では、サーボマークサーチ制御部22dは、サーボロックしたか否かを判定する。サーボロックとは、サーボマークの復調が連続して一定回数成功することである。サーボロックしたと判定された場合に(ステップS109肯定)、ステップS110へ移り、サーボロックしたと判定されなかった場合に(ステップS109否定)、ステップS105へ移る。
続いて、ステップS110では、サーボマークサーチ制御部22dは、サーボロックした際の『i』を、サーチ結果のサーボマークに対応するサーボライト方式識別IDとする。続いて、ステップS111では、不揮発メモリ管理部22bは、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bの「IDsw」に、ステップS109でサーボライト方式識別IDであるとされた『i』を書き込む。
一方、ステップS112では、サーボマークサーチ制御部22dは、HDC24へ、エラー通知を行う。エラー通知は、HDC24から、ホストコンピュータ200へ通知される。
第一実施形態の一例によれば、磁気ディスク装置100aは、自律的に、自装置が有する磁気ディスク11が、いずれのサーボライト方式で書き込まれたサーボパターンを有するかを認識することができる。よって、異なるサーボライト方式でサーボパターンが書き込まれた磁気ディスクを有する磁気ディスク装置が、製造工程上に混在したとしても、同一の製造工程にて、単一設計のテストプログラムにて出荷時試験を行うことが可能になる。
また、異なるサーボライト方式でサーボパターンが書き込まれた磁気ディスクを有する磁気ディスク装置を、単一設計のファームウェア(磁気ディスク装置の制御プログラム)で制御することが可能になるので、ファームウェアやテストプログラムの製造工数を大幅に縮小することができる。
[第二実施形態の一例]
図7〜図8を参照して、第二実施形態の一例を説明する。第二実施形態の一例は、磁気ディスク11に書き込まれたサーボライト方式識別情報を読み取って、不揮発メモリ23に記憶する実施形態である。なお、第二実施形態の一例の説明は、第一実施形態の一例との差異部分のみについて行うこととする。
図7は、第二実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。なお、第二実施形態の一例では、磁気ディスク11の特定トラックに、サーボライト方式ごとに異なるサーボライト方式識別情報が書き込まれていることを前提とする。
同図に示すように、第二実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100bのMCU22−1は、サーボライト方式識別コマンド発行部22aと、不揮発メモリ管理部22bと、サーボマークリード制御部22eとを有する。また、第二実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100bの不揮発メモリ23−1は、サーボライト方式識別情報記憶部23bと、サーボパターン数があらかじめ記憶されているサーボパターン数記憶部23cを有する。
サーボマークリード制御部22eは、サーボライト方式識別コマンド発行部22aによって発行されたサーボライト方式識別コマンドを受け付けると、磁気ヘッド16をロードさせて、磁気ヘッド16を、磁気ディスク11の特定トラックに位置付ける。そして、特定トラックにおいて、書き込まれているサーボライト方式識別情報の読み取りを行う。
サーボマークリード制御部22eは、特定トラックにおいて、読み取りが成功したサーボライト方式識別情報を、不揮発メモリ管理部22bを介して、不揮発メモリ23−1のサーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶させる。
次に、第二実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理について説明する。図8は、第二実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100bのMCU22−1が行うサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、先ず、ステップS121では、サーボライト方式識別コマンド発行部22aは、サーボライト方式識別コマンドを発行する。続いて、ステップS122では、不揮発メモリ管理部22bは、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bを初期化するため、サーボライト方式識別情報の設定パラメータである「IDsw」に、16進数『FFh』を書き込む。続いて、ステップS123では、サーボマークリード制御部22eは、MCU22−1内で使用するインデックス変数「i」に『0』をセットして初期化する。
続いて、ステップS124では、不揮発メモリ管理部22bは、サーボパターン数記憶部23cから、サーボパターン数「Nsw」を読み出す。続いて、ステップS125では、サーボマークリード制御部22eは、インデックス変数「i」に『1』を加算する。続いて、ステップS126では、サーボマークリード制御部22eは、「i≦Nsw」が成り立つか否かを判定する。「i≦Nsw」が成り立つと判定された場合に(ステップS126肯定)、ステップS127へ移り、「i≦Nsw」が成り立つと判定されなかった場合に(ステップS126否定)、ステップS130へ移る。
続いて、ステップS127では、サーボマークリード制御部22eは、磁気ディスク11の特定トラックに磁気ヘッド16を位置付けて、データの読み取り(リード)を試行する。続いて、ステップS128では、サーボマークリード制御部22eは、データリードが成功したかしたか否かを判定する。なお、データリード成功とは、読み取りデータの復調が、一定回数連続して成功した場合をいう。
そして、データリードが成功したと判定された場合に(ステップS128肯定)、ステップS129へ移り、データリードが成功したと判定されなかった場合に(ステップS128否定)、ステップS125へ移る。ステップS129では、不揮発メモリ管理部22bは、リードが成功したデータを、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bの「IDsw」に書き込む。
一方、ステップS130では、サーボマークリード制御部22eは、HDC24へ、エラー通知を行う。エラー通知は、HDC24から、ホストコンピュータ200へ通知される。
第二実施形態の一例によれば、あらかじめ、サーボパターンテーブルを用意する必要がないため、不揮発メモリのコンパクト化を図ることができ、部品コストの低減を図ることが可能になる。
[第三実施形態の一例]
図9〜図13を参照して、第三実施形態の一例を説明する。なお、第三実施形態の一例は、同時に前記記憶媒体の同一トラックへと移動する複数の磁気ヘッド16を、特定トラック位置に位置付け、特定トラック位置において複数の磁気ヘッド16を介して取得されたトラック番号の平均を算出し、特定トラック番号の平均と、基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応するオフセット量であるかを判定することによって、サーボライト方式を判定する実施形態である。第三実施形態の一例の説明は、第二実施形態の一例と同様に、第一実施形態との差分のみについて説明を行うこととする。
図9は、第三実施形態の一例にかかる各トラック番号の対応関係を説明するための説明図である。同図に示すように、第三実施形態の一例は、サーボライト方式ごとに、書き込むトラックをシフトさせることによって、サーボ情報を識別する方法である。図9に示すように、ATAホストまたはLBA(Logical Block Address)によって指定されるユーザデータのトラック番号(ユーザトラック番号)をサーボトラック番号へ変換したものに、サーボライトごとのトラックのシフト量を足し込んだトラック番号を、サーボパターントラック番号とする。
次に、第三実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を説明する。図10は、第三実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、第三実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100cのMCU22−2は、サーボライト方式識別コマンド発行部22aと、不揮発メモリ管理部22bと、トラック番号取得判定部22fとを有する。
また、第三実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100cの不揮発メモリ23−2は、サーボライト方式識別情報記憶部23bと、サーボパターンごとに異なる、基準値からの書き込みトラックのシフト量を記憶するサーボパターントラックシフト量データテーブルが格納されているサーボパターントラックシフト量データテーブル格納部23dを有する。
不揮発メモリ管理部22bは、サーボライト方式識別コマンド発行部22aによって発行されたサーボライト方式識別コマンドを受け付ける。そして、不揮発メモリ23のサーボパターントラックシフト量データテーブル格納部23dに格納されるサーボパターントラックシフト量データテーブル(図11参照)から、サーボライト方式ごとに異なるシフト量を読み取って、トラック番号取得判定部22fへ受け渡す。
トラック番号取得判定部22fは、磁気ヘッド16を、インナストッパ13に接触させたトラック位置における、すべての磁気ディスク11のトラック番号を取得して、トラック番号の平均を算出する。そして、平均と前述の基準値との差分を算出する。そして、トラック番号の平均と基準値との差分が、サーボライト方式ごとに異なるシフト量のいかなる範囲に属するかを判定することによって、サーボライト方式を識別する。
そして、トラック番号取得判定部22fは、判定されたサーボライト方式ごとに対応する異なる識別情報を、不揮発メモリ管理部22bに対して、サーボライト方式識別情報記憶部23bの「IDsw」にセットするよう指示する。
次に、第三実施形態の一例にかかるサーボパターントラックシフト量データテーブルについて説明する。図11は、第三実施形態の一例にかかるサーボパターントラックシフト量データテーブルの一例を示す図である。
図11に示すように、サーボパターントラックシフト量データテーブルは、サーボライト方式の識別情報を示す「サーボライト方式識別ID(IDsw)」と、サーボサイト方式の名称を示す「サーボサイト方式」と、サーボライト方式ごとに異なる、サーボパターンの書き込みトラック番号のシフト量を示す「シフト量」とのカラムを有する。なお、サーボパターントラックシフト量データテーブルのエントリを、「サーボパターン」と呼ぶ。
図11を参照すると、例えば、「サーボライト方式識別ID」が『1』である「サーボライト方式」は、『セルフSTW』であり、「シフト量」は、『0』である。すなわち、ここでは、『セルフSTW』方式によって書き込まれたサーボパターンのシフト量が、シフト量の基準値となる。
また、同様に、例えば、「サーボライト方式識別ID」が『2』、『3』、『4』である「サーボライト方式」は、それぞれ『単板STW』方式、『コピーSTW』方式、『磁気転写』方式であり、「シフト量」は、それぞれ『2000』、『4000』、『6000』である。
次に、第三実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理について説明する。図12は、第三実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、ステップS131では、トラック番号取得判定部22fは、すべての磁気ヘッド16を、インナストッパ13に押し当てて、すべての磁気ディスク11のトラック番号の平均値tを取得する。
続いて、トラック番号取得判定部22fは、ステップS131で取得されたtと、基準値t0との差分(e=t−t0)を計算する。続いて、ステップS133では、トラック番号取得判定部22fは、ステップS132で計算された差分eが『2000−α0』より小であるか否かを判定する。なお、『α0』は、差分eの測定誤差を考慮したトラックシフト量の補正値である。
差分eが『2000−α0』より小であると判定された場合に(ステップS133肯定)、ステップS134へ移り、差分eが『2000−α0』より小であると判定されなかった場合に(ステップS133否定)、ステップS135へ移る。ステップS134では、トラック番号取得判定部22fは、サーボライト方式は『セルフSTW』方式であると判定して、不揮発メモリ管理部22bに対して、サーボライト方式識別情報記憶部23bにおいて、『IDsw』に『1』をセットするよう指示する。
ステップS135では、トラック番号取得判定部22fは、ステップS132で計算された差分eが『4000−α1』より小であるか否かを判定する。なお、『α1』は、差分eの測定誤差を考慮したトラックシフト量の補正値である。差分eが『4000−α1』より小であると判定された場合に(ステップS135肯定)、ステップS136へ移り、差分eが『4000−α1』より小であると判定されなかった場合に(ステップS135否定)、ステップS137へ移る。
ステップS136では、トラック番号取得判定部22fは、サーボライト方式は『単板STW』方式であると判定して、不揮発メモリ管理部22bに対して、サーボライト方式識別情報記憶部23bにおいて、『IDsw』に『2』をセットするよう指示する。
ステップS137では、トラック番号取得判定部22fは、ステップS132で計算された差分eが『6000−α2』より小であるか否かを判定する。なお、『α2』は、差分eの測定誤差を考慮したトラックシフト量の補正値である。差分eが『6000−α2』より小であると判定された場合に(ステップS137肯定)、ステップS138へ移り、差分eが『6000−α2』より小であると判定されなかった場合に(ステップS137否定)、ステップS139へ移る。
ステップS138では、トラック番号取得判定部22fは、サーボライト方式は『コピーSTW』方式であると判定して、不揮発メモリ管理部22bに対して、サーボライト方式識別情報記憶部23bにおいて、『IDsw』に『3』をセットするよう指示する。
また、ステップS139では、トラック番号取得判定部22fは、サーボライト方式は『磁気転写』方式であると判定して、不揮発メモリ管理部22bに対して、サーボライト方式識別情報記憶部23bにおいて、『IDsw』に『4』をセットするよう指示する。
次に、第三実施形態の一例にかかるサーボパターン作成方法ごとのサーボ情報書き込み半径位置の対応関係を説明する。図13は、第三実施形態の一例にかかるサーボパターン作成方法ごとのサーボ情報書き込み半径位置の対応関係を説明するための説明図である。
図13に示すように、例えば、磁気ディスク11の最外周の半径位置r=33mm、インナストッパ13の半径位置r=15mmとする。この場合に、サーボパターンを、セルフSTW方式、単板STW方式、コピーSTW方式、磁気転写方式の順序でトラック番号が大きい位置に、それぞれ方式に応じてサーボパターンを書き込んでおく。
このようにすると、インナストッパの半径位置において、サーボパターンの書き込み位置に、それぞれのサーボライト方式に応じたトラック番号が割り当てられることとなる。また、特定トラック番号のトラック位置に確保されるシステム領域が配置される位置が、サーボライト方式ごとに異なることとなる。
なお、第三実施形態において、不揮発メモリ23−2に、サーボライト方式識別情報記憶部23bを設けずとも、特定トラック番号のトラック位置に確保されるシステム領域に、サーボライト方式識別情報を書き込むようにしてもよい。このようにすると、不揮発メモリ23−2の資源をコンパクトにし、磁気ディスク装置100cの部品コストを抑制することができる。
また、さらに、前述のシステム領域に、サーボパターントラックシフト量データテーブルを格納するようにすると、不揮発メモリ23−2そのものが不要になるため、磁気ディスク装置100cの部品コストを抑制し、製造工程の簡略化によって製造コストの低減を図ることができる。
第三実施形態の一例によれば、サーボパターン数のみを、あらかじめ用意して記憶しておくだけでよいので、不揮発メモリのコンパクト化を図ることができ、部品コストの低減を図ることが可能になる。
[第四実施形態の一例]
図14〜図18を参照して、第四実施形態の一例を説明する。第四実施形態の一例は、サーボライト方式ごとに異なるPES(Position Error Signal)を、磁気ディスク11の特定トラック位置に磁気ヘッド16を位置付けて、特定トラックPESとして取得するとともに、磁気ディスク11の任意のトラックに磁気ヘッド16を位置付けて、任意トラックPESを取得し、取得された特定トラックPESおよび任意トラックPESを離散フーリエ変換した結果の各周波数成分の一次の偏心量と、想定される一次の偏心量との比較結果と、特定トラックPESおよび任意トラックPESの比較結果から、サーボライト方式を判定する実施形態である。なお、第二実施形態の一例〜第三実施形態の一例と同様に、第一実施形態との差分のみについて説明を行うこととする。
先ず、サーボパターン作成方法ごとのPES波形について説明する。図14は、サーボパターン作成方法ごとのPES波形を示す図である。なお、PESとは、サーボパターンを書き込むSTWのモータの回転軸の偏心によるサーボパターンの偏心およびSPM12の回転軸の偏心によって発生する、磁気ヘッド16によって磁気ディスク11から読み出された信号の強さのゆらぎの量[nm]を示す信号をいう。
図14に示すように、サーボ書き込み方式が『セルフSTW』方式であれば、自装置のSPM12の回転軸の偏心に応じてサーボパターンが書き込まれるため、PESは、常に『0』となる。しかし、『単板STW』方式、『コピーSTW』方式、『磁気転写』方式は、自装置の回転軸の偏心を考慮せずにサーボパターンが書き込まれたため、PESが発生する。
さらに、図15に示すように、磁気ディスク11上の任意のトラックにおけるPESにDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)を施してえられたPESの周波数成分の分布特性は、サーボ書き込み方式ごとに異なる。例えば、周波数が6kHz付近にPESのピークが存在するのは、サーボ書き込み方式が『磁気転写』方式である場合のみである。
また、例えば、周波数が6kHz付近にPESのピークが存在するのは、サーボ書き込み方式が『磁気転写』方式のみである。また、周波数が1.5kHz付近に存在するPESのピークは、磁気ディスク11固有の外乱要因によるものである。
また、さらに、図16は、第四実施形態の一例にかかるPES周波数成分特徴テーブルの一例を示す図である。PES周波数成分特徴テーブルは、サーボパターン作成方法ごとの「PES周波数」、「一次偏心量」、「サーボパターン未書き込み面の有無」の特徴を記憶している。
図16に示すように、サーボライト方式ごとに異なる「PES周波数」、「一次偏心量」、「サーボパターン未書き込み面の有無」のいずれか一つ、若しくはこれらの組み合わせによって、サーボライト方式を識別することが可能であることがわかる。
例えば、「サーボパターン未書き込み面の有無」で『あり』であるのは、『コピーSTW』方式のみである。また、一次偏心量η(hd)(ただし、『hd』は、複数の磁気ヘッド16を識別するためのパラメータである)が、一次偏心量『0』に等しいのは、『セルフSTW』のみである。
また、残りの『単板STW』方式と、『磁気転写』方式との識別に関しては、次のように行うことが可能である。すなわち、PESにDFTを施した結果の周波数成分は、図15に示すとおり、『磁気転写』方式と『単板STW』方式とで、ピーク周波数が大きく異なる。ここで、磁気ヘッド16を、任意のトラックを追従させた場合のPESの周波数成分をF2(hd,f)とする。
従って、任意のトラック追従時における周波数成分F2(hd,f単板STW方式)が、周波数成分F2(hd,f磁気転写方式)を超えない場合には、サーボライト方式は、『磁気転写』方式であると判定できる。
次に、第四実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を説明する。図17は、第四実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、第四実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置100dのMCU22−3は、サーボライト方式識別コマンド発行部22aと、不揮発メモリ管理部22bと、PES測定およびDFT部22gと、サーボライト方式判定部22hとを有する。
また、不揮発メモリ23−3は、サーボライト方式識別情報記憶部23bと、前述のPES周波数成分特徴テーブルを格納するPES周波数成分特徴テーブル格納部23eとを有する。
PES測定およびDFT部22gは、磁気ヘッド16を、磁気ディスク11において、磁気ヘッド16をインナストッパ13に押し当てた状態でPESを測定し、さらに、任意のトラックを追従させてPESを測定する。そして、磁気ヘッド16をインナストッパ13に押し当てた状態で測定したPES、および、任意のトラックを追従させて測定したPESに対して、DFTを行う。そして、DFTをおこなった結果を、サーボライト方式判定部22hへ受け渡す。
サーボライト方式判定部22hは、上記した判定方法によって、磁気ディスク11に、いずれのサーボライト方式でサーボパターンが書き込まれたかを判定する。そして、判定結果のサーボライト方式の識別情報を、サーボライト方式識別情報記憶部23bへ書き込むように、不揮発メモリ管理部22bへ指示する。
次に、第四実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理を説明する。図18は、第四実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、ステップS141では、PES測定およびDFT部22gは、すべての磁気ヘッド16を、インナストッパ13に押し当てて、PESを測定して得られた一次偏心量η(hd)をDFT処理した結果F1(hd、f)を取得する。なお、『hd』は、複数の磁気ヘッド16を識別するパラメータである。また、『f』は、F1(hd、f)が、周波数f[kHz]の関数であることを示す。
ここで、『f磁気転写方式』は、『磁気転写』方式でピークが出現する周波数であり、図15の例では、6kHzである。同様に、『f単板STW方式』は、『単板STW』方式でピークが出現する周波数であり、図15の例では、3kHzである。
続いて、ステップS142では、PES測定およびDFT部22gは、すべての磁気ヘッド16を、磁気ディスク11の任意のトラックを追従させ、PESを測定して得られた結果をDFT処理した結果F2(hd、f)を取得する。
続いて、ステップS143では、サーボライト方式判定部22hは、PES測定不能の磁気ヘッド16があるか否かを判定する。磁気ヘッド16がPES測定不能であることは、すなわち、磁気ディスク11の表面に、サーボパターンが書き込まれていないことを示すので、サーボライト方式は、『コピーSTW』方式であると判定できる。
PES測定不能の磁気ヘッド16があると判定された場合に(ステップS143肯定)、ステップS144へ移り、PES測定不能の磁気ヘッド16があると判定されなかった場合には(ステップS143否定)、ステップS145へ移る。
ステップS144では、サーボライト方式判定部22hは、サーボライト方式が『コピーSTW』方式であると判定されるので、対応する識別情報として、サーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶される「IDsw」に、「IDsw=3」をセットする。
続いて、ステップS145では、サーボライト方式判定部22hは、すべての磁気ヘッド16の一次偏心量η(hd,f)が、『セルフSTW』方式の一次偏心量『0』以下であるか否かを判定する。一次偏心量η(hd,f)が、『セルフSTW』方式の一次偏心量『0』以下である(実際には『0』と等しい)場合に、サーボライト方式は、『セルフSTW』方式であると判定できる。
一次偏心量η(hd,f)が、『0』以下であると判定された場合に(ステップS145肯定)、ステップS146へ移り、一次偏心量η(hd,f)が、『0』以下であると判定されなかった場合に(ステップS145否定)、ステップS147へ移る。
ステップS146では、サーボライト方式判定部22hは、サーボライト方式が『セルフSTW』方式であると判定されるので、対応する識別情報として、サーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶される「IDsw」に、「IDsw=1」をセットする。
続いて、ステップS147では、サーボライト方式判定部22hは、すべての磁気ヘッド16について、F2(hd,f単板STW方式)<F2(hd,f磁気転写方式)が成り立つか否かを判定する。すべての磁気ヘッド16について、F2(hd,f単板STW方式)<F2(hd,f磁気転写方式)が成り立つ場合に、サーボライト方式は、『磁気転写』方式であると判定できる。
すべての磁気ヘッド16について、F2(hd,f単板STW方式)<F2(hd,f磁気転写方式)が成り立つと判定された場合に(ステップS147肯定)、ステップS148へ移り、すべての磁気ヘッド16について、F2(hd,f単板STW方式)<F2(hd,f磁気転写方式)が成り立つと判定されなかった場合に(ステップS147否定)、ステップS149へ移る。
ステップS148では、サーボライト方式判定部22hは、サーボライト方式が『磁気転写』方式であると判定されるので、対応する識別情報として、サーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶される「IDsw」に、「IDsw=4」をセットする。
また、ステップS149では、サーボライト方式判定部22hは、サーボライト方式が『単板STW』方式であると判定されるので、対応する識別情報として、サーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶される「IDsw」に、「IDsw=2」をセットする。
第四実施形態の一例によれば、サーボライト方式それぞれの特性に着目してサーボライト方式を識別するので、サーボライト時に基づくデータおよび/または基準をあらかじめ用意する必要がないので、従来通りにサーボライトをおこなっても、磁気ディスク装置は、自律的に、サーボライト方式を識別できる。
以上の第一実施形態の一例〜第四実施形態の一例によれば、磁気ディスク装置100a〜100d(以下、磁気ディスク装置100と総称する)は、自装置で自律的に、自装置内の磁気ディスク11がいずれのサーボライト方式によってサーボパターンを書き込まれたかを識別し、サーボライト方式の識別情報を、不揮発メモリ23のサーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶する。
磁気ディスク装置100のファームウェアや、磁気ディスク装置100をテストするテストプログラムは、サーボライト方式識別情報記憶部23bに記憶される識別情報に応じて制御を分岐させることとすれば、サーボライト方式に依存しない単一設計のプログラムとすることができる。
従って、製造工程に、異なるサーボライト方式でサーボパターンが書き込まれた磁気ディスク11を有する磁気ディスク装置100が混在する場合であっても、サーボライト方式に無関係に、出荷時試験を行うことが可能になり、磁気ディスク装置100の製造効率を向上させ、製造コストを抑制することが可能になる。
[その他の実施形態の一例]
上記第一実施形態の一例〜第四実施形態の一例のいずれかによって、磁気ディスク装置100は、自装置が有する磁気ディスク11が、いずれのサーボライト方式によってサーボパターンが書き込まれたかを、自律的に認識することができた。
そのため、磁気ディスク装置の組み立て作業効率が上がり、サーボパターン作成開始から出荷までの時間が短縮され、組み立て工程のループットが向上する。また、テストプログラムおよびファームウェアが共通化されるので、作成工数と評価工数とが削減できる。
複数のサーボパターン作成方式を用いて、同時に磁気ディスク装置を組み立てても、同一のテストプログラムで出荷検査を行うことができ、出荷検査作業者の手間を大幅に省略でき、製造コストダウンを図ることができる。
以下では、図19〜図26を参照して、第一実施形態の一例〜第四実施形態の効果を示す一例として、その他の実施形態の一例を説明する。その他の実施形態の一例は、磁気ディスク装置100が、ホストコンピュータ200からダウンロードされたファームウェアまたはテストプログラムを使用して、サーボ制御に必要なパラメータのキャリブレーションを自律的に行う例を示す実施形態である。
キャリブレーションの例として、一次偏心補正、RPO(Repeatable Position Error、繰り返し発生する磁気ヘッド16の位置決めエラー)非追従、ヘッドチェンジシーク、リードチャネルの対称性補正について説明する。
先ず、図19〜図21を参照して、サーボパターン作成方式ごとに、トラック追従時の補正内容の補正方法について説明する。図19に、サーボパターン作成方式ごとに、トラック追従時に補正しなければならない補正内容を示す。
図19を参照すると、例えば、『セルフSTW』方式では、磁気ディスク装置100自身の磁気ヘッド16で、サーボライトするため、「一次偏心量補正」が『不要』、「繰り返し補正」が『必要』、「ゾーン幅」が『普通』、「RRO追従」が『不要』の通常のサーボ制御をおこなっても問題ない。
しかし、『単板STW』方式、『コピーSTW』方式、『磁気転写』方式は、一次偏心量が大きいので、補正する必要がある。さらに、「一次偏心量」の補正を行うとともに、一次以外の高次偏心成分を、「繰り返し補正」によって圧縮する必要がある。その際、半径位置ごとに成分が異なるため、『単板STW』方式および『コピーSTW』方式では、『内周で細かく』、『磁気転写』方式では『内外周で細かく』ゾーン幅を設定する必要がある。
そして、隣接トラックに共通した偏心成分をフィードフォワード制御により取り除くことが必要である。また、『RRO非追従』とは、サーボ帯域を超えたRRO成分は、あえて追従させないことで、RPE(Repeatable Position Error)およびNRPE(Non Repeatable Position Error)を低減する方式で、個々のトラックにおいてRROを測定し、磁気ディスク11上の一部に書き込んでおき、オントラックさせるときに読み取って使用する方式が一般的である。
ここで、RPEは、位置決め制御をおこなったときの位置誤差Δeに含まれる、磁気ディスク11の回転に同期した成分である。NRPEは、位置決め制御を行ったときの位置誤差Δeに含まれる、磁気ディスク11の回転に同期しない(非同期)成分である。磁気ディスク11の回転同期成分であるRROとRPEとは、異なるサーボライト方式で書き込まれたサーボパターンごとに異なる値を示す。
なお、『セルフSTW』方式および『コピーSTW』方式によるコピー面では、RRO非追従制御をおこなわなくても、所望の追従残渣が得られる、すなわち位置誤差Δeが小さい。
次に、偏心補正を行うリードチャネルのサーボ制御ブロックの構成について説明する。図20は、偏心補正を行うリードチャネル(RDC)のサーボ制御ブロックの構成を示す図である。同図に示すように、RDC21は、差分器21aと、フィードバック制御を行うController21bと、FeedForward21cと、加算器21dと、Plant21eと、加算器21fと、偏心補正テーブル21gとを有する。
差分器21aは、目標トラックrと、Plant21eから出力された、現在の復調位置に、加算器21fにてRROを加算した結果の復調位置yとの入力を受け付け、復調位置yの符号を反転させた値をrに加算し、この加算結果をContorller21bへ受け渡す。すなわち、加算結果は、目標トラックrと加算器21fから出力された復調位置yとの差分である。
前述の加算結果を受け付けたController21bは、加算結果に基づいて、目標トラックrと加算器21fから出力された復調位置yとの差分を補正するフィードバック制御信号Uを、加算器21dへ入力する。
さらに、FeedForward21cは、可変の偏心補正量を記憶する偏心補正テーブル21gから偏心補正量ΔUを読み取り、加算器21dへ入力する。加算器21dは、Controller21bからの出力Uと、FeedForward21cからの出力ΔUとを加算し、加算結果(U+ΔU)を、Plant21eへ入力する。
Plant21eは、フィードバック制御信号(U+ΔU)の入力を受け、ヘッドアクチュエータ15およびその先端に取り付けられている磁気ヘッド16をフィードバック制御信号(U+ΔU)に基づいて移動制御する。そして、このフィードバック制御中において磁気ヘッド16を介して読み出されて復調された復調位置にRROの影響を加味した復調位置yを差分器21aへ入力する。このようにして、偏心補正がフィードバック制御によっておこなわれ、磁気ヘッド16を、目標位置に位置付けることが可能になる。
次に、RRO非追従制御を行うリードチャネルのサーボ制御ブロックの構成について説明する。図21は、RRO非追従制御を行うリードチャネルのサーボ制御ブロックの構成を示す図である。同図に示すように、RDC21は、差分器21aと、フィードバック制御を行うController21bと、Plant21eと、加算器21fと、RROテーブル21hとを有する。
差分器21aは、目標トラックrと、RROテーブル21hからのRRO値sと、Plant21eから出力された、現在の復調位置に、加算器21fにてRROを加算した結果の復調位置yとの入力を受け付け、復調位置yの符号を反転させた値をrに加算し、これらの加算結果をContorller21bへ受け渡す。すなわち、加算結果は、目標トラックrと、RRO値sと、加算器21fから出力された復調位置yとの差分である。
差分器21aにおいて、あらかじめRRO値sを足し込むことによって、RRO値sの影響を、加算器21fの出力である復調位置yから取り除き、RRO非追従を実現する。
前述の加算結果を受け付けたController21bは、加算結果に基づいて、目標トラックrと加算器21fから出力された復調位置yとの差分を補正するフィードバック制御信号Uを、Plant21eへ入力する。
Plant21eは、フィードバック制御信号Uの入力を受け、ヘッドアクチュエータ15およびその先端に取り付けられている磁気ヘッド16をフィードバック制御信号Uに基づいて移動制御する。
そして、フィードバック制御中において磁気ヘッド16を介して読み出されて復調された復調位置にRROの影響を加味した復調位置yを差分器21aへ出力する。このようにして、RRO非追従制御によって、磁気ヘッド16を、目標位置に位置付けることが可能になる。
次に、図22〜図23を参照して、サーボパターン作成方式ごとに異なるヘッドチェンジシークの選択方法について説明する。図22に、サーボパターン作成方式ごとに異なるヘッドチェンジシークの選択内容を示す。
図22に示すように、シーク前の磁気ディスク媒体と、シーク後の磁気ディスク媒体の偏心が同一である場合以外(『単板STW』方式の異媒体シーク、『磁気転写』方式の同一媒体シークおよび異媒体シークが相当する)は、高速なヘッドシーク制御ではエラーが発生する可能性が高くなるので、通常速度のヘッドシーク制御が行われる。
なお、一般に、磁気ディスク装置100は、複数の磁気ディスク11を、一定間隔をおいて積み重ねて構成されるが、異なる媒体へのヘッドチェンジシークを「異媒体シーク」と呼び、同一媒体へのヘッドチェンジシークを「同一媒体シーク」と呼ぶ。
次に、シーク方式選択処理について説明する。図23は、シーク方式選択処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、先ず、ステップS151では、磁気ディスク装置100のMCU22は、サーボライト方式識別情報を取得する。
続いて、ステップS152では、MCU22は、位置付け目標とする磁気ヘッドは、現在位置付けられている磁気ヘッドと同一の磁気ヘッドであるか否かを判定する。
位置付け目標とする磁気ヘッドは、現在位置付けられている磁気ヘッドと同一の磁気ヘッドであると判定された場合に(ステップS152肯定)、ステップS153へ移り、位置付け目標とする磁気ヘッドは、現在位置付けられている磁気ヘッドと同一の磁気ヘッドであると判定されなかった場合に(ステップS152否定)、ステップS154へ移る。
ステップS153では、MCU22は、ヘッドチェンジシーク方式として、高速シークを選択する。この処理が終了すると、シーク方式選択処理は終了する。
ステップS154では、MCU22は、目標とする磁気ディスクは、現在磁気ヘッドが位置付けられている磁気ディスクと同一の磁気ディスクであるか否かを判定する。目標とする磁気ディスクは、現在磁気ヘッドが位置付けられている磁気ディスクと同一の磁気ディスクであると判定された場合に(ステップS154肯定)、ステップS155へ移り、目標とする磁気ディスクは、現在磁気ヘッドが位置付けられている磁気ディスクと同一の磁気ディスクであると判定されなかった場合に(ステップS154否定)、ステップS157へ移る。
ステップS155では、MCU22は、サーボライト方式識別情報に基づき、サーボライト方式は『磁気転写』方式であるか否かを判定する。サーボライト方式は『磁気転写』方式であると判定された場合に(ステップS155肯定)、ステップS156へ移り、サーボライト方式は『磁気転写』方式であると判定されなかった場合に(ステップS155否定)、ステップS153へ移る。
ステップS156では、MCU22は、ヘッドチェンジシーク方式として、通常シークを選択する。この処理が終了すると、シーク方式選択処理は終了する。
ステップS157では、MCU22は、サーボライト方式識別情報に基づき、サーボライト方式は『セルフSTW』方式または『コピーSTW』方式であるか否かを判定する。サーボライト方式は『セルフSTW』方式または『コピーSTW』方式であると判定された場合に(ステップS157肯定)、ステップS153へ移り、サーボライト方式は『セルフSTW』方式または『コピーSTW』方式であると判定されなかった場合に(ステップS157否定)、ステップS158へ移る。
ステップS158では、MCU22は、サーボライト方式識別情報に基づき、サーボライト方式は『単板STW』方式であるか否かを判定する。サーボライト方式は『単板STW』方式であると判定された場合に(ステップS158肯定)、ステップS156へ移り、サーボライト方式は『単板STW』方式であると判定されなかった場合に(ステップS158否定)、ステップS159へ移る。
ステップS159では、MCU22は、サーボライト方式が判定できなかったので、HDC24を介して、ホストコンピュータ200へ、エラー通知を出力する。この処理が終了すると、シーク方式選択処理は終了する。
次に、図24−1〜図26を参照して、サーボパターン読み取り信号の補正について説明する。図24−1は、磁気ディスクからの読み取り信号が対称である場合の波形を示す図である。この場合、磁気ディスクからの読み取り信号の出力変動は、横軸に関して、上下に対称であり、読み取り信号が良好であることを示している。
一方、図24−2は、磁気ディスクからの読み取り信号が非対称である場合の波形を示す図である。このケースは、『磁気転写』方式によるサーボライト方式にみられる。磁気ディスクからの読み取り信号の出力変動は、横軸に関して、上下いずれかに偏っているために非対称であり、読み取り信号が良好でないことを示している。これは、初期化段階の磁化の磁力に比べ、サーボパターン転写の段階の磁力が不足しているために発生する現象である。
次に、読み取り信号の非対称性を補正するリードチャネルの構成を説明する。図25は、読み取り信号から直流成分を除去するリードチャネル(RDC)の構成を示すブロック図である。同図に示すように、RDC21は、プリアンプ部21iと、加算器21jと、DC Offset部21kと、VGA(Variable Gain Amplifier)部21lと、可変EQ(Equalizer)部24mと、ADC(Analog Digital Converter)部21nと、自動利得調整値(AGC(Automatic Gain Control)Gain)を記憶するRegister(レジスタ)部21oと、FIR(Finite Impulse Response)部21pと、復調部21qと、PES演算部21rと、DFT回路21sと、対称性測定部21tとを有する。
図24−2のように、磁気ディスクからの読み取り信号の出力変動が、横軸に関して非対称である場合には、VGA部21lに入力する前に、DC Offsetをフィードフォワードで入力しておくことで、復調エラーの発生確率を低減することが可能である。DC Offset部21kによるDC Offsetのフィードフォワード処理を、「対称性補正FF」と呼ぶ。
また、可変EQ部21mの調整も、『単板STW』方式、『コピーSTW』方式および『磁気転写』方式では、自装置の磁気ヘッドでサーボライトされたのではないことに起因する周波数特性の違いが生ずるので、各々最適値に調整する必要がある。可変EQ部21mの調整を、「可変EQ調整」と呼ぶ。
『セルフSTW』方式および『コピーSTW』のコピー面では、磁気ディスク装置の磁気ディスクに記録されるユーザデータのキャリブレーション値を用いることができるので、調整の手間を省くことが可能である。
なお、図26は、「対称性補正FF(Feed Forward)」および「可変EQ調整」の必要性の有無を、サーボライト方式ごとに示す図である。なお、『シード面』とは、『コピーSTW』方式による、サーボパターンがすでに書き込まれているコピー元の磁気ディスクの面をいう。
以上、実施形態の一例を説明したが、本発明は、これらに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、さらに種々の異なる実施形態で実施されてもよいものである。また、本発明の効果は、実施形態の一例に記載した効果に限定されるものではない。
上記第一実施形態の一例〜第四実施形態の一例では、取得したサーボライト方式識別情報を、不揮発メモリ23(または、23−1、23−2、23−3)に記憶させるとした。しかし、これに限らず、取得したサーボライト方式識別情報を、磁気ディスク11のあらかじめ定められた記憶領域(例えば、図13に示したシステム領域トラックなど)に書き込んで記憶することとしてもよい。このようにすると、不揮発メモリ23が必要でなくなり省略可能となるので、磁気ディスク装置100の部品コストの低減、組み立てコストの低減を図ることができる。
また、上記実施形態の一例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記実施形態の一例で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
さらに、磁気ディスク装置100にておこなわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)(またはMPU(Micro Processing Unit)などのマイクロ・コンピュータ)およびCPU(またはMPUなどのマイクロ・コンピュータ)にて解析実行されるプログラムにて実現される。あるいは、磁気ディスク装置100にておこなわれる各処理機能は、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されてもよい。
以上の第一実施形態の一例〜第四実施形態の一例およびその他の実施形態の一例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)自装置が有する記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定するサーボライト方式判定部と、
前記サーボライト方式判定部によって判定された前記サーボライト方式を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と
を有することを特徴とする記憶装置。
(付記2)前記サーボライト方式と、前記識別情報と、サーボマークとの対応関係を示すサーボマーク情報を記憶するサーボマーク情報記憶部をさらに有し、
前記サーボライト方式判定部は、前記記憶媒体に書き込まれた前記サーボ情報のサーボマークを前記記憶媒体において検出するサーボマーク検出部を含み、
前記サーボマーク検出部は、前記サーボマーク情報におけるサーボマークと一致するサーボマークを前記記憶媒体において検出し、
前記識別情報記憶部は、前記サーボマーク検出部によって前記サーボマーク情報における前記サーボマークと一致するサーボマークが前記記憶媒体において検出された場合に、検出された前記サーボマークに対応する前記識別情報を記憶することを特徴とする付記1記載の記憶装置。
(付記3)前記サーボライト方式判定部は、前記記憶媒体に書き込まれた前記識別情報を読み取る識別情報読み取り部を含み、
前記識別情報記憶部は、前記識別情報読み取り部によって読み取られた前記識別情報を記憶することを特徴とする付記1記載の記憶装置。
(付記4)前記サーボライト方式判定部は、サーボ情報を記憶媒体に書き込むためのサーボライト方式ごとに、基準トラック番号からそれぞれ異なるオフセット量のトラック番号があらかじめ付与された前記記憶媒体の特定トラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して前記特定トラック位置のトラック番号を取得するトラック番号取得部を含み、かつ、前記トラック番号取得部によって取得された前記特定トラック一のトラック番号と、前記基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応する前記オフセット量であるかを判定し、
前記識別情報記憶部は、前記サーボライト方式判定部によって判定された前記オフセット量に対応するサーボライト方式を識別するための識別情報を記憶することを特徴とする付記1記載の記憶装置。
(付記5)前記トラック番号取得部は、同時に前記記憶媒体の同一トラックへと移動する複数の前記ヘッドを、前記特定トラック位置に位置付け、前記特定トラック位置において複数の前記ヘッドを介して取得されたトラック番号の平均を算出し、
前記サーボライト方式判定部は、前記トラック番号取得部によって算出された前記特定トラック番号の平均と、前記基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応する前記オフセット量であるかを判定することを特徴とする付記4に記載の記憶装置。
(付記6)前記サーボライト方式判定部は、
サーボ情報を前記記憶媒体に書き込むためのサーボライト方式ごとに異なるPES(Position Error Signal)を、前記記憶媒体の特定トラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して、特定トラックPESとして取得する特定トラックPES取得部と、
前記記憶媒体の任意のトラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して、任意のトラックのPESを、任意トラックPESとして取得する任意トラックPES取得部と、
前記特定トラックPES取得部によって取得された前記特定トラックPESおよび前記任意トラックPES取得部によって取得された前記任意トラックPESを離散フーリエ変換してそれぞれの周波数成分を取得する周波数成分取得部と
を含み、
前記サーボライト方式判定部は、前記周波数成分取得部によって取得された前記周波数成分の一次偏心量と、想定される一次偏心量との比較結果と、前記特定トラックPESおよび前記任意トラックPESの比較結果から、前記サーボライト方式を判定することを特徴とする付記1記載の記憶装置。
(付記7)前記識別情報記憶部は、前記記憶媒体の記憶領域に設けられることを特徴とする付記1〜6のいずれか一項記載の記憶装置。
(付記8)自装置が内部制御を行う記憶装置が有する記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定するサーボライト方式判定部と、
前記サーボライト方式判定部によって判定された前記サーボライト方式を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と
を有することを特徴とする記憶装置の制御回路。
(付記9)前記サーボライト方式と、前記識別情報と、サーボマークとの対応関係を示すサーボマーク情報を記憶するサーボマーク情報記憶部をさらに有し、
前記サーボライト方式判定部は、前記記憶媒体に書き込まれた前記サーボ情報のサーボマークを前記記憶媒体において検出するサーボマーク検出部を含み、
前記サーボマーク検出部は、前記サーボマーク情報におけるサーボマークと一致するサーボマークを前記記憶媒体において検出し、
前記識別情報記憶部は、前記サーボマーク検出部によって前記サーボマーク情報における前記サーボマークと一致するサーボマークが前記記憶媒体において検出された場合に、検出された前記サーボマークに対応する前記識別情報を記憶することを特徴とする付記8記載の記憶装置の制御回路。
(付記10)前記サーボライト方式判定部は、前記記憶媒体に書き込まれた前記識別情報を読み取る識別情報読み取り部を含み、
前記識別情報記憶部は、前記識別情報読み取り部によって読み取られた前記識別情報を記憶することを特徴とする付記8記載の記憶装置の制御回路。
(付記11)前記サーボライト方式判定部は、サーボ情報を記憶媒体に書き込むためのサーボライト方式ごとに、基準トラック番号からそれぞれ異なるオフセット量のトラック番号があらかじめ付与された前記記憶媒体の特定トラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して前記特定トラック位置のトラック番号を取得するトラック番号取得部を含み、かつ、前記トラック番号取得部によって取得された前記特定トラック位置のトラック番号と、前記基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応する前記オフセット量であるかを判定し、
前記識別情報記憶部は、前記サーボライト方式判定部によって判定された前記オフセット量に対応するサーボライト方式を識別するための識別情報を記憶することを特徴とする付記8記載の記憶装置の制御回路。
(付記12)前記トラック番号取得部は、同時に前記記憶媒体の同一トラックへと移動する複数の前記ヘッドを、前記特定トラック位置に位置付け、前記特定トラック位置において複数の前記ヘッドを介して取得されたトラック番号の平均を算出し、
前記サーボライト方式判定部は、前記トラック番号取得部によって算出された前記特定トラック番号の平均と、前記基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応する前記オフセット量であるかを判定することを特徴とする付記11に記載の記憶装置の制御回路。
(付記13)前記サーボライト方式判定部は、
サーボ情報を前記記憶媒体に書き込むためのサーボライト方式ごとに異なるPES(Position Error Signal)を、前記記憶媒体の特定トラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して、特定トラックPESとして取得する特定トラックPES取得部と、
前記記憶媒体の任意のトラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して、任意のトラックのPESを、任意トラックPESとして取得する任意トラックPES取得部と、
前記特定トラックPES取得部によって取得された前記特定トラックPESおよび前記任意トラックPES取得部によって取得された前記任意トラックPESを離散フーリエ変換してそれぞれの周波数成分を取得する周波数成分取得部と
を含み、
前記サーボライト方式判定部は、前記周波数成分取得部によって取得された前記周波数成分の一次偏心量と、想定される一次偏心量との比較結果と、前記特定トラックPESおよび前記任意トラックPESの比較結果から、前記サーボライト方式を判定することを特徴とする付記8記載の記憶装置の制御回路。
(付記14)前記識別情報記憶部は、前記記憶媒体の記憶領域に設けられることを特徴とする付記8〜13のいずれか一項記載の記憶装置の制御回路。
(付記15)自装置が内部制御を行う記憶装置が有する記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定するサーボライト方式判定ステップと、
前記サーボライト方式判定ステップによって判定された前記サーボライト方式を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶ステップと
を含むことを特徴とする、前記記憶装置の制御回路が行うサーボライト方式識別方法。
磁気ディスクに書き込まれるサーボ情報を説明するための説明図である。 磁気ディスク装置の製造工程の概略を説明するための説明図である。 第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。 第一実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。 第一実施形態の一例にかかるサーボパターンテーブルの一例を示す図である。 第一実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。 第二実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。 第二実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。 第三実施形態の一例にかかる各トラック番号の対応関係を説明するための説明図である。 第三実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。 第三実施形態の一例にかかるサーボパターントラックシフト量データテーブルの一例を示す図である。 第三実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。 第三実施形態の一例にかかるサーボパターン作成方法ごとのサーボ情報書き込み半径位置の対応関係を説明するための説明図である。 サーボパターン作成方法ごとのPES波形を示す図である。 サーボパターン作成方法ごとの、トラック追従時のPES周波数成分を示す図である。 第四実施形態の一例にかかるPES周波数成分特徴テーブルの一例を示す図である。 第四実施形態の一例にかかる磁気ディスク装置のMCUの構成を示す機能ブロック図である。 第四実施形態の一例にかかるサーボライト方式識別処理手順を示すフローチャートである。 サーボパターン作成方法ごとのサーボ制御の特徴を示す図である。 偏心補正を行うリードチャネルのサーボ制御ブロックの構成を示す図である。 RRO非追従制御を行うリードチャネルのサーボ制御ブロックの構成を示す図である。 サーボパターン作成方法ごとのヘッドチェンジシーク速度の対応関係を示す図である。 シーク方式選択処理手順を示すフローチャートである。 磁気ディスクからの読み取り信号が対称である場合の波形を示す図である。 磁気ディスクからの読み取り信号が非対称である場合の波形を示す図である。 読み取り信号の非対称性を補正するリードチャネルの構成を示すブロック図である。 サーボパターン作成方法ごとの対称性補正FFおよび可変EQ調整の必要性の有無を示す図である。
符号の説明
11 磁気ディスク
12 SPM
13 インナストッパ
14 アウタストッパ
15 ヘッドアクチュエータ
16 磁気ヘッド
17 VCM
18 SPM駆動回路
19 VCM駆動回路
20 プリアンプ
21 RDC
21a 差分器
21b Controller
21c FeedForward
21d 加算器
21e Plant
21f 加算器
21g 偏心補正テーブル
21h RROテーブル
21i プリアンプ部
21j 加算器
21k DC Offset部
21l VGA部
21m 可変EQ部
21n ADC部
21o Register部
21p FIR部
21q 復調部
21r PES演算部
21s DFT回路
21t 対称性測定部
22、22−1、22−2、22−3 MCU
22a サーボライト方式識別コマンド発行部
22b 不揮発メモリ管理部
22c サーボマーク候補選択部
22d サーボマークサーチ制御部
22e サーボマークリード制御部
22f トラック番号取得判定部
22g PES測定およびDFT部
22h サーボライト方式判定部
23、23−1、23−2、23−3 不揮発メモリ
23a サーボパターンテーブル格納部
23b サーボライト方式識別情報記憶部
23c サーボパターン数記憶部
23d サーボパターントラックシフト量データテーブル格納部
23e PES周波数成分特徴テーブル格納部
24 HDC
25 バッファ
26 ホストインターフェース
100、100a、100b、100c、100d 磁気ディスク装置
200 ホストコンピュータ

Claims (8)

  1. 自装置が有する記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定するサーボライト方式判定部と、
    前記サーボライト方式判定部によって判定された前記サーボライト方式を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と
    を有することを特徴とする記憶装置。
  2. 前記サーボライト方式と、前記識別情報と、サーボマークとの対応関係を示すサーボマーク情報を記憶するサーボマーク情報記憶部をさらに有し、
    前記サーボライト方式判定部は、前記記憶媒体に書き込まれた前記サーボ情報のサーボマークを前記記憶媒体において検出するサーボマーク検出部を含み、
    前記サーボマーク検出部は、前記サーボマーク情報におけるサーボマークと一致するサーボマークを前記記憶媒体において検出し、
    前記識別情報記憶部は、前記サーボマーク検出部によって前記サーボマーク情報における前記サーボマークと一致するサーボマークが前記記憶媒体において検出された場合に、検出された前記サーボマークに対応する前記識別情報を記憶することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
  3. 前記サーボライト方式判定部は、前記記憶媒体に書き込まれた前記識別情報を読み取る識別情報読み取り部を含み、
    前記識別情報記憶部は、前記識別情報読み取り部によって読み取られた前記識別情報を記憶することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
  4. 前記サーボライト方式判定部は、サーボ情報を記憶媒体に書き込むためのサーボライト方式ごとに、基準トラック番号からそれぞれ異なるオフセット量のトラック番号があらかじめ付与された前記記憶媒体の特定トラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して前記特定トラック位置のトラック番号を取得するトラック番号取得部を含み、かつ、前記トラック番号取得部によって取得された前記特定トラック位置のトラック番号と、前記基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応する前記オフセット量であるかを判定し、
    前記識別情報記憶部は、前記サーボライト方式判定部によって判定された前記オフセット量に対応するサーボライト方式を識別するための識別情報を記憶することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
  5. 前記トラック番号取得部は、同時に前記記憶媒体の同一トラックへと移動する複数の前記ヘッドを、前記特定トラック位置に位置付け、前記特定トラック位置において複数の前記ヘッドを介して取得されたトラック番号の平均を算出し、
    前記サーボライト方式判定部は、前記トラック番号取得部によって算出された前記特定トラック番号の平均と、前記基準トラック番号との差分が、いずれの前記サーボライト方式に対応する前記オフセット量であるかを判定することを特徴とする請求項4に記載の記憶装置。
  6. 前記サーボライト方式判定部は、
    サーボ情報を前記記憶媒体に書き込むためのサーボライト方式ごとに異なるPES(Position Error Signal)を、前記記憶媒体の特定トラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して、特定トラックPESとして取得する特定トラックPES取得部と、
    前記記憶媒体の任意のトラック位置にヘッドを位置付けて、前記ヘッドを介して、任意のトラックのPESを、任意トラックPESとして取得する任意トラックPES取得部と、
    前記特定トラックPES取得部によって取得された前記特定トラックPESおよび前記任意トラックPES取得部によって取得された前記任意トラックPESを離散フーリエ変換してそれぞれの周波数成分を取得する周波数成分取得部と
    を含み、
    前記サーボライト方式判定部は、前記周波数成分取得部によって取得された前記周波数成分の一次偏心量と、想定される一次偏心量との比較結果と、前記特定トラックPESおよび前記任意トラックPESの比較結果から、前記サーボライト方式を判定することを特徴とする請求項1記載の記憶装置。
  7. 自装置が内部制御を行う記憶装置が有する記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定するサーボライト方式判定部と、
    前記サーボライト方式判定部によって判定された前記サーボライト方式を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶部と
    を有することを特徴とする記憶装置の制御回路。
  8. 自装置が内部制御を行う記憶装置が有する記憶媒体に書き込まれたサーボ情報が、いずれのサーボライト方式によって書き込まれたかを判定するサーボライト方式判定ステップと、
    前記サーボライト方式判定ステップによって判定された前記サーボライト方式を識別するための識別情報を記憶する識別情報記憶ステップと
    を含むことを特徴とする、前記記憶装置の制御回路が行うサーボライト方式識別方法。
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